JPH10504524A - 合成ワクチンの開発に好適な免疫学的構築物において担体として使用されるペプチド類 - Google Patents

合成ワクチンの開発に好適な免疫学的構築物において担体として使用されるペプチド類

Info

Publication number
JPH10504524A
JPH10504524A JP7530530A JP53053095A JPH10504524A JP H10504524 A JPH10504524 A JP H10504524A JP 7530530 A JP7530530 A JP 7530530A JP 53053095 A JP53053095 A JP 53053095A JP H10504524 A JPH10504524 A JP H10504524A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conjugate
peptide
antigen
immunogenicity
analog
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP7530530A
Other languages
English (en)
Inventor
アール. コーヘン,イルン
フリドキン,マティチャフ
コネンヴァイスマン,ステファニー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yeda Research and Development Co Ltd
Original Assignee
Yeda Research and Development Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yeda Research and Development Co Ltd filed Critical Yeda Research and Development Co Ltd
Publication of JPH10504524A publication Critical patent/JPH10504524A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/195Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria
    • C07K14/24Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria from Enterobacteriaceae (F), e.g. Citrobacter, Serratia, Proteus, Providencia, Morganella, Yersinia
    • C07K14/245Escherichia (G)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/385Haptens or antigens, bound to carriers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K9/00Peptides having up to 20 amino acids, containing saccharide radicals and having a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K9/001Peptides having up to 20 amino acids, containing saccharide radicals and having a fully defined sequence; Derivatives thereof the peptide sequence having less than 12 amino acids and not being part of a ring structure
    • C07K9/005Peptides having up to 20 amino acids, containing saccharide radicals and having a fully defined sequence; Derivatives thereof the peptide sequence having less than 12 amino acids and not being part of a ring structure containing within the molecule the substructure with m, n > 0 and m+n > 0, A, B, D, E being heteroatoms; X being a bond or a chain, e.g. muramylpeptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/555Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by a specific combination antigen/adjuvant
    • A61K2039/55511Organic adjuvants
    • A61K2039/55566Emulsions, e.g. Freund's adjuvant, MF59
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/60Medicinal preparations containing antigens or antibodies characteristics by the carrier linked to the antigen
    • A61K2039/6031Proteins
    • A61K2039/6043Heat shock proteins
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、免疫原性の低い抗原(例えば、ペプチド、タンパク質および多糖体)と、該抗原の免疫原性を実質的に増強することができる、大腸菌hsp65の配列(GroEL)に由来するT細胞エピトープを構成する合成ペプチド担体またはその類似体と、の結合体に関する。本発明による適当なペプチドはPep278eであり、これは大腸菌hsp65分子の位置437−453に対応する。

Description

【発明の詳細な説明】 合成ワクチンの開発に好適な免疫学的構築物において 担体として使用されるペプチド類 発明の分野 大腸菌の熱ショックタンパク質65(ここでは以後GroELと称する)のT細 胞エピトープのアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する合成ペプチド、お よびマウス主要組織適合性遺伝子結合体(MHC)分子のある領域に関連して認 識され得るこのペプチドの類似体について記載する。このペプチドおよび類似体 は、このペプチドと、関心のある病原体から誘導される天然のまたは合成のハプ テンと、からなる免疫結合体の調製において、合成担体として使用することがで きる。 発明の背景 病原性微生物(細菌、ウイルスおよび寄生体)がもたらす感染に対する免疫化 は、一般的に、病原性微生物またはその有害作用を中和することができる感染防 御免疫応答を刺激するために、天然の抗原(弱毒化または死滅微生物)または病 原体の一部(例えば無毒化微生物生産物)を個体に接種することによって達成さ れる。 天然抗原物質の利用性の限界、すなわち病原性物質の取り扱いに伴う危険性お よび保存の問題が、サブユニットワクチンの開発への関心を刺激した。それにも かかわらず単離された防御性エピトープは低免疫原性という特性を有することが 多い。細菌の炭水化物莢膜はこうした被覆物の一例である。これらはT細胞によ って簡単には認識されず、したがってこれらの抗原に対する免疫応答ではT細胞 補助、T細胞記憶、IgGクラススウィッチおよび親和性成熟がなされない。この 免疫応答は不十分であり、炭水化物莢膜で覆われた細菌の感染に対する抵抗性は 、細菌炭水化物でのワクチン接種によって簡単には獲得されない。ペプチドエピ トープもまた、T細胞エピトープの不在および遺伝的に制限された免疫応答のた め、低免疫原性の場合がある。 現在、多くの抗原は、抗体を産生するためのB細胞を誘導するためにT細胞の 補助を必要とすることがよく知られている。B細胞特異性抗原に対する“ヘルパ ー”またはT細胞決定因子との結合は、連結B細胞エピトープに対する体液性免 疫応答を誘導することが示された。タンパク質担体への多糖類の連結が免疫原性 を増大させるという、Avery & Goebelの発見(1929)は、最近ヒト用のワクチン の製造に利用されている。ヒトにおいてもゲッ歯類においても、これらの結合体 は免疫記憶を表すことによってT細胞依存性抗原に類似する行動をとる。結合体 多糖類ワクチンとタンパク質担体−ハプテン系には類似性がある。こうして、莢 膜多糖類(CPS)のみでは出来ないのに、CPS結合体は乳児における防御性 レベルのCPS抗体を誘導することができる。純粋多糖体に比較した結合体の優 位な免疫原性は、ゲッ歯類における担体−ハプテン系が示しているように、おそ らく担体特異的T細胞の補助によるものと考えられる。 多くの場合、T細胞依存性抗原は破傷風トキソイド、コレラトキシンまたはジ フテリアトキソイドなどの大きな免疫原性担体タンパク質に連結されてきた。し かし、破傷風トキソイドについて報告されているように、投与量の制限と担体自 体に対する感作の危険がある上に、刺激性および抑制性T細胞エピトープを有す る、高分子量担体分子に対する免疫応答がうまく予測しえない。レシピエントが 未修飾タンパク質であらかじめ免疫感作されている場合、その担体タンパク質に 連結されたハプテンに対する抗体の応答もまた抑制されることが示されている。 この現象は担体誘導エピトープ抑制と称されており、多数のハプテン−タンパク 質結合体において生じることが最近報告された(Herzenberg & Tokuhisa,1982) 。多数の強い感染性生物に対する作用力がより高い結合体ワクチンの開発がやは り重要であるので、必要なT細胞エピトープを提供する、より好適な担体分子を 探索する努力がなされてきた。厳密に規定された免疫特性を有する特定のペプチ ドにより定義される、普遍的免疫原性T細胞エピトープが、このような代替分子 の新世代を代表するものとなり得る。この目的のために、従来各種のT細胞エピ トープが使用されてきた。しかし、宿主が予防接種後に病原体に遭遇した時に強 い記憶応答を引き出すため、T細胞担体エピトープは特異的B細胞エピトープと ともに存在する必要がある。この事実は、各病原体それぞれについて異なるT細 胞担体を使用する必要があることを示唆している。この目的に利用できるペプチ ドの好適な供給源は、免疫系によって十分認識される高存在量のタンパク質であ ると考えられる。 自己に密接に関連するものおよび系統的に関連性が小さいものを含めて、広範 囲の各種タンパク質を使用した研究によると、多数のT細胞は2,3の免疫優位 性(immunodominant)エピトープに集中し、少数のものが他の副次的(subdominant )決定基に応答することが示された。T細胞による決定因子利用のこの区別は、 利用し得るMHC分子に対する親和性の差異、T細胞レパートリーの多様性、M HC−結合部位に関する内部競合およびプロセシングにおける微妙な差異を含む 要因が組み合わされることによって生じると考えられる(Babittら、1985;Kapp lerら、1987;Brettら、1988)。 熱ショックタンパク質(hsp)のファミリーに属するタンパク質が多くの病原 体の主要な抗原であるという証拠が集まりつつある(Youngら、1988)。hspは突 然の温度上昇を受けた細胞によって産生されることについて最初に記載され、そ の後このように命名された。hspは20kD,60kD,65-68kD,70kD,90kD,110kDお よびその他の各種分子量のタンパク質を含んでいる。hspは酸化性損傷、栄養の 減少および細胞内病原体の感染を含む多くの各種環境攻撃によってすべての細胞 中に誘導されることが現在明らかになっている。hsp応答は細胞をその他の点で は不利な状態のもとで生き残ることを可能にする。細胞ストレスはhspの合成を 増大させるが、多くのhspは構成的に発現されており、正常の細胞機能において 重要な役割をも演じている。hsp応答は原核および真核生物界全体に普遍的であ り、そしてhspは最もよく保存された分子の部類に属する。 hspファミリーに属するタンパク質の代表的なメンバーである、hsp65は主要な 抗原であると考えられる。その理由は、多くの各種細菌による感染または免疫感 作がこのhsp65分子に特異的な抗体およびT細胞を誘導するからである(Youngら 、1988)。マイコバクテリウム・ツベルクロシス(Mycobacterium tuberculosis )で免疫感作されたマウスにおいて、この細菌に応答するすべてのT細胞の中の 20%がhsp65 特異性である。興味深いことに、臨床上の疾病の兆候を何ら示さな い正常で健康な個体においても、hsp65への反応性を有するT細胞が同定されて いる(Munkら、1988)。 Lussowら(1990)は、マウスを生存マイコバクテリウム・ツベルクロシスvar. bovis(BCG)で初回感作し、精製タンパク質誘導体(PPD)と結合した反 復マラリア合成ペプチド(NANP)40で免疫感作したところ、抗ペプチドIgG 抗体の高い、そして長期にわたる抗体価が誘導されたことを示した。その後、Lu ssowら(1991)は、マイコバクテリアhsp65および大腸菌hsp65(GroEL)が、事 前にBCGで初回感作したマウスにおいて、反復マラリア合成ペプチド(NAN P)40に対するIgGの高い、そして長期にわたる抗体価を誘導するための、担体 分子として作用することを報告した。マイコバクテリアまたは大腸菌のhspと結 合したマラリアペプチドは、アジュバントが存在しなくても、抗ペプチド抗体が 誘導された。 Barriosら(1992)は、事前のBCG初回感作をせずに、70kD hspと結合した ペプチドまたはオリゴ糖で免疫感作したマウスが、高力価のIgG抗体を産生した ことを示している。この抗ペプチド抗体応答は少なくとも1年間持続した。アジ ュバントを含まない70kD hspの担体の効果はT細胞依存性であった。なぜならば 、無胸腺nu/nuマウスにおいては、抗ペプチドおよび抗70kD IgG抗体のいずれも 誘導されなかったからである。65kDまたは70kD hspでのマウスの事前の免疫感作 は、アジュバントなしでhsp-ペプチド結合体で免疫感作した後の抗ペプチドIgG 抗体の誘導に対して何らネガティブな作用を示さなかった。さらに、65kD hspで の事前免疫感作は、抗(NANP)40抗体の誘導に関して、BCGの代わりに有 効な初回感作をすることができた。結合ペプチドに対するマイコバクテリアhsp6 5およびhsp70の担体効果はヒトを除く霊長類においても示された(Perrautら、1 993)。 細菌hsp65タンパク質の配列内のT細胞エピトープのいくつかが免疫優位性を 示し、免疫記憶を誘導することができるのに対して、その他は特定の免疫認識を 発現しないかまたは自己免疫疾患の誘導に関与するものと仮定することができる 。各種MHC分子に結合する機能的に異なるT細胞エピトープを識別することに よって、T細胞依存性抗原の担体分子の、安全で明確で強力な代替品として適格 な普遍的免疫原性ペプチドを同定することができると考えられる。 同一出願人のイスラエル特許出願No.102687には、免疫原性が低い分子に結合 した、ヒトhsp65の特定のT細胞エピトープおよびその類似体について記載され ている。 上記の引用文献のいずれにも、免疫原性が低い分子に結合した、大腸菌のhsp6 5(GroEL)配列から誘導された特定のT細胞エピトープについては記載されていな い。 発明の要約 低免疫原性抗原分子の免疫原性を増強し、それによってこれらを免疫感作のた めの好適な抗原に変化させるための方法を提供することが本発明の1つの目的で ある。 この目的のため、本発明は、低免疫原性抗原と、大腸菌hsp65(GroEL)から誘導 されたT細胞エピトープを構成成する合成ペプチド担体またはその類似体との結 合体を提供する。このペプチドまたは類似体は低免疫原性抗原の免疫原性を実質 的に増強することができるものである。 GroELから誘導され、T細胞エピトープを構成し、低免疫原性抗原の免疫原性 を実質的に増強することができるペプチドまたはその類似体であればどれでも本 発明において使用することができる。 ここで278eとして記載される、本発明のために好適なペプチドは、GroEL分子 の437-453位置に相当し、以下の配列を有している。 低免疫原性抗原分子は、例えば、HIVウイルスまたはマラリア抗原から誘導 されたペプチドなどのペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質、若しくはヘモ フィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenzas)タイプb、ストレプトコ ッカス・ニューモニア(Streptococcus pneumoniae)、ナイセリア・メニンギチ ジス(Neisseria meningitidis)、ストレプトコッカスB群、大腸菌タイプK1、 チフス菌(Salmonella typhi)のようなサルモネラなどに由来する爽膜多糖体など の多糖体である。 担体ペプチドは低免疫原性抗原分子に直接またはスペーサーを介して共有結合 で結合される。 本発明はさらに、本発明の結合体または低免疫原性抗原と好適なペプチド担体 との混合物を含むワクチンに関する。 別の態様において、本発明は哺乳類宿主の免疫感作方法に関する。これは、宿 主に本発明の結合体の有効量を投与するか、または低免疫原性抗原とGroEL配列 から誘導されたT細胞エピトープを構成するペプチド担体またはその類似体の有 効量を同時投与することを含むものである。このペプチドまたはその類似体は低 免疫原性抗原の免疫原性を実質的に増強することができるものである。 図面の簡単な説明 図1は、不完全フロイントアジュバント(IFA)中で乳化した278エピトー プ20μgでBALB/cマウスを免疫感作した後の、278エピトープである278e,278m, および278coxに対する、リンパ節の増殖を示すものである。 図2a−cは、IFA中で乳化した278e 20μgでB10 RIIIマウス(2a),B10.BR マウス(2b),およびB10.Sマウス(2c)を免疫感作した後の、278eおよび対照ペプ チドAcR 259-271に対する、リンパ節の増殖を示すものである。 図3は、278相同体に結合したViフラグメント 2μgまたはViフラグメント単独 2μgでBALB/cマウスを免疫感作した後の、ペプチド278e,278m,およびAcR259-27 1に対する、リンパ節の増殖を示すものである。 図4は、278相同体に結合したViフラグメント20μgまたはViフラグメント単独 2μgでBALB/cマウスを免疫感作した後の、ペプチド278e,278m,およびAcR259-27 1に対する、リンパ節の増殖を示すものである。 図5は、Viフラグメント単独またはViフラグメント−結合体278h-Vi,278m-Vi ,および278e-ViによってBALB/cマウス中に誘導された血清抗-Vi IgG抗体の応答 を示すものである。各群に注入された多糖体の量は2μgである。初回および二次 免疫応答を図示する。結果を血清希釈度1:100で示す。発明の詳細な説明 本発明による好ましい結合体は、図式1に示すように、ペプチド278eと、 細菌の多糖体、例えばC3位置において様々にO−アセチル化されたポリ−α− (1−4)GalNAcの線状ホモポリマーであるチフス菌(Salmonella typhi )の莢膜多糖(CPS)Vi(以後ViまたはViフラグメントと言う)、とを 共有結合させることにより形成される。天然のVi分子は約3×103kD(V i)の分子量を有する。Viフラグメント(約45kD)は超音波切断により調 製できるが、超音波処理はそのモノマー単位の構造を変えることがなく、比較的 均質な多糖を生成させる(Stone & Szu,1988)。Vi/Viフラグメントのみで は、他のCPSと同様に、再接種したときに哺乳動物(ヒトまたは動物)におい て追加免疫(ブースター)応答を誘導することがないが、GroEL由来の適当 なペプチドまたはその類似体に結合させた本発明の結合体として、またはこのよ うなペプチドまたは類似体との混合物として提供されるときは、その免疫原性が 増強される。Vi−ペプチド結合体の再接種は、主にIgGイソタイプにより提 示される抗Vi抗体レベルの上昇(追加免疫効果)をもたらす。 本発明のペプチド278eは上記の特許出願第102687号に記載されるペプチド 278hおよび278mとは明らかに異なるものである。 ペプチド278eは高度に荷電された疎水性の分子である。すなわち、17の 構成アミノ酸のうち5個は生理学的pHにおいて(3個が陰イオンに、そして2 個が陽イオンに)イオン化されている。5個のアミノ酸残基は疎水性である。さ らに、3個の残基はアミド化されており、実質的な水素結合を行うことが可能で ある。このペプチドはさらに、陰に荷電した極性N末端ドメイン、荷電した極性 C末端ドメインおよび高度に疎水性のコアを有するものとして特性付けられる。 278eは活性を保持させつつ修飾することができる。しかしながら、活性を保 つためには、その全体的な構造特性を維持すべきである。それゆえ、2、3およ び16位はEまたはDのどちらかによって占められ、そして9および13位はK またはRのどちらかによって占められる。9位と13位における電荷の保存(陽 電荷から陰電荷またはその逆)は活性ペプチドをもたらすだろう。水素結合を形 成するアミノ酸、好ましくはNおよびQが1位と4位を占めるべきである。 6、8、10、12および15位における疎水性は、天然のアミノ酸、例えば I、L、V、MまたはF、あるいは非天然のアミノ酸、例えばノルロイシン(N le)またはノルバリン(Nva)といった疎水性アミノ酸を組み込むことによ って維持すべきである。 本発明において「類似体」という用語は、それらが免疫原性の低い抗原分子の 免疫原性を実質的に増強する能力を持ち合わせるかぎり、T細胞エピトープのア ミノ酸残基ないし配列の置換、欠失または付加により得られたペプチドを指すも のである。類似体は、ペプチド278eの場合には、このペプチド分子の電気的 性質および疎水性の少なくとも70%、好ましくは90〜100%が保存されて いるようなペプチドである。これらのペプチドは本節において上述した教示に従 うことにより得られる。 本発明によるペプチドは全部が光学的に活性なL体またはD体のアミノ酸残基 を有するか、または一部のアミノ酸残基がL体で、他のアミノ酸残基がD体であ る。 「免疫原性の低い抗原分子の免疫原性を実質的に増強する」とは、該抗原に対 する抗体のレベルの上昇を誘導することと、主にIgGイソタイプの該抗体を提 示することの両方を意味する。 ペプチド担体は抗原分子に直接またはスペーサーを介して結合させることがで きる。 ペプチドとViまたはViフラグメントとの直接結合は以下の図式1に示して あるが、この場合は次の結合体が後述する方法1により得られる。 スペーサーは式−O−R−CO−または−NH−R−CO−をもつことができ 、従って、ViまたはViフラグメントのカルボキシル基とそれぞれエステルま たはアミドを形成し、そしてペプチドの末端アミノ基とペプチド結合を形成する 。また、スペーサーは式−NH−R−CH2−をもつこともでき、上記各式中、 Rは飽和または不飽和の炭化水素鎖であり、場合により1個以上の芳香族基によ りまたはO、S、Nなどのヘテロ原子により置換および/または介在されていて もよい。好ましくは、Rはε−アミノカプロン酸の残基のような3〜16個の炭 素原子を含む脂肪族炭化水素鎖である。 次式: 〔式中、Acはアセチルであり、ACはε−アミノカプロン酸の残基であり、P epはペプチド担体278eまたはその類似体の残基であり、そして糖残基はチ フス菌のVi莢膜多糖体(ViまたはViフラグメント)の反復単位を表す〕 で表される結合体は図式1に示す方法2により製造することができ、以下に詳述 する。 スペーサーが−NH−R−CH2−である結合体は、−NH−R−CO−基の 還元により、または−NH−R−CH2−X(ここでXはハライドのような適当 な離脱基である)によるペプチドのアミノ末端のアルキル化により得られる。 さらに、本発明は本発明の結合体を含むワクチンに関する。こうしたワクチン はヒトおよび動物のために適当なビヒクルとともに適当な任意の経路で、例えば 経口的にまたは皮下経路で投与することができる。 本発明について以下の非限定的実施例により説明する。 実施例 実施例においては、以下の材料および方法を使用する。 材料および方法 a.材料:すべての溶媒および化学物質は分析級のもので、特に明記しない 限り、Aldrich,U.S.A.より入手した。 b.ペプチド合成:自動合成装置(Applied Biosystem model 430A;Germany )により、t-ブチルオキシカルボニル(BOC)戦略のためのこの会社のプロト コルを使用して、ペプチド278eを製造した(Kentら、1984)。 以下の対照ペプチドを合成した:ヒトhsp65分子の458-474 位置に相当するペ プチド278h、マウス hsp65分子の458-474位置に対応するペプチド278m、コクシ エラ・ブルネッティ(Coxiella burnetti)hsp65タンパク質の437-453位置に対 応するペプチド278cox。これらの対照ペプチドは下記の配列を有している。 さらに別の対照ペプチド、AcR259-271はマウスのアセチルコリン受容体のα− 鎖の259-271位置に対応し、以下の配列を有する。 このペプチドはH-2d半数体のMHCクラスII分子に関係して、T細胞によって 認識される。 c.逆相HPLC:分析用HPLCカラムRP18(Merck,Darmstadt,Germany )を使用し、SP8733可変波長検出器を装備したSP8750液体クロマトグラフィーシ ステムを利用して、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)を含有する水−アセトニ トリル勾配によって、製造されたペプチドの純度を評価した。流出液を220 nmに おけるUV吸収によってモニターした。HPLC級のアセトニトリルはMerck(D armstadt,Germany)より購入した。アミノ酸分析機によって、ペプチドをさらに 分析した。 d.Vi:シトロバクター・フロインディー(Citrobacter freundii)WR7011 から精製したVi(J.B.RobbinsおよびS.C.Szu,National Institute of Health,Be thesda,U.S.A.の好意で寄贈された)は、それぞれ1%未満のタンパク質、核酸 、およびリポ多糖体を含有していた。Viの分子サイズは3×103kDと評価された 。超音波処理によって約45 kDのViフラグメントを製造したが、これはDominiqu eSchultz(Pasteur-Merieux,France)の好意で提供された。 e.Vi およびViフラグメントとペプチドとの結合 方法1(図式1参照):スペーサーを介さないVi/Viフラグメントとペプチド との結合。Vi/Viフラグメント1部とペプチド1部を最少量の2回蒸留水(ddw )に溶解し、水溶性カルボジイミド(CDI;1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エ チルカルボジイミド塩酸塩)2部の存在下でpH6、室温(RT)において12時間 インキュベートした。反応混合物を透析した後、アミノ酸分析によって結合体中 のペプチド密度を定量し、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)によって構築物 の糖含有量を評価した。 方法2(図式2参照):溶液中でスペーサーによってペプチド鎖を伸長した後 のVi/Viフラグメントとペプチドとの結合。N-ヒドロキシスクシンイミドによっ てt-Boc-ε-アミノカプロン酸(t-Boc-AC)のカルボキシル官能基を活性化する ため、最少量のジオキサン(Merck,Germany)中でt-Boc-AC 1mmol をN-ヒドロキ シスクシンイミド1.15mmolと混合した;ジオキサンに溶解したN,N'-ジシクロヘ キシルカルボジイミド(DCC)1.15mmolを添加し、3時間後、反応混合物を濾 過し、ジオキサンで洗浄した。目的のペプチド0.1mmolを少量のddwに溶解し、K HCO3(Merck)0.2mmolと混合した。t-B0C-ACのN-ヒドロキシスクシンイミド エステルのジオキサン溶液と調製したペプチド溶液を混合し、激しく撹拌しなが ら1時間反応させた。その後、反応混合物をddw(10ml)で希釈し、冷却し、そ して1N KHSO4溶液で酸性化した。生成物を酢酸エチルで抽出した。この有機 溶液をddwで洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発乾固した。生成物をP25上 で2時間乾燥し、TFA 4-5mlに溶解し、10分間反応させた後、液体を30℃で真 空中で蒸発させた。化合物をCH2Cl2で2回洗浄し、P25上で2-3時間乾燥 する前に液体を蒸発させた。続いて、ペプチド-AC生成物をddwに溶解し、pHを 8に調整した。Vi/ViフラグメントのN-ヒドロキシスク シンイミドエステル(特許出願No.102687の手法2の記載にしたがって調製)5m gを添加した。数時間インキュベートした後、生成したVi-AC-ペプチド結合体をd dwに対して透析した。結合体のペプチド密度をアミノ酸分析によって評価した。 f.免疫感作:2-3ヵ月令の異種系統に属する雌マウスを、Vi/Viフラグメ ント単独またはVi/Viフラグメント−結合体を4週間の間隔で2回皮下注射(sc )によって免疫感作した。抗原の注入量は実験毎に変更し、これを図中に示す。 使用したアジュバントはすべての場合においてIFAである。各実験群からのマ ウスは各注入12日後に採血した。 g.血清学:未処理のまたは結合Viによってマウス中に誘発されたVi/Viフ ラグメント抗体値を酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)によって定 量した。負に荷電した多糖体は固相ELISAにおいて普通使用されるポリスチ レンにあまりよく付着しないので、非特異的結合がほとんどない固相表面にVi/ Viフラグメントをコーティングするために、正に荷電したメチル化ウシ血清アル ブミン(BSA)を使用した。詳細に述べると、Vi 0.5mgをPBS1mlに溶解し 、室温で1時間撹拌した。メチル化BSA(Sigma)10mgをH2O1mlに懸濁させ 、得られた溶液を0.8μmフィルターで濾過した。コーティング溶液を製造する ため、溶解多糖体1mlをメチル化BSA溶液50μlとともに室温で20分撹拌し、そ の後PBS中に1:20に希釈した。Nunclon delta Siマイクロウェルプレートに 、1ウェルあたりコーティング溶液100μl(2.5μg Vi/ウェル)で室温におい て3時間かけてコーティングした。プレートを0.33% Brij35(Sigma)を含有する PBSで5回洗浄し、PBSおよび1%乾燥スキムミルクの溶液で、37℃におい て2時間かけてブロックした。洗浄後、希釈した未知の血清および希釈した標準 血清(希釈用緩衝液はPBS中1%スキムミルクおよび0.33%Brij35を含有する )の100μlアリコートを添加し、プレートを37℃で1時間インキュベートした。 対照および試験血清はプレート上に2回ずつ適用した。非結合抗体を洗浄によっ て除去し、プレートに、試験血清の場合はヤギ抗マウスIgGFab2-アルカリホス ファターゼ結合体(Sigma)、標準血清の場合はウサギ抗ウマIgG Fab2酵素結合 体の1:5000希釈物を添加した(100μl/ウェル)。37℃ で2時間インキュベート後、プレートを洗浄し、ジエタノールアミン−H2Op H9.8中0.6mg/mlのp-ニトロフェニルホスフェート(Sigma)を含有する基質溶液 100μlを添加することによって、結合している抗体を可視化した。20分後、1 ウェルあたり5N NaOH 10μlの添加によって、酵素反応を停止させた。405 n mにおいて光学密度を読み取った。ホルマリン固定チフス菌 Ty2(J.B.Robbins およびS.C.Szu,NIH,Maryland,U.S.A.の好意により寄贈された)の複数回の静脈 注射によって、Vi抗体550mg/mlを含有する抗Vi標準血清Burro 260を調製した。 得られた結果を405nmで読み取った光学密度で表す。 h.ペプチド免疫感作後のリンパ節増殖 指定のマウス系統のマウス3匹のグループに、IFA/PBS 0.2ml中で乳化 したペプチド20μgを足蹠皮下免疫感作した(0.1ml/foot)。10日後、排出リン パ節を取り出した。免疫感作マウスのリンパ節細胞(LNC)(5×106/ウェル )を各種抗原の存在下で培養した。培養物を、丸底マイクロタイタープレート( Falcon)中の1%同系正常マウス血清を含有する、2mMグルタミン、非必須アミノ 酸、1mMピルビン酸ナトリウム、100U/mlペニシリン、100mg/ml ストレプトマイ シン、5×105M β−メルカプトエタノール(Fluka AG,Buchs,Switzerland)を補 充した Eagles培地200μl中に入れた。4-5日のインキュベート後、3H-チミジン (5Ci/mmolを0.5mCi,Nuclear Research Center,Negev,Israel)を添加した。16 時間後、細胞を回収し放射能をカウントした。結果を1分間のカウント(cpm) または刺激指数(SI)として表す。SIは試験培養物(抗原を含むもの)の平均cp mと対照培養物(抗原を含まないもの)の平均cpmの比として定義された。 実施例 実施例1.Vi −ペプチド結合体の調製 上記のように、Vi/Viフラグメントとペプチド278eおよび対照ペプチドとの結 合体を調製した。 Vi−ペプチド結合体の組成を表1に要約する。表1に表れた結果は糖単量体あ たりのペプチドのモル比は多様であることを示している。糖−ペプチド結合体と して、1マウスあたりのペプチド注入用量が0.8-2.2μgのものが最も効果的だっ た。 実施例2.主要組織適合性遺伝子結合体(MHC)バックグラウンドを各種 変化させた異系統マウスにおける、ペプチド278eに対するリンパ節細胞の増殖 2.1.遊離担体ペプチドでの免疫感作後のリンパ節増殖。 ペプチド278eがマウスMHCの各種アレルに関して免疫系によって認識される かどうかを試験するため、本出願の“材料および方法”に記載したように、2-3 ヵ月令の雌マウス(1グループについて3匹)にIFA中で乳化した遊離ペプチ ド278e 20μgを皮下注射し、ペプチド278eおよび対照ペプチドに対するリンパ節 細胞の特異的増殖を行なわせた。 図1に示されるように、ペプチド278eを接種したBALB/c(H-2d)マウスのLNC は、このペプチド278eに対して明白な特異的増殖応答を示したが、対照ペプチド 278mおよび278coxに対しては何ら増殖が生じなかった。したがって、ペプチド27 8eに初回感作したLNCはマウスhsp65の配列から誘導された相同性自己ペプチ ド278mとは交叉反応しない。 図2a−cは、ペプチド278eが3種の類遺伝子系統B10マウスにおいても認識 されたことを示している。B10.RIIIマウス(H-2i)(図2a)、B10.BRマウス(H-2k )(図2b)およびB10.Sマウス(H-2s)(図2c)のLNCは、指定のペプチド 濃度において、対照ペプチドAcR259-271に対してよりもペプチド278eに対して明 らかに高い増殖応答を示した。 2.2.Viフラグメントと結合したペプチド278eでの免疫感作後の、ペプチ ド278eに対するリンパ節増殖。 ペプチド278eの多糖体Vi−フラグメントへの結合によってその抗原構造が変化 するかどうかを分析するため、糖−ペプチド結合体での免疫感作後、ペプチドの みに対するLNCの応答を試験した。図3および図4は、糖−ペプチド結合体と して、Viフラグメント2μg/マウス(図3)またはViフラグメント20μg/マウ ス(図4)(これに含まれるペプチド注入量については、表1参照)で免疫感作 したとき、BALB/cマウス中でViフラグメント-278eによって誘発されたLNCは 非結合ペプチドを認識することを明白に示している。 実施例3.ペプチド278eと結合したViフラグメントの抗原性 Viフラグメントと結合したペプチド278eがこのT細胞依存症抗原に対する免疫 応答を増強するかどうかを試験するため、BALB/cマウス5匹に糖−ペプチド結合 体を接種した後、糖に対する免疫応答を検討した。図5は、Viフラグメントに共 有結合によって連結されたペプチド278eがこの糖に特異的なIgG抗体の生成を実 質的に増強し得ることを明白に示している。この結合体を2回投与したマウスの 免疫感作は強い追加免疫効果を示し、これによって、この糖に特異的な免疫応答 にT細胞が関与していることが示された。非結合多糖を接種したBALB/cマウスは 無視し得る程の特異的抗体しか誘導しなかった。Viフラグメント-278eによって 誘導された免疫応答は、ペプチド278hおよび278mに結合した糖によって誘発され たものと比較される。 上記の実験は、ペプチド278eがマウスMHC分子の広範囲のアレルに関連して 認識され、低免疫原性分子に対する増強された免疫応答を誘導するための担体エ ピトープとして使用し得ることの証拠を示している。この証拠を以下に要約する 。 (i)遺伝的MHCバックグラウンドを変えたマウス系統の初回感作LNCは 、特異的増殖応答を示したので、ペプチド278eを認識することができた。 (ii)in vitroリンパ節増殖検定において、多糖体に結合した278eで初回感作 したLNCが非結合ペプチドをも認識することができたので、Viフラグメントに 結合したペプチド278eはその抗原性構造が変化しなかった。 (iii)Viフラグメントの免疫原性は、ペプチド278eに結合した結合体として 免疫系に提示されるとき、増強される。 ペプチド278eで初回感作したLNCがマウスの相同ペプチド278mと交叉結合し なかったという事実は、担体エピトープとして使用したペプチド278eはおそらく 自己の成分に対する免疫応答を誘導しないであろうということを示している。 ペプチド278eに対する免疫応答はマウスにおいて遺伝的に制限されないようで あるので、この合成ペプチドおよびその類似体は、各種病原体に対する防御性免 疫を提供するための免疫結合体を製造するための普遍的な担体として使用するこ とができ、そして合成ワクチンの開発用として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 39/39 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,C Z,EE,FI,GE,HU,IS,JP,KE,KG ,KR,KZ,LK,LR,LT,LV,MD,MG, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,S D,SG,SI,SK,TJ,TM,TT,UA,US ,UZ,VN (72)発明者 コネンヴァイスマン,ステファニー イスラエル国 65214 テル アビブ マ ーゼ ストリート 29番地 ビー.

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.免疫原性の低い抗原と、該抗原の免疫原性を実質的に増強することができる 、大腸菌hsp65の配列(GROEL)に由来するT細胞エピトープを構成す る合成ペプチド担体またはその類似体と、の結合体。 2.合成ペプチドまたは類似体が免疫原性の低い抗原に共有結合で結合されてい る、請求項1に記載の結合体。 3.免疫原性の低い抗原がペプチド、タンパク質または多糖体である、請求項1 または2に記載の結合体。 4.免疫原性の低いペプチドがHIVウイルスまたはマラリア抗原に由来するも のである、請求項3に記載の結合体。 5.免疫原性の低い多糖体が細菌の多糖体である、請求項3に記載の結合体。 6.本明細書中でPep278eと呼ばれる合成ペプチド担体が大腸菌hsp6 5分子の位置437−453に対応し、次の配列: を有する、請求項1に記載の結合体。 7.合成ペプチド担体または類似体が免疫原性の低い抗原分子に直接結合されて いる、請求項1に記載の結合体。 8.免疫原性の低い抗原分子が細菌の多糖体である、請求項7に記載の結合体。 9.細菌の多糖体がチフス菌(Salmonella typhi)の莢膜多糖(CPS)である 、請求項8に記載の結合体。 10.合成ペプチド担体または類似体が−O−R−CO−、−NH−R−CO−、 −NH−R−NH−、−O−R−NH−または−NH−R−CH2−(ここでR は場合により1個以上の芳香族基によりまたはN、OもしくはSから選ばれるヘ テロ原子により置換および/または介在されていてもよい飽和または不飽和の炭 化水素鎖である)から選ばれるスペーサーを介して免疫原性の低い抗原分子に結 合されている、請求項1に記載の結合体。 11.Rが3〜16個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素鎖である、請求項10に記載 の結合体。 12.Rがε−アミノカプロン酸の残基である、請求項11に記載の結合体。 13.式: 〔式中、Acはアセチルであり、ACはε−アミノカプロン酸の残基であり、 Pepはペプチド担体278eの残基であり、そして糖残基はチフス菌のVi莢 膜多糖体の反復単位を表す〕 で表される、請求項12に記載の結合体。 14.T依存性抗原に特徴的な免疫応答をもたらすTリンパ球ヘルパー効果を生み 出すことができる、請求項1〜13のいずれか1つに記載の結合体。 15.再接種したとき、免疫原性の低い抗原分子に対する抗体のレベルを増加させ る追加免疫応答を誘導する、請求項1〜13のいずれか1つに記載の結合体。 16.主にIgGイソタイプの抗体を誘導する、請求項15に記載の結合体。 17.請求項1に記載の結合体を含むワクチン。 18.免疫原性の低い抗原分子を、該抗原分子の免疫原性を実質的に増強すること ができる、大腸菌hsp65の配列に由来するT細胞エピトープを構成する合成 ペプチド担体またはその類似体に、結合させることを含んでなる、免疫原性の低 い抗原分子の免疫原性を増強する方法。 19.免疫原性の低い抗原分子を、該抗原分子の免疫原性を実質的に増強すること ができる、大腸菌hsp65の配列に由来するT細胞エピトープを構成する合成 ペプチド担体またはその類似体と、混合することを含んでなる、免疫原性の低い 抗原分子の免疫原性を増強する方法。 20.細菌の多糖体の免疫原性を増強するための、請求項18または19に記載の方法 。 21.哺乳動物宿主に、有効量の請求項1の結合体を投与することを含んでなる、 哺乳動物宿主の免疫感作法。 22.哺乳動物宿主に、有効量の免疫原性の低い抗原分子と、該抗原分子の免疫原 性を実質的に増強することができる、大腸菌hsp65の配列に由来するT細胞 エピトープを構成する有効量の合成ペプチド担体またはその類似体と、を同時投 与することを含んでなる、哺乳動物宿主の免疫感作法。
JP7530530A 1994-05-25 1995-05-24 合成ワクチンの開発に好適な免疫学的構築物において担体として使用されるペプチド類 Ceased JPH10504524A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
IL109790 1994-05-25
IL10979094A IL109790A0 (en) 1994-05-25 1994-05-25 Peptides used as carriers in immunogenic constructs suitable for development of synthetic vaccines
PCT/US1995/006575 WO1995031994A1 (en) 1994-05-25 1995-05-24 Peptides used as carriers in immunogenic constructs suitable for development of synthetic vaccines

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10504524A true JPH10504524A (ja) 1998-05-06

Family

ID=11066168

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7530530A Ceased JPH10504524A (ja) 1994-05-25 1995-05-24 合成ワクチンの開発に好適な免疫学的構築物において担体として使用されるペプチド類

Country Status (8)

Country Link
EP (1) EP0760671B1 (ja)
JP (1) JPH10504524A (ja)
AT (1) ATE302016T1 (ja)
AU (1) AU684369B2 (ja)
CA (1) CA2191202A1 (ja)
DE (1) DE69534382T2 (ja)
IL (1) IL109790A0 (ja)
WO (1) WO1995031994A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005515759A (ja) * 2001-10-26 2005-06-02 ユニバーシティ オブ サウス オーストラリア GroELキメラ蛋白質およびワクチン
JP2016536317A (ja) * 2013-11-08 2016-11-24 グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム サルモネラコンジュゲートワクチン

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE69429723T2 (de) 1993-06-04 2002-09-26 Whitehead Biomedical Inst Stressproteine und ihre verwendung
US7157089B1 (en) 1996-11-26 2007-01-02 Stressgen Biotechnologies Corporation Immune responses using compositions containing stress proteins
CA2282426A1 (en) * 1997-02-18 1998-08-20 The Whitehead Institute For Biomedical Research Use of heat shock proteins to deliver moieties into cells
HUP0003601A3 (en) 1997-08-05 2003-03-28 Stressgen Biotechnologies Corp Immune responses against hpv antigens elicited by compositions comprising an hpv antigen and a stress protein or an expression vector capable of expression of these proteins
DE19821859A1 (de) * 1998-05-15 1999-12-09 M Alexander Schmidt Darstellung immunogener (Kapsel-)Polysaccharid-Konjugate durch orientierte Kupplung synthetischer T-Zell-Epitope zur Erzeugung von Vakzinen gegen N.meningitidis
US6197340B1 (en) 1998-05-28 2001-03-06 Medical Research Institute Controlled release lipoic acid
CA2378097A1 (en) 1999-07-08 2001-01-18 Stressgen Biotechnologies Corporation Induction of a th1-like response in vitro
US6677139B1 (en) 1999-12-23 2004-01-13 Genecor International, Inc. Methods for production of proteins in host cells
AU1814101A (en) 2000-01-14 2001-07-24 Massachusetts Institute Of Technology In vivo CTL elicitation by heat shock protein fusion proteins maps to a discrete ATP binding domain and is CD4+ cell-independent
EP1296711B1 (en) 2000-06-26 2006-05-17 Stressgen Biotechnologies Corporation Hpv-e7 for human papilloma virus treatment
IT1319277B1 (it) * 2000-10-24 2003-09-26 Chiesi Farma Spa Proteine di fusione utili per il trattamento di immunizzazione dellamalattia di alzheimer.
EP1357940A4 (en) 2001-02-05 2004-03-17 Stressgen Biotechnologies Corp HEPATITIS? B? VIRUS THERAPY
ES2389849T3 (es) 2005-03-14 2012-11-02 Yeda Research And Development Co., Ltd. Ccomposiciones de péptidos HSP60 y antígenos víricos para vacunación y diagnóstico

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IT1262896B (it) * 1992-03-06 1996-07-22 Composti coniugati formati da proteine heat shock (hsp) e oligo-poli- saccaridi, loro uso per la produzione di vaccini.
IL102687A (en) * 1992-07-30 1997-06-10 Yeda Res & Dev Conjugates of poorly immunogenic antigens and synthetic pepide carriers and vaccines comprising them

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005515759A (ja) * 2001-10-26 2005-06-02 ユニバーシティ オブ サウス オーストラリア GroELキメラ蛋白質およびワクチン
JP2016536317A (ja) * 2013-11-08 2016-11-24 グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム サルモネラコンジュゲートワクチン

Also Published As

Publication number Publication date
EP0760671B1 (en) 2005-08-17
DE69534382D1 (de) 2005-09-22
AU2602795A (en) 1995-12-18
ATE302016T1 (de) 2005-09-15
AU684369B2 (en) 1997-12-11
IL109790A0 (en) 1994-08-26
WO1995031994A1 (en) 1995-11-30
EP0760671A1 (en) 1997-03-12
DE69534382T2 (de) 2006-09-14
CA2191202A1 (en) 1995-11-30
EP0760671A4 (en) 1999-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5869058A (en) Peptides used as carriers in immunogenic constructs suitable for development of synthetic vaccines
KR100290632B1 (ko) 면역성이약한항원공액체와이를포함하는합성펩티드담체와백신
Barrios et al. Mycobacterial heat‐shock proteins as carrier molecules. II: The use of the 70‐kDa mycobacterial heat‐shock protein as carrier for conjugated vaccinescan circumvent the need for adjuvants and Bacillus Calmette Guérin priming
US5736146A (en) Conjugates of poorly immunogenic antigens and synthetic peptide carriers and vaccines comprising them
Lowell et al. Proteosome-lipopeptide vaccines: enhancement of immunogenicity for malaria CS peptides
CA1340958C (en) Synthetic peptides representing a t-cell epitope as a carrier molecule for conjugate vaccines
US4950480A (en) Enhancement of antigen immunogenicity
US5773007A (en) Vaccine compositions
JPH10504524A (ja) 合成ワクチンの開発に好適な免疫学的構築物において担体として使用されるペプチド類
US4567041A (en) Mutant strain of Listeria monocytogenes and its use in production of IgM antibodies and as an immunotherapeutic agent
EP0166548A2 (en) Broad spectrum vaccine against gonorrhea
CN104096224B (zh) 一种增强流行性嗜血杆菌b型多糖蛋白结合物免疫原性的方法
CN104096228B (zh) 一种增强流行性嗜血杆菌b型多糖蛋白结合物免疫原性的方法
WO1991012819A1 (en) Improved immunogenic compositions
Konen-Waisman HSP60 T cell epitopes convert T-independent into T-dependent antigens

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051011

A313 Final decision of rejection without a dissenting response from the applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A313

Effective date: 20060227

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060404