JPH106051A - レーザ溶接の品質検査方法およびその装置 - Google Patents

レーザ溶接の品質検査方法およびその装置

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JPH106051A
JPH106051A JP8157210A JP15721096A JPH106051A JP H106051 A JPH106051 A JP H106051A JP 8157210 A JP8157210 A JP 8157210A JP 15721096 A JP15721096 A JP 15721096A JP H106051 A JPH106051 A JP H106051A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ溶接により、2枚以上のワークを重ね
て溶接する場合に、レーザ溶接中に発生するプラズマ光
の観察によって溶接状態を検査することのできるレーザ
溶接の品質検査方法およびその装置を提供する。 【解決手段】 センサ10a,10bにより溶接時のプ
ラズマ光3の発光強度を測定し、パソコン11によっ
て、測定したプラズマ光の周波数分布を求め、求めた周
波数分布と予め記憶されている規準となる周波数分布と
を比較することにより、重ね合わせたワークのレーザ溶
接時の品質を検査するレーザ溶接の品質検査方法および
その装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ溶接の品質
検査方法およびその装置に関し、特に少なくとも2枚以
上のワークが重ねられてレーザ溶接される際の品質検査
方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ溶接は、ワークに炭酸ガスレーザ
などを照射することによりその部分を溶解して溶接を行
うものであり、高パワー密度による低入熱で高効率の溶
接工法として、自動車産業などを中心に急速に実用化さ
れている。しかし、溶接品質が開先精度やオイルなどの
汚染に敏感に影響され、突発的な欠陥が発生しやすく、
加工点での出力や集光スポット径などが、生産ラインで
容易に管理できないなど、品質保証上解決すべき課題が
多く存在する。
【0003】そこで、レーザ溶接時における溶接品質を
インラインで検査することが望まれているが、その方法
の一つとして、レーザ溶接時に発生するにプラズマ光の
発光強度を測定し、これをレーザ溶接の品質検査に用い
ることが行われている。レーザ溶接時に発生するプラズ
マ光は、ワークがレーザ光の吸収することによって溶融
し、ワーク物質が蒸発、電離したものである。したがっ
て、このプラズマ光を測定することで、ワークの溶融状
態を知ること自体は理に適った手法ということができ
る。
【0004】従来、このようなプラズマ光を測定するこ
とによるレーザ溶接の品質検査方法としては、図16に
示すように、ワーク1a上からにレーザ2が照射されて
発生するプラズマ光3の発光強度をワーク表面側に設け
られているフォトダイオードなどのセンサ40によって
測定し、プラズマ発光強度の時間平均値により、ワーク
の溶融状態を検査している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなレーザ溶接時に発生するプラズマ光を観測して溶接
品質の検査に用いるといっても、従来は、単にワーク表
面の溶融の有無を確認している程度であり、例えば重ね
継ぎ手のように2枚以上のワークを重ねて溶接する場合
に、2枚のワークが良好に溶接されているかどうかを、
溶接中に判定、確認するといったことはできていない。
【0006】これは、例えばワークとして2枚のパネル
をレーザ溶接した場合、レーザ照射側のパネル(図では
上の板)とその下にあるパネルとの間に隙間があると、
アンダーフィルを生じて、溶接後の引張り強度が低下す
ることが知られているが、このような不良が発生してい
る場合でも、従来の品質検査方法では上板がレーザ照射
によって溶融していると、プラズマ発光強度自体は良好
な値を示すため、このような不良は検知することができ
ないのである。
【0007】そこで、本発明の目的は、レーザ溶接によ
り、少なくとも2枚以上のワークを重ねて溶接する場合
に、この2枚以上のワークが良好に溶接されているかど
うかを、レーザ溶接中に発生するプラズマ光の測定によ
って検査することのできるレーザ溶接の品質検査方法お
よびその装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、各種実験を行
った結果、後に詳細に説明するが、レーザ溶接時におけ
るプラズマ光を測定した際の信号成分の周波数分布がレ
ーザ光を照射したワークの厚さによって特有の分布があ
ることを見出だし、2枚以上のワークを重ねて溶接する
場合に、このワークの厚さに特有の周波数分布を溶接品
質の判定に利用したものである。
【0009】すなわち、上記目的を達成するための請求
項1記載の本発明は、レーザ溶接の際にできるプラズマ
光の発光強度を測定することによって、少なくとも2枚
以上のワークが重ねられてレーザ溶接される際の品質を
検査するための方法であって、予め、前記少なくとも2
枚以上のワークのうち、レーザ照射側に位置するワーク
単独でのレーザ溶接時におけるプラズマ発光強度を測定
し、その測定結果の周波数分布を記憶する段階と、前記
少なくとも2枚以上のワークを重ねてレーザ溶接する
時、プラズマ発光強度を測定し、その測定結果の周波数
分布を得て、該得られた周波数分布が前記記憶した周波
数分布とほぼ等しい場合には溶接が不良であると判定す
る段階と、よりなることを特徴とするレーザ溶接の品質
検査方法である。
【0010】また上記目的を達成するための請求項2記
載の本発明は、レーザ溶接の際にできるプラズマ光の発
光強度を測定することによって、少なくとも2枚以上の
ワークが重ねられてレーザ溶接される際の品質を検査す
るための方法であって、予め、前記少なくとも2枚以上
のワークが重ねられて溶接されたときの合計厚さと等し
い厚さの材料でのレーザ溶接時におけるプラズマ発光強
度を測定し、その測定結果の周波数分布を記憶する段階
と、前記少なくとも2枚以上のワークを重ねてレーザ溶
接する時、プラズマ発光強度を測定し、その測定結果の
周波数分布を得て、該得られた周波数分布が前記記憶し
た周波数分布とほぼ等しい場合には溶接が良好であると
判定する段階と、よりなることを特徴とするレーザ溶接
の品質検査方法である。
【0011】また上記目的を達成するための請求項3記
載の本発明は、レーザ溶接の際にできるプラズマ光の発
光強度を測定することによって、少なくとも2枚以上の
ワークが重ねられてレーザ溶接される際の品質を検査す
るための方法であって、予め、前記少なくとも2枚以上
のワークのうち、レーザ照射側に位置するワーク単独で
のレーザ溶接時におけるプラズマ発光強度を測定し、そ
の測定結果の周波数分布を記憶する第1記憶段階と、予
め、前記少なくとも2枚以上のワークが重ねられて溶接
されたときの合計厚さと等しい厚さの材料でのレーザ溶
接時におけるプラズマ発光強度を測定し、その測定結果
の周波数分布を記憶する第2記憶段階と、前記少なくと
も2枚以上のワークを重ねてレーザ溶接する時、プラズ
マ発光強度を測定し、その測定結果の周波数分布を得
て、該得られた周波数分布が前記第1記憶段階で記憶し
た周波数分布とほぼ等しい場合には溶接が不良であると
判定し、前記第2記憶段階で記憶した周波数分布とほぼ
等しい場合には溶接が良好であると判定する段階と、よ
りなることを特徴とするレーザ溶接の品質検査方法であ
る。
【0012】また上記目的を達成するための請求項4記
載の本発明は、レーザ溶接の際にできるプラズマ光の発
光強度を測定することによって、少なくとも2枚以上の
ワークが重ねられてレーザ溶接される際の品質を検査す
るための方法であって、前記少なくとも2枚以上のワー
クを重ねてレーザ溶接する時、プラズマ発光強度を測定
し、その測定結果の周波数分布を得て、該得られた周波
数分布の中の特定の周波数の出力値を予め定めた基準値
と比較することにより溶接の良否を判定することを特徴
とするレーザ溶接の品質検査方法である。
【0013】また上記目的を達成するための請求項5記
載の本発明は、レーザ溶接の際にできるプラズマ光の発
光強度を測定することによって、少なくとも2枚以上の
ワークが重ねられてレーザ溶接される際の品質を検査す
るための装置であって、前記プラズマ光の発光強度を測
定する測定手段と、該測定手段の測定によって得られた
信号から、測定したプラズマ光の周波数分布を求める周
波数分布算出手段と、溶接品質の良不良を判定する基準
となる周波数分布を記憶した基準周波数分布記憶手段
と、前記周波数分布算出手段によって求めた周波数分布
と、前記基準周波数分布記憶手段に記憶されている周波
数分布とを比較して溶接品質の良不良を判定する判定手
段と、を具備することを特徴とするレーザ溶接の品質検
査装置である。
【0014】また上記目的を達成するための請求項6記
載の本発明は、レーザ溶接の際にできるプラズマ光の発
光強度を測定することによって、少なくとも2枚以上の
ワークが重ねられてレーザ溶接される際の品質を検査す
るための装置であって、前記プラズマ光の発光強度を測
定する測定手段と、該測定手段の測定によって得られた
信号から、予め決めた周波数帯の信号を取り出すための
バンドパスフィルタと、前記バンドパスフィルタと通過
した後の信号を予め決めた規準値と比較して溶接品質の
良不良を判定する判定手段と、を具備することを特徴と
するレーザ溶接の品質検査装置である。
【0015】さらに、請求項7記載の本発明は、前記請
求項5または6記載の構成において、前記測定手段が、
ワーク表面からの仰角が異なる2点に設けられた2つの
センサによってプラズマ発光強度を測定し、該2つのセ
ンサによって得られた2つの信号からキーホール内部の
プラズマ光による発光強度のみを取り出すことを特徴と
するレーザ溶接の品質検査装置である。
【0016】
【発明の効果】以上のように構成された本発明によれ
ば、請求項ごとに以下のような効果を奏する。
【0017】請求項1記載の本発明によれば、予めレー
ザ照射側のワークの厚さと同じ厚さの材料の周波数分布
を記憶しておき、実際に2枚以上のワークを溶接した際
のプラズマ光の測定して、その測定結果の周波数分布が
予め記憶しておいた周波数分布と同じ場合にはこれを不
良と判定することとしたので、その溶接が適切に行われ
ていないことをレーザ溶接中に判断することができるよ
うになる。
【0018】請求項2記載の本発明によれば、予め溶接
する2枚以上のワークを合計した厚さの材料のレーザ溶
接時の周波数分布を記憶しておき、実際に2枚以上のワ
ークを溶接した際のプラズマ光の測定して、その測定結
果の周波数分布が予め記憶しておいた周波数分布と同じ
場合にはこれを良好と判定することとしたので、その溶
接が良好に行われていることをレーザ溶接中に判断する
ことができるようになる。
【0019】請求項3記載の本発明によれば、予め、レ
ーザ照射側のワークの厚さと同じ厚さの材料のレーザ溶
接材時の周波数分布と、溶接する2枚以上のワークを合
計した厚さと等しい材料のレーザ溶接時の周波数分布と
を記憶しておき、実際に2枚以上のワークを溶接した際
のプラズマ光の測定して、その測定結果の周波数分布が
予め記憶しておいたレーザ照射側材料の周波数分布と同
じ場合にはこれを不良と判定し、また記憶しておいた合
計厚さの材料の周波数分布と同じ場合にはこれを良好と
判定することとしたので、溶接品質の良不良をレーザ溶
接中に判断することができるようになる。
【0020】請求項4記載の本発明によれば、少なくと
も2枚以上のワークを重ねてレーザ溶接する時、プラズ
マ発光強度を測定し、その測定結果の周波数分布を得
て、該得られた周波数分布の中の特定の周波数の出力値
を予め定めた基準値と比較することにより溶接の良否を
判定することとしたので、溶接品質の良不良をレーザ溶
接中に、より簡単に判定することができる。
【0021】請求項5記載の本発明によれば、測定手段
により溶接時のプラズマ光の発光強度を測定し、周波数
分布算出手段により測定したプラズマ光の周波数分布を
求め、判定手段が、求めた周波数分布と基準周波数分布
記憶手段に予め記憶されている規準となる周波数分布と
を比較することにより、重ね合わせたワークのレーザ溶
接時の品質を検査することとしたので、その溶接が良好
に行われているかどうかをレーザ溶接中に判断すること
ができるようになる。
【0022】請求項6記載の本発明によれば、測定手段
により溶接時のプラズマ光の発光強度を測定し、バンド
パスフィルタによって予め決めた周波数帯の信号のみ取
り出し、判定手段が、取り出した信号の出力値を予め定
めた基準値と比較することにより溶接の良否を判定する
こととしたので、溶接品質の良不良をレーザ溶接中に、
より簡単に判断することができる。
【0023】請求項7記載の本発明によれば、前記請求
項5または6記載の構成において、測定手段として2つ
のセンサを設けてその2つのセンサから取得したプラズ
マ発光強度の信号からキーホール内部のプラズマ光によ
る発光強度のみを取り出すこととしたので、溶接品質を
より正確に検査することが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面を参照して、
本発明の一実施の形態を説明する。
【0025】実施の形態1 図1は、本発明を適用したレーザ溶接の品質検査装置を
示すブロック図である。
【0026】この品質検査装置は、プラズマ光の発光強
度を測定するためのフォトダイオードよりなるセンサ1
0aおよび10bと、このセンサ10a、10bからの
信号からキーホール内部の発光の信号のみを取り出すた
めの差動アンプ12があり、差動アンプ12からの信号
が、バンドパスフィルタ13を通り、A/Dコンバータ
14を介してパソコン11に入力されている。そして、
このパソコン11には、後述するように、溶接の良不良
を判定するための基準となる周波数分布が予め記憶され
ていて、測定した結果と比較することにより溶接時の品
質を判定する。また、パソコン11では入力された信号
からFFT解析によりその周波数分布を算出し、信号波
形や周波数分布などをそのディスプレイ上に表示する
(なお、オスロスコープなどを接続してセンサの測定波
形を直接表示してもよい)。
【0027】溶接に必要なレーザ光2はワーク1aの上
方から照射される。また、アシストガスがノズル20か
ら拭きつけられるようになっていて、ノズル20の吹き
出し口先端からレーザ照射位置までは15mm離れてい
る。
【0028】センサ10aおよび10bはそれぞれ重ね
溶接される2枚のワーク1aおよび1bのレーザ照射側
のワーク1a表面からの仰角が異なる位置に設けられて
いる。センサ10aはワーク1a表面に噴き出したプラ
ズマ光(プルーム)とキーホール内部のプラズマ光の両
方が観測できるように、かつ、レーザ照射の邪魔になら
ない位置に設けられ、一方、センサ10bはプルームが
測定できる位置に設けられる。ここではセンサ10aは
ワーク1aからの仰角θ1=約75度で、レーザ光2の
ワーク1a上の焦点から120mm離して設置されてい
る。センサ10bはワーク1aからの仰角θ2=約5度
で、レーザ光2のワーク1a上の焦点から120mm離
して設置されている。
【0029】差動アンプ12は、センサ10aの信号か
らセンサ10bの信号を引き算して出力するもので、こ
れにより、キーホール内部の発光による信号のみが得ら
れる。差し引きされた信号は、差動アンプ12で適宜増
幅されて、バンドパスフィルタ13へ出力されている。
したがって、ここではセンサ10a、10bおよび差動
アンプ12が測定手段として機能している。なお、各セ
ンサ10a、10bの角度と測定させるプラズマ光との
関係については後に詳細に説明する。
【0030】バンドパスフィルタ13は、測定した信号
の中から必要な周波数帯の信号のみを取り出す(逆に言
うと不要な信号を除去する)ものであり、後述するよう
に、ここではレーザ溶接時のプラズマ発光の信号として
必要な周波数帯は1〜10kHz程度であるので、本装
置では、1〜10kHz以外の周波数成分を除去するた
めにこのバンドパスフィルタ13を設けてある。また、
実験の必要によりバンドパスフィルタ13を通さない信
号を得るためのバイパスライン100も設けてある。
【0031】パソコン11は、溶接する複数のワーク単
独で、溶接する際と同じ条件によってレーザ照射を行っ
たときのキーホール内でのプラズマ光の周波数分布と、
ワークを重ね合わせて溶接したときの合計した厚さと等
しい厚さの材料について同様にレーザ照射したときのキ
ーホール内でのプラズマ光の周波数分布とが、予めパソ
コン11内のメモリやハードディスク装置など(不図
示)に記憶されており(これらを規準周波数分布と称す
る)、この記憶された基準周波数分布と実際の溶接の際
に得られる周波数分布とを比較して、溶接時の品質の良
不良を判定するものである。例えば実際の溶接時の周波
数分布がレーザ照射側のワーク単独の周波数分布と略同
様であれば不良であり、合計したものの周波数分布と略
同様であれば良好であると判定される。したがって、こ
のパソコン11は、周波数分布算出手段、基準周波数分
布記憶手段(より具体的にはパソコン内のメモリやハー
ドディスクなど)および判定手段として機能するもので
ある。
【0032】以下、この装置を用いた実験結果について
説明する。
【0033】実験には板厚0.8、1.6および2.9
mmの3種類の軟鋼板を用い、ビードオン溶接並びに重
ね溶接を行った。溶接条件として、加工点でのレーザ出
力P=3kW、溶接速度v=3mm/min、焦点位置
F=0、焦点距離=250mm、アシストガス(Arガ
ス)流量QAr=30リットル/minとした。なお、焦
点位置Fはワーク表面に対する相対位置であり、ワーク
表面上が0、ワーク表面より内部にあるときがF<0、
ワーク表面から外側にあるときがF>0となる。
【0034】センサ10aおよび10bとして用いたフ
ォトダイオードセンサは、波長950nm付近にピーク
感度をもち、周波数応答性は数MHz以上であることを
確認している。
【0035】図2(a)は、プラズマ光のうち、プルー
ムとキーホール内とを分離するための実験結果を示すも
ので、上記同様の装置構成において、センサのみその配
置角度を5度から75度まで1度ごとに8個配置して、
測定角度と測定されるプラズマ光の発光強度の関係を調
べた結果である。なお、ここでの信号強度はセンサによ
る受光量を単純に時間平均値として得られたものであ
り、従来は、このような単純な平均値から溶融している
か否かを判断していた。
【0036】この図から分かるように、得られる信号は
センサの位置に依存しており、角度が増加するにつれ信
号強度は単調に増加し、角度が75度でほぼ飽和してい
る。角度によって信号強度が増加するのは、測定される
プラズマの領域が多くなるためである。そして、レーザ
照射によって得られる溶融池に誘起されるプラズマ温度
が溶融池に比べてはるかに高いので、溶融池からの輻射
が小さく、プラズマでの吸収・散乱などを無視するとキ
ーホール上部に噴出したプルームからの受光量Ppは角
度に依存せず一定と見なすと、図2(a)に示した密な
ハッチング部分がプルームからの受光量Pp、粗なハッ
チング部分がキーホール内部からの受光量Pkとするこ
とができる。このPpとPkを概念的に示したものが図
2(b)である。
【0037】したがって、上記装置構成の如く2つのセ
ンサ10aおよび10bを75度と5度の位置に配置し
て、センサ10aの信号からセンサ10bの信号を引く
ことで、キーホール内部の発光Pkのみを取り出すこと
ができるのである。
【0038】図3は、上述の装置により、板厚t=0.
8mm(図3(a))、t=1.6mm(図3(b))
およびt=2.9mm(図3(b))の3種類の軟鋼板
を前記溶接条件によってビードオン溶接行った際の測定
結果である。ここでPpはプルームの発光強度であり、
Pkはキーホール内の発光強度である(以下同様)。図
から分かるように、測定される信号は時間的にその信号
強度が激しく変動していることが分かる。
【0039】図4は、測定した結果をPp,Pkについ
てそれぞれFFT解析した結果である。
【0040】図(上段)から分かるように、Ppについ
ては板厚(t=0.8mmが図4(a)、t=1.6m
mが図4(b)、t=2.9mmが図4(c))によっ
てその周波数分布はさほど顕著な差は認められず、約1
0kHzまで同じような分布をしている。これに対し、
Pk(下段)では板厚が薄いほど周波数成分を含んでい
ることが分かる。
【0041】図5にピーク周波数fmax と板厚tとの関
係を示す。板厚0.8mmではfmax は4〜5kHz、
板厚1.6mmではfmax は約2.5kHz、板厚2.
9mmではfmax は約1.5kHzである。このように
板厚3mm以下の場合に、10kHz以下の周波数にお
いて顕著な差が見られる。したがって、上記装置におい
てはバンドパスフィルタ13により10kHz以上の周
波数成分について遮断したものである。
【0042】以上の結果をもとに、実際に2枚の軟鋼板
を重ねて溶接した際の検査結果について説明する。
【0043】溶接する軟鋼板は0.8mm厚、40×2
0mmのものを2枚用い、実験のため、隙間間隔Gを下
記のように一定に保つためにシムを挟んで2枚重ねて、
長さ20mmに渡ってレーザ溶接した試験片を作成し
た。溶接条件は前記した通り、加工点でのレーザ出力P
=3kW、溶接速度v=3mm/min、焦点位置F=
0、焦点距離=250mm、アシストガス(Arガス)
流量QAr=30リットル/minである。また、重ね溶
接の際の隙間間隔Gは0.05、0.1、0.15、
0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.4
5および0.5mmとした。
【0044】ここで、溶接時の検査結果を説明する前
に、上記試験片において、隙間間隔Gを変えて溶接した
後の剪断強度を測定した結果について説明する。
【0045】実際に隙間間隔Gを変えて溶接した際の溶
接後の剪断強度は、図6に示すように、隙間間隔Gが約
0.3mmまではほぼ一定の値となっているが、隙間間
隔Gが0.3mmを越えると低下してくるのが分かる。
この結果から本試験片については0.3mmが隙間間隔
の許容値ということができる。なお、このような板材を
重ねて溶接する重ね継ぎ手において、その隙間間隔Gが
大きくなると強度が低下することは周知であり、特に、
自動車ボディーのようなプレス加工品の重ね継ぎ手部分
の強度低下を招く原因となっている。
【0046】図7は、上記試験片のレーザ溶接時におけ
る周波数分布を、上述した各板厚の単独のものをビード
オン溶接したときと同様にして求め、その周波数分布中
のピークの周波数fmax と試験片の隙間間隔Gとの関係
を示したものである。
【0047】図示するように、隙間間隔G=0付近で
は、板厚1.6mm単独の鋼板のときのfmax である約
2.5kHzとほぼ一致しているのに対し、隙間間隔G
が0.2〜0.3mmにかけてfmax が急激に増大し、
隙間間隔Gが0.3mmのところから、板厚0.8mm
単独の鋼板のときのfmax である約5kHzに一致して
いる。
【0048】この結果から、図6に示したように重ね溶
接における良好な隙間間隔Gの許容範囲となるG≦0.
3mmと、溶接時のプラズマ光のfmax の値の変化とが
よく一致している。すなわち、重ね溶接が良好なときは
ワークが重ねられた合計の板厚のものと同様のfmax と
なり、不良が発生するような隙間が広い場合には、レー
ザ照射側ワークの板厚単独のときのfmax に移行するこ
とが認められる。
【0049】さらに、図8(a)に、溶接が良好な隙間
間隔のうちG=0.05mmのときのPkの波形(図8
(a)上段)とその周波数分布(図8(a)下段)を、
また、溶接不良が発生するG=0.35mmのときのP
kの波形(図8(b)上段)とその周波数分布(図8
(b)下段)を示す。この図と、前述した図4の周波数
分布を比較しても分かるように、溶接不良が発生するG
=0.35mmのときの周波数分布自体がレーザ照射側
のワーク単独のときをほぼ同様の傾向を示していること
が分かる。
【0050】以上のような実験結果から分かるように、
予め、ワーク単独および重ね溶接されたときの合計板厚
で、それぞれ溶接時のプラズマ光の周波数分布を求め
て、これを記憶しておけば、実際に重ね溶接する際にそ
のプラズマ光の周波数分布と記憶した周波数分布を比較
することで溶接中にその重ね溶接の良不良を判定するこ
とができる。すなわち、レーザ照射側の板厚単独の周波
数分布と重ね溶接時の周波数分布がほぼ同様であれば、
不良であると判断でき、合計板厚と同様の周波数分布で
あれば良好な溶接が行われていると判断できるものであ
る。特にこのような周波数分布による判断は、前述した
図5に示したピーク周波数fmax と板厚tとの関係か
ら、ワークの厚さが3mm以下の場合に好適である。
【0051】また、溶接の品質検査としては、単に不良
の可能性のみ判定するのであれば、合計板厚の周波数分
布を記憶せず、レーザ照射側の板厚単独のときの周波数
分布を記憶しておいて、これと比較すれば不良の発生を
検知することが可能となり、逆に、合計板厚の周波数分
布のみ記憶しておいて、それと同様すれば良好であると
判断してもよい。
【0052】なお、溶接の良不良の判定自体は、記憶し
てある周波数分布と溶接時の周波数分布全体が同様であ
るかどうか(例えば全体的なの波形が相似しているかな
ど)を判定してもよいが、例えば記憶してある周波数分
布のピーク周波数と溶接時の周波数分布のピーク周波数
がある程度の範囲内(例えば1kHzの範囲内)で一致
するかどうかで判定してもよい。
【0053】ここで、以上述べたキーホール内からのプ
ラズマ光の発光強度が振動する理由について説明する。
【0054】このプラズマ発光強度の振動は、以下のよ
うにキーホールそのものの振動現象に大きく依存してい
ると考えられる。キーホールは、図9に示すように、溶
融金属壁で囲まれた構造であり、このキーホールの振動
は、半径振動(図9(a))、方位角振動(図9
(b))、軸振動(図9(c))の3つのモードで振動
することが知られている。図9に示すように、各振動モ
ードの次数は(N,L)で表され、N=方位角振動のモ
ード次数、L=軸振動のモード次数である。ただし、
(0、0)は半径振動を表している。
【0055】Kroosら(J.Kroos,T.Kein et al;Osc
illation of the keyhole in penetration laser from
weding, J.Physic;Appl.Physic,Vol.27(1994)pp2023-20
30)が各振動モードから、計算によって求めた合成振動
の共振振動数と板厚との関係を図10に示す。NとLの
合成振動がより高次になるほど共振周波数が高くなり、
また、高次の合成振動の同一振動モードでの共振周波数
は、板厚が薄くなるほど高くなることが分かる。
【0056】このKroosらの計算結果をからする
と、上述した本発明で観測したプラズマ発光強度の板厚
依存性(板厚が薄いほど測定させるプラズマ光の周波数
分布が高い周波数を含む)はキーホールの振動そのもの
と深い関係があると言うことができる。そして、図4に
示したプラズマ光の周波数分布が数kHzの範囲に渡っ
て、ブロードに分布するのは、多数の高次振動モードが
混在するためと考えられる。また、図5に示した板厚が
薄いほど高い周波数成分の強度が大きくなることから、
高次の軸振動モードが支配的であることがうかがえる。
【0057】さらに、図8で示したように隙間間隔Gが
限界値(ここでは0.3mm)以下ではt=1.6mm
と同等の周波数分布を示すのは、上下のワークの合計板
厚に等しいキーホールが形成されるためと考えられ、一
方、限界値を越えている場合には、上下のワークがそれ
ぞれ別々な振動となり観測されるプラズマ発光としては
レーザ照射側のワークからの発光となり周波数分布が高
い方に遷移するものと考えられる。
【0058】なお、上記実験では2枚のワークを重ね溶
接した試験片を用いた結果について説明したが、本発明
は2枚の重ね溶接に限らず、3枚、4枚さらにそれ以上
であっても、予め溶接するワーク単独および合計板厚で
の周波数分布を取得してこれらを記憶しておき、実際の
重ね溶接時に記憶した周波数分布と比較することでその
溶接の良不良を判定することができる。
【0059】実施の形態2 本実施の形態2は、上記実施の形態1と同様の装置構成
において、バンドパスフィルタ13の通過周波数帯を4
〜5kHzにして、この周波数帯における信号強度を予
め決めた規準値を比較することにより溶接の良不良を判
断するものである。したがって、装置構成自体は前述し
た実施の形態1において、図1を参照して説明したもの
と同様であるので、その説明は省略する。ただし、バン
ドパスフィルタ13の通過周波数帯は4〜5kHzであ
り、またパソコン11では規準値のみ記憶しておけばよ
いものである。
【0060】図11は、本実施の形態2、すなわち、周
波数帯4〜5kHzでの、前述の実施の形態1で用いた
重ね溶接の試験片を溶接したときのPkの信号強度と隙
間間隔Gとの関係を示す図面である。なお、信号強度の
値はこの周波数帯の信号の2乗平均値である。
【0061】この図から、信号強度が溶接不良が生じる
隙間間隔G=0.3mmを境に急激に上昇していること
が分かる。したがって、ある適当な値を規準(閾値)に
とり、その規準より大きな信号強度を検知したときには
不良が発生していると判断することができる。ここでは
規準値として0.035(V2 )としてそれ以上を不良
と判定することにより、レーザ溶接中にその溶接品質を
判定することができる。なお、図11中にPpの信号強
度も示したがG=0.3mmで僅かに変化が見られるも
のの、Pkほど大きな変化はない。
【0062】比較のために図12に、バンドパスフィル
タ13を通さずにセンサからの信号を単純に時間平均
(1秒間の平均)したDC成分の信号強度をPkとPp
について示した。この図と図11とを比較して分かるよ
うに、DC成分強度より4〜5kHzにおける周波数帯
の信号強度の方が顕著な変化を示し、溶接品質の判断に
用いることでより精度の高い判定を行うことができる。
なお、隙間間隔Gが大きくなるにしたがって、DC成分
が変化しているのは、溶接中にワーク内部にキーホール
が落ち込むため、プラズマ発光全体が遮蔽されてワーク
の外で測定されるプラズマ光の発光強度が低下するため
と思われる。
【0063】本実施の形態2では、通過させる周波数帯
を4〜5kHzとしているが、これは試験片の板厚が
0.8mmであるためである。すなわち、溶接するレー
ザ照射側のワーク単独での溶接時のピーク周波数fmax
部分が通過するようにしたものである。したがって、こ
の通過させる周波数帯は溶接するワーク単独でのピーク
周波数に合わせて適宜変更することにより、同様に、そ
の板厚のワークを重ね溶接した際の良不良を判定するこ
とができる。
【0064】なお、本実施の形態2ではパソコンを用い
て良不良を判定したが、これに限らず、例えば、図13
に示すように、キーホール内部のプラズマ光が測定でき
る位置に配置されたセンサ10からの信号をアンプ12
0により増幅して、通過周波数帯を任意変更することが
できるバンドパスフィルタ13と、ある規準値(閾値)
を自由に設定でき、その規準値以上の信号が来た場合に
信号を出力するコンパレータ110およびコンパレータ
110からの信号により点消灯するランプ140などの
表示装置により構成してもよい。このように単純な装置
構成により、溶接されるワーク単独(特にレーザ照射側
のワーク)でのピーク周波数の信号が、設定した規準値
を越えた場合にランプ140が点灯して溶接の不良を知
らせることができる。また、この場合に、センサは図1
3に示したように一つでもよく、これは図11を見ても
分かるように、特定の周波数帯(ここでは4〜5kHz
H)に着目した場合、キーホールからの発光強度の変化
が大きいため、PkとPpを分離しなくても、十分溶接
品質の判定が行えるためである。もちろん、図1に示し
たように、2つのセンサと差動アンプを用いてPkとP
pを分離してPkの信号のみ使用してもよい。
【0065】実施の形態3 本実施の形態3では、図14に示すように、キーホール
内部のプラズマ光が測定できる位置に配置された1つの
センサ10を用いて該センサ10の前にレンズ15aま
たはアパーチャ(図14ではレンズを図示)を設け、こ
のレンズ150aまたはアパーチャによりキーホール内
のプラズマ光のみを検出するものである。したがって、
図1に示した装置構成における差動アンプは不要とな
る。
【0066】その他、バンドパスフィルタ13やパソコ
ン11などの構成およびそれらの動作は前述の実施の形
態1と同様である。すなわち、予めパソコン11内にワ
ーク単独および合計板厚の材料での周波数分布を記憶し
ておき、この記憶した周波数分布と、レンズ150aま
たはアパーチャを通して測定された重ね溶接時のプラズ
マ発光強度の周波数分布とを比較することでその溶接の
良不良を判定する。
【0067】レンズまたはアパーチャは、図15に示す
ように(図15aはレンズ150aの場合、図15bは
アパーチャ150bの場合)、プラズマ光の発光を測定
する視野を絞り込んで、センサ10の指向性を高くしプ
ルームの影響を少なくして、キーホール内の発光強度を
測定するようにするものである。このレンズ150aま
たはアパーチャ150bによりセンサ10の指向性が高
くなることから、前述の2つのセンサによる差によって
Pkのみの発光強度を測定したときと比較すると、若干
キーホールの発光PkのみのS/N比は落ちるものの、
前記図13に示したように、指向性がないものと比較し
た場合には、プルームの影響が少なくなり、Pkのみの
測定感度が向上する。なお、ここでアパーチャとは筒状
(図15bに示したもの)またはピンホールもしくはス
リット状のもので、センサの視野を制限して指向性を持
たせるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用したレーザ溶接の品質検査装置
を説明するための図面である。
【図2】 (a)はプルームの発光Ppおよびキーホー
ルの発光Pkの信号強度とセンサ角度との関係を示す図
面であり、(b)はプルームの発光Ppとキーホールの
発光Pkを示す概念図である。
【図3】 板厚の違いによるプラズマ光を受光した信号
の時間変化を示す図面であり、(a)は板厚0.8m
m、(b)は板厚1.6mm、(c)は板厚2.9mm
である。
【図4】 板厚の違いによるプラズマ光を受光した信号
の周波数分布を示す図面であり、(a)は板厚0.8m
m、(b)は板厚1.6mm、(c)は板厚2.9mm
である。
【図5】 ピーク周波数と板厚との関係を示す図面であ
る。
【図6】 重ね溶接の隙間間隔と剪断強度との関係を示
す図面である。
【図7】 重ね溶接の隙間間隔とピーク周波数との関係
を示す図面である。
【図8】 重ね溶接時の周波数分布を示す図面で、
(a)は隙間間隔G=0.05mmのとき、(b)は隙
間間隔G=0.35mmのときをそれぞれ示す。
【図9】 キーホールの振動を説明するための図面で、
(a)は半径振動モード、(b)は方位角振動モード、
(c)は軸振動モードをそれぞれ示す。
【図10】 上記図9に示した各振動モードの合成振動
周波数と板厚との関係を示す図面である。
【図11】 プラズマ光の周波数4〜5kHzにおける
信号強度と隙間間隔との関係を示す図面である。
【図12】 プラズマ光のDC成分の信号強度と隙間間
隔との関係を示す図面である。
【図13】 本発明を適用したレーザ溶接の品質検査装
置の他の構成を示す図面である。
【図14】 本発明を適用したレーザ溶接の品質検査装
置のさらに他の構成を示す図面である。
【図15】 上記図14に示したレンズおよびアパーチ
ャを説明するための図面である。
【図16】 従来のレーザ溶接の品質検査方法を説明す
るための図面である。
【符号の説明】
1a,1b…ワーク、 2…レーザ光、 3…プラズマ光、 10,10a,10b…センサ、 11…パソコン、 12…差動アンプ、 13…バンドパスフィルタ、 14…A/Dコンバータ、 20…ノズル、 110…コンパレータ、 120…アンプ、 140…ランプ 150a…レンズ、 150b…アパーチャ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ溶接の際にできるプラズマ光の発
    光強度を測定することによって、少なくとも2枚以上の
    ワークが重ねられてレーザ溶接される際の品質を検査す
    るための方法であって、 予め、前記少なくとも2枚以上のワークのうち、レーザ
    照射側に位置するワーク単独でのレーザ溶接時における
    プラズマ発光強度を測定し、その測定結果の周波数分布
    を記憶する段階と、 前記少なくとも2枚以上のワークを重ねてレーザ溶接す
    る時、プラズマ発光強度を測定し、その測定結果の周波
    数分布を得て、該得られた周波数分布が前記記憶した周
    波数分布とほぼ等しい場合には溶接が不良であると判定
    する段階と、よりなることを特徴とするレーザ溶接の品
    質検査方法。
  2. 【請求項2】 レーザ溶接の際にできるプラズマ光の発
    光強度を測定することによって、少なくとも2枚以上の
    ワークが重ねられてレーザ溶接される際の品質を検査す
    るための方法であって、 予め、前記少なくとも2枚以上のワークが重ねられて溶
    接されたときの合計厚さと等しい厚さの材料のレーザ溶
    接時におけるプラズマ発光強度を測定し、その測定結果
    の周波数分布を記憶する段階と、 前記少なくとも2枚以上のワークを重ねてレーザ溶接す
    る時、プラズマ発光強度を測定し、その測定結果の周波
    数分布を得て、該得られた周波数分布が前記記憶した周
    波数分布とほぼ等しい場合には溶接が良好であると判定
    する段階と、よりなることを特徴とするレーザ溶接の品
    質検査方法。
  3. 【請求項3】 レーザ溶接の際にできるプラズマ光の発
    光強度を測定することによって、少なくとも2枚以上の
    ワークが重ねられてレーザ溶接される際の品質を検査す
    るための方法であって、 予め、前記少なくとも2枚以上のワークのうち、レーザ
    照射側に位置するワーク単独でのレーザ溶接時における
    プラズマ発光強度を測定し、その測定結果の周波数分布
    を記憶する第1記憶段階と、 予め、前記少なくとも2枚以上のワークが重ねられて溶
    接されたときの合計厚さと等しい厚さの材料でのレーザ
    溶接時におけるプラズマ発光強度を測定し、その測定結
    果の周波数分布を記憶する第2記憶段階と、 前記少なくとも2枚以上のワークを重ねてレーザ溶接す
    る時、プラズマ発光強度を測定し、その測定結果の周波
    数分布を得て、該得られた周波数分布が前記第1記憶段
    階で記憶した周波数分布とほぼ等しい場合には溶接が不
    良であると判定し、前記第2記憶段階で記憶した周波数
    分布とほぼ等しい場合には溶接が良好であると判定する
    段階と、よりなることを特徴とするレーザ溶接の品質検
    査方法。
  4. 【請求項4】 レーザ溶接の際にできるプラズマ光の発
    光強度を測定することによって、少なくとも2枚以上の
    ワークが重ねられてレーザ溶接される際の品質を検査す
    るための方法であって、 前記少なくとも2枚以上のワークを重ねてレーザ溶接す
    る時、プラズマ発光強度を測定し、その測定結果の周波
    数分布を得て、該得られた周波数分布の中の特定の周波
    数の出力値を予め定めた基準値と比較することにより溶
    接の良否を判定することを特徴とするレーザ溶接の品質
    検査方法。
  5. 【請求項5】 レーザ溶接の際にできるプラズマ光の発
    光強度を測定することによって、少なくとも2枚以上の
    ワークが重ねられてレーザ溶接される際の品質を検査す
    るための装置であって、 前記プラズマ光の発光強度を測定する測定手段と、 該測定手段の測定によって得られた信号から、測定した
    プラズマ光の周波数分布を求める周波数分布算出手段
    と、 溶接品質の良不良を判定する基準となる周波数分布を記
    憶した基準周波数分布記憶手段と、 前記周波数分布算出手段によって求めた周波数分布と、
    前記基準周波数分布記憶手段に記憶されている周波数分
    布とを比較して溶接品質の良不良を判定する判定手段
    と、を具備することを特徴とするレーザ溶接の品質検査
    装置。
  6. 【請求項6】 レーザ溶接の際にできるプラズマ光の発
    光強度を測定することによって、少なくとも2枚以上の
    ワークが重ねられてレーザ溶接される際の品質を検査す
    るための装置であって、 前記プラズマ光の発光強度を測定する測定手段と、 該測定手段の測定によって得られた信号から、予め決め
    た周波数帯の信号を取り出すためのバンドパスフィルタ
    と、 前記バンドパスフィルタと通過した後の信号を予め決め
    た規準値と比較して溶接品質の良不良を判定する判定手
    段と、を具備することを特徴とするレーザ溶接の品質検
    査装置。
  7. 【請求項7】 前記測定手段が、ワーク表面からの仰角
    が異なる2点に設けられた2つのセンサによってプラズ
    マ発光強度を測定し、該2つのセンサによって得られた
    2つの信号からキーホール内部のプラズマ光による発光
    強度のみを取り出すことを特徴とする請求項5または請
    求項6記載のレーザ溶接の品質検査装置。
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