JPH10505224A - 組換えウイルスおよびその関連定量法 - Google Patents

組換えウイルスおよびその関連定量法

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JPH10505224A JP8502084A JP50208496A JPH10505224A JP H10505224 A JPH10505224 A JP H10505224A JP 8502084 A JP8502084 A JP 8502084A JP 50208496 A JP50208496 A JP 50208496A JP H10505224 A JPH10505224 A JP H10505224A
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ナータラジャン,ベンカタチャラ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、概略的にはウイルスおよびウイルス核酸の定量に関する。本発明は、試料に含まれるウイルスの量の定量法であって、試料に、遺伝学的に標識したウイルス核酸を含んでなる組成物を導入し、上記野生型および上記標識した核酸を分離し、上記野生型および上記標識した核酸を定量することを含んでなる方法に関する。本発明は、挿入および欠失を含む標識配列を含んでなる遺伝学的に標識したレトロウイルス核酸にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】 組換えウイルスおよびその関連定量法 発明の分野 本発明は、一般的には核酸増幅の後のウイルスの定量法に関する。本発明は、 野生型ウイルス核酸から識別することができる遺伝子標識を行ったレトロウイル ス核酸にも関する。 発明の背景 定量的PCRは、多種多様な異なる試料からのRNAおよびDNAの相対濃度 を測定するのに用いられてきた。時には、出発標的材料の量とPCR生成物の量 との間に直接的相関を見いだすことができる(Mullis および Faloona,Methods Enzymol.155:335-50(1987); Ferre,F.,PCR Methods Applic.2:1-9(1992); S ardelli,A.D.Amplifications: A Forum for PCR Users(9):1-5(1993))。しか しながら、これは、試料中にPCRの阻害剤が含まれておりまたPCRの試料回 収率および速度論の効率が異なるため、臨床試料についての場合ではないことが 多い(Holodniy ら,J.Clin.Micro.29:676-679(1991); Beutlerら,Bio Techn iques 9:166(1990); Franchis ら,Nucl.Acids Res.16:10355(1988); Coutlee ら,J.Infect.Dis.164:817-818(1991))。PCRを定量分析法として用いる と、問題を生じることが多い。例えば、増幅効率の小さな変動によって、生成物 の収率が変化し、出発材料に含まれる量を正確に評価することが困難になること がある(Gillilandら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2725-2729(1990))。この ような問題点を回避するため、幾つかの研究室ではPCRに内部標準を用いるこ とを報告している(Gillilandら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2725- 2729(1990); Wang ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:9717-9721(1989); Beck er-Andreら,Nucl.Acids Res.17:9437-9446(1990); Chellyら,Eur.J.Bioche m.187:691-698(1990); Bergenhem ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89: 8798- 8802(1992); Aoki-Sei ら,AIDS Res.Human Retro.8:1263-1270(1992); Siebe rt ら,Nature 359:557-558(1992))。通常、内部標準DNAまたはRNAは同一 のプライマーを標的DNAまたはRNAとして共有するが、標準と標的とから得 られた生成物を識別できるように欠失または挿入を含む。 内部コントロールの使用における変法は、競合的PCR法である(Gillilandら ,Proc.Natl.Acad.Sci USA 87:2725-2729(1990))。この方法では、様々な既 知量の内部標準を、同量の知標的配列を含む試料に加える。内部標準と標的配列 とは、PCRにおいてプライマー結合および増幅に対して等しく競合する。増幅 効率およびサイクル数のような変数は、これらの鋳型に同じ効果を有する。これ らの鋳型の初期濃度が等しいときには、等量の生成物が形成される。実験的に、 形成される生成物の比率を決定することができ、また等量点(equivalence point )を計算することができる。この方法は、臨床試料中のHIV−IRNAの量を 定量するのに用いることができた(Bagnarelli ら,J.Med.Virol.34:89-95(19 91); Menzoら,J.Clin.Microbiol.30:1752-1757(1992))。しかしながら、こ の方法では、試料毎のRNA回収率の変動を制御することができない。同様に、 ウイルスDNAの分離が不完全なことが多く、DNAの量を制御することができ れば極めて有用であろう。 本発明では、本発明者らは、感染性の標識したウイルスを競合核酸の供給源と して用いる改良法を開発した。標識したウイルスは、試料にあると考えられるウ イルスの突然変異体または変異体である。標識したウイルスの様々な量を未知量 のウイルスを含む等量の試料に加えた後、核酸抽出および増幅を行い、試料に含 まれるウイルス核酸の量が比較的精確に定量されるようにすることができる。 発明の要約 本発明者らは、任意の試料中のウイルス核酸を突然変異体(標識した)ウイル スを内部コントロールとして用いて測定する分析法を開発した。突然変異体ウイ ルスは、ゲノムの領域に配列標識を有する。このウイルスを内部コントロールと して用いるため、このウイルスの希釈物または複数の希釈物を、測定を行う試料 の一部に添加して、核酸を単離し、増幅して、定量する。 増幅は、外部的に添加されたウイルスに標識を含む配列を増幅することができ る配列を含むように選択されたプライマーで行う。コントロールウイルスからの 増幅生成物は、試料に含まれるウイルスから識別することができる。増幅生成物 を検出した後、この試料に含まれるウイルス核酸の量を算出する。従来のPCR のような他の定量的増幅分析法とは異なり、この内部的にコントロールしたビリ オン増幅分析法では、ウイルス核酸の精製段階中に回収率が変動しやすいことに よって導入される誤差がなくなるので、この分析法の精度が高くなる。 従って、本発明の好ましい態様は、試料に含まれるウイルスの量の定量法であ って、この試料中に遺伝学的に標識したウイルス核酸を含むウイルスを含んでな る組成物を導入し、この試料から上記の野生型および上記の標識した核酸を同時 単離し、この試料からの野生型および標識した核酸を増幅し、上記の野生型およ び上記の標識した核酸を定量する段階を含んでなる方法である。 本発明は、上記のレトロウイルス核酸の高度に保存された領域に標識配列を含 んでなり、上記標識がレトロウイルスプライマー結合とギャグ(gag)開始部位と の間で起こる、遺伝学的に標識したレトロウイルス核酸も提供する。 図面の簡単な説明 第1図は、突然変異体ウイルス(VX−46)RNAから合成したcDNAの PCRでの競合体としての使用を表している。p24抗原100pgを含む突然 変異体ウイルスから単離したRNAを用いて、60μl反応でcDNAを合成し た。cDNA2μlを、HIVNL4.3配列の501から1448までを含む 競合体野生型DNA(pA1)の各種の量を含むPCRに用いた。PCRを行い 、生成物を32P−プローブでハイブリダイゼーションし、材料および方法に記載 された通りにオートラジオグラフィを行った。反応に含まれる競合体DNAのコ ピー数は、106(レーン1)、5×105(レーン2)、105(レーン3)、 5×104(レーン4)、104(レーン5)、103(レーン6)、102(レー ン7)、および0(レーン8)であった。右に示した大きさは、それぞれ突然変 異体および野生型配列からのbpでのPCR生成物であった。 第2図は、突然変異体ウイルスVX−46から単離したRNAの評価のデータ ーを表している。野生型および突然変異体PCR生成物に相当するバンドに含ま れる放射能の量を、これをリン貯蔵スクリーン(storage Phosphor screen)に暴 露することによって評価し、Molecular Dynamics Phosphor Imagerを用いて定量 した(Johnston ら,Electrophoresis 11:355-360(1990))。野生型(pA1)と 突然変異体(VX−46)DNAバンドに含まれる放射能の量の比を、PCRに 用いた野生型DNAの量に対してプロットした。突然変異体ウイルスRNAを、 p24抗原をそれぞれ100pg(パネルA)、25pg(パネルB)、および 500fg(パネルC)含むウイルスから単離した。第1図から誘導されるデー ターをパネルAに示す。p24を25pg(パネルB)および500fg(パネ ルC)含むウイルスから単離したRNAを用いて、40μl反応でcDNAを合 成し、cDNAの3μlを競争的PCRに用いた。Menzo らによって記載された 方法に基づいて(Menzoら,J.Clin.Microbiol.30:1752-1757(1992))、(パネ ルA)でのcDNA2μlは9500個のコピーを有し、(パネルB)でのcD NA3μlは5200個のコピーを、(パネルC)でのcDNA3μlは120 個のコピーをそれぞれ有すると計算された。 第3図は、ヒト患者の血漿中のHIV−IRNAを評価するためのICVPC Rを表している。 パネルAおよびB 患者血漿100μlに、様々な希釈度のp24抗原0 (レーン1)、30(レーン2)、3(レーン3)、0.3(レーン4)および 0.03(レーン5)pg含む突然変異体ウイルス(VX−46)を加えた。R NA単離、cDNA合成およびPCRは、材料および方法に記載の通りに行った 。突然変異体(148)および野生型(123)からのDNA生成物の大きさを 右に示す。パネルAおよびBは、2名の異なるヒト患者からの血漿であった。 パネルC それぞれのバンドに含まれる放射能を、Molecular Dynamics P hosphorImagerを用いて定量した。突然変異体および患者DNAバンドに含まれ る放射能の比を、RNA単離の際に患者血漿に加えた突然変異体ウイルスRNA の量に対してプロットした。突然変異体ウイルスRNAのコピー数を、第2図に 示したデーターで得た平均値(p24抗原1pg当たりRNA2900コピー) を用いて計算した。患者−1(△−−−−△)は、血漿100μlにRNAを8 ,800コピーを有し、患者−2(○−−−−○)は1,600コピーを有する 。第4図は、ICVPCRの再現性を示すデーターを表す。 パネルA 患者血漿100μlに、様々な希釈度のp24抗原0(レーン 1)、24(レーン2および6)、2.4(レーン3および7)、0.24(レ ーン4および8)および0.024(レーン5および9)pg含む突然変異体ウ イルス(VX−46)を加えた。レーン1〜5および6〜9についてのRNA単 離、cDNA合成、PCRおよびゲル分析は、別々の日に2種類の異なる実験に よって行った。突然変異体(148)および野生型(123)からのDNA生成 物の大きさを右に示す。 パネルB それぞれのバンドに含まれる放射能を、材料および方法に記載 された通りに定量して、プロットした。(△−−−−△)についてのデーターは レーン2からレーン5までであり、(○−−−−○)についてのデーターはレー ン6からレーン9までであった。 好ましい態様の詳細な説明 I. 概論 本発明は、個人からの試料中のウイルス核酸を、突然変異体(標識した)ウイ ルスを内部コントロールとして用いて測定する方法を提供する。好ましい態様に より、感染性の標識したウイルスを提供する。このウイルスを内部コントロール として利用するため、このウイルスの希釈物または複数の希釈物を、測定を行う 試料の一部に添加して、核酸を単離し、外部的に加えたウイルス中で標識を含む 配列を増幅することができるプライマーで増幅する。コントロールウイルスから の増幅生成物は、試料に含まれるウイルスと識別することができる。試料に含ま れるウイルス核酸の量を、増幅生成物を検出した後に計算する。 ここで用いられる「増幅」とは、核酸配列または複数の配列のコピー数を増加 する任意のイン・ビトロ法を表す。核酸増幅の結果、ヌクレオチドがDNAまた はRNAに取り込まれる。本明細書で用いられるように、一つの増幅反応は多数 回のDNA複製からなることがある。例えば、1回のRCR反応は、30〜10 0「サイクル」の変性または複製からなることがある。増幅を行う典型的な手法 としては、PCR(例えば、米国特許第4,683,195号および第4,68 3,202号明細書を参照)、LCR((Barany,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:189-193(1991)、修復連鎖反応(RCR)、および3SR(例えば、欧州特 許公表第373,960号明細書を参照)、例えば核酸に基づいた増幅(NAS BA)、転写介在増幅(TMA)および鎖置換増幅(SDA)のような特定の種 類の3SRなどが挙げられるが、これらに限定されない。 「プライマー」という用語は、一般的には鋳型核酸にハイブリダイゼーション して、この鋳型上で重合をプライミングすることができる核酸分子を表す。この 用語は、デオキシリボ核酸またはその誘導体を包含するものと解釈すべきである が、これらに限定されない。 ここで用いられる「鋳型」という用語は、ヌクレオチドポリメラーゼが重合に 用いる核酸分子を表す。鋳型分子は、部分的または完全に重合して、そのヌクレ オチド残基の総てを重合コピーしまたは任意の数のその残基を重合コピーするこ とができる。一つの好ましい態様では、核酸鋳型はリボ核酸を含んでなり、かつ ポリメラーゼは逆転写酵素である。もう一つの好ましい態様では、鋳型がDNA であり、ポリメラーゼがTaqポリメラーゼのようなDNA指向性DNAポリメ ラーゼ(DNA-directed-DNA-polymerase)である。 本明細書に用いられる「ヌクレオチド」とは、塩基−糖−リン酸結合物を表す 当該技術分野の用語である。ヌクレオチドは、核酸ポリマー、すなわちDNAお よびRNAのモノマー単位である。この用語は、rATP、rCTP、rGTP またはrUTPのようなリボヌクレオシド三リン酸、およびdATP、dCTP 、dGTPまたはdTTPのようなデオキシリボヌクレオシド三リン酸を包含す る。「ヌクレオシド」は、塩基−糖結合物、すなわちリン酸を欠いているヌクレ オチドである。「ヌクレオシド」および「ヌクレオチド」という用語の用法には ある種の互換性があることが当該技術分野で認められている。 「PCR」とは、本明細書では、米国特許第4,683,195号明細書(Mu llisら)および第4,683,202号明細書にMullisによって開示されている ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を意味し、上記の特許明細書の内容は、その 開示の一部として本明細書に引用される。このPCR法では、好ましくは、所望 な配列の対向末端に一致する短いオリゴヌクレオチドプライマーが調製される。 プライマー間の配列は、既知である必要はない。DNA(またはRNA)の試料 を抽出して、(好ましくは、熱によって)変性する。次いで、オリゴヌクレオチ ドプライマーを過剰モル量で、dNTPおよびポリメラーゼ(好ましくは、熱に 対して安定なTaqポリメラーゼ)と共に加える。DNAを複製した後、再度変 性する。これにより2種類の「長い生成物」が得られ、これはそれぞれのプライ マーと2個の元の鎖(二本鎖DNA分子当たり)とから始まっている。次に、反 応混合物を(例えば、温度を低下させ、変性剤を不活性化し、または更にポリメ ラーゼを添加することによって)重合条件に戻し、第二のサイクルを開始する。 第二のサイクルでは、2本の元の鎖、サイクル1からの2本の長い生成物、2本 の新規な長い生成物(元の鎖から複製されたもの)、および長い生成物から複製 された2本の「短い生成物」が提供される。短い生成物は、各末端にプライマー を有する標的配列(センスまたはアンチセンス)の配列を有する。それぞれの追 加サイクルで、追加の2本の長い生成物が生成し、前のサイクルの終了時に残っ ている長および短生成物の数に等しい多数の短い生成物が生成する。従って、短 い生成物の数は、各サイクルと共に指数的に増加する。特定の核酸配列のこの増 幅により、極めて少量のDNAを定量することができる。 本明細書で用いられる「3SR」という用語は、欧州特許第373,960号 明細書(1990年6月20日公表)に記載の「自己維持配列複製(self - sus tained sequence replication)」系としても知られている標的核酸増幅の方法 を表す。 本明細書で用いられる「LCR」という用語は、Barany,Proc.Natl.Acad. Sci.USA 88:189-193(1991)に記載の「リガーゼ連鎖反応)としても知られてい る標的核酸増幅の方法を表す。 本明細書で遺伝子配列を記載するのに用いられる「標識」または「標識した」 という用語は、一般的には野生型ウイルスから誘導されるまたは野生型ウイルス の配列から合成される核酸配列であって、配列挿入、欠失、または点突然変異ま たはこれらの突然変異の任意の組合せを有することによって野生型ウイルス核酸 の配列とは異なり、標識した核酸を、これが誘導される野生型ウイルスまたは同 じ種の野生型ウイルスと区別することができるようにするものを表す。標識した ウイルスは、標識した核酸配列を有するウイルスである。標識は、幾つかの場合 には、野生型ウイルス中のタンパク質と比較して標識したタンパク質を創製する アミノ酸配列をコードすることができる。 本発明の方法における増幅は、当該技術分野で知られている増幅法、特に上記 に記載され、定義されたもののいずれを用いて行うこともできる。 本発明の好ましい態様では、核酸は、本明細書に記載のPCRを用いて増幅さ れる。好適なPCRプライマーは、当業者に知られている手段によって、例えば 適当な配列のクローニングおよび制限によって、または直接的化学合成によって 調製される。例えば、Narangら,Meth.Enzymol.68:90(1979)および米国特許 第4,356,270号明細書に記載のホスホトリエステル法を用いることがで き、これらの文献の内容は、その開示の一部として本明細書に引用される。また 、Brown ら,Meth.Enzymol.68:109(1979)に開示されたホスホジエステル法を 用いることもでき、上記文献の内容は、その開示の一部として本明細書に引用さ れる。他の方法としては、Beaucageら,Tetrahedron Letts.22:1859-1862(1981 )に開示されているホスホルアミダイト法、および米国特許第4,458,06 6号明細書の固形物支持法が挙げられる。プライマーは、所望ならば、分光光度 、光化学、生化学、免疫化学または化学的方法によって検出できる手段を配合す ることによって標識することもできる。例えば、プライマーは、32P、蛍光染料 、高電子密度試薬、酵素(ELISAで普通に用いられるもの)、ビオチン、ま たは抗血清またはモノクローン性抗体を利用できるハプテンまたはタンパク質を 挙げることができる。標識は、プライマーに直接結合しようとするときには、変 性条件に耐えるように選択すべきである。 増幅しようとする核酸鎖を混入している材料から分離したならば、追加の核酸 鎖の合成の鋳型として用いる準備が整う。この合成は、任意の好適な方法を用い て行うことができる。反応は、通常は緩衝水溶液で、好ましくはpH2〜9、最 も好ましくは約8で行う。過剰モル量(クローニングした核酸に対して、通常は 約1000:1プライマー/鋳型、ゲノムまたはウイルス核酸に対しては、通常 は約108:1プライマー:鋳型)の2個のオリゴヌクレオチドプライマーを、 分離した鋳型鎖を含む緩衝液に加えるのが好ましい。しかしながら、相補鎖の量 に対するプライマーの量は確実に決定することはできないことが分かっている。 この工程の効率を改良するには、大過剰モル量が好ましい。これらの条件は、反 応を行うための概略的な指針と考えるべきである。当業者であれば、この技術の 状態を考慮して、各種の緩衝液および条件を用いてこの反応を行う方法を理解す るであろう。 デオキシリボヌクレオシド三リン酸dATP、dCTP、dGTPおよびdT TPも、合成混合物に適当な量で添加し、生成する溶液を約90〜100℃に約 1〜10分間、好ましくは1〜4分間加熱する。加熱後、溶液をプライマーのハ イブリダイゼーションに好ましい室温まで冷却する。冷却した混合物に重合剤を 添加し、反応を当該技術分野で知られている条件下で行う。この合成反応は、室 温から、それより高い温度では重合剤が最早効率的に機能しない温度までの温度 で起こる。例えば、E.coliDNAポリメラーゼを重合剤として用いると、最高温 度は一般的には約40℃に過ぎない。最も好都合には、E.coli ポリメラーゼを 用いる反応は、室温で起こる。一層大きなストリンジェンシーが所望な場合には 、反応は熱に安定な酵素Taqポリメラーゼを用いて高温で行う。 重合剤は、酵素などの、ヌクレオチド三リン酸からプライマー伸張生成物の合 成を行う機能を有する任意の化合物または系であることができる。この目的に適 する酵素としては、例えばE.coli DNAポリメラーゼI、E.coli DNAポリ メラーゼIのKlenow断片、T4DNAポリメラーゼ、および他の利用可能なDN Aポリメラーゼ、逆転写酵素、および他の酵素、例えばTaqポリメラーゼのよ うな熱に安定な酵素であって、それぞれの核酸鎖に相補的であるプライマー伸張 生成物を形成する適正な方法でヌクレオチドの結合を促進するものが挙げられる 。一般的には、合成はプライマーの3′末端で開始され、新規に合成された鎖の 鎖伸張は、合成が終結して様々な長さの分子を生成するまで5′方向に進行する 。しかしながら、5′末端で合成を開始し、上記と同じ方法を用いて、すなわち 本発明の方法でこのような薬剤の使用も本発明の範囲内にあるものと考えられる 他方向に進行する。 新たに合成した核酸に相補的鎖および元の核酸鎖は二本鎖分子を形成し、これ はこの方法の次の段階で用いられる。次の段階では、二本鎖分子の鎖を上記手順 の任意のものを用いて分離し、一本鎖分子を提供する。 新たな核酸が一本鎖分子上で合成される。追加の重合剤、ヌクレオチドおよび プライマーを、上記の条件下で反応を進行させるのに必要であれば添加すること ができる。また、合成はオリゴヌクレオチドプライマーの一方の末端で開始され 、鋳型の一本鎖に沿って進行して更に核酸を生成する。この段階の後、伸張生成 物の半分は、2個のプライマーによって結合された特異的な核酸配列からなる。 鎖分離および伸張生成物の合成の段階は、所望な量の特異的な核酸配列を生成 させるのに必要なだけ繰り返すことができる。下記に更に詳細に記載されるよう に、生成した特異的な核酸配列の量は指数的に蓄積される。 所望ならば、組合せたプライマー(nested primers)を用いて、2段階で標的配 列を増幅してもよい。この変法は、反応の特異性を増加させる手段として用いる ことができる。プライマー結合領域は、第二の組(抑制プライマー(arresting p rimers)が第一の組のプライマー結合領域の間の核酸配列の領域に結合(して、 第二の組の結合領域を存在するならば増幅)するように選択される。この増幅工 程は、検出可能な量のポリヌクレオチドが蓄積されてしまえば、いずれの時点で 停止してもよい。 II. ウイルスの定量法 本発明の方法および標識したウイルスおよびウイルス核酸は、ウイルス核酸お よびウイルス粒子の定量に有用である。 従って、本発明の好ましい態様は、試料に含まれるウイルスの量の定量法であ って、上記試料に遺伝学的に標識したウイルス核酸を含むウイルスを含んでなる 組成物を導入し、上記の野生型および上記の標識した核酸を試料から同時分離し 、上記試料からの上記の野生型および上記の標識した核酸を増幅し、上記野生型 および上記標識した核酸を定量した後、核酸を増幅する段階を含んでなる方法で ある。 試料に含まれるウイルスの量の定量法の一つの態様では、試料は、ウイルスに 感染したと思われる個人から得られる。 ここで用いられる「個人」という用語は、一般的にはある生物群または種の単 一標本または一員を表す。この用語は、哺乳類、鳥類、爬虫類および両生類を包 含するが、これらに限定されないものと解釈すべきであるが、特にヒトを表す。 本明細書用いられる、「単離する」および「提供する」という用語は、一般的 には試験または分析に適する方法で試験または分析を行う化合物を調製すること 、または分析または試験を行う化合物を含む抽出物を調製することを表す。この 用語は、粗製の細胞溶解物および核酸を含む抽出物、並びに実質的に精製された 核酸を包含することを意図する。「同時分離する」という用語は、「単離する」 の意味を包含し、試料から2種類以上の化合物を実質的に同時に単離することも 表し、特に2種類以上の核酸の単離を表す。 本発明の方法は、総体的には任意のウイルスの正確な定量に応用することがで きる。DNAウイルスについては、本発明の方法はウイルスDNAの定量のため の内部コントロールを提供し、その幾らかは分離または操作の際に分解したり或 いは失われる。この内部コントロールにより、当業者が試料または個人のウイル スタイターまたはDNA量を精確に測定することができる。 同様に、RNAウイルスについては、本発明の方法は、ウイルスRNAの定量 のための内部コントロールを提供する。例えば、RNアーゼが遍在することによ るRNAの分解に対する不安定性および感受性は、良く知られている。本発明は 、ウイルスRNAまたはウイルスタイターの定量に特に有用である。RNAウイ ルス定量の方法は、本発明で好ましい。 本発明のウイルス核酸は、当該技術分野で知られている多くの分離法のいずれ を用いて分離することもできる。例えば、RNAは、当該技術分野で知られてお りかつ用いられている多くの手法のいずれかによって分離することができる。例 えば、Chomczynski ら,Anal.Biochem.162:156(1987)を参照。DNAは、例 えばフェノール抽出およびエタノール沈澱によって分離することができる。また 、当業者であれば、本発明の方法に基づいてcDNAを合成し、増幅する代替法 を容易に開発することができるであろう。DNAは、フェノール抽出の後、エタ ノール沈澱によって分離することができる。 ウイルス核酸は、分離後に増幅するのが好ましい。分離は、当該技術分野で知 られている多くの核酸の精製法のいずれかを用いて行うことができる。しかしな がら、核酸を精製することは本質的なことではない。本発明の核酸は、増幅する ことができる形態で提供することが必要なだけである。例えば、増幅は、in sit u で行うことができ、または粗製細胞または試料溶解物中で行うことができる。 当業者であれば、感染が疑われる細胞でin situ PCRを行う方法が分かるであ ろう。 内部コントロールとして用いられるウイルスの標識および調製、および本発明 の方法におけるこれらの標識したウイルスの応用は、広範囲のウイルスに広く適 用することができる。例えば、本発明の方法では、ウイルスを、ヘルペスウイル ス(すなわち、単純ヘルペスウイルス1および2、帯状疱疹ウイルス、サイトメ ガロウイルス、Epstein-Barrウイルス)、パポバウイルス(すなわち、パピロー マウイルスおよびポリオーマウイルス)、エンテロウイルス、ロタウイルス、No rwalk Group のウイルス、コロナウイルス、腸アデノウイルス、アストロウイル ス、スモール・ラウンドウイルス(small round viruses)、ピコルナ−パルボウ イルス様、ミニ−レオウイルス、インフルエンザウイルス、パラミクソウイルス (すなわち、パラインフルエンザウイルス、呼吸器多核体ウイルス、およびムン プスウイルス)、麻疹ウイルス、亜急性硬化性汎脳炎(SSPE)、風疹(ドイ ツ麻疹)、アルボウイルス(すなわち、ToggaviridaeおよびBunyaviridae科の一 員、並びに発熱、発疹、関節痛を引き起こすアルボウイルス、脳炎を引き起こす アルボウイルス、および出血熱を引き起こすアルボウイルス)、ラブドウイルス 、マールブルク(Marburg)ウイルス、エボラ(Ebola)ウイルス、水疱性口内炎ウイ ルス、アレナウイルス(すなわち、アルゼンチンのJunin ウイルス、ボリビアの Machupo ウイルス、西アフリカのラッサ(Lassa)熱)、肝炎ウイルス(すなわち 、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎およびデルタ型肝炎)、レオウイルス、ライノ ウイルスからなる群から選択するのが好ましい。 当業者であれば、本発明の方法はRNAおよびDNAウイルスで用いることが でき、特定の態様に用いられる条件はゲノムの核酸の性質によって部分的に変化 することがあることを理解されるであろう。例えば、DNAウイルスからの核酸 は、本発明の方法またはPCRのような当該技術分野で知られている任意の増幅 法によって分離して、直接増幅することができる。更に、例えば、RNAウイル スを逆転写した後、そのゲノム核酸を増幅するのが好ましい。この方法では、逆 転写したDNAは、当該技術分野で知られている増幅法の任意のもの、特にPC Rを用いて増幅生成物の合成のための鋳型として働くことができる。しかしなが ら、当業者には、同じ方法をRNAおよびDNAウイルスに用いることができる ことは明らかであろう。例えば、ウイルスの定量の目的で増幅される核酸がmR NAであるときには、同じ方法をmRNAを合成する総てのウイルスに用いるこ とができる。 A. レトロウイルスおよびRNAウイルス定量法 下記のものは、RNA核酸および粒子の総体的定量法の本発明の好ましい態様 である。 本発明の一つの態様では、野生型ウイルス核酸はRNA、特にレトロウイルス RNAである。 もう一つの態様では、本発明のウイルスRNAは、天然においてレトロウイル スが感染することができる動物由来のレトロウイルスRNAである。 本発明の方法および構成物に有用なレトロウイルス核酸としては、シスターナ ウイルスA;オンコウイルスB、例えばマウス哺乳類腫瘍ウイルス(MMTV− S(Bittnerウイルス)、MMTV−P(GRウイルス)、MMTV−L);オン コウイルスC、例えばラウス肉腫ウイルス、ラウス関連ウイルス、トリ肉腫ウイ ルス(chicken sarcoma viruses)、白血病ウイルス、網内症ウイルス、雉ウイル ス、マウス肉腫ウイルス、マウス白血病ウイルスG(GrossまたはAKR ウイルス) 、マウス白血病ウイルス(MLV−F、MLV−M、MLV−R(Friend,Malon ey,Rauscherウイルス))、マウス放射線白血病ウイルス、マウス内因性ウイル ス、ラット白血病ウイルス、ネコ白血病ウイルス、ネコ肉腫ウイルス、ネコ内因 性ウイルス(RD114)、ハムスター白血病ウイルス(HLV)、ブタ白血病 ウイルス、ウシ白血病ウイルス、霊長類肉腫ウイルス(ウーリーモンキー、テナ ガザル、無尾猿)、霊長類肉腫関連ウイルス、霊長類内因性ウイルス(ヒヒ内因 性ウ イルス、オナガザルウイルス、MAC−1、フクロウザルウイルス(OMC−1 ));オンコウイルスD、例えばクサリヘビウイルスのような爬虫類ウイルス、 およびMason-Pfizerサルウイルス(MPMV)のような非爬虫類ウイルス、ラン グールウイルスおよびリスザルウイルス;レンチウイルスE、例えばヒツジのビ スナウイルスおよびマエディウイルス;スプマウイルスF、例えば霊長類、ネコ 、ヒト、ウシの泡沫状ウイルスの属のようなレトロウイルス由来のものが挙げら れるが、これらに限定されない。 本発明の核酸は、ヒトレトロウイルス、特にヒトT細胞白血病ウイルスおよび ヒト免疫不全症ウイルス、並びにA、B、Cおよびデルタ型肝炎ウイルスのいず れかに由来するものが好ましい。 本発明の方法では、レトロウイルスRNAは、HTLV−1、HTLV−2、 HIV−1およびHIV−2から成る群から選択されるウイルスに由来するもの が最も好ましい。 本発明の他のウイルス核酸としては、カウリモウイルス(Caulimoviruses)、ト リ・ミオブラスト−シス・ウイルス、サル免疫不全症ウイルス、ネコ免疫不全症 ウイルス、およびウマ感染性貧血ウイルスに由来するものが挙げられる。 このようなウイルス核酸は、獣医での実施およびヒト臨床実施における本発明 の方法で特に有用である。 本発明の方法は、ビリオン粒子を内部コントロールとして用いる段階を有する のが好ましい。 患者からの試料中のHIV−1RNAを感染性の突然変異体ウイルスを内部コ ントロールとして用いて測定するための好ましい方法が提供される。例えば、好 ましい方法では、ウイルスゲノムの保存領域(「標識領域」)に挿入、欠失また は点突然変異を有する突然変異体ウイルスが構築される。このウイルスを内部コ ントロールとして利用するには、このウイルスの様々な希釈物を、測定を行う試 料の一部に添加するのが好ましい。これらの方法では、試料が血液、血漿または 血清を含むかまたはであることが一層好ましい。試料が血漿を有してなることが 最も好ましい。RNAは試料から分離され、cDNAに逆転写される。増幅は、 外部から添加されたウイルスに含まれる標識領域のいずれかの側の配列を含むよ うに選択されたプライマーを用いて行う。標識領域を有するコントロールウイル ス由来のDNA生成物は、試料に含まれるウイルスからのものとは異なるヌクレ オチド組成を有する。試料に含まれるウイルスRNAの量は、増幅した生成物を ゲル電気泳動によって分離した後に計算される。この方法の利点は、核酸精製段 階中に変動しやすい回収率によって導入される誤差がなくなるので、この分析法 の精度が高まることである。 B. ウイルスを含むと思われる試料 本発明の試料としては、潜在的にウイルスまたはウイルス核酸を含むことがで きる個人から得られる任意の組織、細胞または液、例えば血液、脳脊髄液、唾液 、リンパ液、精液、腟液、血清、血漿、リンパ球様またはリンパ球細胞、特にB 細胞、T細胞、単球、多形核細胞およびマクロファージ、上皮細胞、特に鼻咽頭 および上部気道上皮細胞、口唇上皮細胞、腫瘍細胞、呼吸分泌、特に鼻咽頭分泌 、脳組織、ウイルス小疱組織、液および関連物質、いぼ組織、液および関連物質 、糞便、尿、胸膜液および心膜液、乳汁、唾液腺組織、ネグリ小体液、細胞およ び関連物質、および肝細胞などが挙げられるが、これらに限定されない。 本発明の試料は、多くの供給源から誘導することができる。方法に用いられる 試料は、哺乳類、特に天然でレトロウイルスに感染されている可能性がある哺乳 類から得るのが好ましい。 試料は、ネズミ、ウサギ、ウマ、ブタ(suids)、ヒツジ、ウシ、ネコ、イヌ、 イタチ、ショウジョウ科動物およびヒトから成る群から選択される哺乳類から得 るのが一層好ましい。 これらの方法では、上記定量段階の増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応を行う段階 を含んでなるのが好ましい。 本発明の方法の定量段階は、特に逆転写反応段階の後にポリメラーゼ連鎖反応 を用いるのが好ましい。当業者であれば、反応混合物および試薬を改質して、当 該技術分野で知られている方法を用いて有用な逆転写酵素活性を得ることができ るであろう。当業者であれば、当該技術分野で知られている逆転写反応を混合し たもののいずれかを用いることができるであろう。例えば、米国特許第5,18 3,949号明細書であって、反応混合物がこの特許明細書の第1図に開示され ているものを参照。 これらの方法の試料が血液および/または血漿を含んでなることが好ましい。 従って、試料は、ウイルスに感染していることが疑われる個人から収集するこ とができる。この試料は、遠心分離によって分離して、使用まで保存するのが、 最も好ましい。標識したウイルスの連続希釈液の一部を試料に添加することがで き、標識および野生型ウイルスからの混合核酸を同時分離する。核酸を、等容の アルコールおよびキャリヤーtRNAを添加して沈澱させるのが好ましい。次に 、核酸を好ましくは遠心分離によって回収して、洗浄し、緩衝液に溶解させるの が好ましい。 本発明の方法で用いられる試料は、パンチ・バイオプシー、スワビング、組織 吸引、洗浄、スクレイピング(scraping)、および瀉血などの組織および液を得る ための当該技術分野で知られておりかつ用いられている各種の手法のいずれかに よって得ることができる。本発明によれば、組織をタンパク質または核酸の抽出 に直接用いることができ、またはこのような抽出の前に培養物に保持することが できると思われる。本発明の培養細胞は、主要細胞または不死化細胞系を含んで なることができる。例えばJat P.S.およびSharp,P.A.,J.Virol.59:746(1986 ) を参照。 本発明の方法の定量段階で、細胞溶解物を調製するのが有利なことがある。本 発明の細胞溶解物は、例えば化学的細胞崩壊、生物学的細胞崩壊および物理的細 胞崩壊、例えば解離、粉砕、アルカリ溶解、洗剤溶解、浸透圧溶解、凍結−融解 溶解、および音波処理を用いて簡単に調製することができる。 これらの方法における試料が細胞を含んでなるときには、細胞分離の当該技術 分野で知られている多くの方法のいずれかで、これらの細胞を単離することがで きる。当業者であれば、細胞を個人から得て、直接使用しまたは培養液に保持し た後、本発明の方法で用いることができることが分かるであろう。培養液に保持 した後本発明の方法で用いられる細胞は、例えば10%ウシ胎児血清を含むME M培地のような標準的組織培地に保持することができる。当業者であれば、本発 明の方法で用いる前に細胞を刺激するのに有用な当該技術分野で知られている方 法が分かるであろう。 単離された細胞の細胞数は、例えば培養カウンターによるまたは顕微鏡および レチクル(血球計)を用いる計数のような当該技術分野で知られている方法によ って決定することができる。例えば、Butler,W.B.,Analytical Biochem.141: 70-73(1984)を参照。 C. 核酸検出および定量法 1. 増幅 核酸増幅の任意の方法を、本発明の方法の増幅段階で用いることができる。本 発明の方法で用いられる好ましい増幅反応としては、例えばPCR(米国特許第 4,683,195号および第4,683,202号明細書)、3SR(欧州特 許出願第373,960号明細書)、LCR(Barany,Proc.Natl.Acad.Sci .USA 88:189-193(1991))、RCRおよび3SR(例えば、欧州特許出願第37 3,960号明細書を参照されたい)、例えばNASBA、TMAおよびSDA のような特定の種類の3SRなどが挙げられる。 これらの方法の増幅段階は、更に核酸増幅連鎖反応を行う段階も含んでなるこ とが好ましい。 ここで用いられる「核酸増幅連鎖反応」という用語は、総体的には例えばPC R(例えば、米国特許第4,683,195号および第4,683,202号明 細書を参照)、LCR(Barany,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88 : 189-193(1 991))、およびRCRなどの連鎖反応によるヌクレオチド配列または複数の配 列のコピーの数を増加するための任意のイン・ビトロ法を表す。 上記のように、得られるウイルス核酸の性質は、それを得る好ましい方法を指 示することがある。すなわち、DNAおよびRNAの増幅には、様々な手法を適 用する必要がある。 逆転写を、任意のウイルスからのRNAウイルスゲノムRNAまたはmRNA の増幅法に用いることができる。 増幅反応を用いて、野体型ウイルスまたウイルス核酸の量を定量し、試料に添 加した標識ウイルスまたはウイルス核酸の量を定量し、試料に添加した標識ウイ ルスまたはウイルス核酸の量を定量することができる。 増幅生成物を、ゲル電気泳動分析のような当該技術分野で知られている手法を 用いて分析し、定量することができる。好ましい態様では、PCR増幅生成物分 析は下記のようにして行われる。ある容量のPCR生成物を、PCR生成物にハ イブリダイゼーションすることができる標識したオリゴヌクレオチドプローブと ハイブリダイゼーションさせる。生成物を、好ましくはポリアクリルアミドゲル 上で分離し、プローブした生成物を、好ましくはオートラジオグラフィによって 検出する(例えば、Psallidopoulosら,J.Virol.63:4626-4631(1989)を参照 されたい)。それぞれの分離された生成物に含まれる標識の量を、当該技術分野 で知られている手法を用いて、好ましくは光学的または放射分析スキャンニング を用いることによって定量する(例えば、Johnstonら,Electrophoresis 11:355 -360(1990)を参照)。それぞれの生成物試料に含まれる標識の量を算定し、標 識したおよび野体型DNAバンドに含まれる標識の量の比を入力突然変異体ウイ ルスRNAに対してプロットする。この手法を用いて、試料に含まれるウイルス RNAの量を、ウイルスに感染した個人から得られる試料の単位容積当たりのR NAのコピー数で測定する。 増幅後の標識したウイルスからのcDNAの量を算定する目的で、競合体内部 コントロールプラスミドDNAを反応に用いるのが好ましい。例えば、この分析 法を設定し、標準化するには、標識したウイルスからのcDNAを様々な量の別 のコントロールDNAの存在下でPCR増幅する。この異なるコントロールDN Aは、予想されるDNA PCR生成物を大きさによって識別することができる ように選択する。 本発明の方法の定量段階は、更に上記の野生型RNAおよび上記の標識したR NAの両方を同時分離する段階を含んでなるのが好ましい。一般的に標識したウ イルスRNAはレトロウイルス、特に天然で動物に感染することができるレトロ ウイルス由来の配列を含んでなるのが更に好ましい。レトロウイルスはヒトレト ロウイルス、特にHTLV−I、HTLV−II、HIV−1およびHIV−2か らなる群から選択されるレトロウイルスであるのが最も好ましい。 定量的遠心分離のような当該技術分野で知られておりまたは当該技術分野で知 られている方法を用いて決定することができるウイルス粒子の近似的質量に基づ いて(Bourinbaiar,A.S.,Nature 349:111(1991); Bourinbaiar,A.S.,Weight of HIV AIDS Res.Human Retrov.8:1545(1992))、任意の試料または調製物中の ウイルスおよびウイルス核酸の量を測定することができる。また、ウイルス核酸 のコピー数を測定することもできる。 当業者であれば、増幅によって合成されたポリマーの検出および定量は、重合 生成物に取り込まれるヌクレオチドモノマーを標識することによって促進するこ とができることが分かるであろう。当業者であれば、これらの標識材料は、それ らの合成後の重合生成物、および例えばハイブリダイゼーションプローブのよう な重合生成物の検出および定量に有用な任意の化合物を標識するのにも有用であ ることがただちに分かるであろう。 この方法の定量段階は、ハイブリダイゼーションプローブを上記の野生型およ び上記の標識したポリメラーゼ連鎖反応のDNA生成物を導入することも含んで なるのが好ましい。 この方法では、オリゴヌクレオチドが標識したハイブリダイゼーションプロー ブであるのが好ましい。 本発明の方法では、定量段階は、更にDNAポリメラーゼ連鎖反応生成物を分 離する段階も含んでなることが好ましい。分離段階は、更にDNA生成物の電気 泳動を含んでなることが好ましい。 上記遺伝学的方法の増幅段階の好ましい態様は、試料からRNAを単離し、R NAをcDNA合成をプライミングすることができる少なくとも1個のプライマ ーと接触させ、cDNAを伸張生成物合成をプライミングすることができる少な くとも1個のプライマーと接触させ、これらのプライマーからプライマー伸張生 成物を合成し、ポリメラーゼ連鎖反応を用いて伸張生成物を増幅して、増幅した 核酸を生成させる、段階をも含んでなる。 当業者であれば、PCRプライマーのような増幅に有用なプライマーを容易に 作成することができるであろう。ある種のプライマーは商業的に得ることができ 、または例えば、Applied Biosystems Inc製のDNA合成装置(フォスター・シ ティー、カリフォルニア)のようなDNA合成装置を用いて合成することができ る。 当業者であれば、核酸増幅の水準を検出し、測定しまたは定量することができ る手法、例えば重合した核酸に取り込まれた標識したヌクレオチドを測定し、重 合した核酸中のある種の残基の数を測定し、または重合した核酸の吸光度を分光 学的に測定することによる手法を容易に分かるであろう。当業者であれば、増幅 および重合を検出し、測定しまたは定量することができる多数のハイブリダイゼ ーション手法、例えば重合した生成物をクロマトグラフィ分離した後、標識した 核酸でハイブリダイゼーションすることによる手法も分かるであろう(例えば、 Haymesら(「核酸のハイブリダイゼーション:実際的方法(Nucleic Acid Hybrid ization,A Practical Approach)」中),IRL Press,ワシントンDC(1985 年)を参照)。増幅および重合の水準を測定するのに用いることができるもう一 つの手法は、プライマー核酸を標識し、取り込まれた標識対取り込まれていない 標識の水準の経時的変化を検出することによるものである。 当業者であれば、本発明の定量段階または複数の段階は、検出または定量手段 を標識することによって高めることができることを理解できるであろう。例えば 、増幅によって合成されたポリマーの検出および定量は、増幅生成物に取り込ま れるヌクレオチドモノマーを標識することによって増強することができる。当業 者であれば、標識材料は、増幅生成物の合成の後にそれらを標識するのにも有用 であることを直ちに分かるであろう。当業者であれば、どちらの化合物が、例え ばハイブリダイゼーションプローブのような増幅生成物の検出および定量に有用 であるかが分かっているであろう。標識は、本発明の方法に用いられる抗体の検 出および定量を増強するのにも用いられる。本発明の方法に有用な標識としては 、蛍光剤、リガンド、発色団、色原体、化学発光剤および生物学的発光剤のよう な発光剤、および放射性核種が挙げられるが、これらに限定されない。当業者で あれば、任意の所定の検出手段、例えばヌクレオチドモノマー、オリゴヌクレオ チド、抗体、レクチン、ストレプタビジン−ビオチン、オリゴヌクレオチド挿入 剤およびペプチドであって、核酸結合に用いられるものなどの手段に対する適当 な 標識を選択することができるであろう。当業者であれば、当該技術分野で知られ ている手法を用いてこのような検出手段を用いることができるであろう。例えば 、Sambrook(Sambrookら,分子クローニング−実験室便覧(Molecular Cloning - A Laboratory Manual(第2版),Cold Spring Harbor Labs,コールド・スプリ ング・ハーバー,ニューヨーク(1989年))を参照。 ウイルス核酸または粒子の様々な濃度またはタイターを用いて、野生型粒子ま たは核酸量を調製することができる標準曲線を生成させることができる。例えば 、酵素の動態および阻害の-般的検討については、Stryer,L.,生化学(Biochem istry,第2版,W.H.Freeman and Co.,サンフランシスコ、カリフォルニア( 1981年);図表データーの表示の一般的検討については、Remington の製薬 科学(Remington′s Pharmaceutical Sciences)、第18版、Mack Publishing Co.,イーストン,ペンシルバニア(1990年)を参照。当業者であれば、個 人から得られた試料の単位容積当たりのウイルス粒子の量を容易に決定すること ができるであろう。これにより、野仕型ウイルス力価が決定される。臨床的設定 では、ウイルス力価の知識は、治療効率および個人の健康の基礎とする重要な情 報である。例えば、本発明の方法は、HIV感染症に罹っている多数の個人に、 それらの治療の効率およびそれらの感染の経路を決定する重要な方法を提供する 。この方法は、個人のウイルス量を精確に定量する好都合な方法を提供する。 2. ハイブリダイゼーション 本発明の核酸は、当該技術分野で知られているハイブリダイゼーション法を用 いて定量することもできる。これらの方法を用いれば、標識した核酸分子を野生 型核酸分子から容易に識別することができる。本発明の核酸は、例えばノザンお よびサザンブロッティングおよびRNアーゼ保護分析法のようなハイブリダイゼ ーション法を用いて定量することができる。核酸ハイブリダイゼーション法の例 については、Meinkothら,Anal.Biochem.138:267-284(1984); Haymes ら,( 「核酸のハイブリダイゼーション:実際的方法(Nucleic Acid Hybridization,A Practical Approach)」中),IRL Press,ワシントンDC(1985年); Melt onら,Nucl.Acids Res.12:7035-7056(1984); およびSambrookら,分子クロー ニング−実験室便覧(Molecular Cloning - A Laboratory Manual(第2版),Cold Spring Harbor Labs,コールド・スプリング・ハーバー,ニューヨーク(19 89年))を参照されたい。 3. 抗体法 オープン・リーディング・フレーム内に含まれる配列標識はウイルスRNA中 で転写され、これは翻訳されて、生成した修飾されたペプチドが抗体を用いて検 出して、定量することができるようにすることができる。標識した分子のあるも のは、その中に構築された新規なエピトープを有し、市販の抗体を用いて検出お よび定量を行うことができるようにする。例えば、ある種の抗体によって認識さ れることが知られている非相同エピトープのコード配列を、ウイルスタンパク質 のコード配列に融合することができる。この方法では、標識したタンパク質を検 出し、定量することができる。挿入した標識によって妨害されるウイルスエピト ープに特異的な第二の抗体を用いると、当業者であれば野生型ウイルスタンパク 質の濃度を決定することができる。抗体定量法のもう一つの例は、標識したタン パク質と野生型タンパク質との間の分子量の差による。ウェスタンブロッティン グおよび免疫沈澱は、これらの2種類のタンパク質を定量し、それらの濃度を特 定するのに好都合である。これらの翻訳/抗体検出法により、当業者は、イン・ ビトロで合成した野生型および標識したタンパク質の濃度を決定することができ る。 イン・ビトロ翻訳は、網状赤血球溶解物翻訳のような当該技術分野で知られて いる方法にいずれかを用いて行うことができる。 ここで用いられる「抗体」という用語は、実質的に相同の個体群である両モノ クローン性抗体、および異種個体群であるポリクローン性抗体を表す。抗体は、 IgG、IgM、IgE、IgA、IgD、および任意のそのサブクラスを含む 任意の免疫グロブリンのクラスからのものであることができる。ここで用いられ る「抗体」という用語は、天然の完全な分子およびその断片、例えばFabおよ びF(ab′)2であって、抗原またはハプテンを結合することができるもの、 並びに免疫グロブリン断片および他の分子の断片を含んでなる抗原またはハプテ ンを結合することができる融合構築物を包含することも意味する。「抗体」とい う用語は、免疫グロブリンまたは原核細胞で発現したそれからの融合体並びに各 種の他の種のヒト化抗体を包含するものとも解釈される。 野生型および標識したタンパク質に対するモノクローン性抗体およびポリクロ ーン性抗体は、当該技術分野で周知の方法によって作成される。例えば、Ausube lら,分子生物学における最新のプロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)、Current Protocols により公表,pp.11.4.2-11.13.4(1993)を参 照。ハイブリドーマはモノクローン性抗体の産生について本発明の細胞を用いて 作成することができる。例えば、Kohlerら,Eur.J.Immuno.6:292(1976)を参 照。抗体は、野生型および標識したタンパク質に対して生成させることができる 。更に、野生型タンパク質に対する抗体は、それらが自然に存在する細胞および 組織から単離することができる。 本発明によれば、実質的に精製された野生型および標識したタンパク質は、イ ムノアッセイで有用であろうと思われる。当業者であれば、本発明の実質的に精 製したタンパク質を、例えばラジオイムノアッセイ、サンドイッチ法、免疫拡散 分析法などの当該技術分野で知られている方法を用いてイムノアッセイを開発す るための出発点として容易に用いることができる。例えば、Kohlerら,Nature 2 56:495(1975); Kohler ら,Eur.J.Immunol.6:511(1976); Kohlerら,Eur. J.Immunol.6:292(1976); Hammerling ら,「モノクローン抗体およびT細胞ハ イブリドーマ(Monoclonal Antibodies and T-Cell Hybridomas),pp.563-681, Elsevier,N(1981); Sambrookら,分子クローニング−実験室便覧(Molecular C loning - A Laboratory Manual(第2版),Cold Spring Harbor Labs,コールド ・スプリング・ハーバー,ニューヨーク(1989年)、特に実質的に精製した タンパク質に対して生じた実質的に精製したタンパク質または抗体と共に用いら れる方法を略述している第18章を参照。当該技術分野で普通に知られている一 つの方法は、実質的に精製したタンパク質に対してポリクローン抗体またはモノ クローン抗体を作成することである。例えば、Harlowe,E.およびLane,D.,抗 体、実験室便覧(Antibodies,a Laboratory Manual),Cold Spring Harbor La boratories,1988 を参照。 4. 制限分析 本発明の一態様では、標識した核酸を、制限分析によって野生型核酸と識別す ることができる。制限分析に対する一般的方法としては、野生型ウイルスが、標 識したウイルスが含まない1個以上の制限部位を含む方法が挙げられる。或いは 、標識したウイルスは、野体型ウイルスが含まない1個以上の制限部位を含むこ とができる。新規な部位は、当業者に周知の方法を用いて標識配列に取り込むこ とができる(例えば、Sambrook(Sambrookら,分子クローニング−実験室便覧(M olecular Cloning - A Laboratory Manual(第2版),Cold Spring Harbor Labs ,コールド・スプリング・ハーバー,ニューヨーク(1989年)、およびRodr iguez ら,組換えDNA技術:概論(Recombinant DNA Techniques: An Introduc tion,The Benjamin/Cummings Publishing Co.,オンタリオ(1983年) を参照)。増幅の後、1個以上の新規部位を、当該技術分野で知られている技術 を用いて制限エンドヌクレアーゼで消化することができる(例えば、Sambrook( Sambrook ら,分子クローニング−実験室便覧(Molecular Cloning - A Laborat ory Manual(第2版),Cold Spring Harbor Labs,コールド・スプリング・ハー バー,ニューヨーク(1989年)、およびRodriguez ら,組換えDNA技術: 概論(Recombinant DNA Techniques: An Introduction,The Benjamin/Cummings Publishing Co.,オンタリオ(1983年)を参照)。消化の後、核酸断片を、 例えばゲル電気泳動によって分離することができ、それぞれのバンドにおける増 幅した核酸の量を定量することができる。核酸からの生成物の数および/または 大きさは異なるので、標識したおよび野生型ウイルス核酸を識別することは簡単 なである。 新規な制限部位を、部位、点突然変異を含み、2つの領域を結合し部位を作成 するため部位または欠失を構築するリンカーの挿入を用いて、標識したウイルス に構築することができる。更に、当業者であれば、欠失する制限部位を選択する ことができる。これにより、当業者が標識した核酸を野生型核酸から識別するこ とができる異なる制限パターンおよび制限マップを有する標識したウイルスも創 製される。 ここで用いられる「新規部位」という用語は、処理された部位の位置での野生 型ウイルスゲノムでは起こらない部位を表す。しかしながら、この制限部位は、 どこか他の野生型ウイルスゲノム中に存在してもよい。 好ましい態様では、まれにしか生じない制限部位が、配列標識に構築される。 このまれにしか生じない制限部位は、標識した核酸で1回だけ存在し、野生型ウ イルスには存在しないのが、更に好ましい。これらの構築物は、標識したウイル スの2個のバンド制限パターンおよび単一の大きな野生型ウイルスに対するバン ドを生じる。 III . 遺伝学的に標識したウイルス核酸およびウイルス粒子 ここで用いられる「実質的に純粋な」または「実質的に精製した」という用語 は、天然の状態での化合物と関連した任意の化合物を実質的に含まない化合物を 記載することを意味する。例えば、他のタンパク質、核酸、脂質および炭水化物 を実質的に含まないタンパク質は、実質的に純粋であるかまたは精製されている と考えられる。この用語は更に、当業者によって用いられる純度または均質性の 1以上の基準によって均質である化合物を記載することを意味する。ここで用い られる「実質的に純粋な」または「実質的に精製された」とは、人工的、合成ま たは半合成混合物またはハイブリッドを除外することを意味しない。 本発明は、遺伝学的に標識されたレトロウイルス核酸であって、このレトロウ イルス核酸の高度に保存された領域に標識配列を含んでなる、例えば上記標識が レトロウイルスプライマー結合とgag開始部位との間に存在する核酸も提供す る。例えば、標識が、レトロウイルスのプライマー結合とgag開始部位との間 の良好に保存された領域に構築されるのが更に好ましい(Myersら,ヒトレトロ ウイルスおよびAIDS:核酸およびアミノ酸配列の編集および分析(Human Ret roviruses and AIDS : A Compilation and Analysis of Nucleic Acid and Amin o Acid Sequences),Los Alamos National Laboratory,ロス・アラモス,ニュ ー・メキシコ(1992年))。標識が挿入配列、特に下記の配列から本質的に なるものを含んでなるのが最も好ましい。 AGACATCTAGACGCGTCTAGACGCG 標識したウイルス核酸は、Sambrookら,(Sambrookら,分子クローニング−実験 室便覧(Molecular Cloning - A Laboratory Manual)(第2版),Cold Spring Har bor Labs,コールド・スプリング・ハーバー,ニューヨーク(1989年)に記 載の標準的手続きを用いて構築することができる。例えば、標識した領域をD NAまたはRNAウイルスのDNAコピーから挿入または欠失することができ、 これらのDNA構築物を実質的に精製することができる。これらのDNA構築物 を宿主細胞系にトランスフェクションして、ウイルス粒子が生成されるようにす ることもできる。 標識が融合核酸からなり、この融合した連結は野生型配列の欠失突然変異によ って定義されることも好ましい。 標識が挿入である場合には、標識配列が野生型および突然変異体ウイルスDN Aを分離して、増幅の後に同定することができる十分な長さのものであることが 好ましい。挿入標識は、約5〜50ヌクレオチドの長さであるのが最も好ましい 。この配列標識は、ウイルスの成長を妨げない限り、長さが任意の数のヌクレオ チドであることができる。ウイルスの成長は、当該技術分野で知られておりかつ 本発明で教示された手法を用いて容易に監視することができる。 レトロウイルスRNAは、天然で動物に感染することができるレトロウイルス から誘導されるのが好ましい。 このレトロウイルスRNAは、HTLV−I、HTLV−II、HIV−1およ びHIV−2からなる群から選択されたヒトレトロウイルスRNAから誘導され るのが更に好ましい。 ウイルス粒子は、標識したウイルスの構築の後に調製することができる。ウイ ルスDNA構築物を細胞にトランスフェクションすることができ、これらの細胞 を培養してウイルス粒子を得ることができる。これらのウイルス粒子を単離しま たは使用して別の細胞型に感染させ、ウイルスが更に成長できるようにすること ができる。当業者であれば、これらのウイルス構築物のトランスフェクションの 既知の方法、例えばリン酸カルシウム沈澱法(Sambrookら,分子クローニング− 実験室便覧(Molecular Cloning - A Laboratory Manual)(第2版),Cold Spring Harbor Labs,コールド・スプリング・ハーバー,ニューヨーク(198 9年))を理解するであろう。 トランスフェクションした細胞は哺乳類細胞培養について当該技術分野で周知 の方法、例えば10%ウシ胎児血清を含むMEM培地上または10%ウシ胎児血 清を含むRPMI1640培地中での保持、を用いて保持することができる(Ha radaら,Science 229:563-566(1985))。 HIV DNA構築物のトランスフェクションについては、293個の細胞ま たは他の好適な細胞型を用いた後MT−2細胞を再感染するのが好ましい。トラ ンスフェクションの後、培養液を分離して、ウイルスが感染することができる細 胞を感染させるのに用いるのが好ましい。感染した細胞を得た後、無細胞ウイル スを収穫し、分割して、本発明の方法で使用するに保存するのが好ましい。また 、それぞれの画分を、任意の一つの分析に1回だけ用いるのが好ましい。培養物 上清中のウイルスの量は、ウイルスタイターを定量する目的で当該技術分野で知 られている多くの手法のいずれかによって算定することができる。例えば、HI V−1タイターは、製造業者の勧めるプロトコールに従ってCoulter Corp(ハイ アレー、フロリダ)試薬を用いるp24抗原ELISA分析法によって測定する ことができる。 また、本発明は、本発明の遺伝学的に標識したウイルス核酸を含んでなるビリ オン粒子も提供する。 IV. ウイルス定量用キット 本発明のキットは、手に持つことができかつ耐久性のある材料から構築されて おり、透明な化合物および反応室を含んでなり、反応の結果をキット装置を眺め ることによって容易に決定することができるものが好ましい。このキット装置は 、試料および試薬、および逆転写によりDNAを重合することができる逆転写酵 素を用いて反応を行うのに有用な反応容器を含んでなるのが更に好ましい。反応 容 器を包んで、反応が実質的に開始したならば、反応中の化合物はキット装置から 逃げ出すことはできないようにするのが更に好ましい。 キットは、様々な成分を保持するための好都合なプラスチック容器を含んでな るのが好ましい。このキットは、自給式の手で保持される分析装置であって、試 料を導入し、試験し、結果を得ることができ、かつ汚染されたキット装置を次い で安全に排気することができるものからなるのが、更に好ましい。当業者であれ ば、キット中の試薬の適正な保存および安定化緩衝剤が分かるであろう。 当業者であれば、本発明のキットを、本発明の方法を開始点として用いて考案 した方法に容易に適合させることができるであろう。 本発明を概略的に説明したが、本発明は、ある種の特定の実施例を参照するこ とによって更に理解されるであろう。これらの実施例は例示の目的で挙げている ものであり、特に断らない限り、本発明を制限しようとするものではない。 実施例 概要 本発明者らは、感染性の突然変異体ウイルスを内部コントロールとして用いて 、患者血漿または血清中のHIV−I RNAを測定する分析法を開発した。突 然変異体ウイルスVX−46は、プラスチック結合および主要なスプライス・ド ナー部位の間の保存領域中に25bpのインサートを有する。このウイルスを内 部コントロールとして利用するため、様々な希釈度のこのウイルスを、測定を行 う血漿試料の一部に添加し、RNAを分離してcDNAに逆転写した。PCRは 、外部から添加したウイルスに含まれるインサートのいずれかの側に配列を含む ように選択したプラスチックを用いて行った。コントロールウイルスからのDN A生成物は、血漿に含まれるウイルスより25bp長い。血漿試料に含まれるウ イルスRNAの量を、PCR増幅した生成物をゲル電気泳動によって分離した後 、 計算する。他の定量的PCR分析法とは異なり、この内部コントロールによるビ リオンPCR(ICVPCR)分析法では、RNA精製段階の際に変動する回収 率によって導入される誤差がなくなるので、この分析法の精度が高くなる。 材料および方法 細胞 293この細胞をATCCから得て、10%ウシ胎児血清を含むMEM 培地に保持した。MT−2細胞は、NIAID AIDS研究プログラムを介し てD.Richman博士から入手し、10%ウシ胎児血清を含むRPMI1640培地 に保持した(Haradaら,Science 229:563-566(1985))。 突然変異体HIV−1ウイルスの作製 HIV−1のプラスチック結合およ びgag開始部位の間の良好に保存された領域を、挿入に選択した(Myersら,ヒ トレトロウイルスおよびAIDS:核酸およびアミノ酸配列の編集および分析(H uman Retroviruses and AIDS: A Compilation and Analysis of Nucleic Acid a nd Amino Acid Sequences),Los Alamos National Laboratory,ロス・アラモス ,ニュー・メキシコ(1992年))。M.Martin 博士から入手したHIV−1 の感染性分子クローンであるプラスミドpNL4.3を、出発物質として用いた (Adachiら,J.Virol.59:284-291(1986))。pNL4.3のヌクレオチド位置 715にインサート5′AGACATCTAGACGCGTCTAGACGCG 3′を有する突然変異体(VX−46)を、Sambrookらによって報告された標準 的手続きを用いて生成させた(Sambrookら,分子クローニング−実験室便覧(Mol ecular Cloning - A Laboratory Manual(第2版),Cold Spring Harbor Labs, コールド・スプリング・ハーバー,ニューヨーク(1989年))。用いたHI V−1ヌクレオチドの番号は、HIVNL4.3;Genbank 取得番号M1992 1に準じる。VX−46DNAを、リン酸カルシウム沈澱法によって293個の 細胞にトランスフェクションした(Sambrookら,分子クローニング− 実験室便覧(Molecular Cloning - A Laboratory Manual(第2版),Cold Spring Harbor Labs,コールド・スプリング・ハーバー,ニューヨーク(1989年) )。トランスフェクションから48時間後、培養液を採取して、MT−2細胞を 感染するのに用いた。突然変異体ウイルスは、野生型ウイルスと同じ速度で成長 した。無細胞ウイルスを収集し、分割して、−70℃で保存した。それぞれの画 分は、ICVPCR実験で1回用いた。培養液上清のウイルスの量を、製造業者 の勧めるプロトコールに従ってCoulter Corp(ハイアレー、フロリダ)試薬を用 いるp24抗原ELISA分析法によって測定した。 PCRプライマー 第1表に記載のICVPCRプライマーは、Applied Bios ystems Inc製DNA合成装置(フォスターシティー、カリフォルニア)を用いて 合成した。 RNA分離およびcDNA合成 インフォームド・コンセントを得た後、HI V−1セロポジティブ患者から、凝固防止剤としてのクエン酸デキストロースの 存在下にて全血試料を収集した。血漿を遠心分離によって分離して、使用まで− 70℃で保存した。突然変異体ウイルスVX−46の連続希釈物の一部(100 μl)を患者血漿100μlに加え、RNAを、以前に報告された180mM酢 酸ナトリウムの存在下にて4.0Mグアニジニウムチオシアネートおよびフェノ ールを用いて、抽出した(Chomczynski およびSacchi,Anal.Biochem.162:156 -159(1987))。RNAを、等容のイソプロパノールおよび10μgのキャリヤ ーtRNA(Sigma Chemical Co)を添加することによって沈澱した。 RNAを遠心分離によって回収し、70%冷エタノールで洗浄し、50mM Tris,pH8.0、5mM MgCl2、およびRNAアーゼ不含DNAア ーゼ(Boehringer Mannheim Biochemicals)10単位を含むDNAアーゼ緩衝液 8.0μlに溶解し、25℃で30分間インキュベーションした。DNAアーゼ を80℃で10分間不活性化し、RNAをInvitrogen Corporation(サンディェ ゴ、カリフォルニア)から入手したcDNAサイクルキットを用いてcDNA合 成に用いた。100mMメチル水銀ヒドロオキシド2μlをRNA8μlに加え 、室温で5分間インキュベーションした後、0.7Mβ−メルカプトエタノール 2.5VIを加え、反応物を氷上に保持した。これに、5X RT緩衝液(0. 5M Tris,pH8.3、0.2M KClおよび50mM MgCl2) 4.0μl、RNAアーゼ阻害剤1.0μl、dNTPsの25mMを1.0μ l、プライマーICVPCR−9(40ピコモル)1.0μl、およびAMV逆 転写酵素0.5μlを加え、これを42℃で1時間インキュベーションした。次 に、反応物を95℃で3分間加熱して、氷上で2分間冷却し、逆転写酵素を更に 5単位加え、インキュベーションを42℃で更に1時間継続した。最後に、反応 物を95℃まで3分間加熱し、cDNAをPCRに用いるかまたは−20℃で保 存した。 PCR cDNA5μlを、10mM Tris−HCl,pH8.3、50 mM KCl、1.5mM MgCl2、0.001%ゼラチン、0.2mM dNTPs、プライマーICVPCR−16および17(第1表)25ピコモル 、およびTaq DNAポリメラーゼ(Perkin-Elmer Cetus)2.5単位を含む反 応物中で、最終容積が50μlで用いた。試料をPerkin-Elmer Cetusサーモサイ クラー(9600)で、下記のPCRサイクルプログラムを用いて増幅した。9 4℃で60秒間、55℃で10秒間、および72℃で30秒間;30サイクル; 94℃で15秒間、55℃で30秒間、および72℃で60秒間、および72℃ で10分間最終インキュベーション。次に、試料を、分析まで4℃で保存した。 VX−46ウイルスからのcDNAの量を算定するのに用いた競合体プラスミド (pA1)DNAは、pNL4.3ヌクレオチド配列501〜1448を含んで いた。 PCR生成物の分析 PCR生成物15μlを5′−32P標識オリゴヌクレオ チドICVPCR−18(第1表)でハイブリダイゼーションし、10%ポリア クリルアミドゲルで分離し、以前報告した通りにオートラジオグラフィを行った (Psallidopoulos ら,J.Virol.63:4626-4631(1989))。それぞれのバンドに含 まれる放射能の量を、Molecular Dynamics Phosporlmager(サニーベイル、カリ フォルニア)、またはFuji Medical Systems BAS1000(スタンフォード、コネチ カット)を用いて、Johnstonらによって報告された通り保存リンスクリーンにゲ ルを露出させることによって定量した(Johnston ら,Electrophoresis 11:355-3 60(1990))。 結果および検討 VX−46ウイルス調製物に含まれるRNAの算定 p24抗原100pg、25pgまたは500fgを含むVX−46ウイルス の一部からRNAを分離し、cDNAを標準的条件を用いて合成した。この分析 法を確立して標準化するため、VX−46からのcDNAを、pNL4.3ヌク レオチド配列501〜1448を含むプラスミドDNA(pA1)の様々な量の 存在下にてPCR増幅した。第1図に示されるように、選択されたプライマーは 、それぞれ野生型および突然変異体ウイルス配列から予報された123bpおよ び148bpDNA PCR生成物を生じた。幾つかの実験では、更に微量のバ ンドが見られた。これらは、2種類の予想されたバンドの間に形成されたヘテロ 二本鎖であると思われる。また、cDNA合成段階からの未使用の過剰なプライ マーもPCR反応に関与し、更に長い生成物(第3図および第4図に見られる) を 生成する。これらのバンドは正確な定量を妨げないが、この方法による定量は、 標的および競合鋳型からのバンドの相対的濃度に基づいており、絶対量には基づ かないからである(Piatakら,BioTechniques 14:70-80(1993))。特定のバンド の放射能の量を、材料および方法に記載した方法で測定した。野生型および突然 変異体DNAバンドに含まれる放射能の量の間の比率を、上記の方法でプロット した(Bagnarelliら,J.Med.Virol.34:89-95(1991))。これらのデーターに 基づいて(第2図)、それぞれp24抗原100pg、25pgおよび500f gを含むウイルスから、285000、69300および1600コピーのRN Aが単離されると計算された。 HIV−1粒子の質量に基づいて、p24 100pgを有するウイルス調製 物は1000000個のHIV粒子を含むと計算されるか(Bourinbaiar,A.S. ,Nature 349:111(1991); Bourinbaiar,A.S.,Weights of HIV AIDS Res.Huma n Retrov.8:1545(1992))、または2000000コピーのRNAを含むと計算 される。従って、本実験で決定されたコピー数は、理論値の約15%である。こ れは、抽出中のRNAの損失を反映しており、cDNAの調製における理論収率 より低い。しかしながら、競合的PCRによる定量は、絶対量ではなく、野生型 および突然変異体鋳型の相対量に依存する。従って、突然変異体ウイルス調製物 中のRNAの量を決定したならば、それぞれICVPCR実験におけるRNAの 回収率は、結果に影響しない。 血漿中のHIV−IRNAの濃度を測定するためのICVPCR RNA分離の際に、この標準化したVX−46ウイルスを競合体として用い、 患者血漿のHIV−1ウイルスRNAの量を算定した。2種類の異なる血漿試料 で得た結果を、第3図に示す。それぞれのバンドに含まれる放射能の量を算定し 、突然変異体および野体型(患者)DNAバンドに含まれる放射能の量を、投入 突 然変異体ウイルスRNAに対してプロットした。この手法を用いて、試料に含ま れるウイルスRNAの量を、患者1の血漿1ml当たりRNAが88,000コ ピーであり、患者2の血漿1ml当たりRNAが16,000コピーであると決 定した(第3C図)。 次に、血漿試料中のウイルスRNAの量を、異なる2日で完全分析を行うこと によって算定した。この2個の算定量によるRNAの量は、血漿1ml当たり6 0000〜68000コピー(第4図)であり、ICVPCR法は再現性がある ことを示している。 結論 競合的RNA PCRを、患者試料に含まれるHIV−1ウイルスRNAの量 の算定に良好に用いることができた(Piatakら,Science 259:1749-1754(1993); Clementiら,PCR Methods Appl.2:191-196(1993))。この方法では、増幅生成 物の比率は、PCRに影響する因子によっても影響される。しかしながら、これ は、RNA精製段階に対するコントロールを欠いている。平均して36%KRN A試料が、用いた抽出手続きによって損失することがあると算定された(Clemen tiら,PCR Methods Appl.2:191-196(1993))。遺伝子発現を細胞から抽出した RNAを用いて検討するときのRNAの損失の変動を説明するため、検討を行う 遺伝子によって発現されたRNAを、構成的に発現される別のRNA種と比較す ることが多い(Green ら,Cell 35:137-148(1983); Orkin ら,J.Biol.Chem. 259:8679-8681(1984))。しかしながら、このようなコントロールRNAは、血 漿では利用できない。この報告で記載した改良法を採用することによって、突然 変異体ビリオンRNAは、RNA抽出手続きのコントロール並びにPCRにおけ る競合的RNA鋳型としての役割を演じることができる。 本明細書に引用した総ての公表物の内容は、その開示の一部として本明細書に 引用される。 上記から、本発明の具体的態様は、例示の目的で記載されたものであり、本発 明の精神および範囲、および請求の範囲から逸脱することなく各種の変更を行う ことができることを理解されるであろう。例としては、好ましい態様の段階は、 本発明を例示することができる工程を行う一つの形態を構成するだけである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 試料に含まれるウイルスの量の定量法であって、 (a) 上記試料に、遺伝学的に標識したウイルス核酸を含むウイルスを 有してなる組成物を導入し、 (b) 上記野生型および上記標識した核酸を、上記試料から同時分離し 、 (c) 上記試料からの上記野生型および上記標識した核酸を増幅し、 (d) 核酸増幅の後に上記野生型および上記標識した核酸を定量する段 階を含んでなる、方法。 2. 上記野生型ウイルス核酸がRNAである、請求の範囲第1項に記載の方 法。 3. 上記野生型ウイルスRNAがレトロウイルスRNAである、請求の範囲 第1項に記載の方法。 4. 上記レトロウイルスRNAが、HTLV−1、HTLV−2、HIV− 1およびHIV−2からなる群から選択されるウイルスから誘導される、請求の 範囲第3項に記載の方法。 5. 上記試料が哺乳類から得られる、請求の範囲第1項に記載の方法。 6. 上記定量段階の上記増幅が、核酸増幅連鎖反応を行う段階を含んでなる 、請求の範囲第1項に記載の方法。 7. 上記定量段階の上記ポリメラーゼ連鎖反応が、逆転写の段階を含んでな る、請求の範囲第1項に記載の方法。 8. 上記試料が、血液、脳脊髄液、唾液、リンパ液、精液、腟液、血清、血 漿、リンパ球様またはリンパ球細胞、特にB細胞、T細胞、単球、多形核細胞お よびマクロファージ、上皮細胞、特に鼻咽頭および上部気道上皮細胞、口唇上皮 細胞、腫瘍細胞、呼吸分泌、特に鼻咽頭分泌、脳組織、ウイルス小疱組織、液お よび関連物質、いぼ組織、液および関連物質、糞便、尿、胸膜液および心膜液、 乳汁、唾液腺組織、ネグリ小体液、細胞および関連物質、および肝細胞からなる 群から選択される、請求の範囲第1項に記載の方法。 9. 上記試料が血液を含んでなる、請求の範囲第1項に記載の方法。 10. 上記試料が血漿を含んでなる、請求の範囲第1項に記載の方法。 11. 上記の遺伝学的に標識したウイルスRNAが、レトロウイルスから誘 導される配列を有する、請求の範囲第1項に記載の方法。 12. 上記定量段階(d)が、更にハイブリダイゼーションプローブを上記野 生型およびポリメラーゼ連鎖反応の上記の標識したDNA生成物に導入すること を含んでなる、請求の範囲第1項に記載の方法。 13. 上記プローブが標識されている、請求の範囲第12項に記載の方法。 14. 上記定量段階(d)が、更にDNAポリメラーゼ連鎖反応生成物を分離 する段階を含んでなる、請求の範囲第1項に記載の方法。 15. 上記分離段階が更に、上記DNA生成物の電気泳動を含んでなる、請 求の範囲第14項に記載の方法。 16. 上記遺伝学的に標識したウイルス核酸が、融合配列である標識を含ん でなる、請求の範囲第1項に記載の方法。 17. 上記の遺伝学的に標識したウイルス核酸が、融合配列である標識を含 んでなり、前記融合結合が野生型配列の欠失突然変異によって定義される、請求 の範囲第1項に記載の方法。 18. 上記の遺伝学的に標識したウイルス核酸が、点突然変異である標識を 含んでなる、請求の範囲第1項に記載の方法。 19. 上記のレトロウイルス核酸の高度に保存された領域に標識配列を含ん でなる遺伝学的に標識されたレトロウイルス核酸であって、上記の標識がレトロ ウイルスプライマー結合およびgag開始部位の間にあることを特徴とする、遺 伝学的に標識したレトロウイルス核酸。 20. 上記標識が挿入配列を含んでなる、請求の範囲第19項に記載の遺伝 学的に標識したレトロウイルス核酸。 21. 上記標識が、融合核酸を含んでなり、この融合結合が野生型配列の欠 失突然変異によって定義されている、請求の範囲第19項に記載の遺伝学的に標 識したレトロウイルス核酸。 22. 上記標識が点突然変異を含んでなる、請求の範囲第19項に記載の遺 伝学的に標識したレトロウイルス核酸。 23. 上記標識が、長さが5〜50ヌクレオチドである配列インサートであ る、請求の範囲第20項に記載の遺伝学的に標識したレトロウイルス核酸。 24. 上記標識が本質的に下記の配列から成る、請求の範囲第20項に記載 の遺伝学的に標識したレトロウイルス核酸。 AGACATCTAGACGCGTCTAGACGCG 25. 天然で動物に感染することができるレトロウイルスから誘導される請 求の範囲第19項に記載のレトロウイルスRNA。 26. HTLV−I、HTLV−II、HIV−1およびHIV−2からなる 群から選択されるヒトレトロウイルスRNAから誘導されるレトロウイルスRN A。 27. 請求の範囲第19項に記載の遺伝学的に標識したウイルス核酸を含ん でなるビリオン粒子。
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