JPH1057745A - 炭酸ガスの回収および固定化方法 - Google Patents
炭酸ガスの回収および固定化方法Info
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- JPH1057745A JPH1057745A JP8216327A JP21632796A JPH1057745A JP H1057745 A JPH1057745 A JP H1057745A JP 8216327 A JP8216327 A JP 8216327A JP 21632796 A JP21632796 A JP 21632796A JP H1057745 A JPH1057745 A JP H1057745A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A50/00—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
- Y02A50/20—Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters
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- Y02C—CAPTURE, STORAGE, SEQUESTRATION OR DISPOSAL OF GREENHOUSE GASES [GHG]
- Y02C20/00—Capture or disposal of greenhouse gases
- Y02C20/40—Capture or disposal of greenhouse gases of CO2
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- Treating Waste Gases (AREA)
- Gas Separation By Absorption (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 炭酸ガスの回収率を著しく高めた炭酸ガスの
回収および固定化方法を提供する。 【解決手段】 炭酸ガスをアルカリ液に吸収させること
により回収し、該炭酸ガスを吸収したアルカリ液を藻類
培養池に供給し、該藻類培養池にて該アルカリ液中の炭
酸ガスを耐アルカリ性の藻類に固定化し、該藻類培養池
で成長した藻類を含有する液を該培養池から取り出して
藻類部分と液部分とに分離し、分離された液部分を、前
記炭酸ガスを吸収するアルカリ液として循環再使用す
る。
回収および固定化方法を提供する。 【解決手段】 炭酸ガスをアルカリ液に吸収させること
により回収し、該炭酸ガスを吸収したアルカリ液を藻類
培養池に供給し、該藻類培養池にて該アルカリ液中の炭
酸ガスを耐アルカリ性の藻類に固定化し、該藻類培養池
で成長した藻類を含有する液を該培養池から取り出して
藻類部分と液部分とに分離し、分離された液部分を、前
記炭酸ガスを吸収するアルカリ液として循環再使用す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼排ガス等に含
まれる炭酸ガスを回収し、固定化する方法に関する。
まれる炭酸ガスを回収し、固定化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、燃焼排ガス等により大気中に放出
される炭酸ガスは全世界的な規模で増加の一途をたどっ
ている。放出量の半分程度は海洋等により吸収される
が、残りは大気中に残存し、地球温暖化の一大要因とさ
れている。そこで、これを回収し、再利用可能な形で固
定化することは、地球環境保護の観点から時代の急務と
なっている。
される炭酸ガスは全世界的な規模で増加の一途をたどっ
ている。放出量の半分程度は海洋等により吸収される
が、残りは大気中に残存し、地球温暖化の一大要因とさ
れている。そこで、これを回収し、再利用可能な形で固
定化することは、地球環境保護の観点から時代の急務と
なっている。
【0003】従来、特開平3−154616号公報およ
び特開平3−169324号公報には、燃焼排ガス中の
炭酸ガスを水または海水中に吸収させることにより回収
し、炭酸ガスを吸収した水または海水を藻培養池に供給
して、炭酸ガスを藻に固定化する方法が提案されてい
る。しかし上記従来の方法は、水または海水の炭酸ガス
吸収量が少なく、炭酸ガスの回収率は高々4.7%と低
いため、実用的な回収量を確保するには、炭酸ガスの吸
収媒体である水または海水の使用量が非常に多くなる
(例えば、海水使用量52,800m3 /Hr)という
問題があった。
び特開平3−169324号公報には、燃焼排ガス中の
炭酸ガスを水または海水中に吸収させることにより回収
し、炭酸ガスを吸収した水または海水を藻培養池に供給
して、炭酸ガスを藻に固定化する方法が提案されてい
る。しかし上記従来の方法は、水または海水の炭酸ガス
吸収量が少なく、炭酸ガスの回収率は高々4.7%と低
いため、実用的な回収量を確保するには、炭酸ガスの吸
収媒体である水または海水の使用量が非常に多くなる
(例えば、海水使用量52,800m3 /Hr)という
問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、炭酸ガスの
回収率を著しく高めた炭酸ガスの回収および固定化方法
を提供することを目的とする。
回収率を著しく高めた炭酸ガスの回収および固定化方法
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の炭酸ガスの回収および固定化方法は、炭
酸ガスをアルカリ液に吸収させることにより回収し、該
炭酸ガスを吸収したアルカリ液を藻類培養池に供給し、
該藻類培養池にて該アルカリ液中の炭酸ガスを耐アルカ
リ性の藻類に固定化し、該藻類培養池で成長した藻類を
含有する液を該培養池から取り出して藻類部分と液部分
とに分離し、分離された液部分を、前記炭酸ガスを吸収
するアルカリ液として循環再使用することを特徴とす
る。
めに、本発明の炭酸ガスの回収および固定化方法は、炭
酸ガスをアルカリ液に吸収させることにより回収し、該
炭酸ガスを吸収したアルカリ液を藻類培養池に供給し、
該藻類培養池にて該アルカリ液中の炭酸ガスを耐アルカ
リ性の藻類に固定化し、該藻類培養池で成長した藻類を
含有する液を該培養池から取り出して藻類部分と液部分
とに分離し、分離された液部分を、前記炭酸ガスを吸収
するアルカリ液として循環再使用することを特徴とす
る。
【0006】本発明においては、吸収媒体としてアルカ
リ液を用いることにより、酸性物質である炭酸ガスを5
0%以上の高い吸収率で吸収できる。アルカリ液として
は、典型的には水酸化ナトリウム(NaOH)を用いる
ことができる。そして、固定媒体として耐アルカリ性の
藻類を用いることにより、アルカリ液中の炭酸ガスを藻
類に固定化できる。耐アルカリ性の藻類としては、典型
的にはスピルリナを用いることができる。
リ液を用いることにより、酸性物質である炭酸ガスを5
0%以上の高い吸収率で吸収できる。アルカリ液として
は、典型的には水酸化ナトリウム(NaOH)を用いる
ことができる。そして、固定媒体として耐アルカリ性の
藻類を用いることにより、アルカリ液中の炭酸ガスを藻
類に固定化できる。耐アルカリ性の藻類としては、典型
的にはスピルリナを用いることができる。
【0007】更に、藻類を分離した後のアルカリ液を、
炭酸ガスの吸収媒体として循環再使用することにより、
アルカリ源の使用量が少なくて済むので、処理コストを
低く抑えられる。
炭酸ガスの吸収媒体として循環再使用することにより、
アルカリ源の使用量が少なくて済むので、処理コストを
低く抑えられる。
【0008】
【発明の実施の形態】生物は、その生命活動に要するエ
ネルギー源および炭素源によって、表1のように分類さ
れる。
ネルギー源および炭素源によって、表1のように分類さ
れる。
【0009】
【表1】
【0010】このうちで、炭素固定化媒体として適した
生物は、エネルギー源または炭素源として無機物も有機
物も必要とせず、光をエネルギー源とし、炭酸ガスを炭
素源とする光独立栄養生物である。光独立栄養生物は、
体内に葉緑体を備えており、太陽エネルギーを用いて炭
酸ガスと水から生物体と酸素を生成する。その反応モデ
ルは下式で表すことができる。
生物は、エネルギー源または炭素源として無機物も有機
物も必要とせず、光をエネルギー源とし、炭酸ガスを炭
素源とする光独立栄養生物である。光独立栄養生物は、
体内に葉緑体を備えており、太陽エネルギーを用いて炭
酸ガスと水から生物体と酸素を生成する。その反応モデ
ルは下式で表すことができる。
【0011】CO2 +H2 O+E(太陽エネルギー)
→ CH2 O(生物体)+O2 このような光独立栄養生物には植物一般が含まれるが、
そのうちでも特に藻類は、液中に分散可能で工業的な処
理プロセスでの取り扱いが容易である点、および体積当
たりの反応面積が大きくて処理効率が高い点で実用性が
高い。本発明においては、藻類のうち、特に耐アルカリ
性の藻類を用いる。このように固定化媒体として耐アル
カリ性の藻類を用いることで、吸収媒体としてアルカリ
液を用いることができ、その高い吸収率あるいは回収率
を得ることができる。また、アルカリ液を用いること
で、不要な雑菌の繁殖を抑止できる。
→ CH2 O(生物体)+O2 このような光独立栄養生物には植物一般が含まれるが、
そのうちでも特に藻類は、液中に分散可能で工業的な処
理プロセスでの取り扱いが容易である点、および体積当
たりの反応面積が大きくて処理効率が高い点で実用性が
高い。本発明においては、藻類のうち、特に耐アルカリ
性の藻類を用いる。このように固定化媒体として耐アル
カリ性の藻類を用いることで、吸収媒体としてアルカリ
液を用いることができ、その高い吸収率あるいは回収率
を得ることができる。また、アルカリ液を用いること
で、不要な雑菌の繁殖を抑止できる。
【0012】以下に、添付図面を参照して、実施例によ
り本発明を更に詳細に説明する。
り本発明を更に詳細に説明する。
【0013】
【実施例】炭酸ガス吸収媒体であるアルカリ液として、
水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を用い、炭酸ガス
固定化媒体である耐アルカリ性の藻類としてスピルリナ
を用いる。スピルリナは、下記の点から最適な炭酸ガス
固定化媒体の一つである。
水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を用い、炭酸ガス
固定化媒体である耐アルカリ性の藻類としてスピルリナ
を用いる。スピルリナは、下記の点から最適な炭酸ガス
固定化媒体の一つである。
【0014】アルカリ性溶液中で生息し、最適なpH
範囲が8〜11と広く、水酸化ナトリウム水溶液中で炭
酸ガスを活発に取り込んで成長する。従来は、代表的な
固定化媒体として用いていたクロレラが中性環境に適し
ていたため、吸収媒体として水や海水を用いる必要があ
り、炭酸ガスの吸収率(回収率)に限界があった。 長さ300〜500μmとかなり大きく成長するの
で、藻類と液との分離が容易である。従来の炭酸ガス吸
収媒体であるクロレラは、成長してもせいぜい2〜10
μm程度で小さいため、液との分離には遠心分離機のよ
うな特別な分離装置を必要とした。これに対して、本発
明に用いるスピルリナは上記のように大きく成長するの
で、必ずしも遠心分離による必要はなく、成長に伴い液
表面付近に浮いてきたスピルリナを単純な手段で掻き集
める等により容易に分離できる。
範囲が8〜11と広く、水酸化ナトリウム水溶液中で炭
酸ガスを活発に取り込んで成長する。従来は、代表的な
固定化媒体として用いていたクロレラが中性環境に適し
ていたため、吸収媒体として水や海水を用いる必要があ
り、炭酸ガスの吸収率(回収率)に限界があった。 長さ300〜500μmとかなり大きく成長するの
で、藻類と液との分離が容易である。従来の炭酸ガス吸
収媒体であるクロレラは、成長してもせいぜい2〜10
μm程度で小さいため、液との分離には遠心分離機のよ
うな特別な分離装置を必要とした。これに対して、本発
明に用いるスピルリナは上記のように大きく成長するの
で、必ずしも遠心分離による必要はなく、成長に伴い液
表面付近に浮いてきたスピルリナを単純な手段で掻き集
める等により容易に分離できる。
【0015】クロレラに比べると細胞壁が弱いため消
化され易く、例えば錠剤型の健康食品等に加工するのが
容易である。 淡水性および海水性のものがあり、応用範囲が広い。 図1に、本発明による炭酸ガス回収・固定化プロセスの
フローチャートの一例を示す。水酸化ナトリウムと工水
を調合した水酸化ナトリウム水溶液を、NaOH貯留槽
1から供給管2および3を介して炭酸ガス吸収塔4に供
給する。
化され易く、例えば錠剤型の健康食品等に加工するのが
容易である。 淡水性および海水性のものがあり、応用範囲が広い。 図1に、本発明による炭酸ガス回収・固定化プロセスの
フローチャートの一例を示す。水酸化ナトリウムと工水
を調合した水酸化ナトリウム水溶液を、NaOH貯留槽
1から供給管2および3を介して炭酸ガス吸収塔4に供
給する。
【0016】火力発電所5から排出された燃焼排ガス
が、脱硫・脱硝装置6にてSOx およびNOx を除去さ
れた後に、吸収塔4に導入される。吸収塔4内で燃焼排
ガス中の炭酸ガスを吸収した水酸化ナトリウム水溶液
は、藻類培養池としての固定化リアクター8内に導入さ
れる。吸収塔4からリアクター8へ導かれる途中の水酸
化ナトリウム水溶液に、栄養剤溶解槽7から藻類の種と
しての微細藻と藻類の成長を補助するための栄養剤とを
添加する。栄養剤溶解槽7には、微細藻および栄養剤と
海水または工業用水とを調合して補給する。
が、脱硫・脱硝装置6にてSOx およびNOx を除去さ
れた後に、吸収塔4に導入される。吸収塔4内で燃焼排
ガス中の炭酸ガスを吸収した水酸化ナトリウム水溶液
は、藻類培養池としての固定化リアクター8内に導入さ
れる。吸収塔4からリアクター8へ導かれる途中の水酸
化ナトリウム水溶液に、栄養剤溶解槽7から藻類の種と
しての微細藻と藻類の成長を補助するための栄養剤とを
添加する。栄養剤溶解槽7には、微細藻および栄養剤と
海水または工業用水とを調合して補給する。
【0017】固定化リアクター8内で、液中の炭酸ガス
がスピルリナ等の藻類に取り込まれて固定化される。こ
こで、吸収塔4および固定化リアクター8における吸収
および固定化によって、水酸化ナトリウム水溶液のpH
は模式的には下記のように変化する。 〔吸収塔4〕 炭酸ガス吸収反応:NaOH+CO2 → NaHCO3 液のpH変化:pH11→pH8 〔リアクター8〕 固定化反応:NaHCO3 →NaOH+CO2 (CO2
は藻類が吸収) 液のpH変化:pH8→pH11 このように、最初pH11程度と高いアルカリ性であっ
た液は、吸収塔4において炭酸ガスを吸収してpH8程
度までpHが一旦低下するが、リアクター8において藻
類が液中から炭酸ガスを吸収することにより、水酸化ナ
トリウム成分が遊離再生し、pHは最初と同等のpH1
1程度にまで上昇回復する。
がスピルリナ等の藻類に取り込まれて固定化される。こ
こで、吸収塔4および固定化リアクター8における吸収
および固定化によって、水酸化ナトリウム水溶液のpH
は模式的には下記のように変化する。 〔吸収塔4〕 炭酸ガス吸収反応:NaOH+CO2 → NaHCO3 液のpH変化:pH11→pH8 〔リアクター8〕 固定化反応:NaHCO3 →NaOH+CO2 (CO2
は藻類が吸収) 液のpH変化:pH8→pH11 このように、最初pH11程度と高いアルカリ性であっ
た液は、吸収塔4において炭酸ガスを吸収してpH8程
度までpHが一旦低下するが、リアクター8において藻
類が液中から炭酸ガスを吸収することにより、水酸化ナ
トリウム成分が遊離再生し、pHは最初と同等のpH1
1程度にまで上昇回復する。
【0018】本発明においては、このように高いpHま
で回復した液を、吸収塔4における吸収媒体として循環
再使用する。すなわち、固定化リアクター8から排出さ
れた液は処理水槽9に一時的に貯留された後に、適当な
濃縮設備10に導入されて藻類部分を分離除去され、そ
して液部分は分離液として分離液受槽11に一時的に貯
留された後、循環用配管12により供給管3に戻され、
再び炭酸ガス吸収塔4に供給される。
で回復した液を、吸収塔4における吸収媒体として循環
再使用する。すなわち、固定化リアクター8から排出さ
れた液は処理水槽9に一時的に貯留された後に、適当な
濃縮設備10に導入されて藻類部分を分離除去され、そ
して液部分は分離液として分離液受槽11に一時的に貯
留された後、循環用配管12により供給管3に戻され、
再び炭酸ガス吸収塔4に供給される。
【0019】このように炭酸ガス吸収媒体としての水酸
化ナトリウム水溶液を循環再使用するので、NaOH貯
留槽1からの新たな供給量は処理開始時を除けば極めて
少量で足り、NaOH原液の補給量が非常に少なくて済
む。図2に、固定化リアクター8の望ましい一態様とし
てレースウェイ型のリアクターを示す。リアクター8は
長円形の平底容器81の中央部に仕切り壁82を設けて
レースウェイ型の回流路80を構成したもので、回流路
80の途中に設けた攪拌機83で水酸化ナトリウム水溶
液等のアルカリ液を矢印Lの向きに回流させる方式であ
る。この回流路80には、炭酸ガス吸収塔4からの供給
管84と処理水槽9への排出管85が接続されている。
化ナトリウム水溶液を循環再使用するので、NaOH貯
留槽1からの新たな供給量は処理開始時を除けば極めて
少量で足り、NaOH原液の補給量が非常に少なくて済
む。図2に、固定化リアクター8の望ましい一態様とし
てレースウェイ型のリアクターを示す。リアクター8は
長円形の平底容器81の中央部に仕切り壁82を設けて
レースウェイ型の回流路80を構成したもので、回流路
80の途中に設けた攪拌機83で水酸化ナトリウム水溶
液等のアルカリ液を矢印Lの向きに回流させる方式であ
る。この回流路80には、炭酸ガス吸収塔4からの供給
管84と処理水槽9への排出管85が接続されている。
【0020】この場合、リアクター8内に太陽光が十分
に取り入れられるように、回流路80内の回流液の深さ
は20〜30cm程度と浅くし、回流液の液面面積はで
きるだけ大きくする。また、栄養剤溶解槽7からの供給
管86も回流路80に接続されており、栄養塩類および
種としての微細藻とを海水または工業用水との調合液を
回流路80内を適宜供給する。攪拌機83により回流を
形成して緩やかに攪拌混合を行い、光合成を利用して藻
類に炭酸ガスを固定化する。
に取り入れられるように、回流路80内の回流液の深さ
は20〜30cm程度と浅くし、回流液の液面面積はで
きるだけ大きくする。また、栄養剤溶解槽7からの供給
管86も回流路80に接続されており、栄養塩類および
種としての微細藻とを海水または工業用水との調合液を
回流路80内を適宜供給する。攪拌機83により回流を
形成して緩やかに攪拌混合を行い、光合成を利用して藻
類に炭酸ガスを固定化する。
【0021】図示したようなレースウェイ型リアクター
は、光受容効率が高く、大きな駆動力が不要なので
ランニングコストが安く、維持管理が容易であり、且
つ構造がシンプルなので設備費が安い、という利点が
ある。このような形式のリアクターは例えば海上の大型
浮体水槽として設置することができる。一例として下記
条件において、図1の処理フローにより、図2の固定化
リアクターを用いて、火力発電所の燃焼排ガスから炭酸
ガスを回収し固定化する。
は、光受容効率が高く、大きな駆動力が不要なので
ランニングコストが安く、維持管理が容易であり、且
つ構造がシンプルなので設備費が安い、という利点が
ある。このような形式のリアクターは例えば海上の大型
浮体水槽として設置することができる。一例として下記
条件において、図1の処理フローにより、図2の固定化
リアクターを用いて、火力発電所の燃焼排ガスから炭酸
ガスを回収し固定化する。
【0022】〔処理対象〕 火力発電所規模:100万kW 燃焼排ガス量 :200万Nm3 /hr 炭酸ガス量 : 20万Nm3 /hr 〔吸収・固定化設備〕 吸収塔 :充填塔式スクラバー(20mφ×2
0mH) 固定化リアクター:100m×4000m×0.2mH 〔処理条件〕 吸収塔での炭酸ガス吸収率 :50% スピルリナの炭酸ガス固定化能力:20g−C/m3
・日 日照時間 :12時間 排ガス:脱硝・脱硫によりスピルリナに対する有害物
質は除去。
0mH) 固定化リアクター:100m×4000m×0.2mH 〔処理条件〕 吸収塔での炭酸ガス吸収率 :50% スピルリナの炭酸ガス固定化能力:20g−C/m3
・日 日照時間 :12時間 排ガス:脱硝・脱硫によりスピルリナに対する有害物
質は除去。
【0023】このように本発明によれば、50%以上の
高い回収率で燃焼排ガス中の炭酸ガスを回収し固定化す
ることができる。なお、本実施例においては、最も望ま
しい一例として、炭酸ガス吸収媒体であるアルカリ液と
して水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を用い、炭酸
ガス固定媒体である耐アルカリ性の藻類としてスピルリ
ナを用いた。ただし、本発明の方法に用いるアルカリ液
および耐アルカリ性の藻類はこれらに限定する必要はな
く、種々のアルカリ液および耐アルカリ性の藻類を用い
ることができる。例えば、上記以外のアルカリ液として
Mg(OH)2 ,CaO,Ca(OH)2 を、また、ス
ピルリナよりもやや耐アルカリ性は劣るが、耐海水性も
ある藻類としてドナリエラ、ポリフィリディウムを用い
ることができる。
高い回収率で燃焼排ガス中の炭酸ガスを回収し固定化す
ることができる。なお、本実施例においては、最も望ま
しい一例として、炭酸ガス吸収媒体であるアルカリ液と
して水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を用い、炭酸
ガス固定媒体である耐アルカリ性の藻類としてスピルリ
ナを用いた。ただし、本発明の方法に用いるアルカリ液
および耐アルカリ性の藻類はこれらに限定する必要はな
く、種々のアルカリ液および耐アルカリ性の藻類を用い
ることができる。例えば、上記以外のアルカリ液として
Mg(OH)2 ,CaO,Ca(OH)2 を、また、ス
ピルリナよりもやや耐アルカリ性は劣るが、耐海水性も
ある藻類としてドナリエラ、ポリフィリディウムを用い
ることができる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
炭酸ガスの回収率を著しく高めた炭酸ガスの回収および
固定化方法が提供される。
炭酸ガスの回収率を著しく高めた炭酸ガスの回収および
固定化方法が提供される。
【図1】図1は、本発明による炭酸ガスの回収・固定化
プロセスの一例を示すフローチャートである。
プロセスの一例を示すフローチャートである。
【図2】図2は、本発明による炭酸ガスの回収・固定化
プロセスに用いる望ましい固定化リアクターの一例を示
す配置図である。
プロセスに用いる望ましい固定化リアクターの一例を示
す配置図である。
1…NaOH貯留槽 2,3…供給管 4…炭酸ガス吸収塔 5…火力発電所 6…脱硫・脱硝装置 7…栄養剤溶解槽 8…固定化リアクター 9…処理水槽 10…濃縮設備 11…分離液受槽 12…循環用配管 80…回流路 81…平底容器 82…仕切り壁 83…攪拌機 84…供給管 85…排出管 86…供給管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多田 勝美 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 末広 章一 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 元内 利丈 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 炭酸ガスをアルカリ液に吸収させること
により回収し、該炭酸ガスを吸収したアルカリ液を藻類
培養池に供給し、該藻類培養池にて該アルカリ液中の炭
酸ガスを耐アルカリ性の藻類に固定化し、該藻類培養池
で成長した藻類を含有する液を該培養池から取り出して
藻類部分と液部分とに分離し、分離された液部分を、前
記炭酸ガスを吸収するアルカリ液として循環再使用する
ことを特徴とする炭酸ガスの回収および固定化方法。 - 【請求項2】 前記藻類培養池として、海上の大型浮体
水槽を用いることを特徴とする請求項1記載の炭酸ガス
の回収および固定化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8216327A JPH1057745A (ja) | 1996-08-16 | 1996-08-16 | 炭酸ガスの回収および固定化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8216327A JPH1057745A (ja) | 1996-08-16 | 1996-08-16 | 炭酸ガスの回収および固定化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1057745A true JPH1057745A (ja) | 1998-03-03 |
Family
ID=16686801
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8216327A Withdrawn JPH1057745A (ja) | 1996-08-16 | 1996-08-16 | 炭酸ガスの回収および固定化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1057745A (ja) |
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005000827A (ja) * | 2003-06-12 | 2005-01-06 | Toshiba Corp | 二酸化炭素回収装置および回収方法 |
JPWO2004074191A1 (ja) * | 2003-02-21 | 2006-06-01 | 栗田工業株式会社 | アンモニア性窒素含有水の処理方法 |
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