JPH106046A - フォト・アブレーション加工法 - Google Patents

フォト・アブレーション加工法

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JPH106046A
JPH106046A JP8163024A JP16302496A JPH106046A JP H106046 A JPH106046 A JP H106046A JP 8163024 A JP8163024 A JP 8163024A JP 16302496 A JP16302496 A JP 16302496A JP H106046 A JPH106046 A JP H106046A
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JP
Japan
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irradiation
laser beam
organic substance
organic
vapor
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JP8163024A
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English (en)
Inventor
Tokuo Nakayama
徳夫 中山
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 レーザー光線照射による材料のフォト・アブ
レーション加工に於いて、レーザー光線照射を、該照射
レーザー光に対して吸収を持つ有機物の蒸気の存在下に
行うことを特徴とするフォト・アブレーション加工法。 【効果】 本発明のフォト・アブレーション加工法で
は、レーザー光線照射を、該照射レーザー光に対して吸
収を持つ有機物の蒸気の存在下に行うことにより、フッ
素樹脂のような従来のフォト・アブレーシオン加工法で
は良好な加工が困難とされていた原子間結合エネルギー
の大きい高分子材料に対しても効率よく、綺麗で精密な
加工を達成できでき、且つ特別の高価な設備を必要とせ
ず簡易に実施できるという顕著な利点を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザー光等による
フォト・アブレーシヨン現象を利用した高分子材料等の
加工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フォト・アブレーションとは、パルスレ
ーザー光等のレーザー光を固体表面に照射すると、最初
光強度が弱いときには、表面に吸着されていた分子・原
子の脱離が起こるが、光強度が増すに従って表面層その
ものが分解され、表面を構成していた分子・原子・イオ
ンが脱離開放され、この表面層の照射部に剥離が生ずる
現象を言う。
【0003】このレーザー光と物質の表面との相互作用
を利用して、材料表面のエッチング、アニーリング、薄
膜形成等を行う方法は既に数多く提案され、一部は実用
段階で実施されている。
【0004】例えば、特開平5ー112727号公報に
は、レーザーアブレーション現象を利用した高分子材料
の微細加工技術に於いて用いる改良された加工用高分子
材料の発明が開示され、特開平5ー21305号公報に
は、レーザーアブレーションによる微細加工法に於い
て、フォトマスクの利用を可能とする方法の発明が提案
されている。更に、特開平2ー71号公報には、ペルフ
ルオロアルキルポリエーテル構造を有する高分子材料の
表面に局在化エキシマレーザービームを照射するフォト
・アブレーシヨン方法の発明が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】フォト・アブレーシヨ
ン法による材料の加工に於いては、その光源として、エ
キシマレーザーに代表される遠紫外レーザー光が用いら
れ、エキシマレーザーはその主な出力波長が180乃至
350nm程度であり、1光子当たりの持つエネルギー
が大きいために、その光子の吸収により材料物質構成分
子中に電子励起状態を生成させるだけでなく、原子間の
結合を直接光励起により切断することが出来、従って、
熱作用の無いアブレーシヨンが可能である。
【0006】この様な、レーザー光照射によるアブレー
シヨンが効果的に遂行されるためには、被照射物質が該
照射レーザー光波長域にある程度以上の大きさの吸収係
数を有していると共に、レーザー光を吸収した被照射物
質の構成分子がその分子中に結合エネルギーの比較的低
い構造部分(結合力の弱い部分)を有していることが好
ましく、この様な場合には、その部分の原子間切断等に
より比較的効率よくアブレーシヨンが進行し、有効な材
料微細加工が可能である。
【0007】しかしながら、結合エネルギーの高い原子
間結合のみを有する安定分子より構成された物質では、
より短波長の高エネルギー光を照射しない限り実用的な
フォト・アブレーシヨン加工の遂行は難しく、例えば、
フッ素樹脂のように、結合エネルギーの高いC−F結合
や比較的安定なC−C結合のみから成る分子構造を有す
る材質の場合には、現在、光源として一般的に使用され
ているKrFエキシマレーザー(248nm)を、数J
/cm2 の高出力で照射しても、効率的に、且つ綺麗に
材質の加工を実施することが出来ず、例え加工を施せた
としても、その表面が粗く劣化した状態の物しか得るこ
とが出来ない。
【0008】従って、従来この種の加工法に於いては、
その加工対象とする材料の材質は、上記した先行技術の
場合も含め、ある程度限定されざるを得ず、このこと
が、この技術の適用範囲を限定的なものとし、その普及
を制約する原因の1つとなっていた。
【0009】この課題解決のため、従来、更に短波長の
レーザー光を光源として使用したり、レーザー光照射を
真空又は不活性ガス雰囲気中で実施したり、或いはこれ
等を併用する試み等がなされているが、未だその効果は
十分とは云えず、又大幅なコスト上昇の要因となり、更
なる改良が望まれていた。
【0010】従って、本発明の目的は、例えばフッ素樹
脂のような従来のフォト・アブレーシオン加工法では良
好な加工が困難とされていた原子間結合エネルギーの大
きい高分子材料にも充分に適用でき、且つ特別の高価な
設備を必要とせず簡易に実施できるフォトアブレーシオ
ン加工法を提供することにある。
【0011】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、レー
ザー光線照射による材料のフォト・アブレーション加工
に於いて、レーザー光線照射を、該照射レーザー光に対
して吸収を持つ有機物の蒸気の存在下に行うことを特徴
とするフォト・アブレーション加工法が提供される。
【0012】本発明は、所謂フォト・アブレーション現
象を利用した高分子材料等の加工方法に関する発明であ
るが、被加工材料にパルスレーザー光等の光線を照射
し、該被加工材料表面をエッチング等により加工処理す
るに際し、該照射レーザー光の波長域に吸収を有する有
機物蒸気の存在下に行うことが顕著な構成上の特徴であ
る。
【0013】フォト・アブレーションの基本原理は、レ
ーザー光誘起分解反応である。即ち、例えば有機高分子
材料等にレーザー光等を照射すると1光子或いは多光子
吸収過程によってそのエネルギーが吸収され、該材料高
分子がそれを構成するモノマー分子乃至フラグメントに
まで分解され、気体分子となって飛散する。
【0014】従って、前記レーザー光誘起分解反応が有
効に発現するためには、被加工材料の構成高分子がその
照射光を有効に吸収すると共に該吸収された光子エネル
ギーが高分子鎖の結合を切断するに充分な高レベルにあ
ることが必要である。
【0015】従来、その光源としては、エキシマレーザ
ーに代表される遠紫外レーザーが用いられている。エキ
シマレーザーはその主な出力波長が180乃至350n
m程度であり、1光子当たりの持つエネルギーが大きい
ために、通常の有機高分子材料に対しては、その光子の
吸収により材料中に電子励起状態を生成させ、分子内転
移、再編反応等を誘発させることにより構成高分子を分
解させたり、場合によっては、構成高分子鎖の原子間結
合を越えるエネルギー与えることにより直接分子鎖を切
断させることも可能である。
【0016】従って、分子鎖中に通常程度乃至比較的結
合エネルギーの低い部分を有する高分子材料を加工処理
する場合は、遠紫外レーザー光照射により加工表面が酸
化、炭化等を受けない、即ち、実質的に熱作用の無い綺
麗なエッチング加工を有効に達成出来る。
【0017】しかしながら、被加工材料が結合エネルギ
ーの高い分子鎖のみから構成されているものである場合
は、通常のレーザー光照射では、綺麗な加工を有効に達
成することが出来ず、例えばポリフルオロエチレンの様
な結合エネルギーの大きいC−F結合を持つ材料の場合
は、現在一般に用いられているKrFエキシマレーザー
(248nm)を照射しても、有効に、且つ綺麗な加工
をしにくく、数J/cm2 の様な高い出力を用いて照射
した場合でも表面が荒く劣化するのみである。
【0018】従って、従来は更に短波長のレーザーを照
射するか、もしくは真空乃至不活性ガス中で照射する等
の方法を採用する以外に知られていなかった。
【0019】本発明者等は、この様な従来のフォト・ア
ブレーション加工法では良好な加工が困難な材料を対象
として、この方法の改良について種々検討を加えている
過程に於いて偶然に、特定の有機化合物蒸気の存在下に
照射を行うことにより、空気中に於いても、真空中乃至
不活性ガス中と同等のフォト・アブレーション効果を達
成出来ることを見いだし、又不活性ガス中に該有機化合
物蒸気を存在させて照射した場合にはさらに効率が向上
することを見いだした。
【0020】従って、この様な顕著な改善効果が何故に
達成されるのかについては、未だ十分に解明されていな
いが、恐らく、照射された光の光子を吸収した有機物蒸
気分子が励起状態と成るか、或いは解裂してラジカルと
成り、これ等がレーザー光が照射された高分子材料の表
面に付着して高分子材表面の該付着部分を励起状態と
し、これにさらに照射光線の光子が吸収されることによ
り更にエネルギーレベルの高い励起状態の部分が形成さ
れ、最終的に、該材料高分子の分子鎖を直接解裂させた
り、又は分子内転移、再編反応等を誘発させ、高分子を
その構成モノマーに等に分解させたりするためと推定さ
れる。
【0021】特に、空気乃至不活性ガス雰囲気中での照
射に於いては、空気乃至不活性ガス分子の一部が、該励
起された有機化合物分子乃至ラジカル等と結合、エネル
ギー転移等の相互作用によりラジカル乃至励起状態複合
体と成り、これ等が材料高分子の表面に接触、付着、結
合する確率が高く、この励起状態となった材料表面にレ
ーザー光光子が吸収され、材料表面の上記したアブレー
ション効果が著しく増幅されるものと考えられる。
【0022】
【発明の好適態様】本発明の方法にに於いて用いる照射
光の光源は、一般にフォト・アブレーション加工法に用
いられるレーザー光源を用いることが出来、特に限定さ
れるものではないが、テトラフルオロエチレン等の結合
エネルギーの大きい安定な高分子材料を扱う場合は、エ
キシマレーザーに代表される出力波長が180乃至35
0nm程度の遠紫外パルスレーザー光を用いることが好
ましい。
【0023】より具体的には、例えば、ArFレーザー
(193nm)、KrFレーザー(248nm)、Xe
Clレーザー(308nm)、XeFレーザー(351
nm)等を例示できる。
【0024】一般にフォト・アブレーション加工法で
は、レーザー光出力強度は被加工材料の材質の吸収係数
に主に依存する閾値フルーエンスを有し、この閾値以下
ではエッチングが殆ど観測されない。閾値以上ではパル
ス当りのエッチ深さは、レーザーフルーエンスが増すと
共に急速に増加する。
【0025】従って、光源出力の最低値は厳密には上記
した閾値に依存し、被加工材質毎に異なるが、通常、1
0乃至200W/cm2 程度が用いられる。
【0026】本発明に於いて、使用する照射レーザー光
に対して吸収を持つ有機物としては、該レーザ光照射雰
囲気条件下で一定値以上の光吸収能を有し、且つある程
度以上の蒸気圧を有するもので、光照射下で、異常分解
したり、急速に重合したり、又は爆発等の危険性のない
ものであれば特に限定されるものではなく各種の有機化
合物及びそれらの混合物を用いることが出来るが、照射
レーザー光に対する吸収能としては、通常、モル吸光係
数(ε)として0.1以上、好ましくは15以上、特に
好ましくは50以上、最も好ましくは1×102 乃至1
×103 のものを用いる。
【0027】好適に用いることの出来るこの様な有機化
合物としては、炭素数10乃至20のパラフィン系炭化
水素、炭素数5乃至20のシクロパラフィン系乃至芳香
族系炭化水素等の炭化水素類、炭素数3乃至10のケト
ン等の含酸素有機化合物類、炭素数2乃至8のアミン、
アミド、ニトリル、炭素数4乃至5の窒素複素環化合物
等の含窒素有機化合物類、及びそれらのハロゲン置換化
合物等を挙げることができ、より具体的には、デカン、
ウンデカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、
アイコサン、イソデカン、ネオデカン、トリイソプロピ
ルメタン等のパラフィン系炭化水素;シクロペンタン、
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、こ
れ等シクロパラフィンのモノ乃至ポリアルキル基置換体
等のシクロアルカン;ベンゼン、トルエン、キシレン、
トリメチルベンゼン、エチルベンゼン、プロピルベンゼ
ン、メシチレン、クメン、プソイドクメン、シメン、ナ
フタレン、メチルナフタレン、アンソラセン、フェナン
トレン、ビフェニル、ビフェニレン等の芳香族炭化水
素;及び、これ等炭化水素類のフルオロ、クロロ等ハロ
ゲン置換体、例えば、前記パラフィン、シクロアルカン
のフッ素化乃至塩素化物、ベンゾトリフルオライド、メ
タキシレンヘキサフルオライド等のハロゲン化環状炭化
水素類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケト
ン、メチルプロピルケトン、エチルプロピルケトン、ジ
プロピルケトン、ジブチルケトン、メチルシクロヘキシ
ルケトン、アセトフェノン等のケトン類;ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルア
ミン、トリプロピルアミン、シクロペンチルアミン、シ
クロヘキシルアミン、アニリン、トルイジン、エチレン
ジアミン、プロピレンジアミン、シクロペンタンジアミ
ン、シクロへキサンジアミン、フェニレンジアミン、ト
ルイレンジアミン等のアミン類;アセトアミド、プロピ
オンアミド、酪酸アミド、アセトアニリド等の酸アミド
類;アセトニトリル、プロピオンニトリル、ブチロニト
リル、マロンニトリル、スクシノニトリル、アジポニト
リル、ベンゾニトリル、トルニトリル等のニトリル類;
ピロリジン、ピペリジン、ピリジン、イミダゾリジン、
ピペラジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン等の含
窒素複素環類;等を例示することが出来る。これらのう
ちでは、トルエン、キシレン、メシチレン、プソイドク
メン等の芳香族炭化水素、ベンゾトリフルオライド、メ
タキシレンヘキサフルオライド等のハロゲン化炭化水
素、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、トリメ
チルアミン、Nーメチルピロリドン等の含窒素化合物が
特に好ましく、トルエン、キシレン、ベンゾトリフルオ
ライド、メタキシレンヘキサフルオライドが更に好まし
い。
【0028】更に、本発明においては、これら有機化合
物を、常圧下での沸点が20乃至60℃の範囲にある炭
化水素類及びアルコール類の混合溶剤で希釈した溶液と
して用いることがより好ましく、この様な溶液を蒸気化
することにより前記有機化合物の蒸気濃度を適当な濃度
範囲に容易に調節することが出来、前記した本発明の諸
効果が更に向上促進される。
【0029】該希釈用の混合溶剤としては、メタノール
・ペンタン系、メタノール・ヘキサン系、メタノール・
ヘプタン系、エタノール・ペンタン系、エタノール・ヘ
キサン系、エタノール・ヘプタン系、プロパノール・ペ
ンタン系、プロパノール・ヘキサン系、プロパノール・
ヘプタン系、及びこれらの混合系溶剤等が例示できる。
【0030】これらの有機物の、フォト・アブレーショ
ン光照射雰囲気中に於ける蒸気濃度は通常1ppm以上
の濃度であればよいが、10乃至1×104 ppmの範
囲がより好ましい。上記濃度が1ppm未満では本発明
のフォト・アブレーション促進効果が顕著には得られな
い。
【0031】材料のフォト・アブレーション加工に用い
られるレーザー光照射装置としては、特に限定されるも
のでなく、市販のレーザー光照射加工装置、例えばエキ
シマレーザー装置等を用いることが出来るが、本発明で
は、該レーザー光照射を有機物蒸気雰囲気下で行うた
め、少なくとも被加工材料表面を含む光照射部は、例え
ば密閉型等の有機物蒸気を一定以上の濃度に維持出来る
ようにした装置を使用することが好ましい。
【0032】本発明の方法に於いて好適に使用されるレ
ーザー光照射装置の一例を、概念図として図1に示し
た。使用するレーザー光照射加工装置の照射光光路長は
一般には5mm以上50cm以下、好ましくは1cm以
上25cm以下、特に好ましくは5cm以上20cm以
下である。
【0033】
【実施例】以下に、実施例に基き本発明を更に詳細に説
明する。なお、下記実施例において、膜減少率とはレー
ザー光照射前の膜厚からレーザー光照射後の膜厚を引
き、その値をレーザー光照射前の膜厚で割り、100を
掛けて百分率として表示したものである。
【0034】[実施例1]フッ素樹脂の一種であるパー
フルオロ(ブテニルビニルエーテル)の単独重合体(商
品名;CYTOP 旭硝子社製)の厚さ1μmの単独膜
に、KrFエキシマレーザー照射装置(浜松フォトニク
ス(社)製、L4500)を用いて、下記表1に示した
各有機化合物蒸気を含有する空気乃至窒素雰囲気中で、
パルス強度20mJ/cm2 ・pulse、周波数100H
zの条件下、KrFエキシマレーザー光を照射した。こ
の時の上記フッ素樹脂単独膜の膜厚減少率と照射光エネ
ルギー量(J/cm 2 )との関係を表1に示す。なお、
このフッ素樹脂独立膜は透明性の膜であるので、膜厚は
UV透過率計(島津社製 UV200 )を用いて膜の透過率
を測定し、あらかじめ作成した透過率ー膜厚検量線から
求めた。
【0035】
【表1】
【0036】[実施例2]2種類のフッ素樹脂膜(FP
−1;実施例1で用いたと同じパーフルオロ(ブテニル
ビニルエーテル)単独重合体膜、FP−2;ポリテトラ
フルオロエチレンとパーフルオロー2、2ージメチルー
1、3ージオキシドの共重合体膜(テフロンAF、デュ
ポン社製))に、下記表2に示した各種有機物蒸気含有
空気雰囲気下で、KrFエキシマレーザー光を照射し、
それら有機物のモル吸光係数とフッ素樹脂膜の膜厚減少
率の関係を調べた。 結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】[実施例3]0.05mmの厚さのテトラ
フルオロエチレンのフイルムに対し、N2 中にp−キシ
レン蒸気が10、000ppm存在する雰囲気中で、パ
ルス強度15mJ/cm2 、周波数100Hzの条件で
10、000J/cm2 まで照射したところ該フイルム
の照射部は穴があくまで削り取られた(膜厚減少率10
0%)。一方、有機物の存在しない空気中で同様に照射
したところフイルムの照射部は変色しただけで、フイル
ム厚さは実質的に全く減少しなかった(膜厚減少率
0)。
【0040】
【発明の効果】以上の通り、本発明のフォト・アブレー
ション加工法では、レーザー光線照射を、該照射レーザ
ー光に対して吸収を持つ有機物の蒸気の存在下に行うこ
とにより、フッ素樹脂のような従来のフォト・アブレー
シオン加工法では良好な加工が困難とされていた原子間
結合エネルギーの大きい高分子材料に対しても効率よ
く、綺麗で精密な加工を達成できでき、且つ特別の高価
な設備を必要とせず簡易に実施できるという顕著な利点
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法でで好適に使用されるレーザー光
照射装置の一例を示した概念図。
【符号の説明】
1 エキシマレーザー光発生ユニット 2 材料加工ユニット 3 有機物蒸気発生ユニット 4 レーザー光照射窓 5 被加工材料 6 ミラー 7 窒素ガス供給ライン 8 空気供給ライン 9 加熱器 10 有機物受器 11 コントローラー 12 センサー 13 ガス排気用真空ポンプ 14 ガス排気用真空ポンプ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザー光線照射による材料のフォト・
    アブレーション加工に於いて、レーザー光線照射を、該
    照射レーザー光に対して吸収を持つ有機物の蒸気の存在
    下に行うことを特徴とするフォト・アブレーション加工
    法。
  2. 【請求項2】 前記照射レーザー光に対して吸収を持つ
    有機物が、該照射レーザー光波長に対し、15以上のモ
    ル吸光係数(ε)を有する有機物である請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 前記有機物のモル吸光係数が1×102
    乃至1×103 の範囲にある請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記照射レーザー光に対して吸収を持つ
    有機物の蒸気濃度が1ppm以上である請求項1乃至2
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記有機物の蒸気濃度が10乃至1×1
    4 ppmの範囲にある請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記有機物が、照射レーザー光に対し重
    合性を有しない炭化水素、含酸素有機化合物、含窒素有
    機化合物、及びそれらのハロゲン置換体の少なくとも1
    種である請求項1乃至2記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記炭化水素が、炭素数10乃至20の
    パラフィン系炭化水素、炭素数5乃至20のシクロパラ
    フィン系炭化水素、炭素数5乃至20の芳香族系炭化水
    素、又はそれらのハロゲン置換体の少なくとも1種であ
    る請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記含酸素化合物が、炭素数3乃至10
    のケトン又はそれらのハロゲン置換体の少なくとも1種
    である請求項6記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記含窒素化合物が、飽和脂肪族系アミ
    ン、飽和脂環族系アミン乃至芳香族系アミン、又はそれ
    らのハロゲン置換体の少なくとも1種である請求項6記
    載の方法。
  10. 【請求項10】 前記有機物が、更に、1気圧下に於け
    る沸点が20乃至60℃の範囲にある炭化水素及びアル
    コールにより希釈されていることを特徴とする前項まで
    の請求項のいずれかに記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002081142A1 (fr) * 2001-04-02 2002-10-17 Taiyo Yuden Co., Ltd. Procede d'usinage de materiau translucide par faisceau laser et materiau translucide usine
US6818908B2 (en) * 2001-11-29 2004-11-16 Tetsuya Makimura Device and method for optical processing for processing inorganic transparent material by optical patterning

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