JPH10508745A - 鳥肉産業における飼育および生産動物の生産の増加用薬剤 - Google Patents

鳥肉産業における飼育および生産動物の生産の増加用薬剤

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JPH10508745A JP8510808A JP51080895A JPH10508745A JP H10508745 A JPH10508745 A JP H10508745A JP 8510808 A JP8510808 A JP 8510808A JP 51080895 A JP51080895 A JP 51080895A JP H10508745 A JPH10508745 A JP H10508745A
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ニコリン,クルト
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Abstract

(57)【要約】 鳥肉産業における飼育および生産用動物の/における生産を増加する薬剤であって、少なくとも1種類のキサントフィルからなる薬剤が記載されている。好ましいキサントフィルは、アステキサンチンである。更に、鳥肉産業における飼育および生産用動物の/における生産を増加する方法であって、少なくとも1種類のキサントフィル、好ましくはアスタキサンチンからなる薬剤を飼料に加えて動物に投与することによる方法が開示されている。また、鳥肉産業における飼育および生産動物の/における生産を増加する薬剤、好ましくはアスタキサンチンを飼料で上記動物に投与することによる、上記薬剤の使用について開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】 鳥肉産業における飼育および生産動物の生産の増加用薬剤 本発明は、鳥肉産業(poultry industry)における飼育および生産用動物の/に おける生産を増加するための薬剤、この薬剤を用いる生産の増加法、およびその 薬剤の使用に関する。この薬剤は、少なくとも1種類のキサントフィル、好まし くは天然に産生されるアステキサンチンからなっている。これを鳥肉産業におい て飼料に入れて飼育および生産用動物に投与して、それらの生産を増加するので ある。背景 鳥肉産業において、飼育および生産用動物の/における生産は、経済にとって 極めて重要である。繁殖力(fertility)が低いという問題があると、卵の生産が 低く、孵化成績が悪くなり、これにより収入が減少し、生産コストが上昇する。 新たに孵化した若鳥は、一生の最初の時期にワクチン接種、輸送、飢餓、および 環境の変化により多くのストレスを受け、これにより感染症や時には高死亡率を 引き起こす。鳥肉産業およびこの産業への供給業者は、消費者も受け入れること ができる経済的解決策を見いだすために、何十年もこの複雑な問題に取り組んで きた。 卵黄の黄色を増す目的で飼育用雌鳥(hen)に対する飼料に混合した天然産のア スタキサンチンを用いる飼育試験において、意外なことには、アスタキサンチン は卵の生産、孵化率、および雌鳥の健康状態も改善することを見出した。更に、 飼料の消費量も減少した。 アスタキサンチン含量を高めた飼料を用いると生産収率が高くなることの理由 はわからないが、これはアスタキサンチンの酸化防止特性、および従っていわゆ るフリーラジカルを除去する能力によるものと考えられる。他のキサントフィル も酸化防止特性を有する。しかしながら、生物学的試験においては、アスタキサ ンチンは、他のカロチノイドと比較して明らかに最良の酸化防止特性を有するこ とが証明された(Miki W.,1991,Pure and Appl Chem 63 (1): 141-146)。 アスタキサンチンは、分子中に炭素および水素の他に酸素を含む大きなグルー プのカロチノイドであるキサントフィルに属している。それらは、鳥類、魚類お よび甲殻類に多量に見られ、これらの動物の多くにそれらの典型的な着色を与え ている。しかしながら、それら自身ではキサントフィルを生産することはできな いので、それらは必要とする飼料の内容物に全面的に依存している。カロチノイ ドは、植物、真菌および幾つかの細菌によって新たに生産される。 キサントフィルは、以前から長い間雌鳥を提供するための飼料およびブロイラ ー用の飼料に世界の幾つかの地域で用いられてきている。この目的は、単に生成 物である卵黄または脂肪および皮膚組織を着色し、消費者の要求を満たすための ものであった。色素の供給源としては、天然産のキサントフィルおよび合成によ って製造されたもののいずれもが用いられてきた(Hencken H.,1992,Poultry Geflugelkunde 56 (3): 109-112)。 スウェーデンの市場で雌鳥を提供するための飼料では、ルテインを含むムラサ キウマゴヤシ(lucerne)やグラスミール(grass meal)、ゼアキサンチンを含むト ウモロコシ製品、およびキサントフィルのカプサンチンを含むパプリカが主とし て用いられている。代替物として、Algatech AB、スウェーデン、は最近、天然 産のアスタキサンチンをスウェーデン市場に導入した。 キサントフィル、および取り分けアスタキサンチンは、鳥肉産業における飼育 および生産用動物の/における生産を増加する能力を有することは、以前は知ら れていなかった。 発明の説明 本発明は、第一の局面では、鳥肉産業における飼育および生産用動物の/にお ける生産を増加する薬剤であって、少なくとも1種類のキサントフィルからなる 薬剤に関する。 好ましい態様では、キサントフィルの種類はアスタキサンチンである。特に好 ましい態様では、アスタキサンチンは脂肪酸とエステル化されている形態で存在 する。上記形態のアスタキサンチンは、藻類(alga)であるHaematococcus sp.の 培養によって生産することができる。 従って、本発明による薬剤は、異なる種類のキサントフィルまたは異なる形態 の同じキサントフィルの混合物、例えば合成アスタキサンチンと天然産のアスタ キサンチンとの混合物からなっていてもよい。 本発明のもう一つの局面は、鳥肉産業における飼育および生産動物の/におけ る生産を増加する方法であって、少なくとも1種類のキサントフィルからなる薬 剤を飼料に加えて動物に投与する方法に関する。 本方法の態様では、キサントフィルはの種類はアスタキサンチンであるのが好 ましい。本発明による方法の好ましい態様では、脂肪酸とエステル化した形態で 存在するアスタキサンチンを投与する。投与される薬剤の量は、1〜50mg薬 剤/kg飼料の範囲であるのが好適である。 本発明の更にもう一つの局面は、鳥肉産業における飼育および生産用動物の/ における生産を増加するための、少なくとも1種類のキサントフィルからなる薬 剤を飼料に加えて上記動物に投与することによる、上記薬剤の使用に関する。 また、本発明のこの態様において、好ましい種類のキサントフィルはアスタキ サンチンであり、これは特に好ましい態様では、脂肪酸とエステル化した形態で 存在する。実施した試験および薬剤の製造の説明 試験に用いた薬剤は、藻類によって生産されたキサントフィルのアスタキサン チンであり、使用された動物は飼育用雌鳥(hens)およびひな鳥(chickens)であっ た。 他の供給源からのアスタキサンチンおよび他のキサントフィルでも同様に、飼 育用雌鳥およびひな鳥の両者についてと同様の結果が得られる。しかしながら、 藻類からのアスタキサンチンを使用する利点は、アスタキサンチンが脂肪酸とエ 20 (11): 2561-2564)、これは遊離のアスタキサンチンと比較して動物に一層効 率的に摂取されやすくなる。このアスタキサンチンはまた、それにより取扱いお よび保存中に遊離アスタキサンチンより安定である。 天然産のアスタキサンチンは、藻類の他に真菌類や甲殻類からも得ることがで きる。この試験で用いられるアスタキサンチンは、下記の方法で藻類Haematococ cus sp.の培養によって製造した。 Haematococcus sp.は、Vovocales 目Chlamydomonadaceae科に属する単細胞緑 藻である。生殖は、通常は無性生殖による細胞分裂によって起こるが、同型接合 の有性生殖も散発的に起こる。藻類をバッチ培養すると、むち(scourge)を備え たいわゆるマクロゾイド(macrozoides)の形態に成長する。培地の栄養含量が減 少して、成長を継続する限界になると、細胞はむちをゆるめてパルメラ期に入り 、その後いわゆるヘマトシスト(haematocystes)を形成する。これらは、細胞を 取り囲んでいる強力な細胞壁を特徴としており、この細胞はまたアスタキサンチ ンが蓄積される脂肪性の液胞に富んでいる。ヘマトシストは藻類の休止期であり 、これにより藻類は乾燥期などを生き抜くことができる。 製造に当たっては、速やかに成長して、高力価のアスタキサンチンを産生する Haematococcus sp.の種または株を適当に選択する。多数の様々な種や株の Haematococcusがいわゆる微生物株保存機関から入手でき、野生生育個体群から 適当な株を単離する可能性もある。好適な種は、NIVA、ノルウェーから入手可能 なH.pluvialisである。 藻類の保存株(stock cultures)はそれに適する培地で純粋培養で保持される。 第1表を参照されたい。温度は約+15℃であり、光強度は約50μEm-2-1 とすればよい。 接種材料は、生産培養用の保存培養種(stock cultures)から採取する。接種時 の細胞密度は、>5000細胞/mlであり、約5日間で細胞密度が約 200 000細胞/mlに達したならば、培養物を更に大きな容積のものに再 接種する。藻類材料の培養時に、温度は約+15℃に保持し、光強度は約100 μEm-2-1とすべきである。培養種については、同じ組成の培地を用いる。培 養物は、1〜5%CO2を混合した圧縮空気で攪拌する。或いは、CO2を別個に 、培地のpH値が6.5〜8.5に保たれるような量で加えてもよい。 藻類培養物の容積が約100リットルに達したならば、培養物容積が2〜10 0m3に達することがあるときにも藻類細胞を露光することができる装置からな る製造ユニットの接種に用いる。このような装置は浅い池、透明なチューブの構 造物、光源に向けられたパネル、或いは実施例のように、蛍光ランプの形態での 水中に浸した照明を備えたタンクのようにデザインしてもよい。 製造容器に>5000細胞/mlの細胞密度を接種し、培地を第1表に従って 栄養塩を加える。温度を約+25℃に保ち、光強度を100μEm-2-1とすれ ばよい。培養物を、圧縮空気によって攪拌する。二酸化炭素を培養物に加えて、 pH値が6.5〜8.5となるようにする。培地での栄養物摂取が止み始めたな らば、藻類細胞はパルメラ期に変わり、アスタキサンチンを合成し始める。なお 、光強度を適当に約250μEm-2-1まで、温度を+30℃まで適当に増加し 、NaClを培地に添加して、塩含量が0.1〜0.3%となるようにする。こ れらの変化はアスタキサンチンの生産を促進する目的で行われる。10〜20日 間で、細胞はヘマトシストを生産し、細胞密度は5〜10×105細胞/mlま で増加した。 細胞を、沈降または遠心分離によって培地から分離する。次いで、回収したペ ースト状の藻類細胞をホモジナイザーを通過させて、細胞壁を破壊する。次に、 細胞壁が破壊された細胞からなるペーストを、2つの方法のいずれかで処理する ことができる。ペーストは、乾燥して乾燥粉末を得てもよい。乾燥は、できるだ け穏やかに行い、アスタキサンチンが分解しないようにすべきである。ペースト の乾燥の代替法は、ペーストから色素を抽出することである。アスタキサンチン は疎水性が高いので、抽出は適当な油、例えば大豆油で行なうことができる。 試験に用いた飼料中のアスタキサンチンの量は、1〜50mgアスタキサンチ ン/kg飼料であった。結果 飼育用雌鳥の飼料に混合した上記で製造した天然産のアスタキサンチンを用い る飼育試験では、卵黄の黄色味が増したことの他に、卵生産、孵化率および雌鳥 の健康状態を増進するといった結果が得られた。更に、飼料消費量は減少した。 飼料中でアスタキサンチンを投与された雌鳥から生まれたひな鳥の中では、卵黄 嚢炎(yolk sac inflammation)によって引き起こされる死亡率は減少し、生存の 最初の3週間は、飼料からアスタキサンチンを摂取しなかった母鳥のひな鳥と比 較して、成長および飼料の利用は改善した。アスタキサンチン含量を増加させた 飼料で飼育した雌鳥からの卵は、アスタキサンチン含量を増加させた飼料を摂取 しなかった雌鳥からの卵と比較して、保管中にサルモネラ菌による感染に対する 抵抗性が増加した。この理由は、これらの卵が卵と卵黄の回りに存在する「一層 強力な」膜によるものと思われる。 アスタキサンチンを強化した飼料を投与された雌鳥からの卵を更に観察したと ころ、これらの卵は他の卵より長期間の保存において新鮮な卵の特徴を保持した 。従って、例えば卵白のゼラチン状稠度および卵黄の周囲の膜の「結合機能(uni ting function)」は、かなり長期間保持された。 アスタキサンチンを屠殺用ひな鳥の飼料に添加したところ、死亡率および病気 によって除去される動物の数は減少した。成長および飼料利用は、アスタキサン チンを摂取しなかった群と比較して、改良された。 要約すれば、天然産のアスタキサンチンは、飼育用雌鳥およびそのひな鳥のい ずれの生産成績も向上させる。それ故、本発明は、鳥肉産業における生産成績を かなり向上させるのに寄与する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 インボール,ヨハン スウェーデン国リドケーピング、ベックベ ーゲン、27

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 鳥肉産業における飼育および生産用動物の/における生産を増加する薬 剤であって、少なくとも1種類のキサントフィルからなる薬剤。 2. キサントフィルの種類がアスタキサンチンである、請求の範囲第1項に 記載の薬剤。 3. アスタキサンチンが脂肪酸とエステル化した形態で存在する、請求の範 囲第2項に記載の薬剤。 4. アスタキサンチンが、藻類Haematococcus sp.の培養によって生産され たものである、請求の範囲第3項に記載の薬剤。 5. 鳥肉産業における飼育および生産用動物の/における生産を増加する方 法であって、少なくとも1種類のキサントフィルからなる薬剤を飼料に入れて動 物に投与することを特徴とする、方法。 6. キサントフィルの種類がアスタキサンチンである、請求の範囲第5項に 記載の方法。 7. アスタキサンチンが脂肪酸とエステル化した形態で存在する、請求の範 囲第6項に記載の方法。 8. 投与する薬剤の量が、飼料1kg当たり1〜50mg薬剤の範囲である 、請求の範囲第6項または7項に記載の方法。 9. 鳥肉産業における飼育および生産用動物の/における生産を増加する目 的で、少なくとも1種類のキサントフィルからなる薬剤を、上記飼料に入れて動 物に投与することによる、上記薬剤の使用。 10. キサントフィルの種類がアスタキサンチンである、請求の範囲第9項 に記載の使用。 11. アスタキサンチンが脂肪酸とエステル化した形態で存在する、請求の 範囲第10項に記載の使用。
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