JPH10512858A - 芳香物質の生物化学的製造法 - Google Patents
芳香物質の生物化学的製造法Info
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- JPH10512858A JPH10512858A JP8522089A JP52208996A JPH10512858A JP H10512858 A JPH10512858 A JP H10512858A JP 8522089 A JP8522089 A JP 8522089A JP 52208996 A JP52208996 A JP 52208996A JP H10512858 A JPH10512858 A JP H10512858A
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、式(I)を有する芳香物質の製造法に関し、その特徴とするところは、式(II)を有する基質を少なくとも一種のタンパク質および少なくとも一種の金属イオンの存在下に酸化する点にある。
式中、R1は基−H,−CH3,−CH2OH,−CHO,−COOH,−OCH3,または−COO−CH(COOH)−CH2−C6H3(OH)2であり;R2は基−H,−OH,または−OCH3であり;R3は基−H,−OH,−OCH3,またはO−グルコシドであり;R4は基−H,−OH,または−OCH3である。
Description
【発明の詳細な説明】
芳香物質の生物化学的製造法
本発明は、ある種の芳香物質の生物化学的製造法に関する。
芳香物質という用語は、魅力的芳香、即ち食品工業、製薬工業または香料工業
における使用に適した香りおよび(または)フレーバ、を有する天然アルデヒド
類を意味する。
天然アルデヒドの種々な製造法が既に記載されている。例えば、
米国特許第4,617,419号明細書は、「レトロ−アルドール」反応によ
るベンズアルデヒドおよびアセトアルデヒドの製造法を記載している。
欧州特許願第542,348号明細書においては、酵素法によりフェニルアル
デヒド類がつくられている。
米国特許第5,017,388号および第5,128,253号明細書ならび
に欧州特許願第453,368号明細書は、微生物の使用を取り入れたバニリン
製造法を記載している。
米国特許第5,057,424号明細書は、植物細胞を用いるバニラの芳香組
成物の製造法を記載している。
しかし、前記方法は比較的厳重な条件下で使用しなければならない特殊かつ高
価な化合物あるいは生成物の使用を要求している。
本発明の目的は、従来の技術の欠点を克服することにあり、入手容易かつ安価
な化合物を用い、簡単に達成しうる反応条件下で芳香物質の製造を可能にするこ
とにある。
事実、式:
に相当する基質を、少なくとも一種のタンパク質および少なくとも一種の金属イ
オンの存在下で酸化することにより、式:
上記式中、
R1は基−H,−CH3,−CH2OH,−CHO,−COOH,−OCH3また
は−COO−CH(COOH)−CH2−C6H3(OH)2であり、
R2は基−H,−OH,または−OCH3であり、
R3は基−H,−OH,−OCH3,または O−グルコシドであり、
R4は基−H,−OH,または−OCH3である、
を有する芳香物質をつくりうることを本出願人が確立したことは称賛さるべきで
あろう。
基R3に関して言えば、基O−グルコシドのグルコシドは、グルコピラノシド
単独かあるいはグルコピラノシド、ラムノピラノシド、アラビノピラノシドとい
ったオシドに付くグルコピラノシドからなる群から選ばれる。
本発明に係る芳香物質はバニリン、ベンズアルデヒド、アニスアルデヒドおよ
びプロトカテクアルデヒドからなる群に属するのが有利である。
本発明方法に使用されるタンパク質は下記のものから選ばれる:
−金属タンパク質、即ち
・ヘム構造を有するタンパク質あるいは酵素;これらはミオグロビン、ヘモ
グロビン、シトクロム類(c,p450... )および多数のオキシドレダクター
ゼ、例えばペルオキシダーゼ、カタラーゼ、シトクロムオキシダーゼ、またはデ
ヒドロゲナーゼ、例えばアルコールデヒドロゲナーゼ、またはオキシゲナーゼを
包含する。
・金属イオンに結合したタンパク質あるいは酵素、これはフェリチンおよび
フェレドキシンおよびある種のジオキシゲナーゼを含むことができる。
−「単純」タンパク質として知られるタンパク質。その作用は本発明方法の範
囲内において、タンパク質構造中に含まれていない金属イオンにより完成されな
ければならない。この金属イオンは遊離形あるいは錯体形成した形(例えば、ポ
ルフィリンまたはプロトポルフィリンと錯体形成)のいずれかであり、これらは
ゼラチン、カゼイン、ウシ血清アルブミンを包含しうる。
本発明に係る方法に使用されるタンパク質は何であれ、遊離形あるいは錯体形
成形にある金属イオンは鉄、コバルト、銅、マグネシウム、マンガンおよび亜鉛
からなる群から選ばれる。
幾つかのタンパク質と遊離形あるいは錯体形成形にある金属イオンとを本発明
方法で同時に使用するのが有利である。事実、得られる収量はそれが次の化合物
:「単純」タンパク質、金属タンパク質、金属イオン、プロトポルフィリン、ポ
ルフィリンの少なくとも2種のコンビネーションの使用から生じたものであるな
らばすべて高いことが観察された。
特に、本発明方法は、安価かつ入手容易な化合物によって使用できるという利
点をもつ。更にまた、その反応条件は反応媒質の無菌性あるいは調整に関して特
別な注意を必要としない。
本発明方法の有利な具体例によると、金属イオンはそれがどんな形をとろうと
も基質に関して0.0005から0.2重量%の量で使用される。
タンパク質と金属イオンとの共同作用を受ける基質はイソオイゲノール、オイ
ゲノール、シンナムアルデヒド、アネトールおよびロスマリン酸から選ぶのが有
利である。
本発明方法に使用されるタンパク質は、精製形でも未精製形でも使用できる。
未精製形においては、前記タンパク質を含む組成物、例えば微生物細胞の浮遊系
、植物若しくは動物由来の細胞、組織あるいは器官の摩砕調製物、またはアセト
ン画分として知られる前記組成物のタンパク質前濃縮物としてタンパク質を使用
できる。例として下記のものが挙げられる:
−酵母またはかびの菌細胞、
−ナス(aubergine)の実、トマトの実、ほうれん草の葉またはだいこんの葉と
いった野菜類の摩砕物、
−新鮮血、乾燥血または肝細胞のような動物エキス。
本発明方法の有利な一具体例によると、タンパク質はそれがどんな形をとろう
とも、基質に関して0.01から20重量%の量で、好ましくは基質に関して0
.1から5重量%の量で使用される。
本発明方法は水の中で使用するか、あるいはリン酸塩、クエン酸塩、ホウ酸塩
、またはリン酸塩−クエン酸塩−ホウ酸塩のような、反応物のpHを2から10に
しなければならない緩衝剤の助けを借りて緩衝した水性媒質の中で使用できる。
基質がイソオイゲノール、アネトールまたはシンナムアルデヒドである場合、
pHは好ましくは4から9、更に好ましくは5から7とするのがよく、また基質が
オイゲノールである場合にはpHを好ましくは2から7、更に好ましくは2.5か
ら4.5とするのが有利である。
また本発明方法は非水性媒質中で、例えばヘキサン、シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサン、ジクロロエタン、ジクロロメタンから選ばれる一種以上の有機
溶媒中でも使用できる。
更にまた、基質がオイゲノールである場合には、そのSH基の非常に大きい反
応性のため、スルフヒドリル化合物の添加が有利であろう。前記化合物はシステ
イン、グルタチオン、ジチオトレイトール、ジチオエリトリトールからなる群か
ら選ぶことができる。
本発明の他の有利な特徴によると、
反応媒質の温度は15から50℃、好ましくは25から40℃とする。
反応媒質への通気は、酸化すべき基質1モル当り少なくとも1モルの酸素を供
給できなければならず、従って反応は大気圧で実施できるが、もし反応媒質を、
例えば簡単なバブリングにより空気または酸素で補充するならば収量向上が得ら
れることができる。この反応はまた103から107パスカルの圧力下で実施する
こともできる。
反応媒質を激しく攪拌する。この攪拌は攪拌テーブル上150〜250rpm ま
た攪拌した反応器中100〜1000rpm でよい。
反応時間は2時間から5日間である。
製造された芳香物質は抽出または蒸留により反応媒質から単離される。
本発明はここに記載された方法に厳重に制限されるものではなく、反対にあら
ゆる変法を包含する。
下記の例は本発明を例示するものである。これらの例は本発明を制限するので
はなく、本発明の有利な具体例に関するものである。例 1
バニリンの製造
ホウ酸塩緩衝液(0.1M,pH6.5)20g、
イソオイゲノール 800mg、および
Tween 80 50mg
を含む基本反応媒質を調製し、標準として用いた。
本発明に係る反応媒質は、基本反応媒質とは別に調製し、精製ヘモグロビンを
含む。
反応媒質を175rpm の撹拌テーブル上に置いたフラスコ中で、28℃で3日
間インキュベートした。
得られた結果を表Iに示す。
精製ヘモグロビンを添加すると、得られるバニリンの収率がかなり向上するこ
とが非常にはっきり分かる。例 2
バニリンの製造
標準として用いる基本反応媒質は例1のものと同じである。
本発明に係る幾つかの反応媒質を調製した。これらは例1記載の基本反応媒質
とは別に、下記の化合物の少なくとも一つを示された量で含有した。
ゼラチン、
FeCl2の形の鉄、
プロトポルフィリン IX。
反応条件は例1に示した条件と同一である。
得られた結果を表IIに要約する。
基本媒質+ゼラチンあるいは基本媒質+鉄により得た収率は基本媒質単独で得
られた収率よりも低かったのに対し(単純観察)、ゼラチン+鉄のコンビネーシ
ョンは得られるバニリンの量を相当に増加させ、特にプロトポルフィリンが媒質
中に存在し、かつ媒質中の鉄の量が多いと、得られるバニリンの量が相当に増加
させることができる。例 3
バニリンの製造
標準として用いる基本反応媒質は、例1のものと同じである。
本発明に係る幾つかの反応媒質を調製した。これらは、例1記載の基本反応媒
質とは別に、下記の化合物の少なくとも一つを示された量で含有した。
精製ヘモグロビン、
FeCl2の形の鉄、
プロトポルフィリン IX。
反応条件は例1に示した条件と同一である。
得られた結果を表III に示す。
収率に及ぼすヘモグロビンの効果はプロトポルフィリンおよび鉄の存在によっ
て増大し、後者の量が多い場合にはなお一層増大する。例 4
バニリンの製造
攪拌した反応器中で、
ホウ酸塩緩衝液(0.1M,pH6.5) 2l、
イソオイゲノール 80g および
Tween 80 500mg
を含む基本反応媒質を調製し、標準として用いた。
基本反応媒質とは別に、それぞれは精製ヘモグロビン1gおよび乾燥血1gを
含有する、本発明に係る二つの反応媒質も調製した。
これら反応媒質を、4.104パスカルの酸素圧下、600rpm における攪拌
媒質(agitated medium)中で、30℃で24時間インキュベートした。
得られた結果を表IVに要約する。
乾燥血は、その組成がヘモグロビンの外に血漿タンパク質(例えば、アルブミ
ンおよびグロブリン)と鉄を含むが、乾燥血は精製ヘモグロビンによって得られ
る結果よりなお一層良い結果を得ることを可能にする。例 5
バニリンの製造
攪拌した反応器中で、
ホウ酸塩緩衝液(0.1M,pH6.5) 2l、
イソオイゲノール 100g および
Tween 80 500mg
を含む基本反応媒質を調製し、標準として用いた。
この基本反応媒質とは別に、精製ヘモグロビン2gを含む本発明反応媒質も調
製した。
この反応媒質を5.104パスカルの酸素圧下、600rpm の攪拌媒質中で、
30℃において24時間インキュベートした。
得られた結果を表Vに示す。
これらの結果は前の例で得た結果を確証するものである。例 6
バニリンの製造
ホウ酸塩緩衝液(0.1M,pH6.5) 25g、
イソオイゲノール 400mg および
Tween 80 50mg
を含む二つの同じ基本反応媒質を調製した。
標準媒質と考えられるこれら媒質のうちの一つへ、細かく摩砕したナスの実2
5gを加えた。このナスの実は前以て110℃で15分間熱処理を施したもので
ある。
他の媒質には、熱処理したことのないナスの実(新鮮な実)25gを細かく摩
砕して加えた。
完全なナスの実は、ナス100g当り1gの量でタンパク質を含むことが知ら
れている。従って、ナス25gはタンパク質約250mg(ある種の酸化酵素活性
を含む)ならびに鉄約0.075mgとマグネシウム3.75mgを含む。
これら二つの媒質を、175rpm の攪拌テーブル上に置いたフラスコ中28℃
で3日間インキュベートした。
得られた結果を表VIに示す。
このことは摩砕植物材料が、本発明方法の範囲内においてとりわけ勝れた結果
をもたらすことを示すものである。例 7
バニリンの製造
リン酸塩/クエン酸塩/ホウ酸塩緩衝液(0.1M,pH6.5) 20g、
オイゲノール 800mg および
Tween 80 50mg
を含む基本反応媒質を調製し、標準として用いた。
基本反応媒質とは別に、それぞれはシステインおよびシステイン+精製ヘモグ
ロビンを含む、本発明に係る二つの反応媒質も調製した。
これらの反応媒質を8.105パスカルの酸素圧下、150rpm における攪拌
媒質中で、30℃において2時間インキュベートした。
得られた結果を表VIIに示す。
システインに関してのオイゲノールの大きい反応性をここに示した。このコン
ビネーションの収率は精製ヘモグロビンの添加により相当に増加した。例 8
バニリンの製造
リン酸塩/クエン酸塩/ホウ酸塩緩衝液(0.1M,pH6.5) 20g、
オイゲノール 800mg、
Tween 80 50mg
を含む基本反応媒質を調製し、標準として用いた。
この基本反応媒質とは別に、
システイン、
ゼラチン、
プロトポルフィリンIX および
FeSO4の形の鉄
を含有する本発明に係る反応媒質も調製した。
この反応媒質を105パスカルの酸素圧下、150rpm における攪拌媒質中で
、30℃において2時間インキュベートした。
得られた結果を表VIIIに要約する。
この場合にも優れた結果が得られ、システインに関してのオイゲノールの反応
性はゼラチン、プロトポルフィリンIXおよび鉄の存在により高められた。例 9
ベンズアルデヒドの製造
攪拌した反応器で、
ホウ酸塩緩衝液(0.1M,pH6.5) 2l、
シンナムアルデヒド 82g および
Tween 80 1g
を含む基本反応媒質を調製し、標準として用いた。
この基本反応媒質とは別に、
精製ヘモグロビン、
FeCl2の形の鉄
を含有する本発明に係る反応媒質も調製した。
この反応媒質を104パスカルの酸素圧下、600rpm における攪拌媒質中で
、30℃において48時間インキュベートした。
得られた結果を表IXに示す。
シンナムアルデヒドからベンズアルデヒドへの酸化反応の収率はヘモグロビン
と鉄により劇的に増加した。例 10
アニスアルデヒドの製造
攪拌した反応器で、
ホウ酸塩緩衝液(0.1M,pH6.5) 2l、
アネトール 80g および
Tween 80 1g
を含む基本反応媒質を調製し、標準として用いた。
この基本反応媒質とは別に、
精製ヘモグロビン、
FeCl2の形の鉄
を含有する本発明反応媒質も調製した。
この反応媒質を104パスカルの酸素圧下、600rpm における攪拌媒質中で
、30℃において48時間インキュベートした。
得られた結果を表Xに示す。
ヘモグロビンと鉄は、アネトールからアニスアルデヒドへの酸化反応の収率を
目立って増加させた。
例11から例13における反応条件は、下に略述した条件と同じである。
攪拌した反応器で、
ホウ酸塩緩衝液(0.1M,pH6.5) 20g、
基質 800mg、
Tween 80 50mg
を含む基本反応媒質を調製し、標準として用いた。
この基本反応媒質とは別に、
精製ヘモグロビン または
精製ヘモグロビンとFeCl2の形の鉄
を含有する本発明の反応媒質も調製した。
これら反応媒質を5.104パスカルの酸素圧下、150rpm における攪拌媒
質中で、28℃において2時間インキュベートした。得られた結果を表XIから表
XIIIに示す。例 11
バニリンの製造
基質はイソオイゲノールである。
収率に及ぼす精製ヘモグロビンの効果は鉄の存在により明瞭に高められた。例 12
アニスアルデヒドの製造
基質はアネトールである。
本発明者等は、精製ヘモグロビンを基本媒質へ添加した場合の収率低下(未解
明)をただ観察しただけであるが、精製ヘモグロビン−鉄のコンビネーションは
前の例で得た収率と一致する収率を与えることができる。例 13
ベンズアルデヒドの製造
基質はシンナムアルデヒドである。
精製ヘモグロビンはシンナムアルデヒドからベンズアルデヒドへの酸化反応の
収率を目立って増加させ、特にこの反応は鉄の存在により促進された。例 14
バニリンの製造
ホウ酸塩緩衝液(0.1M,pH6.5) 20g、
イソオイゲノール 800mg および
Tween 80 50mg
を含む基本反応媒質を調製し、標準として用いた。
この基本反応媒質とは別に、
精製ヘモグロビン または
精製ヘモグロビンとFeCl2の形の鉄
を含有する本発明反応媒質も調製した。
この反応媒質を8.105パスカルの酸素圧下、150rpm における攪拌媒質
中で、28℃において2時間インキュベートした。
得られた結果を表XIV に要約する。
基本媒質へ精製ヘモグロビンのほかに鉄を添加すると、反応媒質が基本媒質と
精製ヘモグロビンだけからなる場合に得られる既に魅力的な収率と比較して、得
られるバニリンの収率が実質的に高められた。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1996年9月20日
【補正内容】
1.式
(式中、R2は基−H,−OH,または−OCH3であり、
R3は基−H,−OH,−OCH3,またはO−グルコシドであり、
R4は基−H,−OH,または−OCH3である)
を有する芳香物質の製造法において、式
(式中、R1は基−H,−CH3,−CH2OH,−CHO,−COOH,−OC
H3または−COO−CH(COOH)−CH2−C6H3(OH)2であり、R2,
R3およびR4は上記の通りである)
に相当する基質を酸化に付する方法であって、前記酸化を少なくとも一種のタン
パク質の存在下であって、基質に関して0.0005から0.2重量%の金属イ
オンの存在下に行ない、前記金属イオンは遊離形または錯体形成形にあって、鉄
、コバルト、銅、マグネシウム、マンガンおよび亜鉛からなる群から選ばれるこ
とを特徴とする上記方法。
2.基R3中のグルコシドはグルコピラノシド単独かあるいはグルコピラノシ
ド、ラムノピラノシド、アラビノピラノシドといったオシドに付くグルコピラノ
シドからなる群から選ばれる、請求項1記載の方法。
3.芳香物質はバニリン、ベンズアルデヒド、アニスアルデヒド、プロトカテ
クアルデヒドからなる群に属する、請求項1または請求項2に記載の方法。
4.用いるタンパク質は金属タンパク質である、請求項1から請求項3のいず
れか1項に記載の方法。
5.金属タンパク質はヘモグロビン、ミオグロビン、オキシドレダクターゼ、
デヒドロゲナーゼ、オキシゲナーゼからなる群から選ばれる、請求項4記載の方
法。
6.タンパク質はゼラチン、カゼイン、ウシ血清アルブミンからなる群から選
ばれる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の方法。
7.タンパク質を精製形で使用する、請求項1から請求項6のいずれか1項に
記載の方法。
8.タンパク質は微生物細胞の浮遊系、植物若しくは動物由来の細胞、組織あ
るいは器官の摩砕調製物または前記組成物のタンパク質前濃縮物による未精製形
で使用される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の方法。
9.タンパク質は基質に関して0.01から20重量%の量、好ましくは基質
に関して0.1から5重量%の量で使用される、請求項1から請求項8のいずれ
か1項に記載の方法。
10.水中で、または2から10のpHを有する水性緩衝媒質中で使用する、請求
項1から請求項9のいずれか1項に記載の方法。
11.15から50℃、好ましくは25から40℃の温度で使用する、請求項1
から請求項10のいずれか1項に記載の方法。
12.大気圧で、または103から107パスカルの空気圧若しくは酸素圧下で使
用する、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の方法。
13.攪拌下で使用する、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の方法
。
14.2時間から5日の期間使用する、請求項1から請求項13のいずれか1項
に記載の方法。
15.製造された芳香物質を抽出または蒸留により反応媒質から単離する、請求
項1から請求項14のいずれか1項に記載の方法。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.式 (式中、R2は基−H,−OH,または−OCH3であり、 R3は基−H,−OH,−OCH3,またはO−グルコシドであり、 R4は基−H,−OH,または−OCH3である) を有する芳香物質の製造法において、式 (式中、R1は基−H,−CH3,−CH2OH,−CHO,−COOH,−OC H3または−COO−CH(COOH)−CH2−C6H3(OH)2であり、R2, R3およびR4は上記の通りである) に相当する基質を、少なくとも一種のタンパク質および少なくとも一種の金属イ オンの存在下で酸化に付することを特徴とする上記方法。 2.基R3中のグルコシドはグルコピラノシド単独かあるいはグルコピラノシ ド、ラムノピラノシド、アラビノピラノシドといったオシドに付くグルコピラノ シドからなる群から選ばれる、請求項1記載の方法。 3.芳香物質はバニリン、ベンズアルデヒド、アニスアルデヒド、プロトカテ クアルデヒドからなる群に属する、請求項1または請求項2記載の方法。 4.用いるタンパク質は金属タンパク質である、請求項1から請求項3のいず れか1項に記載の方法。 5.金属タンパク質はヘモグロビン、ミオグロビン、オキシドレダクターゼ、 デヒドロゲナーゼ、オキシゲナーゼからなる群から選ばれる、請求項4記載の方 法。 6.タンパク質はゼラチン、カゼイン、ウシ血清アルブミンからなる群から選 ばれる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の方法。 7.遊離形または錯体形成した形で使用される金属イオンは、鉄、コバルト、 銅、マグネシウム、マンガンおよび亜鉛からなる群から選ばれる、請求項1から 請求項6のいずれか1項に記載の方法。 8.タンパク質は精製形で使用する、請求項1から請求項7のいずれか1項に 記載の方法。 9.タンパク質は微生物細胞の浮遊系、植物若しくは動物由来の細胞、組織あ るいは器官の摩砕調製物または前記組成物のタンパク質前濃縮物による未精製形 で使用される、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の方法。 10.タンパク質は基質に関して0.01から20重量%の量、好ましくは基質 に関して0.1から5重量%の量で使用され、金属イオンは基質に関して0.0 005から0.2重量%の量で使用される、請求項1から請求項9のいずれか1 項に記載の方法。 11.水中で、またはpH2から10を有する水性緩衝媒質中で使用する、請求項 1から請求項10のいずれか1項に記載の方法。 12.15から50℃、好ましくは25から40℃の温度で使用する、請求項1 から請求項11のいずれか1項に記載の方法。 13.大気圧で、または103から107パスカルの空気圧若しくは酸素圧下で使 用する、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の方法。 14.攪拌下で使用する、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の方法 。 15.2時間から5日の期間使用する、請求項1から請求項14のいずれか1項 に記載の方法。 16.製造した芳香物質を抽出または蒸留により反応媒質から単離する、請求項 1から請求項15のいずれか1項に記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
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