JPH10507343A - 網膜芽細胞腫タンパク質相互作用性ジンクフィンガータンパク質 - Google Patents

網膜芽細胞腫タンパク質相互作用性ジンクフィンガータンパク質

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JPH10507343A JP8508227A JP50822796A JPH10507343A JP H10507343 A JPH10507343 A JP H10507343A JP 8508227 A JP8508227 A JP 8508227A JP 50822796 A JP50822796 A JP 50822796A JP H10507343 A JPH10507343 A JP H10507343A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、哺乳動物の網膜芽細胞腫(Rb)タンパク質相互作用性ジンクフィンガー(RIZ)タンパク質、RIZをコードする核酸分子、およびRIZに特異的な抗体を提供する。本発明はまた、RIZと、RIZに結合し得る第2の分子との会合を効果的に変化させる薬剤を同定するためのスクリーニングアッセイを提供する。本発明はまた、転写を調節し得る、PRドメインを含有するRIZの活性フラグメントを提供する。さらに、本発明は、RIZをコードする核酸分子を細胞に導入するための方法、および細胞と、細胞の機能を調整するために有効な薬剤とを接触させるための方法を提供する。このような方法は、例えば、被検体における心臓細胞またはニューロン細胞の増殖を誘導するため、および腫瘍細胞に正常な増殖制御をもたらすため、または腫瘍細胞の分化を引き起こすために有用である。本発明はさらに、RIZまたはRIZをコードする核酸分子を検出することにより、サンプル中のRIZを検出するための方法を提供する。このような方法は、細胞におけるRIZのレベルの増加もしくは減少により、または細胞における変異RIZの発現により特徴付けられる病理を診断するために有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 網膜芽細胞腫タンパク質相互作用性ジンクフィンガータンパク質 本発明は、一部、国立衛生研究所により授与されたCA57496、および癌治療セ ンターにより授与された5T30 CA30199の下での政府の援助によりなされた。合衆 国政府が本発明の特定の権利を所有する。 発明の背景 発明の分野 本発明は、分子生物学分野、特にRb相互作用性ジンクフィンガー(RIZ)タン パク質をコードする核酸分子、および遺伝子転写の調節に関係するRIZの保存ド メインに関する。 背景情報 網膜芽細胞腫Rbタンパク質は、正常な細胞増殖および分化の制御において重要 な役割を果たすことが知られている。細胞の分裂能は、細胞が細胞周期の種々の 期を通過することを要求する。Rbは、細胞周期のG1またはG0として知られる期に 正常細胞を保持することにより、その細胞が分裂するのを防止すると考えられて いるが、Rb機能の基礎をなす正確な機構は知られていない。しかし、Rbは、遺伝 子転写の調節に関係するタンパク質を含む種々の細胞性タンパク質を結合し得る ことが知られている。従って、Rbは、このような細胞性タンパク質との相互作用 により、その作用を発揮し得る。 細胞増殖の制御においてRbが果たす役割は、Rbの作用のために通常増殖しない 組織の増殖の促進に対して興味深い標的にすることである。例えば、細胞死によ り機能を失った心筋組織および神経組織は、残存する生存細胞のその後の増殖に より通常修復されない。従って、Rbの増殖制御機能をブロックする方法は、心臓 細胞死または神経細胞死の状況における組織修復を誘導するのに有用であり得る 。 Rbはまた、腫瘍サプレッサーとして知られている。なぜなら、ガン細胞の異常 増殖は、Rbタンパク質の不活性化の結果であり得るからである。このような不活 性化は、腫瘍形成腫瘍ウイルスの産物であるウイルス腫瘍タンパク質の結合に続 くRbタンパク質の変異または不活性化のいずれかにより起こり得る。Rbポケット と呼ばれるRb中の特定の領域は、その増殖制御機能にとって重要であるようであ る。なぜなら、変異または腫瘍タンパク質結合によるRb不活性化は、この領域に 影響を与えるからである。 Rbの機能化、およびウイルス腫瘍タンパク質がポケットに結合することにより Rbを調節し得るという理解におけるRbポケットの重要性は、ポケットに結合する ことによりRbの機能を調節し得る正常な細胞性タンパク質が存在し得ることを示 唆する。このようなタンパク質の同定は、心機能または神経機能の欠損を含む疾 患、あるいはガンの制御において、Rbにより媒介される細胞増殖の制御を調節す るための新規なアプローチを提供する。 従って、細胞増殖および分化を制御するための新規なアプローチを提供するた めに、Rbに結合し得、そしてRbを調節し得るタンパク質を同定することの必要性 が存在する。本発明は、この必要性を満たし、そして関連する有利性を同様に提 供する。 発明の要旨 本発明は、例えば、ヒトRIZおよびラットRIZを含む、実質的に精製された哺乳 動物のRb相互作用性ジンクフィンガータンパク質(RIZ)を提供する。さらに、 本発明は、Rbを結合する、配列EIRCEEKPEDL(配列番号6)およびEIRCDEKPEDL( 配列番号91)のようなRIZの活性フラグメントを提供する。本発明はまた、RIZま たは変異RIZに特異的に結合し得る抗体を提供する。 本発明はさらに、哺乳動物RIZおよびその活性フラグメントをコードする核酸 分子、その核酸分子を含むベクター、およびそのベクターを含む宿主細胞を提供 する。さらに、本発明は、RIZをコードする核酸分子またはRIZをコードする変異 核酸分子に特異的にハイブリダイズし得るヌクレオチド配列を提供する。 さらに、本発明は、PRドメインを含むペプチドを提供する。このPRドメインは 、種々のタンパク質中に保存され、そして標的遺伝子の転写の調節に関係し得る 。一般的に、PRドメインペプチドは、約100〜約120個のアミノ酸を含む。このPR ド メインは、各約10〜約12個のアミノ酸の一連の3つの高度に保存された配列とし て特徴的に配列しており、この保存配列は、各約24〜約34個のアミノ酸のあまり 保存されていない配列により互いに分離されている。本発明のPRドメインは、本 明細書に開示されるRIZタンパク質に存在するPRドメイン、およびタンパク質PRD I-BF1、Evi-1およびegl-43に存在するPRドメインにより例示される。 本発明はさらに、DNA調節因子に結合し得るペプチドに作動可能に結合した本 発明のPRドメインを含む融合タンパク質を提供する。例えば、本発明の融合タン パク質は、特定の遺伝子プロモーターまたはエンハンサーに結合するペプチドに 作動可能に結合したPRドメインを含み得、ここで融合タンパク質の、特定のプロ モーターまたはエンハンサーを含む遺伝子である標的遺伝子への結合は、標的遺 伝子の発現を変化させ得る。従って、本発明の融合タンパク質は、1つ以上の標 的遺伝子の転写の調節に有用であり得る。 さらに、本発明は、転写因子、およびPRドメインペプチドまたはPRドメインを 含むRIZ活性フラグメントを結合する腫瘍タンパク質を同定する方法をさらに提 供する。このような因子およびタンパク質の同定は、細胞分化および形質転換を 操作するための新規なアプローチを提供する。 本発明はまた、Rbのような第2の分子とのRIZの会合を有効に変化させ得るか 、またはRIZの活性を有効に変化させ得る薬剤の同定に有用なスクリーニングア ッッセイを提供する。第2の分子とのRIZの会合を変化させるか、またはRIZの活 性を変化させることにより、有効な薬剤は細胞増殖のような細胞機能を調整し得 る。 本発明はさらに、細胞を有効な薬剤と接触させることにより、細胞(例えば、 神経細胞または心筋細胞)の増殖を促進するための方法を提供する。例えば、細 胞増殖は、有効な薬剤(例えば、RIZの活性フラグメントをコードするヌクレオ チド配列に作動可能に結合した発現制御配列を有する発現ベクター(ここで、活 性フラグメントは、完全なRIZタンパク質の増殖抑制特性を欠く))を細胞に導 入することにより促進され得る。さらに、本発明は、完全なRIZタンパク質をコ ードする発現可能な核酸分子をガン細胞に導入することにより、ガン細胞に対し て正常な細胞増殖の制御を回復するための方法を提供する。 本発明はまた、RIZタンパク質またはRIZをコードする核酸分子の存在を検出す ることにより、サンプル中のRIZを検出する方法を提供する。このような方法は 、細胞におけるRIZの発現レベルの増加または減少、あるいは変異RIZの発現によ り特徴付けられる病理を診断するために使用され得る。このような方法はまた、 RIZをコードする変異核酸分子により特徴付けられる病理を診断するために使用 され得る。 本発明はさらに、サンプルからRb腫瘍サプレッサータンパク質または変異Rbを 単離するために有用な方法を提供する。例えば、Rbは、RIZまたはRIZ活性フラグ メント(例えば、配列EIRCEEKPEDL(配列番号6)またはEIRCDEKPEDL(配列番号 91))を用いるアフィニティークロマトグラフィーにより、サンプルから単離さ れ得る。 図面の簡単な説明 図1Aおよび1Bは、別のヌクレオチド配列(配列番号1および94)および全長ラ ットRIZタンパク質の推定アミノ酸(a.a.)配列(配列番号2)を示す。 図1Aは、全長ラットRIZタンパク質のcDNA配列(配列番号1)および推定アミ ノ酸配列(配列番号2)を示す。右側の数字はヌクレオチド位置を示し;左側の 数字はアミノ酸位置を示す。以下の特徴に下線を付す:上流インフレーム停止コ ドン(ヌクレオチド位置100〜102)、cr2コアモチーフ(アミノ酸位置304〜309 )、8個のジンクフィンガー(アミノ酸位置357〜377、478〜499、387〜407、11 25〜1203(フィンガー4〜6)、1323〜1343および1445〜1466)および推定核局 在化シグナル(アミノ酸位置867〜874)。推定ロイシンジッパーは、アミノ酸位 置667〜695から位置し;このジッパー内のT、HおよびL残基に下線を付す。1 文字アミノ酸記号を使用する。 図1Bは、ラットRIZをコードするヌクレオチド配列(配列番号2)の5'末端に 存在する別のヌクレオチド配列(配列番号94)を示す。この別のヌクレオチド配 列(配列番号94)は、図1Aに示すヌクレオチド配列(配列番号1)の5'末端でヌ クレオチド1〜91を置き換える。 図2A〜2Cは、ラットRIZと種々の他のタンパク質との間の相同性を示す。1文 字アミノ酸記号を使用する。数字は、完全なタンパク質に関するアミノ酸位置を 示す。 図2Aは、RIZアミノ酸配列と種々のE1A配列とを比較する。アデノウイルスの異 なる株のE1A配列は、Kimelmanら、J .Virol. 53:399-409(1985)、MoranおよびMa thews、Cell 48:177-178(1987)、およびIshinoら、Virology 165:95-102(1988) からである。同一または密接に関連する残基を四角で囲む。1文字アミノ酸記号 を使用する。配列ドメイン、RIZ cr1(配列番号79)、Ad2E1A cr1(配列番号44 )、Ad5 cr1(配列番号45)、Ad7 cr1(配列番号46)、Ad12 cr1(配列番号47 )、EA7 cr1(配列番号48)、Ad40 cr1(配列番号49)、RIZ cr2(配列番号65) 、Ad2E1A cr2(配列番号66)、Ad5 cr2(配列番号67)、Ad7 cr2(配列番号68) 、Ad12 cr2(配列番号69)、EA7 cr2(配列番号70)、Ad40 cr2(配列番号71) 、RIZ ce1(配列番号72)、Ad2E1A ce1(配列番号73)、Ad5 ce1(配列番号74) 、Ad7 ce1(配列番号75)、Ad12 ce1(配列番号76)、EA7 ce1(配列番号77)お よびAd40 ce1(配列番号78)を示す。 図2Bは、RIZの推定SH3およびSH3結合ドメインを示す。パネルa:RIZと他の公 知のSH3ドメイン含有タンパク質(Lowensteinら、Cell 70:431-442(1992))との 配列比較。同一または密接に関連する残基を四角で囲み、そしてRIZ中のリン酸 結合ループ(配列番号80)に下線を付す。GRB2 N末端(配列番号50)、GRB2 C 末端(配列番号51)、P85(配列番号52)、v-abl(配列番号53)、c-srv(配列 番号54)、GAP(配列番号55)、PLC(配列番号56)およびv-crk(配列番号57) 由来の配列を示す。パネルb:公知のSH3結合タンパク質(Renら、Science 259: 1157-1161(1993))由来のSH3モチーフと比較したRIZの推定SH3結合モチーフ。同 一または密接に関連する残基を四角で囲む。(配列番号81)、ホルミン(formin )(配列番号58)、3BP1(配列番号59)、3BP2(配列番号60)およびm4mAChR( 配列番号61)由来の配列を示す。 図2Cは、RIZとPRDI-BF1タンパク質(KellerおよびManiatis、Genes Devel. 5: 868-879(1991))との間の相同性を示す。パネルa:RIZジンクフィンガー4〜6 (配列番号82)のPRDI-BF1ジンクフィンガー1〜3(配列番号62)とのアライメ ント。コンセンサス配列を、点により示される同一でない残基と共に示す。潜在 的DNA接触残基に星印を付ける(PavletichおよびPabo、Science 252:809-817(19 91))。パネルb:RIZ(アミノ酸位置39-115:配列番号83およびアミノ酸位置11 6-145:配列番号84)とPRDI-BF1(アミノ酸位置60-139:配列番号63およびアミ ノ酸位置140-169:配列番号64)との間のアミノ末端相同性。コンセンサス配列 を、点により示される同一でない残基と共に示す。 図3:RIZドメイン構造の略図。PR:PRDI-BF1に相同なドメイン;AR:酸性領 域またはE1A関連領域;LZ:ロイシンジッパー;cr1およびcr2:保存領域1およ び2;ce1:共通のエピトープ1。ジンク(Zn)フィンガー、GTPaseおよびSH3な らびにSH3結合ドメインも示す。 図4は、35S標識RIZ(アミノ酸位置1〜575)がインビトロでRbに特異的に結 合することを示す。RIZまたはSV40ラージT抗原由来のペプチドの非存在下また は存在下で結合アッセイを行った。T-pep:ラージT抗原のペプチド(アミノ酸 位置101-118);T-pep*:T-pepの1アミノ酸残基の変異体(107Glu);RIZ-pep :RIZのペプチド(アミノ酸位置304-314);RIZ-pep*:RIZ pepの1アミノ酸変 異体(307Gly)。 図5Aおよび図5B:RbのRIZ結合部位をマッピングするためのRb欠失変異体の使 用。 図5A:C末端RIZフラグメント(アミノ酸位置245-573)を含む精製グルタチオ ン(glutathionine)S-トランスフェラーゼ融合タンパク質を、図5Bに示すよう な35S標識Rb野生型(wt-Rb)および種々の欠失変異体(レーン2〜5)への結合 について試験した。野生型(wt)全長Rb(A9)、全長RbのCysからPheへの変異( H209)、アミノ酸位置515-619(NM)、585-697(PP)および804-928(B3)由来 のRb欠失変異体を示す。 図5B:Rb野生型(wt-Rb)およびRb欠失変異体の略図。Rbポケットの2つのサ ブドメインを、黒四角で表す。グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)RIZ( アミノ酸位置245-573)を結合する変異体を、「+」記号で示す。p56 Rb:アミ ノ酸位置379-928由来のRbの56kDフラグメント。 図6は、HT1080細胞由来のRbのグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)と C末端融合した精製ラットRIZ(アミノ酸位置215-462)とのインビトロ結合を示 す。HT1080細胞抽出物由来の低リン酸化(hypophosphorylated)Rb(pRb)およ びリン酸化Rb(ppRb)の位置を、レーン4に示す。左側の数字は、分子量マーカ ー(キロダルトン)の移動を示す。 図7A〜7Cは、ラットRIZタンパク質がDNAを結合することを示す。 図7A:SDS-PAGE(10%アクリルアミド)およびGSTのクマシーブルー染色;GST Z13:GST-RIZ(ジンクフィンガー1〜3を含むアミノ酸位置245-573);およびG STZ46:GST-RIZ(ジンクフィンガー4〜6を含むアミノ酸位置1114-1260)。KD は、分子量マーカーの移動を示す。 図7B:亜鉛イオン存在下での、32P標識ラットゲノムDNAのGST、GSTZ13およびG STZ46への結合。 図7C:亜鉛イオンを添加しなかったこと以外は図7Bの通り。 図8Aおよび図8Bは、ラットRIZ GTPaseドメイン(アミノ酸位置760-949)のGTP 結合活性を示す。 図8A:SDS-PAGE(10%アクリルアミド)および精製GST-Gのクマシーブルー染 色:GST-RIZ(760-949:グルタチオンS-トランスフェラーゼとC末端融合したRI Z GTPaseドメイン)。 図8B:GST(レーン1)およびGST-G(レーン2〜6)による32P-GTP結合。示 すように、過剰の非標識ヌクレオチドの非存在下または存在下(レーン3〜6) で、結合を行った。 図9A〜9Cは、別のヌクレオチド配列(配列番号3および配列番号95〜96)、全 長ヒトRIZの推定アミノ酸配列(配列番号4)、およびヒトRIZ cDNAのさらなる3 '非翻訳配列(配列番号97)を示す。 図9Aは、全長ヒトRIZの完全なヌクレオチド配列(配列番号3)および推定ア ミノ酸配列(配列番号4)を示す。3文字アミノ酸記号を使用する。右側の数字 はヌクレオチド位置を示す。 図9Bは、2つの別のヌクレオチド配列(配列番号95〜96)を示し、これらは、 図9Aに示すヌクレオチド配列(配列番号3)の5'末端で存在する最初の129ヌク レオチドを置換する。クローン5Yおよび1Yに対するコードアミノ酸配列を示す( それぞれ、配列番号102および103)。 図9Cは、ポリAテールを含むヒトRIZ cDNAの3'非翻訳配列(配列番号97)を示 す。この配列は、cDNAの3'末端の遠隔で、すなわち図9Aに示す3'非翻訳配列(配 列番号3)の下流でヒトRIZ cDNA中に位置する。さらなる非翻訳配列が、配列番 号3の3'末端と配列番号97の5'末端との間に存在する。 図10は、完全なヒトRIZアミノ酸配列(hRIZと示される;配列番号4)と、完 全なラットRIZアミノ酸配列(rRIZと示される;配列番号2)とを比較する。コ ンセンサス配列を示す。1文字アミノ酸記号を使用する。hRIZおよびrRIZにおい て同一のアミノ酸を「.」として示す。 図11Aおよび図11Bは、示すように、成体および胎児ラット組織におけるRIZ mR NA発現を示す。ロードしたRNAの相対量を、アクチンに対してプローブすること により比較した(各ブロットの下部を参照のこと)。各図の左側の数字は、示す ように分子量マーカー(Kb:キロベース)の位置を示す。 図11Aは、32P標識ラットRIZ(アミノ酸位置245-883を表す1.9Kbフラグメント )でプローブされた成体mRNAのノーザンブロットを示す。Att-20は、マウス下垂 体細胞株である。 図11Bは、32P標識ラットRIZ(アミノ酸位置463-574を表す)でプローブされた 、16日齢胎児ラット(E16)および成体ラット由来のRNAを用いるRNase保護実験 を示す。 図12は、種々のヒト細胞株およびラット細胞株(GCと示す)由来のmRNAを用い るRNase保護実験を示す。321塩基対マーカー(321b)は、32P標識ラットRIZ(ア ミノ酸位置457-579)の保護を示すが、一方、130塩基対マーカー(130b)はアク チンの保護を示す。 図13は、4つの転写調節タンパク質中に存在するPRドメインペプチドのアライ ンメントを示す。配列は、相同性を最大にするためにアラインメントされる。「 −」は、相同性を保持するために導入された空白を示す。配列の上部を横切る数 字は、PRドメインペプチドにおけるアミノ酸の数を示す。各配列の開始の数字は 、各タンパク質のN末端からのアミノ酸位置を示す。4つのペプチドの少なくと も3つにおいて特定の位置で見出される同一または類似の残基を網かけにする。 PRドメインペプチドにおいてある位置で同一のアミノ酸を黒網かけで示し、そし て保存領域を灰色網かけで示す。「PRDI-BF1」は、ヒト陽性調節ドメイン1−結 合因子1(配列番号98)を示し;「RIZ」は、ヒトRIZタンパク質(配列番号99) を示し;「EVI1」は、ヒトエコトロピック(ecotropic)ウイルス組込み部位− 1骨髄形質転換遺伝子産物(配列番号100)を示し;「egl-43」は、C.elegans e gl-43遺伝子産物(配列番号101)を示す。 図14は、マウスRIZのコードエキソン4〜6のヌクレオチド配列(配列番号104 )および推定アミノ酸配列(配列番号105)を示す。右側の数字はヌクレオチド 位置を示す。 発明の詳細な説明 本発明は、新規な哺乳動物のRb相互作用性ジンクフィンガータンパク質(RIZ と称する)を提供する。RIZは、核のリンタンパク質であり、細胞分化因子とし て作用する。RIZは、細胞増殖の調節に関与する網膜芽細胞腫(Rb)タンパク質 と結合することにより、細胞の機能を調整し得る。さらに、RIZは、転写を調節 するために作用し得る。 Rbは、110キロダルトン(kD)の核のリンタンパク質であり、DNAと結合可能で あり、そして調べた限りすべての組織タイプにおいて発現される。Rb機能の完全 な欠如は、小児網膜芽細胞腫の発症と関連する。さらに、Rbは、種々のガン腫( carcinoma)および肉腫を含む種々のガン(cancer)タイプにおいて変異してい る。このことは、腫瘍形成におけるRbの役割を示す。種々のタイプの腫瘍細胞に おける外因性Rbの発現は、腫瘍の表現型を抑制する(総説については、Leeら、J .Cell Biochem. 38:213-227(1988)を参照のこと)。 細胞内での生化学的レベルのRbの機能は、十分に理解されていない。Rbは、リ ン酸化形態および非リン酸化形態で細胞内に存在する。Rbのリン酸化状態は、細 胞周期中、低リン酸化形態を伴って変動し、細胞周期のG1期に細胞を保つことと 相関する。従って、リン酸化の状態は、Rb機能において重要な役割を果たす。 Rbタンパク質は、アデノウイルスE1Aタンパク質、SV40ラージT抗原およびヒ ト乳頭腫ウイルスのE7タンパク質を含む、いくつかのDNA腫瘍ウイルス腫瘍タン パク質に結合する(DeCaprioら、Cell 54:275-283(1988);Whyteら、Cell 56: 67-75(1989);Dysonら、Science 243:934-937(1989))。腫瘍タンパク質である E1AおよびラージT抗原は、Rbポケットとして知られているRbタンパク質の類似 する領域に結合する。Rbポケットは、タンパク質内で2つの不連続のアミノ酸配 列により形成される(Huら、EMBO J. 9:1147-1155(1990);Huangら、EMBO J. 9 :1815-1822(1990);Kaelinら、Mol .Cell.Biol. 10:3761-3769(1990)、これ らのそれぞれは、本明細書中で参考として援用される)。これらのウイルス腫瘍 タンパク質によるRbへの結合は、正常なRb機能を変化させ得る。 Rbはまた、種々の細胞性因子と結合し得る。そのような因子として、例えば、 c-MycおよびN-Myc(Rustgiら、Nature 352:541-544(1991))、E2F(Bagchiら、Cell 65:1063-1072(1991))、活性化転写因子-2(ATF-2;Kimら、Nature 358: 331-334(1992))、c-Abl(WelchおよびWang、Cell 75:779-790(1993)、MyoD(G uら、Cell 72:309-324(1993))およびbrahma関連遺伝子-1(BRG-1;Dunaiefら 、Cell 79:119-130(1994))が含まれる。これらの細胞性因子は、例えば、遺伝 子調節および細胞分化に関与しているため、Rbは、細胞の転写因子および分化因 子の活性を調節する役割を有し得る。 本明細書中で開示されるように、RIZは、Rbポケットに結合する正常な細胞タ ンパク質である。RbへのRIZ結合は、腫瘍タンパク質の結合と異なる。なぜなら 、RIZは、細胞周期のG0またはG1期に細胞を保つことを助ける分化因子として機 能するからである。このことは、RIZが細胞内でRb(これは、細胞増殖および細 胞分化の既知の調節因子である)に結合し得るという事実、およびRIZは、既知 の分化因子および転写因子であるPRD1-BF1/Blimp-1と構造的に関連しているとい う事実に基づく(Huang、Cell 78:9(1994))。 細胞増殖を調節する能力は、種々のヒトの疾患または病状の重要な示唆を有す る。ガンは、細胞がその増殖を調節する能力の崩壊に起因する疾患の例である。 対照的に、細胞増殖の制御の維持が、細胞死を生じる疾患または傷害後の器官ま たは組織の機能における持続性の喪失に寄与する心筋細胞および神経細胞のよう な例がある。これらの場合において、傷害を受けた組織または器官は、完全には 再生しない。なぜなら、残りの生存細胞は、喪失した機能を戻すために増殖し得 ないからである。 心臓疾患は、虚血または他の傷害による心筋の細胞死が心機能の喪失をもたら す例である。一般的に、残りの生存している心臓細胞が増殖して、喪失した心筋 機能を再生することは、成人においては起こらない。心筋細胞の増殖は、胚発生 および新生(neonatal)成長中に生じ得るが、この増殖能は、出生後速やかに失 われる。同様に、外傷または疾患に起因する神経の損傷は、神経機能の再生を通 常伴わない。なぜなら、残りの神経細胞は、細胞周期のG1期に保たれているから である。Rbのような転写調節因子は、細胞が細胞周期に入り、そして増殖し得る か否かを制御する重要な役割を果たす。対照的に、Rbの不活性化は、ガン細胞の 調節されない増殖に関与する。 本明細書中で開示されるように、RIZはRbに結合し得、そして細胞周期のG1期 に細胞を保つRbの能力を調節し得る。RbおよびRIZの会合能に影響する方法、ま たはRIZの活性に影響する方法を用いて、細胞増殖を調整し得る。RIZは、心筋の 細胞死後、細胞が増殖することを阻止することにより正常な成人の心筋細胞の増 殖を調節し得る。RIZは、RIZのcr2ドメインを介してRbと相互作用することによ り、G1に細胞を維持するように機能し得る。さらに、細胞の機能的分化状態(こ れは、G1における細胞の維持に関与する)が影響を受け、その一部は、他のRIZ ドメイン、例えば、PRドメイン、GTP結合ドメインおよびジンクフィンガードメ インの作用を介する。 本発明は、実質的に精製されたRIZタンパク質を提供する。特定の実施態様に おいて、本発明は、実質的に精製された哺乳動物のRIZを提供する。例えば、本 発明は、図9A(配列番号4)または配列番号102もしくは配列番号103(図9Bに示 す)により置換される最初の3個のアミノ酸を有する図9Aに示すアミノ酸配列を 実質的に有するヒトRIZ、図1A(配列番号2)に示すアミノ酸配列を実質的に有 するラットRIZ、および図14(配列番号105)に示すアミノ酸配列を実質的に有す るマウスRIZを提供する。 本明細書中で使用する用語「アミノ酸配列を実質的に」は、開示したアミノ酸 配列に類似する配列を意味する。例えば、ヒトRIZ(配列番号4)またはラットR IZ(配列番号2)に実質的に類似するアミノ酸配列は、RIZと同様に機能するよ うにコードされるタンパク質の能力を実質的に変化させない、1つ以上のアミノ 酸の付加、欠失、または置換を有し得る。この定義により、例えば、図1A(配列 番号2)に示すラットRIZ配列(これは、ヒトRIZ配列に対して84%の相同性であ る)は、ヒトRIZ(配列番号4)のアミノ酸配列を実質的に有する。同様に、ラ ットRIZ cr2フラグメント配列EIRCEEKPEDL(配列番号6)は、実質的にヒトRIZ cr2フラグメント配列EIRCDEKPEDL(配列番号91)の配列である。後者の2つの配 列の差は、Cysの次の残基が、ヒトではAspである代わりに、ラットではGluであ るという1つの保存的置換による。 本明細書中で使用される用語「実質的に精製された」は、細胞内でタンパク質 と通常会合する脂質、タンパク質、核酸、または他の細胞性物質が比較的混入し ていない形態にあるタンパク質を意味する。実質的に精製されたヒトRIZタンパ ク質は、例えば、周知の生化学的精製方法を用いて、または配列番号3として示 される核酸分子のようなRIZをコードする組換え核酸分子を発現させることによ り得られ得る。さらに、配列番号4のアミノ酸配列の少なくとも一部からなるア ミノ酸配列は、化学的に合成され得るか、または、配列番号3として示されるヌ クレオチド配列の一部を発現させることにより生成され得る。 本明細書中で使用される用語「タンパク質」または「ポリペプチド」は、細胞 性遺伝子または組換え核酸配列によりコードされ得るかあるいは化学的に合成さ れ得るアミノ酸の配列を意味するための最も広い意味で用いられる。いくつかの 場合では、用語「ポリペプチド」は、全長タンパク質をコードするアミノ酸配列 の一部を示すために用いられる。RIZの活性フラグメントは、このようなポリペ プチドの一例である。タンパク質は、完全で、全長の遺伝子産物であり得、これ はアミノ酸改変のないコアタンパク質であり得るか、あるいは、リンタンパク質 、糖タンパク質、プロテオグリカン、リポタンパク質、または核タンパク質のよ うな翻訳後改変された形態のタンパク質であり得る。 全長ラットRIZタンパク質は、1706アミノ酸を含み、そして算定分子量187,437 ダルトンを有する(図1A;配列番号2)。ラットRIZは、cr2コアモチーフとして 知られる6残基のE1A関連モチーフ(アミノ酸304〜309位)を含み、これはE1Aの LXCXE(配列番号5)コアモチーフに関連する。さらにRIZ中のE1A関連モチーフ は、cr1モチーフおよび「保存エピトープ1」(ce1)と称されるC末端モチーフ (E1AのC末端の同種モチーフに対する抗原関連性による(実施例IIを参照のこ と))を含む。ラットRIZはまた、8個のジンクフィンガー、推定GTPaseドメイ ン、推定ロイシンジッパー、および推定核局在化シグナルを含む(図1および図 3)。 ラットRIZの3つすべてのE1A関連モチーフは、約150残基(AR;図3)からな り、そしてE1A 12Sタンパク質の高酸性領域に類似する酸性領域に位置される(M oranおよびMatthews、Cell 48:177-178(1987))。RIZおよびE1Aの両方において 、関連するモチーフは同程度に配置され、そしてcr1とcr2との間の間隔はほぼ同 じである。しかし、ce1モチーフは、E1AよりもRIZにおいて、cr2により近傍に位 置される(図2Aを参照のこと)。 ラットRIZタンパク質配列は、規則正しく編成され、そして共通間隔により分 けられた公知のGTPaseモチーフ(表1)を含む(Bourneら、Nature 349:117-127 (1991))。G1またはWalkerA型モチーフ(GX4GKX7(I/V);配列番号14)は、リン 酸結合ループ(P-ループ)を表し、RIZのアミノ酸749位に生じ、そしてグアニン またはアデニン核酸結合部位を同定する(Walkerら、EMBO J. 1:945-951(1982) ;Sarasteら、Trends Biochem .Sci. 15:430-434(1990))。残基749位の周辺の配 列はまた、多くの非レセプターチロシンキナーゼおよび他のタンパク質において 保存されるsrc相同3(SH3)ドメインに類似である(図2B、パネルa);Pawsonお よびGish、Cell 71:359-362(1992))。RIZはまた、いくつかの潜在的なSH3結合 モチーフを有するプロリンリッチ領域を含む(図2B、パネルb);Renら、Science ,259:1157-1161(1993))。 配列の相同性は、哺乳動物RIZタンパク質が、N末端領域(フィンガー1〜3 )およびC末端領域(フィンガー4〜6)において、2つに広く分けられたクラ スターとして編成された8個のジンクフィンガーモチーフを含むことを示す。Na tional Biomedical Research Foundationタンパク質データベースの調査は、ジ ンクフィンガーについて最も有意な相同性を示すのは、RIZのフィンガー4〜6 である(これはヒト転写リプレッサーPRDI-BF1のフィンガー1〜3と約39%(85 のうち33)が同一である)ことを示した(図2C参照;KellerおよびManiatis、前 出、1991)。 RIZはまた、N末端の近傍に約100残基の領域を含み、これは「PR」と称される 。なぜなら、それはPRDI-BF1(図2C参照)およびBlimp-1(Huang、前出、1994) の類似のN末端領域と42%の相同性を示すからである。PR(本明細書中で「PRド メインペプチド」とも呼ばれる)は、哺乳動物Evi-1タンパク質のN末端の一部 に相同性を示し(Morishitaら、Cell 54:831-840(1988);Morishitaら、Oncogene 5:936-971(1990))、そしてEvi-1の相同体であるC.elegansのegl-43タンパク 質のN末端の一部に相同性を示す(Garrigaら、Genes Devel. 7:2097-2109(199 3);図13参照)。 Evi-1タンパク質は、エコトロピックウィルス融合部位-1骨髄形質転換遺伝子 の産物である。Evi-1遺伝子の異常発現は、ヒト急性骨髄形成異常性白血病(AML )、脊髄形成異常症(MDS)、および慢性ミエロサイト白血病(CML)に生じる。 これは、染色体バンド3q26を含む遺伝子の転座または転位によるためである(例 えば、Morishitaら、Proc .Natl.Acad.Sci.,USA 89:3937-3941(1992)を参照 のこと)。図13に示されるEvi-1タンパク質の最初の102アミノ酸(配列番号100 )は、5'非翻訳配列であることが以前に報告されたヌクレオチドによりコードさ れる(Morishitaら、前出、1990);図13において108位に存在するメチオニン( すなわち、図13において示されるEvi-1の103番目のアミノ酸)は、開始コドンと して指定された。しかし、本明細書中で開示されるように、さらに上流のATGコ ドンの開始コドンとしての指摘は、図13に示されるように、Evi-1のPRドメイン ペプチドのブロックAおよびBを解明する(配列番号100)。 一般に、PRドメインペプチドは約100〜約120のアミノ酸長であり、そして3つ の高保存配列(ブロックA、B、およびCと称される)を含み、これらは約10〜 約12のアミノ酸からなり、約20〜約35のアミノ酸の低保存配列により分離される (図13参照)。RIZ、Evi-1、およびegl-43のそれぞれのブロックA、B、および Cは、個々のエキソンによりコードされる。ラットRIZのPRドメインペプチド( アミノ酸36〜151位;配列番号2)およびヒトRIZのPRドメイン(アミノ酸37〜15 2位;図13、配列番号99参照)は、ヒトRIZがアミノ酸70位にリジンを含むのに対 して、ラットRIZは等位(アミノ酸位69位)にアルギニンを含むこと以外は同一 である。さらに、マウスRIZタンパク質(PRドメインペプチドのブロックBおよ びC(図14;配列番号104および105)を含む)の一部をコードするcDNAの分析は 、推定アミノ酸配列(すなわち、図14の最初の75アミノ酸(配列番号105))が ヒトRIZのPRドメインの対応する領域(すなわち、図13の45〜120位のヒトRIZと 称されるアミノ酸;配列番号99)と同一であることを明らかにした。 PRドメインタンパク質の間の相同性は、図13に示されるアミノ酸配列を調べる ことにより明白である(配列番号98〜101)。保存アミノ酸の置換を考慮する場 合、哺乳動物PRドメインペプチド(配列番号98〜100)は、示されるそれら全長 のそれぞれの間で約33%以上の相同性を示す。さらに、高保存ブロックA、B、 およびCは、それぞれ、3つの哺乳動物タンパク質の間で、約75%、50%、およ び55%の相同性を示す。加えて、X101と称される配列(ブロックBとCとの間に 位置する)は、示される哺乳動物PRドメインペプチドの間で約38%の相同性を示 す。 一般に、PRドメインペプチドはアミノ酸配列Y-A-X100-B-X101-C-Zにより定義 され得る。ここで、Yは独立的に選択された約8〜13個のアミノ酸である;X100 は独立的に選択された約20〜35個のアミノ酸である;X101は独立的に選択された 約20〜35個のアミノ酸である;Zは独立的に選択された約8個のアミノ酸である ;Aは、Ile-X2-X3-Gly-X4-X5-X6-Gly-X7-X8-X9-X10であり、ここでX6はPheまた はIle、X7はProまたはVal、X10はGlyまたはLys、そしてX2、X3、X4、X5、X8およ びX9はそれぞれ独立的に選択されたアミノ酸であり、好ましくは、X3はLysまた はVal、X5はArgまたはLys、X6はPhe、X7はPro、X9はIleまたはVal、そしてX10 はGlyである。Bは、Ile-X11-X12-X13-X14-X15-X16-X17-X18-X19-X20-X21であり 、ここでX11はAspまたはCys、X15はProまたはGlu、X16はGluまたはAsp、X20はTr pまたはPhe、X21はMetまたはLeu、そしてX12、X13、X14、X17、X18およびX19は それぞれ独立的に選択されたアミノ酸であり、好ましくは、X11はAsp、X12はGly またはAla、X17はLysまたはVal、X18はSerまたはGly、X19はAsnまたはSer、そし てX20はTrpである。そしてCは、X22-X23-L-X24-X25-X26-X27-X28-X29-X30-Dであ り、ここでX22はGluまたはGln、X23はGluまたはAsn、X24はLeuまたはIle、X25は ValまたはLeu、X30はArgまたはGlu、X27およびX29はそれぞれ独立的に選択され たアミノ酸であり、そしてX26およびX28はそれぞれ独立的に存在しないかまたは 1個のアミノ酸であり、好ましくは、X23はGlu、X24はLeu、X26はTrpまたはPhe 、X27はTryまたはMet、そしてX28は、存在する場合、AsnまたはLysである。 本発明は、PRドメインを転写調節因子の構成要素として提供する。転写調節因 子は、ドメインを特定の遺伝子プロモーターまたはエンハンサーに作動可能に連 結する。ここで、融合タンパク質の標的遺伝子への結合は、標的遺伝子の発現を 変化し得る。本明細書中で使用される用語「転写調節」は、転写の抑制および転 写の活性化を包含する。特に好ましくは、PRドメインを含む転写調節因子が、配 列番号2のアミノ酸17〜900位または配列番号4のアミノ酸18〜910位を含む。 さらに本発明は、PRドメインまたはPRドメインを含むRIZ活性フラグメントを 、PRドメインを結合する細胞において転写因子または発ガン性タンパク質を同定 するためのプローブとして提供する。ペプチドと別の細胞分子との間の相互作用 を検出する方法は、PRドメインと転写因子または発ガン性タンパク質との間の結 合の検出に有用である。このような方法は当該分野において周知であり、そして 、例えば、2酵母ハイブリッド系を包含する(FieldsおよびSong、Nature 340:2 45-246(1989);Vojtekら、Cell 74:205-214(1993);Durfeeら、Genes Devel. 7:5 55-569(1993)、それぞれが本明細書中で参考として援用される)。2酵母ハイブ リッド系のようなインビボ転写活性化アッセイは、特に、タンパク質の会合を同 定および操作するために有用である。このようなアッセイを用いて得られた結果 は、細胞中に自然に生じる相互作用を反映するようである。またインビトロアッ セイの利用(例えば、GST融合PRドメイン(実施例IIを参照))は、PRドメイン 結合 標的を同定するおよび単離する、簡単、迅速ならびに安価な方法を提供し得る。 このようなインビトロアッセイは、特に、インビボで得られた結果の確認に有用 である。 ヒトRIZを、ラットRIZcDNAをハイブリダイゼーションプローブとして用いて、 ヒトcDNAおよびゲノムDNAライブラリーよりクローニングした。完全ヒトRIZ cDN A配列は図9Aに示される(配列番号3)。これは1719アミノ酸残基を有するポリ ペプチドをコードする(図9A、配列番号4を参照)。ヒトRIZの2つの代替5'末 端をコードするクローンもまた得られた(図9B、配列番号95および96を参照)。 ヒトRIZ遺伝子コード領域は8個のエキソンによりコードされ、そして染色体1 p36上に位置される(実施例VIを参照)。ヒトRIZ遺伝子の対立遺伝子変異体が本 明細書において開示される。RIZ D283対立遺伝子は、Asp残基をアミノ酸283位に 有する(配列番号4)。一方、RIZ E283対立遺伝子はGluを有する(図9A、D283 対立遺伝子を参照)。RIZ D283対立遺伝子は、RIZ E283対立遺伝子と比較して、 ヒト集団において2倍よりも多い頻度で生じることが見積もられる。2つの対立 遺伝子間の差異は、RIZ D283対立遺伝子のヌクレオチド969位のT(配列番号3 )とRIZ E283対立遺伝子の同位置のAである。 ヒトRIZの283位の残基をコードするヌクレオチド(配列番号4)は、図9Aに示 されるヌクレオチド952〜981位のトリプレット(triplet)反復ヌクレオチド領 域(配列番号3)内に包含される。D283対立遺伝子をコードするトリプレット領 域は(GAA)5(GAT)5(5-5と称される)である。一方、E283対立遺伝子をコードす るトリプレット領域は(GAA)6(GAT)4(6-4と称される)である。他の対立遺伝子 または変異体は、Malme 3M黒色腫細胞株の1対立遺伝子において検出された(GAA )4(GAT)4トリプレット配列(4-4と称される)、ならびにSK-MEl-64およびMeWo黒 色腫細胞株の1対立遺伝子において検出された(GAA)7(GAT)4配列(7-4と称され る)を包含する(実施例VIを参照)。 推定ラットRIZアミノ酸配列(配列番号2)と推定ヒトRIZアミノ酸配列(配列 番号4)とは、84%の相同性を示す。ラットおよびヒトRIZタンパク質は、類似 の配列モチーフを有し、cr1、cr2、ce1、PR、ジンクフィンガー、SH3、SH2、お よび核局在化シグナルを包含し、そして同様の大きさである;ラットRIZ(配列 番号2)は、1706アミノ酸を含み、そして算定分子量187,437ダルトンを有する 。一方、ヒトRIZ(配列番号4)は、1719アミノ酸を含み、算定分子量188,894ダ ルトンを有する。ラットRIZに対して産生されたウサギ抗血清は、ヒトRIZと交差 反応する(実施例IIを参照)。 RIZタンパク質は、最初、細胞核内に存在する。RIZ mRNAは、最初に細胞の神 経分泌内起源において発現され、そして成体よりも胎児においてより多い量で発 現される(図11を参照)。RIZはラット細胞において、250kDのリンタンパク質と して発現される。 本明細書中で使用される用語「RIZ」は、図9A(配列番号4)に示されるヒトR IZまたは図1A(配列番号2)に示されるラットRIZのアミノ酸配列を実質的に有 することを意味する。用語「RIZ」は、RIZの5'末端変異体のような正常変異体( 図9B、配列番号95および96、102および103を参照)および本明細書中で開示され る対立遺伝子変異体を包含する。このような正常変異体はアミノ酸配列において 異なるが、GTP、DNA、またはRbに結合するような同一または同様の機能活性を共 有する(実施例を参照)。RIZは、「正常RIZ」または「野生型RIZ」と呼ばれ、 これらすべては変異RIZと区別される。対立遺伝子変異体に加え、RIZはまた、RI Zエキソンのサブセットによりコードされ、そしてRIZと同様に機能する短縮型RI Zタンパク質であり得る。このような変異RIZは、選択的RNAスプライシングによ り細胞中で生成され得る。これは、ヒトRIZの3つの5'末端変異体に起因し得る (図9Aおよび図9B、配列番号3、4、95、96、102および103を参照のこと)。 用語「RIZ」はまた、RIZの活性フラグメントを含む、RIZのペプチドフラグメ ントを包含する。本明細書中で使用される用語「活性フラグメント」は、全長RI Zタンパク質のペプチドの一部を意味し、これは、対応する全長タンパク質に特 徴的な活性を少なくとも1つ有する。ラットRIZのペプチドの一部(配列EIRCEEK PEDLを有する(配列番号6))またはヒトRIZのペプチドの一部(配列EIRCDEKPE DLを有する(配列番号91)は、Rbに結合し得るRIZの活性フラグメントの例であ る。さらに、PRドメインを含むRIZのペプチド部分(例えば、ラットRIZのアミノ 酸36〜151位(配列番号2)またはヒトRIZのアミノ酸37〜152位(配列番号4; また、配列番号99を参照のこと))は、RIZタンパク質の活性フラグメントの例 である。これは、転写因子と相互作用し得、そして転写の調節に関与し得る。い くつかの場合において、RIZタンパク質の活性フラグメントは、核に存在する場 合のみ活性である。このような場合、活性フラグメントは、核局在化シグナル( 例えば、ヒトRIZのアミノ酸880〜884位(配列番号4)またはラットRIZのアミノ 酸867〜874位(配列番号2)を含む)を含み得る。核局在化シグナルは、RIZの 活性フラグメントの別の例である。RIZの活性フラグメントに会合し得る他のRIZ 活性としては、亜鉛イオン依存形式でDNAに結合する能力、GTPまたは抗RIZ抗体 に結合する能力、あるいは抗RIZ抗体を得るためにハプテンまたは免疫原として 作用する能力が挙げられる。 本発明は、RIZの活性フラグメント(例えば、EIRCEEKPEDL(配列番号6)また はEIRCDEKPEDL(配列番号91))を提供し、これはRIZ cr2コアモチーフのアミノ 酸配列を実質的に含み、フラグメントの活性がRb結合であるときにシステイン残 基が必要とされる。ヒトRIZまたはラットRIZのフラグメントを含むcr2コアモチ ーフは、RIZの活性フラグメントの例である。このような活性フラグメントは、 組換えDNA法により、ペプチド合成により、またはRIZタンパク質の酵素的切断に より産生され得る。本発明はまた、本明細書中で援用されるRIZ cr2コアモチー フを有する天然に存在しないポリペプチドを提供する。このようなポリペプチド は、例えば、周知の組換えDNA法を用いて、またはペプチド合成により産生され 得る。 cr2配列(例えば、アミノ酸配列EIRCEEKPEDL(配列番号6)およびEIRCDEKPED L(配列番号91))を含むRIZタンパク質またはRIZポリペプチドは、Rbに結合し 得、そしてそれゆえ、サンプルよりRbを単離するために有用である。精製Rbは、 例えば、被験体が変異Rbを有するか否かを検出する臨床試験においてコントロー ル標的として使用され得る。さらにRbは、サンプルがRbと結合し得るRIZを有す るかまたはRbに結合し得ない変異RIZを有するかを検出する試薬として使用され 得る。Rbの機能に影響し、そしてガンに特徴的な変異体は当該分野において周知 である(例えば、Leeら、Tumor Suppressor Genes、第11章、Marcell Decker(19 90)を参照のこと)。 Rbを精製するために、RIZタンパク質が適切な条件下において、Rbを含有する サンプルと接触させ得、これはRIZ-Rb複合体の形成を許容する。複合体形成の適 切な条件は経験に基づいて決定され得、そして、例えば、RIZのRbへの結合を許 容する適切な緩衝液濃度、pH、時間、およびインキュベーション温度を包含する 。RIZ-Rb複合体はサンプル中の未結合物質より分離され得、そしてRbは複合体よ り解離され得、そして実質的に精製された形態で得られ得る。 実質的に精製されたRbが、例えば、アフィニティクロマトグラフィーの使用に より得られ得る。これは、RIZを固体支持体に結合する工程、サンプルがRBのRIZ への結合を許容する支持体に載せられる工程、未結合物を除去するために支持体 を洗浄する工程、およびRbを支持体より溶出する工程を含む。有用な固体支持体 としては、例えば、アガロース、SepharoseTM、またはプラスチックが挙げられ る。RIZは、直接化学結合により、または非直接的な手段(例えば、支持体に結 合された抗RIZ抗体と親和性相互作用)により固体支持体に接合され得る。RIZの 支持体への結合のための他の非直接的手段は、RIZに実在する公知のリガンド/ レセプター対を組み込む工程、対応する実在物を直接支持体に結合する工程とと もに包含する。例えば、ビオチンはRIZと結合され得、そしてアビジンはRIZを支 持体に結合するために直接固体支持体に結合され得る。また、RIZはグルタチオ ンS-トランスフェラーゼの融合物として発現され得(実施例IIを参照)、そし て融合タンパク質はグルタチオン結合支持体に結合され得る。 本発明はまた、RIZ結合試薬を提供する。本明細書中で使用される表現「RIZ結 合試薬」は、RIZと特異的に結合する化学的または生物学的分子を意味する。RIZ に関して本明細書中で使用される用語「特異的な結合」は、定義された一連の条 件下で、RIZ結合試薬がRIZと相互作用するが、関係しない分子または変異RIZと は相互作用しないことを意味する。Rbおよび抗RIZ抗体はRIZ結合試薬の例である 。 本発明はまた、変異RIZ結合試薬を提供する。本明細書中で使用される表現「 変異RIZ結合試薬」は、変異RIZに特異的に結合するが、野生型RIZには結合しな い化学的または生物学的分子を意味する。この場合、変異RIZ結合試薬は、定義 された一連の条件下で、変異RIZと相互作用するが、野生型RIZとは相互作用しな い。 RIZに特異的なRbおよび抗体は、RIZに特異的に結合し得る試薬の例である。本 明細書中で使用される用語「抗体」は、広範な意味で使用され、以下を包含する :ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体、ならびに抗体のポリペプチド フラグメント(特定抗原への特異的結合活性を少なくとも1×105M-1を保持する )。例えば、抗RIZ抗体のFab、F(ab')2、Fv、およびFdフラグメントのようなフ ラグメントが、RIZに対する特異的な結合活性を保持し得、これにより、フラグ メントが抗体の定義の範囲内に含まれることは当業者の範囲内である。さらに、 本明細書中で使用される用語「抗体」は、天然に存在する抗体、ならびに天然に 存在しない抗体および結合活性を保持する抗体のフラグメントを包含する。この ような天然に存在しない抗体は、固相ペプチド合成法を用いて構築され得るか、 組換え的に産生され得るか、または例えば、可変重鎖および可変軽鎖からなる組 み合わせライブラリーのスクリーニング(Huseら、Science 246:1275-1281(1989 )、これは本明細書中において参考として援用される)により得られ得る。 RIZに特異的な抗体が、例えば、HarlowおよびLane、Antibodies: A laborator y manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press、1988)に記載され、本明細 書中で参考として援用される周知の方法の使用により調製され得る。例えば、RI Zタンパク質またはRIZタンパク質の一部は、免疫原として用いられ得、これは、 天然の供給源から調製され得るか、組換え的に産生され得るか、または、RIZタ ンパク質の一部の場合、化学的に合成され得る。RIZタンパク質の非免疫原性ペ プチドは、血清アルブミンまたはキーホールリンペット(keyhole limpet)ヘモ シアニンのようなキャリア分子に結合することにより免疫原を作製し得る(例え ば、HarlowおよびLane、前出、1988に記載)。さらに、RIZ融合タンパク質は、 実施例IIに記載されるように発現され得る。このような融合タンパク質は容易に 精製され得、そして免疫原として用いられ得る(実施例IIを参照)。これらの方 法は、種々の抗RIZ抗体の産生に用いられ得る。 ポリクローナル抗体は、例えば、ウサギまたはヤギにおいて惹起され得る。さ らに、モノクローナル抗体は、周知の方法(例えば、Reedら、Anal .Biochem. 20 5:70-76(1992)を参照のこと、この文献は本明細書中で参考として援用される;H arlowおよびLane、前記、1988も参照のこと)を用いて入手し得る。例えば、RIZ で免疫したマウス由来の脾臓細胞を、適切なミエローマ細胞株(例えば、SP2/0ま たはP3x653.Ag8ミエローマ細胞)と融合してハイブリドーマ細胞を作製し得る。 クローン化ハイブリドーマ細胞株を、標識RIZ免疫原を使用してスクリーニング してモノクローナル抗体を分泌するクローンを同定し得る。所望の特異性および 親和性を有する抗体を発現するハイブリドーマを単離し、そして抗体の連続的な 供給源として利用し得る。モノクローナル抗体の信頼できる供給源は、例えば、 以下に記載するような診断キットを調製するために望ましい。 変異RIZタンパク質に特異的な抗体はまた、全長変異RIZタンパク質または変異 を含むそのタンパク質のフラグメントのいずれかで免疫することによって上記の 方法を使用して調製され得る。変異配列に対する免疫応答を導く方法もまた、当 該分野において周知であり、そして例えば、特定のアジュバントを使用すること または野生型RIZ配列に対して動物を予め寛容化すること(pre-prior tolerizati on)を包含する。このような寛容化は、抗T細胞抗体または免疫抑制剤の投与と 組み合わせて、動物を野生型RIZで免疫することによって実行され得る。変異配 列に対するモノクローナル抗体は、ハイブリドーマの集団を、変異RIZ配列と結 合するが野生型RIZ配列とは結合しない抗体を発現するハイブリドーマについて スクリーニングすることによって入手され得る。 本発明はまた、実質的に精製された核酸分子を提供する。この核酸分子は、哺 乳動物RIZのようなRIZをコードする。例えば、本発明は、ヒトRIZ(図9A;配列番 号3)およびラットRIZ(図1A;配列番号1)をコードするヌクレオチド配列を実質 的に有する、実質的に精製された核酸分子を提供する。このヌクレオチド配列は 、ヒトRIZ(図9B;配列番号95および96)ならびにラットRIZ(図1B;配列番号94)の 別(alternative)の5'ヌクレオチド配列を有するヌクレオチド配列を包含する。 図9Aに示されるヒトRIZをコードするcDNA配列(配列番号3)は、さらに、その一 部分が図9Cに示される(配列番号97)3'非翻訳配列を包含する。さらに、本発明は 、図14に示されるヌクレオチド配列(配列番号104)を実質的に含むマウスRIZをコ ードする、実質的に精製された核酸分子を提供する。 本明細書で用いられる用語「実質的に精製された核酸分子」は、細胞内で核酸 分子と通常会合している脂質、タンパク質、核酸または他の細胞性物質が比較的 混入していない形態である核酸分子を意味する。実質的に精製された核酸分子は 、 例えば、本明細書中に記載の組換えDNA法(Sambrookら、Molecular Cloning: A l aboratory manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press 1989)も参照のこと; この文献は本明細書中で参考として援用される)によって入手され得るかまたは 化学的に合成され得る。 RIZに関して本明細書で用いられる用語「実質的に(その)ヌクレオチド配列("s ubstantially the nucleotide sequence")」は、例えば、ヒトRIZ(配列番号3、 95および96)、ならびに例えば、配列番号3、95および96に示されるものとは異 なるヌクレオチドを含むが、遺伝コードの縮重の結果として、配列番号4、102 および103にそれぞれ示されるものと同じアミノ酸配列をコードする同様な配列 を意味する。さらに、ラットRIZヌクレオチド配列(配列番号1および94)、なら びにラットRIZ配列に対応するマウスRIZヌクレオチド配列(配列番号104)はヒトR IZをコードするヌクレオチド配列(配列番号3)と実質的に同様であると考えられ る。簡便のために、RIZをコードする核酸分子のコード鎖を示す。しかし、相補 鎖もまた開示された核酸分子に包含されることを認識すべきである。従って、他 に示されなければ、本明細書中での核酸分子またはヌクレオチド配列に対する言 及は、相補的配列を包含することを意味する。 本発明の核酸分子は、本明細書中で開示される対立遺伝子RIZ変種、および選 択的RNAスプライシングにより細胞中で生成され得る遺伝子の特定のエキソンの みを含むRIZの変種のような変種RIZをコードし得る。さらに、本発明の核酸分子 は、ポリペプチドEIRCEEKPEDL(配列番号6)およびEIRCDEKPEDL(配列番号91)を含 むRIZの活性フラグメントのようなRIZの一部分をコードし得る。これらのポリペ プチドは、RbポケットまたはPRドメインペプチド(これは、転写因子に結合し得 、そして転写調節に関与し得る)を含むRIZフラグメントに結合する(例えば、図1 3;配列番号98〜101を参照)。 本発明はまた、哺乳動物RIZをコードする核酸分子の一部分と、比較的ストリ ンジェントなハイブリダイゼーション条件下で特異的にハイブリダイズするヌク レオチド配列を提供する。RIZに関して本明細書中で使用される場合、用語「特異 的にハイブリダイズする」は、規定されたハイブリダイゼーション条件のセット 下で、ヌクレオチド配列が、RIZをコードする核酸分子と相互作用し得るが関連 のない核酸分子とは相互作用し得ないことを意味する。RIZと特異的にハイブリ ダイスするヌクレオチド配列は、RIZをコードするヌクレオチド配列に相補的で あり得るか、またはRIZをコードする配列またはその一部分であり得る。 RIZをコードする核酸分子、またはRIZをコードする変異核酸分子に特異的にハ イブリダイズするヌクレオチド配列は、長さが少なくとも10ヌクレオチドである べきであり、そして例えば、RIZをコードするクローン化核酸分子の制限エンド ヌクレアーゼ消化、または図1Aまたは1B(配列番号1または94)もしくは図9A、9B または9C(配列番号3、95、96および97)に示される核酸分子の一部分のPCR増幅 、あるいは化学合成によって調製され得る。RIZ PRドメインペプチド(図13を参 照)の高度に保存されたブロックA、BまたはCをコードするヌクレオチド配列 の1つ以上とハイブリダイズし得るヌクレオチド配列は、例えば、PRドメインペ プチド含有ファミリーのタンパク質の他のメンバーをコードする核酸分子を同定 するに特に有用であり得る。 比較的ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、経験的に決定され 得るか、または例えば、ハイブリダイズするヌクレオチド配列および標的配列の 相対的なGC:AT含量、ハイブリダイズするヌクレオチド配列の長さ、ならびに存 在する場合には、ハイブリダイスするヌクレオチド配列と標的配列との間のミス マッチの数に基づいて推定され得る。所望であれば、ハイブリダイズするヌクレ オチド配列は、検出可能に標識され、そしてプローブとして使用され得るか、ま たはPCRのプライマーとして使用され得る。ヌクレオチド配列を検出可能に標識 するための方法は、当該分野において周知である(例えば、Sambrookら、前記、1 989を参照のこと:またAusubelら、Current Protocols in Molecular Biology、 第2巻第10章(Greene Publ.、NY、1989)この文献は本明細書中で参考として援用 される)。 本明細書で使用される場合、用語「RIZをコードする変異核酸」は、エキソンに 変異を有し、従って変異RIZタンパク質をコードする核酸分子、ならびにエキソ ン以外のRIZ遺伝子領域に変異を有する核酸分子を包含する。エキソンの外側で 生じるRIZ遺伝子の変異は、細胞においてRIZの発現を調整する遺伝子の調節エレ メントを包含し得る。変異され得るこのような調節エレメントには、例えば、プ ロモーター、エンハンサー、リボソーム結合部位、またはイントロン−エキソン スプライシング部位が挙げられる。用語「変異RIZ」もまた、変異RIZのペプチドを 包含し、これは変異RIZの活性フラグメントを含む。 RIZ遺伝子の調節エレメントに生じる変異は、細胞におけるRIZの発現レベルに 対して重大な影響力を有し得る。さらに、RIZのリーディングフレーム内の終止 コドンをコードするRIZエキソンにおける変異は、不活性であり得るか、変化し た活性を有し得るか、または細胞において迅速なタンパク質分解を受け得る短縮 型RIZを生成し得る。同様に、RIZをコードする遺伝子の実質的な部分を含む欠失 は、RIZ発現の喪失を生じ得る。 本明細書において使用される場合、用語「変異RIZ」は、RIZエキソンに変異を有 する任意のRIZを包含する。この変異は、細胞によって通常発現される野生型RIZ の機能的活性とは異なる機能的活性を有するRIZの発現を生じる。変異RIZに特徴 的な機能的活性の変化は、野生型RIZ配列における1以上のアミノ酸の付加、欠 失または置換に起因し得る。このような変異は自然に生じ得るか、または例えば 、Rbについて生じるように、集団中に内在して、世代間で遺伝し得る。変異RIZ は、ヒトRIZ(配列番号3)の437位のヌクレオチドのGからAへの変化を有し得る 。これは、アミノ酸106位でCys残基の代わりにTyr残基を有する変異RIZの発現を 生じる(配列番号4)。 本発明はまた、比較的ストリンジェントな条件下で、RIZをコードする変異核 酸分子に特異的にハイブリダイスするが、野生型RIZにはハイブリダイスしない ヌクレオチド配列を提供する。この場合、ハイブリダイズする配列は、RIZ遺伝 子の変異を含む部分に相補的であるべきである。 特定のRIZ対立遺伝子の発現は、RIZ遺伝子の変異のために、ガン細胞において 変化され得る。本明細書中で開示されるように、いくつかの黒色腫腫瘍細胞は、 この細胞に存在する2つのRIZ対立遺伝子のうちの1つをコードするmRNAを発現 できない(実施例VIを参照)。発現されない対立遺伝子は、RIZの発現に影響を及 ぼす、RIZをコードする配列の外側の変異を含むようである。RIZタンパク質また はRIZ遺伝子を介するこのような変異の検出は、ガンのような病理状態の診断と なり得る。 変異RIZは、例えば、RIZをコードする核酸分子を部位特異的変異誘発し、次い で変異誘発した核酸分子をスクリーニングしてコードされた変異RIZを同定する ことによって入手し得る。RIZの機能的活性(例えば、Rb結合、DNA結合またはGTP 結合)に影響を及ぼす変異は、このような活性を喪失した変異体についてスクリ ーニングすることによって検出され得る。変異RIZ、例えば、変異ヒトRIZ(これ は例えば、Rbに結合し得るが別のRIZ活性を欠く)の細胞における発現は、野生型 RIZのRbとの会合を変化させ得、そして細胞の機能(例えば、細胞の増殖能)に影 響を及ぼし得る。 RIZの核における発現能力は、そのDNA、RbおよびGTP結合能力(実施例IIおよび IVを参照のこと)ならびにそのBlimp-1(PRDI-BF1)分化因子との相同性とともに、 RIZが転写調節タンパク質または細胞分化因子として機能し得ることを示す。従 って、細胞の機能は、細胞において(ここで、発現されたRIZは、細胞中のRbおよ びDNAに結合し得る)RIZを発現させることによって調整され得る。細胞機能はま た、完全なRIZタンパク質またはPRドメインペプチドを含むRIZの活性フラグメン トが転写調節因子として作用する能力によって調整され得る(実施例VIIを参照) 。 本明細書中で使用する場合、用語「細胞の機能」は、例えば、増殖および分化を 含む細胞活性を意味する。本明細書中で使用される場合、用語「調整する」は増加 させることまたは減少させることを意味する。本明細書中で開示されるように、 細胞の機能は、細胞におけるRIZの発現または変異RIZの発現の変化したレベルに より調整され得る。 本発明は、RIZまたはRIZの活性フラグメントをコードするDNA配列を、細胞に おいて発現させることによって、この細胞の機能を調整するための方法を提供す る。このようなDNA配列は、宿主細胞に、RIZをコードするヌクレオチド配列と作 動可能に連結された遺伝子調節エレメントを有する適切な発現ベクターを導入す ることによって発現され得る。発現ベクターは、ポリペプチドの構成的発現、ま たは所望であれば、誘導性発現を提供し得る。適切な遺伝子調節エレメントを有 する発現ベクターは、発売元から購入可能であるか、または周知の方法を使用し て構築され得る。治療目的のためには、細胞を、組織培養においてトランスフェ クトし、次いで被験体に投与し得るか、あるいは、ウイルスベクターを使用して RIZをコードする核酸を被験体の細胞に導入し得る。 RIZの転写活性は、RIZが細胞核に局在化することを必要とするので、RIZの活 性フラグメントは、そのフラグメントのサイズに依存して、核局在化シグナルを 包含することを必要とし得る。例えば、RIZ活性フラグメントは、アミノ酸867位 〜874位(配列番号2)でラットRIZに、またはアミノ酸880位〜884位(配列番号4) でヒトRIZに内在する核局在化シグナルを包含し得る。あるいは、RIZ活性フラグ メントに含まれる核局在化シグナルは、非RIZタンパク質に由来し得る。細胞核 にタンパク質を導き得る種々の核局在化配列が、当該分野において公知である( 例えば、Dingwallら、EMBO J. 8:69-71(1987)を参照のこと;この文献は本明細 書中で参考として援用される)。 本明細書中で開示されるように、RIZは、正常な成体心筋細胞の成長を調節し 得、そして心筋細胞死に続く生存細胞の増殖を防止し得る。RIZは、RIZのcr2ド メインを介してRbと相互作用することによって、細胞周期のG1期において細胞を 維持するように機能し得る。さらに、細胞の機能的分化状態(細胞周期のG1期で の細胞の維持を含む)は、他のRIZドメイン(例えば、GTP結合ドメインおよびジン クフィンガードメイン)の作用を介して影響され得る。 心臓損傷を有する被験体における心筋細胞の再生は、RIZ活性を直接的に減少 させることにより、またはRIZの結合に続いて生じるRb活性を減少させることに より促進され得る。RIZ活性を、このような細胞において、発現ベクターをこの 細胞に導入することによって減少させ得る。この発現ベクターは、変異RIZポリ ペプチドまたは活性フラグメント(Rbに結合し得るがRIZの成長抑制特性を欠く) をコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結された発現制御配列を有する。 配列EIRCEEKPEDL(配列番号6)およびEIRCDEKPEDL(配列番号91)は、このようなペ プチドの例である。 本明細書中で使用される場合、用語「RIZの成長抑制特性」は、RIZがG1での細胞 の分化および維持をもたらす能力を意味する。実際、この細胞は、延長されたG1 期またはG0期にあり得るか、あるいはG0/G1境界でブロックされ得る。簡便のた めに、任意のこのような細胞を、G1において維持または抑制されているという。 RIZの成長抑制特性または分化特性は、cr2ドメイン以外のこの分子の領域によっ て またはRbポケットへの結合に関与するcr2と共同して媒介され得る。 ニューロンは、心筋細胞と同様に、通常、成体では増殖しない。RIZは、優先 的に、神経細胞において発現される(実施例V)。このことは、これらの細胞のG1 抑制および分化を媒介することにおけるRIZの役割を示す。神経細胞において増 殖を誘導する能力は、神経組織の損傷後の治癒をして、神経変性疾患(neurodege nerative disease)(例えば、パーキンソン病、ハンチントン病またはアルツハイ マー病)あるいは麻痺すなわち運動神経障害を処置することのために有用であり 得る。従って、筋肉細胞においてRIZタンパク質の活性を減少させるための開示 された方法は、同様に神経変性疾患の治療法を提供し得る。 本明細書中で開示されるように、RIZ遺伝子は染色体バンド1p36に存在する。 従って、RIZをコードするヌクレオチド配列の変異は、ガン、特に黒色腫、神経 芽腫、白血病、および乳ガンのような、1p36を含む欠失または再配置(rearrange ment)に関連することが知られているガンの発症に関与し得る。黒色腫細胞は、R IZの対立遺伝子の発現の減少または欠落、ならびにこの細胞において発現される RIZタンパク質の全体量の減少を示し得る。これらの結果は、黒色腫がRIZタンパ ク質レベルの減少、およびこのためのRIZ機能レベルの減少によって特徴付けら れ得ることを示す。これらのことは、遠位染色体1pにおける変化に続いて生じる 黒色腫腫瘍細胞の選択的成長優勢を説明し得る(Dracopolら、Proc .Natl.Acad. Sci.,USA 86:4614-4618(1989))。RIZの発現レベルに影響を及ぼす遠位染色体1 pにおける変異は、遺伝性網膜芽細胞腫の生存個体(survivor)において観察され る黒色腫(Rb遺伝子のホモ接合型不活化(homozygous inactivation)なしで生じる )の危険性の増加の原因であり得る。RbはRIZに結合するので、RIZ対立遺伝子の 発現の減少に起因する、腫瘍細胞におけるRb-RIZ複合体のレベルの減少は、Rb変 異を伴わなずにこの細胞においてRb腫瘍抑制性活性の喪失を生じ得る。 RIZが分化因子であるという開示によって、RIZ機能の喪失およびガン発症はさ らに支持される。そのようなものとして(例えば)、変異RIZは、Rbポケット(細胞 増殖の調節に関与するRb分子中の部位)への結合によって細胞成長の調節に影響 を及ぼし得る。従って、本発明は、変異したまたは失われたRIZ対立遺伝子を有 するガン細胞に、この細胞中で正常なRIZタンパク質を発現させることによって 、 正常な細胞成長を回復させるための方法を提供する。実施例VIに示されるように 、腫瘍細胞におけるRIZの発現を、この細胞をRIZ発現ベクターでトランスフェク トすることによって増加させることは、細胞成長の減少を生じる。 RIZが、第2の分子(例えば、Rb、あるいはDNAまたはRNAのような核酸)と結合 することによって細胞の機能を調整し得るという開示は、細胞においてRIZと第 2の分子との会合を有効に変化させ、そしてその結果、細胞の機能を調整し得る 薬剤を同定する手段を提供する。従って、本発明は、RIZと第2の分子との会合 を変化させ得る有効な薬剤を同定するために有用なスクリーニングアッセイを提 供する。RIZと結合する第2の分子はまた、転写因子またはガン原性タンパク質 であり得る。このような第2の分子は、RIZのPRドメインと結合し得る。 RIZと第2の分子(例えば、Rb)との会合を減少させ得るか、またはRIZの活性を 減少させ得る有効な薬剤は、細胞を、Rbに媒介されるG1停止から解放するために 有用であり得る。あるいは、RIZと第2の分子(例えば、RbまたはDNA)との会合を 増加させるか、あるいはRIZの活性を増加させる有効な薬剤は、ガン細胞の無制 限の成長を、細胞においてより強力なG1停止シグナルを提供することによって減 少させるために有用であり得る。 RIZに特異的に結合するヌクレオチド配列は、当該分野において周知である方 法を使用することによって検出され得る(例えば、El-Deiryら、Nat .Genet. 1:4 5(1992)を参照のこと;この文献は、本明細書中で参考として援用される)。ゲノ ムDNAを、例えば、超音波処理により処理して均一サイズのフラグメントを作製 し得る。このフラグメントをRIZに対する結合能についてスクリーニングし得る 。RIZに結合するゲノムDNA配列は、例えば、抗RIZ抗体およびプロテインAアフ ィニティークロマトグラフィーを使用して単離され得る。単離されたDNA配列は 、PCRによって増幅され得る。この増幅は、もとのゲノムDNAフラグメントを、PC Rプライマーへのアニーリングに適切な「キャッチリンカー」(El-Deiryら、前記、 1992)に連結することによって容易にされ得る。 少なくとも約10ヌクレオチドからなり、そして「キャッチリンカー」を含むラン ダムオリゴヌクレオチドもまた、RIZと結合し得る配列を同定するためにスクリ ーニングされ得る。例えば、RIZタンパク質は、フィルターに固定化され、次い でオリゴヌクレオチドとともに、RIZがRIZ結合配列に比較的特異的に結合するこ とを可能にする条件下でインキュベートされ得る。非結合オリゴヌクレオチドは フィルターから洗い落とされ得、次いで特異的に結合した配列が溶出されそして PCRによって増幅され得る。3以上のサイクルの結合、溶出および増幅の後、コ ンセンサスRIZ結合配列が得られ得る。所望であれば、コンセンサスRIZ結合配列 は、ゲノムDNAライブラリーをスクリーニングしてRIZ結合配列を含むゲノムDNA 配列を得るために使用され得る。 薬剤は、単純なまたは複雑な有機分子、ペプチド、ペプチド模倣物(peptido-m imetic)、タンパク質、炭水化物またはオリゴヌクレオチドのような、RIZと第2 の分子との会合を変化させるかまたはRIZの活性を変化させる能力を有する化学 的または生物学的分子であり得る。RIZに関して、用語「有効な薬剤」は、RIZと 第2の分子との会合を実際に変化させ得るか、またはRIZの活性を実際に変化さ せ得る薬剤を意味する。 有効な薬剤は、例えば、RIZまたは変異RIZをコードするか、あるいはRIZまた は変異RIZをコードするヌクレオチド配列に相補的である核酸分子であり得る。 このような核酸分子は、発現制御配列に作動可能に連結されたRIZコード配列を 有する発現ベクター中に含まれ得る。有効な薬剤はまた、RIZ mRNA配列に相補的 な、アンチセンスRIZまたはリボザイムであり得る。このような薬剤は、細胞に おけるRIZの発現レベルを減少させ得、その結果、細胞において第2の分子と会 合しているRIZの量を変化させ得る。 RIZに関して本明細書で用いられる場合、用語「会合を変化させる」は、RIZと 第2の分子との会合が、有効な薬剤の存在によって、増大するかまたは減少する かのいずれかであることを意味する。細胞中のRIZと第2の分子との会合が変化 する結果、RIZの活性または第2の分子の活性が増大または減少し得、このこと が細胞の機能を調整し得る。RIZに関して本明細書で用いられる場合、用語「活 性を変化させる」は、有効な薬剤が、例えば、第2の分子への結合の結果生じる RIZの活性を改変することによって、上記のようにRIZと第2の分子との会合を変 化させるようなことによって、細胞におけるRIZの活性を増大または減少し得る ことを意味する。 RIZと第2の分子との会合を変化させる有効な薬剤は、RIZと第2の分子とが会 合する能力を妨害し得るか、または結合したRIZ−第2の分子の複合体の解離を 引き起こし得る。有効な薬剤の存在下で、RIZと第2の分子との会合が改変され 得、このことが細胞におけるRIZまたは第2の分子の活性を変化させ得る。変化 した活性の結果、細胞の増殖能のような細胞機能が調整され得る。従って、RIZ と第2の分子との会合を変化させる有効な薬剤の同定は、細胞増殖を調整するた めの手段を提供する。 RIZとRbとの会合を変化させる有効な薬剤は、ガン細胞において生じるような 過剰な細胞増殖によって、または細胞死に応答して再生することができない組織 において生じるような不十分な細胞増殖によって一部特徴付けられる病的状態を 処置するための医薬として有用であり得る。配列EIRCEEKPEDL(配列番号6)また はEIRCDEKPEDL(配列番号91)を有するペプチド(これは、RIZのcr2コアモチーフを 含む)は、有効な薬剤の例である。いずれのペプチドも、RIZとRbとの間の会合を 変化させ得(実施例II)、そして成体の心筋細胞または成体の神経細胞のような細 胞に増殖を誘導し得る。このことにより、損傷または疾患後に、それぞれ、心機 能または神経機能を再生させ得る。 本発明はまた、有効な薬剤を検出するためのインビトロスクリーニングアッセ イを提供する。このようなスクリーニングアッセイは、それらが自動化され得る 点で特に有用である。自動化は、RIZと第2の分子との会合を有効に変化させる かまたは細胞の機能を有効に調整する薬剤を同定するために、例えば、ランダム にまたは合理的に設計された薬剤(薬物、ペプチド模倣物またはペプチドなど)の 大量処理(high through-put)スクリーニングを可能にする。 インビトロスクリーニングアッセイは、例えば、グルタチオン-S-トランスフ ェラーゼ-RIZ融合タンパク質(GST-RIZ;実施例II参照のこと)のようなRIZまたは RIZ融合タンパク質を利用し得る。インビトロスクリーニングアッセイのために 、接着したRIZが、特定の第2分子と会合する能力を維持するとすれば、RIZまた はRIZ融合タンパク質は、固体基質に接着され得る。例えば、ヒトRIZをアッセイ に用いる場合、固体基質は、RIZを固体基質に結合するために、共有結合した抗R IZ抗体を含み得る(実施例IIを参照のこと)。あるいは、GST-RIZ融合タンパク 質 がアッセイで使用され得、そして固体基質は、共有結合グルタチオンを含み得、 それにGST-RIZ融合タンパク質のGST成分が結合する。同様に、第2分子またはGS T-第2分子融合タンパク質が、本明細書で記載されるようにインビトロアッセイ で用いられ得る。 インビトロスクリーニングアッセイは、例えば、RIZまたはRIZ融合タンパク質 を固体支持体に結合させ、次いで第2分子および試験されるべき薬剤を加えるこ とにより、実施され得る。あるいは、第2分子または第2分子の融合タンパク質 が、固体支持体に接着され、そして試験されるべきRIZおよび薬剤が添加される 。薬剤を含有しないコントロール反応が平行して行われ得る。RIZと第2分子と の結合を許容する適切な緩衝液濃度およびpHおよび時間およびインキュベーショ ン温度を含む適切な条件下でのインキュベーションの後、薬剤非存在下および薬 剤存在下で会合したRIZおよび第2分子の量が測定され得る。 RIZと第2分子との会合は、例えば、検出可能な部分(例えば、放射性核種ま たは蛍光標識)を第2分子に結合し、そして固体支持体と会合している標識の量 を測定することにより検出され得、ここで検出された標識の量は、第2分子とRI Zとの会合量を示す。結合のコントロールレベルと比較して、薬剤存在下での特 異的結合の量を比較することにより、RIZと第2分子との会合を改変する有効な 薬剤が同定され得る。このようなアッセイは、有効な薬剤を検出するために、ペ プチドライブラリーのような薬剤のパネルをスクリーニングするために特に有用 である。 本明細書中で開示されるインビトロスクリーニングアッセイでは、成分が添加 される順序は情報として有益であり得る。例えば、検出されるべき薬剤は、第2 分子を添加する前にRIZと混合され得るか、RIZを添加する前に第2分子と混合さ れ得るか、またはRIZと第2分子と結合させた後に添加され得る。反応混合物中 の成分の互いに対する相対的親和性に依存して、添加の順序および最初の2つの 成分の混合工程と、残りの成分の添加工程との間の時間が操作され、特性が変化 する有効な薬剤を検出し得る。 RIZと第2分子との会合を改変する有効な薬剤を同定する方法が行われ、例え ば、薬剤がRIZ-第2分子の結合複合体を解離し得るか否かを決定し得る。この目 的のために、RIZを、まずRIZ-第2分子複合体を形成するために適切な条件下で 、第2分子と接触させ、そしてその後、この複合体を有効な薬剤と接触させる。 本発明はまた、RIZおよび第2分子を含有する試験サンプル中で、RIZと第2分 子との会合を改変する有効な薬剤を同定する方法を提供する。本明細書で使用す る用語「試験サンプル」は、被験体から得られ、そしてRIZタンパク質またはRIZ をコードする核酸分子の発現について試験される細胞標本または組織標本を意味 する。試験サンプルは、例えば、手術中、または針バイオプシー(needle biops y)によって得られ得る。この試験サンプルは、例えば、非イオン性界面活性剤 のような可溶化剤で細胞を処理することによって得られる細胞調製物の可能性溶 解物であり得る。 可溶性溶解物または他の形態試験のサンプルは、ゲルシフトアッセイによって 試験され、複合体として会合しているRIZおよび第2分子の割合を決定し得る。 このアッセイでは、試験サンプルは、50mM Tris(pH8.5)、0.4Mグリシン、2mM EDTAおよび3%グリセロールを含有する緩衝液を用いて、低いパーセントのポ リアクリルアミドゲルのような非変性ゲルで電気泳動される。緩衝液条件、ゲル 濃度、または当該分野で周知の電気泳動の他のパラメーターを調整することによ って、試験サンプル中の遊離の第2分子、遊離のRIZ、および第2分子-RIZ複合 体の電気泳動的分離を達成し得る。電気泳動後、ゲル中のタンパク質の同一性を 、第2分子またはRIZに特異的な抗体を用いるイムノブロットによって決定し得 る。酵素または放射性同位体で標識された一次抗体または二次抗体を用いてイム ノブロットを行う方法は、当該分野で周知である(例えば、HarlowおよびLane、 前掲、1988参照)。 所望であれば、分離ゲルを作製し得、そして抗第2分子抗体または抗RIZ抗体 のいずれかを用いてイムノブロットし得る。各ゲルは、検出される第2分子およ びRIZ両者の既知量を含み得、ブロットの定量および特異性のための標準を提供 し得る。有効な薬剤を同定するために、第2分子とRIZとの会合を改変し得ると 考えられる薬剤と処理した試験サンプル中の第2分子-RIZ複合体の量を、薬剤で 処理していないコントロール試験サンプルと比較し得る。有効な薬剤は、コント ロール試験サンプルに比較して処置したサンプル中の第2分子-RIZ複合体の割合 を増加または減少させる。 本発明は、細胞を有効な薬剤と接触させることによって、細胞の機能を調節す る方法を提供する。本明細書中で使用される用語「接触」は、有効な薬剤が標的 と相互作用し得るように十分な接近を提供することを意味する。従って、有効な 薬剤が細胞内に入り、RIZまたは第2分子と相互作用し得るとすれば、有効な薬 剤は、インビトロでRbと接触し得るか、または細胞と接触し得る。例えば、小分 子の有効な薬剤は、細胞膜中の孔を通じてかまたは細胞の脂質二重層を通じての ように、受動的に細胞に侵入し得る。有効な薬剤はまた、例えば、飲作用、食飲 作用、食作用によるか、あるいはエネルギー駆動特異的輸送機構によるような活 性手段により細胞に侵入し得る。 細胞中でRIZを導入または発現する方法は、周知の発現ベクターおよび遺伝子 移入方法を用いて実施され得る(例えば、Sambrookら、前掲、1989を参照のこと ;Kriegler,Gene Transfer and Expression:A Laboratory Manual(W.H.Free man and Co.;New York,1990)もまた参照のこと、これらは参考として本明細 書に援用される)。このような遺伝子移入法としては、例えば、リン酸カルシウ ム沈澱、エレクトロポレーション、またはリポフェクション、あるいはウイルス 感染のようなトランスフェクション法が挙げられる。簡便のために、用語「トラ ンスフェクト細胞」は、その中に導入される外因性核酸分子を有する任意の細胞 を含むことを意味する。大量のRIZタンパク質を発現するために有用なトランス フェクト細胞は、原核生物または真核生物であり得、例えば、細菌細胞(例えば 、E.coli)、酵母細胞、昆虫細胞、または哺乳動物細胞(例えば、COS細胞また はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞)が挙げられる。 細胞でのRIZまたは変異RIZの発現に有用な発現ベクターは、RIZをコードする ヌクレオチド配列に作動可能に連結された発現制御配列を含む。核酸配列に作動 可能に連結された発現制御配列は、インビトロまたは適切な宿主細胞中で核酸配 列の転写および翻訳を指示し得る。発現制御エレメントが、当該分野で周知であ り、例えば、プロモーター、エンハンサー、および適切な開始コドンおよび停止 コドンが挙げられる。特に、組織特異的発現制御エレメントは、RIZまたは変異R IZを細胞中で選択的に発現させる手段を提供し得る。組織特異的制御エレメント は当該分野で周知であり、例えば、筋肉細胞に対して発現を制限するための筋肉 クレアチンキナーゼエンハンサー、およびPurkinje細胞に対して発現を制限する ためのPurkinje細胞プロテイン-2プロモーター(Vandaeleら、Genes Devel. 5:1 136〜1148(1991)、これは本明細書中に参考として援用される)が挙げられる。 標的細胞と適合するウイルスベクターは、RIZまたは変異RIZをコードする核酸 分子を細胞に導入するために特に有用である。例えば、一般的または組織特異的 プロモーターを有する組換えアデノウイルスは、RIZをコードする核酸を、種々 の組織中の種々の細胞型に送達するために使用され得、そして標的細胞中で核酸 の発現を指示し得る(Lebkowskiら、米国特許第5,354,678号、1994年10月11日発 行、これは本明細書中に参考として援用される)。組換えアデノ関連ウイルスは また、RIZをコードする核酸を細胞に導入するために有用であり、そして組換え ウイルスが、休止非増殖細胞(例えば、中枢神経系および末梢神経系のニューロ ン)のクロマチンにさえ安定に組込まれ得るというさらなる利点を有する(Lebk owskiら、Mol.Cell.Biol.8:3988〜3996(1988)、これは本明細書中に参考として 援用される)。 このようなウイルスベクターは、RIZまたは変異RIZをコードする核酸分子を、 例えば、遺伝子治療のために被験体中の細胞に導入することが所望される場合に 特に有用である。ウイルスは、宿主防御機構を逃れ得、そして特定の細胞型に感 染および増殖し得る特殊感染因子である。特定の細胞型に対するウイルスベクタ ーの特異性は、所定の細胞型を標的とするために使用され得る。従って、ウイル スベクターの選択は、部分的には、標的にされるべき細胞型に依存する。例えば 、神経変性疾患が、疾患に冒されたニューロン細胞中のRIZレベルを減少させる ことにより処置される場合、ニューロン細胞を標的にするウイルスベクターが使 用され得る。単純ヘルペスウイルス由来のベクターは、ニューロン細胞を標的に するウイルスベクターの例である(Battlemanら、J.Neurosci. 13:941-951(1993 )、これは本明細書中に参考として援用される)。 造血系の病状的症状を有する被験体由来の造血細胞にRIZまたはRIZ変異体をコ ードする核酸配列を導入するために、特定の血液細胞またはその前駆体細胞に特 異的なウイルスベクターが使用され得る。ヒト免疫不全ウイルスに基づくベクタ ーは、このようなウイルスベクターの例である(Carrollら、J.Cell Biochem. 1 7E:241(1993)、これは本明細書中に参考として援用される)。さらに、ウイルス ベクターまたは他のベクターが、組織特異的プロモーターまたはエンハンサーを ベクターに取り込むことにより、組織特異的様式で、RIZをコードする核酸を発 現させるために構築され得る(Daiら、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 89:10892-1089 5(1992)、これは本明細書中に参考として援用される)。 レトロウイルスベクターは、RIZまたは変異RIZをコードする核酸をインビボで 細胞に導入するために特に有用であり得る。レトロウイルスベクターは、感染粒 子として機能するため、または感染の最初の一回のラウンドのみを行う非感染粒 子としてに構築され得る。前者の場合、ウイルスゲノムは、新たなウイルスタン パク質およびRNAを合成するために必要な遺伝子、調節配列およびパッケージン グシグナルを維持するように改変される。しかし、これらのウイルスの腫瘍形成 能を与える遺伝子は、破壊または除去される。ウイルスタンパク質が合成された 後、宿主細胞は、RNAを新たなウイルス粒子にパッケージングし、このウイルス 粒子は、さらなる感染のラウンドを行い得る。ウイルスゲノムはまた、所望の組 換え遺伝子をコードし発現するように操作される。 非感染性ウイルスベクターの場合、ヘルパーウイルスゲノムがウイルスの構造 タンパク質をコードするために必要な構造遺伝子を提供するために必要である。 しかし、ヘルパーウイルスは、ヘルパーウイルスRNAをウイルス粒子に封入する ために必要なウイルスパッケージングシグナルを破壊するために変異され得る。 従って、目的の遺伝子および機能的パッケージングシグナルを含むが、ウイルス の構造遺伝子を欠損する組換えウイルスベクターのみが、ウイルス粒子に取り込 まれ得る。この新しいウイルスは標的細胞に感染し得るが、ウイルス構造遺伝子 が提供されないのでさらなる感染ウイルスは産生されない。ウイルスベクターを 構築し、使用する方法は、当該分野で公知であり、そして例えば、Millerおよび Rosman、Biotechniques 7:980-990(1992)(これは本明細書中に参考として援用 される)に概説されている。特定の型のベクターは、意図される用途に依存する 。これらのベクターは、周知であり、そして当該分野で用意に入手可能であるか 、または当業者により構築され得る。 遺伝子治療のために、RIZまたは変異RIZをコードする核酸を含有するベクター は、種々の方法により、被検体に投与され得る。例えば、ウイルスベクターが使 用される場合、投与は、ベクターの標的特異性を利用し得る。このような場合、 ベクターを疾患部位に局所的に投与する必要がない。しかし、局所投与は、核酸 分子を投与する特に有効な方法であり得る。さらに、投与は、被検体への静脈内 注射または皮下注射によりなされ得る。注射後、ウイルスベクターは、感染に対 して適切な標的特異性を有する宿主細胞を認識するまで循環する。脊髄液へのウ イルスベクターの注射はまた、例えば、神経変性疾患の処置において、有効な投 与様式であり得る。 レセプター媒介DNA送達アプローチもまた、架橋分子を介して核酸分子と非共 有結合によって複合体化している組織特異的リガンドまたは抗体を用いる組織特 異的様式で、RIZまたは変異RIZをコードする核酸分子を細胞に送達するために使 用され得る(Curielら、Hum.Gene Ther. 3:147-154(1992);WuおよびWu、J.Biol .Chem. 262:4429〜4432(1987)、これらの各々は本明細書中に参考として援用さ れる)。むき出しの(naked)または、例えば、カチオン性リポソームに封入さ れた核酸分子の直接注入もまた、インビボでの非分裂細胞または分裂細胞への安 定な遺伝子移入に使用され得る(Ulmerら、Science 259:1745〜1748(1993)、こ れは本明細書中に参考として援用される)。さらに、RIZをコードする核酸分子 は、パーティクルボンバードメント法(Williamsら、Proc.Natl.Acad.Sci .USA 88:2726〜2730(1991)、これは本明細書中に参考として援用される)を用いて種 々の組織へ移入され得る。このような核酸分子は、転写および翻訳に必要とされ る適切なヌクレオチド配列に連結され得る。 RIZまたは変異RIZをコードする核酸の特に有用な投与様式は、疾患または病状 的症状の部位での局所的な直接接種による。局所投与は有利であり得る。なぜな ら、希釈効果がなく、それゆえ標的とされた細胞の大部分が核酸分子と接触する 可能性が増大するからである。従って、局所接種は、他の投与形態で必要な標的 化必要条件を軽減し得、そして所望であれば、接種領域の全ての細胞型に感染す るベクターが使用され得る。発現が、接種領域内の特定のサブセットの細胞のみ において所望される場合、所望のサブセットの細胞に特異的なプロモーター、エ ンハンサーまたは他の発現エレメントが、核酸分子に連結され得る。このような 核酸分子および調節エレメントを含むベクターは、ウイルスベクター、ウイルス ゲノム、プラスミド、ファージミドなどであり得る。リポソームのようなトラン スフェクションビヒクルもまた、非ウイルスベクターをレシピエント細胞に導入 するために使用され得る。このようなビヒクルは、当該分野で周知である。 細胞の機能を調節する別の方法は、アンチセンスRIZまたはRIZ mRNAに特異的 なリボザイムをコードするヌクレオチド配列を有する核酸分子を細胞に導入する ことである。このようなヌクレオチド配列は、RIZの発現レベルを改変し得、従 ってRIZと第2分子との会合を改変し得るので、有効な薬剤の範囲内に含まれる 。 アンチセンスRIZまたはRIZ mRNAに特異的なリボザイムは、RIZのヌクレオチド 配列(例えば、図1A(配列番号1)、図9A(配列番号3)、または図14(配列番 号104))に相補的であり得る。アンチセンスRIZまたはRIZ mRNAに特異的なリボ ザイムは、上記の方法およびベクターを用いて細胞に導入され得る。化学合成さ れたヌクレオチド配列もまた直接細胞に投与され得る。合成アンチセンスまたは リボザイムオリゴヌクレオチドは、周知の方法を用いて調製され得るか、または 市販の供給源から購入され得、そして所望であれば、細胞中のヌクレアーゼによ る分解に対するオリゴヌクレオチドの耐性を増加させるために核酸アナログを組 み込み得る。合成アンチセンスまたはリボザイム配列は、細胞に接触させ、そし て取り込まれた後に細胞中で活性であり得る。 有効な薬剤を、有効な薬剤および薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組 成物としてインビボで投与し得る。薬学的に受容可能なキャリアは当該分野で周 知であり、例えば、生理学的に緩衝化された生理食塩水のような水性溶液、また は他の溶媒、グリコール、グリセロール、油(例えば、オリーブ油)、または注 射可能な有機エステルのようなビヒクルが挙げられる。薬学的組成物を処方する 方法は当該分野で周知である(例えば、Renasoら、Remington Pharmaceutical S ciences ,Mack Publishing Co.,Eaton,Penn.(1990)、これは本明細書中に参 考として援用される)。 薬学的に受容可能なキャリアは、例えば、有効な薬剤の吸収を安定化するため 、または有効な薬剤の吸収を増加させるために作用する生理学的に受容可能な化 合 物を含み得る。このような生理学的に受容可能な化合物としては、例えば、炭水 化物(例えば、グルコース、スクロース、またはデキストラン)、抗酸化剤(例 えば、アスコルビン酸、グルタチオン)、キレート剤、低分子量タンパク質、ま たは他の安定化剤、あるいは賦形剤が挙げられる。当業者には、薬学的に受容可 能なキャリア(生理学的に受容可能な化合物を含む)の選択が、例えば、組成物 の投与経路に依存することが公知である。当業者には、有効な薬剤を含有する薬 学的組成物が、例えば、直接点滴により、経口によりまたは非経口的により、例 えば、静脈内、筋肉内、皮下、または腹腔内を含む種々の経路により被験体に投 与され得ることが公知である。組成物はまた、注射または挿管法により投与され 得る。薬学的組成物はまた、所望であれば、リポソームまたはマイクロスフェア に取り込まれ得るか、あるいは他のポリマーマトリックス中にマイクロカプセル 化され得る(Gregoriadis,Liposome Technology,第1巻(CRC Press,Boca Ra ton,FL 1984)、これは本明細書中に参考として援用される)。例えば、リポソ ームは、リン脂質または他の脂質からなり、作製および投与することが比較的単 純な、非毒性の生理学的に受容可能でありかつ代謝可能なキャリアである。 細胞の機能を調節するために、有効な薬剤が有効量で投与される。有効量は当 業者に周知の方法を用いて決定され得る(例えば、Renasoら、前掲、1990を参照 のこと)。本明細書中で使用される用語「有効量」は、所望の効果を生じる量を 意味する。従って、有効な薬剤の有効量は、細胞中のRIZおよびRbの会合を改変 し得、そして標的細胞の能力に対して機能的な効果を有し得、細胞周期に入る標 的細胞の能力を増加および減少させ得る。インビボでの有効な薬剤の有効量の投 与は、処置される疾患に関連する症状を減少させ得る。 全有効量が、単回投与として、ボーラスとしてまたは比較的短期間にわたる注 入によるかのいずれかで被験体に投与され得るか、または画分化された処置プロ トコルを用いて投与され得る。画分化された処置プロトコルでは、複数の用量が より延長された期間にわたって投与される。当業者には、被験体において有効量 を得るために必要とされる有効な薬剤の濃度が、多くの要素(被験体の年齢およ び一般的健康状態、ならびに投与経路および投与されるべき処置の数、そして有 効な薬剤の化学的形態を包含する)に依存することが公知である(例えば、Rena soら、前掲、1990を参照のこと)。これらの要素を考慮して、当業者は処置する 被験体に対する有効量を得るように特定の用量を調整する。 本発明はまた、試験サンプル中のRIZの存在を、RIZタンパク質またはRIZをコ ードする核酸分子を検出することによって検出する方法を提供する。さらに、細 胞増殖、またはその欠損が、例えば、細胞中のRIZまたは変異RIZの増加したまた は減少した発現に起因するか否かを決定することによって、細胞周期に入る増加 または減少した細胞の能力により、部分的に特徴づけられる病理を診断する方法 を開示する。このような病理の同定は、上記のような有効な薬剤を用いる介入療 法(intervention therapy)を可能にし得る。 試験サンプルは、増加または減少した細胞機能により特徴づけられる病状を有 する被験体から得られ得、そして正常な健常被験体由来のコントロールサンプル と比較して、試験サンプル中の細胞が増加または減少したレベルのRIZまたは変 異RIZを有するか否かを決定し得る。細胞中のRIZタンパク質のレベルは、サンプ ルをRIZ結合試薬(例えば、抗RIZ抗体またはRb)と接触させることによって決定 され得る。例えば、細胞中のRIZのレベルは、抗RIZ抗体を用いて、周知のイムノ アッセイまたは免疫組織化学的方法によって決定され得る(例えば、Reedら、前 掲、1992を参照のこと;HarlowおよびLane、前掲、1988もまた参照のこと)。さ らに、変異RIZの発現は、例えば、変異RIZには特異的に結合するが、野生型RIZ には結合しない抗体によって検出され得る。 抗体およびRbに結合させることによりRIZを検出することで、補足情報を提供 し得る。例えば、抗体は発現されるRIZの総レベルを決定するために使用され得 、一方、Rb結合はRbに結合しているRIZの画分を決定するために使用され得る。R bは細胞中で他のタンパク質に結合し得るので、Rbに結合しているRIZ画分を検出 する前に、細胞からRIZをまず単離することが有益である。 試験サンプル中の細胞における増加したまたは減少したRIZの発現レベルは、 特定の細胞型におけるRIZの予測される正常レベルと比較することによって決定 され得る。種々の細胞型におけるRIZレベルの正常な範囲は、統計学的に有意な 数の正常な細胞型をサンプリングすることによって決定され得る。この正常な細 胞型は健常な被験体から得られ得る。さらに、コントロールサンプルが、増加ま たは減少した細胞機能によって特徴づけられる病理が、増加または減少したRIZ の発現によるか、あるいは変異RIZ発現によるか否かを決定するために試験サン プルと平行して評価され得る。試験サンプルは、例えば、上記の免疫組織化学的 法を用いて試験され得るか、またはサンプルはさらに処理されて試験され得る。 例えば、試験サンプルの抽出物が調製され得、そしてサンプル中の細胞において 発現されるRIZがコントロール細胞由来のRIZと同じ様式でRbと会合し得るか否か を、または正しくRbと会合しないRIZ改変体が試験サンプル中の細胞において発 現されるか否かを決定するために試験され得る。 試薬(例えば、抗RIZ抗体またはRb)を取り込む診断アッセイキットは、細胞 中での改変されたRIZ発現または変異RIZの発現による病理を検出するために有用 であり得る。このようなキットは、特に有用である。なぜなら、このようなキッ トは、アッセイ条件の標準化を可能にするからである。キットは、試薬に加えて 、アッセイを実施するために適切な反応条件を提供する反応カクテル、および所 望であれば既知量のRIZを含有するコントロールサンプルを含み得る。さらに、 キットは、試薬に対して特異的である抗体を含み得る。RbがRIZを検出するため の試薬として用いられる場合、キットはまた、EIRCEEKPEDL(配列番号6)また はEIRCDEKPEDL(配列番号91)のような競合剤分子を含み得る。競合剤分子はRIZ とRbとの会合を阻害し、それゆえ結合反応の特異性を確認し得る。 診断アッセイは、試薬に結合される、サンプル中のRIZの量を検出する簡単な 方法を包含すべきである。周知の方法を用いて、試薬を標識し、そして標識の存 在を検出することにより検出が行われ得る(抗体の標識について、例えば、Harl owおよびLane、前掲、1988;第9章、を参照のこと)。試薬は、種々の検出可能 な部分(放射線標識、酵素、ビオチンまたは蛍光色素を包含する)で標識され得 る。試薬を標識するための材料は、診断キットに含まれ得るか、または市販の供 給元から別個に購入され得る。標識試薬と試験サンプルおよび、所望であればコ ントロールサンプルとの接触後、特異的に結合した試薬が、特定の部分を検出す ることにより同定され得る。 試薬を特異的に結合し得る標識抗体はまた、非標識試薬の特異的結合を同定す るために使用され得る。例えば、試薬が抗RIZ抗体である場合、第2の抗体が、 抗RIZ抗体の特異的結合を検出するために使用され得る。第2の抗体は、一般に 第1の抗体の特定のクラスに対して特異的である。例えば、抗RIZ抗体がIgGクラ スの抗体である場合、第2の抗体は抗IgG抗体である。このような第2の抗体は 、市販の供給元から容易に入手可能である。第2の抗体は、上記のような検出可 能な部分を用いて標識され得る。サンプルが第2の抗体を用いて標識される場合 、サンプルを、まず第1の抗体と接触させ、次いでサンプルを、標識された第2 の抗体と接触させ、この第2の抗体が第1の抗体と特異的に結合し、そして標識 サンプルを生じる。 RIZの異常なレベルの発現によって特徴づけられる病理を診断する方法は、サ ンプル中のDNAまたはRNAの発現レベルを測定する工程を包含し得る。同様に、変 異RIZの発現によって、またはRIZをコードする変異核酸分子の存在によって特徴 づけられる病理を診断することには、RIZ遺伝子またはこの遺伝子によりコード されるRNAにおける変異を検出することを包含し得る。 例えば、RIZをコードする核酸分子は、相補的ヌクレオチド配列を用いて試験 サンプル中で検出され得る。所望であれば、標的核酸分子は、当該分野で周知の 方法によって試験サンプルから抽出され得る(Sambrookら、前掲、1988を参照の こと)。核酸分子の集団内で特定の核酸分子の存在を検出する方法は、当業者に は周知であり、例えば、サザンブロット、ノーザンブロット、スロットブロット 、およびPCR増幅が挙げられる。(例えば、Sambrookら、前掲、1989を参照のこ と)。インサイチュハイブリダイゼーションはまた、細胞または遊離の染色体を 含有するサンプル中で核酸分子を直接同定するために使用され得る(例えば、Pa rdue,Nucleic Acid Hybridisation: A practical approach(IRL Press,1991 )を参照、これは本明細書中に参考として援用される)。 サンプル中のRIZをコードする核酸を検出するために、サンプルを相補的ヌク レオチド配列と接触させる。この相補的ヌクレオチド配列は、比較的ストリンジ ェントな条件下でRIZをコードする核酸分子にハイブリダイズし得る。ヌクレオ チド配列は、放射性同位体のような検出可能な標識を有し得る。サンプル中のRI Zをコードする核酸分子の存在が、例えば、特異的に結合したヌクレオチド配列 のレベルを検出することにより決定され得る。ヌクレオチド配列の正常な結合レ ベルがまた、コントロールサンプルにおいて決定され得る。コントロールサンプ ルと比較した試験サンプル中のRIZをコードする核酸分子のレベルの増加または 減少は、RIZの異常な発現によって特徴づけられる病理を示す。RIZの相補的ヌク レオチド配列はまた、プローブによるハイブリダイゼーションのためにRIZを増 幅するためのPCR反応においてプライマーとして使用され得る。 変異RIZは、比較的ストリンジェントな条件下で相補的核酸分子を用いてハイ ブリダイズすることによって検出され得る。この条件は、相補的配列が、ハイブ リダイゼーションのために選択された条件下で、変異配列に対して選択的ハイブ リダイゼーションを可能とするが、野生型配列にはハイブリダイゼーションを可 能とし得ないために十分に小さなサイズである点を除いて本質的には上記のよう である。あるいは、RIZ遺伝子またはRNAは試験サンプルから直接精製され得、そ して所望であれば、PCRによってサンプルから増殖され得る。変異配列は標準的 なヌクレオチド配列決定法によって決定され得る(例えば、Sambrookら、前掲、 1989を参照のこと)。RIZをコードする変異核酸配列または変異RIZをコードする 核酸はまた、細胞または遊離染色体のサンプル中でインサイチュハイブリダイゼ ーション技術により検出され得る(例えば、Pardue、前掲、1991を参照のこと) 。 以下の実施例は、本発明を説明することを意図するが、本発明を限定すること は意図しない。 実施例1 哺乳動物のRIZ cDNAのクローニング 本節では、哺乳動物のcDNAライブラリーおよびゲノムライブラリーからのRIZ をコードする核酸分子をクローニングする方法を記載する。 ラットRIZ cDNAをラット新生児心筋細胞λgt11 cDNA発現ライブラリー(Zhuら 、Mol .Cell.Biol.、13:4432(1993)(これは本明細書中で参考として援用される ))から得た。このライブラリーを、以前に記載された方法(Macgregorら、Oncoge ne 、5:451-458(1991)(これは本明細書中で参考として援用される))に従って、Rb ポケット結合部位およびEEエピトープを含む56kDフラグメント(p56EERb)を用い てスクリーニングした。 p56EERbを、相補的ポリヌクレオチドの合成対をクローニングすることにより 作製した。この相補的ポリヌクレオチドの合成対は、ハイブリダイズして、EEエ ピトープ(EEEEYMPME)(配列番号8;Grussenmeyerら、Proc .Natl.Acad.Sci.、 USA. 、82:7952-7954(1985)およびWalter、J .Immune Meth. 88:149-161(1986)、 (これらの両方は、本明細書中で参考として援用される))をコードし、かつBsmI 接着末端を有する2本鎖リンカーを形成する。リンカーの末端をT4キナーゼでリ ン酸化し、そしてこのリンカーをプラスミドpET8Rbc(Huangら、Nature、350:160 -162(1991)(これは本明細書中で参考として援用される))に連結し、プラスミドp 56EERbを作製する。リンカーを作製するために使用した合成ヌクレオチドは:5' -AATCGATGAA GAAGAAGAAT ATATGCCTAT GGAACA-3'(配列番号9)、および5'-TTCCAT AGGC ATATATTCTT CTTCTTCATC GATTTG-3'(配列番号10)であった。EEリンカーの4 つのタンデムコピーを有するクローンを選択し、そして以前に記載されたように (Huangら、前出、1991)、これを用いてE.coli BL21(DE3)pLysS株でp56EERBを直 接発現した。 56EERbの誘導の後、この細菌細胞を(Huangら、前出、1991)に記載のように溶 解し、そして56EERbを硫酸アンモニウム(60%飽和)により沈澱させた。沈澱物を 透析緩衝液(20mM Tris-HCl、pH7.5、50mM NaCl、1mM EDTA、1mM DTT、1mM PM SF)中で透析し、そしてジエチルアミノエチル(DEAE)SepharoseTMクロマトグラフ ィー(Pharmacia;Piscataway NJ)によるさらなる精製に供した。部分的に精製さ れたp56EERbを、50mM〜500mM NaClの塩濃度勾配によりDAEAから溶出した。56EER bのDEAE部分精製画分および透析硫酸アンモニウム沈澱物の両方を用いてcDNAラ イブラリーをスクリーニングした。 結合特異性コントロールとして、p56EERbを、5μMのポリL-リジン(Sigma)ま たは50μMのT-ペプチドまたはK-ペプチド(Huangら、前出、1991)とプレインキ ュベートして、フィルターに付与した。Tペプチドは、SV40ラージT抗原の残基 101〜118に由来する18残基の合成ペプチドであり、一方Kペプチドは、SV40ラー ジT抗原の107位のグルタミン酸残基がリジン残基で置換されていることを除い てTペプチドと同一である(Huangら、前出、1991)。TペプチドはRbポケットに 結合するが、Kペプチドは結合しない。 RIZタンパク質を発現するクローンへのp56EERbの結合を、抗EEハイブリドーマ のスペント培養培地として得られる抗EEモノクローナル抗体(Walter、前出、198 6)およびマウス免疫グロブリンに特異的なアルカリホスファターゼ結合ヤギ抗マ ウスIgG抗体(Promega;Madison WI)を用いて検出した。 1×106のライブラリーのファージプラークを含むフィルターをp56EERbを用い てスクリーニングし、そして3ラウンドのプラーク精製で残った10個のポジティ ブクローンを選択した。非特異的阻害物質であるポリL-リジンの存在下ではp56 EERbとの反応性を維持し、Tペプチドの存在下ではp56EERbとの結合が阻害され るが、Kペプチドの存在下では阻害を受けなかった5つのクローンをさらなる研 究のために選択した。Tペプチドによる阻害により、選択されたクローンが、Rb ポケットと結合する産物を発現することが示された。 最後の5つのクローンのうち、4つは同一の1.9キロベース(kb)の挿入物を含 んでいた。これらのクローンのうちの1つであるクローン7.1をヌクレオチド配 列決定に供した。配列決定をDNAの両方の鎖について行い、そしてSequenaseTM(U nited States Biochemical Corp.;Arlington Hts.IL)を利用した。クローン7. 1は、638アミノ酸をコードする推定オープンリーディングフレームを有する部分 的なcDNA配列を含んでいた。この638アミノ酸は、2つのタイプの容易に認識可 能なモチーフである、cr2コアモチーフおよび3個のジンクフィンガーモチーフ を形成した(以下を参照のこと)。クローン7.1によりコードされるタンパク質を 、「Rb相互作用性ジンクフィンガー」タンパク質、RIZと命名した。 1.9kbの挿入物を用いて、心筋細胞ライブラリーをさらにスクリーニングし、 そして標準的な方法(Sambrookら、前出、1989を参照のこと)によりλZAPベクタ ー中で生成したラット脳B49細胞cDNAライブラリー、または市販の供給者から購 入したラット脳B49細胞cDNAライブラリーをスクリーニングした。重複するオー プンリーディングフレームを含むいくつかのクローンを得た。重複する配列を、 6171ヌクレオチドの連続するストレッチ(stretch)に組立て、ラットRIZのcDNA配 列を得た(図1A;配列番号1)。 また、ラットの脳cDNAラブラリーのスクリーニングにより、図1Aに示される配 列と比較して、別の5'非翻訳領域をコードするヌクレオチド配列を含むクローン 12.1が明らかになった(図1B;配列番号94を参照のこと)。従って、少なくとも2 つの形態のRIZ mRNAがラットの脳中で発現され、これは、RIZ mRNA分子は、異な るスプライシングにより生じ得ることを示唆する。 完全ラットRIZ cDNA配列(配列番号1)の分析により、ヌクレオチド157で始ま り、ヌクレオチド5274で終わる大きなオープンリーディングフレームが明らかに なった(配列番号2を参照のこと)。ヌクレオチド157の開始コドンは、ヌクレオ チド100のインフレームの上流の停止コドンから最初のATGであること、そしてKo zakのコンセンサス配列(Kozak、Nucl .Acids Res. 15:8125-8148(1987))との一 致に基づき、翻訳開始部位であると考えられた。この開始部位の同一性を、ヌク レオチド92の上流の配列が異なる以外は、ラットRIZの組み立てたcDNA配列と同 一である独立したcDNAクローンの分析により確認した。 完全なラットRIZ cDNA配列から、1706アミノ酸からなる、分子量187,437ダル トンのタンパク質が予測された(図1A;配列番号2)。ノーザンブロット分析は、 7.2kbの主なラットRIZ mRNA種を示した。サザンブロット分析は、ラットRIZゲノ ムが1コピーのRIZ遺伝子を含むことを示した。この結果およびラットRIZをコー ドする別のcDNA分子の5'末端の同一性から、選択的スプライシングにより異なる mRNA分子が生じることが示される。 ヒト胎児脳cDNAライブラリー(Clonetech;Palo Alto CA)およびヒト胎盤ゲノ ムコスミドDNAライブラリー(Stratagene;San Diego CA)から、ラットRIZ cDNA コード領域をハイブリダイゼーションプローブとして用いて(クローン7.1)、ヒ トRIZをコードする核酸分子をクローニングした。このヒトRIZ cDNAは、1719ア ミノ酸残基のポリペプチドをコードする(図9A;配列番号4を参照のこと)。コー ド配列に加えて、このヒトRIZ cDNAは、5'非翻訳配列および部分的な3'非翻訳配 列(図9A;配列番号3)を含む。このヒトRIZ cDNAのさらなる3'非翻訳配列(未決 定)は、配列番号3の下流に位置し、そして図9C(配列番号97;Washington Unive rsity Merck EST Project;Genbank受託番号R56425から得られた配列)に示す3' 非翻訳配列の上流に位置する。ゲノムライブラリーから得たヒトRIZ遺伝子は、R IZコード配列が8つの別々のエキソンの間に分離されていることを示した。 また、ヒトRIZ遺伝子の対立遺伝子変異体を同定した。この変異体は、T969か ら A969への1つのヌクレオチドの変化を有し、これによりアミノ酸残基D283からE2 83 への変化が導かれる。T969対立遺伝子は、A969対立遺伝子より2倍以上多いこ とが推定された。 さらなるヒトRIZタンパク質をコードするヌクレオチド配列を、Y79網膜芽細胞 腫細胞から標準的な手順により調製したcDNAライブラリーから単離した。図9Bに 示すように、ヒトRIZの2つの異なる5'配列をコードするcDNA分子を同定した(配 列番号95および96;それぞれクローン5Yおよび1Y)。図9Aに示す最初の129ヌクレ オチドを置換するクローン5Y(配列番号95)および1Y(配列番号96)は、ATG開始コ ドンをコードしない(それぞれ、配列番号102および104を参照のこと)。これらの 結果は、種々のRIZタンパク質が選択的にスプライシングされたmRNA分子により コードされ得ることを示す。 ラットRIZおよびヒトRIZタンパク質の両方は、cr1、cr2、ce1、ジンクフィン ガー、SH3、SH2および核局在化シグナルを包含する類似の配列モチーフを有する 。推定ラットRIZアミノ酸および推定ヒトRIZアミノ酸配列は、83%の同一性を示 す。さらに、ラットRIZに対して調製されたウサギ抗血清は、ヒトRIZと交差反応 する。 さらに、マウスRIZの一部をコードする391ヌクレオチド配列を、ラットcDNA P Rドメインプローブにより、マウスゲノムライブラリー129SVJ(Strategene)から 選択したいくつかのクローンの配列を合わせることにより得た。このマウスcDNA は、ラットRIZのアミノ酸77位〜206位(配列番号2)およびヒトRIZのアミノ酸78 位〜207位(配列番号4)に等価な130アミノ酸をコードする(配列番号105)。特に 、コードされるマウスペプチドは、PRドメインペプチドのブロックBおよびブロ ックCを含む。コードされるマウスPRドメインペプチドの一部は、対応するヒト およびラットのRIZ PRドメインペプチド配列と同一である。 実施例II RIZ-Rb 結合の検出および特徴付け 本節では、RIZおよびRbの結合を示し、そしてRIZおよびRbの結合を効果的に変 化させる薬剤を同定するための方法が記載される。 RIZとRbとの間の相互作用を特徴付けるために、アミノ酸245位〜883位のラッ トRIZの35S標識フラグメント(RIZ(245-883))をクローン7.1の1.9kb挿入物をpBKS +(Stratagene)にサブクローニングしてプラスミドpBKS+7.1を作製することによ り作製した。サブクローニングの後、次いでRIZ挿入物を取り出し、そしてベク ターpSP64-xβm(KriegおよびMelton、Nucl .Acids Res.、12:7057-7070(1984)) 中のβ-グロブリンの5'非翻訳配列の下流に挿入した。RIZ(245-883)をコードす るSP6 RNA転写物を、SalIでこのフラグメントをコードするプラスミドを線状化 することにより作製し、そして35S-メチオニンを含有するウサギ網状赤血球溶解 物インビトロタンパク質翻訳系(Promega)を用いてRIZフラグメントを翻訳した。 この標識RIZフラグメントは、硫酸ドデシルナトリウムポリアクリルアミドゲル 電気泳動(SDS-PAGE)により、125kDの見かけの分子量を有した。この分子量は、R IZのこのフラグメントについての推定分子質量より約55kD大きかった。SDS-PAGE により得られたより大きなサイズは、ゲル上のRIZフラグメントの変則的な移動 に起因すると思われる。 以前に記載されたように(Huangら、前出、1991)、p56Rbプラスミドから細菌発 現により生成されたRbの56kDフラグメントを、放射標識RIZ(245-883)への結合に ついてテストした。結合を、抗Rb抗血清およびProteinA-SepharoseTMを用いる 免疫沈降(Huangら、前出、1990(これは本明細書中で参考として援用される);お よびHuangら、前出、1991)により検出し、続いてSDS-PAGEおよびオートラジオグ ラフィーを行った(HarlowおよびLane、前出、1988を参照のこと)。以前に記載さ れた方法を用いて、ウサギ抗Rb抗血清を作製した(HarlowおよびLane、前出、198 8を参照のこと)。 免疫沈降反応におけるRbによるRIZの結合量は、添加されるRbの濃度に依存し た。35S標識RIZ(245-883)の完全な結合は、3.3nM Rbではなく、10nM Rbにより達 成された(示さず)。これらの結果により、RIZがRbを結合することが示された。 競合実験を用いて、別のRb結合タンパク質であるSV40ラージT抗原と比較した Rbに対するRIZの相対的な結合親和性を比較した。上記の記載のように、インビ トロ転写/翻訳および35S-メチオニン標識のために、全長ラージT抗原cDNAを、Y -62-25-2からプラスミドpSP64にサブクローニングした。ほぼ等量のT抗原およ びRIZを個々に、あるいは等量のRbと共に混合した場合、同様な量のT抗原およ びRIZ、またはやや多くのRIZが共沈した(示さず)。これらのデータは、RIZがラ ージT抗原と同様のRbに対する結合親和性を有することを示す。 いくつかの変異体を作製し、Rbへの結合に関与するRIZの領域を同定した。プ ラスミドpCMVRIZ中の全長RIZ cDNAに1つのアミノ酸置換を導入し、アミノ酸307 位のシステインをグリシンに変えた。pCMVRIZは、全長RIZ cDNAをpRc-CMVベクタ ー(Invitrogen、San Diego、CA)にサブクローニングすることにより作製した。C ysをGlyに変えるcr2モチーフの変異誘発は、T7 GENTM変異誘発キット(United St ates Biochemical、Arlington Heights、IL)を用いて以下のように行った:簡単 に述べると、プライマー5'-CCGGAGATCC GGGCTGAAGA AAAGCCA-3'(配列番号11)を 用いて、pBSK-5.4から調製した一本鎖アンチセンステンプレート上でDNA合成を 誘導した。ベクターpBSK-5.4は、B49 λZAP DNAライブラリーから得たcDNA RIZ アミノ末端クローン5.4をベクターpBSK+中にクローニングすることにより作製し た。点変異を含むNsiI〜SpeIフラグメント(ヌクレオチド1〜1718)を配列決定し 、そしてpRc-CMVにサブクローニングしてpCMVmRIZ(RIZ307-gly)を作製した。ア ミノ酸1位〜575位からのRIZの35S標識フラグメント(RIZ(1-575))および35S-RIZ (1-575)307-glyを、上記のようにSpeI線状化テンプレートのインビトロ転写/翻 訳により作製した。 33nM Rbを用いる、標識RIZ(1-575)とグリシン変異体との結合を、抗Rb抗血清 を用いる免疫沈降、続くSDS-PAGEおよびオートラジオグラフィーにより評価した 。その結果により、56kD Rbフラグメントは35S-RIZ(1-575)フラグメントと結合 するが、35S-RIZ(1-575)307-Glycr2変異体と結合しないことが示された(示さず) 。これらの結果は、RIZ cr2モチーフがRb結合に関与することを示す。 RIZ cr2モチーフが機能的であり、Rbの結合に十分であるかを決定するために 、RIZ(RIZ-Pep)のcr2モチーフの一部を表す11アミノ酸のペプチドEIRCEEKPEDL( 配列番号6)およびこのペプチドのシステインからグリシンへの変異体(RIZ-Pep )を標準的な手順に従って合成し、そして標識RIZ(1-575)の56kD Rbへの結合を 阻害するその能力について種々の濃度で試験した。結合は、野生型ペプチドの場 合阻害されたが、CG変異体ペプチドの場合阻害されなかった(図4を参照の こと)。これらのデータは、RIZのcr2モチーフはRbへの結合に十分であること、 お よびRIZのcr2モチーフ中のアミノ酸307位のシステインが結合に関与しているこ とを示す。 同様の方法で、放射標識RIZ(1-575)と56kD Rbとの間の結合を、SV40ラージT 抗原腫瘍タンパク質由来の17アミノ酸のRb結合タンパク質(101〜118:T-pep)お よびRb結合活性を有さないT-pepの107位のGluからLysへの変異体(T-pep)(Hu angら、前出、1990およびHuangら、前出、1991)を用いる阻害について試験した 。結合は、T-pepの場合阻害されたが、変異体の場合阻害されなかった(図4)。 これらの結果は、RIZおよびラージT抗原はRb上の類似領域と結合することを示す 。 RIZに結合する56kDフラグメントは、Rbポケット結合領域およびC末端拡張を 含むC末端フラグメントである。RIZに結合する56kDフラグメントの部分をさら に明らかにするために、いくつかのRb変異ポリペプチドをRIZへの結合について 試験した。変異体および全長Rbをクローニングし、そして前記のようにインビト ロ転写/翻訳を行った(Huangら、前出、1990)。H209は、Rbにおける1つのアミノ 酸変化を生じる点変異体であり、小細胞肺ガンH209細胞株(American Type Cultu re Collection(ATCC)#HTB 172)において同定された。種々のRb形態を、アミノ 酸245位〜573位のRIZのフラグメントに融合したグルタチオンS-トランスフェラ ーゼ(GST)(GST-RIZ(245-573))への結合について試験した。このRIZフラグメント は、Rb結合に関連するすべてのE1Aモチーフを含み、そしてStuI〜HpaI RIZフラ グメント(ヌクレオチド795-3068)をベクターpBSK+中にクローニングし、pBSK+SH を作製することにより構築された。EcoRIフラグメントをpBSK+SHから取り出し、 そしてpGEX-KGに連結し、GST-RIZ(245-573)を含むベクターpKG7.1Sを作製した。 精製GST-RIZ(245-573)ならびに上記の放射標識Rb野生型および欠失変異体との 間の結合を、抗RIZ抗血清を用いる免疫沈降、続くSDS-PAGEおよびオートラジオ グラフィーにより決定した。抗血清は、通常使用される手順に従い(Harlowおよ びLane、前出、1988を参照のこと)、アミノ酸245位〜573位由来のRIZフラグメン ト(RIZ(245 573))に融合した精製GSTをウサギに注射することにより生成した。R IZ(245-573)は、ジンクフィンガー1〜3を含む。ウサギを免疫するために使用 されたGST-RIZ(245-573)は、E.coli XL-1 blue株内のプラスミドpKG7.1Sの発現 により産生された。この細菌を溶解し、グルタチオンアガロースカラムクロマト グラフィーによりGST-RIZ融合タンパク質を単離した。pKG7.1Sは、pB7.1由来の1 .9kb RIZ挿入物を、ベクターpGEX-KG中に連結することにより構築した。得られ たプラスミドをSpeI線状化し、DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメントを用 いて処理し、そして再連結し、それにより前記SpeI部位(ヌクレオチド1876)に停 止コドンを導入した。 抗RIZ抗血清は、インビトロで翻訳され、pB7.1から発現されたRIZ(245-883)に 特異的に結合した。この結合は、免疫原であるGST-RIZ(245-573)の添加により阻 害された。 精製GST-RIZ(245-573)は、野生型RbおよびRb結合ポケットに対する欠失C末端 を有するRbのB3変異体への結合を示したが、ポケット内に欠失を有する3つの異 なる形態のRbには結合しなかった(図5A)。これらの結果は、ラージT抗原または E1Aのような腫瘍タンパク質の結合における役割が最初に明らかにされたRbポケ ットはまた、RIZへの結合に必要であることを示す。RbによるRIZ結合は、E2F(Hu angら、DNA Cell Biol.、11:539-548(1992);Qinら、Genes Devel.、6:953-964 (1992)を参照のこと)およびc-Abl腫瘍タンパク質(WelchおよびWang、Cell 75:77 9-790(1993)を参照のこと)のような特定の細胞性タンパク質がそうであるように 、ポケットの遠位側のC末端配列を必要としない。この結合の結果により、Rbポ ケットのC末端境界の開始点の近傍において、Rbの残基803に対するRbのRIZ結合 ドメインのC末端境界がマッピングされる。 ラットRIZを、HT1080細胞(ATCC #ICCL 121)におけるRbへの結合について試験 した。この細胞を、10%ウシ胎児血清を補充したDMEM中で増殖させた。細胞を、 5mM EDTA、50mM NaF、1mM オルトバナジン酸Na、1mMのDTT、アプロチニン、ロ イペプチン、およびPMSFを補充したELB緩衝液(50mM HEPES、pH7.5、250mM NaCl 、0.1% NP-40)中で溶解した。この溶解液をマイクロ遠心器中で12,000rpmで10 分間遠心分離することにより細胞破片を取り除いた。 4μg GST-RIZ(215-462)およびHT1080細胞抽出物由来のRbとの間の結合を、ま ずこの2つを混合し、次いでGST-RIZおよび任意の結合したRbをグルタチオンア ガロースビーズに結合することにより評価した。ビーズを結合緩衝液中で洗浄し 、そして結合複合体をSDS緩衝液中で煮沸することにより溶出し、そして抗Rb抗 血 清を用いるイムノブロッティングにより分析した。イムノブロッティングは、標 準的な技術により行った(例えば、HarlowおよびLane、前出、1988を参照のこと) 。 GST-RIZ(215-462)は、低リン酸化Rbを表す最も速く移動する形態のRbと結合し た(図6、レーン2)。RIZと低リン酸化Rbとの間の相互作用の特異性を、E1Aタン パク質の供給源の添加が結合を阻害することを示すことにより示した(図6、レ ーン3)。E1Aを発現するように安定にトランスフェクトされた293由来の細胞溶 解物を、E1Aの供給源として使用した。 実施例III RIZ とE1Aとの間の構造および機能の比較 RIZとアデノウィルスE1Aとの間での特定のドメインの配列の類似性(図2A参 照のこと)、およびRb結合の共通の特性は、RIZとE1Aとの間の顕著な構造的類似 性を示した。この関係をさらに研究するために、cr2、ce1およびcr1モチーフの 一部を含むGST-RIZ(245-573)融合タンパク質に対して惹起された抗RIZ抗血清を 、E1Aとの交差反応性について試験した。これらの実験のために、インビトロ転 写/翻訳の間に、上記の方法を用いてE1Aを35S-メチオニンで標識した。 抗RIZ抗血清は、E1Aと弱く交差反応した(図示せず)。抗RIZとE1Aとの間の結 合をさらに実証するために、抗RIZ抗血清からの交差反応性抗体を、E1A 12Sタン パク質を含むカラムでのアフィニティークロマトグラフィーによって精製した。 カラムは、Affi-gel 10TMビーズ(Bio-Rad Labs; Hercules CA)と、pGSTE1A12Sか ら発現される精製されたGST-E1A 12S融合タンパク質(Taylorら、Mol .Cell.Bi ol. 13:4714-4727(1993)、この文献は本明細書中に参考として援用される)との カップリングにより調製された。抗体アフィニティー精製を、標準手順に従って 、高pH溶出によって行った(HarlowおよびLane、前出、1988参照)。 E1Aアフィニティーカラムから精製された抗RIZ抗体を、RIZおよびE1Aへの結合 について試験した。抗体は、両方のタンパク質を結合した。このことは、抗RIZ 抗血清とE1A 12Sとの元々の交差反応性を立証した(図示せず)。E1A抗原と交差 反応するので、E1Aアフィニティー精製されたRIZ抗体を「抗ce1」と名付けた。 各分子上のce1エピトープの位置をマッピングするために、抗ce1抗体を、RIZ およびE1A 12Sの種々の欠失変異体への結合について試験した。残基304の後を切 り取ったRIZ変異体(RIZ304)を、pCMVRIZのBAM H1変異体由来のBAM HI切断フラグ メントのインビトロ転写/翻訳によって作製した。T7 GENTM変異誘発キット(U.S . Biochemical)を使用して、プライマー5'-TTCACACCGG ATCCCCGGCT CTTTCGC-3' (配列番号12)を用いて、BamHI制限部位をpCMVRIZのRIZヌクレオチド1067に導 入した。次いで、BamHIフラグメントを切り出し、そしてpRc-CMV中にクローニン グして、RIZ304をコードするベクターを得た。 残基318の後を切り取ったRIZ変異体(RIZ318)を、テンプレートとして全長RIZ を用い、そして上流T7プライマー(Stratagene)および下流RIZプライマー5'-TGGC TCTTCT AATAAGTC-3'(配列番号13)を用いて、PCRによって作製した。PCRフラグ メントを、pCRSK+(Stratagene)中にクローニングし、そして使用して、インビト ロT7転写/翻訳によってRIZ318ポリペプチドを作製した。 残基223で切断されたE1A 12S(E1A223)を、上流SP6プライマー(Stratagene)、 下流E1Aプライマー5'-GATACATTCC ACAGCCTG-3'(配列番号19)、およびテンプレ ートとしてプラスミドpGEM1Ad5E1A12Sを用いて、E1AのPCRフラグメントを生成す ることによって作製した。得られたPCRフラグメントをpCRSK+中にクローニング し、これを使用して、SP6インビトロ転写/翻訳による変異E1A 12Sタンパク質の 合成を行った。全長E1A 12S(E1A243)を、他のベクターについて上述したように 、インビトロ転写/翻訳によって、ベクターpGEM1Ad5E1A12Sから作製した。 抗ce1抗体は、残基318で切断されたRIZに結合したが、残基304で切断されたRI Zとは反応しなかった(図示せず)。これらの結果は、ce1交差反応性抗原決定基 がRIZの残基304と残基318との間に存在することを示している。抗ce1抗体は、全 長E1A(E1A243)と結合したが、E1AのC末端欠失変異体(E1A223)とは反応しなかっ た(図示せず)。これらの結果は、ce1エピトープがE1A 12SのC末端20アミノ酸 内に位置していることを示している。 ce1エピトープを含むRIZおよびE1A 12Sの領域は、顕著なアミノ酸配列相同性 を示す(図2A)。RIZ中の配列312EDLLEE(配列番号20)およびE1A中の配列224 EDLLNE(配列番号21)が、ce1エピトープのための部位であるようである。この 可能性を評価するために、RIZ(ce1ペプチド)中の残基310〜320を含む11アミノ酸 ペ プチドKPEDLLEEPQS(配列番号7)、およびRIZのcr2コアモチーフを含む残基304 〜314を含むオーバーラップした11アミノ酸コントロールペプチドであるペプチ ドEIRCEEKPEDL(配列番号6)を固相ペプチド合成によって合成し、そして抗ce1 抗体とRIZまたはE1Aとの間の結合をブロックするその能力について試験した。 ce1ペプチドは、抗ce1抗体と、35S-RIZ318または35S-E1A 12S(E1A243)のいず れかとの間の結合を阻害した。cr2ペプチドは、阻害しなかった(図示せず)。 これらの実験は、ce1エピトープが、RIZ中の配列312EDLLEE(配列番号20)およ びE1A中の相同配列224EDLLNE(配列番号21)中に位置していることを示した。 抗ce1を予め形成されたRIZ-Rb複合体への結合について試験して、ce1エピトー プが、RIZ-Rb結合境界面中の領域に直接的に含まれるのか、あるいは密接に関連 するのかを決定した。これらの実験において、35S標識された全長Rbをインビト ロ翻訳されたRIZ(215-462)と共にプレインキュベートして、RIZ-Rb複合体を、免 疫沈降のために抗ce1抗体を添加する前に形成させた。これらの実験において、G ST-RIZ(215-462)のGST部分をトロンビン切断によって予め除去し、そして残った 未切断の融合タンパク質からグルタチオン-アガロースによる吸着によって精製 した。 抗ce1抗体は、予め形成されたRIZ-Rb複合体に結合した(図示せず)。この結 合は弱いものとして特徴づけられたが、これはRIZとの抗ce1の結合での反応性と 同様であった。RIZホモオリゴマーの形成の証拠は観察されなかったので、Rbは 、RIZ(抗ce1によっても結合される)と直接的に相互作用するようである。ホモ オリゴマー形成が観察されなかったことは、GST-RIZ(215-462)と35S-標識全長RI Zとの間の結合の欠如に基づいた。 上記の結合研究はまた、逆の順序でも行われた。まず、35S-標識RIZ(1-575)を 全長Rbと予め複合体化させ、次にこの複合体を抗ce1抗体への結合について試験 した。その結果、RIZフラグメントは、RIZがRbと複合体化しているか否かに関わ らず、抗ce1抗体と結合することが示された(図示せず)。これらの実験は、ce1 エピトープは、RIZ-Rb複合体中でRIZとRbとの間の境界面中に顕著に含まれてい るのではないことを示す。 実施例IV RIZ のDNA結合活性およびGTP結合活性 RIZのジンクフィンガードメインがDNAと結合し得るか否かを評価するために、 アミノ酸245位〜573位のRIZフィンガーモチーフ1〜3、またはアミノ酸1114位 〜1260位のフィンガー4〜6を、各々、GST融合タンパク質、GSTZ13およびGSTZ4 6として発現させた。GST-RIZフラグメントを、グルタチオンアガロースクロマト グラフィーで精製し(GuanおよびDixon、Anal .Biochem. 192:262-267(1991)、 この文献は本明細書中に参考として援用される)、そしてフィルターベースの(f ilter-based)DNA結合アッセイにおける結合について評価した(SukegawaおよびB lobel、Cell 72:29-38(1993)、この文献は本明細書中に参考として援用される) 。GSTZ46を得るために、RIZ(1114-1260)をコードするフラグメントを、プライマ ー5'-GTGGTCCAAG AAACATTC-3'(配列番号17)および5'-TCGTGTAAAG CTCTTCAG-3' (配列番号18)、ならびにテンプレートとしてpCMVRIZを用いて、PCRによって作 製した。このPCRフラグメントをpBKS+中にクローニングし、次いで、pGEX-KG中 にクローニングした(GuanおよびDixon、前出、1991)。 フィルターベースのDNA結合アッセイを、0.5μgの精製されたGSTまたはGST-RI Z融合タンパク質をSDS-PAGEによって電気泳動し、そしてこれらのタンパク質を ニトロセルロースに移すことによって、行った。このニトロセルロースを結合緩 衝液(50mM Tris-HCl、pH8、100mM KCl、0.1% Triton X-100TM、10%グリセロ ール、および0.1mM ZnCl2)中で3時間インキュベートすることによって、再生 した。32P標識されたランダムに切断されたラット卵巣ゲノムDNAを緩衝液に加え 、そしてニトロセルロースをさらに3時間インキュベートした。ブロットを結合 緩衝液中で5回洗浄し、乾燥し、次にオートラジオグラフを行った。いくつかの 実験においては、結合緩衝液は、10mMのEDTAおよび2mMのDTTを含んでいたが、Zn Cl2を含まなかった。 DNAフィルター結合アッセイは、ジンクフィンガー1〜3を含むGSTZ13はラッ トDNAに結合し、他方、ジンクフィンガー4〜6を含むGSTZ46は結合しないこと を示した(図7Aおよび図7B)。さらに、ジンクフィンガー1〜3を含むRIZフラ グメントは、Zn++イオンに依存する様式でDNAに結合した(図7)。これらの結 果は、RIZのジンクフィンガードメイン1〜3がDNA結合において活性であること を示す。 RIZのGTPaseドメイン(配列の相同性によって規定される)を評価して、これ が機能的に活性であるかを決定した。これらの研究のために、推定GTPaseドメイ ンを含む、アミノ酸760位〜949位のRIZフラグメント(RIZ 760-949)を、プラスミ ドpKG-GからGSTとの融合物として発現させ、そして放射標識したヌクレオチドへ の結合について試験した。pKG-Gを、プライマー5'-TCTCCACAGC ACAGCCCT-3'(配 列番号15)、および5'-GGATAAGGAG GCTGTCTG-3'(配列番号16)、ならびにテン プレートとしてpCMVRIZを用いて、RIZ(760-949)をコードするヌクレオチド配列 のPCR増幅によって作製した。フラグメントをpBSK+中にクローニングし、そして 次にpGEX-KG中にクローニングし、発現させ、そしてグルタチオン-アガロースで 上記のように精製した。GSTをまた、ベクターpGEX-KGから発現させ、そして上記 のように精製した。 GTP結合を測定するために、0.5μgのGST-RIZまたはコントロールGSTタンパク 質をSDS-PAGEで分離し、そしてニトロセルロース上にブロットした。タンパク質 をGTP結合緩衝液(50mM Tris-HCl、pH8、100mM KCl、10%グリセロール、0.1%T riton X-100TM、および2mM ZnSO2)中で再生した。ニトロセルロースを、GTP結 合緩衝液中で30分間、そして次に1μMのα-32P-GTP(800Ci/mmol)を含むGTP結合 緩衝液中で2時間、インキュベートした。ニトロセルロースをGTP結合緩衝液中 で5回洗浄し、乾燥し、そしてオートラジオグラフを行った。いくつかのサンプ ルでは、α-32P-GTPを加える前に、20mMの非標識ヌクレオチドをニトロセルロー スと共に1時間インキュベートした。 RIZ GTPase融合タンパク質(GST-G)は放射標識GTPに結合したが、コントロール GSTは結合しなかった(図8Aならびに図8Bのレーン1および2)。結合はGTPに対 して特異的であった。なぜなら、過剰量の非標識GTPはRIZ GTPaseの放射標識GTP への結合を阻害したが、過剰な非標識ATP、CTP、またはUTPは結合に影響を及ぼ さなかった(図8B、レーン3〜6)からである。これらのデータは、RIZのGTPas eドメインが機能的に活性であることを示す。 実施例V 細胞、組織、および器官におけるRIZの発現 この実施例は、哺乳動物細胞、組織、および器官における、RIZをコードする 核酸分子の同定方法を提供する。 RNAサンプルを、ラットの組織およびマウス下垂体細胞Att-20株(ATCC #CCL 89 )から、製造者の指示手順に従ってRNAzol(Biotecx;Houston TX)で抽出し、そし て標準手順を用いて、オリゴdT mRNAキット(Qiagen)を使用したオリゴdTセルロ ースクロマトグラフィーによってmRNAを精製することによって得た。mRNAはまた 、上記のように、American Type Culture Collection(Rockville MD)から得られ る種々のヒト細胞株からも抽出された。これらの種々のmRNAを用い、そして32P 標識ラットRIZ(アミノ酸245位〜883位を表す)とのハイブリダイゼーションを 用いて、標準手順(Sambrookら、前出、1989)に従って、ノーザンブロッティング を行った。 ノーザンブロッティングは、7.2kbの主要なRIZ mRNA種の多くが、主としてラ ットの神経内分泌組織に局在していることを示した(図11A)。これらの試験は、 他の器官または組織中で検出されるRIZ mRNAよりも小さい5kbのmRNA種を示した 。 RNase保護法を用いて、mRNA発現のさらなる評価を行った。この方法は、32P標 識ラットRIZ(アミノ酸463位〜574位を表す)をプローブとして用いて、標準手 順に従って行われた。この結果は、16日齢のラット胎児、ならびに胎盤の種々の 神経組織中に、RIZ mRNAが豊富なレベルで存在することを示した(図11B)。対 照的に、この方法では、成体ラット組織中ではmRNAは検出された場合でもわずか しか検出されなかった。 RNase保護は、RIZ mRNAがヒト網膜芽細胞腫細胞株、Y79およびWeri-Rb-1中で 検出可能であり、種々の他のヒト細胞株においては検出レベルが低いことを示し た(図12)。これらの結果は、RIZ mRNAが哺乳動物の神経内分泌関連組織中で大 量に発現され、そして胎児の発育に関与し得ることを示す。 ヒトRIZ cDNAのいくつかのセグメント(全長コード領域を包含する)をプロー ブとして使用して、ヒト胎盤のゲノムコスミドライブラリーをスクリーニングし て、RIZ遺伝子を単離した。いくつかのゲノムクローンを単離し、そしてRIZをコ ードするセグメントを、制限マッピングおよびヌクレオチド配列決定によってそ のクローン内で位置決めした。ゲノムクローンは、RIZをコードする配列が、遺 伝子内で8個のエキソンにわたって広がり、RIZ配列(4.3kb)の大部分がエキソン 7に含まれることを示した。 実施例VI 正常細胞および腫瘍細胞中のRIZ遺伝子の分析 本実施例は、直接的染色体分析によりRIZ遺伝子を検出し、そして腫瘍細胞中 のRIZ遺伝子における変異を評価する方法を提供する。A.ヒトRIZ遺伝子の染色体上の位置決め ヒトRIZ遺伝子の染色体位置を検出するために、エキソン7および8を含有す る35kbの挿入片を有するコスミドクローンを、Rバンド染色された(R-banded) 中期染色体上の蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)用プローブと して用いた。FISH法は、以前に記載された(Takahashiら、Hum.Genet 88:119〜 121(1991)、これは本明細書中で参考として援用される)ように行った。Cot-1 DNA(BRL;Gaithersburg MD)を、20倍過剰のCot-1 DNAを使用するLichterらに より記載された方法(Lichterら、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 87:6634〜6638(19 90)、これは本明細書中で参考として援用される)に従って、このクローン内に 存在する反復配列の抑制に使用した。Ektachromeフィルム(Kodak、ASA100)を 顕微写真術に用いた(フィルターの組合せ、Nikon B-2A)。 FISH法により評価した100個のRバンド染色された中期プレートの中で、52個 のプレートが、バンドp36.13〜p36.23で、染色体1の両方の染色分体へのプロ ーブのハイブリダイゼーションを示し、44個のプレートが染色体1の1つの染色 分体のみへのプローブのハイブリダイゼーションを示し、そして4個のプレート はハイブリダイゼーションを示さなかった。 染色体1p36へのRIZ遺伝子のさらなる位置決めを、YACクローニングにより分子 レベルで達成した。CEPH由来ヒトmega-YACライブラリー(CEPH、France)を、2 種のオリゴヌクレオチドプライマーを用いるPCRによりスクリーニングし、RIZエ キソン7内の290bpフラグメントを増幅した。1×PCR緩衝液(50mM KCl/10mM T r is-HCl、pH8.3/1.5mM MgCl2)、各々200μMのdNTP、各々0.3μMのプライマー( SSO 81:5'CCAGAACCAGACGAGCGATT3'(配列番号92)およびSSO 82:5'AGTTCTGGGGAT TTGCATG3'(配列番号93))、0.2UのTaq DNAポリメラーゼ(Perkin Elmer、Norw alk、CT)を含有して合計10μlの容量で、YAC DNAを増幅した。プライマーの1 つを、32P-γ-ATPおよびT4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて末端標識した。PC Rフラグメントを、アクリルアミドゲル電気泳動および続いてのオートラジオグ ラフィーによって分析した。 RIZ遺伝子配列についてのCEPHヒトmega-YACライブラリーのPCRスクリーニング により、2つのYACクローン、796H4および807H7を同定した。Genethonヒトゲノ ムデータベースの検索(Genethon;Paris France)は、これらのクローンが染色 体1p36に位置する多型マーカーD1S228(Gyapayら、Nat.Genet.7:246〜339(1994 );Weissenbachら、Nature 359:794〜801(1992)およびCohenら、Nature 366: 698〜701(1993)、これらの各々は、本明細書中で参考として援用される)を含 有することを示した。従って、これらの結果は、RIZ遺伝子が染色体1p36に位置 することを示す。B.ヒト黒色腫細胞における対立遺伝子特異的RIZ発現 正常な被験体の血液および胎盤のサンプルならびに腫瘍細胞株由来のゲノムDN Aを、50mM Tris-HCl、pH 8.0/100mM EDTA/0.5% SDS/500μg/ml プロテイナ ーゼKの中で細胞を55℃にて1時間インキュベートすることにより調製した。フ ェノール/クロロホルム抽出およびクロロホルム抽出の後、DNAを沈澱させた。R NAを、5〜10×106PBS洗浄細胞のペレットから、または胎児の組織から、RNAzol (Biotecx Laboratories;Houston TX)を用いて調製した。 サザンブロットを、1kbのヒトRIZ cDNAプローブ(1.1)を使用して黒色腫細 胞DNAで行った。その結果は、黒色腫細胞におけるRIZ遺伝子の適切な大きさのバ ンドの同定を示した。これは、これらの細胞におけるRIZ遺伝子中に大きな異常 がないことを示した。 RIZの両方の対立遺伝子が黒色腫細胞内で活性であるか否かを決定するために 、RIZの2つの対立遺伝子変異の頻度を黒色腫について測定し、そして集団内で の頻度と比較した。RIZ遺伝子型分類(genotyping)は、28人の正常個体および6 9 個のヒト黒色腫細胞株から単離したゲノムDNAでのPCRを使用して、RIZを示す290 bpフラグメント(アミノ酸残基約230〜330)の増幅により行った。290bpフラグ メントのPCR増幅は、1×PCR緩衝液、各々200μMのdNTP、各々0.3μMのプライマ ー(SSO 81およびSSO 82)、および1UのTaq DNAポリメラーゼ(Perkin Elmer) を含有して合計50μlの容量で、100ngのゲノムDNAで行った。PCR産物を配列決定 して、RIZアミノ酸283位をコードするコドンを決定した。RIZ D283対立遺伝子は 、コドンGATによってアミノ酸283位でAsp残基をコードするが、RIZ E283対立遺 伝子は、コドンGAAによってアミノ酸283位でGlu残基をコードする。 28人の正常個体由来のDNAの遺伝子型分類は、15人(53%)がRIZ D283対立遺 伝子についてホモ接合であり、3人(10%)がE283対立遺伝子についてホモ接合 であり、そして10人(35%)がヘテロ接合であることを示した。従って、研究さ れた正常個体の集団におけるRIZ E283対立遺伝子の全体の頻度は、約28.5%であ ると評価された。 69個の黒色腫細胞株のDNAの遺伝子型分類は、40個(58%)がRIZ D283対立遺 伝子についてホモ接合であり、9個(13%)がRIZ E283対立遺伝子についてホモ 接合であり、そして20個(29%)がヘテロ接合であることを示した。 20個のヘテロ接合黒色腫細胞株由来のRNAサンプルを配列決定して、両方の対 立遺伝子が細胞内で転写されるか、または1つの対立遺伝子のみが転写される( すなわち、単一対立遺伝子性発現)かを決定した。配列決定は、特異的なRIZプ ライマーを使用する逆転写PCR(RT-PCR)増幅により生成されたDNA産物について 行った。RT-PCR増幅を、製造者の使用説明書(GeneAmp RNA PCR キット;Perkin Elmer)に従って行った。RIZエキソン5〜7をコードする640bpフラグメントを 、SSO 82プライマー(配列番号93)を使用する1μgの総RNAの転写、ならびにSS O 24プライマー(5'GCGAGGAGCTCCTGGTCTGG3' ;配列番号106)およびSSO 82プラ イマー(配列番号93)を用いるPCR増幅により得た。増幅したフラグメントをゲ ル精製し、そしてSSO 82プライマーおよびCircumVentTM Thermal Cycle DNA Seq uencingキット(New England Biolabs;Beverly MA)を使用して配列決定した。 配列決定反応産物を、6%配列決定用ゲルで分析した。 20個のヘテロ接合の黒色腫細胞株由来の、増幅および転写されたRIZ mRNAの配 列決定は、RIZ対立遺伝子の1つを示す転写物が、4個の細胞株において、減少 したか、または存在しなかったことを示した。これらの細胞株は、D283/E283 R IZヘテロ接合(すなわち、5-5/6-4と称される)であった。D283対立遺伝子の転 写物は、SK-MEL-14細胞(ATCC)において検出されなかったが、E283 RIZの転写 物は、WM983C細胞株およびWM1361C細胞株において検出されなかった。SK-MEL-23 細胞株は、減少したレベルのD283 RIZ対立遺伝子を発現した。黒色腫の結果とは 対照的に、RIZヘテロ接合を示す7個の非黒色腫細胞株および2個の正常ヒト胎 盤組織由来の、増幅および転写されたmRNAの配列決定は、RIZ対立遺伝子発現の 欠失または減少を示さなかった。 RIZについてヘテロ接合の4個の黒色腫細胞株を、評価し、細胞から産生され たRIZタンパク質の量を決定した。RIZタンパク質のレベルを、抗RIZ抗体を用い る細胞抽出物からのRIZの免疫沈降とその後の抗RIZ抗体を用いる単離されたRIZ のイムノブロッティングにより、定性的に評価した。黒色腫細胞株SK-MEL-23は 、試験した他の黒色腫細胞株よりも、約50%少ないRIZタンパク質を産生した。 これらのデータは、SK-MEL-23におけるRIZ D283対立遺伝子の発現の減少が、細 胞内のRIZタンパク質の発現全体の減少をもたらすことを示す。 SK-MEL-23黒色腫細胞株を、3μMの脱メチル化剤5-アザシチジンとともに3〜 6日間培養した。これらの細胞におけるRIZ D283転写物の発現減少は、影響を受 けなかった。これは、RIZの転写レベルの減少がDNAのメチル化の増大によるもの ではないことを示す。 SK-MEL-23黒色腫細胞を、全長RIZ cDNAをコードする発現ベクター(pCMVRIZ) でトランスフェクトし、RIZの発現レベルの増大が細胞の増殖可能性を減少させ 得るか否かを決定した。RIZでトランスフェクトしたSK-MEL-23細胞は、モノクロ ーナル抗体D27での免疫染色により細胞核内のRIZ発現の増加を示し、そしてイン ビトロでコロニーを形成する能力の減少を示した。これらの結果は、RIZ発現が 欠損した腫瘍細胞におけるRIZのレベルの増加が、腫瘍細胞の増殖を減らし得る ことを示す。 実施例VII RIZ タンパク質が転写を抑制する 本実施例は、RIZまたはRIZの活性なフラグメントが転写を抑制し得ることを証 明する。 GAL4のDNA結合ドメインに融合したRIZまたはRIZの欠失変異体を含む融合タン パク質を、ラットRIZ cDNA(配列番号1)またはそれらの一部をプラスミドpSG4 24(SadowskiおよびPtashne、Nucl.Acids Res. 17:7359(1989)、これは本明細 書中で参考として援用される)にサブクローニングすることにより産生した。RI Z/GAL4融合タンパク質をコードするプラスミドを、チミジンキナーゼプロモー ターおよびGAL4プロモーターに結合したCATレポーター遺伝子を含有するプラス ミド(Shiら、Cell 67:377〜388(1991)、これは本明細書中で参考として援用 される)とともに、CV1細胞、COS細胞、またはC33A細胞(ATCC)にトランスフェ クトした。 レポーター遺伝子(CAT)の発現は、RIZ/GAL4(RIZアミノ酸17〜1706;配列 番号2を含有する)でトランスフェクトされた細胞において、プラスミドpSG424 でトランスフェクトされているがRIZ配列を欠く細胞におけるCAT発現のレベルと 比較して減少した。RIZのリプレッサー活性は、アミノ末端からアミノ酸17〜900 位に位置した(配列番号2)。PRドメインは転写抑制に必要とされるが、しかし 単独では、完全なリプレッサー活性には十分でない;アミノ酸573〜900位の間の 領域もまた必要とされる。これらの結果は、RIZまたはその活性なフラグメント が、転写調節因子として作用し得ることを示す。さらに、RIZの転写リプレッサ ーの役割は、Rbタンパク質とのその相互作用によりRIZが有する調節効果から独 立している。なぜなら、RIZ/GAL4によって抑制されたC33A細胞はRbを発現しな いからである。 CATレポーター活性は、アミノ酸71〜1706(配列番号2)を含有するRIZ/GAL4 のトランスフェクションによって減少した。しかし、リプレッサー活性の量は、 RIZアミノ酸17〜1706(配列番号2)を含有するRIZ/GAL4よりも少なかった。こ の結果は、PRドメインがRIZに媒介される転写調節に関与し、そしてPRドメイン のブロックAが存在しないことにより、RIZリプレッサー活性を減少させるが、 除去しないことを示す。 上記実施例を参考に本発明を説明したが、本発明の精神から離脱することなく 様々な改変を行い得ることを理解するべきである。従って、本発明は、以下の請 求の範囲によってのみ限定される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 5/10 C12P 21/08 // C12P 21/02 C12N 5/00 B 21/08 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.実質的に精製された、哺乳動物RIZをコードする核酸分子。 2.請求項1に記載の核酸分子を含有する、ベクター。 3.請求項2に記載のベクターを含有する、宿主細胞。 4.前記RIZが、図9A(配列番号3)に示されるヌクレオチド配列を実質的に有 するヒトRIZである、請求項1に記載の核酸分子。 5.ヌクレオチド969位でアデニンがチミンに置換されている、請求項4に記載 の核酸分子。 6.前記RIZが、図9B(配列番号95)に示されるヌクレオチド配列および図9A( 配列番号3)に示されるヌクレオチド130〜5277位のヌクレオチド配列を実質的 に有するヒトRIZである、請求項1に記載の核酸分子。 7.前記RIZが、図9B(配列番号96)に示されるヌクレオチド配列および図9A( 配列番号3)に示されるヌクレオチド130〜5277位のヌクレオチド配列を実質的 に有するヒトRIZである、請求項1に記載の核酸分子。 8.図9A(配列番号4)に示されるアミノ酸配列を実質的に有する、ヒトRIZを コードする核酸分子。 9.比較的ストリンジェントな条件下で、請求項4に記載の核酸分子または請求 項4に記載の前記核酸分子に相補的な核酸分子に特異的にハイブリダイズする少 なくとも10個のヌクレオチドを含有する、ヌクレオチド配列。 10.前記RIZが、図1A(配列番号1)に示される核酸配列を実質的に有するラ ットRIZである、請求項1に記載の核酸分子。 11.図1A(配列番号2)に示されるアミノ酸配列を実質的に有する、ラットRI Zをコードする核酸。 12.比較的ストリンジェントな条件下で、請求項11に記載の核酸分子または 請求項11に記載の前記核酸分子に相補的な核酸分子に特異的にハイブリダイズ する少なくとも10個のヌクレオチドを含有する、ヌクレオチド配列。 13.図14(配列番号105)に示されるアミノ酸配列を実質的に有する、マウスR IZをコードする核酸分子。 14.実質的に精製された、RIZをコードする変異核酸分子。 15.比較的ストリンジェントな条件下で、請求項14に記載の変異核酸分子ま たは請求項14に記載の前記変異核酸分子に相補的な核酸分子に特異的にハイブ リダイズするが、請求項1に記載の核酸配列にハイブリダイズしない少なくとも 10個のヌクレオチドを含有する、ヌクレオチド配列。 16.実質的に精製された、哺乳動物の網膜芽細胞腫タンパク質相互作用性ジン クフィンガータンパク質(RIZ)。 17.実質的に精製された、哺乳動物RIZの活性フラグメント。 18.アミノ酸配列EIRCEEKPEDL(配列番号6)を実質的に含有する、請求項1 7に記載の活性フラグメント。 19.アミノ酸配列EIRCDEKPEDL(配列番号91)を実質的に含有する、請求項1 7に記載の活性フラグメント。 20.図9A(配列番号4)に示されるアミノ酸配列を実質的に有する、実質的に 精製されたヒトRIZ。 21.アミノ酸283位でグルタミン酸がアスパラギン酸に置換されている、請求 項20に記載のヒトRIZ。 22.図1A(配列番号2)に示されるアミノ酸配列を実質的に有する、実質的に 精製されたラットRIZ。 23.請求項16に記載のRIZに特異的に結合する、抗体。 24.実質的に精製された変異ヒトRIZまたはその活性フラグメント。 25.請求項24に記載の変異RIZに特異的に結合する、抗体。 26.アミノ酸配列:Y-A-X100-B-X101-C-Z、 ここで、Yは、約8〜13個の独立して選択されるアミノ酸であり; X100は、約20〜35個の独立して選択されるアミノ酸であり; X101は、約20〜35個の独立して選択されるアミノ酸であり; Zは、約8個の独立して選択されるアミノ酸であり; Aは、Ile-X2-X3-Gly-X4-X5-X6-Gly-X7-X8-X9-X10であり、 ここで、X6は、PheまたはIleであり、X7は、ProまたはValであり、X10は、Gly またはLysであり、そしてX2、X3、X4、X5、X8、およびX9は、各々1個の独立し て選択されるアミノ酸であり; Bは、Ile-X11-X12-X13-X14-X15-X16-X17-X18-X19-X20-X21であり、 ここで、X11は、AspまたはCysであり、X15は、ProまたはGluであり、X16は、G luまたはAspであり、X20は、TrpまたはPheであり、X21は、MetまたはLeuであり 、 そしてX12、X13、X14、X17、X18、およびX19は、各々1個の独立して選択される アミノ酸であり;そして Cは、X22-X23-L-X24-X25-X26-X27-X28-X29-X30-Dであり、 ここで、X22は、GluまたはGlnであり、X23は、GluまたはAsnであり、X24は、L euまたはIleであり、X25は、ValまたはLeuであり、X30は、ArgまたはGluであり 、X27およびX29は、各々独立して選択されるアミノ酸であり、そしてX26およびX 28は、各々独立して存在しないか、または独立して選択されるアミノ酸である、 を含有する、PRドメインペプチド。 27.請求項26に記載のPRドメインペプチドであって、ここで Aにおいて、X3は、LysまたはValであり、X5は、ArgまたはLysであり、X6は、Phe であり、X7は、Proであり、X9は、IleまたはValであり、そしてX10は、Glyであ り; Bにおいて、X11は、Aspであり、X12は、GlyまたはAlaであり、X17は、Lysまたは Valであり、X18は、SerまたはGlyであり、X19は、AsnまたはSerであり、そしてX 20は、Trpであり;そして Cにおいて、X23は、Gluであり、X24は、Leuであり、X26は、TrpまたはPheであり 、X27は、TyrまたはMetであり、そしてX28は、存在する場合には、AsnまたはLys である、PRドメインペプチド。 28.前記アミノ酸配列が、配列番号99である、請求項26に記載のPRドメイン ペプチド。 29.前記アミノ酸配列が、配列番号2のアミノ酸36〜151位として示される、 請求項26に記載のPRドメインペプチド。 30.前記アミノ酸配列が、配列番号98、配列番号99、配列番号100、および配 列番号101からなる群から選択される、請求項26に記載のPRドメインペプチド 。 31.請求項26に記載のPRドメインペプチドであって、ここで Aが、PRDI-BF1(配列番号98)のアミノ酸71〜81位、RIZ(配列番号99)のアミノ 酸50〜61位、EVI-1(配列番号100)のアミノ酸71〜82位、およびegl-43(配列番 号101)のアミノ酸29〜40位からなる群から選択される、PRドメインペプチド。 32.請求項26に記載のPRドメインペプチドであって、ここで Bが、PRDI-BF1(配列番号98)のアミノ酸112〜123位、RIZ(配列番号99)のアミ ノ酸88〜99位、EVI-1(配列番号100)のアミノ酸108〜119位、およびegl-43(配 列番号101)のアミノ酸65〜76位からなる群から選択される、PRドメインペプチ ド。 33.請求項26に記載のPRドメインペプチドであって、ここで Cが、PRDI-BF1(配列番号98)のアミノ酸158〜167位、RIZ(配列番号99)のアミ ノ酸134〜44位、EVI-1(配列番号100)のアミノ酸154〜164位、およびegl-43( 配列番号101)のアミノ酸107〜116位からなる群から選択される、PRドメインペ プチド。 34.以下からなる群から選択されるアミノ酸配列を含有する、PRドメインペプ チド: Ile-X2-X3-Gly-X4-X5-X6-Gly-X7-X8-X9-X10、 ここで、X6は、PheまたはIleであり、X7は、ProまたはValであり、X10は、Gly またはLysであり、そしてX2、X3、X4、X5、X8、およびX9は、各々1個の独立し て選択されるアミノ酸である; Ile-X11-X12-X13-X14-X15-X16-X17-X18-X19-X20-X21、 ここで、X11は、AspまたはCysであり、X15は、ProまたはGluであり、X16は、G luまたはAspであり、X20は、TrpまたはPheであり、X21は、MetまたはLeuであり 、そしてX12、X13、X14、X17、X18、およびX19は、各々1個の独立して選択され るアミノ酸である、そして X22-X23-L-X24-X25 X26-X27-X28-X29-X30-D、 ここで、X22は、GluまたはGlnであり、X23は、GluまたはAsnであり、X24は、L euまたはIleであり、X25は、ValまたはLeuであり、X30は、ArgまたはGluであり 、X27およびX29は、各々独立して選択されるアミノ酸であり、そしてX26およびX 28は、各々独立して存在しないか、または独立して選択されるアミノ酸である。 35.前記アミノ酸配列が、RIZ(配列番号99)のアミノ酸50〜61位、RIZ(配列 番号99)のアミノ酸88〜99位、RIZ(配列番号99)のアミノ酸134〜44位からなる 群から選択される、請求項34に記載のPRドメインペプチド。 36.前記アミノ酸配列が、PRDI-BF1(配列番号98)のアミノ酸71〜81位、EVI- 1(配列番号100)のアミノ酸71〜82位、egl-43(配列番号101)のアミノ酸29〜4 0位、PRDI-BF1(配列番号98)のアミノ酸112〜123位、EVI-1(配列番号100)の アミノ酸108〜119位、egl-43(配列番号101)のアミノ酸65〜76位、PRDI-BF1( 配列番号98)のアミノ酸158〜167位、EVI-1(配列番号100)のアミノ酸154〜164 位、およびegl-43(配列番号101)のアミノ酸107〜116位からなる群から選択さ れる、請求項34に記載のPRドメインペプチド。 37.被検体における、変異RIZを有する腫瘍細胞の増殖を減少するための方法 であって: a.該腫瘍細胞に、RIZをコードする核酸分子を導入する工程;および b.該腫瘍細胞において該RIZを発現させる工程であって、ここで該RIZは、該 腫瘍細胞の増殖を減少させる、工程、 を包含する、方法。 38.前記腫瘍細胞が、神経芽細胞腫腫瘍細胞および黒色腫腫瘍細胞からなる群 から選択される、請求項37に記載の方法。
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