JPH105992A - Al金属接合体 - Google Patents
Al金属接合体Info
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Abstract
防止できるとともに、セラミックス等の脆性材料にキレ
等の生じ難いAl金属接合体を提供すること。 【解決手段】 Al金属接合体1を製造する場合には、
Al金属部材2と異種部材3とを配置し、このAl金属
部材2と異種部材3との間に、ろう材4、(軟質金属層
となる)緩衝板5、ろう材6を配置する。Al金属部材
2としては、Al合金等を用い、異種部材3としては、
セラミックスや炭素鋼等を用いた。緩衝板5は、接合後
に軟質金属層となるものであって、純アルミ又はAl合
金を用いた。つまり、この緩衝板5として、Hv硬さ2
0〜80(マイクロビッカース;荷重100gf)で、
且つ厚さ0.1〜3.0mmの範囲の軟質金属を用い
た。
Description
成分とする金属からなる部材と、他の材料からなる異種
部材とを接合したAl金属接合体に関するものであり、
主に産業用・構造用部品として用いられるAl金属接合
体に関するものである。
伝導性であり、しかも軽量であるという利点を有してい
るので、種々の分野において利用が進んでいる。特に自
動車用では、熱交換器への利用や軽量化を目的とした動
弁系部品への利用がなされている。そして、これらの用
途に使用する場合には、Al合金同士の接合、又は異種
材料との接合によって複合化したものとして用いられ
る。また、その接合には、溶接、ろう付、鋳ぐるみ、は
んだ付等の各種手法が用いられる。
いてAl合金と異種材料との接合を行う場合には、材料
同士の特性の違い、特に熱膨張係数の差がその接合強度
を左右することになる。つまり、上述した接合方法に
は、必ず熱を加える工程があるので、その加熱温度と接
合後の冷却温度との差における材料同士の熱膨張差が、
熱残留応力として接合部分に生じることになる。この様
に接合部分に生じた熱残留応力は、接合体自身の強度低
下を招くばかりではなく、例えば十分に界面強度が得ら
れる接合体であっても、セラミックスのような脆性材料
を用いた場合には、セラミックスの接合界面にキレを生
じてしまい、構造材等として用いるには不適切なものと
なることがある。
れたものであり、熱残留応力を緩衝して、接合体の強度
低下を防止できるとともに、セラミックス等の脆性材料
にキレ等の生じ難いAl金属接合体を提供することを目
的とする。
の請求項1の発明は、Al又はAlを主成分とする金属
からなるAl金属部材と、該Al金属部材とは異なる材
料からなる異種部材とを接合したAl金属接合体におい
て、前記Al金属部材と前記異種部材との接合界面に、
Hv硬さ20〜80(マイクロビッカース;荷重100
gf)で且つ厚さ0.1〜3mmの軟質金属層を備えた
ことを特徴とするAl金属接合体を要旨とする。
は、純Alからなる金属部材又はAlを主成分とする金
属からなる金属部材(例えばAl合金部材)を意味す
る。また、異種部材とは、Al金属部材とは異なる材料
からなる部材、例えばAl以外の他の金属からなる金属
部材や金属以外のセラミック等の材料からなる部材を意
味する。従って、Al金属接合体とは、純Alからなる
金属部材と異種部材との接合体、及びAlを主成分とす
る金属からなる金属部材と異種部材との接合体を意味し
ている。
l(JIS A1050)、Al合金(JIS A70
75)等を使用することができる。また、異種部材とし
ては、セラミックスに関しては、ジルコニア、アルミ
ナ、窒化珪素、サイアロン、炭化珪素、サーメットなど
が挙げられ、金属材料に関しては、鉄系合金、Ti合
金、超硬合金などが挙げられる。
l又はAlを主成分とする金属からなることを特徴とす
る前記請求項1記載のAl金属接合体を要旨とする。前
記軟質金属層を構成するAlを主成分とする金属として
は、例えばJISA1050の様な純Alや、JIS
A5056、JIS A5052、JISA3003等
のAl合金を用いることができる。
l以外の他の金属からなることを特徴とする前記請求項
1記載のAl金属接合体を要旨とする。前記軟質金属層
を構成する他の金属としては、例えば無酸素Cu等の金
属を用いることができる。
が、0.2〜1.0mmであることを特徴とする前記請
求項1〜3のいずれか記載のAl金属接合体を要旨とす
る。請求項5の発明は、前記厚さの範囲の軟質金属層が
複数層形成されていることを特徴とする前記請求項1〜
4のいずれか記載のAl金属接合体を要旨とする。
が、Hv硬さ20〜40(マイクロビッカース;荷重1
00gf)であることを特徴とする前記請求項1〜5の
いずれか記載のAl金属接合体を要旨とする。
は、例えばろう付け接合が挙げられるが、このろう付け
接合に用いるろう材としては、Al−Si−Cu−Zn
系合金、Al−Si系合金などの公知のろう材が挙げら
れる。また、前記異種部材の接合面には、接合性を高め
るために、接合に先だって、メタライズ層を形成してお
くことが好ましい。このメタライズ層としては、セラミ
ックス部材に対してはAlを用い、炭素鋼に対してはT
iを用いることができる。
質と軟質金属層を構成する物質とから脆弱な金属間化合
物が形成される場合には、その金属間化合物の形成を防
止するバリア層を設けておくことが好ましい。例えば、
金属間化合物を形成する物質の拡散を防止するために、
接合に先だって、軟質金属層となる緩衝板の表面に例え
ばNiメッキ層等を形成しておくことが望ましい。
のAl金属部材とそれとは別の異種部材との接合体にお
いて、Hv硬さ20〜80で且つ厚さ0.1〜3mmの
軟質金属層がその接合界面に存在していることにより、
熱残留応力が緩衝され、接合体の強度として、Al金属
部材自身の強度とほぼ同等な接合強度が得られる。ま
た、これら接合体の内、異種部材がセラミックスの様な
脆性材料である場合には、熱残留応力が緩衝されること
により、セラミックス等の界面にはキレが生じない。
さを有する金属層を介在させた接合体の場合、期待する
接合強度を得ることができない。つまり、硬度が高い場
合には、熱残留応力の緩衝が不十分であり、一方、硬度
が低い場合には、熱残留応力は緩衝するものの前記金属
層(緩衝層)の耐力が接合強度を左右してしまい、いず
れの場合も接合強度の低下を招くこととなるからであ
る。同様に、緩衝層の厚さが0.1mmより薄い場合に
は、熱残留応力の緩衝効果が不十分であり、一方、厚い
場合には、緩衝層の耐力により接合強度が左右されてし
まう。
は、セラミックスに関しては、ジルコニア、アルミナ、
窒化珪素、サイアロン、炭化珪素、サーメットなどが挙
げられ、金属材料に関しては、鉄系合金、Ti合金、超
硬合金などが挙げられるが、これらの異種材料の熱膨張
係数α(30℃〜400℃)の一例を示すと、ジルコニ
ア;10.5×10-6/℃、アルミナ;7.0×10-6
/℃、窒化珪素;2.3×10-6/℃、炭素鋼(S45
C);13.6×10-6/℃、超鋼;4.8×10-6/
℃、であり、例えばAl合金の熱膨張係数α(JIS
A2024;22.9×10-6/℃、A7075;2
5.2×10-6/℃)と大きく異なり、接合における残
留応力も大きなものとなる。
金属層の構成を採用することにより、残留応力を緩衝し
接合強度の高い良好な接合体を得ることが可能である。
そして、その効果は、熱膨張係数の差が大きい程有効で
あり、例えば差が17×l0 -6/℃以上あるような場合
に効果は大きいものとなる。
純AlやAl合金の様なAl又はAlを主成分とする金
属を採用できる。請求項3の発明では、軟質金属層とし
て、無酸素Cuの様なAl以外の他の金属を採用でき
る。
が、0.2〜1.0mmであるので、一層接合強度が向
上する。請求項5の発明では、熱応力を緩衝するため
に、厚さの範囲の軟質金属層を複数使用しても、同様な
効果が得られる。
が、Hv硬さ20〜40(マイクロビッカース;荷重1
00gf)であるので、一層接合強度が向上する。尚、
前記軟質金属層となる部材(例えば緩衝板)が、例えば
Al合金、特にろう付け熱処理や溶体化熱処理などによ
り特性が変化しない非熱処理型合金であれば、前記請求
項1〜6の範囲内の軟質金属層を形成するため好まし
い。
明する。 (実施例1)図1(a)に接合セットの状態を示す様
に、本実施例のAl金属接合体(以下単に接合体と称
す)1を製造する場合には、図の左右方向にAl金属部
材2と異種部材3とを配置するとともに、このAl金属
部材2と異種部材3との間に、図の左から順に、ろう材
4、(接合後の軟質金属層となる)緩衝板5、ろう材6
を配置する。それとともに、異種部材3の接合面にはメ
タライズ層(膜)7を形成しておく。
m、長さ20mm)であり、その材料として、JIS
A2024、又はJIS A7075のAl合金を用い
た。前記異種部材3は、丸棒(直径10mm、長さ10
mm)であり、その材料として、セラミックスの場合
は、Al203、Zr02、Si3N4を用い、金属材料の
場合は、炭素鋼(超鋼)、Ti合金を用いた。
タライズ層7としては、セラミックスの場合は、蒸着に
よりAl(1000オンク゛ストローム厚)からなる層を形成
し、金属材料(炭素鋼)の場合は、蒸着によりTi(1
000オンク゛ストローム厚)からなる層を形成した。尚、異種
部材3がTi合金である場合にはメタライズ層7は形成
しなかった。
るものであって、円盤(直径10mm、厚さ0.1〜
3.0mmの範囲)であり、その材料として、JIS
A1050(純アルミ)、JIS A3003、JIS
A5052、JIS 5056よりなる純アルミ又は
Al合金を用いた。つまり、この緩衝板5として、下記
表1に示す様に、Hv硬さ20〜80(マイクロビッカ
ース;荷重100gf)で、且つ厚さ0.1〜3.0m
mの範囲の軟質金属を用いた。
熱処理及びなまし処理により加工作成され、圧延加工に
よって一旦硬さが上昇するが、その後の加熱処理及びな
まし処理により、上述した元の硬さの範囲(Hv硬さ2
0〜80)に戻るものである。また、ろう付けの際の加
熱によってもこの硬さは変化しないので、緩衝板5と軟
質金属層の硬さは同様なものである。
Si−10.8Cu−60Znの合金箔(直径10m
m、厚さ0.06mm)を用いた。そして、前記図1に
示す順にセットして、ろう付けを行った。ろう付条件
は、窒素中で470℃×2hに保持する条件とした。
し、外径を9mmまで研削を行い、図2(a)に示す様
に、Al金属部材2をクランプして異種部材3に荷重を
かける片持ち曲げ強度試験により接合強度を評価した。
また、同時に作製した接合体1を、接合面に対し垂直に
切断し、接合体断面の接合界面のマイクロビッカース硬
度を測定した。マイクロビッカース硬度測定の条件は荷
重100gfである。尚、測定位置は図2(b)に示す
様に、接合部分の各層についてであるが、層中に析出が
存在する箇所は避け、母相にビッカースを打ち込んだ。
に示す。
体1は、接合界面での剥離及び異種部材3のキレは認め
られず、153[MPa]以上の良好な接合強度を示し
た。 (実施例2)次に、実施例2について説明する。
に、本実施例の接合体11を製造する場合には、図の左
右方向にAl金属部材12と異種部材13とを配置する
とともに、このAl金属部材12と異種部材13との間
に、図の左から順に、ろう材14、緩衝板15、ろう材
16、緩衝板17、ろう材18を配置する。それととも
に、異種部材13の接合面には、予めメタライズ層
(膜)19を形成しておく。
記表2に示す様に、前記実施例1とほぼ同様であるので
説明は省略するが、本実施例の特徴は、緩衝板15,1
7が2層となっていることである。この接合体11に対
しても、前記実施例1と同様な実験を行った。その結果
を下記表2に記す。
7を2枚有する接合体11においても、本発明の範囲を
満たすものであれば、前記実施例1と同様な効果が得ら
れている。 (比較例)次に、比較例について説明する。
合体を製造した。具体的には、Al金属接合体と異種部
材とのろう付け接合の際に緩衝板を使用しないもの(試
料No.33,34)、及び、Al金属接合体と異種部材
とのろう付け接合の際に緩衝板を使用するが、そのHv
硬度又は厚さが本発明の範囲外のもの(試料No.35〜
40)を使用し、前記実施例1,2と同様な実験を行っ
た。その結果を下記表3に記す。
にあるものは、接合界面での剥離、軟質金属層(緩衝
層)の変形、セラミック部材のキレが生じていた。特
に、緩衝板が厚い場合(試料No.35,37,40)に
は、緩衝層で大きく変形しており、強度は42[MP
a]以下と低いものであった。 (実施例3)次に、実施例3について説明する。
緩衝板としてAl合金以外の軟質金属を用いたものであ
る。接合体としては、前記図1(a)に示す様に、緩衝
板を1枚使用したもの(試料No.42,44)、及び前
記図1(b)に示す様に、緩衝板2枚を使用したもの
(試料No.41,43,45,46)を製造した。尚、
緩衝板としては、表面に(厚さ0.1〜2.5μmの)
Niメッキを施したもの(試料No.41〜44)と、そ
うでないもの(試料No.45.46)を用いた。
に示すものを用い、特に緩衝板として、Al合金以外の
無酸素Cuを用いている。尚、各部材の寸法は、前記実
施例1,2と同様である。そして、前記実施例1,2と
同様な実験を行った。その結果を、下記表4に記す。
硬度及び厚さを満たすものであれば、Al合金以外の軟
質金属を用いても、接合体において接合界面での剥離及
びセラミック部材のキレは認められず、98[MPa]
以上の良好な接合強度を示した。また、緩衝板を2枚有
する接合体においても、Al合金以外の軟質金属を用い
ても同様な効果が得られている。
いものは若干接合強度が低いが、それでも緩衝板を備え
ていない前記表3の比較例よりは強度は高い。このNi
メッキを施していない場合の接合強度の低下の理由とし
ては、接合界面に脆弱なAl−Cu金属間化合物を生成
したためと考えられる。従って、緩衝板に用いる軟質金
属としてAl合金以外の合金を用いる場合には、接合界
面に脆弱な金属間化合物を生成しない様に、軟質金属の
緩衝板にNiメッキ等のような拡散バリヤとなりうるメ
タライズを施し、金属間化合物を生成し得る元素の拡散
を制御することにより、最適な接合体を得ることができ
る。
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々の態様で実施しうることはいうまでもない。 (1)例えば前記実施例の様に、異種部材の接合面にメ
タライズ層(膜)を形成する方法としては、蒸着以外
に、例えばスパッタやイオンプレーティグ等各種の方法
を採用できる。
付け以外に、ホットプレス、固相拡散接合等を採用でき
る。 (3)前記緩衝板として、例えば圧延加工のみを行った
ものを用いてもよい。その場合、圧延加工によって硬さ
が上昇しているが、ろう付けの際の加熱及び冷却によっ
て、上述した加熱処理及びなまし処理が行われることに
なるので、緩衝板から形成される軟質金属層は、結局元
の硬さの範囲(Hv硬さ20〜80)に戻ることにな
る。
合体は、接合界面の軟質金属層が残留熱応力の緩衝層と
して機能し、界面剥離や変形等が生じ難く、また異種部
材にキレなどが生じ難く、高い接合強度を有する好適な
産業用・構造用部材等となる。
模式的に示し、(a)は緩衝板が1枚の場合を示す説明
図、(b)は緩衝板が2枚の場合を示す説明図である。
明図、(b)は硬度試験を示す説明図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 Al又はAlを主成分とする金属からな
るAl金属部材と、該Al金属部材とは異なる材料から
なる異種部材とを接合したAl金属接合体において、 前記Al金属部材と前記異種部材との接合界面に、Hv
硬さ20〜80(マイクロビッカース;荷重100g
f)で且つ厚さ0.1〜3mmの軟質金属層を備えたこ
とを特徴とするAl金属接合体。 - 【請求項2】 前記軟質金属層が、Al又はAlを主成
分とする金属からなることを特徴とする前記請求項1記
載のAl金属接合体。 - 【請求項3】 前記軟質金属層が、Al以外の他の金属
からなることを特徴とする前記請求項1記載のAl金属
接合体。 - 【請求項4】 前記軟質金属層の厚さが、0.2〜1.
0mmであることを特徴とする前記請求項1〜3のいず
れか記載のAl金属接合体。 - 【請求項5】 前記厚さの範囲の軟質金属層が複数層形
成されていることを特徴とする前記請求項1〜4のいず
れか記載のAl金属接合体。 - 【請求項6】 前記軟質金属層の硬さが、Hv硬さ20
〜40(マイクロビッカース;荷重100gf)である
ことを特徴とする前記請求項1〜5のいずれか記載のA
l金属接合体。
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---|---|---|---|
JP15833396A JP3621513B2 (ja) | 1996-06-19 | 1996-06-19 | Al金属接合体 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH105992A true JPH105992A (ja) | 1998-01-13 |
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ID=15669358
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Country Status (1)
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Cited By (5)
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-
1996
- 1996-06-19 JP JP15833396A patent/JP3621513B2/ja not_active Expired - Fee Related
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