JPH10506044A - ガドリニウム同位体のクロマトグラフによる連続定常状態分離 - Google Patents

ガドリニウム同位体のクロマトグラフによる連続定常状態分離

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JPH10506044A JP8503237A JP50323795A JPH10506044A JP H10506044 A JPH10506044 A JP H10506044A JP 8503237 A JP8503237 A JP 8503237A JP 50323795 A JP50323795 A JP 50323795A JP H10506044 A JPH10506044 A JP H10506044A
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Abstract

(57)【要約】 イオン交換樹脂が固定相であり、ガドリニウム同位体の混合物に基づくイオンの水溶液が供給相であり、酸性溶離剤水溶液が移動相である連続定常状態クロマトグラフィーを用いてガドリニウム同位体、特に高熱中性子捕獲断面積のガドリニウム同位体を部分的に又は完全に連続的に分離する方法及び装置を提供する。この分離方法は、ガドリニウムの種々の天然に存在する同位体が他の同位体の溶離分とは別個の溶離分中に優先的に溶離されるような条件の下で、移動相が固定相に吸着されたガドリニウム同位体溶質又は配位子を溶離し、又は破壊することを含む。好ましい実施例では、かかる条件は、溶離分のうち少なくとも一つが本質的に一つのガドリニウム同位体を含むようなものである。分離方法は好ましくは、連続定常状態の手法で行われ、そして好ましくは、連続環状クロマトグラフ(CAC)内で単一動作で行われる。

Description

【発明の詳細な説明】 ガドリニウム同位体のクロマトグラフによる連続定常状態分離 本発明は、希土類元素の分野に関し、より詳細には、希土類元素の同位体の分 離に関する。本発明は特に、中性子捕獲断面積が大きなガドリニウム同位体を、 他のガドリニウム同位体の混合物又は他のガドリニウム同位体と他の希土類元素 の混合物から選択的に分離する方法及び装置に関する。 原子炉内における核分裂反応速度は、中性子によりトリガされる連鎖反応の続 行に利用できる中性子数の関数である。燃料の原子核の分裂により一または二以 上の中性子が放出されるが、連鎖反応の維持に必要な中性子は一つである。原子 炉に関する設計上の特徴の多くは、これらが中性子経済に及ぼす影響度に基づい ている。特に、原子炉で用いられる材料は、それらの中性子捕獲断面積σを他の 性質と共に考慮して選択される。大抵の原子炉構成要素、例えば支持構造体燃料 棒被覆管又はクラッディング、減速材等については低σ材料が選択される。これ に対して、制御棒及び可燃性毒物シムについては高σ材料が選択される。原子炉 の内部構成材料がかかる熱中性子に対して透過性であればあるほど、原子炉の稼 働効率はそれだけ一層高くなる。というのは、核反応を維持するためには或る特 定の数のこれら熱中性子が必要とされるからである。「可燃性毒物シム」は燃料 サイクル中の初期に中性子束を減少させ、中性子吸収後に「透明(transparent) 」又は中性になり、燃料サイクルの終期でより多くの核分裂中性子が燃料に吸収 されるようにするために注意深く選択された量、加えられる高σ材料である。 ガドリニウム(Gd)は、原子炉内における中性子吸収材として最も有望な希 土類元素である。ガドリニウムは従来より原子炉の制御棒の構成材料として用い られている。かかる用途では、ガドリニウムは、平均熱中性子捕獲断面積が約4 9,000バーン(10-24cm2)の熱中性子吸収材としての機能を発揮する。し かしながら、ガドリニウム同位体の中には、熱中性子捕獲断面積σが一層大きい ために中性子捕獲が一層効率的なものがある。 ガドリニウムは、天然同位体混合物について最も高いσをもつ元素である。ガ ドリニウムのうち2つの同位体、即ちGd155とGd157だけが、以下の表1に示 すように中性子捕獲断面積が大きなものとして特に魅力のあるものである。なお 、表1は、天然に存在するガドリニウム同位体の概略的な分布状態を示している 。 図示のように、Gd155及びGd157は、最も大きな熱中性子捕獲断面積σを有 しているが、存在割合は天然ガドリニウムの約30%に過ぎない。したがって、 高中性子捕獲断面積のGd同位体を他のGd同位体から、さらに他の希土類元素 から分離する必要がある。高中性子捕獲断面積をもつGd155及びGd157同位体 を他のGd同位体の混合物から同時に単離できる技術が要望されている。 図1の分離操作手順で示すように、ガドリニウムを他の種々のランタニド(即 ち、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E r、Tm、Yb、Lu)から分離することは手順として複雑な課題である。ここ のランタニドの種々の分別操作を行うには、化学的性質の異なることが必要であ る。というのは、同一の化学的性質を有するランタニドは2つと無いからである 。平衡法ではなく、動的手法による分離操作を意味する分離の動力学(kinetics )も異なる。その上、同位体濃縮、即ち、個々のフラクションからの同位体の分 離及び精製を実施する上での種々の化学的性質も異なり、互いに異なる同位体 濃縮技術又は手順を必要とする。たとえば、図1に示すように、ガドリニウム分 離はニトレート系で良好であり、これに対して、エルビウム分離はホスフェート 系及びフェリシアン化物系で良好である。 これら差異のうち大抵のものは、種々の元素の電子配置の基本的相違に起因し 、かかる相違は、異なる加水分解及び錯体生成挙動の際に現れ、従ってこれら元 素の分離の際の挙動、例えばイオン交換分離の際に影響を及ぼす。ランタニドの 酸性度は、元素の電子配置により特定されるようなイオン半径の降べきの順に増 大するであろう。酸性度は、イオン交換挙動を決定する重要な性質であり、例え ば、Gdが水中で水和すると、加水分解の水分子から水素イオンを変位させる傾 向がある。さらに、Gdは、三価の化学種であり、溶液中で陰イオン化学種と安 定な錯体を作る傾向は無い。Gdは一般に陽イオンとして溶解し、その陰イオン 錯体を形成するには厳密な溶液濃度が必要となる。 イオン交換法による分離操作手順では、錯体生成現象と加水分解物生成現象の 両方が含まれる。陽イオン交換ではH+が遊離し、陰イオン交換ではOH-がそれ ぞれイオン交換媒体から遊離する。ランタニドの原子半径は原子数の増加に伴っ て増大する。原子半径の小さい元素は典型的には、陽イオン交換樹脂上に陽イオ ンとして優先的に吸着され、次に、陽イオン交換樹脂から、強錯化陰イオンを含 む溶液の状態で溶離する。個々の分別及び同位体分離は異なる元素では異なって 生じるものと期待される。 同位体分離の際の従来法は、或るタイプの溶剤抽出法を伴う。しかしながら、 これら分離技術は一般に、一度に一種類の同位体しか分離できず、従って、複数 の抽出系統及び精製ステップを必要とする。連続環状クロマトグラフにおけるイ オン交換を用いてガドリニウム以外の同位体の同時分離を行う他の手法が、米国 特許第5,098,678号(発明者:リー氏等)、米国特許第5,110,5 66号(発明者:スナイダー氏等)及び米国特許第5,174,971号(発明 者:スナイダー氏等)に教示されている。 ガドリニウムをその同位体や他の希土類元素から分離する現在の手法は、イオ ン交換クロマトグラフに関心が集中している。たとえば、複数の液体クロマトグ ラフ分離塔又はカラム、イオン交換樹脂固定相及び溶離溶液移動相を用い、同位 体を一度に一つずつ次々に分離するバッチ方式クロマトグラフィー法により、ガ ドリニウム同位体、即ちGd155、Gd156及び/又はGd157を、これらを含む 混合物から分離することが知られている。 同位体生成物ピークの溶離の制御に関連した問題に起因して従来のクロマトグ ラフを用いて良好な分離を行うことは困難である。その結果、溶離の生成物中の ガドリニウム同位体の濃度を出来るだけ高くすることは困難である。かくして、 所望量よりも多量の使用済み溶離液を用いなければならないが、それにより廃棄 物管理の問題が生じる。その上、このバッチ方式の方法は、建造に費用がかかり 、しかも制御が難しい。少量の溶離液を用いながら、高熱中性子捕獲断面積のガ ドリニウム同位体、特にGd155及びGd157を連続動作のイオン交換クロマトグ ラフ分離法で並行して又は同時に分離する技術が要望されている。 本発明の目的は、所望のガドリニウム同位体を他のガドリニウム同位体の混合 物から分離する方法及び装置を提供することにある。 本発明の目的は、所望のガドリニウム同位体を他のガドリニウム同位体及び他 の希土類元素の混合物から分離する方法及び装置を提供することにある。 本発明のもう一つの目的は、ガドリニウム同位体を他の希土類元素から同時に 分離し、Gd155及びGd157、即ち熱中性子捕獲断面積が最も大きな同位体を他 のガドリニウム同位体から分離する方法及び装置を提供することにある。 本発明のさらにもう一つの目的は、連続動作クロマトグラフィー法を用いてガ ドリニウムの同位体を分離し、さらに液状廃棄物を量を減らす連続定常状態の方 法及び装置を提供することにある。 本発明の利点は、連続クロマトグラフィー法を用いることにより、大きな分離 係数が得られることにある。 本発明の上記及び他の目的及び利点は、イオン交換樹脂が固定相、ガドリニウ ム同位体の混合物に基づいたイオンの水溶液が供給相、酸性溶離水溶液が移動相 であるクロマトグラフィー法を利用してガドリニウムの同位体の部分的な又は完 全な分離を行う方法及び装置により達成される。本発明の方法は、ガドリニウム の天然に得られる種々の同位体の各々が他の同位体の溶離分(elution volume) から明確に区別された溶離分の状態で最初に溶離されるような条件下で移動相が 、 固定相に吸着されているガドリニウム同位体溶質又はリガンド(配位子)を溶離 し、或いは吸着することを含む。好ましい実施形態では、かかる条件は、溶離分 のうち少なくとも一つが本質的にガドリニウムの同位体を一つしか含まないよう なものである。本発明の方法は好ましくは、連続定常状態の手法で実施され、好 ましくは連続環状クロマトグラフ(以下、「CAC」と略記する場合がある)で 実施される。 最適実施形態は、水性酸中に溶解したガドリニウム化合物をイオン交換樹脂の 固定相を備えた連続環状クロマトグラフ(CAC)に供給する段階を含む。移動 相は好ましくは、水性の酸、より好ましくは硝酸(HNO3)であるが、その他のも のとしては、硫酸(H2SO4)、塩酸(HCL)、リン酸、酪酸(C4H8O2)、シュウ酸(C2 H2O4)、クエン酸(C6H8O7)、及び酸性ハロゲン化物(例えば、HF)等が挙げら れる。固定相は好ましくは、ガドリニウムが代表的には三価なので陽イオン交換 樹脂であるが、ガドリニウムが多価の挙動を示すことに鑑みて、溶液中の溶離剤 又は移動相の酸度及び錯体によっては、陰イオン交換樹脂も使用できる。 現時点で好ましい本発明の或る特定の実施形態が図面に記載されている。本発 明は図示の実施形態に限定されず、請求の範囲に記載の事項の範囲無いで種々の 変形例を想到できることは理解されるべきである。 図1は、従来のランタニド分離操作手順の説明図である。 図2は、環状構造であることを示すために一部を断面にした連続環状クロマト グラフ(CAC)の斜視図である。 図3は、環状体を構成する同心円の直径に沿うCACの横断面図である。 図4は、CACの頂部の一部分の拡大横断面図である。 図5は、図4に示す実施形態の底部の平面図である。 図6は、CACの底部の平面図である。 図7は、R=10の分析係数(resolution factor)についてガドリニウム同位 体の理論分離状態を示す溶離体積に対する同位体濃度のガウス分布曲線を示すグ ラフ図である。 図8は、それぞれ分析係数がR=5、10、15の場合のガドリニウム同位体 の濃度プロフィール及び中性子捕獲断面積プロフィールを示す部分図8A、8B 、 8Cを含むグラフ図である。分析係数が増大すると、高中性子捕獲断面積の同位 体は一層分離又は単離されるようなり、その結果、CACの出力の適正なフラク ションを収集することにより回収できる。 本発明の方法及び装置は、ガドリニウム同位体を含む混合物から高熱中性子捕 獲断面積のガドリニウム同位体を効率的且つ経済的に分離することができる。特 に関心のあることは、単一操作で同時にGd155及びGd157同位体の連続分離及 び単離を行うことである。 本発明に従って処理される混合物は、前もって他の希土類元素金属から分離さ れているガドリニウム同位体の混合物であるのが良く、或いは、ガドリニウム同 位体及び他の希土類元素、例えばLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、 Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Yランタニド等の混合物で あるのが良い。所望のガドリニウム同位体の分離は好ましくは、固定相である飽 和陰イオン又は陽イオン交換樹脂、供給相であるガドリニウム同位体の混合物か ら成るイオン型化合物の水溶液、及び移動相である酸性溶離剤水溶液を用いて行 われる。 本発明の方法で用いられる出発材料又は供給相は、例えば種々のガドリニウム イオンの混合物を硝酸又は他の強鉱酸中、例えば塩酸、硫酸、酪酸、リン酸又は これらの混合液中に溶解させることにより水溶液中のイオンに変わるガドリニウ ム同位体又はその酸化物の混合物の供給溶液から成るのが良い。したがって、供 給相は、ガドリニウム同位体から得られるイオン型ガドリニウム化合物の任意の 手頃な溶液である。同位体混合物は、天然に存在するものであっても、予備生成 プロセスから得られる部分的に精製された混合物であっても良い。 供給相は、予想動作条件の下で溶質に関する溶解性限度を越えないで、出来る だけ高いガドリニウム濃度を有することが好ましい。クロマトグラフィー分離法 を通常のやり方で実施すると、結果的に、生成物流中に分離されるべき生成物濃 度の稀釈が行われる。したがって、本発明の方法の全体効率及び特に、生成物流 からの所望の生成物を回収するのに必要な労力を最小にすることは、ガドリニウ ムが本発明のプロセス中に沈殿する過度の危険を冒さないで出来るだけ高い濃度 を用いることにより、最も良く達成される。供給相中で約0.1〜1モルを越え 、 好ましくは約2〜5モル、より好ましくは供給相の溶解性限度に近いガドリニウ ム濃度を用いることが特に好ましい。CRC『化学及び物理ハンドブック』は、 可溶性物質としてGd(NO3)3、GdCl3、Gd2(SO4)3を挙げている。 固定相は、ガドリニウムイオンに対して親和性のある任意の陰イオン又は陽イ オン交換樹脂であるのが良い。固定相は、代表的には水溶液中でガドリニウムイ オン、例えばGd+3陽イオンに対する親和性のある陽イオン交換樹脂であること が好ましいが、NO3 -、Cl-、SO4 2-、PO3 3-又は酸性溶剤に応じて他の陰 イオンと錯体を形成するものであっても良い。イオン交換樹脂は供給相中のガド リニウムイオンに対して強い親和性を示すことができるものてあることが好まし い。 好ましい陽イオン交換樹脂は、ニトレート、カルボキシレート、ホスフェート 、カーボネート及び水酸化物の活性基を基材とするものである。好ましい陰イオ ン交換樹脂は、第1アミン及び第三アミンから誘導されるアンモニウム基及び1 /4(quartenary)アンモニウム基の活性基を基材とするものである。特に好ま しい基は、トリカプリルメチル塩化アンモニウム、トリ−n−オクチルアミン及 び第1アミンから誘導されるものである。これら陽イオン交換樹脂及び陰イオン 交換樹脂の固体マトリックスは代表的には、多孔性ポリスチレン樹脂又は多孔性 ゼオライト組織である。本発明で使用できる陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換 樹脂についての詳細な説明は、『ペリーの化学工学ハンドブック』第6版、16 −1〜16−48頁(1984年発行)を参照されたい。なお、かかる文献の該 当箇所を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。 また、イオン交換樹脂から成る固定相は、希薄鉱酸溶液中において大きな固液 分配係数(solid to liquid distribution coefficient、なお、これは、Kd= Cresin/Cliquorで表される)によって反映されるような単位体積当たりのイ オン数に関する高イオン容量を表示できることが好ましい。可能な限り最も大き な容量、代表的には1ml当たり約0.01〜0.5ミリ当量、最も可能性の高い例 では、溶離条件の下で1ml当たり約0.1ミリ当量の容量を備えたイオン交換樹 脂を使用することが特に好ましい。これらのレーティングは、500ミクロン範 囲のビーズサイズを有する樹脂に基づくと共に遊離酸を結合する能力に基づいて いる。 本発明において好ましい小さなビーズサイズを用いると、単位体積当たりの表面 積が大きくなり、その結果、実容量が高くなる。他方、ガドリニウムイオンに対 する樹脂の親和性は、遊離酸イオンに対するその親和性と異なっている場合があ る。最終的な判断基準は、樹脂が実際上のクロマトグラフィー法の条件の下で妥 当な分離係数αを生じさせるかどうかだけである。しかしながら、樹脂の総イオ ン容量が高ければ高いほど、それだけ一層、本発明の用途における使用容易性が 高くなる。 また、固定相は狭い単分散状態に分布した小さな平均粒径の球形粒子を含むの が好ましい。粒径の偏差により、効率的な分離を行うことは一層困難である。か くして、多分散粒径分布方式では長尺の塔長さが必要であり、その結果、生成物 フラクションの希薄度が一層大きくなる。というのは、より多量の溶離分が所望 の生成物を含有することになるからである。分離の効率は又、単分散分布状態の 粒径範囲を減少させることによっても高くすることができる。小さな平均粒径が 好ましい。というのは、交換反応は、固定相のイオン交換樹脂ビーズの表面上で 起こる現象だからである。かくして、分離の効率は、イオン交換樹脂ビーズの体 積に対する表面積の比を最大にすることによって高くなる。しかしながら、これ は、粒径の減少が固定相の透過性に及ぼし影響及び分離塔内のビーズを保持する ことに対する影響を考慮して全体的にバランスを取る必要がある。特に好ましい 粒径は、約0.1〜10ミクロンである。 移動相又は溶離剤は、ガドリニウムイオンに溶媒和作用を及ぼしてこれらを分 離塔を下って溶離させるようにすることができる水性酸溶液であるのが良い。こ の移動相又は溶離剤は、固定相とのイオン会合関係からガドリニウムイオンを置 換できる流体である。これは、強鉱酸、例えば、硝酸の水溶液であるのが好まし く、更に他の鉱酸、例えば、塩酸、硫酸、酪酸、リン酸、シュウ酸、クエン酸、 酸性ハロゲン化物(例えば、フルオロ酸)又はこれらの混合物を含んでも良い。 特に好ましい溶離剤は、硫酸、塩酸及び硝酸であり、硝酸が最適である。必要と される酸強度は、利用する特定の酸が何かによるが、約1規定以上の酸強度が好 ましい。移動相は好ましくは、供給相の強度よりも幾分小さな強度の水性酸であ る。好ましくは、移動相は、供給溶液の酸強度が約0.1以上の場合、約0.1〜 1 規定の酸濃度を有する。必要とされる正確な酸強度は、イオン交換樹脂の活性基 が何であるか、そして溶離酸が何であるかによって決まるであろう。移動相は、 ガドリニウム生成物フラクションから回収して従来手法により脱イオン化すると 再使用できる。 分離塔の有効高さは、別々の生成物フラクション中へのガドリニウムの種々の 同位体、特にGd155及びGd157の有意な分離を可能にするのに充分であるべき である。かかる分離度は好ましくは、50%を越え、好ましくは約90%を越え 、さらに好ましくは少なくとも約98%の同位体純度を生じさせるのに充分であ る。この分離度は分離塔中の一回のパスで達成されることが好ましい。分離度が 所与の場合における分離塔の所要有効高さは、所与の固定相、移動相、溶離剤及 び流れ条件の分離キャパシティに関し実験的に得られたデータへのクレムザー− ブラウン−サンダースの式の適用結果から概算できる。 全ての推計学的分離方法、例えばクロマトグラフィー分離法には、プロセス機 器の構成要素中に達成できる定常状態分離度の指標として基本量(α)が存在す る。分離段階、或いは連続分離法においてトランスファーユニット又は均等な理 想段(theoretical plate)は、単一又は複数の供給流を2つの流出液流(これら は、「ヘッド(head)」及び「テール(tail)」、或いは生成物及び廃棄物とよ ばれることが多い)に分離する装置として考えることができる。二成分混合物を 分離する場合、種々のガドリニウム同位体の分離能力を定めるのに分離係数αが 用いられる。この分離係数はそれ自体、二成分について以下の式(1)により定義 される。 上式において、yは、所望同位体又は「ヘッド」流が豊富な生成物フラクション 中の当該同位体のモル濃度、xは、その状態からの「テール」流中の生成物フラ クション中の同一同位体のモル濃度である。所望の生成物又は「ヘッド」フラク ションとして一つの同位体フラクションを選択し、このフラクションを他の生成 物フラクションの複合体として「テール」フラクションを定義することにより近 似計算をすることができる。かくして、もしガドリニウムの98%がGd155で ある生成物フラクションが得られ、もし他の生成物フラクションを全て合わせた 複合体中においてガドリニウムの2%だけがGd155であれば、分離係数αは以 下の通りとなる。 有利には、同位体分離に関する分離係数αは、25〜100cmの分離塔(25 センチの長さが好ましい)について求められる。かかる分離塔に関し、好ましい 溶離剤を備えた好ましい固定相上の所望の同位体、例えばGd155についてのα 値は、約1.05よりも大きく、好ましくは約1.085以上である。一般に、商 業的に使えるガドリニウム濃縮プロセスに関し、α範囲は約1.01〜約1.10 である。 次に、任意の等級又は精製を行うのに必要な有効分離塔長さをこのデータから 決定する。例えば、もし25cmの試験分離塔により1.085の分離係数が得ら れると、必要な理論段Nの数を推定するためにクレムザー−ブラウン−サンダー スの式(2)を適用する際、この分離係数を理論段αsの分離係数として使用できる 。 上述の場合、これは次のようになる。 かくして、約24mの有効分離塔長さを意味する各々25センチの95の理論 段が必要になる。これは、クレムザー−ブラウン−サンダースの式が、二元混合 物の近似を仮定するフェンスキー−アンダーウッドの式中で有効であるという仮 定に基づいている。 以下の表2は、高熱中性子捕獲断面積のガドリニウム同位体(即ち、Gd155 +Gd157同位体)の他のガドリニウム同位体からの90%の分離及び回収に関 してαと所望の生成物純度の関数として突出分離塔長さを示している。 有効分離塔高さの方向は垂直であるが、別の向きにしても良い。重要なことは 、移動相の有効移動経路である。 この移動経路はクロマトグラフィー分離法を連続的に実施できるようなやり方 で設けられることが好ましい。所与のガドリニウム同位体の濃度を瞬時に検出す る上で便利で現在利用可能な技術は存在しない。かくして、定常状態に達して再 現性のある特定の生成物フラクションが或る特定の同位体分布をもつようにする 連続動作の手順が好適である。もし非連続又はバッチ方式でクロマトグラフィー 分離法に悪影響が生じれば、パス間のランダムな変動によりパス間における同一 の同位体分布をもつ生成物フラクションを再現可能に収集することは困難である 。 たとえば、もし単一の縦型分離塔がバッチ方式で装入を行われると、特定の同位 体中の濃生成物フラクションの溶離時間は、例えば供給濃度のばらつき等を制御 するのが困難なランダム変数に起因して、パスによって変化する場合がある。 特に好ましい連続動作クロマトグラフは、連続環状クロマトグラフ(CAC) である。この装置は、オーク・リッジ・ナショナル・ラボラトリーによって開発 されたものであり、環状体の軸線の周りに回転する環状固定相を有する。環状体 は、鉛直軸線を備えた互いに異なる直径の2つの同心シリンダの間に固定相材料 、例えば樹脂ビーズを充填することにより形成される。供給ポートが所与の角度 位置に設けられ、一または二以上の溶離ポートが供給ポートからある程度角度的 に偏った位置に設けられる。ガラスビーズの層を固定相上に配置し、ガラスビー ズ層を貫通する一つ又は複数の供給ノズルを設けることにより固定相の頂部上に ガドリニウム供給相を直接供給しながら、溶離剤をガラスビーズ層の頂部上に供 給することが好ましい。これにより、望ましくない結果をもたらす混合が阻止さ れる。 このCAC装置は、特定の組をなす動作条件に対応するよう便宜的に設定でき る多数の角度位置に設けられた多数の生成物ポートを備える。各生成物ポートは 、分離塔上で特定の滞留時間をもった溶離分を収集する。固定相は典型的には、 一定速度で回転し、環状層の任意の鉛直方向セグメントにガドリニウム供給原料 及び溶離剤を詰め込んだ後、所与の時間でかかるセグメントが特定の固定生成物 収集ポート上に位置するようにする。かくして、各生成物収集ポートは、固定相 を通過する特定流量に関する固定相の特定の回転速度について特定の溶離時間に 対応した角度位置を有する。 固定相を通る流量は、固定相の有効高さ前後の圧力降下及び固定相の物理的特 性、即ち粒径及び充填空隙率により制御される。この圧力降下は、供給相及び溶 離剤の静水頭によって生じるが、好ましくはCAC装置を加圧することによりも たらされる。特定の流量を達成するのに必要な圧力は、固定相の性状、即ちその 充填材、平均粒径及び粒径分布状態により決まる。かくして、固定相を構成する 樹脂ビーズの平均粒径が小さければ小さいほど、結果的に、特定の有効高さ上で 特定の流量を得るのに必要な圧力降下はそれだけ一層大きくなる。しかしながら 、 所与の理論段についての分離係数αは、樹脂ビーズの平均粒径の減少につれて改 善される。かくして、所定度の分離を行うのに必要な有効高さは、単位長さの分 離キャパシティ、換言すると、理論段高さが樹脂ビーズの平均粒径を小さくする ことにより減少させると低くなる。 固定相の有効高さを横切って通過する流量及び固定相の回転速度を調整して特 定の生成物フラクションが同一角度位置で常時溶離し、かくして同一の生成物収 集ポートに常時送りだされるようにする必要がある。 同位体分離用クロマトグラフを、溶離の開始前に有効分離塔高さのうち約5% 以下、より好ましくは約1%以下に供給相を詰め込む置換モードで動作させるこ とが好ましい。これは有利には、イオン交換樹脂とのイオン結合から、関心のあ るイオンを放出できない供給溶液を用い、陰イオンが適度の速度で分離塔を下っ て移動するように適当な強度の溶離剤を加える前に、有効高さの約5%以下、好 ましくは約1%以下を充填することにより行われる。連続環状クロマトグラフ( CAC)では、この目的は、供給ポートと溶離剤ポートの角度変位及び環状層の 回転速度を統合して充填と溶離との間の時間間隔が所望度の沈殿を得るのに丁度 充分であるようにすることにより達成される。充填のための時間と沈殿の深さと の間の関係は、環状層を通る流量により決まる。 置換は、定組成溶離又は溶離剤のグラジエント(勾配)供給のいずれかにより 達成できる。前者の場合、溶離剤を単一のポートから供給するだけで良く、これ に対して後者の場合では、供給ポートから次々に角度的に大きく変位した位置に ある幾つかのポートが利用される。グラジエントモードでは、初期溶離剤の影響 下において溶離が進んでついには関心のある同位体の或る程度の分離が行われる ようになり、次いで一層有効な溶離剤を供給する。これにより、分離塔を流下す るこれら同位体の移動速度が増大し、所与の成分又は生成物フラクションが分離 塔を出る溶離分又は溶離回数の範囲が最小限に抑えられ、換言すると、この手順 により、帯域拡張又はバンドスプレッディング(band spreading)が最小限に抑 えられる。 グラジエント溶離法又は他の方式により溶離分を減少させることにより、生成 物フラクション中の生成物、例えばガドリニウム同位体の濃度が増大する。生成 物の濃度を最大にして処理されるべき流体の総量を減少させることが好ましい。 これにより、システムの全体的な寸法形状の縮小が可能になり、その結果、資本 的支出及び運転費用が減少する。しかしながら、実際問題としてはかかる溶解性 限度により、得られる最大濃度は制限される。 分離塔を下る流量は、分離塔の頂部から底部までの圧力降下及び固定相の性状 により決まる。固定相を構成する樹脂ビーズの平均粒径が小さければ小さいほど 、それだけ一層、所定流量を得るのに必要な圧力降下は高くなる。この関係は又 、これら樹脂ビーズの粒径分布により得られる。しかしながら、所与の陽イオン 交換樹脂から成る固定相には、圧力をさらに上げても越えられない最大達成流量 がある。かかる樹脂の供給業者は、これらを、所定圧力降下当たりの流量及び最 大達成流量によって定格している。 1平方フィートの横断面積当たり、約2〜80ガロン/分、好ましくは約3〜 20ガロン/分(1m2の横断面積当たり、約1.36×10-3〜5.43×10- 23/秒、好ましくは、約2.04×10-3〜1.36×10-23/秒)の流量を 達成可能にする固定相を用いることが好ましい。達成可能な流量と有効分離塔高 さとの間には、所定の純度を得るのに必要な関係がある。固定相及び溶離剤の所 与のシステムに関し、関心のある任意の同位体についての固定相の理論段分離係 数αsは、固定相の樹脂ビーズの平均粒径の減少につれ増加するであろう。しか しながら、この粒径の減少につれ、固定相の流量キャパシティも減少する。かく して、αsと流量キャパシティは反比例の関係にある。したがって、流量を多く すると、分離度又は生成物フラクション純度を達成するのに必要な有効分離塔高 さは増加することになる。 さらに、所望の流量を達成するのに必要な圧力は、使用するポンプ、シール類 及び供給配管類の性能を越えてはならないという別の制約もある。所要圧力は、 有効高さの単位当たりの所要圧力降下と所望度の分離を達成するのに必要な有効 全高との両方の関数である。かくして、固定相の流量キャパシティが物理的構成 態様の変化により増大し、その結果、その理論段分離係数αsが減少すると、所 要有効高さと所要の全圧力降下が増大する。他方、理論段分離係数αsが樹脂ビ ーズサイズの分布状態の変化により増大し、その結果、固定相の流量キャパシテ ィが減少すると、所与の有効高さについての圧力降下が増大する。約400psi 未満、特に約50〜100psiの圧力降下が好ましい。 かくして、実用的な容量又はキャパシティを備えたシステムを得るためには、 妥当な理論段分離係数αsと単位有効高さ当たりの妥当な流量の両方を同時に表 示し、しかも妥当な圧力降下のある固定相を使用することが必要である。これは 、固定相のイオン交換樹脂のイオン容量と溶離剤の両方を適当に選択することに より達成できる。 好ましいモードでは、幾つかの生成物収集ポートが特定の生成物フラクション を収集するのに用いられる。これを達成するには、これらの生成物収集ポートを 互いに密に離隔させ、これら生成物収集ポートが、その特定のフラクションの溶 離時間間隔に対応する回転角度範囲に十二分に及ぶが、任意の他の生成物フラク ションのうちかなりの部分の溶離が予想される角度位置までは延びないようにな っている。当然のことながら、このためには、溶離時間間隔又は異なる生成物フ ラクションが実質的にオーバラップしないことが必要である。この構成は、所望 の生成物フラクションの溶離時間を僅かに早めたり遅くしたりする定常状態溶離 挙動の僅かな変動があっても、その結果として、このフラクションの損失が全く 生じないようにする傾向がある。 クロマトグラフは、ガドリニウムの同位体をガドリニウム同位体混合物から分 離し、或いはガドリニウムの同位体をガドリニウム同位体と他の希土類元素の混 合物から分離するよう構成されている。当然のことながら、もし元素分離が一分 離塔で行われ、そして同位体分離が別の分離塔で行われる場合、各分離塔の動作 条件をその分離塔の機能に対応して最適化するのが良い。 本発明の方法の実施に用いられる特に好ましい装置が図2〜図6に示されてい る。図2に示す連続環状クロマトグラフ(CAC)10は、図2に示されている 環状空間32を形成する2つの同心状に配置されたシリンダ30,35を有する 。この環状空間32の上には分配プレート20が設けられている。供給管又はチ ャンネル21,23が分配プレート20を貫通して延び、それぞれ供給ノズル2 2,24で終わっている。供給ノズル22は、環状空間32内に充填されたイオ ン交換樹脂ビーズ27に供給相を供給するようになっている。説明の便宜上、こ れら ビーズは、環状空間32を部分的に充填しただけの状態で示されている。他方、 供給ノズル24は、イオン交換樹脂ビーズ27の上に載ったガラスビーズ層26 に溶離剤を供給するようになっている。供給ノズル24は、供給ノズル22より 幾分短い。この供給構成は、供給相の逆混合を防ぐのに役立つ。 内側シリンダ35により形成される中央キャビティはキャップ31により密閉 され、管又はチャンネル25を用いて圧力を樹脂ビーズ22の環状層に及ぼすこ とができるようになっている。 環状空間32の底部は生成物側プレート40により形成されている。図6で分 かるように、他数本の生成物分配チャンネル又は管41が、この生成物側プレー トを貫通している。この構成により、種々の生成物フラクションの収集が可能に なり、しかも動作条件の調整が容易になって種々の角度変位位置で生成物の収集 を行うことができる。 分配プレート20は、ブラケット62により環状空間32の上方の固定位置に 保持され、このブラケットは、ベースプレート60に固定された支持ロッド61 に連結されている。また、このベースプレート60には支柱63が取り付けられ 、このベースプレート内には生成物側プレート40が回転自在に載置されている 。シャフト70が、支柱63及びベースプレート60を貫通して生成物側プレー ト40を動力手段(図示せず)に連結している。さらに、ベースプレート60に は環状収集トラフ50も取り付けられており、この収集トラフ50は、各々それ 自身の出口ポート51を備えた任意の数のセグメントに分割される。連続環状ク ロマトグラフ10の動作は、固定分配プレート20及びその関連の供給ノズル2 2,24の下に樹脂ビーズ27が詰め込まれた環状空間32を回転させることに より行われる。回転力はシャフト70によりもたらされる。CAC及びその動作 原理についての詳細は、米国特許第5,098,678号(リー氏等)、第5, 110566号(スナイダー氏等)及び第5,174,971号(スナイダー氏 等)に記載されており、これら米国特許の内容を本明細書の一部を形成するもの としてここに引用する。 ガドリニウム同位体は次々にイオン交換樹脂から剥離され、これを含有した溶 離液の下方移動層として所望の同位体のフラクションを形成する。所望のフラク ションは、これが分離塔の所望の生成物ポートに達すると、容易に収集されて溶 離液の残部から分離できる。所望のガドリニウム同位体の単離は、適正な分離係 数を得て、適当な出口ポート内における滞留時間に基づいて所望のガドリニウム 同位体を単離することにより行われる。高熱中性子捕獲断面積を有するガドリニ ウム同位体の単離溶液は、例えばGd155+Gd157の組み合わせであり、次に、 従来技術により分離されると共に、或いは濃縮されて、原子炉用途に使用できる 高熱中性子捕獲断面積を有するガドリニウムの含有割合が高い化合物が回収され る。 本発明の内容は、本発明の実施例として示す以下の実験例を考察すると一層明 らかになろう。本発明のステップ又は段階を実施すると、結果的に本発明の有利 な性質を備えた高熱中性子捕獲断面積のガドリニウムの含有割合の高い化合物が 得られることになるはずである。 実験例 1 クロマトグラフィー分離法は、分離係数αで示され、このクロマトグラフィー 分離法により互いに異なる同位体がこれらの質量に比例した速度で分離塔中を移 動する。異なる分離係数については、質量分布は、種々の溶離体積における各同 位体の濃度を合算することにより計算される。(分析係数Rは、分離係数と関連 しており、本発明の連続環状クロマトグラフィー分離法のモデルの開発に用いら れる。)分離塔から出るクロマトグラフィーピークの形状(相対濃度対溶離エイ 体積)は、同位体存在比に比例したスケールの領域をもつガウス分布ピークによ り表示される。 分離係数が大きくなると、種々の同位体ピークはますます大きく分離されるよ うになり、質量分布は、分離係数が20に近づくと、即ち、同位体が完全に分離 されると、同位体の存在比を表示するようになる。しかしながら、分離度がかな り低い場合、高熱中性子捕獲断面積の同位体、例えば、Gd155及びGd157は、 溶離プロフィールの一フラクション中で含有割合がますます高くなり、その材料 の高い値の部分を定める。かくして、同位体の完全分離が達成される充分前に、 同位体精製の濃縮の値の殆どを達成できる。このモデルは、必要とされる濃縮度 の決定に役立つ。 このモデルに基づいて、図7は、R=10の分析係数の場合について、Gd同 位体の理論濃度プロフィール分離及びGdの同位体帯域のオーバーラップを示し ている。これは、帯域の中心が、1質量単位だて離れた同位体について、1帯域 の幅だけ離れた状態である。図8は更に、R=5、10、15の分析係数につい て、理論濃度プロフィール及び熱中性子捕獲断面積プロフィールを示している。 分離係数の増大につれて、高の中性子捕獲断面積の同位体が単離状態になり、そ の結果、単一動作でCACの別個の角度位置で適正なフラクションを収集するこ とにより回収できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ピーターソン,スティーブン,エイチ アメリカ合衆国,ペンシルベニア州 15668,マリスビル,ノースローン・ドラ イブ 4970 (72)発明者 ナヤック,ウメッシュ,ピー アメリカ合衆国,ペンシルベニア州 15668,マリスビル,ケリングドン・コー ト 4101

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ガドリニウムの同位体の各々の分離を行ってガドリニウム同位体の各々の実 質的に純粋なフラクションを生じさせる連続定常状態クロマトグラフィー法であ って、 (a) ガドリニウムイオンの供給相溶液を、固定相としてイオン交換樹脂を、 移動相として溶離剤溶液をそれぞれ用いる連続定常状態クロマトグラフィーにか け、 (b) 供給相中に存在する同位体の各々について同位体を別々に同時に収集す る、 ことを特徴とする連続定常状態クロマトグラフィー法。 2.連続定常状態クロマトグラフィーを連続環状クロマトグラフで実施すること を特徴とする請求項1記載の方法。 3.前記固定相は、陽イオン交換樹脂であることを特徴とする請求項2記載の方 法。 4.前記移動相は、硝酸、硫酸、塩酸、酪酸、リン酸、シュウ酸、クエン酸、及 び酸性ハロゲン化物から成る群から選択された溶離剤としての酸であることを特 徴とする請求項2記載の方法。 5.前記移動相は、硝酸であることを特徴とする請求項2記載の方法。 6.前記固定相は、平均粒径が約0.1〜10ミクロンであり、且つ単分散粒径 分布状態になっているイオン交換樹脂ビーズから成ることを特徴とする請求項2 記載の方法。 7.前記樹脂ビーズの置換容量は、ガドリニウムイオンについて0.01〜0.5 ミリ当量であることを特徴とする請求項6記載の方法。 8.Gd155及びGd157の分離について高さが25cmの理論段に関する前記連続 環状クロマトグラフ内のクロマトグラフィー分離塔の分離係数は、少なくとも約 1.05であることを特徴とする請求項2記載の方法。 9.ガドリニウムの同位体の各々の同時分離を行って、増大した熱中性子捕獲断 面積の実質的に純粋なフラクションを得るための連続定常状態クロマトグラフ ィー法であって、 (a) ガドリニウムイオンの供給相溶液を、固定相としてイオン交換樹脂を、 移動相として溶離剤溶液をそれぞれ用いる連続定常状態クロマトグラフィーにか け、 (b) 少なくとも2つ、一方は濃Gd155同位体が濃縮され、他方はGd157同 位体が濃縮されたガドリニウム生成物フラクションを同時に収支希有市、収集し 、 (c) 少なくとも2つのGd生成物フラクションを組み合わせて、増大した熱 中性子捕獲断面積のガドリニウム生成物を生じさせる、 ことを特徴とする連続定常状態クロマトグラフィー法。 10.連続環状クロマトグラフィーを連続環状クロマトグラフで実施することを特 徴とする請求項9記載の方法。 11.固定相は、陽イオン交換樹脂であることを特徴とする請求項10記載の方法 。 12.移動相は、硝酸、硫酸、塩酸、酪酸、リン酸、シュウ酸、クエン酸、及び酸 性ハロゲン化物から成る群から選択されることを特徴とする請求項2記載の方法 。 13.移動相は、硝酸であることを特徴とする請求項12記載の方法。 14.連続定常状態ガドリニウム同位体分離法であって、 (a) 実質的に球形の樹脂ビーズの単分散粒子分布状態のイオン交換樹脂から 成る固定相を前記ガドリニウム同位体の各々を充分な純度の別個の生成物フラク ションに分離するのに充分な有効分離塔高さを有する連続環状クロマトグラフの 円周方向環状空間内へ詰め込み、 (b) ガドリニウム同位体の混合物からガドリニウムイオンの供給水溶液を調 製し、 (c) ガドリニウムイオンを前記イオン交換樹脂から追い出すことができる溶 離剤溶液を調製し、 (d) 連続環状クロマトグラフの前記環状空間を回転させ、 (e) ガドリニウムイオンを含有する供給水溶液を環状空間内へ供給して溶離 開始前に供給水溶液が固定相の有効分離塔高さの約5%以下に浸入するように し、 (f) 前記溶離剤溶液を環状空間の頂部内へ供給して供給水溶液中のガドリニ ウム同位体の各々が異なる速度で環状空間を下方へ通過するようにし、 (g) 供給水溶液中に存在するガドリニウム同位体の全ての溶離後に供給水溶 液中に存在する高熱中性子捕獲断面積のガドリニウム同位体の各々に相当する別 々の生成物フラクションを、前記連続環状クロマトグラフの底部に設けられた別 々の生成物ポートで収集し、 (h) 前記段階(a)〜(g)を連続的に繰り返し実施して実用上役立つ量の高熱中 性子捕獲断面積のガドリニウム同位体を生じさせる、 ことを特徴とする方法。 15.前記収集段階(g)は、少なくとも、高熱中性子捕獲断面積のGd155及びGd157 を収集するための少なくとも2つの別々の生成物ポートを用いることを特徴 とする請求項14記載の方法。 16.段階(c)の溶離剤は、硝酸であることを特徴とする請求項14記載の方法。 17.段階(a)の固定相は、陽イオン交換樹脂であることを特徴とする請求項14 記載の方法。 18.(f) Gd155及びGd157同位体生成物フラクションを組み合わせて熱中性子 捕獲断面積の大きなガドリニウム生成物を生じさせる段階を更に有することを特 徴とする請求項15記載の方法。 19.高熱中性子捕獲断面積のガドリニウム化合物のインベントリを得るための装 置であって、少なくとも一つのガドリニウム供給水溶液タンクと、少なくとも一 つの溶離剤溶液タンクと、少なくとも一つの連続環状クロマトグラフとを有し、 連続環状クロマトグラフは、ガドリニウム供給水溶液タンクに連結された少なく とも一つの供給ポートと、溶離剤溶液タンクに連結された少なくとも一つの別の 供給ポートと、質量数が155及び157の高熱中性子捕獲断面積のガドリニウ ム同位体の溶液を他のガドリニウム同位体から別々に収集するための少なくとも 2つの生成物収集ポートとを有することを特徴とする装置。 20.高熱中性子捕獲断面積のガドリニウム化合物を回収するよう少なくとも高熱 中性子捕獲断面積のガドリニウム同位体生成物収集ポートに連結された少なく とも一つのセパレータを更に有することを特徴とする請求項19記載の装置。
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