JPH105363A - 厨房用自動消火設備の起動方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】厨房用として複数の消火装置を備えたものにお
いて、各消火装置起動用加圧ガス容器を開封させるため
の別の起爆装置つき加圧ガス容器を設けて、構造の簡素
化のみならず、各消火装置からの、より一層強力な消火
薬剤噴射を可能にする。 【構成】火災発生の信号をうけて起動し、厨房内に向け
て設置された複数の消火剤噴射ノズルに消火薬剤を圧送
するための複数の消火装置のそれぞれの加圧ガス容器を
開封させる場合において、各加圧ガス容器を開封させる
ための専用の起爆装置付き加圧ガス容器を別途設置し、
これを起動させることにより複数の消火装置のそれぞれ
の加圧ガス容器を開封させるようにした。 これにより
構造の簡素化とコストの低減化をはかるばかりでなく、
消火装置の開封手段としても、また開封された消火装置
の消火薬剤圧送手段としても、それぞれ十分な圧力を確
保して、より一層即応性の高い厨房用自動消火設備とす
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、主として厨房のレ
ンジや天麩羅用のフライヤー、あるいはフード、ダクト
等の箇所において発生した一連の火災を、複数台の消火
設備にて同時的に消火するための連動型の自動消火設備
に関し、構造の簡素化とコストの低減化をはかるととも
に、作動の確実化を確保することを目的とする。

【０００２】

【従来の技術】従来公知の厨房用の自動消火装置につい
て説明すると、特に図示はしないが、厨房内には一般的
に、揚げ物をするためのフライヤーや調理用鍋が置かれ
たレンジ台の上方にフードおよびダクトが設けられてお
り、さらにフード内には上記した調理用鍋およびフライ
ヤーに向けられた消火薬剤噴射用のノズルや、フード内
全体に向けられたノズルが、それぞれ取り付けられ、さ
らにダクト内にもノズルが取り付けられており、それら
の各ノズルはパイプを介してそれぞれの消火装置に接続
されているとともに、ダクトの入り口部分には単数また
は複数の火災感知器が設置されている。

【０００３】そして上記した各ノズルに対しては、その
それぞれに対応する消火装置が連結パイプを介して接続
され、厨房内に設置した火災感知器による火災発生信号
を受けて、そのそれぞれの消火装置に設けられた封板を
破るための起爆装置を作動させるようにした構造のもの
が多い。 しかしその場合には、複数設置した消火装置
のすべてについて、そのそれぞれに起爆装置を備え、し
かもそれらの全ての消火装置に起動信号を送るための制
御装置が必要となるところから、消火装置全体としての
構造が複雑となり、しかもコスト高となるので最近では
火災発生の信号をうけて起動し、厨房内に向けて設置さ
れた複数の消火剤噴射ノズルに消火薬剤を圧送するため
の複数の消火装置のそれぞれを起動させる場合におい
て、１つの消火装置に設備された起爆開封手段により開
封噴出したガス圧を、他の消火装置の開封手段として利
用するようにしたことを特徴とする厨房用自動消火設備
の起動方法およびその装置が、本発明者らにより開発さ
れ、すでに特願平７−１８３２３９号として特許出願が
なされている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この方法による場合に
は、設備の構造が簡素化され、しかも設備の低コスト化
を実現でき、所期の目的を達成することができる。 し
かしこの場合には、１つの消火装置に設備された起爆開
封手段により開封噴出したガス圧を、その消火装置の消
火薬剤押し出しのための圧力源として用いるばかりでな
く、他の消火装置の開封手段としても利用するものであ
るために、多くの消火装置を起動させる場合や、遠距離
の消火装置を起動させる場合においては、必然的にガス
圧が低下し、起動に必要な瞬間的な高圧力を期待するこ
とは難しい。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そこで本発明にあって
は、上記した従来技術における種々の課題を解決し、複
数の消火装置を備えた厨房用自動消火設備の構造の簡素
化とコストの低減化をはかるばかりでなく、消火装置の
開封手段としても、また開封された消火装置の消火薬剤
圧送手段としても、それぞれ十分な圧力を確保して、よ
り一層即応性の高い厨房用自動消火設備とすることを可
能にするものであって、具体的には火災発生の信号をう
けて起動し、厨房内に向けて設置された複数の消火剤噴
射ノズルに消火薬剤を圧送するための複数の消火装置の
それぞれの加圧ガス容器を開封させる場合において、各
加圧ガス容器を開封させるための専用の起爆装置付き加
圧ガス容器を別途設置し、これを起動させることにより
複数の消火装置のそれぞれの加圧ガス容器を開封させる
ようにしたことを特徴とする厨房用自動消火設備の起動
方法に関する。

【０００６】また本発明は、火災発生の信号をうけて起
動し、厨房内に向けて設置された複数の消火剤噴射ノズ
ルに消火薬剤を圧送するための複数の消火装置と、それ
ぞれの消火装置に対応させて加圧ガスを圧送するための
複数の加圧ガス容器と、火災発生の信号をうけて起動
し、上記した各加圧ガス容器を開封させるための専用の
起爆装置付き加圧ガス容器とからなる厨房用自動消火設
備にも関する。

【０００７】厨房内に設置された火災感知器が火災発生
を感知すると、別途設置した加圧ガス容器を開封させる
ための専用の起爆装置付き加圧ガス容器の起爆装置に電
気的信号を送り、これを起爆させる。 この加圧ガス容
器が開封されると、内部圧力ガスが噴出し、その発生ガ
ス圧がパイプを介して１つまたは２つの消火装置の起動
用加圧ガス容器を開封して高圧ガスを噴出させると、該
ガスが当該消火装置を起動させて消火薬剤を放出させる
とともに、そのガス圧の一部を別の消火装置の起動部に
導き、そのガス圧により加圧ガス容器を開封させて高圧
ガスを噴出させ、これに対応する消火装置内の消火薬剤
を噴出させる。 同様にしてこの噴出ガスの一部をさら
に別の消火装置の起動部に導き、これをそのガス圧によ
り加圧ガス容器を開封させて高圧ガスを噴出させ、これ
によって対応する消火装置内の消火薬剤を噴出させる。
なお消火装置の数がさらに多い場合には、同様の作用
によって順次消火薬剤を噴出させる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下において、本発明の具体的な
内容を図１〜３にあらわした一実施例に基づいて説明す
ると、１は第１消火装置、６は第２消火装置、１９は第
３消火装置、２０は第４消火装置、２４は第５消火装
置、２９は第６消火装置、３は第１消火装置起動用の加
圧ガス容器、８は第２消火装置起動用の加圧ガス容器、
１３は第３消火装置起動用の加圧ガス容器、２２は第４
消火装置起動用の加圧ガス容器、２７は第５消火装置起
動用の加圧ガス容器、３２は第６消火装置起動用の加圧
ガス容器、３７は加圧ガス容器を開封させるための専用
の起爆装置付き加圧ガス容器、３６は制御部、３５は火
災感知器をあらわす。

【０００９】第１消火装置１から第３消火装置１９は、
厨房から離れた位置に設けられた消火装置収納ボックス
４３内に収納されるとともに、第４消火装置２０から第
６消火装置２９は別の消火装置収納ボックス４４内に収
納されている。 第１〜第６消火装置１・６・１９・２
０・２４・２９には消火薬剤が充填されており、これら
はパイプ２・７・１８・２１・２５・３０を介してそれ
ぞれ厨房内における調理台上方のフードやダクト内に設
置した消火剤噴射ノズル（図示省略）に接続される。

【００１０】消火装置起動用の各加圧ガス容器３・８・
１３・は消火装置収納ボックス４３内に、また加圧ガス
容器２２・２７・３２は消火装置収納ボックス４４内に
設けられ、その各々にはヘッド４・９・１４・２３・２
８・３３を有するとともに、該ヘッド内には炭酸ガス等
の加圧ガスを圧入させ、しかもその開口部を閉塞してい
る封板ａを破封するためのシリンダーｂを内蔵した起動
部４５を有する。 ヘッド４と９との間には連結パイプ
１２が、またヘッド９と１４との間には連結パイプ１５
が、さらにヘッド２３と２８との間には連結パイプ４６
が、ヘッド２８と３３との間には連結パイプ４７が、そ
れぞれ介在されて連通されている。

【００１１】消火装置収納ボックス４３内においては、
消火装置起動用の加圧ガス容器３・８・１３・はパイプ
５・１０・１６を介して第１消火装置１、第２消火装置
６、第３消火装置１９に接続され、また消火装置収納ボ
ックス４４内においては、消火装置起動用の加圧ガス容
器２２・２７・３２はパイプ２３・２６・３１を介して
第４消火装置２０、第５消火装置２４、第６消火装置２
９に接続されており、その各々は加圧ガス容器内の加圧
ガスが噴出された際に、それぞれに対応する消火装置を
加圧して内部の消火薬剤をパイプ２・７・１８・２１・
２５・３０を介して厨房内に設置した消火剤噴射ノズル
に向けて送り出すことができるようになっている。

【００１２】さらに消火装置収納ボックス４３内には、
加圧ガス容器を開封させるための専用の起爆装置付き加
圧ガス容器３７が備えられている。 これは内部に同じ
く炭酸ガス等の加圧ガスが充填され、しかもその開口部
を閉塞する封板（図示省略）が備えられているととも
に、そのヘッド３８には、その封板を開封するための起
爆装置３８ａが組み込まれている。 この起爆装置３８
ａは内部に電気的エネルギーにより爆発する性質の起爆
剤が充填されており、この起爆剤の爆発エネルギーによ
り封板を開封することができる。 さらにこの起爆装置
３８ａは制御部３６にリード線３９を介して接続されて
いる。

【００１３】上記した加圧ガス容器を開封させるための
専用の起爆装置付き加圧ガス容器３７のヘッド３８から
は、パイプ４１により前記した加圧ガス容器３のヘッド
４と接続され、またパイプ４２により別の消火装置収納
ボックス４４内の加圧ガス容器２２のヘッド２３に連結
されている。 さらに火災感知器３５は厨房内のフード
入り口付近に１個または複数個設置され、導線３４によ
り制御部３６に接続されている。

【００１４】したがって、厨房内において、レンジ台上
の調理鍋やフライヤーから失火した場合、その炎は通常
では上方のフード内の全体にわたって燃え広がり、さら
には経時的に付着したダクト内の油脂類にも延焼して炎
が蔓延することになる。 この場合フード内やダクトの
入り口付近に設置した火災感知器３５が、火災発生を感
知し、直ちにこれを制御部３６に伝える。 さらに制御
部３６ではリレー等を作動させてリード線３９を介して
通電し、加圧ガス容器３・２２を開封させるために別途
設置した専用の加圧ガス容器３７の起爆装置３８ａを起
爆させて、この加圧ガス容器３７を開封させる。

【００１５】起爆装置３８ａの起爆により、加圧ガス容
器３７内から加圧ガスが瞬時に噴出し、パイプ４１およ
び４２を介して第１消火装置起動用の加圧ガス容器３、
および第４消火装置起動用の加圧ガス容器２２をそれぞ
れ開封させる。 加圧ガス容器３の開封によりパイプ５
を介して第１消火装置１内が加圧され、また加圧ガス容
器２２の開封によりパイプ２３を介して第４消火装置２
０内が加圧される。

【００１６】これにより第１消火装置１および第４消火
装置２０内の消火薬剤を圧し出し、これをパイプ２・２
１を通じてフードやダクト内に設置した消火剤噴射ノズ
ル（図示省略）から噴射させるとともに、上記圧力ガス
の一部を接続パイプ１２・４６を介して加圧ガス容器８
および２７のヘッド９・２８に送り込み、そのガス圧に
より当該加圧ガス容器８および２７の封板を開封してそ
れぞれの圧力ガスを噴出させる。 加圧ガス容器８・２
７より噴出したガスは、パイプ１０・２６を介して第２
消火装置６および第５消火装置２４内に圧送され、これ
らの消火装置内の消火薬剤を圧し出し、これをパイプ７
・２５を介して前記した消火剤噴射ノズルから噴射させ
るとともに、その圧力ガスの一部を前記したのと同様
に、接続パイプ１５・４７を介して加圧ガス容器１３お
よび３２のヘッド１４および３３内に送り込み、このガ
ス圧により加圧ガス容器１３および３２の封板を開封し
てそれぞれの圧力ガスを噴出させる。

【００１７】加圧ガス容器１３・３２より噴出したガス
は、パイプ１６・３１を介して第３消火装置１９および
第６消火装置２９内に圧送され、これらの消火装置内の
消火薬剤を圧し出し、これをパイプ１８・３０を介して
前記した消火剤噴射ノズルから噴射させる。

【００１８】なお以上の説明は、１つの消火装置収納ボ
ックス内に３台の消火装置を入れて合計６台設置して使
用する場合について説明したが、これ以上の消火装置の
設置が必要である場合には、消火装置収納ボックスを追
加設置し、この中に同様の消火装置および消火装置起動
用の加圧圧力ガス容器を設置するとともに、これらを前
記したパイプ４２より分岐させて接続させるようにすれ
ば、起動用ガス圧力により、同様に起動させるようにす
ることができる。

【００１９】

【発明の効果】本発明は上記した通り、火災発生の信号
をうけて起動し、厨房内に向けて設置された複数の消火
剤噴射ノズルに消火薬剤を圧送するための複数の消火装
置のそれぞれの加圧ガス容器を開封させる場合におい
て、各加圧ガス容器を開封させるための専用の起爆装置
付き加圧ガス容器を別途設置し、これを起動させること
により複数の消火装置のそれぞれの加圧ガス容器を開封
させるようにしたために、複数の消火装置を備えた厨房
用自動消火設備の構造の簡素化とコストの低減化をはか
るばかりでなく、消火装置の開封手段としても、また開
封された消火装置の消火薬剤圧送手段としても、それぞ
れ十分な圧力を確保して、より一層即応性の高い厨房用
自動消火設備とすることを可能とする。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例である厨房用自動消火設備の
概略説明図。

【図２】図１における加圧ガス容器と加圧ガス容器を開
封させるための専用の起爆装置付き加圧ガス容器の部分
を拡大してあらわしたところの、一部を断面であらわし
た正面図。

【図３】図２における平面図。

【符号の説明】 １ 第１消火装置 ２ パイプ ３ 第１消火装置起動用の加圧ガス容器 ４ ヘッド ５ パイプ ６ 第２消火装置 ７ パイプ ８ 第２消火装置起動用の加圧ガス容器 ９ ヘッド １０ パイプ １１ パイプ １２ 連結パイプ １３ 第３消火装置起動用の加圧ガス容器 １４ ヘッド １５ 連結パイプ １６ パイプ １８ パイプ １９ 第３消火装置 ２０ 第４消火装置 ２１ パイプ ２２ 第４消火装置起動用の加圧ガス容器 ２３ ヘッド ２４ 第５消火装置 ２５ パイプ ２６ パイプ ２７ 第５消火装置起動用の加圧ガス容器 ２８ ヘッド ２９ 第６消火装置 ３０ パイプ ３１ パイプ ３２ 第６消火装置起動用の加圧ガス容器 ３３ ヘッド ３４ 導線 ３５ 火災感知器 ３６ 制御部 ３７ 加圧ガス容器を開封させる専用の起爆装置
付き加圧ガス容器 ３８ ヘッド ３８ａ 起爆装置 ３９ リード線 ４１ パイプ ４２ パイプ ４３ 消火装置収納ボックス ４４ 消火装置収納ボックス ４５ 起動部 ４６ 連結パイプ ４７ 連結パイプ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】火災発生の信号をうけて起動し、厨房内に
   向けて設置された複数の消火剤噴射ノズルに消火薬剤を
   圧送するための複数の消火装置のそれぞれの加圧ガス容
   器を開封させる場合において、各加圧ガス容器を開封さ
   せるための専用の起爆装置付き加圧ガス容器を別途設置
   し、これを起動させることにより複数の消火装置のそれ
   ぞれの加圧ガス容器を開封させるようにしたことを特徴
   とする厨房用自動消火設備の起動方法。
2. 【請求項２】火災発生の信号をうけて起動し、厨房内に
   向けて設置された複数の消火剤噴射ノズルに消火薬剤を
   圧送するための複数の消火装置と、それぞれの消火装置
   に対応させて加圧ガスを圧送するための複数の加圧ガス
   容器と、火災発生の信号をうけて起動し、上記した各加
   圧ガス容器を開封させるための専用の起爆装置付き加圧
   ガス容器とからなる厨房用自動消火設備。