JPH10506328A - 工 具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 チップホルダーの台座において、２つのアーム４２の間でクランプされた切削チップ４１の交換に用いる工具に関する。チップ４０は、以下の構成により容易に素早く交換することが可能となる。即ち、第一支持部３０がベース２０上にあり、チップホルダーの台座上で支えられている。第二支持部３１が、第一支持部３０から隔離して、台座の一アーム部４２の領域におけるもう一つの台座上に配置されて、又はチップ４１上で支えられている。２つの支持部３０及び３１の少なくとも１つは、ピボット１２について作動部１０により偏心的に移動可能であり、これにより２つの支持部３０及び３１間の距離を変更することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】 工具 本発明は、切削インサートホルダーの２つの脚部の間の台座においてグリップ される切削インサートの交換に用いる工具に関する。 通常、このような工具はレバーとして設計される。切削インサートを交換する 際に、レバーの一端を切削インサート用の台座を形成する２脚部の１つで支える 。レバーの自由端は手動で調整可能となり、これにより２つの脚部の間に隙間を 作り、台座からの切削インサートの取り外しを可能とする。 このような場合、レバーの自由端を常に所定の長さに調節できるとは限らない 。脚部間の間隔を許容以上に広げてしまう危険性がある。このため脚部が可塑的 に変形し、レバーを外した後にも元の設定に戻らなくなる。結果として、台座が 広がって切削インサートの堅固な保持が不可能となり、切削インサートホルダー の交換が必要となる。 本発明の目的は、切削インサートホルダーを破損することのない切削インサー トの交換を容易にする利便性のよい工具を提供することである。 本発明では、この目的は以下のように達成される。基部上に配置した第一支持 部を切削インサートホルダーの台座で支え、第一支持部から隔離した位置に第二 支持部を取り付け、そこでこの第二支持部を台座の脚部範囲内に取り付けられた 別の台座に取り付け、又は切削インサートを支柱として利用し、２つの支持部の 少なくとも１つは回転軸について作動部により偏心的に調整可能にすることによ り、２つの支持部の間の距離を調整可能とする。 このような設計では、基部を切削インサートホルダー上に取り付ける ことにより、第一支持部をその対応する台座で支えることが可能となる。この基 部の位置においては、第二支持部を例えば２脚部の一方に配置された台座に取り 付けることが可能である。作動部及び一以上の支持部の偏心的な配置によって、 両支持部は相対的に移動可能となる。これにより２つの脚部が広げられ、切削イ ンサートを保持するクランプ固定を解除することが可能となる。しかし、この２ つの脚部が相互調整可能なのは一定の所定距離に沿ってのみであり、この距離は 偏心の大きさにより決定される。こうした安全設計により、脚部の塑成変形を防 止する。しかしながら、本発明によれば第二支持部を切削インサートで支えるこ とも可能である。例えば、この目的のために切削インサートに特別な台座を設け ることが可能である。同時に、第二支持部を切削インサートの本体表面で支える こともできる。 上記の場合では、偏心的に取り付けられた支持部の回転によって、切削インサ ートを台座において強制的に移動することができる。この第二支持部のための台 座の設計によれば、切削インサートを切削インサートホルダーの台座から取り外 す、あるいは切削インサートホルダーの台座に装着することが可能である。 しかしながら、第二支持部の台座を、切削インサートを切削インサートホルダ ーの台座から取り外すあるいは装着できるよう設計することも可能である。 本発明の好適な一実施例では、基部はボルトが嵌まる内孔を有し、このボルト はその軸について回転可能であり、支持部は当該ボルトの先端に回転軸に対し偏 心して取り付けられる。内孔内ではボルトがピボット軸受けを形成するが、これ は容易に可能である。ボルトに回転を与える ため、例えばボルトに作動部として作用するハンドルのついたグリップを接続す ることが可能である。ハンドルを調整する際には、ボルトがピボット軸受けにお いて回転する。この調整を行うと、回転軸に対し偏心的に取り付けられる支持部 が回転軸の円周を移動するため、第二支持部までの距離が変化する。このように 支持部が互いに向かって相対的に移動することにより、切削インサートの交換を 容易に可能とする。 本発明の別の好適な実施例では、第一支持部を円筒形のピンとして設計し、そ の一端は基部の内孔に嵌められ、基部の対抗側の他端は切削インサートホルダー の内孔に挿入可能である。 切削インサートホルダーからある一定の距離において、一又は複数の突起によ り基部を保持すれば、本工具の操作性は向上する。 基部の握り部分の形状を人間工学的に設計するため、基部は２つの端部及びこ れらの端部を接続する１つの中間部を有し、該端部は支持部を保持しており、中 間部の断面は端部より狭くなっている。 本工具の好適な一変形実施例によれば、支持部の２つの台座を切削インサート の台座の脚部にそれぞれ取り付け、両支持部の相互調整によって脚部を広げるこ とにより、台座が弾性的に広げられる。台座が広げられた状態において、切削イ ンサートを容易に装着又は取外すことが可能である。 しかしながら、第二支持部を支えるため、切削インサートにおける一体端部、 一開口部、又は一凹部を利用することも可能である。このようにすると、支持部 によって切削インサートに直接力を働かせることが可能となり、切削インサート の台座からの取り外し及び装着が容易に可能となる。 以下の図に示す実施例によって、本発明の詳細説明を行う。 図１：切削インサートの交換ための工具が側部に取り付けられているチゼルホ ルダーの正面断面図。 図２：図１の側面図。 図３：切削インサートホルダーの台座に固定された切削インサートを取り外す ための工具が側部に取り付けられているチゼルホルダーの側面図。 図４：図３の上面部分断面図。 図５：切削インサートを切削インサートホルダーの台座に装着するための、切 削インサートホルダーの上に取り付けられた工具及び切削インサートホルダーの 側面図。 図６：図５の上面部分断面図。 図１は、切削インサート４１が台座に固定されたチゼルホルダー４０の正面図 である。このような切削インサートホルダーは、旋盤と共に突切バイトとして用 いられる。切削インサート４１は切削インサートホルダー４０の２つの脚部４２ によりクランプして台座に保持される。図２に詳細に示す様に、２つの脚部４２ は、切削インサート４１に押しつけられる平行な受け面を具備する。加工物の切 削後に、切削インサート４１が摩耗すると交換が必要となる。このため図１に示 す工具を用いるが、この工具は切削インサートホルダー４０の側部に取り付けら れる。この工具は基部２０を有し、基部２０には２つの平行な内孔２１及び２２ が形成されている。 ピンとして設計される第一支持部３０は内孔２１に挿入される。第一支持部３ ０の外径は内孔２１の直径より若干大きいサイズであるので、 第一支持部３０は内孔２１内でクランプされる。ボルト１２は、内孔２１に平行 な内孔２２に挿入される。内孔２２及びボルト１２によって、ピボット軸受けが 形成される。ボルト１２が内孔２２から抜けないようにするため、安全リング１ ３及び１４がボルト１２の内孔の各出口に固定される。一作動部１０がボルト１ ２に一体的に接続される。作動部１０の一部が内孔２２の軸方向に延びて９０° 屈曲し、ハンドル１１を形成する。内孔２２の中央の軸が回転軸１７を形成し、 その軸についてボルト１２は回転可能となる。ボルト１２の先端は、ハンドル１ １の反対側に向いており、ブラインドホール即ちポケット孔１５を有する。ポケ ット孔１５のドリル軸は、回転軸１７から距離「ｅ」離れて平行に位置する。第 二の作動部３１は、ポケット孔１５に挿入される。 ピンとして設計される支持部３１は、回転軸１７に対して距離ｅの位置に偏心 して取り付けられる。切削インサートホルダー４０に向いている内孔２１の出口 開口付近には突起２３が設けられており、ボルト１２の突出１６と共に、基部２ ０を切削インサートホルダー４０から隔離した位置に保つ。これにより、切削イ ンサートホルダー４０から横向きに突出している切削インサート４１と基部２０ との接触を防ぐ。加えて、基部の操作性も高められる。 ２つの支持部３０及び３１は、切削インサートホルダー４０の台座に挿入され る。内孔として設計される各台座は、脚部４２において形成される。２つの脚部 ４２を広げて切削インサート４１を保持する台座を広げるため、作動部１０のレ バー１１を図中の破線で示す位置まで移動させる。これにより、第二支持部３１ は回転軸１７を中心として回転する。レバー１１が最終的な位置に達すると、第 二支持部は図１の「ｄ」で示 すように偏心ｅの２倍の距離を移動したことになる。これにより、図２の破線で 示すように、上側脚部４２が切削インサート４１から「ｄ」移動する。 このため、切削プレート４１を定位置に保持するクランプ力が一時解除される ので、切削インサート４１を切削インサートホルダー４０から外すことが可能と なる。また、図２から分かるように、この場合の切削インサート４１は取り外し 可能なインサートとして設計されており、摩耗した際には、このインサートを１ ８０°回転させて切削インサートホルダー４０の台座に再度装着することが可能 である。インサートの背部には、台座において切削インサート４１が確実に停止 するようにストッパー装置４３が形成されている。レバー１１を元の位置に戻す と、上側脚部４２が切削インサート４１上に対して滑り、クランプ固定によって 再度固定される。本工具を切削インサートホルダー４０から取り外すことが可能 になるので、支持部３０及び３１が切削インサートホルダー４０の内孔から外さ れる。 基部２０は、３つの部分から構成される。中間部２５と、中間部２５で接続さ れる２つの端部２４及び２６である。中間部２５は端部２４及び２６より細く、 基部２０の人間工学的に最適な握り及び取扱いを容易に可能とする。操作の際に は、ハンドル１１を手で握り、基部２０の中間部を親指及び人差し指で掴むこと ができる。 切削インサート４１の交換に用いる工具の、さらなる一変形実施例を図３及び ４に示す。２つの脚部４２の間で切削インサートホルダー４０においてクランプ される切削インサート４１を、本工具によって台座から取り外すことが可能であ る。このために、開口４２．１により台座の 後ろ部分が広げられる。第一支持部３０を、切削インサートホルダー４０に設け られた貫通孔に挿入し、第二支持部３１を開口４２．１に挿入する。この工具は 原理的には、図１及び２に示した工具と同様の設計になっている。ただし、ボル ト１２の直径がより大きく、第二支持部３１の回転軸１７に対する中心からのず れによる偏心ｅによってより広い設定範囲ｄが提供される。内孔２２内のボルト １２の動きにより、第二支持部３１は破線で示した位置まで移動される。第二支 持部３１が切削インサート４１の本体表面へと後方に傾くので、切削インサート ４１もまた台座において距離ｄだけ移動する。距離ｄは、切削インサート４１を 台座から完全に取り外すために充分に大きく、又は少なくとも比較的力を要さず に手によって取り出せるまで移動させるような距離である。 切削インサート４１に、第二支持部３１を支える内孔または凹部等をつけるこ とも可能である。これにより、切削インサート４１を切削インサートホルダー４ ０の台座からの取外し、切削インサートホルダー４０への再装着が可能となる。 摩耗した切削インサート４１は取り外され、本工具を用いて台座に新しい切削イ ンサートを再装着することが可能である。 図５及び６に示す工具により、切削インサート４１を切削インサートホルダー ４０の台座に簡単に装着できるようになる。この図に示す通り、第一支持部３０ を駆動装置１０を接続したボルト１２に挿入する。第二支持部３１は、切削イン サート４１の切削エッジを受け止める台座３２を有する。作動部１０の位置を破 線で示す位置に変更すると、第一支持部３０と第二支持部３１との間の距離が距 離ｄ減少し、切削インサート４１が切削インサートホルダー４０の台座に装着で きるようになる。 上記の場合は、第一支持部３０及び第二支持部３１は、いづれもピボット軸受 けによって基部２０に接続されている。第二支持部３１が内孔２１から外れるの を防ぐため、２つの安全リング２７及び２８で固定している。作動部１０を回転 させる際、基部２０が図５に示す仮想面に対して平行にずれる。第二支持部３１ のピボット軸受けにより、この部分もまた軸を中心に回転する。これにより、切 削インサート４１の切削エッジは所望の移動方向に作用する力以外からは開放さ れた状態で維持される。このことにより、切削エッジの破損を防ぐ。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９６年９月６日 【補正内容】 明細書 工具 本発明は、切削インサートホルダーの２つの脚部の間の台座においてグリップ される切削インサートの交換に用いる工具に関する。 通常、このような工具はレバーとして設計される。切削インサートを交換する 際に、レバーの一端を切削インサート用の台座を形成する２脚部の１つで支える 。レバーの自由端は手動で調整可能となり、これにより２つの脚部の間に隙間を 作り、台座からの切削インサートの取り外しを可能とする。 このような場合、レバーの自由端を常に所定の長さに調節できるとは限らない 。脚部間の間隔を許容以上に広げてしまう危険性がある。このため脚部が可塑的 に変形し、レバーを外した後にも元の設定に戻らなくなる。結果として、台座が 広がって切削インサートの堅固な保持が不可能となり、切削インサートホルダー の交換が必要となる。 ＵＳＡ３ １７５ ４２６において、基部を具備する切削インサートの交換に 用いる工具が開示されている。２つの支持部は、切削インサートホルダーの台座 上でそれぞれ支えられ、基部に取り付けられる。支持部を、作動部を用いて回転 軸について偏心的に調整可能とし、２つの支持部間の距離を変化させることが可 能となる。 本発明の目的は、切削インサートホルダーを破損することのない切削インサー トの交換を容易にする利便性のよい工具を提供することである。 請求の範囲 １．切削インサートホルダーの台座において２つの脚部の間でクランプされて 保持される、切削インサートの交換に用いる工具であって、 第一支持部（３０）は基部（２０）上に取り付けられ、かつ切削インサートホ ルダー（４０）の台座によって支えられ、 第二支持部（３１）は第一支持部（３０）から隔離した位置に取り付けられ、 かつ台座の脚部（４２）の範囲内に取り付けられたもう一つの台座に支えられ、 又は切削インサート（４１）により支えられ、 支持部（３０及び３１）の少なくとも１つは回転軸（１２）の回りで作動部（ １０）により偏心的に調整可能であり、これにより２つの支持部（３０及び３１ ）間の距離が変更可能である工具において、 前記基部（２０）は、一又は複数の突起（２３）により切削インサートホルダ ー（４０）から隔離して保持することが可能であることを特徴とする工具。 ２．基部（２０）は、ボルト（１２）が支えられかつ回転軸（１７）について 回転可能とする内孔（２２）を有し、 前記ボルト（２２）の先端において支持部（３１）が回転軸（１７）に対し偏 心的に取り付けられていることを特徴とする請求項１に記載の工具。 ３．作動部（１０）として用いるハンドル（１１）を有するグリップが、前記 ボルト（１２）に接続されていることを特徴とする請求項２に記載の工具。 ４．第一支持部（３０）が円筒形のピンとして設計され、その一端は基部（２ ０）の内孔（２１）に保持され、基部（２０）の反対側の他端 が切削インサートホルダー（４０）の内孔に挿入されることが可能であることを 特徴とする請求項１から３のいずれかに記載の工具。 ５．基部（２０）は、２つの端部（２４及び２６）と、２つの端部（２４及び ２６）を接続する一つの中間部（２５）を具備し、端部（２４及び２６）は支持 部（３０及び３１）を支え、中間部（２５）は端部（２４及び２６）より断面が 小さく設計されていることを特徴とする請求項１から５のいずれかに記載の工具 。 ６．支持部（３０及び３１）のための２つの台座は、切削インサート（４１） のための台座の脚部（４２）にそれぞれ配置され、 ２つの支持部（３０及び３１）の相互調整によって脚部が広がり、このため台 座が弾性的に広げられることを特徴とする請求項１から６のいずれかに記載の工 具。 ７．第二支持部（３１）は切削インサート（４１）における本体端部、孔、又 は凹部により支持されることを特徴とする請求項１から６のいずれかに記載の工 具。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．切削インサートホルダーの台座において２つの脚部の間でクランプされて 保持される、切削インサートの交換に用いる工具において、 第一支持部３０は基部２０上に取り付けられ、かつ切削インサートホルダー４ ０の台座によって支えられ、 第二支持部３１は第一支持部３０から隔離した位置に取り付けられ、かつ台座 の脚部４２の範囲内に取り付けられたもう一つの台座に支えられ、又は切削イン サート４１により支えられ、 支持部３０及び３１の少なくとも１つは回転軸１２について作動部１０により 偏心的に調整可能であり、 これにより２つの支持部３０及び３１間の距離が変更可能であることを特徴と する工具。 ２．基部２０は、ボルト１２が支えられかつ回転軸１７について回転可能とす る内孔２２を有し、 前記ボルト２２の先端において支持部３１が回転軸１７に対し偏心的に取り付 けられていることを特徴とする請求項１に記載の工具。 ３．作動部１０として用いるハンドル１１を有するグリップが、前記ボルト１ ２に接続されていることを特徴とする請求項２に記載の工具。 ４．第一支持部３０が円筒形のピンとして設計され、その一端は基部２０の内 孔２１に保持され、基部２０の反対側の他端が切削インサートホルダー４０の内 孔に挿入されることが可能であることを特徴とする請求項１から３に記載の工具 。 ５．基部２０が一又は複数の突起２３により切削インサートホルダー４０から ある一定の距離をおいて保持することが可能であることを特徴 とする請求項１から４に記載の工具。 ６．基部２０は、２つの端部２４及び２６と、２つの端部２４及び２６を接続 する一つの中間部２５を具備し、端部２４及び２６は支持部３０及び３１を支え 、中間部２５は端部２４及び２６より断面が小さく設計されていることを特徴と する請求項１から５に記載の工具。 ７．支持部３０及び３１のための２つの台座は、切削インサート４１のための 台座の脚部４２にそれぞれ配置され、 ２つの支持部３０及び３１の相互調整によって脚部が広がり、このため台座が 弾性的に広げられることを特徴とする請求項１から６に記載の工具。 ８．第二支持部３１は切削インサート４１における本体端部、孔、又は凹部に より支持されることを特徴とする請求項１から６に記載の工具。