JPH1057348A - 医用マイクロマシーン装置 - Google Patents

医用マイクロマシーン装置

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JPH1057348A
JPH1057348A JP8220065A JP22006596A JPH1057348A JP H1057348 A JPH1057348 A JP H1057348A JP 8220065 A JP8220065 A JP 8220065A JP 22006596 A JP22006596 A JP 22006596A JP H1057348 A JPH1057348 A JP H1057348A
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JP
Japan
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treatment
unit
ultrasonic
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transmitting
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JP8220065A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Okazaki
清 岡崎
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は治療部位以外の皮膚面や伝搬途中の
生態組織への影響を少なくすることができ、かつ、安全
衛生面および被検体の自由性の制約を改善することがで
きる医用マイクロマシーン装置を提供することを目的と
する。 【解決手段】 被検体外に設けられ、該被検体内に向け
て超音波を送信する送信手段10と、前記被検体内に配
置され、前記超音波を受信し電力に変換する電源部及び
前記電力を用いて治療部位の診断または治療を行う診断
・治療部を有するマイクロマシーン部30とを備えて構
成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、局所の尿路系結
石、胆石・膵石等の消化器系結石、唾石等の結石や前立
腺肥大症等の良性疾患、または癌等の悪性疾患に対し、
衝撃波、強力超音波等を照射する医用マイクロマシーン
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、被検体外から衝撃波を照射するこ
とにより、被検体内にある結石や腫瘍を直接破壊する衝
撃波治療装置および被検体外から超音波を照射すること
により発生する熱によって被検体内にある腫瘍を壊死さ
せる温熱治療装置が種々提案されている。
【0003】また近年、光もしくは音響により化学的に
活性化する薬剤を静脈から注入し、被検体の治療部位に
光もしくは超音波を照射して前記薬剤を化学的に活性化
させて治療を行う光ダイナミック療法が行われるように
なっている。
【0004】さらに近年、被検体外から被検体内に管を
通し、この管を介して内視鏡やカテーテルを被検体内に
挿入もしくは直接被検体内に内視鏡やカテーテルを挿入
し、被検体内側で画像信号や検体を収集したり、治療を
行う内視鏡やカテーテルによる治療が行われるようにな
っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
超音波治療装置、衝撃波治療装置または温熱治療装置で
は、治療部位以外の皮膚面や伝搬途中の生体組織への超
音波または衝撃波の影響を与える可能性があった。
【0006】また、超音波または衝撃波の伝搬経路にガ
スや骨等が存在する場合、このガスや骨等により超音波
または衝撃波が減衰してしまい、所望の治療効果を得る
ことができなくなる可能性があった。この場合において
も、治療部位に照射されるはずの超音波や衝撃波が生体
組織や骨に照射されてしまい、治療部位以外の生体組織
に悪影響を与える可能性があった。さらに、超音波また
は衝撃波の焦点領域と治療部位との位置合わせは、治療
部位を直視しないで行われるので、手間が掛かるという
問題があった。
【0007】また、薬剤を用いた光ダイナミック療法で
は、薬剤が通常状態で不活性であっても、薬剤が全身に
行き渡るため、副作用を与える可能性もあった。
【0008】さらに、内視鏡またはカテーテルを用いた
診断、治療では、被検体内と被検体外を結ぶ管を被検体
内に挿入するので、挿入時間が長くなるような治療、診
断は、安全衛生面および被検体の自由性の制約等の面か
ら不向きであった。
【0009】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、治療部位以外の皮膚面や伝搬途中の生体組織への影
響を少なくすることができ、かつ、安全衛生面および被
検体の自由性の制約を改善することができる医用マイク
ロマシーンを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1に係る発明は、被検体外に設けられ、該被検体
内に向けて超音波を送信する送信手段と、前記被検体内
に配置され、前記超音波を受信し電力に変換する電源部
及び前記電力を用いて治療部位の診断または治療を行う
診断・治療部を有するマイクロマシーンと、を具備する
ものである。
【0011】請求項1に係る発明によれば、体内に配置
されたマイクロマシーンによって、対外からの超音波を
電力に変換しこの電力を用いて、尿路系結石、消化器系
結石前立腺肥大症等の良性疾患、癌等の悪性疾患の診断
または治療を行うことにより、従来のように体外から診
断・治療を行うのではなく、治療部位により近い体内か
ら診断・治療を行うことができるので、診断・治療部か
ら治療部位に至るまでの生体組織、空気等の影響を大幅
に減らすことができ、より効果的に診断治療を行うこと
ができる。また、長期的な診断・治療においても、マイ
クロマシーンを体内に継続的に配置できるので、診断・
治療の度に内視鏡やカテーテルを出し入れすることも減
り、ひいては安全衛生面及び被検体の自由性を改善する
ことができる。
【0012】また上記目的を達成するために請求項2に
係る発明は、被検体外に設けられ、該被検体内に向けて
超音波を送信する送信手段と、前記被検体内に配置さ
れ、前記超音波を受信し治療制御信号に変換する治療制
御部及び前記治療制御信号に応じて治療部位の診断また
は治療を行う診断・治療部を有するマイクロマシーン
と、を具備するものである。
【0013】そして請求項2に係る発明によれば、体内
に配置されたマイクロマシーンによって、体外からの超
音波に対応する治療制御信号に応じて治療部位の診断ま
たは治療を行うことにより、マイクロマシーンを体内に
配置した状態で体外からマイクロマシーンの動作を制御
できるので、診断・治療の度に内視鏡やカテーテルを出
し入れすることも減り、ひいては安全衛生面及び被検体
の自由性を改善することができる。
【0014】さらに上記目的を達成するために請求項3
に係る発明は、被検体外に設けられ、該被検体内に向け
て超音波を送信する送信手段と、前記被検体内に配置さ
れ、前記超音波を受信し電力に変換する電源部、前記送
信手段から送信された超音波を治療制御信号に変換する
治療制御部、及び前記治療制御信号に応じた治療部位の
診断または治療を前記電力を用いて行う診断・治療部を
有するマイクロマシーンとを具備するものである。
【0015】そして請求項3に係る発明によれば、体内
に配置されたマイクロマシーンによって、体外からの超
音波を電力及び治療制御信号に変換しこの電力を用いて
治療部位の診断または治療を治療制御信号に応じて行う
ことにより、従来のように体外から診断・治療を行うの
ではなく、治療部位により近い体内から診断・治療を行
うことができるので、診断・治療部から治療部位に至る
までの生体組織、空気等の影響を大幅に減らすことがで
き、より効果的に診断・治療を行うことができる。ま
た、マイクロマシーンを体内に配置した状態で体外から
マイクロマシーンの動作を制御できるので、診断・治療
の度に内視鏡やカテーテルを出し入れすることも減り、
ひいては安全衛生面及び被検体の自由性を改善すること
ができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態を
図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る医用マ
イクロマシーン装置の第1実施形態の概略的な構成を示
した図である。 図1に示すように、第1実施形態の医
用マイクロマシーン装置1-1では、被検体外(被検体表
面(皮膚)上)に置かれる送信手段10と、被検体内に
挿入・配置されるマイクロマシーン部30とから成り、
被検体外の送信手段10から電源用の超音波を被検体内
に送信し、被検体内のマイクロマシーン部30側で前記
電源用の超音波を受信して電力に変換し、この電力を用
いて治療用の超音波を被検体内のマイクロマシーン部3
0から治療部位に対して送信するようにしている。
【0017】送信手段10は、電源用の超音波を被検体
内に送信する超音波振動子11と、超音波振動子11の
中心部に設けられ、被検体内の超音波画像信号を得るた
め、被検体外から観察用の超音波を送信すると共にその
反射波を受信して電気信号に変換する超音波プローブ1
3とを有する。
【0018】マイクロマシーン部30は、円筒状の筐体
30aの外周面に設けられ、超音波振動子11から送信
される電源用の超音波を受信して電気信号に変換する受
波手段としての超音波振動子31と、前記筐体30aの
一方の側面に設けられ、超音波振動子31により変換さ
れた電気信号を復調することにより得られた電力によっ
て治療用の超音波を被検体内に送信する治療部としての
治療用振動子35と、前記電力により薬剤を投与する薬
剤投与部37とを有する。
【0019】ところで、送信手段10としては、振動子
の配列方法の違いから、平面型、疑似平面型、多面体型
がある。図2(a)は平面型の送信手段10Aを示す断
面図であり、図2(b)はその上面図である。図2
(a),(b)に示すように、平面型の送信手段10A
は、平面状かつ同心円状に複数配列され、超音波を被検
体内に送信する超音波振動子11Aと、この超音波振動
子11Aの中心部に設けられ、前記被検体内の超音波画
像を得るため、前記被検体の外部から観察用の超音波を
前記被検体内送信すると共にその反射波を受信して電気
信号に変換する超音波プローブ13Aとを有する。尚、
超音波振動子11Aを平面状かつ同心円状に配置するこ
とは、複数のリング状の超音波振動子11Aを超音波送
波面がほぼ平らになるように同心円状に配置することを
いう。
【0020】平面型の送信手段10Aでは、超音波振動
子11Aの各振動子から超音波集束位置(以下、焦点と
いう。)までの距離に対応させて送信遅延量を変えて超
音波を送信することにより、超音波を前記焦点に集束さ
せている。
【0021】また、平面型の送信手段10Aは、超音波
振動子11Aが平面状に配列されているため、遅延量を
多く設定する必要があり、送信する超音波の焦点も甘く
なるが、広範囲に焦点をふることができるという利点も
ある。
【0022】図3は疑似平面型の送信手段10Bを示す
断面図である。尚、疑似平面型の送信手段10Bの上面
図は図2(b)に示す平面型の送信手段10Aと同一で
ある。図3に示すように、疑似平面型の送信手段10B
は、各々を所定位置に向けて傾斜させて配列し、超音波
を被検体内に送信する複数のリング状の超音波振動子1
1Bと、この超音波振動子11Bの中心部に設けられ、
被検体内の超音波画像を得るため、被検体外から観察用
の超音波を送信すると共にその反射波を受信して電気信
号に変換する超音波プローブ13Bとを有する。また、
各々の超音波振動子11Bは、所定位置(例えば超音波
を集束させる位置)に向けて傾斜させているが、個々の
振動子の中心部分は略平面上にあり、疑似的に平面とな
っている。
【0023】疑似平面型の送信手段10Bでは、平面型
の送信手段10A同様、超音波振動子11Bの各振動子
から焦点までの距離に対応させて送信遅延量を変えて超
音波を送信することにより、超音波を前記焦点に集束さ
せているが、各振動子が焦点に向けて傾斜されているた
め、平面型の送信手段10Aに比べ、送信遅延量が少な
く、焦点も狭い。
【0024】図4(a)は、多面体型の送信手段10C
を示す断面図であり、図4(b)はその平面図である。
図4(a),(b)に示すように、多面体型の送信手段
10Cは、多面体状(例えば凹面状)に所定位置に向け
て傾斜させることにより複数配列され、超音波を被検体
内に送信する超音波振動子11Cと、この超音波振動子
11Cの中心部に設けられ、被検体内の超音波画像を得
るため、被検体外から観察用の超音波を送信すると共に
その反射波を受信して電気信号に変換する超音波プロー
ブ13Cとを有する。尚、複数の超音波振動子11Cを
所定位置に傾斜させて多面体状に配置するとは、例えば
複数のリング状の超音波振動子11Cを超音波送波面が
球殻状をなすように同心円状に配置することである。
【0025】多面体型の送信手段10Cでは、平面型の
送信手段10Aと疑似平面型の送信手段10B同様、超
音波振動子11Cの各振動子から焦点までの距離に対応
させて送信遅延量を変えて超音波を送信することによ
り、超音波を前記焦点に集束させているが、超音波振動
子11Cの各振動子が多面体状に焦点に向けて傾斜され
ているため、前記振動子から焦点までの距離の差が少な
く、疑似平面型の送信手段10Bに比べ、送信遅延量が
少なく、焦点も狭い。従って、超音波送信効率を考える
と超音波の焦点を一番狭くできる多面体型の送信手段1
0Cが最適となる。
【0026】図5は、送信手段10の機能ブロック図を
示している。送信手段10は、図5に示すように、治療
開始命令等の入力と、超音波プローブ13により得られ
た電気信号を基に超音波画像信号の表示を行う表示手段
としてのコンソール15と、コンソール15から治療開
始命令が入力されたとき、電源用の超音波を送信させる
ための電源用超音波送信制御信号を出力する制御部17
と、制御部17により電源用超音波送信制御信号が出力
されたとき、超音波送信用の高電圧を発生する電源用超
音波送信部19と、電源用超音波送信部19により発生
された高電圧を基に電源用の超音波を被検体内に送信す
る超音波振動子11とを有する。尚、コンソール15
は、通信線を介して送信手段10の外部に設けるように
しても良い。
【0027】図6は、マイクロマシーン部30を示した
断面図である。図6に示すようにマイクロマシーン部3
0は、超音波振動子11から送信された超音波を受信す
るために筐体30aの外周面に90度毎に4つ設けられ
た超音波振動子31と、筐体30aの後端に設けられた
コントローラ33と、筐体30aの先端面に設けられ、
被検体に対し予め決められた周波数の治療用の超音波を
所定時間送信する診断・治療部としての治療用振動子3
5と、薬剤が格納され、先端面に設けられた薬剤出口3
7aを予め決められた時間開くことにより薬剤を被検体
に対して投与する診断・治療部としての薬剤投与部37
とを有する。
【0028】尚、超音波振動子31は、90度毎に4つ
設けられているが、これはいずれの方向から超音波が送
信されても効率良く受信できるようにしたためであり、
120度毎に3つ、180度毎に2つ設けるようにして
も良い。また、所定方向からのみ超音波が送信される場
合は、360度で1つ設けるようにしても良い。
【0029】また、薬剤出口37aを開閉する機構とし
ては、例えば電磁弁を用いるようにする。また、薬剤出
口37aを覆う蓋を形状記憶合金により作成するように
しても良い。この場合、常温では図7(a)に示すよう
に蓋37Lが閉められ、外部から加熱(例えば超音波振
動子11から蓋37Lに超音波を送信して加熱)するこ
とにより,図7(b)に示すように蓋37Lが開くよう
にする。またこの場合、薬剤出口37aの先端部分にゴ
ムパッキン37pを設けることにより蓋37Lを閉めた
ときの薬剤の漏れを防止する。また、薬剤としては、例
えばヘマトポルフィリン等があり、超音波もしくは光に
より活性化して近くに存在する細胞を死滅させる役割を
果たす。
【0030】また、ここでは、診断・治療部として治療
用振動子35と薬剤投与部37を有しているが、これに
加えるもしくは治療用振動子35に代えて、レーザを被
検体に対して照射するレーザ照射部(図示せず)を設け
るようにしても良い。尚、治療用振動子35と薬剤投与
部37とレーザ照射部を備えるマイクロマシーン部30
と、治療用振動子35と薬剤投与部37を備えるマイク
ロマシーン部30と、薬剤投与部37とレーザ照射部を
備えるマイクロマシーン部30と、治療用振動子35の
み備えるマイクロマシーン部30と、レーザ照射部のみ
備えるマイクロマシーン部30を予め作成しておき、治
療目的と治療効果に合わせて前記のマイクロマシーン部
30の中から選択するようにしても良い。
【0031】このとき、治療用振動子35と薬剤投与部
37とレーザ照射部を備えるマイクロマシーン部30を
選択した場合は、例えば超音波とレーザにより薬剤を活
性化させて細胞、腫瘍等を死滅させる。治療用振動子3
5と薬剤投与部37を備えるマイクロマシーン部30を
選択した場合は、例えば超音波により薬剤を活性化させ
て細胞、腫瘍等を死滅させる。薬剤投与部37とレーザ
照射部を備えるマイクロマシーン部30を選択した場合
は、例えばレーザにより薬剤を活性化させて細胞、腫瘍
等を死滅させる。治療用振動子35のみ備えるマイクロ
マシーン部30を選択した場合は、例えば超音波による
熱および振動で結石、腫瘍等を破砕させる。レーザ照射
部のみ備えるマイクロマシーン部30を選択した場合
は、レーザによる熱で結石、腫瘍等を焼き切る。これら
の治療効果と、治療目的に合わせてマイクロマシーン部
30を選択する。
【0032】また、コントローラ33は、図8に示すよ
うに、超音波振動子31により受信された電源用の超音
波(電気信号)を電力に変換する変換部39と、変換部
39により変換された電力を充電する電源部41と、治
療用振動子35から治療用の超音波を送信させるための
治療用超音波送信制御信号と薬剤出口37aを開かせて
薬剤を投与するための薬剤投与制御信号を出力する制御
部43と、制御部43により治療用超音波送信制御信号
が出力されたとき、治療用の超音波を治療用振動子35
から送信させるための高電圧を発生する治療用超音波送
信部45と、制御部43により薬剤投与制御信号が出力
されたとき、薬剤出口37aを開閉させる薬剤投与制御
部47とを有する。尚、治療用振動子35から治療用の
超音波を直ちに送信させることができるように予め所定
の電力を電源部41に充電しておいても良い。
【0033】次に、第1実施形態の医用マイクロマシー
ン装置1-1の動作を説明する。尚ここでは、医用マイク
ロマシーン装置1-1を用いて図1に示す被検体の血管内
に発生した狭窄を治療する場合を例にして説明する。
【0034】被検体の血管内に発生した狭窄を医用マイ
クロマシーン装置1-1を用いて治療する場合、まず、操
作者は治療用振動子35を狭窄側に向けたマイクロマシ
ーン部30をカテーテル等を用いて血管内に挿入し、狭
窄の直前に配置する(図1参照)。尚、マイクロマシー
ン部30を狭窄の直前に配置した後は、前記カテーテル
等を被検体内から取り出しておく。また、マイクロマシ
ーン部30の配置位置は送信手段10Aの超音波プロー
ブ13により得られた電気信号を基にコンソール15の
モニタ(図示せず)に表示された超音波画像を参照して
行う。
【0035】この状態で操作者は送信手段10のコンソ
ール15を用いて治療開始命令を入力する。治療開始命
令が入力されると制御部17は電源用超音波送信制御信
号を電源用超音波送信部19に出力する。これにより、
電源用超音波送信部19から超音波送信用の高電圧が超
音波振動子11に供給され、超音波振動子11から電源
用の超音波が送信される。
【0036】電源用の超音波が超音波振動子11から送
信されると、マイクロマシーン部30の超音波振動子3
1は、その超音波を受信する。そして、この受信された
超音波は超音波振動子31によりパルス信号に変換さ
れ、さらに変換部39により前記パルス信号が復調され
て電力に変換され、電源部41に充電される。
【0037】電源部41に電力が充電されると、制御部
43は、薬剤投与部37の薬剤出口37aを開かせるた
めの薬剤投与制御信号を薬剤投与制御部47に送信し、
さらに、治療用振動子35から治療用の超音波を送信さ
せるための治療用超音波送信制御信号を治療用超音波送
信部45に送信する。
【0038】前記薬剤投与制御信号が出力されると薬剤
投与制御部47は、薬剤出口37aを所定時間開かせて
薬剤を投与させる。また、前記治療用超音波送信制御信
号が送信されると治療用超音波送信部45は治療超音波
用の高電圧を発生する。これにより治療用振動子35か
ら所定周波数の治療用の超音波が所定時間被検体の狭窄
に対して送信される。
【0039】こうして、被検体の血管内に発生した狭窄
が医用マイクロマシーン装置1-1により治療される。そ
して、治療後は、カテーテル等によりマイクロマシーン
部30を体内から取り出すか、或いは長期的又は継続的
に治療を行う場合はマイクロマシーン部30を体内に滞
めておいても良い。
【0040】このように、第1実施形態の医用マイクロ
マシーン装置1-1では、超音波を被検体外から送信し、
被検体内に挿入されるマイクロマシーン部30側で前記
超音波を受信し電力に変換し、この電力を用い、マイク
ロマシーン部30に備えられた薬剤投与部37から薬剤
を投与すると共に、治療用振動子35から治療用の超音
波を被検体の治療部位に送信するようにしているので、
治療部位以外への薬剤の投与および治療用の超音波の送
信が無く、治療部位以外の皮膚面や伝搬途中の生体組織
への影響を少なくすることができる。また、治療中或い
は長期的な治療には内視鏡やカテーテルを被検体内に挿
入して滞めることなく、マイクロマシーン部30のみを
被検体内に配置すれば良いので、治療の度に内視鏡など
を出し入れすることも減り、安全衛生面および被検体の
自由性の制約を改善することができる。
【0041】尚、本実施形態では、体外から送信された
超音波を体内に配置したマイクロマシーン部30で電力
に変換し、マイクロマシーン部30に備えられた治療用
振動子35や薬剤投与部37などの治療部が変換された
電力を用いて治療部位への治療を行ったが、治療部の代
りに断層像取得用振動子など治療部位を含む体内領域を
診断するための診断部を設けても良い。
【0042】次に、本発明に係る医用マイクロマシーン
装置の第2実施形態を説明する。図9は、第2実施形態
の医用マイクロマシーン装置1-2の概略的な構成を示し
た図である。
【0043】第1実施形態では、被検体外の超音波プロ
ーブ13からのみ被検体内の治療部位情報を得ていた
が、第2実施形態では、被検体内に挿入されるマイクロ
マシーン部70からも診断用の超音波を送信し、その反
射波から得られた治療部位情報を治療部位情報用の超音
波に載せて被検体外の送信手段50側に送信し、前記治
療部位情報を基にして送信手段50側で画像情報を表示
するようにしている。さらに、第1実施形態では、治療
用の超音波の周波数および送信時間と、薬剤出口37a
の開口時間は予め決められていたが、第2実施形態で
は、治療用の超音波の周波数および送信時間と、薬剤出
口77aの開口時間等の治療条件を被検体外の送信手段
50側から変更できるようにしている。
【0044】図9に示すように、第2実施形態の医用マ
イクロマシーン装置1-2は、被検体外(被検体表面(皮
膚)上)に置かれる送信手段50と、被検体内に挿入さ
れるマイクロマシーン部70とから成る。
【0045】送信手段50は、電源用の超音波と、治療
を制御するための制御用の超音波を被検体内に送信する
超音波振動子51と、超音波振動子51の中心部に設け
られ、被検体内の超音波画像信号を得るため、被検体外
から観察用の超音波を送信すると共にその反射波を受信
して電気信号に変換する超音波プローブ53とを有す
る。尚、超音波振動子51から送信される電源用超音
波、制御用超音波のパルス数、パルス幅、くり返し周波
数などの中からいずれかを異ならせ、両者を区別すると
良い。また、送信手段50は、第1実施形態の医用マイ
クロマシーン装置1-1の送信手段10と同様、平面型、
疑似平面型、多面体型があり、超音波送信効率を考える
と超音波の焦点を一番狭くできる多面体型が最適であ
る。
【0046】マイクロマシーン部70は、超音波振動子
51から送信される電源用の超音波を受信して電気信号
に変換し、また、制御用の超音波を受信して治療用制御
信号に変換し、さらに、治療部位情報用の超音波を超音
波振動子51に対して送信する超音波振動子71と、超
音波振動子71により変換された電気信号を復調するこ
とによって得られる電力及び治療制御信号により治療用
の超音波を被検体内に送信する診断・治療部としての治
療用振動子75と、前記電力により薬剤を投与する診断
・治療部としての薬剤投与部77と、治療用振動子75
の中心部に設けられ、体腔内画像情報を被検体内で得る
ため、被検体内から診断用の超音波を送信すると共にそ
の反射波を受信して電気信号に変換する診断用超音波プ
ローブ79と、治療部位に対してレーザ光を照射するレ
ーザ照射部81とを有する。また、マイクロマシーン部
70の治療用振動子75と対向する側には、このマイク
ロマシーン部70を移動および固定するための移動、固
定部83が設けられている。
【0047】図10は、送信手段50の機能ブロック図
を示している。送信手段50は、図10に示すように、
治療開始命令等の入力と超音波プローブ53により得ら
れた電気信号を基に超音波画像信号の表示を行うコンソ
ール55と、コンソール55から治療開始命令が入力さ
れたとき、電源用の超音波を送信させるための電源用超
音波送信制御信号と、治療および診断を制御する治療制
御信号を搬送するための制御用の超音波を送信させる制
御用超音波送信制御信号とを出力する制御部57と、制
御部57により電源用超音波送信制御信号が出力された
とき、電源用超音波送信用の高電圧を発生する電源用超
音波送信部19と、制御部57により制御用超音波送信
制御信号が出力されたとき、制御用超音波送信用の高電
圧を発生する制御用超音波送信部59と、被検体内のマ
イクロマシーン部70から送信された治療部位情報用の
超音波から治療部位情報を解析して治療部位の超音波画
像情報を得る情報用超音波受信部61と、電源用超音波
送信部19により発生された高電圧を基に電源用の超音
波を被検体内に送信し、また、制御用超音波送信部59
から発生された高電圧を基に、制御用の超音波を送信
し、さらに、被検体内のマイクロマシーン部70から送
信された治療部位情報用の超音波を受信する超音波振動
子51とを有する。尚、コンソール55は、通信線を介
して送信手段50の外部に設けるようにしても良い。ま
た、情報用超音波受信部61からの超音波画像情報を表
示する治療情報表示手段を設けても良い。
【0048】図11は、マイクロマシーン部70を示し
た断面図である。図11に示すようにマイクロマシーン
部70は、超音波振動子51から送信された電源用の超
音波と制御用の超音波を受信するためと、超音波振動子
51に治療部位情報送信用の超音波を送信するために筐
体70aの外周面に90度毎に4つ設けられた超音波振
動子71と、筐体70aの後端に設けられたコントロー
ラ73と、筐体70aの先端面に設けられ、被検体に対
し、治療用の超音波を送信する治療用振動子75と、薬
剤が格納され、先端面に設けられた薬剤出口77aを開
くことにより薬剤を被検体に対して投与する薬剤投与部
77と、治療用振動子75の中心部に設けられ、被検体
内の超音波画像を被検体内で得るため、被検体内から治
療部位情報用の超音波を送信すると共にその反射波を受
信して電気信号に変換する診断用超音波プローブ79
と、治療部位に対してレーザ光を照射するレーザ照射部
81と、コントローラ73の後端側に設けられ、マイク
ロマシーン部70を移動および固定する移動、固定部8
3とを有する。尚、超音波振動子71は、90度毎に4
つ設けられているが、これは第1実施形態の場合と同
様、いずれの方向から超音波が送信されても効率良く受
信できるようにしたためであり、120度毎に3つ、1
80度毎に2つでも良い。また、所定方向からのみ超音
波が送信される場合は、360度で1つでも良い。尚、
薬剤出口77aを開閉する機構としては、第1実施形態
と同様に電磁弁もしくは形状記憶合金を用いるようにす
る。
【0049】また、第1実施形態と同様、治療用振動子
75と薬剤投与部77とレーザ照射部81を備えるマイ
クロマシーン部70と、治療用振動子75と薬剤投与部
77を備えるマイクロマシーン部70と、薬剤投与部7
7とレーザ照射部81を備えるマイクロマシーン部70
と、治療用振動子75のみ備えるマイクロマシーン部7
0と、レーザ照射部81のみ備えるマイクロマシーン部
70を予め作成しておき、治療目的と治療効果に合わせ
て前記のマイクロマシーン部70の中から選択するよう
にしても良い。
【0050】このとき、治療用振動子75と薬剤投与部
77とレーザ照射部81を備えるマイクロマシーン部7
0を選択した場合は、例えば超音波とレーザにより薬剤
を活性化させて細胞、腫瘍等を死滅させる。治療用振動
子75と薬剤投与部81を備えるマイクロマシーン部7
0を選択した場合は、例えば超音波により薬剤を活性化
させて細胞、腫瘍等を死滅させる。薬剤投与部77とレ
ーザ照射部81を備えるマイクロマシーン部70を選択
した場合は、例えばレーザにより薬剤を活性化させて細
胞、腫瘍等を死滅させる。治療用振動子75のみ備える
マイクロマシーン部70を選択した場合は、例えば超音
波による熱および振動で結石、腫瘍等を破砕させる。レ
ーザ照射部81のみ備えるマイクロマシーン部70を選
択した場合は、レーザによる熱で結石、腫瘍等を焼き切
る。これらの治療効果と、治療目的に合わせてマイクロ
マシーン部70を選択する。
【0051】また、コントローラ73は、図12に示す
ように、超音波振動子71により受信された電源用の超
音波(電気信号)を電力に変換する変換部39と、変換
部39により変換された電力を充電する電源部41と、
超音波振動子71により受信された制御用の超音波を解
析して治療制御信号を得、これを基に、治療用振動子7
5から治療用の超音波を送信させるための治療用超音波
送信制御信号、薬剤出口77aを開かせて薬剤を投与す
るための薬剤投与制御信号、診断用超音波プローブ79
から診断用の超音波を送信させるための診断用超音波送
信制御信号、レーザ照射部81から治療用のレーザ光を
照射させるためのレーザ照射制御信号、マイクロマシー
ン部70を移動および固定させるための移動固定制御信
号を出力する治療制御部としての制御部85とを有す
る。また、コントローラ73は、制御部85により治療
用超音波送信制御信号が出力されたとき、治療用の超音
波を治療用振動子75から送信させるための高電圧を発
生する治療用超音波送信部87と、制御部85により薬
剤投与制御信号が出力されたとき、薬剤出口77aを開
かせる薬剤投与制御部89と、制御部85により診断用
超音波送信制御信号が出力されたとき、診断用超音波プ
ローブ79から診断用の超音波を送信させると共にその
反射波から変換された電気信号を治療部位情報として制
御部85に出力する診断用超音波送受信部91と、制御
部85によりレーザ照射制御信号が出力されたとき、レ
ーザ照射部81からレーザ光を照射させるレーザ照射制
御部93と、制御部85から移動固定制御信号が出力さ
れたとき、移動、固定部83を動作させる移動、固定制
御部95とを有する。
【0052】次に、第2実施形態の医用マイクロマシー
ン装置1-2の動作を説明する。尚ここでは、医用マイク
ロマシーン装置1-2を用いて図9に示す被検体の血管内
に発生した狭窄を治療する場合を例にして説明する。
【0053】まず、操作者は治療用振動子75を狭窄側
に向けたマイクロマシーン部70をカテーテル等を用い
て血管内に挿入し、狭窄の直前に配置する(図9参
照)。尚、マイクロマシーン部70を狭窄の直前に配置
した後は、前記カテーテル等を被検体内から取り出して
おく。また、マイクロマシーン部70の配置位置は送信
手段50の超音波プローブ53により得られたデータを
基にコンソール55のモニタ(図示せず)に表示された
超音波画像を参照して行う。
【0054】この状態で操作者は送信手段50のコンソ
ール55を用いて治療条件を入力した後、治療開始命令
を入力する。治療条件と治療開始命令が入力されると、
制御部57は、電源用の超音波を送信させるための電源
用超音波送信制御信号を電源用超音波送信部19に出力
すると共に、制御用の超音波を送信させるための制御用
超音波送信制御信号と前記治療条件に対応する治療制御
信号とを制御用超音波送信部59に出力する。
【0055】前記電源用超音波送信制御信号が出力され
ると、電源用超音波送信部19から超音波送信用の高電
圧が超音波振動子51に供給され、超音波振動子51か
ら電源用の超音波が送信される。
【0056】また、前記制御用超音波送信制御信号と前
記治療制御信号が出力されると、制御用超音波送信部6
1は、治療制御信号用の超音波を送信するための高電圧
を発生し、前記治療制御信号を治療制御信号用の超音波
に載せて超音波振動子51から送信させる。
【0057】一方、電源用の超音波が超音波振動子51
から送信されるとマイクロマシーン部70の超音波振動
子71はその電源用の超音波を受信して電気信号に変換
する。そしてこの電気信号は変換部39で電力に復調さ
れ、電源部41に充電される。
【0058】次いで、マイクロマシーン部70の超音波
振動子71は、治療制御信号用の超音波を受信し、それ
を電気信号に変換して制御部85に供給する。治療制御
信号用の超音波から変換された電気信号が供給されると
制御部85は、これを解析してそれに対応する移動固定
制御信号を移動、固定制御部95に対して出力し、薬剤
投与制御信号を薬剤投与制御部89に対して出力し、治
療用超音波送信制御信号を治療用超音波送信部87に対
して出力し、診断用超音波送信制御信号を診断用超音波
送受信部91に対して出力する。
【0059】前記移動固定制御信号が出力されると、移
動、固定制御部95は、制御部85から出力された移動
固定制御信号を基に移動、固定部83を動作させて、マ
イクロマシーン部70を血管内に固定する。
【0060】この移動固定部83は、例えば図13に示
すように,3つの部屋83a,83b,83cを有する
軟性の樹脂袋をマイクロマシーン部70の後端に接続
し、部屋83a,83b,83cに順番に気体もしくは
液体を注入することによりこの樹脂袋を左右に連続して
屈曲させることでマイクロマシーン部70を移動させ
る。また、3つの部屋83a,83b,83c全てに気
体もしくは液体を注入することによりに樹脂袋を血管の
内壁に当たるように膨脹させてマイクロマシーン部70
を固定させる。
【0061】また、制御部85から薬剤投与制御信号が
出力されると薬剤投与制御部89は、薬剤投与部77の
薬剤出口77aを所定時間開くことにより薬剤を投与さ
せる。さらに、制御部85から治療用超音波送信制御信
号が出力されると治療用超音波送信部87は、治療超音
波用の高電圧を治療用振動子75に送信する。これによ
り治療用振動子75から超音波が送信され、薬剤と超音
波による治療が開始される。
【0062】尚、ここでは薬剤と超音波により治療が行
われるが、前記治療条件を変更させることにより薬剤と
超音波とレーザとによる治療、薬剤とレーザとによる治
療、超音波のみによる治療のいずれかに変更することが
できる。ここで、薬剤と超音波による治療では、例えば
超音波により薬剤を活性化させて細胞、腫瘍等を死滅さ
せ、薬剤と超音波とレーザとによる治療では、例えば超
音波とレーザにより薬剤を活性化させて細胞、腫瘍等を
死滅させ、薬剤とレーザによる治療では、例えばレーザ
により薬剤を活性化させて細胞、腫瘍等を死滅させ、超
音波のみによる治療では、例えば超音波による熱および
振動で結石、腫瘍等を破砕させ、レーザのみによる治療
では、レーザによる熱で結石、腫瘍等を焼き切る。これ
らの治療効果と、治療目的に合わせて治療法を選択す
る。
【0063】次いで、診断用超音波送受信部91は、制
御部85から出力された診断用超音波送信制御信号を基
に診断用超音波プローブ79から診断用の超音波を送信
させると共にその反射波を受信させる。この受信された
反射波は診断用超音波プローブ79で電気信号に変換さ
れる。この電気信号は治療部位情報として制御部85を
介して超音波振動子71から治療部位情報用の超音波に
よって送信手段50の超音波振動子51に送信される。
【0064】そして前記治療部位情報は情報用超音波受
信部61によって解析され、制御部57を介してコンソ
ール55に供給され、超音波画像信号としてコンソール
55のモニタ上に表示される。操作者は、この超音波画
像信号を確認することにより、治療状況を知ることがで
きる。こうして、被検体の血管内に発生した狭窄が医用
マイクロマシーン装置1-2により治療される。
【0065】このように、第2実施形態の医用マイクロ
マシーン装置1-2では、電源用の超音波を被検体外から
送信し、被検体内に挿入されるマイクロマシーン部70
側で前記超音波を受信し電力に変換し、この電力を用
い、マイクロマシーン部70に備えられた薬剤投与部7
7から薬剤を投与すると共に、治療用振動子75から治
療用の超音波を治療部位に送信するようにしているの
で、治療部位以外への薬剤の投与および治療用の超音波
の送信が無く、治療部位以外の皮膚面や伝搬途中の生体
組織への影響を少なくすることができる。また、第2実
施形態の医用マイクロマシーン装置1-2では、治療中は
マイクロマシーン部70のみを被検体内に挿入すれば良
いので、安全衛生面および被検体の自由性の制約を改善
することができる。さらに、第2実施形態の医用マイク
ロマシーン装置1-2では、制御用の超音波を被検体外か
ら送信し、被検体内に挿入されるマイクロマシーン部7
0側で前記制御用の超音波を受信して治療制御信号を解
析し、これを基に治療および診断を行うようにしている
ので、被検体外側で治療制御および診断制御を行うこと
ができる。
【0066】尚、本実施形態では、マイクロマシーン部
70に対外から送信される超音波を電力、治療制御信号
に変換する手段設け、電力及び治療制御信号の両方を用
いて診断・治療を行っているが、マイクロマシーン部7
0に超音波を治療制御信号に変換する手段のみを設け、
治療制御信号のみに応じて診断・治療する構成としても
良い。
【0067】この場合、マイクロマシーン部70の電源
部41に予め電力を充電し、この電力で強力超音波の照
射、薬剤投与等の一連の診断・治療動作を行い、そして
治療制御信号に応じて前記診断・治療動作を行う構成に
する。
【0068】また、第1実施形態及び第2実施形態で
は、マイクロマシーン部30,70の先端面に治療用振
動子35,75を設け、マイクロマシーン部30,70
の外周面に超音波振動子31,71を設けているが、本
発明はこれに限定されること無く、例えばマイクロマシ
ーン部30,70の先端面に超音波振動子31,71を
設け、マイクロマシーン部30,70の外周面に治療用
振動子35,75を設けるようにしても良い。
【0069】また、第1実施形態及び第2実施形態で
は、治療用の振動子と、超音波送受信用の振動子をそれ
ぞれ個別に設けているが、治療用の振動子と、超音波送
受信用の振動子を分けずに共用するようにしても良い。
【0070】また、第1実施形態及び第2実施形態で
は、電源用の超音波と制御用の超音波を共用の超音波振
動子51から送信しているが、電源用超音波の送信専用
の超音波振動子と制御用超音波の送信専用の超音波振動
子を個別に設けても良い。
【0071】そして、第1実施形態及び第2実施形態で
は、薬剤投与部37,77に治療を促進させる薬剤を格
納しているが、診断のみまたは診断及び治療の両方に供
する薬剤を薬剤投与部37,77に格納しても良い。
【0072】また、第1実施形態、第2実施形態では、
血管の狭窄の治療を一例にあげているが狭窄以外の腫瘍
などの治療に適用できるのは言うまでもない。そして、
消化器系(例えば大腸)など管腔内に空気が存在する部
位に治療部位がある場合においては、図14(a),
(b)に示すように中に水等を入れたゴム袋(バルー
ン)97の中にマイクロマシーン部30,70を収容し
て用いるのが望ましい。尚、図14(a)はバルーン9
7の中にマイクロマシーン部30,70を収容した場合
の斜視図であり図14(b)この場合の側面図である。
この場合、バルーン97の中に入れた水等によって超音
波を減衰さることなく治療・診断を行うことができ、バ
ルーン97の中の水等を出し入れすることによりマイク
ロマシーン30,70を所望位置に配することができ
る。
【0073】さらに、第1実施形態及び第2実施形態で
は、マイクロマシーン部30,70の位置決め手段とし
て超音波を用いた診断装置を示しているが、位置決め手
段としてX線診断装置、X線CT装置、MRI装置、核
医学装置などを用いても良い。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に係る発明
によれば、体内に配置されたマイクロマシーンによっ
て、対外からの超音波を電力に変換しこの電力を用い
て、治療部位の診断または治療を行うようにしているの
で、治療部位以外の皮膚面や伝搬途中の生体組織への影
響を少なくすることができ、かつ、安全衛生面および被
検体の自由性の制約を改善することができる。
【0075】また、請求項2に係る発明によれば、体内
に配置されたマイクロマシーンによって、体外からの超
音波に対応する治療制御信号に応じて治療部位の診断ま
たは治療を行うようにしているので、治療部位以外の皮
膚面や伝搬途中の生体組織への影響を少なくすることが
でき、かつ、安全衛生面および被検体の自由性の制約を
改善することができる。
【0076】さらに、請求項3に係る発明によれば、体
内に配置されたマイクロマシーンによって、体外からの
超音波を電力及び治療制御信号に変換しこの電力を用い
て治療部位の診断または治療を治療制御信号に応じて行
うようにしているので、治療部位以外の皮膚面や伝搬途
中の生体組織への影響を少なくすることができ、かつ、
安全衛生面および被検体の自由性の制約を改善すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る医用マイクロマシーン装置の第1
実施形態の概略的な構成を示した図である。
【図2】平面型の送信手段を示す断面図(a)と平面図
(b)である。
【図3】疑似平面型の送信手段を示す断面図である。
【図4】多面体型の送信手段の断面図(a)と平面図
(b)である。
【図5】第1実施形態の医用マイクロマシーン装置の送
信手段を示した機能ブロック図である。
【図6】第1実施形態の医用マイクロマシーン装置のマ
イクロマシーン部を示した断面図である。
【図7】薬剤出口に設けられる形状記憶合金から成る蓋
の開閉状態を示す図である。
【図8】第1実施形態の医用マイクロマシーン装置のコ
ントローラを示した機能ブロック図である。
【図9】本発明に係る医用マイクロマシーン装置の第2
実施形態の概略的な構成を示した図である。
【図10】第2実施形態の医用マイクロマシーン装置の
送信手段を示した機能ブロック図である。
【図11】第2実施形態の医用マイクロマシーン装置の
マイクロマシーン部を示した断面図である。
【図12】第2実施形態の医用マイクロマシーン装置の
コントローラを示した機能ブロック図である。
【図13】第2実施形態の医用マイクロマシーン装置の
移動、固定部の一例を示した図である。
【図14】バルーン中にマイクロマシーン部を収容した
場合を示した図である。
【符号の説明】
1-1,1-2 医用マイクロマシーン装置 10,50 送信手段 11,51 超音波振動子 13,53 超音波プローブ 15,55 コンソール 17,57 制御部 19 電源用超音波送信部 30,70 マイクロマシーン部 31,71 超音波振動子 33,73 コントローラ 35,75 治療用振動子 37,77 薬剤投与部 39 変換部 41 電源部 43,85 制御部 45,87 治療用超音波送信部 47,89 薬剤投与制御部 59 制御用超音波送信部 61 情報用超音波送信部 79 診断用超音波プローブ 81 レーザ照射部 83 移動、固定部 91 診断用超音波送受信部 93 レーザ照射制御部 95 移動、固定部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61N 5/06 A61N 5/06 E

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体外に設けられ、該被検体内に向け
    て超音波を送信する送信手段と、 前記被検体内に配置され、前記超音波を受信し電力に変
    換する電源部及び前記電力を用いて治療部位の診断また
    は治療を行う診断・治療部を有するマイクロマシーン
    と、を具備する医用マイクロマシーン装置。
  2. 【請求項2】 被検体外に設けられ、該被検体内に向け
    て超音波を送信する送信手段と、 前記被検体内に配置され、前記超音波を受信し治療制御
    信号に変換する治療制御部及び前記治療制御信号に応じ
    て治療部位の診断または治療を行う診断・治療部を有す
    るマイクロマシーンと、を具備する医用マイクロマシー
    ン装置。
  3. 【請求項3】 被検体外に設けられ、該被検体内に向け
    て超音波を送信する送信手段と、 前記被検体内に配置され、前記超音波を受信し電力に変
    換する電源部、前記送信手段から送信された超音波を治
    療制御信号に変換する治療制御部、及び前記治療制御信
    号に応じた治療部位の診断または治療を前記電力を用い
    て行う診断・治療部を有するマイクロマシーンと、を具
    備する医用マイクロマシーン装置。
  4. 【請求項4】 前記診断・治療部は、前記電力を用いて
    前記治療部位に対し治療用超音波、衝撃波、及びレーザ
    光のうち少なくともいずれかを照射する照射部を有する
    ことを特徴とする請求項1または請求項3記載の医用マ
    イクロマシーン装置。
  5. 【請求項5】 前記診断・治療部は、前記診断及び治療
    のうち少なくとも一方に供する薬剤を収容し、前記治療
    制御信号に応じて該薬剤を投与する薬剤投与部を有する
    ことを特徴とする請求項2または請求項3記載の医用マ
    イクロマシーン装置。
  6. 【請求項6】 前記治療制御部は、前記診断・治療部に
    よる治療用超音波照射、衝撃波照射、レーザ照射、薬剤
    投与のうち少なくともいずれかの一連の治療動作を前記
    治療制御信号によって制御するものであることを特徴と
    する請求項2または請求項3記載の医用マイクロマシー
    ン装置。
  7. 【請求項7】 前記マイクロマシーンは、前記電力を用
    いて、少なくとも前記治療部位を含む領域に対し超音波
    を送受信する送受信部、この送受信部により得れた受信
    信号に基づいて超音波を治療部位情報として対外に送信
    する情報用超音波送信部を有し、 前記送信手段は、前記情報用超音波送信部から送信され
    た治療部位情報としての超音波を受信し、治療部位情報
    を解析する解析部を有することを特徴とする請求項1ま
    たは請求項3記載の医用マイクロマシーン装置。
  8. 【請求項8】 前記送信手段は、前記解析部により解析
    された治療部位情報を表示する治療情報表示手段を有す
    ることを特徴とする請求項7記載の医用マイクロマシー
    ン装置。
  9. 【請求項9】 前記送信手段は、被検体内に超音波を送
    信し該被検体からの反射波を受信する超音波プローブ
    と、この超音波プローブにより受信された反射波に基づ
    いて超音波画像を表示する表示部とを有することを特徴
    とする請求項1乃至請求項3、及び請求項8のいずれか
    1項記載の医用マイクロマシーン装置。
JP8220065A 1996-08-21 1996-08-21 医用マイクロマシーン装置 Pending JPH1057348A (ja)

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