JPH10504964A - 家族性型ヒトアミロイド前駆タンパク質を発現するトランスジェニック動物 - Google Patents

家族性型ヒトアミロイド前駆タンパク質を発現するトランスジェニック動物

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JPH10504964A JP8508912A JP50891295A JPH10504964A JP H10504964 A JPH10504964 A JP H10504964A JP 8508912 A JP8508912 A JP 8508912A JP 50891295 A JP50891295 A JP 50891295A JP H10504964 A JPH10504964 A JP H10504964A
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フアン・デル・プルーヒ,レオナルドス・ハー・テー
ボンズ,アウラワン
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Abstract

(57)【要約】 ヒトアミロイド前駆タンパク質をコードする遺伝子を有するトランスジェニックマウスを提供する。このトランスジェニックマウスは、アルツハイマー病及び他の認識障害に影響を与える化合物の評価に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】発明の名称 家族性型ヒトアミロイド前駆タンパク質を発現するトランスジェニック動物発明の分野 本発明は、トランスジェニックマウスにおけるヒトアミロイド前駆タンパク質 の家族性アルツハイマー病(V−I)変異体の脳特異的発現に関する。図面の簡単な説明 図1.ヒトThy−1プロモーターをコードする7.1kbEcoRI−Xb aIフラグメント、ヒトAPP75IFAD(V−I)cDNA及びSV40由 来3′フランキング配列の概略図。シグナルペプチド(Sp)、Kunitz型 プロテアーゼインヒビター(KPI)及びβA4ドメインを含むAPP関連領域 並びにV−I FAD突然変異の位置を示す。プライマーの位置は矢印で示され ている。プライマーを66bpSV40小型tイントロン(物理的地図中の刻み 目)をはさむようにして用い、RT−PCRによりAPP751 FAD mR NAから319bpフラグメントを増幅した。 図2.APP751 FAD始祖のRNA分析。上のパ ネル:APP751 FADトランスジェニック(Tg)マウス及び同年齢の非 トランスジェニック(NTg)F1マウスのノーザーンブロット分析。脳(B) 、腎臓(K)及び腸(I)由来のポリA+mRNA試料(約4μg)をMOPS ホルムアルデヒドゲル上で分離し、ナイロン膜に移した。RNAを32P標識トラ ンスジーン特異的SV40配列とハイブリダイズさせた。顕著な脳特異的発現が 14.2系統のF1トランスジェニック動物に認められた。7.2系統と9.3 系統のトランスジェニック動物では、低レベルの発現しか認められなかった。下 のパネル:ノーザーンブロットを32P標識β−アクチンプローブとハイブリダ イズさせ、種々のレーンにロードしたポリA+mRNAの相対量を予測した。 図3.APP751 FADのRT−PCR分析。潅流させたトランスジェニ ック動物(14.2系統)の種々の組織由来の全RNA1μgを逆転写し、次い で、AmpliTaq DNAポリメラーゼを用いて増幅した。増幅産物を0. 8%アガロースゲル上で分離し、ナイロン膜にブロットし、SV40配列とハイ ブリダイズさせた。脳には顕著なAPP751 mRNAの発現が見られたが、 殆どの他 の組織では極く僅かな発現しか得られなかった。 図4.in situハイブリダイゼーションによるAPP751 FAD RNAの局在。コンピューターで作成した典型的なin situハイブリダイ ゼーションX線フィルムオートラジオグラムの偽配色像(pseudo−col or images)は、トランスジェニックマウスの脳の種々の領域における ヒトAPP751 FAD mRNAの発現を示している。14.2系統〔吻( rostral)から尾(caudal)まで;標識したA、B、C〕;9.3 系統(E、F、G);及び7.2系統(I、J、K)。mRNAの最高レベルの 発現は14.2系統に属するマウスの脳に認められた。発現は脳全体にわたって いたが、皮質(C)と海馬(h)に特に集中して見られた。扁桃体(am)、上 丘(sc)の表層及び中心灰白質(cg)でも高レベルのmRNAが認められた 。他の領域、例えば、視床下部内側視神経交差前方領域(mpo)及び弓形核( arc)、外側中隔(lateral septum;ls)並びに尾状被殻( cp)に低レベルの発現が認められた。14.2系統(D)、9.3系統(H) 及び7.2系統(L)から脳切片を採取し、35Sで標識した(「アンチセンス」 プローブと相補的な)対照「センス」プローブとハイブリダイズさせたときには 、mRNAシグナルは得られなかったが、このことは、標識したアンチセンスヒ トAPP751 FAD mRNAプローブを用いて得られるRNAシグナルの 特異性を示している。 図5.ウエスターンブロッティングによるAPP751(V−I)タンパク質 の分析。種々のトランスジェニック動物(91−95)及びヒト特異的抗体(A b)6E10〔Kimら,(1990)Neurosci.Res.Commu n.7,113−122;Kimら,(1988)Neurosci.Res. Commun.2, 121−130〕を有する非トランスジェニック対照動物 (96、97)由来の脳タンパク質溶解物のウエスターンブロッティング。一番 上のパネルは、6E10 Abとの反応性を示し、真中のパネルは、ヒト及びマ ウスのAPPを認識するCT15 Abとの反応性を示し、一番下のパネルは、 β−チューブリン対照Abとの反応性を示す。動物95(14.2系統のトラン スジェニック動物)は、マウス中で発現した500kbのYACから誘導された ヒトAPPタンパク質〔標識されたYAC;Lambら,(1993)Nat ure Genetics 5,22−30〕と同等レベルの大量のAPP75 1タンパク質を発現する。CT15パネル中のN+Oは、95系統動物における 完全修飾グリコシル化751タンパク質を表す。9.3系統及び7.2系統の動 物(それそれ、91、92及び93、94)は、より低レベルのAPPタンパク 質を有していた。 図6.マウスの脳におけるAPP751 FADの発現。 ヒトAPP遺伝子を過発現するトランスジェニックマウスの脳を分析した。ヒト APP(クローン22C11,Boehringer Mannheim;希釈 度1:20)のN末端に対するモノクローナル抗体を用い、APP751FAD トランスジェニック14.2始祖(18ケ月齢)の脳の皮質及び海馬において高 度に免疫反応性のニューロンを検出した。非トランスジェニック対照(15ケ月 齢)はこの染色パターンを示さなかった。染色度は、年齢に関連するようであっ た。トランスジェニックマウスのニューロンにおけるこのようなAPP免疫反応 性の集積物は、見たところ顆粒状沈着物のようであった。 図7.FAD APP751の43アミノ酸β−A4ドメインは太字で示され 、V−I置換はボックスで囲まれて いる。発明の背景 アルツハイマー病(AD)は、65歳以上の人々に不均衡に作用する神経障害 である。この障害の頻度は、60〜65歳では1%未満、75歳では5%である が、85歳になると47%と高くなる。65歳以上の人々の全ての痴呆症例の6 0%〜80%はADに起因する。患者は、認識機能及び記憶の低下を示す。AD には適当な診断法も有効な治療法も存在しない。ADの正確な判定には、脳の生 検又は剖検が必要である。 ADの成因は不明であるが、ADの発症には、遺伝的、免疫的且つ環境的要素 が関わっている。ADの主徴には、老人斑の存在、並びに、新皮質、海馬及び関 連構造物中の神経原線維のもつれやおびただしい神経損失が含まれる。老人斑は 、グリア、星状膠細胞及び異栄養性神経突起のかさ輪の周囲のβ−アミロイド核 を含む細胞外沈着物からなっている。β−アミロイド沈着は新皮質の血管壁中に 存在する。老人斑の主成分は、βA4と称される4kDaペプチドであり、この ペプチドは120kDaという大きなアミロイド前駆タンパク質(APP)から タンパク質分解に より切り出される。老人斑の他の成分には、ユビキチン、アミロイドP、Apo E、インターロイキン−1及びα−1−アンキモトリプシンが含まれる。 ADにβA4が関与することを裏付ける生物学的証拠に加えて、APPとAD の関連を示唆する強力な遺伝子データが存在する。ADに関与する遺伝子の位置 は、ダウン症候群患者を分析することにより解明される。この患者の場合、第2 1染色体のトリソミーがADの早期発症の原因である。ダウン症候群患者の核型 を分析すると、関与する遺伝子は第21染色体長腕の上部にマッピングされた。 この領域は、APP遺伝子を含む数個の遺伝子をコードしている。ダウン症候群 患者におけるADの早期発症(〜35歳)は、第21染色体長腕上の原因マーカ ーの遺伝子量(gene dosage)の増大が、殆どのAD患者に認められ る神経病理学的症状の成因であり得ることを示唆している。 大多数のAD症例は散発性のようであるが、早期発症の家族性AD(FAD) も数例報告されている。FAD家族の遺伝子を分析することにより、該障害は、 第21染色体長腕上にマッピングされ、APP遺伝子に近接する常染色 体優性遺伝子欠損として遺伝することが証明された。これらの知見は、ダウン症 候群患者を分析して得られた遺伝子データと符合する。ADの早期発症がAPP 遺伝子のエクソン17における717位のアミノ酸の突然変異(Val−Ile )の存在と密接に関連するFAD家族も数例同定された。APPの膜貫通ドメイ ン内のこの突然変異はFADと共に受け継がれる。APP717FADに罹患し た家族が異なる人種起源(英国人、日本人及びカナダ人)であることから、これ らのAD症例にFAD遺伝子が関与することは確かである。この突然変異は、散 在性AD患者、ダウン症候群患者、後期発症家族性ADの対照個人にも、殆どの 他の早期発症FAD症例の対照個人にも存在しない。APP遺伝子中に、他のF AD家族におけるADの発症を説明し得るいくつかのさらなる突然変異が存在す ることが確認されている。5例の異なる早期発症APP717 FAD家族にお ける遺伝子的証拠は、これらのFAD家族のAPP717遺伝子がADの進行経 路に直接関与するという仮説を裏付けるものである。 APP遺伝子は、長さが約400kbの、細胞−細胞間相互作用に関与し得る グリコシル化された膜貫通タンパク 質をコードする。APP遺伝子は、代替スプライシング(alternativ e splicing)により少なくとも5つの異なるAPP転写体を形成する 19以上のエクソンを有している。主要な転写体は、695、751及び770 個のアミノ酸のタンパク質(APPのこれら主要形態はそれぞれ、APP695 、APP751及びAPP770と称される)をコードする。APP695転写 体は脳に豊富である。APP751及びAPP770mRNA種をコードする転 写体は末梢組織で優位である。3種のアイソフォームは全て42アミノ酸βA4 ドメインを含んでいる。APPアイソフォーム751及び770は、Kunit z型セリンプロテアーゼインヒビター(KPI)をコードする追加の56アミノ 酸挿入体を含んでいる。APPは、タンパク質分解により少なくとも2つの経路 で代謝される。第1経路は、βA4ドメインのLys16とLeu17の間に位 置するα−セクレターゼ切断部位に関連し、タンパク質分解によるこの部位での 切断が、アミロイド形成性βA4物質の形成を阻止する。第2経路は、タンパク 質分解により全長APP分子のβ−セクレターゼ切断部位及びγ−セクレターゼ 切断部位で切断して完全形のアミロイド形 成性βA4(39−42アミノ酸)を生成させる。 AD患者に見られるβA4を有する老人性沈着物は、老齢のヒトや、非ヒト霊 長類、北極クマ及びイヌを含む他の老齢哺乳動物にも認められる。しかし、通常 、実験用のラット及びマウスのような他の老齢哺乳動物にはβA4沈着物は生成 されない。費用効果の高い、ヒトの病理発生の模擬体となる実験用動物モデルが 存在しないために、ADの神経病理学の理解及びAD治療剤の開発が遅れている 。トランスジェニック技術がこの問題に対する適当な代替法となり得る。高レベ ルのヒトAPP又はその成分を産生する遺伝子構築物をマウス中枢神経系の鍵領 域に付加して、AD表現型に似た神経病理学的変化を引き起こし得る。トランス ジェニック囓歯類動物モデルにヒトADのあらゆる特徴を同時に生じさせること は不可能かも知れないが、該疾患の重要な特徴を適切なトランスジェニック動物 モデルに生じさせることは可能であると思われる。 従って、本発明の目的は、ヒトFAD APP751(V−I)アイソフォー ムの過発現により神経病理学的症状を示すトランスジェニックマウスを提供する ことである。FAD APP751(V−I)アイソフォームは、家族性A Dに罹患している患者の脳で特異的に過発現し、従って、他の人々によって樹立 されたものとは異なる有用且つ新規な動物モデルである。本発明のトランスジェ ニックマウスは、ADの進行を段階的に追跡し得るので、ADの新たな標的の同 定に有用である。本発明のマウスは、神経機能不全に関与するFAD APP7 51(V−I)の作用に影響を与える化合物や、βA4沈着物の形成及び/又は βA4機能に影響を与える化合物の同定に用い得る。FAD APP(V−I) タンパク質中のアミノ酸を置換すると、APPタンパク質の正常な機能が変わり 、それによってADの早期発症が引き起こされると考えられる。このように、突 然変異タンパク質におけるAPPのプロセシング及び/又はAPP機能の変化が これらの症例のFADの原因となり得る。 トランスジェニックマウスで、ヒトアミロイド前駆タンパク質のセグメント又 は全長の野生型タンパク質を発現させようとする試みは成功を納めている。マウ スでの種々の野生型の全長の及びトランケートしたAPP cDNAアイソフォ ームの発現を概説する多くの論文が発表されている〔Kammesheidtら ,(1992)Proc. Natl.Acad.Sci.89,10857−10861;Sandhuら ,(1991)J.Bjol.Chem.266,21331−21334;Q uonら,(1991)Nature,352,239−241;Wirakら ,(1991)Science,253,323−325;Kawabataら ,(1991)Nature 354,476−478;国際公開第WO93/ 02189号,Neve,R.(発明者)〕。しかし、AD用のトランスジェニ ックマウスを作出しようとするこれら過去の試みは実質的に失敗に帰した。その 主な理由の一つは、これらの刊行物のいずれにおいても、研究者が、(i)マウ ス脳でのcDNA構築物から発現された全長の組換えヒトAPPタンパク質の高 レベル発現、(ii)脳におけるAPPタンパク質沈着物、又は(iii)神経病理 学的症状を再現可能に確認していないからである〔Juckerら,(1992 )Science,255,1443−1445;Wirakら,(1992) Science,255,1445;Marx,(1992)Science 255,1200−1202;Kawabataら,Nature(1992) 356,23ページ〕。 強力なニューロン特異的プロモーターを用いて、ADの家族性型(APP71 7)を表すAPP751(V−I)cDNAを過発現させることは、他の人々に よって試みられたことはなく、本明細書に記載の動物モデルのユニークな態様で ある。本発明のマウスは、ウエスターンブロッティングによりAPP751 F ADタンパク質の高定常状態発現、in situハイブリダイゼーションによ る中枢神経系でのAPPm RNAのユニークな分布及び神経内タンパク質AP P FAD凝集物のユニークな沈着を示すという点で他のマウスと異なっている 。本発明のこれらの特徴は、ニューロンのβA4免疫反応性凝集物の同定とあい まって、この分野の研究において過去に請求されたものの範囲を越えている。該 疾患は、FADが早期に発症するという点で老年期のADとは異なる。従って、 本明細書に呈示されているモデルはADのユニークな態様を表わすものである。発明の要旨 698位のアミノ酸のバリンがイソロイシンに置換された家族性型APP75 1アイソフォーム(APP751アイソフォームのナンバリング;APP770 アイソフォー ムのナンバリングに基づきAPP717として既に導入されている)を脳特異的 に発現するトランスジェニックマウスを提供する。本発明のトランスジェニック マウスは、AD及び中枢神経系関連障害の研究に用いることができる。発明の詳細な説明 698位のアミノ酸のバリンがイソロイシンに置換された家族性型APP75 1アイソフォーム(APP751アイソフォームのナンバリング;APP770 アイソフォームのナンバリングに基づきAPP717として既に導入されている )を脳特異的に発現するトランスジェニックマウスを提供する。本発明のトラン スジェニックマウスは、AD及び中枢神経系関連障害の研究に用いることができ る。 本明細書中の「動物」という用語は、ヒトを除く全ての脊椎動物を含むものと して用いられる。また該用語は、胚期及び胎児期を含む全発育段階の動物個体を も含む。「トランスジェニック動物」とは、マイクロインジェクション(顕微注 入)又は組換えウイルス感染によるような細胞下レベルでの任意の遺伝子操作に より直接間接に受容した遺伝情報を有する1個以上の細胞を含む動物である。導 入されたこのDNA分子は、染色体内に組み込まれるか、又は 染色体外でDNAを複製し得る。「生殖細胞系トランスジェニック動物」という 用語は、遺伝情報が生殖系細胞に導入され、それによって該情報を子孫に伝達す る能力が付与されたトランスジェニック動物を指す。そのような子孫が実際に該 情報の一部又は全てを有している場合、該子孫もまたトランスジェニック動物で ある。 上記遺伝情報は、レシピエント(受容動物)が属する動物種に対して異種であ るか、特定のレシピエント個体に対してのみ異種であるか、又は既にレシピエン トが保有している遺伝情報であり得る。この最後の例では、導入された遺伝子は 本来の内因性遺伝子とは異なったものとして発現し得る。 該遺伝子は、ゲノム源から遺伝子を単離することにより、単離されたmRNA の鋳型からcDNAを作製することにより、特異的合成により、又はそれらの任 意の組合わせにより、得ることができる。 構造遺伝子を発現させるためには、該遺伝子を機能的にプロモーターと結合さ せる必要がある。特定の組織又は特定の発育期に対して遺伝子発現を増大、減少 、調節又は指示するためにプロモーター/調節配列を用い得る。プロモ ーターは天然プロモーターである必要はない。本発明の好ましい実施態様では、 ヒトThy−1(hThy−1)プロモーターを用いる。hThy−1プロモー ターは脳内で優先的に目的遺伝子を発現させる〔Gordon,Jら,(198 7)Cell,50,445−452〕。 本発明の「トランスジェニック非ヒト動物」は、非ヒト動物の生殖系に「トラ ンスジーン」を導入して作出される。一般に、細胞中にDNAを導入し得る方法 が利用可能であり、このような方法は当業界において周知であるが、特定タイプ のトランスジェニック動物の作出には実験が必要である。種々のトランスジーン 導入法を用いることができる。一般に、マイクロインジェクション法では、接合 体が最適な標的である。マウスでは、雄性前核は直径が約20μmの大きさにも なり、それによって1〜2pLのDNA溶液の再現可能な注入が可能になる。接 合体を遺伝子移入の標的として用いると大きな利点が得られ、殆どの場合、注入 されたDNAは最初の切断前に宿主遺伝子に取り込まれる〔Brinsterら ,(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82,443 8−4442〕。その結果、トランスジェニック非ヒト動物の殆ど全ての細 胞が組み込まれたトランスジーンを保有する。一般に、これによって生殖細胞の 50%がトランスジーンを有することになるので、始祖から子孫へのトランスジ ーンの伝達も効率的に行われるであろう。本発明の実施に際しては、トランスジ ーンの組込みには接合体のマイクロインジェクションが好ましい方法である。 また、レトロウイルス感染を用いて非ヒト動物にトランスジーンを導入するこ とも可能である。発育中の非ヒト胚は胞胚期までin vitroで培養し得る 。この時期には、割球がレトロウイルス感染の標的となり得る〔Jaenich ,R.(1976)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 73,1 260−1264〕。効率的な割球感染は、酵素処理して透明帯を除去すること により得られる〔Hoganら,(1986),Manipulating t he Mouse Embryo,Cold Spring Harbor L aboratory Press,Cold Spring Harbor,N .Y.〕。トランスジーンの導入に用いられるウイルスベクター系は、典型的に はトランスジーンを保有する複製欠陥レトロウイルスである〔Jahnerら, (1985)Proc.N atl.Acad.Sci.USA 82,6927−6931;Van de r Puttenら,(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.U SA 82,6148−6152〕。トランスフェクションは、ウイルス産生細 胞の単層上で割球を培養することにより容易且つ効率的に行われる〔Van d er Putten,前掲;Stewartら,(1987)EMBO J.6 :383−388〕。あるいは、もっと後の時期に感染させてもよい。ウイルス 又はウイルス産生細胞は胞胚腔に注入し得る〔Jahnerら,(1982)N ature 298;623−628〕。殆どの始祖動物では、トランスジェニ ック非ヒト動物を形成する細胞のサブセットでのみ取り込みが起こるので、トラ ンスジーンについてモザイクとなる。さらに、始祖動物は、ゲノムの多様な位置 にトランスジーンのレトロウイルス挿入体を含む可能性がある。これらは一般に 子孫に受け継がれる。さらに、妊娠中の胚に子宮内でレトロウイルス感染させる ことにより、例え低効率ではあっても、トランスジーンを生殖系に導入すること も可能である〔Jahnerら,(1982),前掲〕。 トランスジーンを導入するための第3のタイプの標的細 胞は、胚性幹細胞(ES)である。ES細胞はin vitroで培養した移植 前の胚から得られる〔Evans,M.J.ら,(1981)Nature 2 92,154−156;Bradley,A.ら,(1984)Nature 309, 255−258;Gosslerら,(1986)Proc.Nat l.Acad.Sci.USA 83,9065−9069;及びRobert sonら,(1986)Nature 322,445−448〕。トランスジ ーンは、DNAトランスフェクション又はレトロウイルス仲介遺伝子導入により 効率的にES細胞に導入し得る。その後で、得られた形質転換ES細胞を非ヒト 動物由来の胞胚と合わせることができる。ES細胞は胚に定着し、得られたキメ ラ動物の生殖系に寄与する〔総説については、Jaenisch,R.(198 8)Science 240,1468−1474参照〕。 導入されたDNAの存在及びその発現を評価する方法は容易に入手し得、当業 界において周知である。そのような方法には、外来性DNAを検出するDNA( サザーン)ハイブリダイゼーション、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ポリア クリルアミドゲル電気泳動(PAGE)、並びにD NA、RNA及びタンパク質を検出するウエスターンブロットが含まれるがそれ らには限定されない。該方法には、アミロイド前駆タンパク質及びアルツハイマ ー病関連病因を検出する免疫学的方法及び組織化学的方法が含まれる。 本明細書に用いられている「トランスジーン」とは、以下に記載の方法による ような人的介入により非ヒト動物の生殖系に導入されるDNA配列である。 ADの治療に用い得る化合物は、これらのトランスジェニックマウスにおいて 、APPの神経変性作用を阻止する能力、APPの発現を阻止する能力又は神経 栄養化合物若しくは他の神経活性化合物を評価する能力を、他の感受性マーカー (即ち、サイトカイン、アポリポタンパク質過発現及びノックアウト、プロテア ーゼインヒビター、血清アミロイドタンパク質、NGF受容タンパク質並びにプ リオンタンパク質トランスジェニックマウス)となる種々の遺伝子バックグラウ ンド若しくはトランスジーンと組み合わせて測定することにより検出し得る。そ のような化合物は、医薬上許容し得る組成物を製造するための公知方法に従って 処方される。そのような組成物は、種々の標準的な経路で患者に投与し得る。 以下の実施例は例示を目的とし、本発明の範囲を限定するものではない。 実施例1 ニューロン特異的ヒトThy−1プロモーターを用いたヒトAPP751 FA D発現ベクターの構築 A.ヒトThy−1配列及びSV40配列を含むプラスミ ドpHZ024の構築 ヒトThy−1プロモーターとThy−1遺伝子のATG翻訳開始コドンとを 含むpBSHT1の3.7kbEcoRI−BglIIフラグメントを、pTZ1 8uのEcoRI−BamHI部位にクローン化してpHZ020を作製した。 導入を望む新規コード配列からのATGを、最初の翻訳開始部位をコードするよ うにThy−1プロモーターの下流に導入するには、Thy−1遺伝子由来のA TG翻訳開始コドンの除去が必要であった。従って、(ATG翻訳開始コドンを コードする)pBSHT1の1.6kbBamHI−BglIIフラグメントをp TZ18uのBamHI部位にサブクローン化して、pHZ021aを作製した 。開始コドンを不活化(silence)し、都合の良いクローニング部位を付 加するために、鋳型としてのp HZ021aと、20マー(T7;5′プライマー)オリゴヌクレオチド及び7 3マー(oHZ002;破壊されたATG及び数カ所の都合の良いクローニング 部位を含む3′プライマー)オリゴヌクレオチドを用いてPCR増幅を行った。 プライマーoHZ002では、ATG翻訳開始コドンが突然変異を起こしており 、HindIII制限酵素部位で置換されていた(以下に記載の配列参照;Hin dIII制限酵素部位は太字で示され、突然変異した残基には下線が施されている )。 1.3kbの増幅産物中に下線を付した残基を組込むと、ATGが破壊された (イタリック体で示されている非改変相補鎖中のCAT)が、HindIII部位 (太字体)が形成された。1.3kbの増幅産物中の0.3kbのNcoI−X baIフラグメントをNcoI−XbaI消化pHZ020につないで改変型T hy−1プロモーターを再構成 した。得られたベクターをpHZ022と称する。 Thy−1プロモーターの下流のこのプラスミドに、pSV2neo〔pHZ 023;Southern及びBerg,(1982)Mol.Appl.Ge net.1:327〕のSV40小型tイントロンの上流のSmaI制限酵素部 位にBglIIリンカーを挿入するステップ、及び、SV40小型tイントロン及 びポリアデニル化部位を含む1.0kbのBglII−BamHIを分離し、これ をBglII消化pHZ022につなぐステップからなる2ステップ手順で、SV 40配列を挿入した。得られたプラスミドpHZ024において、多目的クロー ニング部位によってSV40配列からニューロン特異的ヒトThy−1プロモー ターを分離して、所望の遺伝子又はそのセグメントの挿入を可能にする。 B.APP751 FAD発現ベクター、p4の構築 プラスミドDA−12(Mount Sinai School of Me dicineのN.Robakis博士及びMRL,West PointのR .Swanson博士から恵与された)を制限酵素で消化して、後発性FAD突 然変異(V−I)を有する全長のヒトAPP751cD NAをコードする2.7kbのSmaI−ClaI制限フラグメントを得た。S maI−ClaI制限酵素フラグメントの末端をDNAポリメラーゼIのクレノ ウフラグメントで平滑にした。該フラグメントをpHZ024(pHZ024は 、XhoIで消化し、DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメントを用いてX hoI部位を平滑にした)に連結した。このようにして、ヒトAPP751cD NA(V>I)をhThy−1プロモーターの制御下におき、その3′末端にS V40小型tイントロン及びポリA付加部位をフランキングした。得られたプラ スミドをp4と称する。プラスミドp4のAPP751cDNA挿入体のコード 配列のヌクレオチド配列を完全に確認して、全アミノ酸配列が予想通りであり、 全長のポリペプチドを発現することを確実にした。APP751のmRNAの3 ′非コード延長配列に79bpの欠失が認められた。接合体へのマイクロインジ ェクション用に、CsCl勾配上でp4発現ベクターを精製し、単一のXbaI 制限酵素部位で消化し、EcoRIで部分制限酵素消化して、フランキングプラ スミド配列を含まない7.1kbフラグメント、T−APP751 FADを得 た。該7.1kbフラグメントを、10 ng/ml臭化エチジウムを含む分取用1%低融点アガロースゲル上で精製した 。DNAを短波長の紫外光に最小限暴露して視覚化し、7.1kbバンドを切り 出し、65〜70℃で融解、フェノール/クロロホルムで2回、クロロホルムで 1回抽出し、0.3M酢酸ナトリウム(pH5.2)中でエタノール沈殿させ、 前もってリンスしておいた0.2μm酢酸セルロースフィルターを介して濾過し た。その後、ヒトThy−1プロモーターを連結したヒトAPP751 FAD cDNA、SV40小型tイントロン及びポリA付加配列を含む精製した7. 1kb線状DNAを顕微注入した(図1)。 宿主Escherichia coli中のプラスミドp4試料を、ブダペス ト条約下、 に、American Type Culture Col lection,12301 Parklawn Drive,Rockvil le,MD 20852,USAに寄託し、受託番号 が与えられた。制限 エンドヌクレアーゼ及びDNA改変用酵素は全てBoehringer Man nheim,Inc.から入手した。Sequenase(U.S.Bioch emical,Inc.)又は二本鎖DNA C ycle Sequencing Kit(BRL,Inc.)を用いてDNA の配列決定を行った。ABI DNA Synthesizer、モデル番号3 81A上でオリゴデオキシヌクレオチドを合成した。PCRは、Perkin− Elmer,Corp.に従って行った。 実施例2 ヒトThy−1プロモーターの制御下のヒトアミロイド前駆タンパク質を含むト ランスジェニックマウスの作出 ヒトThy−1プロモーターの制御下にヒトAPP751 FAD cDNA を含む実施例1のp4 DNA構築物を、過剰排卵B6SJL雌から得た単一細 胞受精マウス胚の前核に顕微注入した。このマイクロインジェクション用に最適 なDNA濃度は、マウス胚に顕微注入した遺伝子構築物の数種の希釈液を用いた 毒性テスト実験から経験的に得られたLD50値であった。このLD50値は7.5 ×10-9μgであることが判明した。次いで、7.5×10-9μgのDNAを注 入した胚を手術により偽妊娠レシピエントマウスの輸卵管に再移植し、出産日ま で生育させた。3〜4週目に、DNA(サザーン)分析用に尾から約1cmをク リップして生後の尾試料を採取し、トランスジーン の存在を確認した。剖検及び/又は生検を行って、組織化学的実験及び発現実験 用の組織標本を集めた。 実施例3 トランスジェニックマウスの分析 DNA分析 プロテイナーゼK溶解法を用いて尾試料から抽出したゲノムDNAをDNA蛍 光定量法により定量した。約7mgのゲノムDNAを制限酵素BamHIで消化 し、0.8%アガロースゲル上でサイズ分離した後、DNAをサザーンブロッテ ィングによりナイロン膜に移した。フィルターをトランスジーン特異的32P標識 SV40配列とハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーションは、6×SSC 、5×Denhardtの試薬、50%デキストラン硫酸、1.2%SDS、1 00mg/mlの変性・音波処理サケ精子DNA及び0.1M Tris(pH 7.4)中65℃で行った。ハイブリダイゼーション後の洗浄は、2×SSC、 1%SDS中室温で15分間、次いで、2×SSC、1%SDS中65℃で2〜 3時間行った。増感板を用い、−70℃で最大5日間、フィルターをX線フィル ムに露出した。同一アガロースゲル中で同時移動する既知量の線状 化p4ベクターを用い、トランスジェニック子孫由来の7μgのゲノムDNAに ついてトランスジーンのコピー数を測定した。プローブを用いて検出できたマウ スゲノム中のトランスジーンは僅か0.1コピーであった。適切なトランスジェ ニック始祖を飼育して子孫を産ませた。3匹のトランスジェニック始祖に、7. 2、9.3及び14.2の番号をつけた。これら3匹の始祖のトランスジーンコ ピー数は、始祖7.2及び14.2のF1後代では1〜5の範囲であり、始祖9 .3のF1後代では6〜10の範囲であった。RNA分析 Chomczynski及びSacchiの方法〔Anal.Biochem .(1987)162,156−159〕を用い、脳、肝臓、肺、腎臓、脾臓、 腸、心臓、胸腺及び骨格筋を含むマウス組織から全RNAを単離した。 よって概説された方法に従い、ミニオリゴ(dT)セルローススピンカラムキッ トを用いて全RNAからポリA+mRNAを精製した。MOPS−ホルムアルデ ヒドゲル上、5ボルト/cmで3〜4時間室温で緩衝液を常時再循環さ せながら約4μgのポリ(A)+mRNAを分離した。実験後、臭化エチジウム 染色によりRNAを視覚化した。染色後、ゲルをDEPC処理水中で繰り返しリ ンスして過剰のホルムアルデヒドを除去した。RNAの有効な移動を確実にする ために、ゲルを50mMNaOH及び10mM NaClに20分間浸し、10 0mM Tris−HCl(pH7.5)中で30分間中和した。最後に、RN Aを20×SSC中でナイロン膜に移した。APP751 FADトランスジェ ニック転写体を同定するために、フィルターをトランスジーン特異的SV40配 列とハイブリダイズさせた。14.2トランスジェニック系列の脳では、APP 751 RNAの発現レベルが他のトランスジェニック試料の10倍以上に増大 したことが認められたが、対照脳試料ではトランスジーンの発現は全く認められ なかった(図2)。さらに、トランスジェニック動物由来の他の組織ではAPP トランスジーンの発現は検出されず、これは、hThy−1プロモーターのニュ ーロン特異的発現を示している。ノーザーンブロット分析でAPP751 cD NAを検出し得るということは、RNAが中枢神経系中で豊富に発現されること を示している。過去の報告は逆転写酵素 PCR法に基づいていたが、これは、トランスジーンの発現が低レベルであるた めと思われる。RT−PCR APPトランスジェニック動物のトランスジェニックmRNAを速やかに分析 するための逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)アッセイをさらに用い て、FAD APP751の発現について、種々の組織から単離した全RNAを 分析した。血液による組織の汚染を回避するために、生理的食塩水を潅流させた トランスジェニック動物からRT−PCR分析用の全RNAを調製した。ヒト胎 盤RNアーゼインヒビターの存在下42℃で少なくとも1μgの全RNAを逆転 写した。519−5プライマー(CGGGCTCTCCTGATTATTTATCT;配列番号3)及び 519−3プライマー(AAAGGCATTCCACCA CTGCT; 配列番号4)及びGene Cetus Instruments)成分の存在下に製造業者の指示に従って PCR増幅を行った。プライマー(図1、物理的地図下の矢印)を66bpの小 型tイントロン(図1;物理的地図中の刻み目)をはさみ込むように設計して、 RNA調製物を汚染し得るDNAを含むイントロン からスプライスしたmRNA増幅物を分離し、mRNAからRNA前駆転写体を 排除した。増幅プロフィールは、95℃で2分間のインキュベーションを1サイ クル、95℃で1分間及び60℃で1分間のインキュベーションを35サイクル 、並びに60℃で7分間の延長インキュベーションサイクルを含むものであった 。増幅はBiosサーマルサイクラー中で行った。PCR産物をTris酢酸− EDTA緩衝液中の1.5%アガロースゲル上で分離し、ナイロン膜に移し、S V40配列とハイブリダイズさせた(図3)。独立に作出された3種のトランス ジェニック系列(7.2、9.3及び14.2;図3には14.2系列のみを示 す)のF2後代由来の脳試料中に、予想したRNA由来319bpフラグメント が産生された。非トランスジェニック対照脳試料由来のRNAには増幅シグナル は認められなかった。in situハイブリダイゼーション 動物を安楽死させ、無菌条件下に脳を素早く取り出し、直ちにドライアイス上 のイソペンタン中−35℃で冷凍し、−70℃で貯蔵した。次いで、冠又は矢状 切片(〜10μm)をクリオスタット(Reichert)中−18〜− 20℃で切断した。切片を解凍して「Probe On」スライド(Fishe r Scientific)上にのせ、完全に(約1時間)風乾し、0.1M リン酸緩衝塩水(PBS;pH7.4)中4%パラホルムアルデヒド中で5分間 固定し、PBSで2分間リンス、脱脂し、エタノール系列(50、70及び95 %)で脱水(各5分間)、95%エタノール中4℃で貯蔵した。 ヒトAPP751 mRNAに特異的な「アンチセンス」オリゴヌクレオチド プローブは40塩基長であり、ヒトAPP遺伝子の1138−1177塩基(5 ′-ACT GGC TGC TGT TGT AGG AAT GGC GCT GCC ACA CAC GG CC-3′;配列番号5 )〔Ponteら,(1988),Nature,331,525−527〕と 相補的であった。該プローブをApplied Biosystems DNA 合成装置(394型)上で合成し、8%ポリアクリルアミド/8M 尿素分取用 配列決定ゲル上で精製した。該プローブを、In situハイブリダイゼーシ ョン実験に用いると、ヒト及びサルの脳切片ではAPP751のハイブリダイゼ ーションシグナルが検出されたが、マウス脳切片では検出されず、これは、該プ ローブのヒトAPP751特異性を示してい る(マウスAPP751との交差ハイブリダイゼーションはない)。 末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(25単位;Boehrin ger Mannheim)を用い、1M カコジル酸カリウム、125mM Tris−HCl、1.25mg/mlウシ血清アルブミン(pH6.6)及び 25mM塩化コバルトを含む反応緩衝液中、37℃で15分間、APP751プ ローブを、30:1モル比の[35S]dATP:オリゴヌクレオチド中の[35S ]デオキシアデノシン5′−(α−チオトリホスフェート)([35S]dATP )(1415Ci/mM)(New England Nuclear)で3′ 末端標識した。Sephadex G50スピンカラムを用い、放射性標識した オリゴヌクレオチドを、非標識ヌクレオチドから分離し、その溶出液に2μlの 1Mジチオトレイトール(DTT)を加えて、硫黄残基による架橋結合を防止し た。数種の標識反応液中の標識化APP751オリゴヌクレオチドプローブの比 活性は、1.2〜2.3×109cpm/μgの範囲で異なっていた。 既に記載された方法〔Sirinathsinghji ら,(1990),Neuroscience,34,675−686;Sir inathsinghji及びDunnett(1993),Molecula r imaging in neuroscience(Sharif,NA編 ),43−70〕と実質的に同じ方法で、マウス脳切片のハイブリダイゼーショ ンを行った。簡単に言えば、切片をアルコールから取り出して約1時間風乾し、 50%脱イオン化ホルムアミド、4×クエン酸ナトリウム塩水溶液(SSC)、 5×Denhardtの試薬、200μg/ml酸−アルカリ変性サケ精子DN A、100μg/mlの長鎖ポリアデニル酸、25mM リン酸ナトリウム p H7.0、0.1mM ピロリン酸ナトリウム、10%デキストラン硫酸及び4 0mM DTTを含む100mlのハイブリダイゼーション緩衝液中、0.4〜 1.0×106cpmの35S標識プローブと共にインキュベートした。 非特異的ハイブリダイゼーションを明確にするために、スライドに隣接して固 定した切片を、過剰(×100)濃度の非標識オリゴヌクレオチドプローブの存 在下に標識オリゴヌクレオチドプローブと共に又は同一領域由来のセンスプロー ブと共にインキュベートした。該切片の上にパラ フィルムカバースリップをそっとのせ、これを湿潤容器に入れ、37℃で一晩( 約16時間)インキュベートした。ハイブリダイゼーション後、切片を1×SS C中57℃で1時間洗浄し、次いで、0.1×SSC、70%及び95%エタノ ール中で簡単にリンスして風乾し、次いで、Amersham Hyperfi lm、β−maxX線フイルムに2〜17日間露出した。 14.2始祖(14.2.5.13、14.2.3.25及び14.2.3. 57)からの3匹の動物及び2匹の対照非トランスジェニック同腹子マウス(1 4.2.5.12及び14.2.3.26)並びにトランスジェニック7.2系 統及び9.3系統の動物及びその非トランスジェニック同腹子からの切片のin situハイブリダイゼーションを行った。全3匹のトランスジェニック動物 由来のハイブリダイズ切片のオートラジオグラム(2日間露出)は、脳全体に濃 厚で均質なAPP751 mRNAの発現を示した。発現は、全ての皮質領域( 前頭葉前部、帯状、前頭、後頭、梨状領域)及び海馬(歯状回、CA3、CA2 、CA1野及び扁桃体)で特に豊富であった。濃厚ではあっても比較的弱い発現 が、中隔、尾状被殻及び視床に認 められた(図4)。(1)100倍過剰の非標識オリゴヌクレオチドの存在下に 標識オリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせた3匹のトランスジェニック動物 からの隣接させた切片はハイブリダイゼーションシグナルを与えず、(2)標識 オリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズさせた対照非トランスジェニック 動物(14.2.3.26及び14.2.5.12)からの切片は脳のどの領域 でもハイブリダイゼーションシグナルを与えず、(3)センスプローブとのハイ ブリダイゼーションによっても検出可能なシグナルを与えなかったことを示す結 果(図4)から、mRNAシグナルの特異性が証明された。ウエスターンブロッティングによるAPPタンパク質の検出 ヒトAPP751タンパク質は、これらのトランスジェニックマウス由来の脳 溶解物のウエスターンブロッティングによっても同定された(図5)。同定され たAPP751タンパク質の量は、内在性マウスAPP751タンパク質の量と 等しかった(詳細については図面の説明を参照のこと)。免疫組織化学 マウスを十分に麻酔し、次いで、順次、生理的食塩水、及び0.1M リン酸 緩衝塩水(PBS)中の4%パラホルムアルデヒドを心臓を介して潅流させた。 脳を取り出し、1時間4%パラホルムアルデヒド中で後固定し、次いで、4℃で 、0.1M PBS中の30%スクロースに入れ、脳が衰弱(sink)したら 、イソペンタン中−35℃で冷凍し、切片作製時まで−70℃で貯蔵した。クリ オスタット(Reichert)で切片(20mM)を作製し、不凍液中−20 ℃で貯蔵した。切片を不凍液から取り出し、PBS及びトリトンX100(0. 3%)を5回取り換えて洗浄した。切片を正常なヤギ血清(PBS及びトリトン 中3%)中で90分間インキュベートしてバックグラウンド染色を阻止した。次 いで、切片を、合成β−アミロイド(1−40)ペプチド(Boehringe r Mannheim)に対するウサギポリクローナル抗体と共に4℃で一晩イ ンキュベートした。再び、切片をPBS及びトリトン(3×5分)で十分に洗浄 し、次いで、標準的なアビジン−ビオチン複合体法(Vector Labor atories,Peterborough,UK)を用い免疫染色した。染色 した切片を、風乾し、Depexにはめ込ん だゼラチンサブベッド上に固定した。B−APP(クローン22C11、Boe hringer Mannheim)のN末端に対する市販のモノクローナル抗 体は、18ケ月齢のAPP751 FADマウスの皮質及び海馬(CA3−CA 1)のニューロンを強く染色した。この染色パターンは均質ではなく、ニューロ ン及び神経突起では顆粒状に見えた。ニューロン内βAPP免疫反応性のこの沈 着様集積は、対照の非トランスジェニックマウスでは見られなかった(図6)。 実施例4 細胞培養 本発明のトランスジェニック動物は細胞培養用の細胞源として用いることがで きる。トランスジェニックマウスの脳組織を、直接DNA若しくはRNAを分析 するか又は遺伝子によって発現したタンパク質について脳組織をアッセイしてヒ トアミロイド前駆タンパク質の存在について分析する。遺伝子を保有する脳組織 の細胞の培養には、当業界で周知の標準的培養法を用いることができる。 実施例5 スクリーニングアッセイ ヒトアミロイド前駆タンパク質の発現を調節(modulate)する化合物 についてのスクリーニングには、トランスジェニック動物及び該動物由来の細胞 を用いることができる。調節は、DNA若しくはRNA又はタンパク質又はそれ らの組合わせを含み(但し、これらには限定されない)、多様なレベルで起こり 得る。 家族性型のヒトアミロイド前駆タンパク質APP751をコードする遺伝子を 含む細胞を有するトランスジェニック非ヒト動物においてヒトアミロイド前駆タ ンパク質の発現を調節する化合物の能力を決定する1つの方法は、(a)トラン スジェニック動物を該化合物で処理するステップ、(b)処理した動物において ヒトアミロイド前駆タンパク質の発現又は凝集を測定するステップ、及び(c) ステップ(b)の測定値を対照と比較するステップからなる。 トランスジェニック動物由来の細胞においてヒトアミロイド前駆タンパク質の 発現を調節する化合物の能力を決定する方法は、(a)該細胞を該化合物で処理 するステップ、(b)処理した細胞においてヒトアミロイド前駆タンパク質の発 現又は凝集を測定するステップ、及び(c)ステップ(b)の測定値を対照と比 較するステップからなる。 実施例6 関連するFAD APP751 β−A4配列のヌクレオチド配列 43アミノ酸のβ−A4ドメインは太字で強調され、V−I置換はボックスで 囲まれている(図7)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 チエン,ハワード・ワイ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 ヘブンズ,ロバート・ピー イギリス国、エセツクス・シー・エム・ 20・2・キユー・アール、ハーロウ、イー ストウイツク・ロード、ターリングス・パ ーク(番地なし) (72)発明者 シリナスシンジ,ダリプ・ジエイ・エス イギリス国、エセツクス・シー・エム・ 20・2・キユー・アール、ハーロウ、イー ストウイツク・ロード、ターリングス・パ ーク(番地なし) (72)発明者 スミス,デイビツド・ダブリユ イギリス国、エセツクス・シー・エム・ 20・2・キユー・アール、ハーロウ、イー ストウイツク・ロード、ターリングス・パ ーク(番地なし) (72)発明者 トラムバウアー,マーナ・イー アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 フアン・デル・プルーヒ,レオナルドス・ ハー・テー アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 ボンズ,アウラワン アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 ツエン,ヒユーイ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.家族性型ヒトアミロイド前駆タンパク質APP751をコードする遺伝子を 含む細胞を有するトランスジェニック非ヒト動物。 2.哺乳動物である、請求項1に記載の動物。 3.囓歯類動物である、請求項1に記載の動物。 4.マウスである、請求項1に記載の動物。 5.ヒトアミロイド前駆タンパク質をコードする遺伝子がヒトThy−1プロモ ーターの下流に存在する、請求項1に記載の動物。 6.マウスである、請求項5に記載の動物。 7.トランスジーンがp4(ATCC )である、請求項6に記載のマウス 。 8.家族性型ヒトアミロイド前駆タンパク質を含む、請求項4に記載の動物由来 の細胞系。 9.ヒトアミロイド前駆タンパク質の活性を調節する化合物の能力を決定する方 法であって、 (a)トランスジェニック動物を該化合物で処理するステップ、 (b)処理した動物においてヒトアミロイド前駆タンパク質の発現又は凝集を測 定するステップ、及び (c)ステップ(b)の測定値を対照と比較するステップからなる前記方法。 10.請求項9に記載の方法で同定された化合物。 11.トランスジェニック動物由来の細胞においてヒトアミロイド前駆タンパク 質の活性を調節する化合物の能力を決定する方法であって、 (a)該細胞を該化合物で処理するステップ、 (b)処理した細胞においてヒトアミロイド前駆タンパク質の発現又は凝集を測 定するステップ、及び (c)ステップ(b)の測定値を対照と比較するステップからなる前記方法。 12.請求項11に記載の方法で同定された化合物。
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