JPH10504223A - 粉末状の殺菌組成物 - Google Patents

粉末状の殺菌組成物

Info

Publication number
JPH10504223A
JPH10504223A JP9501228A JP50122897A JPH10504223A JP H10504223 A JPH10504223 A JP H10504223A JP 9501228 A JP9501228 A JP 9501228A JP 50122897 A JP50122897 A JP 50122897A JP H10504223 A JPH10504223 A JP H10504223A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chlorine dioxide
chlorite
acid
release
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9501228A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3547140B2 (ja
Inventor
ウェリングホフ,スティーブン・ティ
カンパ,ジョエル・ジェイ
バーロー,ダーレン・イー
Original Assignee
サウスウエスト・リサーチ・インスティチュート
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by サウスウエスト・リサーチ・インスティチュート filed Critical サウスウエスト・リサーチ・インスティチュート
Publication of JPH10504223A publication Critical patent/JPH10504223A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3547140B2 publication Critical patent/JP3547140B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B5/00Layered products characterised by the non- homogeneity or physical structure, i.e. comprising a fibrous, filamentary, particulate or foam layer; Layered products characterised by having a layer differing constitutionally or physically in different parts
    • B32B5/16Layered products characterised by the non- homogeneity or physical structure, i.e. comprising a fibrous, filamentary, particulate or foam layer; Layered products characterised by having a layer differing constitutionally or physically in different parts characterised by features of a layer formed of particles, e.g. chips, powder or granules
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B11/00Oxides or oxyacids of halogens; Salts thereof
    • C01B11/02Oxides of chlorine
    • C01B11/022Chlorine dioxide (ClO2)
    • C01B11/023Preparation from chlorites or chlorates
    • C01B11/024Preparation from chlorites or chlorates from chlorites
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N59/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing elements or inorganic compounds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23BPRESERVING, e.g. BY CANNING, MEAT, FISH, EGGS, FRUIT, VEGETABLES, EDIBLE SEEDS; CHEMICAL RIPENING OF FRUIT OR VEGETABLES; THE PRESERVED, RIPENED, OR CANNED PRODUCTS
    • A23B9/00Preservation of edible seeds, e.g. cereals
    • A23B9/14Coating with a protective layer; Compositions or apparatus therefor
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23BPRESERVING, e.g. BY CANNING, MEAT, FISH, EGGS, FRUIT, VEGETABLES, EDIBLE SEEDS; CHEMICAL RIPENING OF FRUIT OR VEGETABLES; THE PRESERVED, RIPENED, OR CANNED PRODUCTS
    • A23B9/00Preservation of edible seeds, e.g. cereals
    • A23B9/16Preserving with chemicals
    • A23B9/24Preserving with chemicals in the form of liquids or solids
    • A23B9/30Inorganic compounds
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B9/00Layered products comprising a layer of a particular substance not covered by groups B32B11/00 - B32B29/00
    • B32B9/04Layered products comprising a layer of a particular substance not covered by groups B32B11/00 - B32B29/00 comprising such particular substance as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B11/00Oxides or oxyacids of halogens; Salts thereof
    • C01B11/02Oxides of chlorine
    • C01B11/022Chlorine dioxide (ClO2)
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/29Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
    • Y10T428/2982Particulate matter [e.g., sphere, flake, etc.]
    • Y10T428/2991Coated
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/29Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
    • Y10T428/2982Particulate matter [e.g., sphere, flake, etc.]
    • Y10T428/2991Coated
    • Y10T428/2998Coated including synthetic resin or polymer

Abstract

(57)【要約】 二酸化塩素を徐放する殺菌粉末は、クロライトアニオンを含有する粒子、および前記粒子を表面上に有する疎水性コアから成り、疎水性コアは酸放出剤を含有する。粒子および疎水性コアは実質的に水不含有であり、粒子は酸放出剤が加水分解されると二酸化塩素を放出し得る。

Description

【発明の詳細な説明】 粉末状の殺菌組成物 発明の背景 本発明は、二酸化塩素を放出する殺菌組成物に関する。本発明は特に、粉末と して調製した複合材料に関する。 二酸化塩素(ClO2)は、漂白剤、消毒剤、燻蒸剤または脱臭剤として広く用い られている優れた酸化剤である。二酸化塩素は1ppm未満の濃度で、カビ芽胞、 細菌および他の微生物汚染物の細胞壁または膜および細胞質に浸透し、それらを 死滅させることができる。 食品包装に二酸化塩素または亜塩素酸ナトリウムを組み合わせることから、そ のような防腐剤の残留レベルが人間に対して重大な遺伝的影響または発ガン性を 及ぼす危険性の研究が進められた。マイヤー(Meiyer)らは、マウスにおいて、 塩素、二酸化塩素、亜塩素酸ナトリウムおよび塩素酸ナトリウムの亜慢性および 急性経口投与が染色体異常および精子頭部異常を誘発する作用を調べた[Enviro n.Mutagenesis、、201(1985)]。反応性の高い次亜塩素酸塩だけが、 弱い正の変異原性を示した。他の化合物(二酸化塩素および亜塩素酸ナトリウム を包含する)は、マウス骨髄において染色体異常も小核小体数増加も誘発しなっ た。ビラジンス(Vilagines)らは、二酸化塩素が比較的無毒なのは、次亜塩素酸 塩および塩素とは異なって、ハロメタン生成能を持たないからであると考えてい る[Proc.AWWA Disinfect.Semin.、24pp.(1977);Chem.Abs .93、173513f]。最近、リチャードソン(Richardson)らは、Environm ental Protection Agency による水生生物と二酸化塩素との反応の広範な 研究により、その知見を確認したと報告した[Environ.Sci.Technol.、28、 592(1994)]。 日本国特許出願公開第63/296758号、第63/274434号および 第57/168977号には、それぞれポリマー、セラミックビーズまたはケイ 酸カルシウムを不織布で包んだものに二酸化塩素を組み合わせた脱臭剤が記載さ れている。消毒のための局所適用に使用する二酸化塩素を発生するゲルが、ケニ オン(Kenyon)らのAm.J.Vet.Res.、45(5)、1101(1986)に開 示されている。二酸化塩素発生ゲルは、通例、亜塩素酸ナトリウムを懸濁させた ゲルと、乳酸含有ゲルとを、早期の二酸化塩素放出を回避するために使用直前に 混合することによって形成する。二酸化塩素放出ゲルは、食品防腐にも用いられ ている。 二酸化塩素源の調製に、封入法も用いられている。カナダ特許第959238 号には、亜塩素酸ナトリウムおよび乳酸をポリビニルアルコールにそれぞれ封入 し、それらカプセルと水とを混合して二酸化塩素を生成するという二酸化塩素発 生方法が記載されている。 タイス(Tice)らの米国特許第4585482号には、亜塩素酸ナトリウムか ら二酸化塩素を放出させることのできる酸を生成するように、交互ポリ(ビニル メチルエーテル−無水マレイン酸)またはポリ(乳酸−グリコール酸)を徐々に加 水分解することが記載されている。ポリアルコール湿潤剤および水を、ポリ無水 物またはポリ酸と共にナイロンコーティング中に封入する。ナイロン壁を通して カプセルに亜塩素酸ナトリウムを拡散させた後、非透過性ポリスチレン層をナイ ロンカプセルの周囲にコアセルベートさせる。カプセルの反応および適用に、溶 媒が必要である。カプセルで表面を覆って、二酸化塩素を放出させることができ る。このカプセルは数日間ないし数箇月間にわたって殺菌作用を示すと記載され ているが、カプセル調製直後に二酸化塩素放出が開始する。また、カプセル調製 に用いるバッチ式方法は多くの化学反応および物理的工程を伴い、それらのうち のいくつかには環境的廃棄問題が伴う。 使用時に二酸化塩素放出を開始するよう容易に活性化し得る複合材料が必要で ある。特に食品包装、および人間が摂取または接触し得る他の適用には、FDA で承認されている物質のみから成り、そのような物質のみを発生する組成物、ま たは通常安全と見なされる組成物が必要である。 発明の概要 本発明の目的において、次のような条件を挙げることができる:組成物が、細 菌、真菌、カビおよびウイルスを減少するのに充分な濃度の二酸化塩素を放出す ること;組成物がそのような濃度の二酸化塩素を、活性化後、数箇月間までの期 間にわたって放出すること;組成物が、流動性であり、適用前に他の成分と容易 に混合し得ること;組成物が、多孔表面を透過し得ること;カビおよび細菌の増 殖を促進する温度および湿度上昇に比例して、二酸化塩素放出速度を高めること ;並びに組成物が、人間の接触または摂取に承認された物質のみを放出し、比較 的安価であること。 本発明は、二酸化塩素を徐放する殺菌粉末であって、クロライトアニオンを含 有する粒子、および前記粒子を表面上に有する疎水性コアから成る粉末に関する 。疎水性コアは酸放出剤を含有する。粒子および疎水性コアは実質的に水不含有 であり、粒子は酸放出剤が加水分解されると二酸化塩素を放出し得る。 本発明の他の態様は、二酸化塩素を徐放する粉末の調製方法であって、クロラ イトアニオンを含有する粒子を形成し、該粒子の流動床に、酸放出剤を含有する 疎水性材料を噴霧して、疎水性材料含有コア、および該コア表面上のクロライト アニオン含有粒子層を有する粉末を形成することを含んで成る方法である。 本発明の他の態様は、表面における細菌、真菌およびウイルス汚染、およびカ ビ増殖を遅延し、および/または表面を脱臭する方法であって、表面を、水分不 存在下には二酸化塩素を放出しない粉末で処理し、処理した表面を水分に曝露し て、二酸化塩素を粉末から表面周囲の雰囲気中へ放出させることを含んで成る方 法に関する。粉末は酸放出剤含有疎水性コアおよびその表面上のクロライトアニ オンを有する。 本発明の他の目的および利点は、以下の詳細な説明から明らかである。 図面の簡単な説明 図1は、アミン前駆体の亜塩素酸イミニウムへの変換を説明する図である。 図2は、疎水性相における酸無水物の加水分解、およびヒドロニウムイオンの 亜塩素酸イミニウムへの移動による二酸化塩素ガスの放出を説明する。 図3a、3bおよび3cは、二酸化塩素の徐放を提供する多層複合材料の図であ る。 図4は、種々の粉末組成物からの二酸化塩素放出速度のプロットである。 図5は、層状複合材料からの二酸化塩素放出速度のプロットである。 図6は、雰囲気の温度および湿度に対する二酸化塩素放出速度のプロットであ る。 図7は、層状複合材料からの二酸化塩素放出速度のプロットである。 図8および9は、雰囲気の温度および湿度に対する二酸化塩素放出速度のプロ ットである。 図10は、容器からの漏出の関数としての最高二酸化塩素濃度のプロットであ る。 図11は、時間の関数としての二酸化塩素濃度のプロットである。 好ましい態様の詳細な説明 本発明によると、クロライトアニオンを含有する複合材料を水分に曝露すると 、該複合材料から二酸化塩素の徐放が可能であることがわかった。複合材料は、 親水性材料および疎水性材料から成る。複合材料は例えば、親水性相および疎水 性相から成る分散液、または親水性材料および疎水性材料の機械的組み合わせ( 例えば粉末または隣接フィルム)であり得る。粉末は、クロライト含有粒子を包 埋する疎水性コアを有する。隣接フィルムは、親水性材料または疎水性材料の個 別の層から成る。 複合材料は、好ましくは親水性材料約5.0〜95重量%および疎水性材料約 5.0〜95重量%、より好ましくは親水性材料約15〜95重量%および疎水 性材料約15〜95重量%から成る。複合材料が分散液である場合、どちらの材 料が連続相を成していてもよい。連続相が分散液の約15〜95重量%を占め、 分散相が分散液の約5〜85重量%を占め、好ましくは連続相が分散液の約50 〜95重量%を占め、分散相が分散液の約5〜50重量%を占める。 複合材料の疎水性材料は、専ら酸放出剤から成るか、または酸放出剤と希釈剤 および/または可塑剤との組み合わせから成っていてよい。大気中の水分によっ て加水分解され得る酸放出剤のいずれも、本発明の目的のために許容し得る。好 ましくは、酸放出剤は親水性材料と反応せず、環境中に浸出または漏出しない。 疎水性材料は、酸放出剤約10〜100重量%、希釈剤約80重量%まで、およ び可塑剤約60重量%までから成り、好ましくは酸放出剤約40〜100重量% 、希釈剤約20〜80重量%、および可塑剤約20重量%までから成る。 複合材料の親水性材料は、専らクロライトアニオン源から成るか、またはクロ ライトアニオン源と他の親水性材料との組み合わせから成っていてよい。親水性 材料は好ましくは、アミン、アミドもしくはアルコールを含有するか、またはア ミノ、アミドもしくはヒドロキシル部分を有し、高水素結合密度を有する化合物 を含有する。クロライトアニオン源は親水性材料中に組み合わせ、好ましくは、 クロライトアニオンおよび対イオンの形態で親水性材料の約2〜40重量%、よ り好ましくは親水性材料の約8〜10重量%を占める。クロライト源が亜塩素酸 塩である場合、この塩は、複合材料中の親水性材料がクロライトアニオンおよび 対イオンを含有し得るように、親水性材料中で解離する。しかし、親水性材料か アミンで、クロライト源が二酸化塩素ガスである場合は、アミンが酸化させるよ うにアミンの酸化力が充分低ければ、二酸化塩素がアミンと反応して、その場で 亜塩素酸イミニウムを生成する。 疎水性材料中の酸放出剤が吸着水分によって加水分解されると、酸およびヒド ロニウムイオンを放出し、これが疎水性材料から、クロライトアニオン含有親水 性材料に拡散する。親水性材料中でヒドロニウムイオンがクロライトアニオンと 反応すると、二酸化塩素ガスが放出し、これが複合材料から周囲の雰囲気に約6 箇月間までの期間にわたって拡散し、処理表面上の細菌、カビ、真菌およびウイ ルスの増殖を抑制する。 疎水性材料および親水性材料は、複合材料使用前の実質的な二酸化塩素放出を 回避するために、実質的に水不含有である。本発明の目的のために、複合材料中 の水の量が、疎水性材料から親水性材料へのヒドロニウムイオンの移動通路を提 供しないならば、親水性材料、疎水性材料またはその分散液は、実質的に水不含 有である。通例、親水性材料および疎水性材料それそれが、材料間の拡散通路を 提供しない約0.1重量%までの水を含有し得る。各材料が水を、好ましくは約 1.0×10-3重量%未満、より好ましくは約1×10-2ないし1×10-3重量 %含有する。実質的でない量の水は、酸放出剤の一部を加水分解して、複合材料 内で酸およびヒドロニウムイオンを生成し得る。しかし、そのヒドロニウムイオ ンは、その輸送に充分な遊離水が供給されるまでは、親水性材料中に拡散しない 。 クロライトアニオン通例、親水性材料と反応せず、親水性材料中で窒素または ヒドロキシドによる水素結合に取り巻かれている。本発明の複合材料中に組み合 わせ得る適当なクロライト源は、アルカリ金属亜塩素酸塩(例えば亜塩素酸ナト リウムまたは亜塩素酸カリウム)、アルカリ土類金属亜塩素酸塩(例えば亜塩素酸 カルシウム)、または遷移金属イオンまたはプロトン化第一級、第二級、第三級 もしくは第四級アミンの亜塩素酸塩である。多くのクロライト源(例えば亜塩素 酸ナトリウム)が約100℃を越える加工温度で安定であり、比較的高温で加工 することが可能である。 図1は、亜塩素酸イミニウムを含有する複合材料の調製を説明するものである 。このアミン親水性材料は、疎水性酸放出剤(図1には、加水分解されるP−O −Siおよび無水マレイン酸を示す)と接触する。二酸化塩素(ClO2)が、アミン からの電子の引き抜きにより還元されて、アミニウムラジカルカチオン(図示せ ず)およびクロライト対イオン(ClO2 -)を生成する。アミニウムカチオンは、隣 接する炭素原子からのプロトン損失、および別の二酸化塩素分子による酸化によ って、直ちにイミニウムイオンに変わる。水系における上記反応機構は、ローゼ ンバット(Rosenbatt)らのJ.Org.Chem.、28、2790(1963);J .Amer.Chem.Soc.89(5)、1158、1163(1967)に記載されて いる。 最初のアミンからの電子移動によって生成したクロライトアニオンおよび/ま たはイミニウムカチオンが親水性分子によって直ちに錯化および安定化されると 、二酸化塩素からクロライトへの変換が高まる。製剤によっては、未錯化クロラ イトアニオンを、後で約60℃を越える温度でイミニウム対イオンとの反応によ って消費し得る。クロライトは、クロリドおよびクロレートへの不均化も受ける 。pKaの高いアミンは、二酸化塩素とより速く反応し、より有効なプロトン源と して作用し、クロライトイオン安定化に要する塩基性pHを維持するので、好ま しい。 図2は、水分が複合材料と接触した際の、亜塩素酸イミニウムからの二酸化塩 素放出の機構を説明するものである。酸放出剤の加水分解により、ヒドロニウム カチオン(H3+)が生成し、これが亜塩素酸イミニウムと反応して、二酸化塩素 ガスを遊離する。この反応の分解生成物は、アミニウムカチオン(図2に およびCl-である。これらの生成物は、複合材料内に保持される。 場合によっては、複合材料が約60℃を越える温度に曝露されると、亜塩素酸 イミニウムが分解し得、二酸化塩素に変換する有効クロライト濃度が低下し得る ということがわかった。複合材料からの二酸化塩素放出を最大とするために、複 合材料中の親水性材料がアミンの場合、複合材料を表面に適用するまでクロライ ト源を複合材料中に含めないことができるとわかった。適用後に、複合材料を二 酸化塩素ガスに曝露し、それをアミンと反応させてその場で亜塩素酸イミニウム を生成させるか、またはアミンへの溶解によりクロライトアニオンを提供する。 次いで、複合材料を水分存在下に活性化して、二酸化塩素を放出する。この方法 によると、親水性材料は亜塩素酸イミニウムまたはクロライトアニオンを含有し ないので、複合材料を、加工、貯蔵および適用時に亜塩素酸イミニウム分解温度 よりも高い温度に曝露することが可能となる。この方法により、複合材料からの 二酸化塩素の早期放出をも防止できる。二酸化塩素の供給は、複合材料を二酸化 塩素発生器に通すことによって行い得る。 従来の二酸化塩素発生器は、水で飽和された二酸化塩素雰囲気を発生する。本 発明の複合材料と接触させる二酸化塩素は、まず水を吸収しない材料(例えば低 融点炭化水素ワックスまたはクロロ炭化水素ワックス)に溶解しなければならな い。あるいは、二酸化塩素を乾燥剤で乾燥する。このようにして、二酸化塩素を 、湿式工程から複合材料に、複合材料を水に曝露することなく供給する。 アミンがそのままで、または可塑剤の存在下に亜塩素酸イミニウムを生成する ために、アミンは電子が豊富で、アミン窒素は局部的に可動でなければならない 。二酸化塩素がアミンから電子を引き抜くために、電子吸引基をアミン中心から メチレン基少なくとも2個分、遠ざけるべきである。アミンの窒素中心に関する 結 合の移動が、アミニウム形成に必要である。アミンがガラス様マトリックス中に 固定されていれば、アミン窒素は可動でなく、アミンは亜塩素酸イミニウムに変 換できないであろう。ガラス様アミンに可塑剤(例えば低分子量アミド)を少なく とも約10重量%加えて、ガラス転移温度を反応温度より低くすることによって 、アミンを軟化して可動性を高めることができる。他の適当な可塑剤は、ポリマ ー分野でよく知られている。 複合材料からの二酸化塩素放出速度は、親水性材料および疎水性材料の粘度、 それら材料の分散性、複合材料の温度、複合材料中の酸放出剤濃度をそれぞれ変 化することによって、また、乾燥剤もしくは湿潤剤を複合材料に加えて水分曝露 時の複合材料からの二酸化塩素放出を調節することによって、または分散液内で 連続もしくは不連続相を形成する親水性材料および疎水性材料の量比を変化する ことによって、変えることができる。 クロライトアニオンの安定化によって、複合材料からの二酸化塩素放出向上を 達成することもできる。亜塩素酸イミニウムは、クロライトアニオンによる求核 攻撃に対し不安定である。強塩基(例えば金属アルコキシド)が亜塩素酸イミニウ ム含有親水性材料中に存在すると、室温におけるクロライトイオン寿命が実質的 に延長することがわかった。クロライト対イオンのアルコキシド安定化の機構は 、次の通りである: [式中、R2'およびR2は選択したアミンの基に相当し、R”はアルキルまたは水 素基である。]。水の不存在下に、イミニウムイオンは直ちに分解してα−アミ ノエーテルおよびより安定な亜塩素酸ナトリウム塩となる。第三級アミンの酸化 中に水が存在すれば、不安定なα−アミノアルコールが生成し、これがクロライ トアニオンを攻撃し得る(クロライトアニオンが親水性溶媒によって有効に錯化 されていない場合)。クロライトイオンの溶媒和後に水を加えることは、それほ ど悪影響を及ぼさない。 クロライト安定化に使用し得る強塩基は、金属アルコキシド(例えばナトリウ ム、カリウムまたはカルシウムのメトキシド、エトキシド、プロポキシドまたは ブトキシド)、金属酸化物(例えば酸化アルミニウムまたは酸化ナトリウム)、金 属イオン(例えばNa+)、アルコキシドのトリアルキルアンモニウム塩、アルコ キシドのアンモニウム塩、アセテート(例えば酢酸ナトリウム)、置換アセテート 、または亜塩素酸イミニウムの窒素中心を攻撃する強塩基性反応を起こし得る他 の材料を包含する。 第三級アミン(ジメチルアミノアクリルアミド)、N−メチルアセトアミドおよ び尿素を含有する親水性材料中では、亜塩素酸イミニウムを安定化すると、α− アミノエーテルおよび亜塩素酸塩が生成する。アミンを軟化するために、N−メ チルアセトアミドの代わりに、モノマーまたはオリゴマーアミド置換可塑剤、例 えばスクシンアミド、ホルムアミドまたはN−メチルホルムアミドを使用し得る 。ホルムアミドおよびN−メチルホルムアミドは毒性なので、人間の接触を伴う 適用においては好ましくない。アミン中心が充分可動ならば、可塑剤を加える必 要はない。尿素は、高水素結合密度を有し、酸放出剤と反応しないので、親水性 材料の二酸化塩素取り込みおよび放出効率を改善する。高アミド濃度の化合物も 、親水性材料の効果を改善するのに使用し得る。複合材料は好ましくは、親水性 材料約5〜95重量%、および疎水性材料約5〜95重量%を含有する。親水性 材料は、アミン約5〜30重量%、および親水性溶媒約70〜95重量%(尿素 約35〜55重量%、可塑剤約35〜55重量%および塩基約10重量%から成 る)を含有する。親水性材料に、アミン1モル当たり二酸化塩素約0.5モル以下 を加えるべきであることがわかった。そうしなければ、材料の安定性が保障され ないことがある。 親水性材料として使用する好ましいアミドは、ホルムアミド、アクリルアミド −イソプロピルアクリルアミド、ホルムアミドおよびアクリルアミド−イソプロ ピルアクリルアミドのコポリマー、並びにアクリルアミド、イソプロピルアクリ ルアミドまたはN,N−メチレンビスアクリルアミドおよび第一級アミンまたは 第二級アミンのコポリマーを包含する。そのようなアミドは、重合性の電子の不 足したアルケン(例えばアクリルアミド)と反応しない二酸化塩素に曝露する前の フィルム注型用の有用なビヒクルであり得る。 親水性材料として使用するのに適当なアミンは、第一級アミン、第二級アミン および第三級アミン(ペンダント水素結合基を有する)を包含する。二酸化塩素 をクロライトに変換するよう電子を供与する電子供与基で置換されたアミンが好 ましい。電子吸引基はそのような基において電子密度を高めて、二酸化塩素がア ミンから電子を引き抜き難くする。親水性溶媒に溶解した非水素結合ペンダント 基を有する第三級アミンも許容し得る。アミンの例は、次のものを包含する:ア ルカノールアミン;アミノアルカンおよびアルケンビスアクリルアミドのコポリ マー;アルキルアミノピリジン;アルケンジアミン;アルキルアミノシクロアル カン;希釈剤に溶解したアルキルアミノ−カルボキシアミドアルカン;下記式で 示されるアミン:R3-xNHx、R12NCH2CH2C(O)NH2、可溶化N(CH2 CH2OH)3-xx、R3N(NCH2CH2C(O)NH2)2、(CH3)2N(CH2)zN (CH3)2、R56N(CH2)zNHC(O)NH2[式中、置換基Rはそれぞれ、−(CH2CH2O)yH、−C(CH3)2(CH2)zOH 、−(CH2)zNH(CH2CH2O)zH、−CH(CH3)2ベンジル、アクリルアミドまたはピリジルであり;R1、R2、R5およびR6はア ルキルであり;R3は直鎖状C6−C12アルキルであり;R4はシクロアルキルま たはベンジルであり;mは1〜100であり;nは2または3であり;xは0、1 または2であり;yは1または2であり、zは1〜6である。]。通例、上記化合 物は、ホルムアミド、イソプロピルアクリルアミド−アクリルアミド、または他 の従来の可塑剤中で可溶化し得る。 好ましいアミンは、次のものを包含する:モノエタノールアミン、ジエタノー ルアミン、トリエタノールアミン、1,3−ジアミノプロパンまたは1,2−ジア ミノエタンおよびN,N−メチレンビスアクリルアミドのコポリマー、4−ジメ チルアミノピリジン、テトラメチレンエチレンジアミン、N,N−ジメチルアミ ノシクロヘキサン、可溶化1−(N−ジプロピルアミノ)−2−カルボキシアミド エタンまたは1−(N−ジメチルアミノ)−2−カルボキシアミドエタン、第一級 アミンR1NH2、第二級アミンR23NH、N(CH2CH2OH)3可溶化NR567、(CH3)2NCH2CH2N(CH3)2、R89NCH2CH2C( O)NH2、R10N(NCH2CH2C(O)NH2)2、R1112N(CH2)3NHC(O) NH2、N(CH2CH2NHC(O)NH2)3[式中、R1は−CH2CH2OCH2CH2OH、−C(CH3)2CH2OH、−CH2 CH2NHCH2CH2OH、−CH(CH3)2、−CH2CH2OH、 2およびR3はそれぞれ、ヘキシル、ベンジル、n−プロピル、イソプロピル、 シクロヘキシル、アクリルアミドまたは−CH2CH2OHであり;R4はシクロ ヘキシルまたはベンジルであり;R5およびR6はメチルであり;R7はシクロヘ キシルまたは4−ピリジルであり;R8およびR9はそれぞれ、メチル、n−プロ ピルまたはイソプロピルであり;R10はn−C613またはn−C1225であり; R11およびR2はそれぞれ、メチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルで あり;mは1〜100の整数であり;nは2または3である。]。適当な希釈剤は 、ホルムアミドまたはアクリルアミド−イソプロピルアクリルアミドを包含する 。アクリルアミドとのマイケル(Michael)反応によってアクリルアミド置換第三 級アミンに変換したオリゴマーまたはポリマー第二級アミンも、そのアミド基が 酸放出剤と反応しないので適当である。 親水性材料として、ヒドロキシル化合物、例えばエチレングリコール、グリセ リン、メタノール、エタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノールまた は他のアルコールを使用し得る。しかし、ヒドロキシル化合物を複合材料中に組 み合わせると二酸化塩素放出が非常に速く起こり得るので、そのような複合材料 の適用は、二酸化塩素速放システムに限定し得る。 適当な酸放出剤は、カルボン酸、エステル、無水物、アシルハライド、リン酸 、ホスフェートエステル、トリメチルシリルホスフェートエステル、ジアルキル ホスフェート、スルホン酸、スルホン酸エステル、スルホン酸クロリド、および グリセロール含有エステルのホスホシランを包含する。そのような酸放出剤の例 は、次のものを包含する:ポリプロピレン、ポリエチレンもしくはポリスチレン と混合もしくはグラフト重合した無水物もしくはホスフェートエステル、または 下記式で示されるトリメチルシリルホスフェートエステル: (CH3)SiOP(O)(OR2)[式中、Rは非水素結合基、アルキルまたはアリー ルである。]。 直鎖状または星状のオリゴマー(例えば脂質壁とP−O−Siコアを有するミセ ル様分子)、例えばグリセロール含有エステルのホスホシランは、メルト−また は溶媒−加工し、要すれば加工後に架橋することにより、フィルム安定性を提供 するので、好ましい酸放出剤である。好ましいグリセロール含有エステルのホス ホシランはLPOSIとして知られ、下記式で示される: [式中、Gは、 である。]。オリゴマーの例は、脂質末端基にフリーラジカル重合性アルケンま たは同様の基を有するものである。 酸無水物も好ましい酸放出剤であり、有機酸無水物、混合有機酸無水物、有機 酸無水物または混合無機酸無水物のホモポリマー、および有機酸無水物または混 合無機酸無水物と二重結合含有モノマーとのコポリマーを包含する。好ましい混 合無機酸無水物は、リン−酸素−ケイ素結合を有する。好ましい無水物は、無水 マレイン酸、無水メタクリル酸、無水酢酸、無水プロピオン酸または無水コハク 酸、およびビニル、スチレンまたはアルケンのコポリマー、例えば無水マレイン 酸−スチレンコポリマー、またはオレフィン(例えばポリプロピレン、ポリエチ レンまたはポリスチレン)とのそのグラフト重合物を包含する。酸無水物および 乳酸またはグリコール酸のコポリマーは、高い初期二酸化塩素放出速度に続いて 、低い放出速度をもたらし得る。 疎水性材料は更に、希釈剤、例えばアタクチックポリプロピレン、炭化水素ワ ックス、塩素化ワックス、ポリエチレンワックス、低分子量ポリオレフィン、ポ リエステル、誘導体化ポリオレフィンコポリマーまたはそれらの混合物を包含し 得る。希釈剤は、親水性材料中にも同様に含まれ得る。可塑剤も、親水性材料ま たは疎水性材料中に、当分野で既知のように組み合わせ得る。通例、ホルムアミ ド およびイソプロピルアクリルアミド−アクリルアミドが許容し得る可塑剤である 。 酸放出剤の早期の加水分解を抑制するために、水分スカベンジャー、例えば硫 酸ナトリウム、硫酸カルシウム、シリカゲル、アルミナ、ゼオライトおよび塩化 カルシウムを、複合材料に加え得る。従来のフィルム形成添加剤を、必要に応じ て疎水性材料または親水性材料に加え得る。そのような添加剤は、架橋剤、難燃 剤、乳化剤および相溶化剤を包含する。 本発明の複合材料は、広範な用途に適応するように種々の方法で調製し得る。 複合材料は、従来の押出法および噴霧乾燥法によって、押出物(例えばフィルム またはペレット)、または粉末として調製し得る。複合材料を粉末として調製す る場合は、クロライト源を親水性溶媒に溶解し、該溶液を噴霧乾燥器ノズルから 押出すことによって、クロライト含有粒子を形成する。溶液を噴霧乾燥粒子に変 換したら、粒子をサイクロン分離器に通して、好ましくは直径約5〜150μの 小粒子を分離し得る。次いで、粒子を乾燥雰囲気中に保存する。クロライト粒子 が完成したら、それを流動床に入れる。酸放出剤を含有する疎水性材料を、小直 径ノズルを通して流動床の室内に噴霧する。そこで疎水性材料は、流動するクロ ライト含有粒子と衝突し得る。流動粒子と接触すると、疎水性材料が凝固して、 その外表面にクロライト粒子の層を包埋した疎水性コアを形成することにより、 二酸化塩素放出粉末が生成する。クロライト粒子は硬い無機材料なので、凝集は 少ない。次いで、粒子を乾燥密閉容器に包装し得る。 二酸化塩素放出粉末の調製において、無水粒子、例えば無水硫酸ナトリウム、 硫酸カルシウム、硫酸マグネシウムまたは水分除去したシリカゲルを流動床に導 入して、クロライト粒子および無水粒子の混合物を形成し得る。無水粒子は、大 気中の水分によって触媒される二酸化塩素の放出を遅延する。二酸化塩素放出を 遅延するために、二酸化塩素放出粉末に無水粒子を後から混合することもできる 。 親水性材料および疎水性材料を前記のように複合材料に調製し得るが、クロラ イト粉末はアルカリ金属またはアルカリ土類金属亜塩素酸塩を含有することが好 ましい。疎水性材料は好ましくは、低融点炭化水素ワックス、クロロ炭化水素ワ ックス、アタクチックポリプロピレン、ポリエチレンワックス、低分子量ポリオ レ フィン、誘導体化ポリオレフィンコポリマー、またはそれらの混合物を含有する 。酸放出ワックス、例えば混合無水物P−O−Si結合を形成するようにケイ素 アルコキシドと反応したホスホリル化リポグリセロールの炭化水素溶液が、疎水 性材料として好ましい。二酸化塩素放出粉末の調製において使用する特に適当な 酸放出ワックスは、LPOSIである。 酸放出ワックスを、約10〜1000cPの粘度で、直径約1〜10milのノズ ルから押出すと、直径約5〜400μの溶融ワックスの細かいスプレーが形成さ れる。 粉末状複合材料の調製に加えて、本発明の複合材料は、フィルム注型または他 の適用法を可能にするように溶媒中で調製することができる。そのような複合材 料は、よく知られたホットメルト、浸漬被覆、噴霧被覆、カーテン被覆、乾燥ワ ックス、湿潤ワックスおよび積層法を用いて、フィルムとして適用し得る。 複合材料を、図3bに示すように微細に分散した疎水性材料および親水性材料 から成る層12として、または図3aに示すように分離した疎水性層16および 親水性層18を含んで成る多層複合材料14として提供してもよい。親水性層お よび疎水性層は、図3aに示すように、基材20上に親水性層を注型し、次いで 親水性層上に疎水性層を注型することによって適用し得る。多層複合材料または 単一層は、水分で活性化された多層複合材料からの二酸化塩素放出を調節するた めに、親水性材料または疎水性材料への水分浸入速度を調節するように、水分調 節層22と組み合わせて適用し得る。 二酸化塩素を調節的に発生させるために、酸放出剤を含有する疎水性層への水 の浸入を制限すること、およびヒドロニウムイオン放出層とクロライト含有親水 性層との接触表面積を調節することが有用である。このような調節的放出は、図 3cに示すように、疎水性材料16および親水性材料18を分離した層として注 型し、該材料間のヒドロニウムイオン輸送を調節する中間境界層24を設けるこ とによって達成し得る。 本発明の層状複合材料は、ある表面において大気中の水分の存在下に、二酸化 塩素が該表面に吸収されて細菌または他の汚染微生物を死滅させるのに要する時 間にわたって、所望の二酸化塩素放出速度(モル/秒/cm2フィルム)を維持する ことが意図される。しかし、容器または曝露表面からの漏出は、二酸化塩素の雰 囲気中への拡散の故に、表面における二酸化塩素濃度を低下する。選択した時間 にわたるフィルムから放出される二酸化塩素の濃度は、特定の漏出速度および表 面における吸収速度に対して計算し得る。すなわち、漏出速度を測定した後に、 所望の徐放時間にわたって漏出を補うのに充分な速度で反応する充分多量のクロ ライトを含有するように、複合材料を調製する。 すなわち、容器内での調節的放出および殺菌作用に適当な二酸化塩素放出複合 材料の設計に際しては、次のようないくつかの条件を考慮しなければならない: 調節的放出フィルムからの二酸化塩素生成速度;容器内の相(例えば気、液およ び固相)の間の、可逆的(吸収)または不可逆的(反応)な二酸化塩素の分配;およ び容器からのガス漏出速度。そのような複合材料の設計は、実施例15において 説明する。 本発明の好ましい徐放システムは、細菌、ウイルスもしくは真菌汚染の疑いの ある時、または特定微生物の通常のインキュベーション時間に合わせて、一連の 周期的パルス放出を行うことによって、クロライト貯留を維持する。特定の適用 に合わせて、雰囲気中への二酸化塩素漏出速度に対して所望の殺菌濃度を必要な 時間にわたって維持するように、システム設計を調整し得る。 通常の調節的放出性多層複合材料は、複合材料用の前記疎水性層Aおよび親水 性層Bの、厚さ約5milの水膨潤性フィルムAおよびBを含んで成る。疎水性層 Aは、酸放出剤、例えば無水物および無水物の加水分解により生じるヒドロニウ ムイオンを含有する。親水性層Bは、例えば亜塩素酸ナトリウムまたは他のクロ ライト源を親水性溶媒に溶解することによって提供されるクロライトアニオンを 含有する。疎水性層と親水性層は、厚さ1(通例約5mil)および拡散定数Dを有す る水膨潤性中間層Cによって隔てられている。層AおよびBによって中間層Cの 境界に適用される有効イオン濃度は、層Cの水輸送性によって大きく変化する。 二酸化塩素は疎水性マトリックスおよび水素結合マトリックスのいずれにも同 様によく拡散し得るので、中間層Cは広範な材料から成っていてよい。そのよう な材料は、ポリアイオノマー、例えばプロトン化および中和、スルホン化、また はホスホリル化したオリゴ−またはポリ−アルケン(例えばポリエチレン、ポリ プロピレン、アルキルアクリレートおよびそれらのコポリマー)を包含する。脂 質置換ポリヒドロキシアルコールホスフェートおよびホスホシリケート、並びに それらとアルケンポリマーおよびオリゴマーとの混合物も好ましい。水によって 触媒される二酸化塩素への反応を遅延するために、微細な無水塩または乾燥剤を いずれの層に加えてもよい。 複合材料中の層配列が式:C(ACB)nC[式中、nは所望のパルス数である。] で示される多層複合材料構造は、高濃度の二酸化塩素を数週間または数箇月間に わたって周期的にパルス放出することがわかった。そのようなパルス放出は、ウ イルス、カビ、真菌および細菌の増殖、インキュベーションおよび汚染に合わせ て調整することができる。二酸化塩素のサイクル時間およびピーク濃度は、層A 、BおよびCの層の厚さ、クロライトおよび無水物の量、並びに水およびイオン の透過性によって調節し得る。各層(ACB)1に水蒸気およびヒドロニウムイオ ンが順次浸透するにつれ、パルス放出が起こる。CDC型の構造を形成すること もできる。ここではDはAおよびBの混合物またはエマルジョンであり、相サイ ズは約0.2〜100μである。CDC複合材料の構成材料は、C(ACB)nC複 合材料のものと同じであってよい。更に、前記のようなパルス放出を提供するた めに多層複合材料C(DCD)nCを形成し得る。 約1〜200日間にわたる二酸化塩素のパルス放出は、厚さ5milのフィルム A、BおよびCの場合、酸放出剤含有疎水性層Aと、クロライトアニオン含有親 水性層Bとを、変化するヒドロニウムイオン輸送速度を支持し得る中間層Cで隔 てることによって達成し得る。 多層フィルムのパルス放出性は、実施例16に説明するように計算し得る。 本発明の複合材料の用途は広い。水分への曝露が起こり得る多くの環境におい て、複合材料を使用し得る。複合材料は、水分の不存在下には二酸化塩素を放出 しない複合材料で表面を処理し、処理した表面を水分に曝露して二酸化塩素を複 合材料から材料周囲の雰囲気中に放出させることによって、材料表面におけるカ ビ、真菌、ウイルスおよび細菌の増殖を抑制するため、および/または材料を脱 臭するために使用し得る。処理表面は通例、容器の一部、または容器内に配置す る基材の一部である。 容器内で生じる殺菌雰囲気は、細菌汚染またはカビ増殖に対して、食品、例え ばブルーベリー、ラズベリー、イチゴ、および他の製品、牛挽肉パテ、鶏フィレ 、および他の肉、強化食品、ペットフード、乾燥食品、穀類、穀粒、またはあら ゆる多くの食品を保存するために利用し得る。固形石鹸、洗濯洗剤、保管書類、 衣類、塗料および種子を、カビ増殖から保護し得る。医療器具、装置および用品 並びに使捨てまたは非使捨ての個人ケア用品を滅菌して、微生物汚染を防止する ことができる。医療および生物学的廃棄物を滅菌して、廃棄物中の微生物を殺す こともできる。運動靴、使捨て履物、および廃物の臭気も、それらを処理容器に 入れることによって軽減することができる。 従来の容器、例えばペーパーボードもしくはコンテナボード箱、波形、不織、 プラスチックまたはポリマーの積層容器、セルロース、プラスチックもしくは紙 の袋、種子包み、またはゴミ箱を使用し得る。 処理表面は、再使用可能または使捨てのマットまたはシート、例えば歯科トレ ーカバー、外科トレーカバー、シャワーマット、不織包帯材料、肉切りボード、 引き出しもしくは棚のライナー、運動具袋またはジムロッカーのインサート、食 品包装材、ハンバーガーパテ分離用ペーパーシート、肉包装トレー、静脈内バッ グの包装に使用するオーバーポーチ、生果物セパレーターもしくはボックスライ ナー、家禽肉、獣肉、海産物もしくは農産物用の吸収材パッド、または襁褓に使 用する吸収材層であり得る。そのようなマットまたはシートは通例、紙、セルロ ース、ポリマー、織布または不織材料から製造したものである。 種子を貯蔵中にカビおよび真菌から保護し、種子を蒔いた時に真菌増殖から保 護するために、種子表面をコーティングするためにも、前記方法を用いることが できる。そのコーティングは、水分によって活性化されると、種子周辺の土壌中 に二酸化塩素の微小雰囲気を形成し、通常種子の発芽を妨害し得る真菌増殖を抑 制する。このコーティングは、種子の発芽には影響しない。貯蔵中の種子は、保 護のために物理的にコーティングする必要はなく、活性材料を、包み、「ティー バッグ」または容器コーティングとして内蔵する密閉容器に入れることができる 。複合材料を含浸させた紙は、種子の保護に充分な二酸化塩素を発生する。どの ような種子もコーティングによって保護することができるが、食用種子、例えば トウモロコシ粒、ヒマワリ種子または大豆をコーティングしたものも、人間が消 費するのに依然適当である。すなわち、コーティングした種子は、栽培または人 間による消費に提供し得る。 表面を本発明のいずれの複合材料で処理するのにも、当分野でよく知られた従 来のコーティング、押出、積層および含浸法によって行い得る。 本発明の他の態様は、ある表面において真菌、細菌またはカビの増殖を抑制し 、および/または表面を脱臭する方法であって、該表面を、水分不存在下には二 酸化塩素を放出しない複合材料で処理し、該処理表面を水分に曝露して、二酸化 塩素を複合材料から表面周囲の雰囲気中に放出させることによる方法である。 好ましい用途は、水虫および他の真菌を防ぐためのフットパウダーを包含する 。この粉末は、足の表面に直接適用するか、または靴中敷に組み合わせ得る。複 合材料を、靴中敷の布カバーとフォームパッドの間に適用し、フォームパッド内 に含浸させ、またはシューカウンターもしくはアッパーライニングに含浸もしく はコーティングし得る。靴内の水分によって発生した二酸化塩素は、複合材料か ら雰囲気中に拡散して、真菌を殺菌し、靴を脱臭する。粉末を、従来の成分、例 えばタルク、コーンスターチ、香料、硝酸ミコナゾール、トルナステートシリカ 、ホウ酸、アルミニウムクロロハイドレート、サリチル酸およびセルロースと混 合し得る。粉末を他の成分と混合して、バスパウダー、またはサポーターによる 痒みの処置用パウダーに使用してもよい。 粉末をカーペットに適用して、カーペットを脱臭することもできる。粉末状の カーペット脱臭剤またはクリーナーに通常含まれる成分を、本発明の粉末と混合 し得る。複合材料を、踏むと壊れて水分で活性化されるマイクロカプセルに調製 してもよい。そのようなマイクロカプセルは、床、シャワーもしくはバスマット に含浸させるか、またはカーペット脱臭に使用し得る。 複合材料の他の用途は、自己滅菌包装の提供である。これは、医療産業におい て特に有用である。複合材料を、疎水性材料または親水性材料の分離した層とし て、チューブ、コネクター、フィットメントまたは他の成分の個別の構成部分に コーティングし、それら成分を押し合わせて活性化する。例えば静脈内バッグに 使用するチューブフィットメントの処理において、1個のチューブフィットメン トの表面を、酸放出剤含有疎水性フィルムでコーティングし、他の1個のチュー ブフィットメントを、クロライト含有親水性フィルムでコーティングし、フィッ トメントの処理表面を水分存在下に連結して、処理表面から材料周囲の雰囲気中 への二酸化塩素放出を開始し得る。移植用カテーテル、針、腹膜内透析、経皮デ バイス、経皮アクセス、結腸造瘻バッグおよび他の医療装置のフィットメントも 、上記方法で処理し得る。更に、包装のクロージャーをそのように処理して、医 療装置、器具および用品の自己滅菌包装を提供することができる。 本発明の複合材料が、肉表面の細菌を殺菌することは予想されていた。しかし 、牛挽肉パテに浸透することは、予想外であった。複合材料で処理した紙から発 生する二酸化塩素は、パテの厚さにわたって有効に浸透し、肉加工時の汚染に由 来する大腸菌およびサルモネラ菌のような細菌を殺菌することがわかった。汚染 肉中の大腸菌O157:H7は、死亡および重症をもたらし、調理、発酵および 乾燥に対する耐性が特に大きいようである。商業的な肉パテ製造の通常の作業に おいては、肉を挽き、押出し、パテを形成し、それを、パテどうしの付着を防ぐ ためにコーティングしたペーパーシートで分離する。包装後、この挽き肉を冷蔵 する間、二酸化塩素に曝露して殺菌および細菌増殖防止することができる。 以下の実施例は、本発明の好ましい態様および利用を説明するもので、請求の 範囲の記載の他に本発明を制限することを意図するものではない。 実施例1 33重量%ホルムアミド、33重量%アクリルアミド、および33重量%イソ プロピルアクリルアミドから成るアミド混合物中の7重量%亜塩素酸ナトリウム 溶液を含有する親水性物質を製造した。次に、エチルベンゼン可塑剤中に33モ ル%無水マレイン酸および66モル%スチレンから成る40%コポリマー溶液を 含有する疎水性物質を製造した。疎水性物質は親水性物質と混合すると、渦を形 成した。2つの分散物質から得られる白色混合物が、室温において、5分以内に 、添加水の不存在下に、二酸化塩素の持続放出(徐放性放出)を開始した。分散 液中の水の界面相拡散によって、無水物の加水分解が開始した。加水分解の間に 形成されるヒドロニウムイオンがクロライトアニオンと反応して二酸化塩素を放 出した。放出速度は、混合物を0℃に冷やすかまたは物質の粘度を増加すること によって、遅くすることができた。 実施例2 メタノール中10重量%溶液としての少量の酢酸の存在下に、ジ(n−プロピ ル)アミン0.2モルとアクリルアミド0.1モルとを反応させることによって、 1−(N−ジプロピルアミノ)−2−カルボキシアミドエタン(DPACAE)を 製造した。反応を70℃で3時間行った。過剰アミンの真空蒸留およびペンタン 存在下の結晶化の後、融点以上での長期加熱によってアミンを失いアクリルアミ ドを形成する傾向のある白色低融点固形物を得た(Tm=60℃)。 ジメチルアミン0.2モル(40重量%水溶液として)とアクリルアミド0.1 モル(10重量%メタノール溶液として)とを反応させることによって、1−( N−ジメチルアミノ)−2−カルボキシアミドエタン(DMACAE)を製造し た。反応を室温で1時間行った。過剰アミン、メタノールおよび水の真空蒸留の 後、DMACAEを塩化メチレンに取り、硫酸マグネシウムで乾燥し、低融点( Tm=45℃)吸湿性固体として単離した。 DPACAEおよびDMACAEが両方とももっぱらゆっくりと結晶化し、従 って、室温において液体状態で検査することができた。どちらの純粋液も亜塩素 酸 イミニウムを形成しなかった。しかし、ホルムアミドまたはアクリルアミド−イ ソプロピルアクリルアミド中10−30重量%溶液は、二酸化塩素に暴露した時 に亜塩素酸イミニウムを形成した。 実施例3 ペンタン中二酸化塩素の6.0x10-5モル溶液の必要量を、純粋形態(その ままの形態またはニート(neat)形態)またはホルムアミドもしくはイソプ ロピルアクリルアミド−アクリルアミドメルトに10〜30重量%に溶解したア ミン約3.0x10-4モルの上に重ねることによって、アミン−二酸化塩素反応 を調べた。ペンタン存在下、氷冷水中で渦攪拌しながら、理論量の亜塩素酸ナト リウムと少量の水中の過硫酸カリウムとを反応させることによって、二酸化塩素 −ペンタン溶液を調製した。次に、上澄みペンタン層を除去し、密封容器中硫酸 マグネシウム上で乾燥のまま維持した。 反応生成物の酸性化、および希HCLに暴露後のUV/Vis分光分析法によ る二酸化塩素の臭いおよび色の観察によって、亜塩素酸塩の形成を検出した。I Rスペクトルの観察によって、亜塩素酸塩の存在がさらに証明される場合もあっ た。830cm-1における亜塩素酸塩の特徴的なIR吸光が、その存在を証明し た。 下記の純粋第一級アミンが、二酸化塩素に暴露したときに亜塩素酸塩を形成し た: H2NCH2CH2OCH2CH2OH、H2NC(CH3)2CH2OH、H2NCH2C H2NHCH2CH2OH、H2NCH(CH3)2、H2NCH2CH2OH、 および、 式R23NH(式中、R2およびR3はそれぞれ独立して、ヘキシル、ベンジル 、n−プロピル、イソプロピル、シクロヘキシル、アクリルアミド、または−C H2CH2OHである)で示される純粋第二級アミンによっても亜塩素酸塩が形成 された。これらのアミンは、アミンがホルムアミド溶媒中にある場合にも、亜塩 素酸塩を形成した。 下記第二級アミンは、ホルムアミドまたはイソプロピルアクリルアミド−アク リルアミドで可塑化されたときに亜塩素酸塩を形成した: [式中、R4はシクロヘキシルまたはベンジルである]、および [式中、nは2または3である]。 イソプロピルアクリルアミド−アクリルアミドおよびアミンはまた予備重合され 、約0.01%アゾビスイソブチロニトリル開始剤の存在下に60℃〜70℃に 加熱することによってフィルムを形成したが、フィルム温度がガラス転移温度を 越える限りは亜塩素酸塩を形成した。 式R89NCH2CH2C(O)NH2[式中、R8はメチル、R9はn−プロピル である]で示される水素結合アミンは、ホルムアミドまたはイソプロピルアクリ ルアミド−アクリルアミド溶媒中にある場合に、亜塩素酸塩を生じた。しかし、 R8およびR9がイソプロピル基であるとき、純粋アミンは亜塩素酸塩を生じなか った。式N(CH2CH2OH)3で示される純粋水素結合アミンは、亜塩素酸塩を 生じ、アミンがホルミアミドまたはイソプロピルアクリルアミド−アクリルアミ ド 溶媒中にある場合にも亜塩素酸塩を生じた。 水素結合が必要であるかどうかを判断するために、ミカエル添加法(Michael addition process)を用いて、生成物のアミン部分が水素結合を有さず、ニトリ ル部分が非常に極性であるような2−プロペンニトリルおよび(i−C37)NH CH265の反応生成物を得た。純粋アミンまたはホルムアミドに溶媒和した アミンが、二酸化塩素に暴露されたとき、安定な亜塩素酸塩を発生させるのに充 分な極性ではなかった。ニトリル基は、亜塩素酸塩がアミンを逆攻撃して二酸化 塩素に再変換できないような形態に亜塩素酸塩を分解するようなホルムアミドを ブロックする。従って、無極性雰囲気下のアミンは二酸化塩素と反応するが、そ のような雰囲気下においては、クロライトイオンが不安定であることが判明した 。 式NR567[式中、R5およびR6はメチルであり、R7はシクロヘキシルま たは4−ピリジルである]で示される非水素結合第三級アミンは、ホルムアミド またはイソプロピルアクリルアミド−アクリルアミド中に可溶化され、安定な亜 塩素酸塩を形成した。R5がベンジル、R6がシクロヘキシル、R7がドデシルで あるか、またはR5、R6およびR7がn−ブチルまたはエチル基であるアミンは 、ホルムアミドに不溶性であり、亜塩素酸塩を形成することができなかった。( CH3)2NCH2CH2N(CH3)2はホルムアミドに可溶性であり、亜塩素酸塩を 生じたが、溶媒によって可溶化されたけれどもイソプロピルアクリルアミド−ア クリルアミド中では亜塩素酸塩を生じなかった;純粋またはアセトニトリル中の アミンは亜塩素酸塩を生じなかった。 従って、親水性物質によって溶媒和されるか、またはヒドロキシル、アミド、 第一級アミンまたは第二級アミン置換基のような水素結合基によって置換された 充分に高いpKaの窒素を有するアミンが、二酸化塩素との反応によって亜塩素 酸塩を形成することが見い出だされた。 アミンを種々の溶媒に溶解して上述のようなアミン−二酸化塩素反応を繰り返 して、反応効率に対する溶媒の影響を調べた。全ての二酸化塩素を水に放出した 。メタノール、アセトニトリル、メトキシエタノール、エタノール、またはエト キ シエタノールに放出したよりも多くの二酸化塩素を、グリセリンまたはエチレン グリコールに放出した。トルエンまたはベンゼン中の希釈溶液としての疎水性物 質中に、懸濁または溶解し、二酸化塩素に暴露した亜塩素酸塩は、二酸化塩素と 反応したが、酸性化したときに少量の二酸化塩素を放出しただけであった。エタ ノールのような、これらの溶媒の多くは、亜塩素酸イミニウムを強塩基で安定化 してクロライトカウンターイオン(対イオンとも言う)を保持しなければ、長期 保存の間にクロライトカウンターイオンを保持しない。 実施例4 (CH3)2NCH2CH2C(O)NH2、(n−C37)2NCH2CH2C(O)NH2 、および(i−C37)2NCH2CH2C(O)NH2のような短い無極性基でモノ置 換されたアミンは、ホルムアミド中で安定な亜塩素酸塩を形成した。短い無極性 基で置換されたアミン、即ち(CH3)2NCH2CH2C(O)NH(i−C37)、(n −C37)NCH2CH2C(O)NH(i−C37)およびi−C37N(CH2CH2 C(O)NH2)2は、安定な亜塩素酸塩を形成しなかった。しかし、n−C613N (CH2CH2C(O)NH2)2およびn−C1225N(CH2CH2C(O)NH2)2のよ うな、6またはそれ以上の線状アルカン長さを有するアミンは、ホルムアミド中 で安定な亜塩素酸塩を形成した。一旦無極性鎖長がある長さに到達すると、連続 親水領域に囲まれた不連続疎水領域での、ミクロ相(microphase)のミセルへの 分離が起こることが可能である。このようにして、不安定化無極性相が反応雰囲 気から除去された。 実施例5 下記ポリマーを合成し、NMR法を用いて特性を調べ、物理的特性および二酸 化塩素の取り込み(および放出)性能を評価した: [−CH2CH2N(CH2CH2CH3)−]n [−OCH2CH(CH2N(CH3)2)−]n [−CH2CH(OCH2CH2N(CH3)2)−]n [−CH2CH(C(O)N(H)CH2CH2CH2N(CH3)2)−]n これらのポリマーのうち、最後のポリマーは、側基を有する最も柔軟なアミン を有し、ホルムアミド中における最も効率的な二酸化塩素の取り込みおよび放出 を示し、これはインチェイン(in-chain)アミンで示されるよりも実質的な向上 である。このポリマーは溶融ウレアにおいても可溶性であった。 実施例6 J.March,「Advances in Organic Chemistry:Reaction Mechanisms and Stru cture」,4th Ed.,John Wiley,N.Y.,p.903(1992)に記載のように、対応する 第一級または第二級アミン、シアン酸ナトリウムおよび塩酸から、N−アミド結 合および第三級アミン中心を有する下記化合物を純粋形態で合成した。 Me2N(CH2)3NHC(O)NH2 HNMR: 1.5、2.1、2.2、2.95、5.5、6.2 N(CH2CH2NHC(O)NH2)3 HNMR: 2.4、3.0、5.65、6.25 HNMR: 2.35、3.2、5.6、6.05 ppm これらの各化合物が二酸化塩素と反応し、後にホルムアミド中で酸性化によって 二酸化塩素を放出し、それらの第一級または第二級アミンのN−アミド置換を有 する第三級アミン化合物が、適切な親水性溶媒に溶解したときに二酸化塩素を錯 体化することができることを示す。ホルムアミドへのウレア添加が明らかに、取 り込みおよび放出効率を向上させた。 実施例7 第三級アミンジメチルアミノアクリルアミド(DMAA)最大50重量%を、 ウレア50重量%およびn−メチルアセトアミド(NMA)50重量%溶媒を含 有する親水性溶媒に50℃で加え、室温に素早く冷やした。この溶液は、室温で 無期限に単一相を維持した。ウレア33重量%、NMA33重量%および酢酸ナ トリウム33重量%を含有する溶媒、ウレア35重量%、NMA55重量%およ びナトリウムメトキシド10重量%を含有する溶媒、ウレア70重量%および酢 酸ナトリウム30重量%を含有する溶媒へのDMAA20重量%の添加に関して 、同様の挙動が認められた。 前記混合物をペンタン中の二酸化塩素溶液に暴露し、反応が実質的に遅くなる 前に、2つの各アミン基に対して1つの二酸化塩素を素早く取り込む(1分)の が観察された。親水性物質の最終pHは、塩基側のままであった。僅かな曇りが 、50重量%ウレア/50重量%NMA−DMAA混合物、および33重量%ウ レア/33重量%NMA/33重量%酢酸ナトリウム−DMAA混合物に見られた が、DMAA−35重量%ウレア/55重量%NMA/10重量%ナトリウムメト キシド混合物は澄明のままであった。 0.1N HCl(pH<5)で酸性化すると、亜塩素酸塩の形成から最大30 分で、3つの全ての混合物から二酸化塩素の完全な放出が観察された。二酸化塩 素の既知量を含有する溶液の色を参照することによって、二酸化塩素の放出を評 価した。この後、異なる挙動が観察された。例えば、2時間後、50重量%ウレ ア/50重量%NMA−DMAA混合物は、二酸化塩素を放出しなかった。33 重量%ウレア/33重量%NMA/33重量%酢酸ナトリウムは、2時間後、室 温において、完全に二酸化塩素を放出した。しかし、二酸化塩素の3分の1のみ が24時間後5℃において放出され、さらに24時間後、室温において二酸化塩 素が生じなかった。 35重量%ウレア/55重量%NMA/10重量%ナトリウムメトキシドは、 5℃で3日間の保存後に完全な放出が認められたという点で、最も安定した塩素 酸塩安定性を示した。室温で24時間後にも、完全な放出が認められた。強無機 塩基の存在が、ウレアに基づく溶媒中の塩素酸塩の安定性を大きく向上させる。 20重量%DMAA−35重量%ウレア/55重量%NMA/10重量%ナト リウムメトキシドメルトを、60℃で、最大1時間、300MHzプロトンNM Rで調査して、DMAA分解が起こるかどうかを調べた。毒性の観点から、DM AAの第二級アミンおよび毒性アクリルアミドへの分解は非常に望ましくない。 1時間の加熱期間中、分解が観察されなかった。アクリルアミドアルケン共鳴 が6〜4ppmであると予想されたが、全く見られなかった。ウレアのいくらか の重合が、6〜7ppmにおけるシャープなウレアバンド下の幅の広いバンドに よって示された。DMAAがウレアに基づく溶媒に混合された温度50℃よりも かなり高い温度120℃で2時間加熱後に得られたNMRは、線幅の増加および 8〜6ppmのウレア共鳴における複雑さから示されるようなウレアの広範囲な 重合を示した。しかし、アルケンアクリルアミド共鳴は見られなかった。従って 、20重量%DMAA−35重量%ウレア/55重量%NMA/10重量%ナト リウムメトキシド系は、毒性アルケン生成物を生じなかった。 溶媒の不十分な乾燥による亜塩素酸塩の安定性の変化を防止するために、注意 深く乾燥したウレア40重量%(減圧乾燥:80℃、18時間、0.1トル)、お よびNMA60重量%(CaO−夜還流および蒸留)を混合し、120℃で18 時間加熱した。必要量の清浄ナトリウム金属をアルコールと反応させ、生成物を ジエチルエーテルで洗って単離することによって、アルコキシドを初めに乾燥粉 末として単離した。全ての混合を、乾燥窒素雰囲気下に行った。ウレア/NMA 混合物の予備乾燥は、室温において少なくとも1週間の亜塩素酸イミニウム塩の 室温安定性を結果として生じた。 次に、所望量のアルコキシドを、最少加熱によってウレア/NMA溶媒に、続 いてDMAAに溶解して、室温において澄明な粘稠液体を形成した。いくつかの ウレア/NMA/DMAA/ナトリウムアルコキシド親水性物質複合物の二酸化 塩素取り込みおよび放出の結果が表1に示されている。放出特性は、優れている (9)〜悪い(1)の相対尺度に基づく。 アルコキシドの存在は、亜塩素酸イミニウムの長期安定性を促進する。しかし 、アミン1モルについて0.5モルより多い二酸化塩素の添加は、亜塩素酸イミ ニウムの安定性を実質的に減少させた。 乾燥した暗い条件下での3週間の保存後、相の酸性化時に二酸化塩素の少なく とも60%が放出されたという点で、ナトリウムエトキシド23%、ナトリウム イソプロポキシド31%またはナトリウムt−ブトキシド30%を含有する相に 関して、優れた長期安定性が室温において見い出された。1週間後に二酸化塩素 の放出において変化が見られなかったので、これらの相が一週間後に無期限に安 定であると考えられた。 実施例8 疎水性酸放出ワックスを製造するために、炭化水素ワックス(Tm=60℃) またはアタクチックポリプロピレン(APP)を初めに、窒素下、70℃におい て、攪拌しつつ溶融した。当量のグリセロールモノステアレートまたはグリセロ ールジステアレートを次に、溶融ワックスまたはAPPに溶解した。3当量のグ リセロール化合物ヒドロキシル官能基に対し2当量(燐に基づく)の粉末五酸化 燐を、凝集を避けるためにゆっくりメルトに加えた。メルトを80℃でさらに2 時間攪拌後、1当量のテトラエチルオルトシリケートを加え、エタノールの即時 発生が認められた。攪拌をさらに4時間継続する一方、温度をゆっくりと100 ℃に上げ、エタノールの混合物を10cc/分の窒素流速でパージした。続いて、 反応フラスコを100℃で排気して残留エタノールまたはテトラエトキシシリケ ートを除去し、窒素で満たし、冷却した。ワックス−酸放出剤(LPOSI)の 軟化が、約60℃〜70℃において始まった。ワックスの粘度は100℃におい て100cPであった。 LOPSIの製造法を下記のように要約することができる。加水分解の際、二 酸化珪素および燐脂質が形成される。 初めに市販の亜塩素酸ナトリウムを乾燥メタノール中に3重量%の量で溶解し 、得られる溶液を濾過して炭酸ナトリウム不純物を除去することによって、亜塩 素酸塩粉末を製造した。次に、同軸の液体および窒素流を用い、セルフサイホニ ン グ押出ヘッドを通して、乾燥窒素中100℃において、亜塩素酸溶液を無水スプ レードライヤーに押し出した。直径約5ミクロンの小さい亜塩素酸ナトリウム粒 子を分離するためにサイクロン分離器に通した後に、粉末を乾燥雰囲気下に保存 した。 純粋亜塩素酸ナトリウム、または重量比1:1および1:2の亜塩素酸ナトリ ウム粉末と無水硫酸ナトリウムの混合物を、窒素充填容器の底に流動させた。次 に、直径7ミルのノズルを通して、窒素背圧30〜80 lbs/in2で、酸放出ワッ クスの流れを流動床に導き、亜塩素酸塩および硫酸塩粒子で封入されたワックス 粒子を製造した(図4中、1:1プレ(pre)および2:1プレとして示されてい る。)。次に、自由に流動する粉末を、乾燥雰囲気下に保存した。無水硫酸ナト リウムが、亜塩素酸塩−ワックス粒子と後混合する場合もあった(即ち、図4中 の1:1ポスト(post)および2:1ポスト)。 図4は、漏れ2x10-9モル/秒の約62cc容量のペトリ皿に置かれたいくつ かの粉末複合物200mgからの二酸化塩素放出速度を示す。数日にわたる制御放 出が、約75°Fおよび相対湿度40%において達成された。 実施例9 疎水性酸放出ワックスを、実施例8に記載のように製造した。低融点炭化水素 ワックス(Tm=60℃)中の酸放出ワックス約5ミルを、板紙の両面に溶融塗 布することによって、即時放出系のための制御放出層を処方した。次に、メタノ ールが再結晶した、低融点ワックス中の10重量%亜塩素酸ナトリウムの約5ミ ル厚層を、酸放出層の上に溶融塗布した。次に、約5ミル厚の他の酸放出層を亜 塩素酸塩含有層に塗布した。制御放出物質の全容量は、0.25ccであった。 二酸化塩素濃度が、時間の関数として、2週間、湿度および温度と共に自動的 に記録されるように、2つの二酸化塩素測定センサー(0〜10ppmおよび0〜 100ppm)をコンピューターと連結した。両センサーの末端が、ペトリ皿の上 蓋に開けた小さい2つの穴を通って、閉じたペトリ皿中の二酸化塩素雰囲気に暴 露された。ペトリ皿が、蓋が鋸歯状の縁で底と接触する「呼吸可能な」種類であ るので、部屋の湿度および温度が、ペトリ皿中で測定されるものに近く、ペトリ 皿を周囲の環境から遮断しなかった。 この配置において、酸放出層が亜塩素酸塩含有層と直接接触に配置され、フィ ルムがペトリ皿に配置されると直ぐに、二酸化塩素の即時解放が観察された。図 5に示されるように、二酸化塩素ガス濃度が、5〜6日において、指数関数的に 、13ppmの高さから1ppmに下がった(ゼロ未満濃度において生じる検出誤差± 0.5〜1.0ppm)。しかし、驚くべきことに、図6に示すように、この指数関 数的挙動に重ね合わされた濃度ピークは、温度に相関し、相対湿度に相関しなか った。 3つの菌種、Chaetomium globosum(CG)、Aspergillus terreus(AT)、およ びAspergillus niger(AN)を、養分として板紙を用いて、ミネラル添加、栄 養素無添加寒天斜面において増殖させた。「Fungus Resistance of Paper and P aperboard」と題するTAPPI標準法T487 pm−85に従って、全ての増 殖調査を行った。 6つのサンプルを、菌抵抗性に関して室温で2週間、二重に試験した。写真比 較によると、2週間後、対照標準サンプルにおいてかなりの増殖を示し、一方、 制御放出フィルムに関しては増殖が示されなかった。これら3つの菌を殺すこと における二酸化塩素の有効性が、2週間の調査から明白であった。 実施例10 遅延放出系においては、中間ワックス層によって亜塩素酸塩層から分離された 酸放出層で、板紙断片の片面が被覆された。亜塩素酸塩層中の5ミル厚の親水相 は、亜塩素酸ナトリウム10重量%、(NH2C(O)CH2CH2OCH2CH2)2O 50重量%、およびホルムアミド40重量%を含有する透明ブレンドであった 。約5ミル厚の未改質ワックス層によって、約5ミル厚の酸放出LPOSIワッ クスから、亜塩素酸塩層を分離した。制御放出物質の合計容量は約0.25cc であった。 酸放出層が中間ワックス層によって亜塩素酸塩含有層から分離された場合に、 二酸化塩素放出の遅延が認められた。この場合、図7に示すように、放出のピー クが1日後に認められた。図8に示すように、平均挙動に重なる個々の濃度ピー クがここでもまた、温度に相関するが、湿度に相関しなかった。 実施例9において試験された3つの菌種を、TAPPI標準法T487 pm− 85に従って、養分として板紙を用いて、ミネラル添加、栄養素無添加寒天斜面 において増殖させた。 6つのサンプルを、菌抵抗性に関して室温で2週間、二重に試験した。結果を 表2に示す。写真比較によると、2週間後、対照標準サンプルにおいてかなりの 増殖を示し、一方、制御放出フィルムのほとんどが増殖を示さなかった。菌が制 御放出フィルム上で増殖したわずかの場合において、唯1つの核が関係していた 。常に、この核は、凝集構造によって何らかの自己保護効果が発生する菌胞子の 大きな凝集塊であった。 実施例11 これらの実施例に使用された多孔紙は、1つの未処理面と、光沢のある1つの 面とを有していた。二酸化塩素放出被膜が紙の未処理面に塗布され、二酸化塩素 放出複合シートは光沢面が外側になるように組み立れられた。続いて、紙の光沢 面のみが肉片と接触した。被覆工程の間の取り扱いが容易になるように、約3フ ィートx8インチのシートがカットされた。原重量は5mg/cm2であった。 ワックスコーターを用い、約190°Fで操作して、攪拌五酸化燐の大皿を入 れた窒素充填乾燥ボックス中で、LPOSI酸放出ワックスを多孔質基材紙に塗 布した。多重被膜が使用される場合には、次の層を塗布する前に紙を冷やしても よい。紙が被覆されたら、保存に適した乾燥雰囲気中に密封される。 コーターを用い、室温で操作して、亜塩素酸塩含有紙が、メタノール溶液から 塗布される。初めにメタノール500ml中にポリN−ビニルピロリドン(PVN P、1.7x106M.W.)25グラムを溶解し、続いて亜塩素酸ナトリウム(工 業銘柄)15グラムを溶解することによって、典型的な被覆溶液を製造した。こ の均質溶液を直ぐに使用した。単一基材上に多重被膜が所望であれば、塗布の間 に被膜を乾燥させてもよい。亜塩素酸塩含有紙を次に、保存のために乾燥雰囲気 に密封した。 使用の直前に、亜塩素酸塩含有フィルムを、LPOSI含有フィルムと共に、 室温で圧縮成形して、二酸化塩素放出二層複合物を形成した。10,000lbs/ in2以下の圧力が、冷流および亜塩素酸塩含有フィルムへのワックスの付着を誘 発するのに充分であった。 亜塩素酸塩およびワックスの負荷量を計量するために、被覆された基材二層の それぞれ別個のシートのサンプルを、圧縮操作の間に任意に除いた。これらのシ ートをカットし、測定し、計量し、次に表3に示すように、非被覆紙のデータと 比較した。五酸化燐および関係式: 5ClO2 -+4H+ → 4ClO2+2H2O+Cl- に基づく理論量の酸産生量の計算は、最適ClO2使用に関して、約0.14gN aClO2/gワックスの比を示す。 ペトリ皿中、大気条件下で、センサーシステムおよび実施例9に記載したガス 漏れ速度を用いて、フィルムから放出される二酸化塩素濃度を、湿度および温度 と共に、監視した。サンプルを数日間監視した。図9は、各層2被覆(2:2) のシートから成るサンプルから得られるデータから生じる典型的なプロットを示 す。サンプルを、異なる負荷レベルにおいて監視した。全サンプルが、最初の2 〜3時間の10〜20ppm二酸化塩素の即時最大放出、その後数日間の放出にお いて非常に漸進的な減少を示した。より多い負荷は、最大初期濃度を高め、放出 を引き延ばすのに役立った。 実施例12 E.coliバクテリアのコロニー形成単位(CFU)の高負荷量で最初に負荷さ れた2:2負荷紙が、異なる密度に詰め込まれた挽肉パティ(パッティー)間の セパレーターとして、使用された。表4に示すように、バクテリア増殖の実質的 な減少が認められた。ゆるく詰めたパティにおいては、二酸化塩素ガスがパティ の内部へのアクセスを有し、その結果、より完全な死滅処理量を生じた。 実施例13 Escherichia coli ATCC(American Type Culture Collection)#26が、Try ptic Soy Broth(Difco 0370-17-3)中で増殖して、培養液1mlにつき10億の コロニー形成単位を含有する600nmにおける光学濃度0.8の対数期活性にな った。この濃度は、3つ分離した希釈液に関してプレート計数を用いて証明され た。 下記の接種法によって、バクテリアの均一分散が、濃密に詰めた肉において確 認された。使用の6時間前に購入し、8℃で保存した2キログラムのチリ挽肉サ ーロインを、平鍋に入れ、押しつけて平らなシートにした。ガラスロッドで肉に 5つの穴を開け、バクテリア培養液0.1mlを各穴にピペットで入れた。次に肉 をこねてバクテリアを均一に分散させた。これをさらに3回繰り返し、それぞれ の回に少なくとも1分間激しくこねた。培養液濃度109cfu/mlで、接種原2ml を肉に添加したので、100万cfu/グラムの濃度が肉に導入された。 次に、台にのせた手回しソーセージグラインダーで肉を再度挽き、肉を平鍋に 入れ換えてパティにし、パティをチューブでカットしてポジティブコントロール (即ち、E.coliバクテリア添加)のパティを形成した。同じ源からのネガティ ブコントロール(即ち、バクテリア無添加)の挽肉サーロインを、初めに非汚染 グラインダーで挽いて、それ自身の汚染を防いだ。パティは、2重に作られ、0 および60時間で試験されるネガティブコントロールと、0、4、24および6 0時間で試験されるポジティブコントロール、および0、4、24および60時 間での試験サンプル(即ち、パティが本発明の二酸化塩素放出フィルムに暴露さ れる)から成った。 パティを、蓋付きの直径10cmのプラスチックペトリ皿中の未改質紙または2 :2二酸化塩素放出フィルムで被覆した紙(実施例11に記載)の間に置いた。 二重のサンプルを有する2つのペトリ皿を次に、再度密閉できるプラスチックバ ッグに入れ、通常の冷蔵庫中に4℃で必要時間保存した。 2つのサンプルを各パティから採り、1つは未改質紙によってまたは二酸化塩 素放出フィルムを有する試験紙によって接触された上部表面、T、から、または パティの中間の3分の1、M、から採った。角度が傾いたピンセットを用いて、 肉を小さく削り取るために表面をつまむか、または、下に掘って、中間の第三厚 さ領域を暴露することによって、サンプルを得た。ピンセットは、イソプロパノ ールに浸け、火に当てることによって、サンプルごとに滅菌した。 ねじ蓋試験管中の10mlの滅菌水ブランクを、高感度電子秤でゼロに風袋控除 し、約1グラムのサンプルを試験管に加えて、重さを記録した。次に試験管に蓋 をし、激しく振って肉を分散させ、バクテリアを放出させた。 上澄み液0.1mlをTryptic Soy Agar(Difco 0369-17-6)上に二重にのせ、回 転台上で、ガラストライアングルを用いて拡げた。ガラススプレッダーは、プレ ート作成の間にイソプロパノールおよび火で滅菌した。サンプル中の生存能力の あるバクテリア含有量を、37℃で24時間培養後、プレートを逆さにすること によって明視化した。 未接種ネガティブコントロールは、4℃で60時間に実質的増殖が認められず 、挽肉サーロインに通常見られるバクテリアの通常量を示した。接種したポジテ ィブコントロールは、トップと中間サンプルの間に非常にわずかな違いがあるだ けで、全ての時間において大量のバクテリア増殖が示された。未改質紙が抗菌効 果を有していれば、もっと少なかったであろう。 二酸化塩素暴露試験サンプルのコロニー計数を比較すると、弱い放出フィルム と接触したサンプルにおいては表面殺菌が減少したのを除けば、表面サンプルに 関しては、内部試験サンプルおよびポジティブコントロールサンプルに比較して 、50から100倍の殺菌が認められた。4時間暴露試験サンプルに関しては、 表面コロニー増殖が、内部試験サンプルまたはポジテフィブコントロールよりも 5〜100倍少なかった。60時間サンプルに関してなされた驚くべき観察は、 ポジティブコントロールサンプルと比較した場合の、暴露サンプルの内部および 表面部分の両方における高殺菌であった。 ポジティブコントロールプレートは過剰負荷されていると考えられるので、数 値で表す目的での直接比較は正確ではないが、およその計数によって、ほぼ50 〜200倍のコロニー計数の減少が示された。別の方法として、試験プレート計 数が、確認された接種原滴定量と比較された。 Ccfuと接種数(サンプリング希釈のために修正された)の間で、大まかに比較 することができる。これは接種に対する比(RTI)と称され、処理サンプルの 生存率と最大可能cfu計数を比較するためのものである。RTIは、Ccfu計数に 基づいて、60時間プレートに関して計算された。 二酸化塩素に暴露され、60時間試験されたパティのためのプレートのトップ サンプルの平均RTIは約170であり、これは、170倍の生存率減少を示す これらのパティの内部の平均RTIは約40であった。 しかし、60時間において、パティの中心のバクテリア生存率の大幅な減少が 見られた。二酸化塩素に暴露され、60時間試験されたパティを料理して、異常 な臭いが認められない通常の外見のハンバーガーが作られた。 実施例14 E.coli ATCC #26肉汁(105〜106cfu/g)中で混ぜ、挽いた後直ぐに、上 部表面積約25cm2を有する緩く詰めた0.75インチ厚の挽肉サーロインパティ を手で作った。初期接種原が、実施例13で使用した接種原よりも僅かに少ない 程度に増殖した。二酸化塩素の内部連絡空気路の通過を助けるために、緩い詰め 込みを用いた。 次に、パティを、実施例11に記載のような2:4または3:6二酸化塩素放 出紙の間に置き、再度密閉できるプラスチックバッグに封入されていたペトリ皿 カバーで覆った。次に、サンプルを4℃で3.5日間保存した。この暴露時間後 、3:6紙に接触している肉は、実施例13に記載のように植え込まれた表面ま たは内部サンプルからのバクテリア増殖を示さなかった。より低い二酸化塩素濃 度(2:4)に暴露されたパティの内部は、植え込まれている場合に、表面また は中間サンプルからのバクテリア増殖を示さなかった。 実施例13の結果と比較した場合、これらの結果は、4℃で2.5〜3日間、 制御された方法で放出されたときの、二酸化塩素の深く浸透する殺菌作用を確認 するものである。明らかに、殺菌作用は、多孔質の肉構造に対してより効果的で ある。 チキン胸肉を用いて追加の実験を行った。チキン胸肉のフィレを、希釈してい ないE.coli ATCC #6肉汁(108〜109cfu/ml)に繰り返し浸け、2:2二酸 化塩素放出フィルムの間に置き、次に、再度密閉できるプラスチックバッグの中 に入れたペトリ皿の中に入れ、冷蔵庫に4℃で3.5日間入れた。次に、肉の表 面を拭き、プレートを作成してバクテリア殺菌の兆候を得た。ここでもまた培養 後にバクテリア増殖が認められなかった。 実施例15 容器内での制御放出および殺菌作用に適した二酸化塩素放出フィルムのデザイ ンをここで記載する。合計厚l(l)+a[「a」は被膜の上のガス空間厚(l<x< l+a)]の透過性容器の内部を覆っている厚さl、(0<x<l)の被膜中の二 酸化塩素の濃度を表す方程式を、下記に示す。x=lで被膜の上部に存在する無 限小の厚さの完全に透過性の薄フィルムによって、二酸化塩素が発生する。 式中、 b=Dcαn 2、k'=4l/P、h=Dg/(c) 上記無限級数中の項、αnは、方程式:αtan(αl(l))=h−k'α2の根 Dc=被膜中の二酸化塩素の拡散定数(cm2/秒) Dg=ガス相中の二酸化塩素の拡散定数(cm2/秒) =漏れ孔の現象論的長さ(cm) P=Ccoat(x=1)/Cgas(X=1)=被膜とガス相との間の二酸化塩素の 分配に関するヘンリーの法則定数 Q=制御放出フィルムからの二酸化塩素発生定数(モル/cm2/sec2) k=a、ガス相の合計厚 s=制御放出フィルムからの二酸化塩素の最大放出速度の時間の逆数 C(α)対αをt=s-1においてプロットすることによって、拡散定数、漏れ速 度、h、相分配および寸法定数、k'、二酸化塩素放出速度、Q、および放出に 関する緩和時間の逆数、s、の所定の組み合わせに関して、C(x,t)が求め られる。例として、ガス空間0.8cmおよび寒天0.2cmを含む合計厚1cm、断面 積62cm2のペトリ皿に関して、C(l,t)が計算された。生物学的製剤がx= lにおいて導入され、寒天中で増殖するので、この濃度を計算することは重要で ある。制御放出フィルムによって二酸化塩素が発生したときの液相への二酸化塩 素の強い分配によって、この計算が必要とされる。試験フィルムによって発生し た放出速度においては、ガス相濃度が非常に低く(<0.1ppm)、検出器によって 測定できなかった。 計算を行うためには、Q、s、P、Dg、Dcおよびを指定するか、または測 定しなければならない。寒天が90%水であるので、P=40を使用することが できると考えられる(J.J.KaczurおよびD.W.Cawlfield,Kirk-Othmer Encycl.Che m.Tech.(4th Ed.),5,971(1993))。Dc=1.5x10-5cm2/秒、およびDg= 0.12cm2/秒が、Handbook of Chem.and Phys.,52nd Ed.,F47(1971)に開 示されている。事実上、計算のためにはC8がl<x<l+aにおいて均一であ ると仮定されるので、Dgと関連してのみモデルに現れる。 寒天を含まないペトリ皿に少量(約10ppm)の二酸化塩素を注入し、二酸化 塩素濃度を時間の関数として測定することによって、漏れ流動定数、Dg/、が 求められる。生物学的増殖に必要な良好なガス交換を確実に行うために使用され る底皿の鋸歯状の縁によって、使用したペトリ皿は比較的速く漏出させる。 (Dg/)=0.154cm/秒 項、Qte-btの原関数(source function)が0から無限時間まで積分される とき、 計算のために、密度0.8g/cm3および合計容量0.315cm3の制御放出フィル ムが、分子量90.44gモルの亜塩素酸ナトリウム15重量%または3.35x 104モルの利用可能な二酸化塩素を含有し(ClO2 -15モル対二酸化塩素4モ ルの完全な反応を仮定する)、1日における最大放出速度またはs-1=86,4 00秒を示す。この放出最大は、中間ワックス層によって亜塩素酸塩含有フィル ムから分離されている酸放出フィルムに典型的である。 従って、面積放出速度が皿の全表面への側面依存を有さないと仮定される62 cm2の底面積ペトリ皿に対して、Qが7.23x10-16モル/cm2/sec2と計算さ れる。制御放出パッチが皿の全断面積よりも小さい領域を占めるとしても、ガス および二酸化塩素の寒天拡散速度の両方が放出速度の時間尺度に比較して大きい ので、これは正当な仮定である。 次に、時間の関数としてのゲル相C(l,t)における濃度を、図10に示さ れる漏れ速度、h、の範囲に関して計算する。速い漏れ速度(105<h<10-1 cm-1)において、放出速度がt=s-1において最大になり、最大濃度はhに比例 する。本質的には、漏れの半分の時間よりも実質的に長い任意の時間における濃 度は、供給源速度を数倍に乗じた、単なるある一定の係数である。しかし、漏れ 速度が10-1<h<10-5に減少するにつれて、最大濃度が、かなり長時間での み発生する。当然、h=0において、漏れは起こらず、最大濃度は漸近線的に接 近され接近し、二酸化塩素3.36x10-4モル(例えば、Qs-2x62cm2)が 0.2cm厚ゲル相と0.8cm厚ガス相との間に分布する。 h=8.31x10-4cm-1において、いかに近くにh=0濃度が接近されるか を調べるために、t=6.0x105秒、x=1(2.4x10-5モル/cm3)にお けるゲル相での濃度を用いて、ペトリ皿中の二酸化塩素の合計量を計算する。 [0.8cm(62cm2)l/40)+(0.2cm)(62cm2)](2.4x10-5モル /cm3)=3.27x10-4モル この値はh=0に関して予想された値に非常に近い。 生物学的増殖実験を行われるペトリ皿に関して測定される漏れ速度に関しては 、ゲル相において、x=lで、ガス相の濃度0.06ppmで、最大濃度2.5ppmが 予想される。約0.25ppmが、菌胞子を殺すのに必要である。 僅かにより複雑な環境は、ペトリ皿と同じ寸法だが、そのガス空間が、容積分 率ε=0.5cm3/cm3で詰められた吸着粒子で満たされたボックスである。その ような複合培地へのガスの拡散が研究されている(R.M.BarrerおよびD.M.Grove, Trans.Far.Soc.,47,826,837(1951);R.AshおよびD.M.Grove,Trans.Far.S oc.,56,1357(1960))。 多孔質培地へのガス流動の拡散定数Dgを、下式で置き換えなければならない: Dg p=Dg/[1+(2Ks/r)] [式中、Ks=下記関係式における表面ヘンリーの法則係数であり、 Cs'=Ksg 式中、Cs'は吸着されたガスのモル数/表面cm2であり、Cgはモル/cm3での ガス相濃度であり、rは、多孔度εおよび内部表面A(cm2/cm2)を有する固体 内の軸方向の毛管のセットの等価の気孔半径であり、r=2ε/Aである] 多孔質培地中での二酸化塩素の表面濃度の計算のために、粒子の厚さ全体に二 酸化塩素濃度がガス濃度と平衡であるように粒子が充分に小さいと見なされる。 この計算のために、全ての粒子凝集が粒子表面に集中される。 この場合、 Cp(1−ε)/A=Cs'=[(1−ε)/A]Kpg s=(1−ε)Kp/A Dg p=Dg/[1+(1−ε/ε)Kp] によって、表面ヘンリーの法則係数が嵩係数、Kp、に関連づけられる。 多孔度0.5および粒子への分配係数40において、吸着多孔質培地中の流れ の拡散定数が係数0.0244減少する。見掛ガス相拡散定数の実質的な減少は 、比例的に漏れ速度、h、を減少させ、その結果、どの時間においても予期され る 濃度が比例的に増加することになる。 殺菌フィルムに必要な量、配置および制御放出特性は、ペトリ皿と同じ速度、 h=8.3x103cm-1で漏れると仮定される小さい62cm3粒子充填ボックスを フィルムが保護する場合に評価される(典型的な緩く密閉したボックスに関して はかなり良い仮定である)。充分に詰めた、折り畳んだ(詰めていない)ボック スのパレットは類似したケースである。数分間の二酸化塩素1ppm暴露において 菌胞子殺菌が保証されるので、どのような方法であっても、好ましくは数日遅延 後に、箱の湿った領域に、少なくともこの濃度を、パルス放出で発生しなければ ならない。増殖菌の破壊は、0.1〜0.5ppmを数分間必要とするのみである。 細胞の増殖機構の破壊は、非常に完全であり、二酸化塩素に自然免疫を有する菌 種は発生できない。都合のよいことに、これらの濃度は、ヒトの嗅覚感知限界約 10ppmよりも低い。 事実上、そのような短い暴露が必要であるので、パルス的に二酸化塩素を放出 するフィルムは、理想的なシステムである。当然、保存環境にもよるが、この方 法は、初期菌胞子感染(箱の内側および外側から発する)およびその後の感染( 箱の外側から発する)が、増殖が起こる前に破壊されることを確実なものとする 。従って、1ppmの連続的放出は有効亜塩素酸塩の約98%を浪費する。そのよ うなフィルムの製造が実施例16に記載されている。 図11は、大きいヘンリーの法則係数40対h=202.76cm-1の空気漏れ の0.5多孔度のボックス中に配置された、10日での最大放出、有効二酸化塩 素3.35x10-4モル(0.33cm3フィルム、15重量%亜塩素酸ナトリウム )を有する制御放出フィルムに関して予期される放出特性を示す。 10.4ppmの最大濃度が10日後に達せられ、少なくとも1ppmが、0.4日< t<46日間発生される。このためには、制御放出物質約0.31cm3が必要であ る。$1.00/lbの材料コストにおいて、この仕事をするために必要な制御放 出材料のコストは約0.056セントである。従って、材料1.1リットルを含有 するボックスは、前記パラメーターで1セントで保護することができる。 実施例16 多層複合物のパルス放出性能を下記のように計算して、その複合物が特定の適 用において所望の遅延放出速度を提供するかどうかを判定した。完全カチオン交 換に必要な時間は、各層の移動イオン濃度、Ci(iはA、B、またはCである) から予想することができる。そのような時間を求めるためには、中間層Cへのヒ ドロニウムイオン移動が律速段階であるべきと考えられ、水素イオンに関する拡 散定数および有効移動イオン濃度は、層A、BおよびCにおいて同じであると考 えられる。クロライトイオンは比較的不動であると考えられ、亜塩素酸塩の二酸 化塩素への反応は、水素イオンが親水層Bに入ると同時に起こると考えられる。 中間層Cのヒドロニウムイオン移動度は、J.L.Crowleyら,J.Poly.Sc.,Poly.Ph ys.Ed.,14,1769(1976)に記載されている実験データを用いることによって評価す ることができる。Crowleyらは、低密度ポリエチレン(79重量%)およびスル ホン化ポリスチレン(21重量%)のグラフトコポリマーを、イオン種、水含有 量および温度の関数として研究した。ナトリウム、カリウムおよび銀イオンは、 ヒドロニウムカチオンとの交換によって、ポリマー結合スルホネート基と共に移 動する。高い水含有量3〜6重量%において、疎水性マトリックス中のイオンク ラスターの相分離の起こる可能性がある。開示されている銀イオン移動度および 移動イオン濃度は、これらの条件下で非常に高い(μ=3.0x10-4cm2/Stat V−秒、C=3.3x10-4モル/cc)。しかし、「乾燥」フィルムにおいては、 移動度および移動イオン濃度の両方が実質的に減少する(μ=1.4x10-4cm2 /StatV−秒、C=8.3x10-7モル/cc)。イオン拡散定数Dは、方程式D= (kTμ)/q(kはボルツマン定数、Tは絶対温度、μはイオン移動度、qは 電荷である)を用いて計算することができる。計算されたイオン拡散定数は、乾 燥および湿った(水6重量%)銀カウンターイオン負荷フィルムに関して、それ ぞれ1.21x10-8cm2/秒および2.58x10-8cm2/秒である。 そのようなコポリマーの形態学は、疎水層内の球晶境界に位置する部分的に連 結したイオンクラスターを含んでいるという点で、本発明の2物質系と非常に類 似している。 時間、t、における境界ACを横断して拡散したヒドロニウムイオンの合計量 は(モル/cm2)、関数Qによって表される: ヒドロニウムイオンの親水層Bへの通過は、(Dt/l2)=0.1(t=10.4 分、1=5ミルまたは1.27x10-2cm)で起こり、定常状態拡散は(Dt/l2 )=0.45(t=46.9分、l=5ミル)で達する。前記方程式の最初の2つ の項は、定常状態に達した後に支配的になる。従って、「湿った」状態(水6重 量%)においては、5ミル厚において、Q(t)=lCA[(Dt/l2)−1/6]= 5.72x10-5モル/日−cm2である。面積1cm2フィルムおよび1.27x10- 2 cm厚におけるヒドロニウムイオンは(初めは、1.65x10-5モルヒドロニウ ムイオン)、7時間で亜塩素酸塩層にほぼ完全に到達しなければならない。典型 的にはイオンで汚染されたポリエチレンである「乾燥」フィルムにおいては、5 ミル厚において、DtCA/l=6.83x10-8モル/日−cm2である。非常に低 い移動イオン濃度のために、ヒドロニウムイオンが親水層Bに完全に拡散するの に247日が必要である。従って、約1日〜約247日の二酸化塩素放出を与え る多層複合物は、本発明の2層複合物を用いて処方することができる。 塩素の分解がpHの作用であるので、二酸化塩素放出速度は、二酸化塩素放出 が中間層を有する複合物中で開始されるときに一般に急速である。亜塩素酸塩を 含有する親水層の緩衝作用によって、亜塩素酸塩の二酸化塩素への分解が起こる 前に、ヒドロニウムイオンの最少濃度が移動する。 反応速度への粘度の作用、二酸化塩素生成の触媒作用に必要な遊離水の最少量 を生ずるのに必要なフィルムの水和率、A、BおよびC層によってサポートされ る変化する移動イオン濃度および拡散定数が、ヒドロニウムイオン移動に影響を 及ぼす。 ヒドロニウムイオンの移動のために、ある量の水が中間層Cに存在しなければ ならない。クラスター形成の何らかの傾向が認められるより高い水分活性の場合 を除いては、水は、単一分子として、炭化水素マトリックスを移動する。表面積 1cm2の5ミル厚の高密度ポリエチレンフィルム中の水の透過速度は、Wessling ら,Encylc.Poly.Sci.Eng.,17,510(1989)に開示されているように6.89x 10-6モル/日/cm2/5ミル(90%RH、38℃)である。この透過速度は 、一般に最少でも3.35x10-4モル/ccイオン基を含有するポリエチレンイ オノマーに見られるよりも有意に遅い(4.08x10-5モル/日/cm2/5ミル )(Zuttyら,Encycl.Poly.Sci.Tech.,6,425,(1967))。後者のイオン含有量は、層 A、BおよびCに適しており、それぞれが、3.3x10-4モル/ccx10モ ル水(10 H2O/H3+イオンと仮定)または4.2x10-5モル水/cm2/5 ミル(水6重量%)の吸収性能を有する。従って、5ミルAおよびB層は、初期 の乾燥状態から6重量%水に飽和するのに約1日を要する。従って、中間層Cを 飽和するには多くてもさらに1日が必要である。 本発明は様々な改質および選択的形態が可能であるが、本発明の態様が、図面 に例として示され、本明細書に詳細に開示されている。しかし、本発明を開示さ れている特定の形態に制限することを意図するものではなく、その反対に、本発 明は、添付の請求の範囲に規定されている意図および範囲内に含まれる全ての改 質、等価、選択をも包含するものであると理解すべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08J 3/12 C08J 3/12 Z (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 カンパ,ジョエル・ジェイ アメリカ合衆国78228−0510テキサス州 サン・アントニオ、クレブラ・ロード6220 番 (72)発明者 バーロー,ダーレン・イー アメリカ合衆国78228−0510テキサス州 サン・アントニオ、クレブラ・ロード6220 番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.二酸化塩素を徐放する殺菌および脱臭粉末であって、 クロライトアニオンを含有する粒子;および 前記粒子を表面上に有する疎水性コア から成り、疎水性コアは酸放出剤を含有し、粒子および疎水性コアは実質的に水 不含有であり、粒子は酸放出剤が加水分解されると二酸化塩素を放出し得る粉末 。 2.疎水性コア表面上に無水粒子を更に有する請求項1記載の粉末。 3.無水粒子は、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、また は水分除去したシリカゲルを含有する請求項2記載の粉末。 4.粒子は、アルカリ金属亜塩素酸塩またはアルカリ土類金属亜塩素酸塩を含 有し;疎水性コアは更に、アタクチックポリプロピレン、炭化水素ワックス、塩 素化ワックス、ポリエチレンワックス、ポリオレフィン、ポリエステル、誘導体 化ポリオレフィンコポリマー、またはそれらの混合物を含有し;酸放出剤は、カ ルボン酸、エステル、無水物、アシルハライド、リン酸、ホスフェートエステル 、トリメチルシリルホスフェートエステル、ジアルキルホスフェート、スルホン 酸、スルホン酸エステル、スルホン酸クロリド、またはグリセロール含有エステ ルのホスホシランを包含する請求項1記載の粉末。 5.疎水性コアは酸放出ワックスを含有する請求項4記載の粉末。 6.酸放出ワックスは、式: [式中、Gは、 である。] で示される請求項5記載の粉末。 7.二酸化塩素を徐放する粉末の調製方法であって、 クロライトアニオンを含有する粒子を形成し;および 該粒子の流動床に、酸放出剤を含有する疎水性材料を噴霧して、疎水性材料含 有コア、および該コア表面上のクロライトアニオン含有粒子層を有する粉末を形 成する ことを含んで成る方法。 8.疎水性コア表面上の粒子層が無水粒子を含有するように、流動床が無水粒 子を含有する請求項7記載の方法。 9.無水粒子は、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、また は水分除去したシリカゲルを含有する請求項8記載の方法。 10.粒子は、アルカリ金属亜塩素酸塩またはアルカリ土類金属亜塩素酸塩を 含有し;疎水性相は更に、アタクチックポリプロピレン、炭化水素ワックス、塩 素化ワックス、ポリエチレンワックス、ポリオレフィン、ポリエステル、誘導体 化ポリオレフィンコポリマー、またはそれらの混合物を含有し;酸放出剤は、カ ルボン酸、エステル、無水物、アシルハライド、リン酸、ホスフェートエステル 、トリメチルシリルホスフェートエステル、ジアルキルホスフェート、スルホン 酸、スルホン酸エステル、スルホン酸クロリド、またはグリセロール含有エステ ルのホスホシランを包含する請求項7記載の方法。 11.疎水性材料は酸放出ワックスを含有する請求項10記載の方法。 12.酸放出ワックスは、式: [式中、Gは、 である。] で示される請求項11記載の方法。 13.表面における細菌、真菌およびウイルス汚染、およびカビ増殖を遅延し 、および/または表面を脱臭する方法であって、 表面を、水分不存在下には二酸化塩素を放出しない粉末に曝露し、該粉末は酸 放出剤含有疎水性コアおよびその表面上のクロライトアニオンを有し;および 前記表面を水分に曝露して、二酸化塩素を粉末から表面周囲の雰囲気中へ放出 させる ことを含んで成る方法。
JP50122897A 1995-06-05 1996-06-04 粉末状の殺菌組成物 Expired - Fee Related JP3547140B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/465,086 1995-06-05
US08/465,086 US5707739A (en) 1995-06-05 1995-06-05 Powdered biocidal compositions
PCT/US1996/008724 WO1996039296A1 (en) 1995-06-05 1996-06-04 Powdered biocidal compositions

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10504223A true JPH10504223A (ja) 1998-04-28
JP3547140B2 JP3547140B2 (ja) 2004-07-28

Family

ID=23846438

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50122897A Expired - Fee Related JP3547140B2 (ja) 1995-06-05 1996-06-04 粉末状の殺菌組成物

Country Status (12)

Country Link
US (2) US5707739A (ja)
EP (1) EP0776269A4 (ja)
JP (1) JP3547140B2 (ja)
KR (1) KR100443292B1 (ja)
AR (1) AR002326A1 (ja)
AU (1) AU697974B2 (ja)
BR (1) BR9606415A (ja)
CA (1) CA2196777C (ja)
MX (1) MX9700958A (ja)
MY (1) MY113493A (ja)
NZ (1) NZ310072A (ja)
WO (1) WO1996039296A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2004037023A1 (ja) * 2002-10-25 2006-02-16 三菱化学フーズ株式会社 湿度依存型抗菌性粉末組成物、その製造方法、湿度依存型抗菌性食品保存用物品および食品の保存方法
CN107865974A (zh) * 2016-09-26 2018-04-03 株式会社东芝 干式工艺处理方法

Families Citing this family (56)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5845769A (en) * 1992-07-01 1998-12-08 Yeager; James W. Storage bag with soaker pad
NZ309662A (en) * 1995-06-12 1998-09-24 Bernard Technologies Inc Sustained release biocidal composition containing an acid releasing polymer, a hydrophilic material and chlorite ions
DE69732913T2 (de) * 1996-09-18 2006-05-04 Bernard Technologies, Inc., Chicago Puder für die kontrollierte freisetzung eines gases
US6077495A (en) * 1997-03-03 2000-06-20 Engelhard Corporation Method, composition and system for the controlled release of chlorine dioxide gas
ES2197513T3 (es) 1997-11-07 2004-01-01 Engelhard Corporation Procedimiento y dispositivo para la produccion de una solucion acuosa que contiene dioxido de cloro.
US6277408B1 (en) 1998-02-09 2001-08-21 Southwest Research Institute Silicate-containing powders providing controlled, sustained gas release
US6605304B1 (en) 1998-02-09 2003-08-12 Bernard Technologies, Inc. Silicate-containing powders providing controlled, sustained gas release
US6132748A (en) * 1998-02-19 2000-10-17 Bio-Cide International, Inc. Method for producing chlorine dioxide using acidified expanded amorphous aluminum silicate impregnated with chlorite
US20030021819A1 (en) * 1998-02-19 2003-01-30 Bio-Cide International, Inc. Microbial and odor control using amorphous calcium silicate impregnated with sodium chlorite
US8187278B2 (en) * 1998-08-25 2012-05-29 Advanced Photodynamic Technologies, Inc. Photodynamic cellular and acellular organism eradication utilizing a photosensitive material and benzalkonium chloride
AU1745500A (en) * 1998-11-25 2000-06-19 Engelhard Corporation Methods and systems for reducing microbial populations
JP3902707B2 (ja) * 1999-01-12 2007-04-11 株式会社サンシ−ル 殺菌脱臭ガス供給方法及び供給装置
DE19913761B4 (de) * 1999-03-26 2005-02-10 Lts Lohmann Therapie-Systeme Ag Trocknungsvorrichtung und Verfahren zu ihrer Herstellung sowie ihre Verwendung
AU4480400A (en) * 1999-05-18 2000-12-05 Bernard Technologies, Inc. Energy-activated compositions for controlled sustained release of a gas
US7273567B1 (en) 1999-11-24 2007-09-25 Microactive Corp. Energy-activated compositions for controlled sustained release of a gas
US6767509B1 (en) 1999-06-16 2004-07-27 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Self-sterilizing packaging
WO2001033961A1 (en) * 1999-11-09 2001-05-17 Raytec Corporation Method for preserving crops
US6607696B1 (en) * 2000-02-18 2003-08-19 Selective Micro Technologies, Llc Apparatus and method for controlled delivery of a gas
WO2001060750A2 (en) * 2000-02-18 2001-08-23 Selective Micro Technologies, Llc Apparatus and method for controlled delivery of a gas
US7922984B2 (en) * 2000-02-18 2011-04-12 Selective Micro Technologies, Llc Apparatus and method for controlled delivery of a gas
US6764661B1 (en) 2000-06-27 2004-07-20 Avantec Technologies, Inc. Device for producing an aqueous chlorine dioxide solution
US6582734B1 (en) 2000-07-20 2003-06-24 Ecolab Inc. Antimicrobial composition useful for the treatment of bovine mastitis
US6814984B2 (en) 2001-02-09 2004-11-09 Clean Water International Llc Frozen biocidal compositions and methods of use thereof
US6620380B2 (en) 2001-09-14 2003-09-16 Ecolab, Inc. Method, device and composition for the sustained release of an antimicrobial gas
US7195744B2 (en) * 2001-08-28 2007-03-27 Ecolab, Inc. Device for holding a container for a composition that produces an antimicrobially active gas
EP1542556B1 (en) * 2002-01-08 2011-09-21 Bernard Technologies, Inc. Antimicrobial body covering articles
US7150854B2 (en) * 2002-03-19 2006-12-19 Engelhard Corporation Device for generating aqueous chlorine dioxide solutions
US20030190273A1 (en) * 2002-04-09 2003-10-09 Bernard Technologies, Inc. Container liner for inhibiting decay of perishable items
US6619051B1 (en) 2002-07-12 2003-09-16 Ecolab Inc. Integrated cleaning and sanitizing system and method for ice machines
US7285255B2 (en) * 2002-12-10 2007-10-23 Ecolab Inc. Deodorizing and sanitizing employing a wicking device
GB0228870D0 (en) * 2002-12-10 2003-01-15 Ace Three Uk Ltd Sulphur dioxide release coastings
CA2526938A1 (en) * 2003-05-12 2004-11-25 Johnsondiversey, Inc. A system for producing and dispensing chlorine dioxide
US7243788B2 (en) * 2003-10-22 2007-07-17 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Package for segregating and mixing substances
US20060216496A2 (en) * 2003-11-13 2006-09-28 Bernard Technologies, Inc. Gas Generating Polymers
GB0414244D0 (en) * 2004-06-25 2004-07-28 Ebiox Ltd Composition
US9364579B2 (en) * 2004-08-30 2016-06-14 Southwest Research Institute Biocidal fibrous and film materials utilizing silver ion
US8900610B2 (en) * 2004-08-30 2014-12-02 Southwest Research Institute Biocidal fibrous and film materials comprising silver and chlorite ions
US20060178445A1 (en) * 2004-12-16 2006-08-10 Mcintyre Patrick F Composition for controlled sustained release of a gas
US8673297B2 (en) 2006-02-28 2014-03-18 Basf Corporation Chlorine dioxide based cleaner/sanitizer
EP1925201A1 (de) * 2006-11-09 2008-05-28 Werner Zapletal Verfahren zur antimikrobiellen Behandlung von Pulver
CA2670972A1 (en) * 2006-11-27 2008-10-23 Microactive Corp. Controlled gas release from a melt processable compatible polymer blend
WO2009098786A1 (ja) 2008-02-08 2009-08-13 Mochigase Co., Ltd. 抗ウイルス材、環境型抗ウイルス材及び包装材料に収容した抗ウイルス材
CN102803157B (zh) 2009-06-26 2015-06-24 索理思科技开曼公司 使用一氯代脲处理工业水
US11713245B2 (en) * 2009-12-17 2023-08-01 Sipka Inc. Article for generating chlorine dioxide
US9382116B2 (en) 2013-01-10 2016-07-05 Ica Trinova, Llc Mixtures for producing chlorine dioxide gas in enclosures and methods of making the same
CN106999617B (zh) * 2014-12-04 2021-02-02 本杰明·摩尔公司 用于对建筑涂料组合物巴氏灭菌的方法
CN108349223A (zh) 2015-08-18 2018-07-31 威斯康星校友研究基金会 ClO2气体从医疗器械包装膜的释放
US10988724B2 (en) 2016-05-05 2021-04-27 Southwest Research Institute Three-dimensional bioreactor for cell expansion and related applications
US10400198B2 (en) 2016-08-25 2019-09-03 Eagle Us 2 Llc Method of sanitizing a surface
US10850981B2 (en) 2017-04-25 2020-12-01 Ica Trinova, Llc Methods of producing a gas at a variable rate
US11912568B2 (en) 2018-03-14 2024-02-27 Ica Trinova, Llc Methods of producing a gas at a controlled rate
US11149244B2 (en) 2018-04-04 2021-10-19 Southwest Research Institute Three-dimensional bioreactor for T-cell activation and expansion for immunotherapy
KR20210064299A (ko) 2018-09-24 2021-06-02 사우스웨스트 리서치 인스티튜트 3d 생물반응기
US11492580B2 (en) 2020-05-12 2022-11-08 Southwest Research Institute Method using a three-dimensional bioprocessor
CN112811758B (zh) * 2020-12-31 2022-05-31 山西大学 一种秸秆碳复合材料及其制备方法和应用
US11957805B2 (en) * 2022-02-22 2024-04-16 Phiex Technologies, Inc. Light-activated chlorine dioxide-releasing powder and method of manufacture

Family Cites Families (50)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2071625A (en) * 1931-06-03 1937-02-23 W E Long Co Preservation of packaged food products
US2546568A (en) * 1945-01-11 1951-03-27 Olin Mathieson Process for the preservation of comestible materials
US2482891A (en) * 1945-03-16 1949-09-27 Olin Mathieson Solid, stable chlorine dioxide generating compositions
US2558942A (en) * 1947-02-03 1951-07-03 Eagleson Craig Sanitizing composition
US3183057A (en) * 1958-11-03 1965-05-11 Wallace & Tiernan Inc Products and procedures for effecting treatiment with chlorinous gas
US3591515A (en) * 1968-04-16 1971-07-06 Int Dioxide Inc Pulverulent chlorine dioxide compositions
US3585147A (en) * 1969-10-01 1971-06-15 Int Dioxcide Inc Stabilized chlorine dioxide solutions containing a chloride and processes of making and using same
US3767787A (en) * 1971-10-07 1973-10-23 H Segal Retarded vaporization compositions and method for making
US4048351A (en) * 1974-11-06 1977-09-13 Olin Corporation Granular calcium hypochlorite coated with a low melting inorganic salt by spray graining
GB1579431A (en) * 1976-03-23 1980-11-19 Minnesota Mining & Mfg Disinfecting and/or sterilising
US4330531A (en) * 1976-03-26 1982-05-18 Howard Alliger Germ-killing materials
US4499077A (en) * 1981-02-03 1985-02-12 Stockel Richard F Anti-microbial compositions and associated methods for preparing the same and for the disinfecting of various objects
JPS57198775A (en) * 1981-06-01 1982-12-06 Nasa:Kk Molding material having deodorizing function, etc.
US4728498A (en) * 1981-11-02 1988-03-01 Alza Corporation Process for disinfecting article with device dispensing chlorine donor and chlorine acceptor
US4504442A (en) * 1982-10-19 1985-03-12 Scopas Technology Corporation Use of chlorine dioxide gas as a chemosterilizing agent
US4681739A (en) * 1982-10-19 1987-07-21 The Scopas Technology Co., Inc. Use of chlorine dioxide gas as a chemosterilizing agent
JPS6092759A (ja) * 1983-10-26 1985-05-24 土倉 満 合成樹脂素材の成型に係る物品に消臭浄化剤の含浸装置
US4547381A (en) * 1983-11-10 1985-10-15 Rio Linda Chemical Co., Inc. Dry compositions for the production of chlorine dioxide
US4689169A (en) * 1983-11-10 1987-08-25 Rio Linda Chemical Company, Inc. Dry compositions for the production of chlorine dioxide
US4533691A (en) * 1983-12-12 1985-08-06 Polysar Limited Chlorine dioxide antimicrobial agent for latex
US4561981A (en) * 1984-01-27 1985-12-31 Characklis William G Treatment of fouling with microcapsules
IN160430B (ja) * 1984-03-18 1987-07-11 Alcide Corp
US4986990A (en) * 1984-03-21 1991-01-22 Alcide Corporation Disinfection method and composition therefor
US4585482A (en) * 1984-05-25 1986-04-29 Southern Research Institute Long-acting biocidal compositions and method therefor
US4889654A (en) * 1984-07-31 1989-12-26 Rio Linda Chemical Company, Inc. Aqueous foam disinfectant containing chlorine dixoide and preparation and use thereof
DE3433075A1 (de) * 1984-09-08 1986-03-20 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Niedermolekulare copolymerisate und daraus hergestellte covulkanisate
US5116575A (en) * 1986-02-06 1992-05-26 Steris Corporation Powdered anti-microbial composition
US4748904A (en) * 1986-07-01 1988-06-07 Razeto Andres V R Chlorine generator for preservation of fruits and vegetables
US4756844A (en) * 1986-12-29 1988-07-12 The Dow Chemical Company Controlled-release composition having a membrane comprising submicron particles
US4891216A (en) * 1987-04-14 1990-01-02 Alcide Corporation Disinfecting compositions and methods therefor
US4829129A (en) * 1987-05-29 1989-05-09 International Dioxcide, Inc. Reaction product of polymer with chlorine dioxide
US4975109A (en) * 1988-05-02 1990-12-04 Lester Technologies Corp. Microbiocidal combinations of materials and their use
US4956184A (en) * 1988-05-06 1990-09-11 Alcide Corporation Topical treatment of genital herpes lesions
US4880638A (en) * 1988-08-23 1989-11-14 Bioxy International, Ltd. Biocidal composition and method for disinfecting articles
US4966775A (en) * 1988-09-12 1990-10-30 Betz Laboratories Biocidal compositions and use thereof
US4925645A (en) * 1988-10-05 1990-05-15 Mason James A Method of preparing a mixture of chlorine containing substances including chlorine dioxide
US5078908A (en) * 1989-10-02 1992-01-07 Allergan, Inc. Methods for generating chlorine dioxide and compositions for disinfecting
US5126070A (en) * 1989-10-20 1992-06-30 The Drackett Company Chlorine dioxide generator
US5387350A (en) * 1989-11-20 1995-02-07 George L. Williamson Method and apparatus for treating and disinfecting infectious wastes
JPH04164005A (ja) * 1990-10-26 1992-06-09 Takasugi Seiyaku Kk 環境浄化組成物
AU640053B2 (en) * 1991-06-17 1993-08-12 Rio Linda Chemical Co., Inc. Generation of chlorine dioxide in a non-aqueous medium
US5252343A (en) * 1992-03-20 1993-10-12 Alcide Corporation Method and composition for prevention and treatment of bacterial infections
IL102627A (en) * 1992-07-23 1996-05-14 Abic Ltd Solid composition releasing chlorine dioxide
JPH06107971A (ja) * 1992-09-25 1994-04-19 Honny Chem Ind Co Ltd 被覆用組成物
DE69421199T2 (de) * 1993-02-12 2000-04-20 Southwest Research Inst San An Polymere biozide Zusammensetzung und Verfahren zu ihrer Herstellung
US5631300A (en) * 1993-02-12 1997-05-20 Southwest Research Institute Method of making a sustained release biocidal composition
US5639295A (en) * 1995-06-05 1997-06-17 Southwest Research Institute Method of making a composition containing a stable chlorite source
US5360609A (en) * 1993-02-12 1994-11-01 Southwest Research Institute Chlorine dioxide generating polymer packaging films
US5482702A (en) * 1993-04-27 1996-01-09 Church & Dwight Co., Inc. Hydrophilic polymer-coated microcrystallites of bicarbonate salt
AU4601296A (en) * 1994-12-14 1996-07-03 Alcide Corporation Adherent disinfecting compositions and methods relating thereto

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2004037023A1 (ja) * 2002-10-25 2006-02-16 三菱化学フーズ株式会社 湿度依存型抗菌性粉末組成物、その製造方法、湿度依存型抗菌性食品保存用物品および食品の保存方法
US7923035B2 (en) 2002-10-25 2011-04-12 Mitsubishi-Kagaku Foods Corporation Humidity-dependent antibacterial powdery composition, process for producing the same, humidity-dependent antibacterial food storing article and method of storing food
JP4683925B2 (ja) * 2002-10-25 2011-05-18 三菱化学フーズ株式会社 湿度依存型抗菌性粉末組成物、その製造方法、湿度依存型抗菌性食品保存用物品および食品の保存方法
CN107865974A (zh) * 2016-09-26 2018-04-03 株式会社东芝 干式工艺处理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3547140B2 (ja) 2004-07-28
KR970704574A (ko) 1997-09-06
KR100443292B1 (ko) 2004-10-06
MY113493A (en) 2002-03-30
EP0776269A4 (en) 2000-08-09
CA2196777C (en) 2004-08-10
CA2196777A1 (en) 1996-12-12
AU6039796A (en) 1996-12-24
BR9606415A (pt) 1998-07-14
EP0776269A1 (en) 1997-06-04
US5707739A (en) 1998-01-13
US5695814A (en) 1997-12-09
AU697974B2 (en) 1998-10-22
WO1996039296A1 (en) 1996-12-12
AR002326A1 (es) 1998-03-11
NZ310072A (en) 1998-11-25
MX9700958A (es) 1998-01-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3987108B2 (ja) 多層殺菌フィルム組成物
JP3547140B2 (ja) 粉末状の殺菌組成物
US5631300A (en) Method of making a sustained release biocidal composition
US5650446A (en) Sustained release biocidal composition
US5639295A (en) Method of making a composition containing a stable chlorite source
US5980826A (en) Methods of deodorizing and retarding contamination or mold growth using chlorine dioxide
US5668185A (en) Method of making an amine containing biocidal composition
JPH10504756A (ja) 徐放性殺菌組成物およびその使用
JP3884071B2 (ja) 徐放性殺菌組成物の製法
JP3936740B2 (ja) 徐放性殺菌組成物

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040323

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040413

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees