JPH1054203A - 構造要素 - Google Patents

構造要素

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JPH1054203A
JPH1054203A JP13530297A JP13530297A JPH1054203A JP H1054203 A JPH1054203 A JP H1054203A JP 13530297 A JP13530297 A JP 13530297A JP 13530297 A JP13530297 A JP 13530297A JP H1054203 A JPH1054203 A JP H1054203A
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JP
Japan
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ejection
structural element
gas flow
fluid
passage
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Application number
JP13530297A
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English (en)
Inventor
Kazutaka Ikeda
一隆 池田
Akinori Koga
昭紀 古閑
Junji Ishii
潤治 石井
Makoto Kubo
良 久保
Yoshitaka Fukuyama
佳孝 福山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】噴出し流体が下流方向の広い領域に拡散して一
様な流体フィルムを形成でき、表面の一様な冷却や一様
な加熱に寄与できる構造要素を提供する。 【解決手段】ガス流に接触する雰囲気で用いられる構造
要素本体と、この構造要素本体のガス流に接触する表面
にそれぞれの噴出し口を位置させて設けられ、各噴出し
口から表面温度制御用の流体を噴出させて上記表面を流
体フィルムで覆うのに供される複数の流体噴出し用通路
とを備えた構造要素において、前記複数の流体噴出し用
通路は、噴出し中心線31を表面22に沿って通流する
ガス流23の通流方向を基準にして下流側に傾けて設け
られた主噴出し孔25と、噴出し中心線32を上記通流
方向を基準にして上流側に傾けて設けられた副噴出し孔
26との組合せで構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温または低温の
ガス流に接触する雰囲気で用いられる構造要素に係り、
特にガス流に接触する表面に噴出し口を位置させ、この
噴出し口から表面温度制御用の流体を噴出させて表面に
流体フィルムを形成し、この流体フィルムで表面の保護
または表面の凍結防止を図る構成の構造要素に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、ガスタービンではタービ
ン入口のガス温度を高くする程、効率を向上させること
ができる。しかし、タービン入口のガス温度を高くする
には、これに対応させてタービンの第1段目に位置する
静翼や第1段目に位置する動翼の耐熱性を向上させる必
要がある。
【0003】ところで、ガスタービンにおける翼の耐熱
性を向上させる1つの手段として、翼の表面を冷却流体
を使ってフィルム冷却する手法が知られている。図30
から図34には表面をフィルム冷却するようにしたガス
タービンの動翼が示されている。
【0004】この動翼は、翼本体1と、この翼本体1を
図示しないロータに装着するためのベース2とで構成さ
れている。ベース2内および翼本体1内には、図31お
よび図32に示すように、独立した3本の冷却流体通路
3a,3b,3cが形成されており、これら冷却流体通
路の入口は図示しないロータに設けられた冷却流体供給
路に通じている。
【0005】冷却流体通路3a,3b,3cに導かれた
冷却流体は、ベース2内を通り翼本体1内を流れる間に
対流冷却を行う。そして、冷却流体通路3a,3bに案
内された冷却流体は、最終的に前縁壁4,腹側壁5,背
側壁6,端壁7に設けられたフィルム冷却用の噴出し孔
(噴出し用通路)8を通って翼外へと流出する。また、
冷却流体通路3cに案内された冷却流体は、最終的に後
縁壁9に設けられた対流冷却用の孔10を通って翼外へ
と流出する。
【0006】フィルム冷却用の噴出し孔8は、通常、断
面が円形に形成されている。そして、腹側壁5および背
側壁6を貫通して設けられる噴出し孔8は、図33およ
び図34に示すように、これらの壁に沿って通流するガ
ス流11の通流方向に対して噴出し中心線12を下流側
に傾けて設けられている。噴出し孔8から噴出された冷
却流体は、翼本体1の表面に沿って高速で通流する高温
のガス流11に混入し、翼本体1の表面上にフィルム状
に広がって表面を冷却する。
【0007】なお、噴出し孔8の設け方としては、保護
膜領域を拡大したり、一様化したりするために、図35
および図36に示すようにガス流11の流れ方向と直交
する方向に複数列設けたり、図37に示すように上流側
に位置する噴出し孔8を補間するように下流側の噴出し
孔8の位置を違えて設けたりする場合もある。また、噴
出し孔を分岐させたり、図38に示すように噴出し口部
13を徐々に拡口させたり、あるいは図39に示すよう
に噴出し口部13aを段階的に拡口させて噴出し流の拡
散作用を強化することで噴き抜けの低減と熱応力の低減
を図るようにしたものもある。
【0008】さらに、ガス流11の通流方向と直交する
方向の冷却作用を促進させるために図40に示すよう
に、吹出し孔8の噴出し中心線12をガス流11の通流
方向と水平な面内で傾斜させたり、図41に示すよう
に、噴出し孔8cの噴出し口に噴出し中心線12を中心
にして対称的に拡散口部16を設けたものもある。
【0009】しかしながら、上記のように壁に沿って通
流するガス流11の通流方向に対して噴出し中心線12
が下流側に傾くように噴出し孔8を設けてフィルム冷却
を行うようにした翼にあっては次のような問題があっ
た。
【0010】すなわち、噴出し孔8から噴出した冷却流
体には、壁に沿って通流するガス流11の流れを横切る
方向の大きな運動エネルギが与えられている。このた
め、壁面近傍では図42に示すように、噴出し孔8から
噴出した冷却流体14が円柱状に吹抜ける吹抜け現象が
起こる。この結果、壁面近傍では噴出し孔8から噴出し
た冷却流体柱の外面に沿ってガス流11が分流して流
れ、冷却流体柱の下流側においてガス流11の巻込み1
5が生じ、結局、壁面を覆うように流体フィルムが形成
され難く、大きな冷却効果が得られないという問題があ
った。
【0011】一方、図38および図39に示すように、
噴出し口部13(13a)を徐々にあるいは段階的に拡
口させて噴出し流の拡散作用の強化を図ったものにおい
ても、隣り合う噴出し孔の間隔の70% 程度しか流体フィ
ルムを形成することができず、しかも噴出し口部13
(13a)の拡口に伴う噴出し圧力の低下により、噴出
し口部13(13a)の下流域において主流と噴出し流
との混合作用が強くなり、噴出し流領域が明確でなくな
るため、高い冷却効果が得られないという問題があっ
た。
【0012】一方、図40に示すように、噴出し流をで
きるだけ拡散し、作動流体11の通流方向を基準として
水平方向に冷却領域を拡げるため、噴出し方向が主流方
向に対して水平な方向に傾斜するように噴出し孔8を設
けたものでは、噴出し方向が主流方向と水平なために、
主流との混合が強く、噴出し流の拡散が強くなり、下流
方向への噴出し流の持続性が低減する問題があった。ま
た、噴出し孔8から噴出した冷却流体14が円柱状に噴
き抜ける。この結果、壁面近傍では噴出し孔8から噴出
した冷却流体柱の外面に沿って作動流体11が分流して
流れ、冷却流体柱の下流側において作動流体11の巻込
み15が生じる問題もあった。
【0013】さらに、図41に示すように、噴出し方向
が作動流体11の通流方向に対して水平な方向に傾斜す
るように噴出し孔8cを設けるとともに、噴出し口に噴
出し中心線12を中心にして対称的に拡散口部16を設
けたものにあっては、拡散口部16の延びる方向が噴出
し中心線12と同じ方向であるため、主流と噴出し流と
の強い混合によって噴出し流の下流方向への持続距離を
長くすることが困難であった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、ガス流に
接触する表面に噴出し口を位置させ、この噴出し口から
表面温度制御用の流体を噴出させて表面に流体フィルム
を形成し、この流体フィルムで表面の保護などを図る構
成を採用したガスタービンの翼等の従来の構造要素にあ
っては、特にガス流の巻込みにより、流体フィルムの形
成される領域が狭くなり、より広い領域に一様な流体フ
ィルムを形成することが困難であった。また、ガス流の
巻込みを抑制するために、噴出し方向をガス流の通流方
向に対して水平方向に傾斜させる噴出し構造を採用した
ものにあっても、ガス流と噴出し流との強い混合によっ
て噴出し流が下流方向に持続しないという問題があっ
た。
【0015】そこで本発明は、噴出し流体に対するガス
流の巻込みを抑制できるとともに、噴出し流体が下流方
向へ持続して下流側に一様な流体フィルムを形成でき、
表面の一様な冷却や一様な加熱に寄与できる構造要素を
提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明では、ガス流に接触する雰囲気
で用いられる構造要素本体と、この構造要素本体の前記
ガス流に接触する表面にそれぞれの噴出し口を位置させ
て設けられ、上記各噴出し口から流体を噴出させて上記
表面を流体フィルムで覆うための複数の流体噴出し用通
路とを備えた構造要素において、前記複数の流体噴出し
用通路は、第1の噴出し用通路と、これら第1の噴出し
用通路の噴出し口の近傍を通流する前記ガス流に噴出し
流体を作用させて、上記ガス流の通流方向を基準とする
上記噴出し口の下流域における上記ガス流の巻込みを抑
制する第2の噴出し用通路とを含んでいることを特徴と
している。
【0017】なお、請求項1の発明に係る構造要素にあ
って、前記第2の噴出し用通路における噴出し口の面積
は、前記第1の噴出し用通路における噴出し口の面積よ
り小に設定されていてもよい。
【0018】また、前記第1の噴出し用通路の噴出し中
心線が前記表面に沿って通流する前記ガス流の通流方向
を基準にして下流側に傾いており、前記第2の噴出し用
通路の噴出し中心線が上記通流方向を基準にして上流側
に傾いていてもよい。
【0019】また、前記第1の噴出し用通路の噴出し中
心線が前記表面に沿って通流する前記ガス流の通流方向
を基準にして上流側に傾いており、前記第2の噴出し用
通路の噴出し中心線が上記通流方向を基準にして下流側
に傾いていてもよい。
【0020】また、前記第1の噴出し用通路および前記
第2の噴出し用通路の噴出し中心線がそれぞれ前記表面
に沿って通流する前記ガス流の通流方向を基準にして下
流側に傾いていてもよい。
【0021】また、前記第1の噴出し用通路の噴出し中
心線が前記表面に沿って通流する前記ガス流の通流方向
を基準にして下流側に傾いており、前記第2の噴出し用
通路の噴出し中心線が上記ガス流の通流方向に対してほ
ぼ直交していてもよい。
【0022】また、前記第1の噴出し用通路および前記
第2の噴出し通路の少なくとも一方の噴出し通路は、噴
出し中心線が前記表面に沿って通流する前記ガス流の通
流方向を基準にして水平方向に傾いていてもよい。
【0023】さらにまた、前記第1の噴出し用通路およ
び前記第2の噴出し通路は、互いの噴出し中心線が平行
し、かつ上記噴出し中心線が前記表面に沿って通流する
前記ガス流の通流方向を基準にして水平方向に傾いてい
てもよい。
【0024】上記目的を達成するために、請求項9に係
る発明は、ガス流に接触する雰囲気で用いられる構造要
素本体と、この構造要素本体の前記ガス流に接触する表
面にそれぞれの噴出し口を位置させて設けられ、上記各
噴出し口から流体を噴出させて上記表面を流体フィルム
で覆うための複数の流体噴出し用通路とを備えた構造要
素において、前記複数の流体噴出し用通路は、噴出し中
心線が前記表面に沿って通流する前記ガス流の通流方向
を基準にして上流側に傾いていることを特徴としてい
る。
【0025】なお、請求項9の発明に係る構造要素にあ
って、前記流体噴出し用通路は、前記表面より前記構造
要素本体の厚み方向に所定だけ入り込んだ位置から上記
表面に至る通路を構成する壁で前記ガス流の通流方向を
基準にして下流側に位置している部分が下流側に傾斜し
ていてもよい。
【0026】また、前記流体噴出し用通路は、前記表面
より前記構造要素本体の厚み方向に所定だけ入り込んだ
位置から上記表面に至る通路を構成する壁で前記ガス流
の通流方向を基準にして上流側に位置している部分が上
流側に傾斜していてもよい。
【0027】さらに、前記流体噴出し用通路は、前記表
面より前記構造要素本体の厚み方向に所定だけ入り込ん
だ位置から上記表面に至る通路を構成する壁で前記ガス
流の通流方向を基準にして上流側に位置している部分が
上流側に傾斜しており、下流側に位置している部分が下
流側に傾斜していてもよい。
【0028】上記目的を達成するために、請求項13に
係る発明は、ガス流に接触する雰囲気で用いられる構造
要素本体と、この構造要素本体の前記ガス流に接触する
表面にそれぞれの噴出し口を位置させて設けられ、上記
各噴出し口から流体を噴出させて上記表面を流体フィル
ムで覆うための複数の流体噴出し用通路とを備えた構造
要素において、前記複数の流体噴出し用通路は、噴出し
中心線が前記表面に沿って通流する前記ガス流の通流方
向を基準にして下流側に傾いており、前記表面より前記
構造要素本体の厚み方向に所定だけ入り込んだ位置から
上記表面に至る通路を構成する壁で上記ガス流の通流方
向を基準にして上流側に位置している部分が上流側に傾
斜していることを特徴としている。
【0029】上記目的を達成するために、請求項14に
係る発明は、ガス流に接触する雰囲気で用いられる構造
要素本体と、この構造要素本体の前記ガス流に接触する
表面にそれぞれの噴出し口を位置させて設けられ、上記
各噴出し口から流体を噴出させて上記表面を流体フィル
ムで覆うための複数の流体噴出し用通路とを備えた構造
要素において、前記複数の流体噴出し用通路は、噴出し
口の周縁部に噴出し中心線を中心にして非対称な幾何学
的形状をなす拡散口部を備えていることを特徴としてい
る。
【0030】なお、請求項14の発明に係る構造要素に
あって、前記拡散口部の前記表面に沿って通流するガス
流の通流方向を基準にして下流側の端部が、上記ガス流
の通流方向に対して直交していてもよい。また、前記複
数の流体噴出し用通路は、噴出し中心線が前記表面に沿
って通流する前記ガス流の通流方向を基準にして水平方
向に傾いていてもよい。
【0031】また、前記拡散口部は、前記噴出し口の周
縁部で前記表面に沿って通流する前記ガス流の通流方向
を基準にして上流側に位置している側に設けられていて
もよい。
【0032】また、各請求項に記載されている構造要素
本体は、タービンの翼に適用可能である。
【0033】請求項1に係る構造要素では、流体フィル
ムを形成するための流体噴出し用通路を、第1の噴出し
用通路と第2の噴出し用通路との組合せで構成してい
る。
【0034】したがって、たとえば噴出し中心線がガス
流の通流方向を基準にして下流側に傾くように設けられ
た第1の噴出し用通路と噴出し中心線が上記通流方向を
基準にして上流側に傾くように設けられた第2の噴出し
用通路との組合せの場合を例にとると、第2の噴出し用
通路から噴出された噴出し流体が第1の噴出し用通路の
噴出し口近傍を通流するガス流に衝突し、この衝突によ
って第1の噴出し用通路の噴出し口から噴出された噴出
し流体柱の下流側へのガス流の巻込みが抑制される。こ
のため、第1の噴出し用通路の噴出し口から噴出された
噴出し流体柱が下流側へ、いわゆる倒れ易くなり、上記
噴出し口の下流側に流体フィルムを良好に形成させるこ
とができる。また、第2の噴出し用通路から噴出された
噴出し流体のガス流への衝突による混合によって、ガス
流の温度を低下させることができ、この温度の低下した
ガス流を第1の噴出し用通路の噴出し口間に通流させる
ことができるので、第1の噴出し用通路の噴出し口間の
冷却も実現でき、ガス流の通流方向と直交する方向の温
度分布の一様化も図ることができる。
【0035】また、たとえば噴出し中心線がガス流の通
流方向を基準にして上流側に傾くように設けられた第1
の噴出し用通路と噴出し中心線が上記通流方向を基準に
して下流側に傾くように設けられた第2の噴出し用通路
との組合せの場合を例にとると、この場合には第1の噴
出し用通路から噴出された噴出し流体のガス流への衝突
および第2の噴出し用通路から噴出された噴出し流体に
よる通路規制作用によって、第1の噴出し用通路の噴出
し口から噴出された噴出し流体柱の下流側へのガス流の
巻込みが抑制される。そして、第1の噴出し用通路から
噴出された噴出し流体のガス流への衝突・混合によって
ガス流の温度を低下させることができ、この温度の低下
したガス流を第1の噴出し用通路の噴出し口の下流側に
通流させることができるので、結果的に第1の噴出し用
通路の噴出し口の下流側に流体フィルムを良好に形成さ
せることができる。
【0036】さらに、噴出し中心線がそれぞれガス流の
通流方向を基準にして下流側に傾くように第1の噴出し
用通路および第2の噴出し用通路を設けた場合や、噴出
し中心線がガス流の通流方向を基準にして下流側に傾く
ように設けられた第1の噴出し用通路と噴出し中心線が
ガス流の通流方向に対してほぼ直交するように設けられ
た第2の噴出し用通路とを組合せた場合を例にとると、
これらの場合には第1の噴出し用通路の噴出し口近傍を
通流するガス流の通路を第2の噴出し用通路から噴出さ
れた噴出し流体によって遮ることができ、この結果とし
て第1の噴出し用通路の噴出し口から噴出された噴出し
流体柱の下流側へのガス流の巻込みを抑制できる。した
がって、第1の噴出し用通路の噴出し口から噴出された
噴出し流体柱の下流側への倒れ込みを容易化でき、上記
噴出し口の下流側に流体フィルムを良好に形成させるこ
とができる。
【0037】一方、請求項9および13に係る構造要素
では、噴出し流体の少なくとも一部をガス流の通流方向
を基準にして上流側に向けて噴出させている。
【0038】したがって、上流側への噴出し流体とガス
流との衝突によって噴出し用通路の噴出し口から噴出さ
れた噴出し流体柱の下流側へのガス流の巻込みが抑制さ
れる。そして、衝突によって減速した混合流が残りの噴
出し流体を下流側へと押出す。このため、噴出し口の下
流側に流体フィルムを良好に形成させることができる。
【0039】また、請求項14に係る構造要素、たとえ
ば噴出し中心線がガス流の通流方向を基準にして下流側
に傾くように設けられた噴出し口の下流側の噴出し中心
線に対し、下流側の端部がガス流の通流方向に対して直
交する非対称な拡散口部を設けた場合を例にとると、噴
出し用通路から噴出した流体の噴抜けを抑制することが
できるとともに、噴出し流体に対するガス流の巻込みを
低減させることができることができる。また噴出し流体
の下流方向への持続性を向上させることができる。さら
に噴出し流体を水平方向へ一様に拡げることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら発明の
実施形態を説明する。
【0041】図1(a) には本発明の第1の実施形態に係
る構造要素の平面図が示されており、図1(b) には断面
図が示されている。
【0042】これらの図において、21は金属材などで
形成された構造要素本体を示している。この構造要素本
体21は、一方の表面22が図中太矢印で示す方向に流
れる高温ガス流23に接触し、他方の表面24が高温ガ
ス流23には接触しない雰囲気で使用される。
【0043】構造要素本体21には、表面22のフィル
ム冷却を実現する複数の主噴出し孔(第1の噴出し通
路)25と複数の副噴出し孔(第2の噴出し通路)26
とが設けられている。これら主噴出し孔25と副噴出し
孔26とは、それぞれ断面がほぼ円形に形成されてお
り、それぞれの噴出し口27,28を表面22で、高温
ガス流23の流れ方向とはほぼ直交する線上に交互に位
置させ、またそれぞれの流体供給口29,30を表面2
4に位置させている。各主噴出し孔25は噴出し中心線
31が高温ガス流23の通流方向を基準にして下流側に
傾くように設けられており、各副噴出し孔26は噴出し
中心線32が高温ガス流23の通流方向を基準にして上
流側に傾くように設けられている。そして、各主噴出し
孔25の流体供給口29と各副噴出し孔26の流体供給
口30とは図示しない冷却流体供給系に接続される。な
お、主噴出し孔25の断面寸法は副噴出し孔28の断面
寸法に対し大きいことが好ましい。また主噴出し孔25
の下流側方向に対する傾斜角は副噴出し孔26の上流側
方向に対する傾斜角に対し小さいことが好ましい。さら
に、主噴出し孔25の高温ガス流23とはほぼ直交する
方向の配設ピッチは、噴出し口27における短径の3〜
5倍程度が好ましい。
【0044】このような構成であると、各主噴出し孔2
5の噴出し口27から噴出し中心線31に沿って高温ガ
ス流23の通流方向を基準にして下流側に向けて冷却流
体が噴出され、また各副噴出し孔26の噴出し口28か
ら噴出し中心線32に沿って高温ガス流23の通流方向
を基準にして上流側に向けて冷却流体が噴出される。こ
の場合、噴出し口28から噴出される冷却流体は、噴出
し口27の側方を通流しようとする高温ガス流23に衝
突する。この衝突によって噴出し口27から噴出された
冷却流体柱の下流側への高温ガス流23の巻込みが抑制
される。このため、噴出し口27から噴出された冷却流
体柱が下流側へ倒れ易くなり、この結果、噴出し口27
の下流側に冷却流体フィルムを良好に形成させることが
できる。また、噴出し口28から噴出された冷却流体が
高温ガス流23へ衝突することによる混合によって、高
温ガス流23の温度を低下させることができ、この温度
の低下した高温ガス流23を噴出し口27間に通流させ
ることができるので、噴出し口27間の冷却も行うこと
ができ、表面22で高温ガス流23の通流方向とほぼ直
交する方向の温度分布を一様化することができる。
【0045】なお、主噴出し孔25の噴出し口部を拡口
させて噴出し流の拡散作用の強化を図ってもよい。
【0046】図2(a) には本発明の第2の実施形態に係
る構造要素の平面図が示されており、図2(b) には断面
図が示されている。なお、この図では図1と同一機能部
分が同一符号で示されている。したがって、重複する部
分の詳しい説明は省略する。この例に係る構造要素で
は、1つの主噴出し孔25の噴出し口27を挟むように
2つの副噴出し孔26の噴出し口28を位置させてい
る。主噴出し孔25を挟む2つの副噴出し孔26の噴出
し中心線32は、主噴出し孔25から噴出される冷却流
体に対して巻込まれようとする高温ガス流に対向する方
向、すなわち高温ガス流23の通流方向を基準にして噴
出し口27より上流位置で互いに交わるように傾斜して
いる。なお、この例において、主噴出し孔25の断面寸
法は副噴出し孔26の断面寸法に比較して大に設定され
ている。
【0047】このように構成すると、1つの主噴出し孔
25の噴出し口27を挟むように2つの副噴出し孔26
の噴出し口28を配置したことによって、副噴出しの機
能をより強化することができ、噴出し口27から噴出し
た冷却流体の下流域への高温ガス流23の巻込みをより
確実に阻止することができるので、噴出し口27より下
流側に冷却流体フィルムを確実に形成させることがで
き、良好な冷却効果を発揮させることができる。
【0048】このような構成は、たとえば高温ガス流2
3が加速されるような場所への設置に適している。
【0049】なお、この例においても主噴出し孔25の
噴出し口部を拡口させて噴出し流の拡散作用の強化を図
ってもよい。
【0050】図3(a) には本発明の第3の実施形態に係
る構造要素の平面図が示されており、図3(b) には断面
図が示されている。なお、この図においても図1と同一
機能部分が同一符号で示されている。したがって、重複
する部分の詳しい説明は省略する。
【0051】この例に係る構造要素では、主噴出し孔2
5の噴出し口27が配列されている線上より下流位置で
主噴出し孔25の間に噴出し口28が位置するように副
噴出し孔26を設けている。
【0052】このように構成しても、図1の例と同様
に、副噴出し孔26の噴出し口28から噴出される冷却
流体が高温ガス流23と衝突することによって、主噴出
し孔25の噴出し口27から噴出した冷却流体の下流側
への高温ガス流の巻込みを抑制でき、噴出し口27より
下流領域に冷却流体フィルムを形成させることができ
る。また、噴出し口28から噴出された冷却流体の高温
ガス流23への衝突による混合によって、高温ガス流2
3の温度を低下させることができ、この温度の低下した
高温ガス流23を噴出し口27間に通流させることがで
きるので、噴出し口27間の冷却も行うことができる。
【0053】なお、この例においても主噴出し孔25の
噴出し口部を拡口させて噴出し流の拡散作用の強化を図
ってもよい。
【0054】図4(a) には本発明の第4の実施形態に係
る構造要素の平面図が示されており、図4(b) には断面
図が示されている。なお、この図においても図1と同一
機能部分が同一符号で示されている。したがって、重複
する部分の詳しい説明は省略する。
【0055】この例に係る構造要素では、各主噴出し孔
25の噴出し口27を挟むように2つの副噴出し孔26
の噴出し口28を配置している。主噴出し孔25を挟む
2つの副噴出し孔26の噴出し中心線32は、主噴出し
孔25の噴出し中心線31と平行、すなわち高温ガス流
23の通流方向を基準にして下流側に傾斜している。
【0056】このような構成であると、主噴出し孔25
の噴出し口27の両側方を通流しようとする高温ガス流
23の通路を副噴出し孔26の噴出し口28から噴出さ
れた冷却流体によって遮ることができ、この結果として
噴出し口27から噴出された冷却流体柱の下流側への高
温ガス流23の巻込みを抑制することができる。したが
って、噴出し口27から噴出された冷却流体柱の下流側
への倒れ込みを容易化でき、噴出し口27の下流側に冷
却流体フィルムを良好に形成させることができる。
【0057】このような構成は、たとえば高温ガス流2
3が加速しない領域への設置に適している。
【0058】なお、この例においても主噴出し孔25の
噴出し口部を拡口させて噴出し流の拡散作用の強化を図
ってもよい。
【0059】また、図1から図4に示す例では、各主噴
出し孔25については噴出し中心線31が高温ガス流2
3の通流方向を基準にして下流側に傾くように設け、各
副噴出し孔26については噴出し中心線32が高温ガス
流23の通流方向を基準にして上流側または下流側に傾
くように設けている。
【0060】しかし、この組合せに限らず、各主噴出し
孔については噴出し中心線が高温ガス流の通流方向を基
準にして上流側に傾くように設け、各副噴出し孔につい
てもそれに対応して噴出し中心線が高温ガス流の通流方
向を基準にして下流側または上流側に傾くように設けて
もよい。
【0061】この場合には、主噴出し孔の噴出し口から
噴出された冷却流体の高温ガス流への衝突および副噴出
し孔の噴出し口から噴出された冷却流体による障壁作用
によって、主噴出し孔の噴出し口から噴出された冷却流
体柱の下流側への高温ガス流の巻込みが抑制される。そ
して、主噴出し孔の噴出し口から噴出された冷却流体の
高温ガス流への衝突・混合によって高温ガス流の温度を
低下させることができ、この温度の低下したガス流を主
噴出し孔の噴出し口より下流側に通流させることができ
るので、結果的に主噴出し孔の噴出し口より下流側に流
体フィルムを良好に形成させることができる。
【0062】図5(a) には本発明の第5の実施形態に係
る構造要素の平面図が示されており、図5(b) には断面
図が示されている。なお、この図においても図1と同一
機能部分が同一符号で示されている。したがって、重複
する部分の詳しい説明は省略する。
【0063】この例に係る構造要素では、主噴出し孔2
5の噴出し口27間に噴出し口28が位置するように副
噴出し孔26を設け、この副噴出し孔26の噴出し中心
線32を高温ガス流23の流れ方向とはほぼ垂直な面内
で傾斜させている。
【0064】このような構成であると、噴出し口27の
側方を通流しようとする高温ガス流23の通路を副噴出
し孔26の噴出し口28から噴出された冷却流体によっ
て遮ることができ、この結果として噴出し口27から噴
出された冷却流体柱の下流側への高温ガス流23の巻込
みを抑制することができる。したがって、噴出し口27
から噴出された冷却流体柱の下流側への倒れ込みを容易
化でき、噴出し口27の下流側に冷却流体フィルムを良
好に形成させることができる。
【0065】なお、この例においても主噴出し孔25の
噴出し口部を拡口させて噴出し流の拡散作用の強化を図
ってもよい。
【0066】図6(a) には本発明の第6の実施形態に係
る構造要素の平面図が示されており、図6(b) には断面
図が示されている。なお、この図においても図1と同一
機能部分が同一符号で示されている。したがって、重複
する部分の詳しい説明は省略する。
【0067】この例に係る構造要素では、各主噴出し孔
25の噴出し口27を挟むように2つの副噴出し孔26
の噴出し口28を位置させている。そして、主噴出し孔
25を挟む2つの副噴出し孔26の噴出し中心線32
は、それぞれ主噴出し孔25の真上で表面22から所定
だけ離れた位置において互いに交わるように設定されて
いる。
【0068】このように構成しても、噴出し口27の両
側方を通流しようとする高温ガス流23の通路を2つの
噴出し口28から噴出された冷却流体によって遮ること
ができ、この結果として噴出し口27から噴出された冷
却流体柱の下流側への高温ガス流23の巻込みを抑制す
ることができる。したがって、噴出し口27から噴出さ
れた冷却流体柱の下流側への倒れ込みを容易化でき、噴
出し口27の下流側に冷却流体フィルムを良好に形成さ
せることができる。
【0069】このような構成は、たとえば高温ガス流2
3が加速している場所への設置に適している。
【0070】なお、この例においても主噴出し孔25の
噴出し口部を拡口させて噴出し流の拡散作用の強化を図
ってもよい。
【0071】図7(a) には本発明を適用したガスタービ
ンの動翼が示されている。
【0072】この動翼は、図14に示したものと同様
に、翼本体41と、この翼本体41を図示しないロータ
に装着するためのベース42とで構成されている。そし
て、ベース42内および翼本体41内には、複数の冷却
流体通路が形成されており、これら通路の入口は図示し
ないロータに設けられた冷却流体通路に通じている。冷
却流体通路に案内された冷却流体は、ベース42内を通
り翼本体41内を流れる間に対流冷却を行った後、外部
へと流出する。
【0073】この例では、図1に示した本発明の第1の
実施形態を適用し、前縁壁43、腹側壁44および背側
壁45に、主噴出し孔46と副噴出し孔47とを高温ガ
ス流の流れ方向と直交する方向に交互に、かつ一列に配
置している。ここで、主噴出し孔46については噴出し
中心線を高温ガス流の通流方向を基準にして下流側に傾
け、副噴出し孔47については噴出し中心線を高温ガス
流の通流方向を基準にして上流側に傾けている。
【0074】なお、図の噴出し孔の設置において、前縁
においては主噴出し孔46の断面を副噴出し孔47の断
面と等しいか、また大にすることが好ましい。
【0075】このように構成することによって、翼を良
好にフィルム冷却することができる。
【0076】図8には先行技術と上述した例との下流方
向における冷却効率の比較が示されている。図中、X1
は図36に示す噴出し孔構成の場合を、X2 は図37に
示す噴出し孔構成の場合を、X3 は本発明の図2に示す
噴出し孔構成の場合である。この図から判るように、本
発明の適用によって冷却効率を向上させることができ
る。
【0077】図9(a) には本発明の第7の実施形態に係
る構造要素の平面図が示されており、図9(b) には断面
図が示されている。なお、この図では図1と同一機能部
分が同一符号で示されている。したがって、重複する部
分の詳しい説明は省略する。
【0078】この例に係る構造要素では、主噴出し孔2
5の噴出し口27と副噴出し孔26の噴出し口28とを
表面22で、高温ガス流23の流れ方向に対してほぼ直
交する線上に交互に位置させている。各主噴出し孔25
は高温ガス流23の通流方向を基準にして下流側に傾斜
し、かつ水平方向にも傾斜するように設けられている。
また、各副噴出し孔26は高温ガス流23の通流方向を
基準にして上流側に傾斜している。
【0079】なお、主噴出し孔25の孔径と副噴出し孔
26の孔径とは等しくてもよいし、等しくなくてもよ
い。
【0080】このような構成であると、主噴出し孔25
の噴出し口27から高温ガス流23の通流方向を基準に
して水平方向下流側に向けて冷却流体が噴出され、副噴
出し孔26の噴出し口28から高温ガス流23の通流方
向を基準にして上流側に向けて冷却流体が噴出される。
【0081】この場合、噴出し口28から噴出される冷
却流体は、噴出し口27より噴出される冷却流体に対す
る高温ガス流23の巻込みを抑制する。また、噴出し口
28より噴出される冷却流体は、高温ガス流23の通流
方向を基準にして上流側に噴出される。このため、噴出
し口28より噴出された冷却流体と高温ガス流23とが
混合し、高温ガス流23の通流方向を基準にして水平方
向に一様なフィルムを形成することができる。さらに、
噴出し口27から噴出される冷却流体は、高温ガス流2
3の通流方向を基準にして水平方向に噴出される。この
ため、噴出し口27より噴出された冷却流体が水平方向
に一様に広がり、結局、構造要素を良好にフィルム冷却
することができる。
【0082】図10(a) には本発明の第8の実施形態に
係る構造要素の平面図が示されており。図10(b) には
断面図が示されている。なお、この図では図1と同一機
能部分が同一符号で示されている。したがって、重複す
る部分の詳しい説明は省略する。
【0083】この例に係る構造要素では、主噴出し孔2
5の噴出し口27と副噴出し孔26の噴出し口28とを
表面22で、高温ガス流23の通流方向に対してほぼ直
交する線上に交互に位置させている。各主噴出し孔25
は高温ガス流23の通流方向を基準にして下流側に傾斜
し、かつ水平方向にも傾斜するように設けられている。
また、各副噴出し孔26は高温ガス流23の通流方向を
基準にして上流側に傾斜し、かつ水平方向にも傾斜する
ように設けられている。すなわち、この例では、主噴出
し孔25の噴出し中心線31と副噴出し孔26の噴出し
中心線32とが平行するように両孔25,26が設けら
れている。
【0084】なお、主噴出し孔25の孔径と副噴出し孔
26の孔径とは等しくてもよいし、等しくなくてもよ
い。
【0085】このような構成であると、噴出し口28か
ら噴出される冷却流体は、噴出し口27より噴出される
冷却流体に対する高温ガス流23の巻込みを抑制する。
また、噴出し口28より噴出される冷却流体は、高温ガ
ス流23の通流方向を基準にして上流側に噴出される。
このため、噴出し口28より噴出された冷却流体と高温
ガス流23とが混合し、高温ガス流23の通流方向を基
準にして水平方向に一様なフィルムを形成することがで
きる。さらに、噴出し口27から噴出される冷却流体
は、高温ガス流23の通流方向を基準にして水平方向に
噴出される。このため、噴出し口27より噴出された冷
却流体が水平方向に一様に広がり、結局、構造要素を良
好にフィルム冷却することができる。
【0086】図11(a) には本発明の第9の実施形態に
係る構造要素の平面図が示されており。図11(b) には
断面図が示されている。なお、この図では図1と同一機
能部分が同一符号で示されている。したがって、重複す
る部分の詳しい説明は省略する。
【0087】この例に係る構造要素では、主噴出し孔2
5の噴出し口27と副噴出し孔26の噴出し口28とを
表面22で、高温ガス流23の通流方向に対してほぼ直
交する線上に交互に位置させている。各主噴出し孔25
は高温ガス流23の通流方向を基準にして下流側に傾斜
し、かつ水平方向にも傾斜するように設けられている。
また、各副噴出し孔26は高温ガス流23の通流方向を
基準にして上流側に傾斜し、かつ水平方向にも傾斜する
ように設けられている。すなわち、この例では、主噴出
し孔25の噴出し中心線31の傾きと副噴出し孔26の
噴出し中心線32の傾きとが水平方向に互いに逆関係と
なるように両孔25,26が設けられている。
【0088】なお、主噴出し孔25の孔径と副噴出し孔
26の孔径とは等しくてもよいし、等しくなくてもよ
い。
【0089】このような構成であると、噴出し口28か
ら噴出される冷却流体は、噴出し口27より噴出される
冷却流体に対する高温ガス流23の巻込みを抑制する。
また、噴出し口28より噴出される冷却流体は、高温ガ
ス流23の通流方向を基準にして上流側に噴出される。
このため、噴出し口28より噴出された冷却流体と高温
ガス流23とが混合し、高温ガス流23の通流方向を基
準にして水平方向に一様なフィルムを形成することがで
きる。さらに、噴出し口27から噴出される冷却流体
は、高温ガス流23の通流方向を基準にして水平方向に
噴出される。このため、噴出し口27より噴出された冷
却流体が水平方向に一様に広がり、結局、構造要素を良
好にフィルム冷却することができる。
【0090】図12(a) には本発明の第10の実施形態
に係る構造要素の平面図が示されており、図12(b) に
は断面図が示されている。なお、この図においても図1
と同一機能部分が同一符号で示されている。したがっ
て、重複する部分の詳しい説明は省略する。
【0091】この例に係る構造要素では、主噴出し孔と
副噴出し孔という概念はなく、フィルム冷却を実現する
ための1種類の噴出し孔(噴出し通路)51を複数設け
ている。
【0092】各噴出し孔51は、噴出し口52を表面2
2に位置させ、流体供給口53を表面24に位置させて
いる。これら噴出し孔51は噴出し中心線54を高温ガ
ス流23の通流方向を基準にして上流側に傾斜させて設
けられている。なお、噴出し孔51の噴出し口52の形
状は円形でも矩形でも特に形状は限定されない。また、
傾斜角は噴出し孔51が設置される高温ガス流23の条
件および表面22の曲率に合せて設定される。
【0093】このような構成であると、噴出し口52か
ら上流側へ向けて噴出された冷却流体の高温ガス流23
との衝突によって、噴出し口52から噴出された冷却流
体の下流側への高温ガス流23の巻込みが抑制される。
そして、衝突によって減速した混合流が残りの冷却流体
を下流側へと緩やかに押し流す。このため、噴出し口5
2の下流側に冷却流体フィルムを良好に形成させること
ができる。
【0094】図13(a) には本発明の第11の実施形態
に係る構造要素の平面図が示されており、図13(b) に
は断面図が示されている。なお、この図においては図1
2と同一機能部分が同一符号で示されている。したがっ
て、重複する部分の詳しい説明は省略する。
【0095】この例に係る構造要素では、各噴出し孔5
1aの噴出し口部55で、噴出し口52aの位置(表面
22の位置)より構造要素本体21gの厚み方向に所定
だけ入り込んだ位置から表面22に至る通路を構成する
壁で高温ガス流23の通流方向を基準にして下流側に位
置している部分56を下流側に傾斜させている。
【0096】この例では上記構成によって実線矢印54
に沿って上流側に噴出される冷却流体の流量が実線矢印
57に沿って下流側へ噴出される冷却流体の流量より大
きくなるようにしている。特に、よどみ圧力領域下流等
のように高温ガス流の運動量が大きな領域においては、
下流側への噴出し流量が上流側への噴出し流量に比較し
て小さいことが好ましいこのように構成しても、図12
の例と同様の効果を発揮させることができる。
【0097】このような構成は、たとえば高温ガス流2
3が加速する領域への設置に適している。
【0098】図14(a) には本発明の第12の実施形態
に係る構造要素の平面図が示されており、図14(b) に
は断面図が示されている。なお、この図においては図1
3と同一機能部分が同一符号で示されている。したがっ
て、重複する部分の詳しい説明は省略する。
【0099】この例に係る構造要素では、図13に示し
た構成に加えて、各噴出し孔51bの噴出し口部55a
で、噴出し口52bの位置(表面22の位置)より構造
要素本体21hの厚み方向に所定だけ入り込んだ位置か
ら表面22に至る通路を構成する壁で高温ガス流23の
通流方向を基準にして上流側に位置している部分58を
上流側に傾斜させている。
【0100】このような構成であると、図13に示した
構造要素と同様の効果が得られることは勿論のこと、図
中実線59で示す方向へも冷却流体が噴出されるので、
上流側への噴出し流量をさらに増加させることができ
る。したがって、高温ガス流23の運動量が大きな領域
において高温ガス流23と噴出し流体との混合作用を強
化することができる。
【0101】なお、噴出し孔が設置される位置における
高温ガス流23の状態および表面22の曲率によって噴
出し孔51bにおける噴出し口部55aにおける部分5
6,58の傾斜角が決定される。
【0102】図15(a) には本発明の第13の実施形態
に係る構造要素の平面図が示されており、図15(b) に
は断面図が示されている。なお、この図においては図1
2と同一機能部分が同一符号で示されている。したがっ
て、重複する部分の詳しい説明は省略する。
【0103】この例に係る構造要素では、各噴出し孔5
1cの全体を高温ガス流23の通流方向を基準にして下
流側に傾斜させるとともに、噴出し口部55bで、噴出
し口52cの位置(表面22の位置)より構造要素本体
21iの厚み方向に所定だけ入り込んだ位置から表面2
2に至る通路を構成する壁で高温ガス23の通流方向を
基準にして上流側に位置している部分60を上流側に傾
斜させている。
【0104】このような構成であると、冷却流体の一部
61を上流側に向けて噴出すことができるので、図12
に示した構造要素と同様の効果が期待できるとともに、
噴出し孔51cの全体を高温ガス流23の通流方向を基
準にして下流側に傾斜させているので、噴出し口52c
の下流における冷却流体の壁面付着力の強化を図ること
ができ、広い領域に亘って冷却流体フィルムを形成する
ことである。
【0105】なお、噴出し孔が設置される位置における
高温ガス流の状態および表面22の曲率によって噴出し
孔の各傾斜角が設定される。
【0106】図16にはガスタービンの動翼における前
縁部に図15に示した噴出し孔構成を採用してフイルム
冷却を行った例が示されている。
【0107】図12から図15に示す噴出し孔構成を採
用した場合においても従来例と比較して図8に示した結
果と同様の結果が得られることが確認されている。
【0108】図12から図15に示される例を纏めると
次のようにいえる。
【0109】すなわち、噴出される冷却流体の少なくと
も一部を上流側に向けて噴出すようにしているので、噴
出し口の上流で高温ガス流と噴出した冷却流体とを混合
して高温ガス流の温度を低下させるとともに、高温ガス
流の運動量を低下させることで噴出し口下流における高
温ガス流の巻込みを抑制することができ、下流領域に一
様な冷却流体フィルムを形成することができる。また、
噴出し口部における下流側側壁を高温ガス流の通流方向
を基準にして下流側に傾斜させることで、噴出し口から
噴出された冷却流体の拡散を促進させるとともに、噴出
し口の下流側において構造要素本体の表面に沿う冷却流
体の流れを強化することで下流領域への一様な冷却流体
フィルムを形成することができる。また、この下流方向
の傾斜角を設置位置により変更することで、噴出し流の
上流方向と下流方向への流量比を適切に設定することが
できるとともに下流方向への噴出し流の噴抜けを抑制す
ることができ、噴出し口より下流側に一様な冷却流体フ
ィルムを形成することができる。
【0110】図17(a) には本発明の第14の実施形態
に係る構造要素の平面図が示されており、図17(b) に
は断面図が示されている。なお、この図においては図1
5と同一機能部分が同一符号で示されている。したがっ
て、重複する部分の詳しい説明は省略する。
【0111】この例に係る構造要素では、各噴出し孔5
1dを高温ガス流23の通流方向を基準にして下流側に
傾斜させて設けるとともに噴出し口52dの周縁部で高
温ガス流の通流方向を基準にして下流側に位置する部分
に噴出し中心線54を中心にして非対称な幾何学的形状
を有する拡散口部63を設けている。この例の場合、拡
散口部63は、下流側の端部がガス流の通流方向に対し
て直交するように形成されている。なお、拡散口部63
は厚い部分が噴出し孔51dの中心側に位置するように
部材を例えば楔状に削り取って形成されたもので、その
形状は高温ガス流23の通流方向に対して水平な方向に
傾斜するとともに高温ガス流23の通流方向と鉛直な方
向にも傾斜していることが望ましい。
【0112】このような構成であると、噴出し口52d
から噴出し中心線54に沿い、かつ高温ガス流23の通
流方向を基準にして下流側に向けて冷却流体が噴出され
るとともに、冷却流体の一部が拡散口部63に沿って高
温ガス流23の通流方向を基準にして水平方向に噴出さ
れる。
【0113】この場合、噴出し口52dおよび拡散口部
63から噴出される冷却流体は、高温ガス流23の通流
方向を基準として鉛直方向に噴抜ける性質が低下し、高
温ガス流23の通流方向を基準にして水平方向に噴出
す。
【0114】このため、高温ガス流23の巻込みを抑制
することができる。また、噴出した冷却流体が高温ガス
流23の通流方向を基準にして水平方向に拡散するの
で、表面22の温度分布を高温ガス流23の通流方向に
一様化することができる。
【0115】なお、図18,図19,図23,図24,
図25に示すように、各噴出し孔51e,51f,51
j,51k,51lの噴出し中心線54を高温ガス流2
3の通流方向を基準にして下流側で、かつ水平方向に傾
斜させるとともに噴出し口52e,52f,52j,5
2k,52lの周縁部で噴出し中心線54を中心にして
非対称な関係(特に高温ガス流23の通流方向を基準に
して上流側位置)に噴出し流を拡散するための拡散口部
63a,63b,63f,63g,63hを設けても先
の例と同様の効果を発揮させることができる。この場
合、拡散口部63a,63b,63f,63g,63h
は、下流側の端部が高温ガス流23の通流方向に対して
直交していればより良い。
【0116】さらに、図20に示すように、各噴出し孔
51gの噴出し中心線54を高温ガス流23の通流方向
を基準にして上流側に傾斜させるとともに噴出し口52
gの周縁部で特に高温ガス流23の通流方向を基準にし
て上流側位置に噴出し中心線54を中心にして非対称な
関係に噴出し流を拡散するための拡散口部63cを設け
ても先の例と同様の効果を発揮させることができる。こ
の場合も、拡散口部63cは、下流側の端部が高温ガス
流23の通流方向に対して直交していればより良い。
【0117】さらにまた、図21,図22,図26,図
27,図28に示すように、各噴出し孔51h,51
i,51m,51n,51oの噴出し中心線54を高温
ガス流23の通流方向を基準にして上流側で、かつ水平
方向に傾斜させるとともに噴出し口52h,52i,5
2m,52n,52oの周縁部(特に高温ガス流23の
通流方向を基準にして上流側位置)に噴出し中心線54
を中心にして非対称な関係に噴出し流を拡散するための
拡散口部63d,63e,63i,63j,63kを設
けても先の例と同様の効果を発揮させることができる。
この場合も、拡散口部63d,63e,63i,63
j,63kは、下流側の端部が高温ガス流23の通流方
向に対して直交していればより良い。
【0118】図29にはガスタービンの動翼における前
縁部壁および腹側壁に図17に示した噴出し孔構成を採
用してフイルム冷却を行った例が示されている。
【0119】図17から図28に示す噴出し孔構成を採
用した場合においても従来例と比較して図8に示した結
果と同様の結果が得られることが確認されている。
【0120】なお、上述した各例は、ガス流が高温ガス
流である場合を対象にしているが、低温ガス流を対象に
し、噴出し口から高温流体を噴出させて表面への凍結を
防止する場合においても本発明を適用できる。また、高
温ガス流を対象としたものでもガスタービンの翼に限ら
ず、燃焼機の壁材等にも適用できる。
【0121】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ガス流に接触する表面に噴出し口を設け、この噴出し口
から表面温度制御用の流体を噴出させて表面に流体フィ
ルムを形成し、この流体フィルムで表面の保護または表
面の凍結防止を図る構成の構造要素にあって、広い範囲
に亘って効率よく流体フィルムを形成させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は本発明の第1の実施形態に係る構造要素
の局部的平面図で、(b) は(a)におけるA−A線切断矢
視図
【図2】(a) は本発明の第2の実施形態に係る構造要素
の局部的平面図で、(b) は(a)におけるB−B線切断矢
視図
【図3】(a) は本発明の第3の実施形態に係る構造要素
の局部的平面図で、(b) は(a)におけるC−C線切断矢
視図
【図4】(a) は本発明の第4の実施形態に係る構造要素
の局部的平面図で、(b) は(a)におけるM−M線切断矢
視図
【図5】(a) は本発明の第5の実施形態に係る構造要素
の局部的平面図で、(b) は(a)におけるD−D線切断矢
視図
【図6】(a) は本発明の第6の実施形態に係る構造要素
の局部的平面図で、(b) は(a)におけるE−E線切断矢
視図
【図7】(a) は本発明を適用したガスタービンの動翼を
示す斜視図で、(b) は同動翼に設けられて噴出し孔の構
成例を示す図
【図8】本発明に係る構造要素の冷却効率と従来例の冷
却効率とを比較して示す図
【図9】(a) は本発明の第7の実施形態に係る構造要素
の局部的平面図で、(b) は(a)におけるAA−AA線切
断矢視図
【図10】(a) は本発明の第8の実施形態に係る構造要
素の局部的平面図で、(b) は(a)におけるBB−BB線
切断矢視図
【図11】(a) は本発明の第9の実施形態に係る構造要
素の局部的平面図で、(b) は(a)におけるCC−CC線
切断矢視図
【図12】(a) は本発明の第10の実施形態に係る構造
要素の局部的平面図で、(b) は(a) におけるF−F線切
断矢視図
【図13】(a) は本発明の第11の実施形態に係る構造
要素の局部的平面図で、(b) は(a) におけるG−G線切
断矢視図
【図14】(a) は本発明の第12の実施形態に係る構造
要素の局部的平面図で、(b) は(a) におけるH−H線切
断矢視図
【図15】(a) は本発明の第13の実施形態に係る構造
要素の局部的平面図で、(b) は(a) におけるI−I線切
断矢視図
【図16】本発明を適用したガスタービンの動翼を示す
斜視図
【図17】(a) は本発明の第14の実施形態に係る構造
要素の局部的平面図で、(b) は(a) におけるDD−DD
線切断矢視図
【図18】(a) は本発明の第15の実施形態に係る構造
要素の局部的平面図で、(b) は(a) におけるEEーEE
線切断矢視図
【図19】(a) は本発明の第16の実施形態に係る構造
要素の局部的平面図で、(b) は(a) におけるFF−FF
線切断矢視図
【図20】(a) は本発明の第17の実施形態に係る構造
要素の局部的平面図で、(b) は(a) におけるGG−GG
線切断矢視図
【図21】(a) は本発明の第18の実施形態に係る構造
要素の局部的平面図で、(b) は(a) におけるHH−HH
線切断矢視図
【図22】(a) は本発明の第19の実施形態に係る構造
要素の局部的平面図で、(b) は(a) におけるIIーII
線切断矢視図
【図23】(a) は本発明の第20の実施形態に係る構造
要素の局部的平面図で、(b) は(a) におけるJJ−JJ
線切断矢視図
【図24】(a) は本発明の第21の実施形態に係る構造
要素の局部的平面図で、(b) は(a) におけるKK−KK
線切断矢視図
【図25】(a) は本発明の第22の実施形態に係る構造
要素の局部的平面図で、(b) は(a) におけるLL−LL
線切断矢視図
【図26】(a) は本発明の第23の実施形態に係る構造
要素の局部的平面図で、(b) は(a) におけるMM−MM
線切断矢視図
【図27】(a) は本発明の第24の実施形態に係る構造
要素の局部的平面図で、(b) は(a) におけるNNーNN
線切断矢視図
【図28】(a) は本発明の第25の実施形態に係る構造
要素の局部的平面図で、(b) は(a) におけるOO−OO
線切断矢視図
【図29】本発明を適用したガスタービンの動翼を示す
斜視図
【図30】従来のガスタービンの動翼を示す斜視図
【図31】図30におけるK−K線切断矢視図
【図32】図30におけるJ−J線切断矢視図
【図33】同ガスタービンの翼に設けられたフィルム冷
却用噴出し孔の構成例を説明するための図
【図34】図33におけるL−L線切断矢視図
【図35】ガスタービンの翼に設けられるフィルム冷却
用噴出し孔の別の構成例を説明するための図
【図36】ガスタービンの翼に設けられるフィルム冷却
用噴出し孔のさらに別の構成例を説明するための図
【図37】ガスタービンの翼に設けられるフィルム冷却
用噴出し孔のさらに別の構成例を説明するための図
【図38】(a) はガスタービンの翼に設けられるフィル
ム冷却用噴出し孔の異なる構成例を説明するための平面
図で、(b) は(a) におけるN−N線切断矢視図
【図39】ガスタービンの翼に設けられるフィルム冷却
用噴出し孔の異なる構成例の断面図
【図40】(a) はガスタービンの翼に設けられるフィル
ム冷却用噴出し孔のさらに異なる構成例を説明するため
の平面図で、(b) は(a) におけるP−P線切断矢視図
【図41】(a) はガスタービンの翼に設けられるフィル
ム冷却用噴出し孔の別の例の構成例を説明するための平
面図で、(b) は(a) におけるQ−Q線切断矢視図
【図42】従来のフィルム冷却用噴出し孔の問題点を説
明するための図
【符号の説明】
21,21a〜21y…構造要素本体 22…一方の表面 23…高温ガス流 24…他方の表面 25,46…主噴出し孔(第1の噴出し通路) 26,47…副噴出し孔(第2の噴出し通路) 27,28,52,52a〜52o…噴出し口 29,30,53…流体供給口 31,32,54…噴出し中心線 55,55a,55b…噴出し口部 56,58,60…通路壁を構成する部分 63,63a〜63k…拡散口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 良 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 福山 佳孝 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガス流に接触する雰囲気で用いられる構造
    要素本体と、この構造要素本体の前記ガス流に接触する
    表面にそれぞれの噴出し口を位置させて設けられ、上記
    各噴出し口から流体を噴出させて上記表面を流体フィル
    ムで覆うための複数の流体噴出し用通路とを備えた構造
    要素において、 前記複数の流体噴出し用通路は、第1の噴出し用通路
    と、これら第1の噴出し用通路の噴出し口の近傍を通流
    する前記ガス流に噴出し流体を作用させて上記ガス流の
    通流方向を基準とする上記噴出し口の下流域における上
    記ガス流の巻込みを抑制する第2の噴出し用通路とを含
    んでいることを特徴とする構造要素。
  2. 【請求項2】前記第2の噴出し用通路における噴出し口
    の面積は、前記第1の噴出し用通路におけるの噴出し口
    の面積より小に設定されていることを特徴とする請求項
    1に記載の構造要素。
  3. 【請求項3】前記第1の噴出し用通路は噴出し中心線が
    前記表面に沿って通流する前記ガス流の通流方向を基準
    にして下流側に傾いており、前記第2の噴出し用通路は
    噴出し中心線が上記通流方向を基準にして上流側に傾い
    ていることを特徴とする請求項1に記載の構造要素。
  4. 【請求項4】前記第1の噴出し用通路は噴出し中心線が
    前記表面に沿って通流する前記ガス流の通流方向を基準
    にして上流側に傾いており、前記第2の噴出し用通路は
    噴出し中心線が上記通流方向を基準にして下流側に傾い
    ていることを特徴とする請求項1に記載の構造要素。
  5. 【請求項5】前記第1の噴出し用通路および前記第2の
    噴出し用通路は、噴出し中心線がそれぞれ前記表面に沿
    って通流する前記ガス流の通流方向を基準にして下流側
    に傾いていることを特徴とする請求項1に記載の構造要
    素。
  6. 【請求項6】前記第1の噴出し用通路は噴出し中心線が
    前記表面に沿って通流する前記ガス流の通流方向を基準
    にして下流側に傾いており、前記第2の噴出し用通路は
    噴出し中心線が上記ガス流の通流方向に対してほぼ直交
    していることを特徴とする請求項1に記載の構造要素。
  7. 【請求項7】前記第1の噴出し用通路および前記第2の
    噴出し通路の少なくとも一方の噴出し通路は、噴出し中
    心線が前記表面に沿って通流する前記ガス流の通流方向
    を基準にして水平方向にも傾いていることを特徴とする
    請求項1に記載の構造要素。
  8. 【請求項8】前記第1の噴出し用通路および前記第2の
    噴出し通路は、互いの噴出し中心線が平行し、かつ上記
    噴出し中心線が前記表面に沿って通流する前記ガス流の
    通流方向を基準にして水平方向に傾いていることを特徴
    とする請求項1に記載の構造要素。
  9. 【請求項9】ガス流に接触する雰囲気で用いられる構造
    要素本体と、この構造要素本体の前記ガス流に接触する
    表面にそれぞれの噴出し口を位置させて設けられ、上記
    各噴出し口から流体を噴出させて上記表面を流体フィル
    ムで覆うための複数の流体噴出し用通路とを備えた構造
    要素において、 前記複数の流体噴出し用通路は、噴出し中心線が前記表
    面に沿って通流する前記ガス流の通流方向を基準にして
    上流側に傾いていることを特徴とする構造要素。
  10. 【請求項10】前記流体噴出し用通路は、前記表面より
    前記構造要素本体の厚み方向に所定だけ入り込んだ位置
    から上記表面に至る通路を構成する壁で前記ガス流の通
    流方向を基準にして下流側に位置している部分が下流側
    に傾斜していることを特徴とする請求項9に記載の構造
    要素。
  11. 【請求項11】前記流体噴出し用通路は、前記表面より
    前記構造要素本体の厚み方向に所定だけ入り込んだ位置
    から上記表面に至る通路を構成する壁で前記ガス流の通
    流方向を基準にして上流側に位置している部分が上流側
    に傾斜していることを特徴とする請求項9に記載の構造
    要素。
  12. 【請求項12】前記流体噴出し用通路は、前記表面より
    前記構造要素本体の厚み方向に所定だけ入り込んだ位置
    から上記表面に至る通路を構成する壁で前記ガス流の通
    流方向を基準にして上流側に位置している部分が上流側
    に傾斜しており、下流側に位置している部分が下流側に
    傾斜していることを特徴とする請求項9に記載の構造要
    素。
  13. 【請求項13】ガス流に接触する雰囲気で用いられる構
    造要素本体と、この構造要素本体の前記ガス流に接触す
    る表面にそれぞれの噴出し口を位置させて設けられ、上
    記各噴出し口から流体を噴出させて上記表面を流体フィ
    ルムで覆うための複数の流体噴出し用通路とを備えた構
    造要素において、 前記複数の流体噴出し用通路は、噴出し中心線が前記表
    面に沿って通流するガス流の通流方向を基準にして下流
    側に傾いており、前記表面より前記構造要素本体の厚み
    方向に所定だけ入り込んだ位置から上記表面に至る通路
    を構成する壁で上記ガス流の通流方向を基準にして上流
    側に位置している部分が上流側に傾斜していることを特
    徴とする構造要素。
  14. 【請求項14】ガス流に接触する雰囲気で用いられる構
    造要素本体と、この構造要素本体の前記ガス流に接触す
    る表面にそれぞれの噴出し口を位置させて設けられ、上
    記各噴出し口から流体を噴出させて上記表面を流体フィ
    ルムで覆うための複数の流体噴出し用通路とを備えた構
    造要素において、 前記複数の流体噴出し用通路は、噴出し口の周縁部に噴
    出し中心線を中心にして非対称な幾何学的形状をなす拡
    散口部を備えていることを特徴とする構造要素。
  15. 【請求項15】前記拡散口部の、前記表面に沿って通流
    するガス流の通流方向を基準にして下流側の端部が、上
    記ガス流の通流方向に対して直交していることを特徴と
    する請求項14に記載の構造要素。
  16. 【請求項16】前記複数の流体噴出し用通路は、噴出し
    中心線が前記表面に沿って通流する前記ガス流の通流方
    向を基準にして水平方向に傾いていることを特徴とする
    請求項14に記載の構造要素。
  17. 【請求項17】前記拡散口部は、前記噴出し口の周縁部
    で前記表面に沿って通流する前記ガス流の通流方向を基
    準にして上流側に位置している側に設けられていること
    を特徴とする請求項14、15,16のいずれか1項に
    記載の構造要素。
  18. 【請求項18】前記構造要素本体は、ガスタービンの翼
    であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1
    項に記載の構造要素。
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