JPH1057429A - 溲瓶補助具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溲瓶の開口部に設置することにより、排
尿中、溲瓶の角度をずらしても、溲瓶内から尿が逆流す
ることがなく、更に、枕元に配置させておいても、外観
面で劣化することがない溲瓶補助具を提供すること。 【解決手段】 溲瓶の上部開口部に着脱自在に設置され
る溲瓶補助具であって、弾性部材からなるテーパ形状の
筒体と、該筒体の上部開口部に設置される枠体と、前記
筒体の他端に装着された複数孔を有する保持体とで構成
された補助具本体と、該補助具本体の内部に、尿が逆流
するのを防止する弁機構を設置した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、身体の不自由な人
が排尿時に使用する溲瓶の上部開口部に、着脱自在に設
置される溲瓶補助具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、身体の不自由な人が排尿する
場合、溲瓶が使用されている。該溲瓶は、容器部と把手
部、及び広口の開口部で構成されている。また、開口部
には、着脱自在のキャップが設置されている。

【０００３】前記溲瓶は、身体の不自由な人がトイレに
行かずに、ベッド上で排尿することができるように形成
されている。通常、軽度の身障者の場合、自分で溲瓶を
操作し、ある程度の量の尿が溜ったら、まとめてトイレ
に廃棄していた。また、重度の身障者のに於ては、看護
婦や付添人が溲瓶を操作して採尿し、廃棄処分してい
た。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、軽度の身障者
に於ても、ベッド上で溲瓶内に排尿する作業は困難であ
った。特に排尿中、溲瓶の角度をずらすと、容器内の尿
が逆流して布団やシーツを汚してしまうという問題が生
じた。また、溲瓶をトイレに運んでいる途中において
も、尿が容器の外にこぼれてしまうという欠点もあっ
た。更に、溲瓶を常時枕元に置いておくことは、外観面
でも問題があった。

【０００５】また更に、重度の身障者のに於ては、横臥
状態で溲瓶内に排尿しなければならない。そのため、看
護婦や付添人が細心の注意を払っても、排尿時に、尿が
容器から逆流してしまう可能性があった。

【０００６】本発明は上記の点に鑑み、溲瓶の開口部に
設置することにより、排尿中、溲瓶の角度をずらして
も、溲瓶内から尿が逆流することがなく、更に、枕元に
配置させておいても、外観面で劣化することがない溲瓶
補助具を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に本発明の溲瓶補助具は、溲瓶の上部開口部に着脱自在
に設置される溲瓶補助具であって、弾性部材からなるテ
ーパ形状の筒体と、該筒体の上部開口部に設置される枠
体と、前記筒体の他端に装着された複数の孔を有する保
持体とで構成される補助具本体と、該補助具本体の内部
に、尿が逆流するのを防上する弁機構を設置した。

【０００８】また、前記補助具本体と溲瓶とを、係止金
具または、係止金具と紐を用いて固定した。

【０００９】更に、前記補助具本体と溲瓶とを、スライ
ド自在のカバー体にて被覆した。

【００１０】補助具本体の内部に、尿が逆流するのを防
止する弁機構を設置したので、排尿中、溲瓶の角度をず
らしても、溲瓶内から尿が逆流することがない。また、
スライド自在のカバー体にて、補助具本体と溲瓶とを被
覆すれば、枕元に置いたり持ち運んだりしても、外観面
で劣化することがない。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明の溲瓶補助具を図面に基づ
いて説明する。なお、図１は溲瓶補助具の全体、図２は
溲瓶補助具を溲瓶に設置した状態、図３の（ａ）（ｂ）
は溲瓶補助具の使用状態を示す断面図、図４の（ａ）
（ｂ）はカバー体、図５及び図６は他の実施例をそれぞ
れ表す。

【００１２】補助具本体１は、テーパ形状の筒体２と、
該筒体２の上部開口部３に設置される枠体４と、前記筒
体２の他端に装着される保持体５とで構成される。

【００１３】前記筒体２は、合成樹脂等の弾性部材で形
成されており、上部が大径のテーパ形状をしている。ま
た、前記筒体２の下部には、貫通孔１６が穿孔されてい
る。更に、該貫通孔１６には、金属製の筒部１７が嵌着
されている。なお、前記筒体２は、溲瓶４０の開口部４
１に、押圧状態に挿着される。

【００１４】筒体２の上部開口部３には、円形であっ
て、断面がコ字形の枠体４が嵌着されている。なお、枠
体４がコ字形であるために、筒体２の内部に残っている
尿Ａが開口部３に流れてきても、補助具本体１の外に流
れ出ることがない。

【００１５】また、前記筒体２の他端には、筒状の保持
体５が装着されている。該保持体５には、側面周囲及び
底部に、尿Ａが通過する複数の孔６が穿孔されている。

【００１６】前記補助具本体１の内部には、溲瓶４０内
の尿が逆流するのを防上する弁機構７が設置されてい
る。該弁機構７は、軸部８と、封止ゴム部９と、スプリ
ング１０とで構成されている。

【００１７】前記軸部８の一端は、係止ゴム１１を介在
して枠体４に挿着されている。また、軸部８の先端は、
Ｌ字形に屈曲されているハンドル部１３が形成されてい
る。更に、該ハンドル部１３の凸部１４は、枠体４に設
置されている凸片１５に係止される。そのため、ハンド
ル部１３をスライドさせ、凸部１４と凸片１５とを係止
すると、軸部８をロック状態にすることができる。

【００１８】また軸部８の他端は、保持体５の係合孔１
２に摺動自在に挿入されている。なお、該軸部８は、筒
体２のテーパ状の内部と非接触状態を保つように、緩や
かに屈曲されている。

【００１９】封止ゴム部９は、柔軟性を有するゴム１８
と保持具１９とからなる。該封止ゴム部は軸部８に固定
され、保持体５の内部に配置されているスプリング１０
の付勢力により、筒体２の貫通孔１６の筒部１７に密着
されている。そのため、溲瓶４０内の尿Ａが筒体２側に
逆流することがない。

【００２０】次に、補助具本体１の使用方法を、図２乃
至図３の（ａ）（ｂ）に基づいて説明する。

【００２１】補助具本体１を、溲瓶４０の開口部４１に
押圧状態に挿着する（図２）。次に、図３の（ａ）に示
すように、ハンドル部１３を矢印（イ）方向に押し込ん
で、封止ゴム部９を解放状態にする。この状態で、補助
具本体１の開口部３側より排尿する。すると尿Ａは、筒
体２の内部を通過し、保持体５を通って溲瓶４０の内部
に流れ込む。なおこの時、ハンドル部１３をロック状態
にすると操作が簡便となる。

【００２２】排尿後、図３の（ｂ）に示すように、ハン
ドル部１３のロック状態を解除すると、スプリング１０
の付勢力により、ハンドル部１３は矢印（ロ）方向に戻
されて、封止ゴム部９が筒体２の筒部１７に密着され
る。そのため、溲瓶４０内の尿Ａが筒体２側に逆流する
ことがない。

【００２３】次に、本発明の溲瓶補助具の他の実施例
を、図４乃至図６に基づいて説明する。

【００２４】図４は、補助具本体１と溲瓶４０とを、ス
ライド自在のカバー体２０にて被覆した状態を示す。該
カバー体２０は、内側カバー２１と外側カバー２２とで
構成されており、夫々の表面には装飾部２３が施されて
いる。

【００２５】前記カバー体２０は、外側カバー２２を上
方にスライドさせることにより、長筒状となり、補助具
本体１と溲瓶４０とを被覆することができる。

【００２６】外側カバー２２の下部には係合板２４が設
置されており、凸片２６を撮み上方にスライドさせる
と、内側カバー２１の係止部２５と係合し、長筒状が保
持される。また、カバー体２０を長筒状とすると、略中
間部に切欠部２７が形成され、外部から溲瓶４０の把手
４２を自在に保持することができる。なお、４３は、内
部に溜った尿Ａを廃棄するための廃棄口である。

【００２７】図５は、補助具本体１と溲瓶４０とを、係
止金具３０にて固定した状態を示す。

【００２８】溲瓶４０の開口部４１側面に一対の係止金
具３０を取り付け、補助具本体１の筒体２に、該係止金
具３０に係合する凸部３１を設置する。補助具本体１の
筒体２を溲瓶４０の開口部４１に差し込み、係止金具３
０の枠部３２を凸部３１に係合させる。係止金具３０を
用いることにより、補助具本体１と溲瓶４０とは、より
一層強靭に固定することができる。

【００２９】また、図６に示すように、補助具本体１と
市販の溲瓶４０とを、前記係止金具３０と、面ファスナ
ー３４を設置した紐３３とを用いて固定してもよい。

【００３０】筒体２の側面に紐３３を取付け、筒体２の
他側面に係止金具３０を設置する。そして、溲瓶４０の
把手４２に紐３３を通して、係止金具３０に装着する。
更に、紐３３に固定されている雌雄の面ファスナー３４
にて、紐３３の端部を互いに装着する。これにより、如
何なる種類の溲瓶であっても、完全に、且つ確実に溲瓶
補助具を固定することができる。

【００３１】

【発明の効果】以上説明してきたように本発明の溲瓶補
助具は、上述の構成とすることで以下に示す効果を奏す
るものである。

【００３２】（１）補助具本体の筒体は、弾性部材から
なるテーパ形状をしているので、如何なる溲瓶にも装着
することができる。 （２）補助具本体の内部に弁機構が設置されているの
で、溲瓶内の尿が逆流することがない。そのため、寝た
ままの状態で使用しても、尿が溲瓶からこぼれることが
ない。 （３）弁機構はワンタッチで操作できるので、体の不自
由な人にとっても、容易に使用することができる。 （４）カバー体を設置すれば、枕元に置いたり、持ち運
んだりしても、不快感を感じることがない。 （５）係止金具と紐を用いれば、補助具本体と溲瓶と
は、より一層に強靭に固定することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の溲瓶補助具の全体図である。

【図２】本発明の溲瓶補助具の使用状態を表す。

【図３】本発明の溲瓶補助具の使用状態を表す断面図で
ある。

【図４】本発明の溲瓶補助具の他の実施例を表す。

【図５】本発明の溲瓶補助具の他の実施例を表す。

【図６】本発明の溲瓶補助具の他の実施例を表す。

【符号の説明】

１・・・補助具本体 ２・・・筒体 ３・・・開口部 ４・・・枠体 ５・・・保持体 ６・・・孔 ７・・・弁機構 ８・・・軸部 ９・・・封止ゴム部 １０・・スプリング １１・・係止ゴム １２・・係合孔 １３・・ハンドル部 １４・・凸部 １５・・凸片 １６・・貫通孔 １７・・筒部 １８・・ゴム １９・・保持具 ２０・・カバー体 ２１・・内側カバー ２２・・外側カバー ２３・・装飾部 ２４・・係合板 ２５・・係止部 ２６・・凸片 ２７・・切欠部 ３０・・係止金具 ３１・・凸部 ３２・・枠部 ３３・・紐 ３４・・面ファスナー ４０・・溲瓶 ４１・・開口部 ４２・・把手 ４３・・廃棄口 Ａ・・・尿

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 溲瓶の上部開口部に着脱自在に設置さ
   れる溲瓶補助具であって、弾性部材からなるテーパ形状
   の筒体（２）と、該筒体（２）の上部開口部（３）に設
   置される枠体（４）と、前記筒体（２）の他端に装着さ
   れた複数の孔（６）を有する保持体（５）とで構成され
   る補助具本体（１）と、該補助具本体（１）の内部に、
   溲瓶（４０）に溜った尿が逆流するのを防止することが
   できる弁機構（７）を設置したことにより形成される溲
   瓶補助具。
2. 【請求項２】 前記補助具本体（１）と溲瓶（４０）
   とを、係止金具（３０）または、係止金具（３０）と紐
   （３３）を用いて固定した請求項１記載の溲瓶補助具。
3. 【請求項３】 前記補助具本体（１）と溲瓶（４０）
   とを、スライド自在のカバー体（２０）にて被覆した請
   求項１又は請求項２記載の溲瓶補助具。