JPH10503275A - ガスカートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 カートリッジは、スリーブ（１４）の内部に入れ子式に収容された本体（１０）を有するケースを備えている。本体（１０）は加圧ガスを収容する主室（２１）と、ガスを主室（２１）から膨脹室（６１）へ排出するための弁機構とを囲んでいる。膨脹室（２１）内のガスの圧力は、本体（１０）をスリーブ（１４）に対して後方に移動させて、カートリッジを用いている武器の遊底に力を加え、それにより再装填サイクルを開始する。本体から突出したスピゴット（５１）がスリーブの端壁部の開口部（５３）から引っ込められると、ガスが膨脹室から排出されて、発射体を射出する。

Description

【発明の詳細な説明】 ガスカートリッジ 本発明は慣用の火薬式（ｐｙｒｏｔｅｃｈｎｉｃ）カートリッジの代わりに使 用できる型式の加圧ガスカートリッジに関する。 加圧ガスカートリッジは知られていて、一例は欧州特許第ＥＰ−Ａ−４９９３ ３２号明細書に開示されているガスカートリッジであり、同明細書を参照すべき である。既知型式のガスカートリッジの不利な点は、該カートリッジが反動式の 自動型火器および半自動型火器を作動させるために十分な後向きの力を発生でき ないことにある。このような火器は、再装填および撃鉄再起こし（ｒｅｃｏｃｋ ｉｎｇ）サイクルを逐次行うために、一発の弾薬の点火により加えられる力を受 けて後方へ移動する遊底（ｂｒｅｅｃｈ ｂｌｏｃｋ）に依存している。 上記問題を克服するために、本明細書においては、火器を再作動させるために 遊底に必要な力を加えるように、ガスカートリッジが発射時に第２部分に対して 移動せしめられる第１部分を備えるべきであると提案されている。好ましい一実 施例においては、上述の明細書に開示されたカートリッジから発射体（ｐｒｏｊ ｅｃｔｉｌｅ）を射出するために用いられるガスは、発射体を射出するのに使用 される前に、膨脹室に導入されて、後方に移動する部分に作用する。 このカートリッジケースは、入れ子式の構造であって、ガス室および作動部分 を収容した本体上に滑動可能に取り付けられたスリーブを有することが好ましい 。スリーブは本体の前端壁部上に配置された前端壁部を備えてもよく、膨脹室が 本体とスリーブの二つの端壁部の間に形成されている。膨脹室内のガスの圧力が 本体の端壁部に作用して、本体をピストンのように後方へ駆動する。スリーブは 火器の室の壁部との係合により所定位置に保持されている。その後、ガスが膨脹 室から排出されて、弾丸または他の発射体を射出するのに用いられる。ガスが膨 脹室から排出される時機は、所定の相対位置に入るスリーブおよび本体により定 まることが好ましい。この目的のために、本体は軸線方向のスピゴット （ｓｐｉｇｏｔ：栓）を備えていてもよく、このスピゴットはスリーブの端壁部 に形成した開口部の中に通常は突き出ていて該開口部を閉塞する。スリーブと本 体との間の相対移動により、スピゴットが開口部から次第に引っ込められる。最 終的に、前記所定の相対位置において、スピゴットは開口部から引っ込められ、 その結果、膨脹室からのガスが開口部を通して排出される。弾丸または他の発射 体を慣用の方法でスリーブのリムに対して適所に保持してもよいが、これに代え て、弾丸または発射体をスピゴットに取り付けることもでき、加圧ガスが発射体 に加えられた瞬間に、弾丸または発射体がスピゴットから発射される。カートリ ッジの一部分を後方に移動させるための他の配置を上述のものに代えて使用して もよい。 図面において、 第１図は発射前の充填状態の加圧ガスカートリッジの長手方向の断面図であり 、 第２図は発射直後の相対位置における諸部品を示し、 第３図は発射シーケンスの終了時の相対位置における部品を示す。 本発明の好ましい実施例を、作動機構およびその作動態様を十分に理解するた めに参照すべきである上述の明細書に開示されたカートリッジと関連して説明す る。 第１図を参照すると、本明細書に提案したカートリッジは二部分から成るケー スを有し、ケースは本体１０と、該本体に入れ子式に装着されたスリーブ１４と で構成される。スリーブ１４はその前端部に半径方向内方へ延びた壁部１６を備 え、そこに開口部５３を形成している。スリーブ１４の円筒形部分はガス圧力を 受けないので、該円筒形部分は比較的に薄い壁部を有することができる。本体は その前端部に外側環状肩部５４を設けられ、この肩部は、二部分の相対移動を制 限するために、スリーブ１４の後端部の内側肩部５４´と協働するように配置さ れる。Ｏリング５５が本体およびスリーブの前端部において本体１０をスリーブ １４に対して封止している。 本体１０は、その前端部に、半径方向内方へ延びた壁部３３を有している。壁 部３３は、充填状態において、スリーブ１４の端壁部に密着する。軸線方向のス ピゴット５１が壁部３３から突出して、開口部５３内に滑り嵌合している。壁部 ３３の内側の空洞部は円筒形部分を有し、この部分はステム１３を備えたピスト ン弁の頭部３６のためのシートの役目をする。空洞部の端壁は形状が円錐形であ ってポート３４を形成され、このポートは端壁部３３の外面に設けた環状のＶ字 形みぞ６０中に開口する。みぞ６０は、後述する膨脹室の一部を形成している。 弁頭部３６は溝を形成する一対のつば３１、３２を設けられ、この溝は、空洞部 に対して弁頭部を封止しているＯリングを受け入れる。 インサート（ｉｎｓｅｒｔ）１１が本体１０の後端部にねじ込まれ、Ｏリング １５により本体１０に対して封止されている。インサート１１は穴２０を形成す る円筒形の延長部を有し、この穴がステム１３の後端部のスカート部分５７を案 内する。ピストン弁を囲む一次ガス室は、少なくとも５０バール（５×１０⁷Ｐ ａ）であることが好ましく、一層好適にはほぼ２００バール（２×１０⁷Ｐａ） である圧力のガス、空気が好都合である、を含んでいる。 第１図に示したカートリッジの充填状態では、本体１０およびスリーブ１４は 二つの端壁部を近接並置した近接位置にある。 カートリッジが発射されると、ピストン弁は後方へ動かされ、最初、第２図に 示した位置に達する。それに伴って、弁頭部３６が空洞部３５から引っ込められ て、ポート３４を開放する。一次ガス室２１からのガスがみぞ６０に漏れ出て、 スリーブ１４に相対的な本体１０の後方移動を開始する。この動きは膨脹室６１ を拡げ始め、膨脹室６１は本体１０の後方移動が継続するにつれて拡大し続ける 。ガスは、Ｏリング５５によって本体１０とスリーブ１４の間からの逸出を阻止 される。この移動の間、スピゴット５１が開口部５３を通して後方に滑動し、最 終的には、スピゴット５１が開口部５３から完全に離脱して、第３図に示した位 置を占める。膨脹室６１からの空気は、今や、開口部５３を通して排出し、カー トリッジに担持された発射体を放出する。発射体は壁部１６のリム上のリップに よって所定位置に保持することができ、或いはスピゴット５１を受け入れるソケ ットを設けてもよい。第１図に示したカートリッジの充填状態においては、本体 １０とスリーブ１４が二つの端壁部を近接並置した近接位置にある。 カートリッジの作動の仕組みはほぼ前述の明細書に記載されているとおりであ り、従って、簡単にのみ説明する。 ピストン弁の後方運動は、ピストン弁のスカート５７内に支持されたスプール 部材から成るリリーフ弁の移動により開始される。このスプール部材は中央本体 部分１２と、Ｏリング４０，４１を受け入れるための溝を形成している前側およ び後側肩部４２，４３とを有する。ステム部分が肩部４３から後方に延び、逃し 通路２３内に位置している。逃し通路２３の円錐台形弁座４４が、後側肩部４３ の相補状部分と後側Ｏリング４１に接触している。前側Ｏリング４０がスカート ５７内の穴に封止されている。圧縮ばね５０がスプール部材に比較的に弱い圧力 を加えている。それにより、二つの室、すなわち、スカート５７の端部とシール リング４１との間に配置された二次室２２と、スカート５７内で肩部４２の前方 に配した第３室４７とが形成されている。室２２はスカート５７と穴２０の間に 延びるブリード通路（ｂｌｅｅｄ ｐａｓｓａｇｅ）を介して一次室２１と連通 し、従って、充填状態では、室２１，２２内の圧力は等しくなる。ダクト４６が スプール部材を貫いて延びて、室４７をステム部分の周面に形成したガス抜き穴 と接続し、それにより室４７が大気圧に保たれる。 矢印Ａの方向に移動する点火ピンがステム部分４５に当たると、スプール部材 がスカート５７内へ駆動され、それにより後側肩部４３およびＯリング４１をそ れらのシートから持ち上げる。 室２２内のガスは逃し通路２３を通して大気に逃される。ある量のガスが室２ １からブリード通路２４を通して流れるけれども、この流れは無視できる程度で あり、室２２内の圧力が急激に落下するのを妨げない。室２１内のガスがスカー ト５７の前面に圧力を加え、この圧力は室２２内のガスによりスカート５７の後 側リムに加えられる圧力に大いに打ち勝ち、ピストン弁が前述したように後方に 動きだす。室４７が大気圧に保たれ且つダクト４６を通してガス抜きできるので 、スプール部材がスカート５７内に引き込まれ、それによりピストン弁を第３図 に示した位置へ向けて移動可能にする。 スピゴット５１の長さ或いはカートリッジ本体の長さ又はスピゴット５１と本 体の長さの比率を変更することにより、ガスが放出されて発射体が送出される時 機を本体１０の後方移動に対して調節することができる。 本発明によるカートリッジは、再使用できる点で、火薬式カートリッジよりも 優れている。それゆえに、このカートリッジは、特に半自動型ピストルや他の反 動式の武器のための訓練用弾薬（ｔｒａｉｎｉｎｇ ａｍｍｕｎｉｔｉｏｎ）と して使用するのに非常に好適である。また、このカートリッジは、ボールをスピ ゴット５１に容易に取り付けるように成すことができるので、塗料ボールガン（ ｐａｉｎｔ−ｂａｌｌ ｇｕｎ）に使用するのに特に好適であるかもしれない。 発射体を射出するために用いるものとしてカートリッジを説明したが、このカー トリッジは発射体を備えていない「ブランク」として使用でき、その場合も依然 として遊底に力を加えることができることは理解されよう。 本明細書に記載したカートリッジの変更を本発明の範囲内で実施することがで きる。特に、点火ピンによるカートリッジへの打撃に応じてガスを膨脹室へ送入 するために他の型式の弁装置を使用でき、また膨脹室からガスを所望の瞬間に排 出するために他の弁装置を使用することができる。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９５年８月８日 【補正内容】 請求の範囲 １．カートリッジであって、本体（１０）と、該本体を入れ子式に包囲するス リーブ（１４）と、加圧ガスを収容するための本体内のガス室（２１）と、点火 ピンのカートリッジに対する衝撃に応じて開いてガス室（２１）から通路（３４ ）を通してガスを流れさせるように配置された第１弁（３５，３６）とを有する カートリッジにおいて、本体の前側壁部（３３）とスリーブの前側壁部（１６） の間に形成された膨脹室（６１）を含み、前記通路（３４）は膨脹室（６１）に 開口し、ガスが膨脹室に入る際に生じる本体とスリーブの間の所定の相対移動に 応じて開いて、それにより膨脹室からガスを前方に排出するように構成された第 ２弁（５１，５３）を含むことを特徴とするカートリッジ。 ２．請求項１に記載のカートリッジにして、第２弁は、本体（１０）の前側壁 部（３３）からスリーブ（１４）の前側壁部の開口部（５３）内へ延びる弁部材 （５１）を有し、それにより該スリーブおよび該本体の相対移動により弁部材（ ５１）が開口部（５３）に対して引っ込められることを特徴とするカートリッジ 。 ３．請求項２に記載のカートリッジにして、弁部材（５１）がスピゴットの形 態であり、発射体がスピゴットを受け入れるソケットを備えることを特徴とする カートリッジ。 ４．請求項１から３までのいずれか一項に記載のカートリッジにして、第１弁 が壁部（３３）内の空洞部（３５）と該空洞部内に受け入れられる弁頭部（３６ ）とを含み、前記空洞部が円錐形の端壁部を有し、該端壁部から複数のポート（ ３４）が壁部（３３）を貫いて膨脹室（６１）内に開口し、弁頭部（３６）が、 点火ピンにより打撃されるように配置されたステム（４５）の移動に応じて作動 機構により空洞部（３５）から引っ込み可能であることを特徴とするカートリッ ジ。 ５．反動式の自動型武器または半自動型武器と組み合わされた請求項１から４ までのいずれか一項に記載のカートリッジにして、前記相対移動の間に、本体（ １０）が武器を元の状態にするのに十分な力を該武器の遊底に加えることを特徴 とするカートリッジ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ)，ＡＭ，ＡＴ， ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｚ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＩ，ＧＥ，ＨＵ ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＴ， ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＬ，ＮＯ，Ｎ Ｚ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＩ，ＳＫ ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．加圧ガスを含んだ室が発射の際にガス抜きされるカートリッジにして、ガ ス抜きされるガスがカートリッジの第２部分に対してカートリッジの第１部分を 移動させるために使用され、それによりカートリッジを用いた武器の遊底に十分 な力が加わって該武器を元の状態に戻すカートリッジ。 ２．スリーブ内に入れ子式に収容された本体を有するケースを備え、該本体が 加圧ガスを収容するための主室を囲み、さらに、ケースの前端部からガスを抜く ための弁機構と、ケースからガスを抜く前に本体をスリーブに対して後方に移動 させるためにガスの圧力を利用する装置とを備えるカートリッジ。 ３．請求項２に記載のカートリッジにして、膨脹室が本体の前側端部とスリー ブの前側端部との間に配置され、第１弁がガスを主室から膨脹室へ排出するため に設けられ、第２弁がケーシングを通して膨脹室からガスを排出するために設け られるカートリッジ。 ４．請求項３に記載のカートリッジにして、第２弁はスピゴットを有し、該ス ピゴットが本体の前端部から突出してスリーブの半径方向端壁の開口部に滑動可 能に受け入れられているカートリッジ。 ５．加圧ガスを収容するためのガス室と、ガス室からガスを受け入れるための 可変容積の膨脹室と、点火ピンのカートリッジへの打撃に応じて開いてガス室か ら膨脹室へガスを流入可能にするように構成された第１弁と、膨脹室の容積の所 定の増大に応じて開いてガスを膨脹室から排出可能にするように構成された第２ 弁とを有するカートリッジ。 ６．請求項５に記載のカートリッジにして、膨脹室がカートリッジの入れ子式 に配置されたスリーブ部分および本体部分のそれぞれの前端壁部の間に形成され ているカートリッジ。 ７．スリーブにより入れ子式に囲まれた本体を有するケースと、カートリッジ の点火に応じて本体をスリーブに対して後方に移動させるための装置とを備える ガスカートリッジ。