JPH105228A - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

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JPH105228A
JPH105228A JP15954996A JP15954996A JPH105228A JP H105228 A JPH105228 A JP H105228A JP 15954996 A JP15954996 A JP 15954996A JP 15954996 A JP15954996 A JP 15954996A JP H105228 A JPH105228 A JP H105228A
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剛 望月
Masanori Hirose
昌紀 広瀬
Kazuhiro Jo
和博 城
Keiji Kato
恵司 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来においては管腔組織の内部を立体的に実
時間で超音波画像として形成することは困難であった。 【解決手段】 プローブ10の引抜きに伴い各走査面に
対して縮尺率α及び重みβを可変設定する。そして各走
査面に対応する断層画像を上書き合成する。この際、管
腔組織の内部のデータを除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超音波診断装置、特
に、管腔組織内に挿入される超音波探触子を備えた超音
波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】体腔内挿入用の超音波探触子としては、
血管挿入用のプローブ、食道挿入用のプローブ、直腸挿
入用のプローブなどが知られている。かかるプローブで
は、概して、超音波ビームが回転走査されるラジアル走
査が行われ、これによりプローブの軸方向と直交する断
面の超音波画像を得ている。プローブの挿入量を適宜調
整すれば所望の位置の断層画像を得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来において
は、管腔組織の直交断面の断層画像を見ても、それがど
の位置の断層画像であるか三次元的に把握するのは困難
である。特に、ラジアル走査が行われる場合に、その問
題が指摘されている。
【0004】また、従来の単なる二次元断層画像では、
例えば腫瘍などの患部が存在していてもその患部の断層
が得られるだけであり、立体的に患部を把握するのが困
難であるという問題があった。そこで、プローブを移動
させつつ多数の断層画像(スライス画像)を得て、それ
らを再構成することにより三次元画像を構築することも
考えられるが、従来の手法では、演算時間がかかり過ぎ
て実時間で画像表示を行うのは極めて困難であった。こ
のため、三次元的な処理を迅速に行ってリアルタイムで
立体的画像を形成できる超音波診断装置が要望されてい
る。
【0005】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされた
ものであり、その目的は、管腔組織の内部を覗いたよう
な遠近感ある立体的画像を実時間で形成でき、これによ
り患部を空間的に把握できる超音波診断装置を提供する
ことにある。
【0006】また、本発明の目的は、断層画像の取り込
み順序で逐次合成処理を行える超音波診断装置を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、管腔組織内に挿入され、軸方向に対して
直交する断層画像を取り込む超音波探触子と、前記超音
波探触子の軸方向への移動に伴って前記断層画像のサイ
ズを可変させつつ各断層画像を上書き合成して合成画像
を形成する画像処理部と、前記合成画像を表示する表示
器と、を含むことを特徴とする。
【0008】上記構成によれば、管腔組織内に超音波探
触子を挿入した状態でその超音波探触子を例えば引抜き
移動させると、各位置で断層画像が得られるが、それら
の断層画像は上書き合成され合成画像が形成される。こ
の場合、断層画像の位置に応じてサイズが調整されるた
め、遠近感ある立体的な超音波画像を形成できる。本発
明は、従来のような全データ格納後の再構成を行うので
はなく、上書きという簡便な手法を基本としているた
め、すなわち、本発明では断層画像の時系列順で前記上
書き合成が実行されるため実時間処理が可能である。
【0009】本発明の好適な態様では、前記超音波探触
子の引き抜き時に、奥側の断層画像よりも手前側の断層
画像のサイズを徐々に大きくして前記上書き合成が行わ
れる。これにより、あたかも管腔組織の内部を奥側に向
かって覗いたような遠近感ある画像を形成でき、患部の
腫瘍などを立体的に観察することができる。
【0010】なお、超音波探触子を押し込んで画像合成
を行えば、例えば奥側から手前側を見た合成画像を構築
できるが、その場合には、超音波探触子の押し込みによ
る組織押圧などの悪影響、挿入管のたわみなどに起因す
る移動量の不正確さ、などが危惧される。これに対し、
引抜き時に画像合成を行えば、手前側から奥側を見た合
成画像を構築することになり自然な画像を構成できると
ともに、挿入管のたわみなどが生じることがなく精度の
良い合成画像を構成できるという利点がある。
【0011】本発明の好適な態様では、前記画像処理部
は、管腔組織の内部のデータを除外して前記上書き合成
を行うための処理回路を有する。その理由としては、血
管や食道などの管腔組織の超音波診断を行う場合には管
壁構造や管壁面上の状態の観察に主眼があり管腔内部の
画像化の要請が少ないこと、管腔内部の画像データがた
とえ0であってもそれが上書きされるとそれまでの合成
画像が部分的に隠蔽されてしまうこと、などが挙げられ
る。
【0012】また、本発明の好適な態様では、前記画像
処理部は、前記超音波探触子の軸方向への移動に従って
前記サイズに加えて画素値を可変させる重み付け回路を
有する。すなわち、最終的に得られる合成画像をより立
体的に表現するためには、例えば奥側から手前側にかけ
て輝度値を増大させたり、寒色系から暖色系へ色相を変
化させたりするのが望ましい。
【0013】また、本発明の好適な態様では、前記超音
波探触子では、ラジアル走査が行われ、前記ラジアル走
査により得られる各断層画像の原点を一致させつつ前記
上書き合成が行われる。また、本発明の好適な態様で
は、前記超音波探触子の移動位置を検出する位置検出器
を有する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
図面に基づいて説明する。
【0015】図1には、本発明に係る超音波診断装置の
好適な実施形態が示されており、図1はその全体構成を
示すブロック図である。図2には、本発明に係る上書き
合成処理の原理が示されており、まず図2を用いて説明
する。
【0016】図2(A)において、プローブ10は管腔
組織11内に挿入される体腔内挿入型超音波探触子であ
る。プローブ10は例えば回転する超音波振動子を内蔵
しており、この超音波の回転によりすなわち機械的なラ
ジアル走査により超音波ビームが回転走査され、走査面
Sが形成される。もちろん電子走査により走査面Sを形
成してもよい。管腔組織11は例えば血管や食道などで
ある。
【0017】管腔組織11内のある深さまでプローブ1
0を挿入した状態において、人為的又は機械的にプロー
ブ10を引抜くと、その引抜きに際して複数の走査面S
が形成される。すなわち複数の断層画像が取込まれる。
【0018】本実施形態においては、図2(B)に示す
ように、引抜き方向をZ方向として、そのZ方向の増大
に伴って各断層画像に縮尺率αを設定し、互いに異なる
縮尺率の各断層画像を上書き合成する。この際、本実施
形態においては図2(C)に示すように画像の輝度値も
Zに対して可変設定される。図2に示す例では、奥側か
ら手前側にかけてサイズが徐々に大きくなるように設定
されており、これと同様に、奥側から手前側にかけて画
像の輝度値が徐々に大きくなるように設定されている。
【0019】したがって、このような縮尺率及び輝度に
関わる重みの可変設定の下、各断層画像を奥側から手前
側にかけて順次上書き合成すれば、後述するように中心
投影像に類似した立体的な管腔組織の画像を構成するこ
とが可能となる。なお、図2においてLは引抜き走査範
囲を示しており、符号100は例えば癌などの患部を示
している。本発明に係る上書き合成によれば、このよう
な患部100の立体的な画像を表示することが可能であ
る。
【0020】図1に戻って、プローブ10は上述したよ
うに体腔内挿入型超音波探触子であり、その先端部には
超音波振動子が内蔵され、その超音波振動子は機械的に
又は電子的にラジアル走査される。すなわち、超音波の
送受波により形成される超音波ビーム102を回転走査
することにより走査面Sが形成され、プローブ10を引
抜けば、互いに異なる位置で走査面Sを形成できる。な
おr方向は超音波ビーム方向を示しており、θ方向は回
転走査方向を示している。
【0021】本実施形態のプローブ10は、当該プロー
ブ10の挿入部を引抜き駆動するためのモータ12とそ
の引抜き量を検出する位置検出器14とを有する。モー
タ12は駆動部16によって駆動され、図示されていな
い制御部によりこの駆動部16は制御される。位置検出
器14にて検出された位置検出信号は後述する重み付け
回路18及び縮尺率演算回路20に出力される。
【0022】送受信部22は、プローブ10に対して送
信信号を供給すると共に、プローブ10から出力された
受信信号に対して所定の処理を行うものである。送受信
部22から出力された受信信号は増幅器24において増
幅された後、さらに対数増幅器26において対数増幅さ
れ、その対数増幅後の受信信号が画像処理部28に入力
される。この画像処理部28は上書き合成による合成画
像を形成するものである。
【0023】画像処理部28において、しきい値処理回
路30は本実施形態において図3に示す処理を行う。図
3において、(A)にはしきい値処理を行う前の受信信
号の状態が示されており、(B)にはしきい値処理後の
受信信号の状態が示されている。図3における横軸は時
間軸であり、縦軸はエコーの強度を示している。しきい
値処理回路30は図3に示すような受信信号に対して所
定のしきい値104によってしきい値処理を行うもので
あり、超音波ビームの原点すなわち横軸における原点か
ら順次受信信号としきい値104とを比較し、しきい値
104を受信信号が越えた時点から当該受信信号を後段
の乗算器32(図1参照)へ出力している。
【0024】すなわち、しきい値処理回路30はしきい
値104を利用して管腔組織の内部部分のエコーデータ
を除去するものであり、換言すれば管腔組織の壁部分の
エコーデータを抽出する回路である。本実施形態では図
3に示すようにしきい値104を越えた時点から全ての
エコーデータが抽出されているが、例えば図4に示すよ
うにしきい値104を越えるデータのみを抽出すること
により、内部部分の除去と有効なエコーデータの抽出と
を行ってもよい。
【0025】いずれにしても、このようなしきい値処理
を行うことにより、上書き合成処理を行った際に内部部
分に相当するデータにより奥側の画像が隠蔽されたり破
壊されてしまうのを防止することが可能である。なお、
図3において、106にはしきい値処理回路30におけ
るエコーデータの出力動作が示されており、ONの期間
だけエコーデータが後段の乗算器32に出力される。
【0026】図1に戻って、重み付け回路18は、図2
(C)に示した重み付け関数にしたがって、各走査面ご
とに一定の重みを付与するものであり、具体的には引抜
き方向を示すZ方向の値に応じた重みβを出力してい
る。この重みβは乗算器32においてエコーデータに乗
算される。これによって各走査面ごとに一定の輝度に関
わる重み付けがなされることになる。すなわち奥側から
手前側にかけて徐々に明るくなるように輝度調整がなさ
れる。
【0027】縮尺率演算回路20は、図2(B)に示し
た縮尺率決定関数にしたがって各走査面ごとに縮尺率α
を決定するものである。すなわち、上書き合成処理にお
いて奥側から手前側にかけて徐々に断層画像のサイズを
大きくして上書きするために縮尺率演算回路20が縮尺
率αを決定している。
【0028】画像メモリ34上では上述した上書き合成
処理が行われ、具体的には各断層画像の中心点(原点)
を一致させつつr方向に縮尺率αが乗算された超音波画
像が上書き合成されている。もちろん、この上書き合成
においてはしきい値処理により管腔組織内部のデータが
排除されているため、新しい超音波画像における組織内
部のデータによってそれまでに形成された合成画像が隠
蔽されてしまうような問題は生じない。
【0029】図1に示す画像処理部28の回路構成から
明らかなように、本実施形態の超音波診断装置において
は各超音波画像の取込み順序で逐次画像処理を行うので
実時間でその処理を行えるという利点がある。
【0030】DSC36では画像メモリ34上に展開さ
れた合成画像に対して極座標から直交座標への座標変換
などが行われ、座標変換後の合成画像が表示器38に表
示される。
【0031】図5には、本実施形態の上書き合成処理に
より形成された合成画像の表示例が示されている。図5
に示すように、各断層画像における管腔組織の内側の輪
郭108が年輪のように強調して合成されており、特別
の三次元画像処理を行うことなく管腔組織内部を空間的
に表現することが可能となる。もちろん、患部100も
立体的に表現され、疾病診断精度を向上することができ
る。
【0032】図5に示す表示例では、上述した構成から
明らかなように、奥側から手前側にかけて輝度が徐々に
明るくなるように画像合成が行われていたが、もちろん
色相変化させつつ画像合成を行ってもよい。この場合に
は例えば寒色系から暖色系に徐々に色が変化するように
してもよい。本実施形態では、各断層画像の原点を一致
させて上書き合成処理を行ったが、もちろんその原点を
所定方向に少しずらしつつ上書き合成処理を行っても興
味ある合成画像を構築できる。
【0033】なお、図2に示した縮尺率決定関数や重み
付け関数は線形なものであったが、非線形に変化する関
数を利用してもよい。本実施形態では図3に示したしき
い値104は固定設定されていたが、これをエコーデー
タの大きさに合わせて適応的に可変設定するようにして
もよい。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
管腔組織の内部を覗いたような遠近感ある立体的画像を
実時間で形成できる。これにより患部を空間的に把握で
きる超音波画像を提供できる。また、本発明によれば断
層画像の取込み順序で逐次合成処理を行えるので、実時
間性に優れる超音波診断装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る超音波診断装置の全体構成を示
す図である。
【図2】 本発明に係る上書き合成処理を説明するため
の説明図である。
【図3】 しきい値処理回路の動作を示す説明図であ
る。
【図4】 しきい値処理の他の例を示す図である。
【図5】 上書き合成処理により得られた合成画像の表
示例を示す図である。
【符号の説明】
10 プローブ、14 位置検出器、18 重み付け回
路、20 縮尺率演算回路、28 画像処理部、30
しきい値処理回路、32 乗算器、34 画像メモリ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 恵司 東京都三鷹市牟礼6丁目22番1号 アロカ 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管腔組織内に挿入され、軸方向に対して
    直交する断層画像を取り込む超音波探触子と、 前記超音波探触子の軸方向への移動に伴って前記断層画
    像のサイズを可変させつつ各断層画像を上書き合成して
    合成画像を形成する画像処理部と、 前記合成画像を表示する表示器と、 を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置において、 前記超音波探触子の引き抜き時に、奥側の断層画像より
    も手前側の断層画像のサイズを徐々に大きくして前記上
    書き合成を行うことを特徴とする超音波診断装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の装置において、 前記画像処理部は、管腔組織の内部のデータを除外して
    前記上書き合成を行うための処理回路を有することを特
    徴とする超音波診断装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の装置において、 前記画像処理部は、前記超音波探触子の軸方向への移動
    に従って前記サイズに加えて画素値を可変させる重み付
    け回路を有することを特徴とする超音波診断装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の装置において、 前記超音波探触子では、ラジアル走査が行われ、 前記ラジアル走査により得られる各断層画像の原点を一
    致させつつ前記上書き合成が行われることを特徴とする
    超音波診断装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の装置において、 前記超音波探触子の移動位置を検出する位置検出器を有
    することを特徴とする超音波診断装置。
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