JPH1052191A - 浮沈式フロート - Google Patents

浮沈式フロート

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JPH1052191A
JPH1052191A JP8210923A JP21092396A JPH1052191A JP H1052191 A JPH1052191 A JP H1052191A JP 8210923 A JP8210923 A JP 8210923A JP 21092396 A JP21092396 A JP 21092396A JP H1052191 A JPH1052191 A JP H1052191A
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JP
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JP8210923A
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English (en)
Inventor
Taizo Fujioka
泰三 藤岡
Tatsuto Ueda
達人 植田
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

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  • Farming Of Fish And Shellfish (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高強度であって大きな浮力を有しており、繰り
返し浮沈させても破損するおそれがない。 【解決手段】各端面がそれぞれ閉塞されて内部が中空の
筒状になったポリエチレン製の中空体11の外周面に、
ポリエチレン−スチレン複合樹脂発泡体製の中間層12
が全体にわたって積層されており、この中間層12の外
周面がガラス繊維強化不飽和ポリエステル製の被覆層1
3によって全体にわたって被覆されている。フロート1
0には、中空体11の内部と被覆層13の外部とを連通
するエアー通過孔10aおよび水通過孔10bが設けら
れている。エア通過孔10aから中空体11の内部にエ
アーが供給されると、フロート10は海面上に浮遊し、
エア通過孔10aから中空体11の内部のエアーが排出
されることにより、水通過孔10bから海水が中空体1
1の内部に流入して、フロート10が沈降する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、魚介類の
養殖用生け簀に使用されるフロートに関し、特に、海中
あるいは水中に沈降可能であって、養殖用魚介類の生け
簀に好適に使用することができる浮沈式のフロートに関
する。
【0002】
【従来の技術】魚介類の養殖に使用される生け簀は、通
常、海面を浮遊するようになった枠体に、その枠体の内
部下方を取り囲む生け簀網の上端部が取り付けられて構
成されている。生け簀網は、下部が海底に係留されてお
り、海面上を浮遊する枠体によって展開した状態に維持
されている。そして、展開された生け簀網の内部にて魚
介類が養殖される。
【0003】このような生け簀では、台風等の影響によ
って高波が発生すると、海面上を浮遊する枠体が波とと
もに大きく昇降する。これにより、枠体自体が破損した
り、枠体に取り付けられた生け簀網が破損するおそれが
ある。枠体や生け簀網が破損すると、生け簀網内にて養
殖される魚介類が逃げ出して、甚大な被害を受けること
になる。
【0004】このような高波による被害を回避するため
に、枠体を海面下20〜30mの海水中に沈降させる方法が
提案されている。例えば、特公昭52−14197号公
報には、枠体内に設けられた浮力室内に海水を導入し
て、枠体を海中に沈降させる構成が開示されている。ま
た、特公昭57−17491号公報には、枠体を海底に
係留する係留索の中間部を水中浮力体によって支持する
とともに、その水中浮力体の浮力を調整することにより
枠体を海中に沈降させる構成が開示されている。さら
に、特公平3−25136号公報には、枠体の内部に浮
沈体を配置して、この浮沈体の重量を変化させることに
より、枠体を海中に沈降させる構成が開示されている。
【0005】しかしながら、これらの公報に開示された
構成は、いずれの場合も、枠体自体の構成、あるいは、
枠体を沈降させるための構成が複雑であり、容易に製造
することができず、また、経済性にも問題がある。
【0006】これに対して、枠体にフロートを取り付け
て、フロートによって枠体を海面上に浮遊させるととも
に、フロート自体を海中に沈降する方法も提案されてい
る。例えば、実開平5−51066号公報および実開平
5−82265号公報には、内部に海水が導入されるこ
とによって沈降するようになったフロートがそれぞれ開
示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】それぞれの公報に開示
されたフロートは、いずれも、一定の材質の単層によっ
て中空体状に構成されており、従って、その周面に亀裂
が生じることによって内部に海水が浸入するおそれがあ
る。特に、浮沈式のフロートは、海面上と海面下20〜40
mの海中との間を繰り返し浮沈するために、大きな水圧
の変化が加わり、亀裂が生じやすいという問題がある。
このために、フロートは、大きな水圧変化を受けても容
易に亀裂が生じないような高強度の材料によって構成す
る必要がある。しかしながら、フロートの浮力は、フロ
ートを構成する材料の比重と中空体の体積とによって規
定されるために、比重の大きな材料を使用すると、十分
な浮力が得られなくなる。また、フロートの材質によっ
ては、周面に亀裂が発生しない状態でフロートの体積を
大きくすることができないこともある。この場合には、
フロートによって海面上に浮遊される枠体の重量が大き
いと、多数のフロートを取り付けなければならず、その
ための作業が煩雑になるという問題がある。
【0008】このようなフロートに対して、実公昭62
−10106号公報には、熱可塑性樹脂発泡体によって
中空に構成された芯材の表面を、ガラス繊維強化ポリエ
ステル樹脂によって被覆したフロートが開示されてい
る。このようなフロートでは、熱可塑性樹脂発泡体によ
って芯材が構成されているために、比重が小さく、体積
に対して比較的大きな浮力が得られる。しかし、熱可塑
性樹脂発泡体製の芯材は、強度的に問題があり、海上と
20〜40mの海中との間を繰り返し浮沈する間に加わる大
きな水圧の変化によって、芯材が破損するおそれがあ
る。
【0009】本発明は、このような問題を解決するもの
であり、その目的は、比較的大きな浮力を有しており、
しかも、高強度であって浮沈を繰り返しても破損するお
それのない浮沈式フロートを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の浮沈式フロート
は、水面上を浮遊可能になっており、内部に水が充填さ
れることによって液面下に沈降されるようになった浮沈
フロートであって、各端面がそれぞれ閉塞されて内部が
中空の筒状になった合成樹脂製の中空体と、この中空体
の外周面に、全体にわたって積層された合成樹脂発泡体
製の中間層と、この中間層の外周面を全体にわたって被
覆する繊維強化樹脂製の被覆層と、前記中空体、中間層
および被覆層をそれぞれ貫通して設けられた少なくとも
一対の流体通過孔と、を具備することを特徴とする。
【0011】前記中空体は、内部に水を充填して加圧す
る水圧試験において、少なくとも2.0 kg/cm2 の圧力で
破損しない強度を有しており、また、前記中間層は、4
%圧縮時の圧縮強度が2.0 kg/cm2 以上になっている。
【0012】また、前記一対の流体通過孔は、水平状態
になった中空体の上下方向長さの60%以上の間隔をあけ
て配置されている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて詳細に説明する。
【0014】図1(a)は、本発明の浮沈式フロートの
実施の形態の一例を示す縦断面図、図1(b)は図1
(a)のA−A線における横断面図である。このフロー
ト10は、ポリエチレンによって各端面が閉塞されて中
空の円筒状に構成された中空体11と、その中空体11
の外周面に全体にわたって積層された合成樹脂発泡体製
の中間層12と、この中間層12の外周面を全体にわた
って被覆するガラス繊維強化ポリエステル樹脂製の被覆
層13とを有している。
【0015】中空体11体は、ポリエチレンによって、
周面部および各端面が一体的に成形されている。なお、
中空体11の各端面は、外方に若干膨出していてもよ
く、また、軸方向の中央部が全周にわたって外方に膨出
していてもよい。
【0016】フロート10の一方の端面を構成する中空
体11の一方の端面、中間層12の端面および被覆層1
3の端面には、エアー通過孔10aおよび水通過孔10
bをそれぞれ構成する一対のパイプ14が、中空体11
の内部と被覆層13の外部とを連通するように埋設され
ている。各パイプ14は、中空体11の軸心を挟んで上
側および下側に、それぞれ軸心から等しい距離だけ離れ
た状態で、中空体11の軸心方向に沿った状態で配置さ
れている。そして、上側のパイプ14の内部がエアー通
過孔10aになっており、下側のパイプ14の内部が水
通過孔10bになっている。
【0017】各パイプ14は、例えば、塩化ビニルによ
ってそれぞれ構成されており、各端部にネジ溝が設けら
れている。そして、各パイプ14の一方の端部のネジ溝
が、中空体11の端面にネジ結合されて、各パイプ14
が、中空体11の軸心方向に沿った状態にそれぞれ支持
されている。
【0018】中空体11は、例えば、川鉄コンテナー株
式会社製の化学物質用タンク(商品名「V−200」)
が使用されており、直径が563 mm、軸方向長さが900mm
、周面の肉厚が3.6 mm、各端面の肉厚が4.1 mmになっ
ている。
【0019】中空体11の一方の端面に取り付けられた
各パイプ14は、中空体11の端面において、中空体1
1の軸心に対してそれぞれ200 mmだけ離れた位置に支持
されており、従って、各パイプ14は、上下方向に400
mmの間隔があけられており、中空体11の直径563 mmの
60%以上の間隔になっている。各パイプ14は、内径15
mm、長さ 120mmになっている。
【0020】中間層12は、例えば、嵩密度が0.05g/
ccのポリエチレン−スチレン複合重合体発泡体(積水化
成品株式会社製、商品名「ピオセラン」でポリエチレン
含有量が約40重量%のグレード)によって、直径が655
mm、軸方向長さが1145mmになるように、中空体11に積
層されている。
【0021】被覆層13は、ガラス繊維で補強した不飽
和ポリエステルによって、約4mmの厚さで、中間層12
の全体を被覆している。
【0022】被覆層13によって外周面の全体が被覆さ
れたフロート10は、結局、直径が660 mm、軸方向長さ
が1150mm、内容積が360 Lの大きさであって、重量が56
kgになっている。
【0023】このような構成のフロート10は、次のよ
うにして製造した。所定の形状に成形された中空体11
の一方の端面に、一対の貫通孔をそれぞれ形成して、各
貫通孔内にパイプ14をそれぞれねじ込んで支持し、各
パイプ14を口栓によってそれぞれ閉塞した。このよう
な状態で、中空体11の周囲に所定の間隔が全周にわた
って形成されるように中空体11を外型内に配置して、
嵩密度が0.05g/ccのポリエチレン−スチレン複合重合
体発泡粒子をその間隔内に充填し、外部から、1.2kg /
cm2 の蒸気によって加熱した。次に、全体を冷却した後
に外型内から取り出した。外型から取り出された中空体
11には、融着した発泡粒子によって構成された中間層
12が中空体11に一体的に積層されていた。そして、
一体成形体を乾燥させた後に、ガラス繊維によって強化
された不飽和ポリエステルを、4mmの厚さで中間層12
の全体にわたって被覆した。これにより、図1に示す浮
沈式フロート11が得られた。
【0024】このような構成のフロート10は、魚介類
の養殖用生け簀に取り付けられて使用される。養殖用生
け簀は、例えば、一辺が10mになった正方形状の枠体
に、複数のフロート10が、ロープ等によって取り付け
られるとともに、枠体の内部下方を取り囲む生け簀網の
上端部が枠体に取り付けられて構成されている。枠体の
各一辺には、例えば、4個のフロート10が、それぞれ
取り付けられており、従って、1つの枠体には、16個
のフロート10が取り付けられている。
【0025】各フロート10は、各パイプ14が上下方
向に配置された水平状態で枠体にそれぞれ取り付けられ
ており、エアー通過孔10aを構成する上側のパイプ1
4に、エアー給排用のチューブ21の一方の端部が取り
付けられるとともに、水通過孔10bを構成する下側の
パイプ14に、給排水用のノズル22が取り付けられて
いる。エアー給排用チューブ21は、第1開閉バルブ2
3を介してエアー供給源24に接続されるとともに、第
2開閉バルブ25を介して、大気に開放された状態にな
っている。
【0026】各フロート10によって枠体を海面上に浮
遊させる場合には、第1開閉バルブ23が開放されると
ともに第2開閉弁25が閉止される。これにより、エア
ー供給源24から供給されるエアーが、エアー給排用チ
ューブ21およびエアー通過孔10aを通って中空体1
1の内部に供給される。中空体11内にエアーが供給さ
れると、中空体11内に浸入した海水が、水通過孔10
bおよびノズル22を介して排出され、フロート10が
海面上に浮遊した状態になる。これにより、各フロート
10が取り付けられた枠体は、バブル23および25を
閉止したままで海面上を浮遊した状態になる。
【0027】これに対して、枠体を海中に沈降させる場
合には、第1開閉バルブ23が閉止されるとともに、第
2開閉バルブ25が開放される。これにより、中空体1
1内のエアーが、エアー通過孔10aおよびエアー給排
用チューブ21を介して大気中に排出されるとともに、
減圧状態になった中空体11内に、海水が、ノズル22
および水通過孔10bを通って流入する。これにより、
各フロート10は、自重および中空体11内に流入した
海水の重量によって、海中に沈降した状態になり、各フ
ロート10が取り付けられた枠体も海中に沈降した状態
になる。
【0028】枠体を海面上に浮上させる場合には、第1
開閉バルブ23が開放されるとともに、第2開閉バルブ
25が閉止され、エアー供給源24のエアーが中空体1
1内に供給される。これにより、中空体11内の海水
は、流入するエアーの圧力によって、水通過孔10bお
よびノズル22を通って排出され、各フロート10は、
浮力によって浮上し、枠体は、海面に浮遊する。なお、
フロート10は、中空体11内の水量を調整することに
より、枠体を海中の任意の深さに保持することができ、
従って、生け簀網を海中の任意の深さに配置することが
できる。
【0029】フロート10は、海中に沈降して高い圧力
が加わっても、合成樹脂製の中空体11が、合成樹脂発
泡体製の中間層12を内部から支持しているために、破
損するおそれがない。また、中間層12は、繊維強化樹
脂製の被覆層13によって覆われているために、亀裂等
が生じることが防止される。中間層13は、合成樹脂発
泡体によって構成されているために、体積に対して大き
な浮力が得られる。
【0030】なお、フロート10の外周面に、フロート
10を枠体に取り付けるためのロープ等が嵌合される凹
溝を設けることにより、フロート10を容易に枠体に取
り付けることができる。
【0031】本発明のフロート10に使用される中空体
11は、合成樹脂によって構成されていればよく、ポリ
エチレンに限らず、ポリプロピレン、ナイロン、テフロ
ン等によって構成してもよい。中空体11の形状も、円
筒状に限らず、断面が多角形の筒状であってもよく、ま
た、周面が外方に膨出した太鼓状であってもよい。さら
に、中空体11は、各端面が閉塞されていればよく、一
体的に成形する構成に限らず、各端面を別体に構成して
接合するようにしてもよい。中空体11の容積は、海面
上を浮遊させる枠体の大きさ等によって適宜選定される
が、養殖用生け簀に使用する場合には、通常、 100〜 3
00L程度が好適である。
【0032】合成樹脂によって構成された中空体11と
して、2.0kgf/cm2 の内部水圧試験によっても漏水せ
ず、しかも、大きな残留歪みが発生しないことが好まし
い。中空体11の内部水圧試験は、中空体11内に水を
満杯に充填して、エアー通過孔10aおよび水通過孔1
0bを閉鎖した状態で水平に配置し、内部に充填された
水を窒素等の気体によって、0.5 kgf /cm2 G の圧力ピ
ッチで、2.0kgf/cm2 Gになるまで、漏水が発生してい
ないことを確認しつつ加え、2.0kgf/cm2 G の圧力を30
分間にわたって中空体11の内部に充填された水に加え
て、漏水の有無と外観的の変形量を測定して確認するも
のである。
【0033】中空体11の外周面に全体にわたって積層
された合成樹脂発泡体製の中間層12は、JIS K6767 に
準拠した試験方法による厚さの4%まで圧縮したときの
強度(弾性限界強度)が、2.0 kg/cm2 以上であること
が好ましい。弾性限界強度が2.0 kg/cm2 よりも小さい
と、海面と海面から20mの海中との間を繰り返し浮沈さ
せることによって変形し、十分な浮力が得られなくなる
おそれがある。
【0034】中間層12を構成する発泡体に使用する合
成樹脂としては、ポリエチレン系やポリプロピレン系の
ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアク
リル樹脂、ポリウレタン樹脂、さらには、ポリオレフィ
ン系樹脂に芳香族系ビニルモノマーを単独であるいは芳
香族系ビニルモノマーを主成分として共重合可能なモノ
マーを吸収させて重合したポリオレフィン−スチレン系
複合重合体等が挙げられる。
【0035】このポリオレフィン−スチレン系複合重合
体としては、架橋構造を有するものであってもよい。ま
た、このポリオレフィン−スチレン系複合重合体のポリ
オレフィンの含有率は30%以上であることが好ましく、
さらには、35%以上がより好ましい。ポリオレフィンの
含有率が30%未満になると、外周面を被覆する被覆体1
3として繊維強化ポリエステル樹脂を使用した場合に、
スチレン系モノマーに浸食されるために好ましくない。
ポリエチレンとポリスチレンとの複合重合体の発泡体と
しては、積水化成品工業株式会社製の商品名「ピオセラ
ン」(ポリオレフィンの含有率が30%以上のグレード)
が好適に使用される。
【0036】中空体11の外周面全体にわたって積層さ
れる中間層12は、全体にわたって均一な厚さになって
いる必要はなく、例えば、中空体11の軸心に沿った外
周面に積層される部分と、各端面に積層される部分とに
おいて、異なる厚さにしてもよい。特に、各端面は、水
圧により大きく変形するおそれがあるために、中間層1
2の厚さを大きくすることが好ましい。中間層12の厚
さは、中空体11の容積、重量、必要とする浮力、フロ
ート10全体を沈降させる深さ等によって適当に設定さ
れるが、中空体11の周面においては、30〜75mm、中空
体11の各端面においては、75〜150 mm程度が好まし
い。
【0037】フロート10に設けられるエアー通過孔1
0aおよび水通過孔10bは、中空体11の一方の端面
にのみ設ける構成に限らず、各端面にそれぞれ設ける構
成、あるいは中空体11の周面に設ける構成であっても
よい。上側に設けられるエアー通過孔10aと下側に設
けられる水通過孔10bとは、中空体11の水平状態に
なった軸心を挟んで対称位置に設けることが好ましく、
また、両者の間隔は、中空体11の上下方向長さの60%
以上になっていることが好ましい。両者の間隔が、中空
体11の上下方向長さの60%よりも短い場合には、中空
体11内に流入した海水を完全に排出することができ
ず、中空体11内に残留する海水量が多くなってフロー
ト10を確実に浮上させることができなくなるおそれが
ある。また、フロート10を沈降させる際に、中空体1
1内に十分な量の海水が流入せず、フロート10を確実
に沈降させることができないおそれもある。
【0038】
【発明の効果】本発明の浮沈式フロートは、このよう
に、合成樹脂製の中空体と、合成樹脂発泡体製の中間層
と、繊維強化樹脂製の被覆層との3層構造になっている
ために、高強度であって大きな浮力を有しており、従っ
て、耐圧性および耐衝撃性に優れているとともに、防食
性および耐蝕性に優れている。その結果、浮沈を繰り返
しても破損するおそれがなく、長期にわたって安定的に
使用することができる。また、容易に製造することもで
きる。中空体の内部には、一対の流体通過孔によって、
エアーおよび水を供給および排出することができるため
に、浮力の調整が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の浮沈式フロートの実施の形態
の一例を示す縦断面図、(b)は(a)のA−A線にお
ける断面図である。
【符号の説明】
10 フロート 10a エアー通過孔 10b 水通過孔 11 中空体 12 中間層 13 被覆層 21 エアー給排用チューブ 22 ノズル 23 第1開閉バルブ 24 エアー供給源 25 第2開閉バルブ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水面上を浮遊可能になっており、内部に
    水が充填されることによって液面下に沈降されるように
    なった浮沈フロートであって、 各端面がそれぞれ閉塞されて内部が中空の筒状になった
    合成樹脂製の中空体と、 この中空体の外周面に、全体にわたって積層された合成
    樹脂発泡体製の中間層と、 この中間層の外周面を全体にわたって被覆する繊維強化
    樹脂製の被覆層と、 前記中空体、中間層および被覆層をそれぞれ貫通して設
    けられた少なくとも一対の流体通過孔と、 を具備することを特徴とする浮沈式フロート。
  2. 【請求項2】 前記中空体は、内部に水を充填して加圧
    する水圧試験において、少なくとも2.0 kg/cm2 の圧力
    で破損しない強度を有しており、また、前記中間層は、
    4%圧縮時の圧縮強度が2.0 kg/cm2 以上になっている
    請求項1に記載の浮沈式フロート。
  3. 【請求項3】 前記一対の流体通過孔は、水平状態にな
    った中空体の上下方向長さの60%以上の間隔をあけて配
    置されている請求項1に記載の浮沈式フロート。
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