JPH10502529A - 血小板−内皮細胞接着性分子−1製剤及び方法 - Google Patents

血小板−内皮細胞接着性分子−1製剤及び方法

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JPH10502529A
JPH10502529A JP8503937A JP50393796A JPH10502529A JP H10502529 A JPH10502529 A JP H10502529A JP 8503937 A JP8503937 A JP 8503937A JP 50393796 A JP50393796 A JP 50393796A JP H10502529 A JPH10502529 A JP H10502529A
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ピーター ジェイ. ニューマン
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ナンシー キルシュバーム
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Abstract

(57)【要約】 ヒト血小板−内皮細胞接着性分子−1の新規で実質的に単離されたイソ型、この新規なイソ型及び明らかに同定された可溶性のイソ型などの他のイソ型をコードする転写産物をコードするDNA、このようなDNAを用いてそのDNAを発現させることによってイソ型を調製する方法、及びヒト血小板−内皮細胞接着性分子−1遺伝子の転写を制御するプロモーターセグメントが提供される。この新規なイソ型は、充分な長さの分子に対する遺伝子のエキソン10〜15によってコードされたC−末端近くの一個あるいはそれ以上のセグメントを欠如している点で完全なヒト血小板−内皮細胞接着性分子−1とは異なっており、その遺伝子から得られる転写産物を別のスプライシングを行うことでin vivoで生成する。

Description

【発明の詳細な説明】 血小板−内皮細胞接着性分子−1製剤及び方法技術分野 本発明は、「血小板−内皮細胞接着性分子−1」と言われ、また略して「PE CAM−1」とよく言われる、あるタイプのヒトタンパク質分子に関する。PE CAM−1は、血管壁にある内皮細胞の表面に存在するだけでなく、血液内の血 小板及び白血球の表面にも存在することが知られている。このタンパク質は、こ れらのタイプの細胞がもう一つの細胞に接着する際、またこのような接着が行わ れる工程に関与している。このタンパク質自体は、血管系が関与する種々の症状 、例えば多くの損傷や疾患、即ちアテローム性動脈硬化症や血管形成術によって 引き起こされる傷害に関連して起こる、炎症などの症状に関与している。 さらに特定すると本発明は、血小板−内皮細胞接着性分子−1(PECAM- 1)の「イソ型」として知られているある新規な異性体に関する。これらのイソ 型は、PECAM−1に対する遺伝子の詳細な構造及び機構を決定する際に予期 せず発見されたものである。本発明はまた、本発明のイソ型をコードする新規な DNA、本発明のイソ型を調製するために用いることのできる発現ベクター、及 びヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1をコードする遺伝子からその分子がin vivoで発現するのを制御する新規なプロモーターセグメントにも関する。発明の背景 完全な長さの成熟した血小板−内皮細胞接着性分子−1(PECAM−1)は 、711個のアミノ酸で約130キロダルトンの分子量を持つ、グリコシル化さ れたタンパク質である。このタンパク質は免疫グロブリンスーパーファミリーの 一つである。これらは血小板上の休止している内皮細胞の細胞間連結部や、循環 血液中の単核球、顆粒球、及びT細胞のうちのある種のもので発現される。Newm an et al.(I)(1990)Science 247,1219-1222、Muller et al.(I)(1989)J. Exp . Med.170, 399-414、Albelda, et al.(I)(1990)J. Cell. Biol.110,1227-1 237、Ashman and Aylett(1991)Tissue Antigens 38,208-212を参照のこと。 分子をクローニングする研究よりPECAM−1には、6個の細胞外のIg− 様ドメインと、短い膜貫通領域と、比較的長い118個のアミノ酸(aa)から なり、リン酸化、脂質による修飾、及び翻訳後の他の修飾を受ける可能性のある 多くの部位を含む細胞質のテール部分とを有していることがわかっている。Newm an et al.(I), 前出、及びNewman, United States Patent No. 5,264,554('554 特許)を参照のこと。 三つの完全な長さで成熟したPECAM−1は先行技術においても見いだされ ている。'554 特許でNewmanは、これらのPECAM−1のうちの一つであって 、'554特許の図1に示されているアミノ酸配列を持つ「1型」として本明細書に おいて設計されたものを明らかにした。もう一つの本明細書において「2型」と して設計されたものは、Stockinger et al.(1990)J.Immunol.145,3889-3897 に記載されているアミノ酸配列を持っている。「3型」として本明細書において 設計された3番目のものは、Zehnder et al.(1992)J.Biol.Chem.267,5243- 5249に記載されているアミノ酸配列を持っている。これらの参照文献では、それ ぞれの型のものをコードするcDNA配列も明らかにしている。 アミノ酸配列及び遺伝子配列の部分が以下の配列番号:3〜配列番号:11で 提供される4番目の型「4型」は、536番目('554特許の図1に付与されてい る番号で)のアミノ酸としてセリンではなくアスパラギンを有しており、これは 、'554特許の図1に記載されたcDNA配列において1829番目のヌクレオチ ド(以下の配列番号:3では196番目のヌクレオチドに対応する)が2’−デ オキシグアニレート(G)から2’−デオキシアデニレート(A)に変わったこ とに起因している。Stockinger et al.(1990),前出、によって報告されている 配列も、cDNAの1829番目のヌクレオチドがGではなくAを持っているた めに536番目のアミノ酸がアスパラギンになっている。配列番号:3〜配列番 号:11に示されたcDNA配列に関しては、'554特許の図1に示されたcDN A配列とはもう一つの違いがある。即ち配列番号:11で3’末端の翻訳されな い配列に存在する108番目の塩基は、'554特許の図1に示されているように2 ’−デオキシアデニレートではなく2’−デオキシグアニレートである。この1 08番目の塩基は、'554特許の図1に示されたcDNA配列における2416番 目の塩基に対応する。 また、PECAM−1に対するcDNAに存在する数個のヌクレオチド部分で サイレント置換(アミノ酸の変化を生じない置換)が見いだされている。'554特 許の図1に記載されたcDNA配列に関して言うと、このようなサイレント置換 は、アミノ酸のコード領域にある1593番目と、上記に記載したように3’− 非翻訳領域にある2416番目(以下の配列番号:11においては108番目の ヌクレオチドに対応する)に見られる。この点に関してはNewman et al.(I), 前出、Stockinger et al.,前出、Zehnder et al.,前出、及び'554特許を参照 のこと。 それから明らかに、たくさんの非常に同一性の高いPECAM−1遺伝子DN Aの対立遺伝子が、ヒトの遺伝子プールに存在している。 PECAM−1の多型は、細胞質ドメイン、即ち594−711番目のアミノ 酸におけるアミノ酸置換について、これまでに全く見いだされていない。 完全な長さで成熟したPECAM−1の分子量よりも小さい、約6,000と 9,000ダルトンの間の分子量を持つ可溶性のPECAM−1がこれまでに同 定されている。Goldberger et al.,Blood 80,266a(1992)参照のこと。 PECAM−1は、例えば血管形成術あるいは同様の工程によって生じる可能 性のある、血管外傷の結果として起こる血小板の凝集、アテローム性動脈硬化症 のプラークの発生、及び血栓の形成において関与する血小板−血小板、血小板− 白血球、及び血小板−内皮細胞の相互作用における重要な媒体である。PECA M−1はまた、内皮細胞を通過する移動のような工程で、また炎症などの関連の ある現象で起こる白血球−内皮細胞相互作用においても関与している。Muller e t al.(II)(1993)J. Exp. Med.178, 449-460及びVaporciyan et al.(1993)Sci ence 262,1580-1582には、好中球の補充および内皮細胞を通過する移動を妨害 する、PECAM−1特異性抗体の使用方法について記載されている。PECA M−1がこれらの細胞の相互作用を仲介するメカニズムは複雑であり、そのとき PECAM−1はホモ親和性に(PECAM−1分子に結合するPECAM−1 )、即ちAlbelda et al.(II)(1991)J.Cell.Biol.114,1059-1068に記載され ているように、またヘテロ親和性に(PECAM−1分子以外の分子に結合する PECAM−1)、即ちMuller et al.(III)(1992)J. Exp. Med. 175, 1401-1 404及びDeLisser et al.(1993)J.Biol.Chem.268,16037-16046に記載されて いるように、接着機能を行うために相互作用することができる。 PECAM−1分子の細胞質ドメインは、成熟分子の594−711番目のア ミノ酸からなる118個のC−末端アミノ酸である。このドメインはPECAM −1の接着剤としての性質を調節する、重要な役割を果たしている。組換えPE CAM−1構築物においてC−末端のタンパク質が除去されると、その分子がヘ テロ親和性リガンド−結合特異性からホモ親和性リガンド−結合特異性に変換す ることがわかっている。この点に関してはDeLisser et al.(II)(1994)J.Cell .Biol.124,195-203参照のこと。細胞質ドメインはリン酸化や脂質による修飾 を行うための部位を持っており、細胞骨格と相互作用する。Newman et al.(II) (1992)J.Cell.Biol.119,239-246(1992)、Zehnder et al.,前出参照。細胞 質ドメインの修飾は、PECAM−1の細胞外ドメインにおける接着剤としての 特徴だけでなく、細胞より小さいものの分布や細胞内のシグナル分子との相互作 用、また細胞間でのシグナル変換に関与する能力に影響を与える。発明の概要 本発明は、ヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1(「PECAM−1」)が 発現する染色体17の短腕から得られるヒトゲノムDNAの機構及び構造の研究 に基づく。 この研究で、PECAM−1に対する遺伝子が16個のエキソンを含んでいる ことが発見された。予期しなかったことに、異常に多くのエキソン、即ち10− 16個のエキソンのうち7個のエキソンがPECAM−1分子の「細胞質のテー ル部分」に対してコードされたところに含まれていること、またアミノ酸配列が 異なった細胞質のテール部分を持つPECAM−1の他の型(「イソ型」)が、 PECAM−1遺伝子の転写産物をディファレンシャルスプライシングして生じ ることを発見した。このディファレンシャルスプライシングは、10−15個の エキソンのうちの一個またはそれ以上に対応する転写配列の部分を、そのタンパ ク質を生成するために翻訳されるmRNAから結果的に除外する。その結果、異 なるmRNAが、異なる細胞質のテール部分を持つPECAM−1のイソ型をコ ードする。したがって本発明は、細胞質のテール部分が異なるPECAM−1の 実質的に単離されたイソ型を提供する。 この研究ではまた、PECAM−1遺伝子におけるエキソン9がかりにmRN Aに存在している場合に、細胞膜に係留するタンパク質のドメインを生成する部 分の転写配列を提供できることも見いだした。またエキソン9に対応する転写配 列は、PECAM−1のイソ型をコードするmRNAからディファレンシャルス プライシングをすることによって、それ単独で、あるいはエキソン10−15に 対応する一個またはそれ以上の転写配列とともに除外することができる。実際に 、Goldberger et al.,前出によって報告された可溶性のPECAM−1が、エ キソン9によってコードされる転写配列を欠いたmRNAから得られることを、 本発明の一部分として発見した。 本発明の他のイソ型は、それらが細胞膜にPECAM−1やそのイソ型を係留 するのに必要なセグメントのアミノ酸を欠いているために、可溶性となるのであ ろう。これらの他のイソ型は、遺伝子のエキソン10−15のうち一個またはそ れ以上に対応するPECAM−1遺伝子の転写配列の一部分を欠いているだけで はなく、エキソン9に対応する即ち下記の配列番号:4に示されているエキソン の、少なくとも44−100塩基に対応する転写配列の部分も欠いているmRN Aからコードされた型を含んでいる。この遺伝子のエキソン10−15のうちの 一個またはそれ以上のエキソンと、この遺伝子のエキソン9とに対応する転写配 列の一部分のイソ型をコードするmRNAを欠如したものに対応するイソ型は、 ディフアレンシャルスプライシングによって生成される。この遺伝子のエキソン 10−15のうちの一個またはそれ以上と、配列番号:4に示されているような 、エキソン9の塩基44−100に対応する転写配列の一部分のイソ型をコード するmRNAが欠如したものに対応するイソ型は、本発明のすべてのイソ型が同 様に、そのイソ型をコードするmRNAに転写される配列を持つcDNAを発現 させることによって作製することができる。 さらに本発明にかかる研究では、DNAセグメント(「プロモーターセグメン ト」)が、PECAM−1に対する遺伝子の転写の開始及び調節を行う際の、プ ロモーターとして働くことが発見された。これらのプロモーターセグメントは、 実質的に脈管構造の細胞においてのみ、特定するとPECAM−1が正常に発現 する血管内皮細胞、白血球、あるいは血小板前駆体(例えば巨核球)において、 転写の開始を操作しやすいようにDNAに結び付き、そのDNAの転写を可能に する。このようにプロモーターセグメントは、目的とするタンパク質(可能性と しては完全な長さのPECAM−1自体を含む)を生成する遺伝子の発現、ある いは目的とするアンチセンスRNAを製造するDNAの転写を、これらのタイプ の細胞で制限するために用いられる。 本発明の他の観点は、詳細な説明及び請求の範囲において以下にさらに充分に 説明されており、それは本発明のイソ型、そのイソ型をコードする転写配列をコ ードするDNAセグメント、及び本発明のプロモーターセグメントの発見に基づ く。配列表に示された配列の詳細な説明 配列番号:1は、ヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1に対する遺伝子につ いての本発明の基礎となる研究で決定された、492塩基対からなる初めの配列 (即ち、5’−最端の配列、言い換えると最も「上流」の配列)である。492 塩基対は、この遺伝子の第1番目のエキソンの最も頻繁に用いられる最初の(即 ち、5’−最端の、言い換えると最も「上流」の)塩基対についての研究で決定 されたもののすぐ前にある。配列番号:1の配列を持つDNAセグメントは、本 発明のプロモーターセグメントである。 配列番号:2は配列番号:1から259−492離れたところの塩基対の配列 である。配列番号:2の配列を持つセグメントの数個のサブセグメントは、プロ モーターに発生する配列特性のあるシス作用エレメントを備えている。したがっ て配列番号:2の塩基対1−7は、急性期の反応物に関連するプロモーターで生 じるセグメントの配列を持っており、配列番号:2の塩基対14−22は、サイ トカインによって調節される転写活性のあるプロモーターに生成する転化してN F−κB部位になる配列を持っており、配列番号:2の塩基対46−52及び塩 基対187−191は、ポリオーマウイルスのエンハンサーA−結合性タンパク 質によって認識されるets部位の725配列を持っており、塩基対207−2 16は、巨核球系の細胞の遺伝子発現の調節に関与することが知られている、G ATAエレメント(5’−AGATA)の共通配列と結合する、ets部位の配 列を持っており、そして塩基対200−223は、そのポリメラーゼに対する5 ’−TATA認識配列を欠如する、配列番号:2の配列を持つセグメントと同様 の他のプロモーターに存在しているのと同じRNAポリメラーゼII転写イニシ エーター共通配列を持っている。配列番号:2の配列を持つセグメントは、配列 番号:1の配列を持つセグメントの転写制御活性を有する、サブセグメントであ る。 配列番号:3は、本発明の基礎となる研究において実験された遺伝子に存在す る、エキソン8のすぐ後ろの(即ち、そこから3’−側、言い換えるとそこから 「下流側」にある)イントロンの20塩基からなる、最初の配列(即ち、5’− 最端の配列、言い換えると最も「上流」の配列)を共に持つエキソン8の配列で ある。 配列番号:4は、本発明の基礎となる研究において実験された遺伝子に存在す る、エキソン9のすぐ前にある(即ち、そこから5’−側、言い換えるとそこか ら「上流側」にある)イントロンの最後の(即ち、3’−最端の、言い換えると 最も「下流」の)20塩基からなる配列と、エキソン9のすぐ後ろにあるイント ロンの、初めの20塩基からなる配列とを共に持つ、エキソン9の配列である。 エキソン9は、血小板−内皮細胞接着性分子−1、あるいはそのイソ型のセグメ ント、即ち「膜貫通ドメイン」と言われるセグメントをコードする。配列番号: 4に示されているような塩基44〜塩基100のセグメントからなる、エキソン 9のセグメントが欠失したDNAセグメントから得られるこのようなイソ型の発 現は、膜結合性のポリペプチドというよりはむしろ可溶性になる。配列番号:4 に示されているアミノ酸1−8及び28−36は、細胞あるいは血小板膜にポリ ペプチドが係留する際に関与すると考えられるが、アミノ酸9−27はそうでは なく、可溶性になるそのポリペプチドにとってはポリペプチドがないことが必要 ではない。配列番号:4に示されているアミノ酸9−27は、米国特許第5,264, 554号('554特許)の図1に示されている、血小板−内皮細胞接着性分子−1に 対する配列であるアミノ酸575−593に対応する。 配列番号:5は、本発明の基礎となる研究で実験された遺伝子における、エキ ソン10のすぐ前にあるイントロンの最後の20塩基の配列と、エキソン10の すぐ後ろのイントロンの最初の20塩基の配列とを共に持つ、エキソン10の配 列である。 配列番号:6は、本発明の基礎となる研究で実験された遺伝子における、エキ ソン11のすぐ前にあるイントロンの最後の20塩基の配列と、エキソン11の すぐ後ろのイントロンの最初の20塩基の配列とを共に持つ、エキソン10の配 列である。 配列番号:7は、本発明の基礎となる研究で実験された遺伝子における、エキ ソン12のすぐ前にあるイントロンの最後の20塩基の配列と、エキソン12の すぐ後ろのイントロンの最初の20塩基の配列とを共に持つ、エキソン12の配 列である。 配列番号:8は、本発明の基礎となる研究で実験された遺伝子におけるエキソ ン13のすぐ前にあるイントロンの最後の20塩基の配列と、エキソン13のす ぐ後ろのイントロンの最初の20塩基の配列とを共に持つ、エキソン13の配列 である。 配列番号:9は、本発明の基礎となる研究で実験された遺伝子におけるエキソ ン14のすぐ前にあるイントロンの最後の20塩基の配列と、エキソン14のす ぐ後ろのイントロンの最初の20塩基の配列とを共に持つ、エキソン14の配列 である。 配列番号:10は、本発明の基礎となる研究で実験された遺伝子におけるエキ ソン15のすぐ前にあるイントロンの最後の20塩基の配列と、エキソン15の すぐ後ろのイントロンの最初の20塩基の配列とを共に持つ、エキソン15の配 列である。 配列番号:11は、ヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1に対する遺伝子に ついての本発明の基礎となる研究で決定された、921塩基からなる3’−最端 (即ち、最も「下流」)の配列である。配列番号:11の最初の20塩基の配列 は、その遺伝子のエキソン16のすぐ前にあるイントロンの、最後の20塩基の 配列である。配列番号:11における最後の901塩基の配列は、エキソン16 の初めの(5’−最端の)901塩基対の配列である。これらの901塩基対の 871は、エキソンが欠如しても変わらないmRNAのリーディングフレームに 対する、完全な長さのタンパク質及びそのイソ型をコードするmRNAに存在す る、停止コドンに対応するトリプレットから3’側にある。これらの871塩基 対の中には、5’−AATAAAプライマリー共通ポリアデニル化シグナル配列 はない。しかしながら二つのセカンダリー共通ポリアデニル化シグナル配列は配 列番号:11内の塩基380−385及び塩基536−541に現れる。配列番 号:11にある塩基249は、'554特許の図1に示された血小板−内皮細胞接着 性分子をコードするcDNAにある塩基2557に対応する。 配列番号:3〜配列番号:11はまた、エキソンに対応するそれらの配列の部 分によってコードされるアミノ酸配列を示している。アミノ酸に対するコドンに 対応するトリプレットをイントロンが中断している場合には、コードされたアミ ノ酸はトリプレットの三つの塩基のうちの二つを含むエキソン配列とともに示さ れている。 配列番号:12、配列番号:13、配列番号:14、及び配列番号:15は、 本発明を基礎とする研究で用いたプライマーの配列である。配列番号:12は、 '554特許の図1に示された血小板−内皮細胞接着性分子をコードするcDNAに おける、塩基100−141の配列に相補的である。配列番号:13は、'554特 許の図1に示されたcDNA配列の、塩基2465−2482の配列に相補的で ある。配列番号:14は、'554特許の図1に示されたcDNA配列の塩基208 5−2102と同じ配列である。最後に配列番号:15は、'554特許の図1に示 されたcDNA配列の、塩基2324−2343の配列に相補的な配列を持って いる。 配列番号:16、配列番号:17、配列番号:18、配列番号:19、配列番 号:20、及び配列番号:21は、配列番号:4に示されたエキソン9の塩基4 4−100に対応するセグメントを持つ、本発明のイソ型をコードするcDNA から、そのセグメントを欠如するcDNAを構築するために用いられるプライマ ーの配列であり、したがって本発明の可溶性のイソ型を造成するのに用いること ができる。配列番号:16は、'554特許の図1に示されたcDNA配列の塩基1 602−1621の配列である。配列番号:17の5’−最端にある16塩基か らなる配列は、'554特許の図1に示されたcDNA配列の塩基1929−194 4の配列に相補的な配列であり、そして配列番号:17の3’−最端にある18 塩基からなる配列は、そのcDNAの塩基2002−2019の配列に相補的な 配列である。配列番号:18は配列番号:17に相補的である。配列番号:19 は、'554特許の図1に示されたcDNA配列における塩基2465−2482の 配列に相補的な配列であり、配列番号:20は、その塩基1754−1773の 配列と同じであり、そして配列番号:21は、その塩基2324−2343の配 列に相補的な配列である。発明の詳細な説明 観点の一つによると本発明は、ヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1の実質 的に単離されたイソ型であり、それは完全な長さで成熟したものであって、ここ ではそのイソ型は、ヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1を調製するために翻 訳されるmRNAと同じmRNAを翻訳することによって得られる、アミノ酸の 配列を持っている。ただしそのmRNAからは、ヒトの血小板−内皮細胞接着性 分子−1に対する遺伝子の、エキソン10−15に対応するmRNAセグメント のうちの、一つまたはそれ以上のmRNAセグメントを欠損するイソ型を調製す るために翻訳されるmRNA、及び任意で該遺伝子の全体にあるエキソン9に対 応するmRNAセグメントを欠くか、あるいは配列番号:4に示された塩基対4 4−100からなりかつ3で均等に割り切れる数の塩基対を持つ、該エキソン9 の連続するセグメントも欠損するイソ型を調製するために翻訳されるmRNAが 除かれる。 もう一つの観点によると本発明は、ヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1の イソ型の転写産物をコードするDNAセグメントであり、それは完全な長さであ って、ここではこのイソ型は、ヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1を調製す るために翻訳されるmRNAと同じmRNAを翻訳することで得られるアミノ酸 の配列を持つが、ただしそのmRNAからは、ヒトの血小板−内皮細胞接着性分 子−1に対する遺伝子のエキソン9−15に対応するmRNAセグメントのうち の一個あるいはそれ以上のmRNAセグメントを欠損するイソ型を調製するため に翻訳されるmRNA、及び該イソ型を調製するために翻訳される該mRNAが 該遺伝子のエキソン9に対応する完全なセグメントを欠損していないならば、配 列番号:4に示されている塩基対44−100からなりかつ3で均等に割り切れ る数の塩基対を持つ該エキソン9の連続するサブセグメントに対応するmRNA セグメントを任意で欠損するイソ型を調製するために翻訳される該mRNAが除 かれているイソ型であることを特徴とする。 本発明のDNAは、イソ型を発現させるために操作しやすく、本発明のDNA セグメントが転写配列としてコードされている発現ベクター中に、あるいは細胞 中、培養物(マウスあるいはラットの腹膜腔内のような動物内にin vivoで保有 されている培養物を含む)中、さらにin vivoでのヒトの体内に含まれる可能性 がある。好ましい発現ベクターは、培養されている咄乳動物の細胞中、あるいは in vivoでヒトの体内の血管にある細胞中で本発明のイソ型を発現させるであろ う。本発明のプロモーターセグメント(下記参照)は、ヒトの血管内の細胞に特 異的に発現させるために用いることができる。したがって本発明のDNAセグメ ントは、培養物中の細胞においてあるいは発現ベクターについてまさに示されて いるような他の状態において、セグメントが転写産物をコードしているイソ型を 、DNAセグメントを発現させる工程を含む方法で生成させるために用いること ができる。なお本発明は、本発明にかかるDNAセグメントを使用するこのよう な方法を包含する。 本発明はまた、このような発現ベクター、そのようなベクターを用いて形質転 換された細胞、そのような細胞の培養物、及び本発明の発現ベクターから培養物 中の細胞においてあるいは他の状態において発現させることによって本発明のイ ソ型を形成する方法も包含する。 さらに本発明には、(i)配列番号:1あるいはそのサブ配列、即ち例えば転 写配列に操作可能に連結するDNAセグメントに関連する(即ち、その転写を開 始したり制御したりできること)転写-制御-活性のある配列番号:2のようなサ ブ配列と実質的に同じ配列を持つプロモーターセグメントであって、(ii)ヒト の血小板−内皮細胞接着性分子−1に対する遺伝子にそのプロモーターセグメン トの5’が直接的に位置づけられるならばヒト染色体17の長腕上にないような プロモーターセグメントも含まれる。 本発明はさらに、血管内の細胞において、特に血管内皮細胞、白血球、及びP ECAM−1が自然に発現する血小板の前駆体(例えば巨核球)において、アン チセンスRNAを調製するためのDNAセグメントの転写を制御するように、あ るいはタンパク質(可能性としては完全な長さのPECAMが含まれるが、これ に限られるわけではない)を調製するための遺伝子の発現を制御するように本発 明のプロモーターセグメントを使用する方法を含む。 本発明のイソ型に関する「実質的に単離された」とは、「イソ型が天然で生じ るような環境から隔離されている」ことを意味している。したがって他の可能性 のあるところ、即ち培養物中の細胞内のイソ型、自然発生しないかあるいは異な る濃度で自然発生するような生きたヒトの細胞内のイソ型、クロマトグラフィー あるいは電気泳動ゲルに載せられているか、リポソームに含まれているか、ある いは溶液中に含まれているイソ型が、「実質的に単離された」状態であろう。注 射またはその他の手段によるヒトへの投与において、薬剤学的に許容される溶液 のような、水溶液中のイソ型は、「実質的に単離された」ものと言えよう。この ような薬剤学的に許容される溶液中で本発明のイソ型は、約10nMから約50 μM未満の濃度で存在することができ、そのイソ型はその溶液中に溶解している 。少なくとも約50nMの濃度、あるいはより普通には少なくとも約1μMの濃 度が用いられる。 膜貫通ドメイン('554特許の図1に示されたアミノ酸573−593のセグメ ントであり、それは配列番号:4におけるアミノ酸9−27に対応する)を含む 本発明のイソ型は、溶液に懸濁させるためにうまくリポソームに封入されて、通 常は静脈内あるいは動脈内に拡散させることによって、即ちそのような溶液を注 入することによってヒトへの投与が行われる。 「成熟した」イソ型あるいは他のタンパク質とは、そのタンパク質がシグナル ペプチドを持たないことを意味している。 「完全な長さ」の血小板−内皮細胞接着性分子−1とは、その分子が天然に発 生するアミノ酸の完全な配列を持っている分子であることを意味している。本発 明の後で現在までに判明しているこれらの分子の4種のヒト型の場合では、この 「完全な長さ」の配列は「成熟した」分子では711個のアミノ酸を有しており 、シグナルペプチドを持っている「完全な長さ」の分子では738個のアミノ酸 を有している。 RNAに対してコードする「cDNAセグメント」とは、転写することによっ てイントロンを持たないRNAを調製することのできるDNAセグメントを意味 している。別途限定しない限り「cDNA」あるいは「cDNAセグメント」は 二本鎖である。タンパク質あるいはポリペプチドに対するcDNAセグメントは 、イントロンを持たないDNAセグメントであること、またこれとは逆に、翻訳 することでタンパク質あるいはポリペプチドを調製することのできるRNA(即 ち、そのタンパク質あるいはポリペプチドを「コード」している)に転写できる DNAセグメントであることを意味している。 タンパク質あるいはポリペプチドに対する「遺伝子」とは、(1)そのタンパ ク質あるいはポリペプチドに対するゲノムDNAのセグメントであって、このセ グメントはイントロンを持っているRNAに転写され、そこでそのRNAがイン トロンに対応するセグメントを除去する工程を経た後でタンパク質あるいはポリ ペプチドに翻訳されるようなセグメントであるか、(2)全体的にサイレントで あるような一個あるいはそれ以上のヌクレオチドの置換、欠損、あるいは付加に よってのみこのパラグラフの(1)項で特定したセグメントとは異なる、cDN Aセグメントではないセグメントを意味している。このような置換、欠損、及び 付加を伴っているセグメントがRNAに転写されて、そのRNAがイントロンに 対応するセグメントを除去する工程を経た後で同じタンパク質あるいはポリペプ チドに翻訳される能力があれば、そのような置換、欠損、及び付加は、全体的に 「サイレント」である。 「ゲノムDNA」とは、染色体の一部を構成するDNAを意味し、それは「遺 伝子」(転写されるセグメント)だけでなく、プロモーターセグメント、即ちD NAの一部であろう遺伝子の転写を制御するセグメントのような転写されないセ グメントも含んでいる。 この説明で言及する全てのアミノ酸からは、非光学異性体のグリシン及びL− アミノ酸は除外される。アミノ酸は次の表Iに示したように、標準的な三文字か らなる略称を用いて表すことができる。 ペプチドあるいはポリペプチドの配列が記載されていて、アミノ末端のアミノ 酸からカルボキシ末端のアミノ酸へと番号が付されている。 通常一個の文字のコード「A」、「C」、「G」及び「T」は、ここではそれ ぞれヌクレオチドアデニレート、ヌクレオチドシチジレート、ヌクレオチドグア ニレート、及びヌクレオチドチミジレートに対して用いられている。当業者は、 DNAではそのヌクレオチドが2’−デオキシリボヌクレオチド−5’−リン酸 (あるいは、5’−末端が三リン酸になっている)であり、これに対してRNA ではそのヌクレオチドがリボヌクレオチド−5’−リン酸(あるいは、5’−末 端が三リン酸になっている)であってかつウリジレート(U)がTの代わりに存 在していることを認識するであろう。「N」は、4個のヌクレオチドのうちの一 つを意味している。「dNTP」は、4個の2’−デオキシリボヌクレオシド− 5’−三リン酸を意味している。 オリゴヌクレオチドあるいはポリヌクレオチド配列は、5’−末端から3’− 末端へと記載されている。 あるプロモーターセグメントの配列が一個あるいはそれ以上の位置である特定 の配列のセグメントの配列と異なっているが、ヒト臍帯静脈の内皮細胞("HUVEC ,"Newman et al.(III)(1986)J. Cell. Biol.103, 81-86)あるいはECV30 4細胞(ATCCCRL-1998)のような哺乳動物の血管細胞において、プロモーター活 性について標準のアッセイを行った場合、その特定の配列のセグメントによる転 写の開始速度の少なくとも10%、あるいはより好ましくは少なくとも50%の 速度でそのプロモーターセグメントが転写を開始するのであれば、そのプロモー ターセグメントは特定の配列の一つと「実質的に同じ」である。この点に関して は例えば、Sections 9.6 and 9.7 of Current Protocols in Molecular Biology , edited by Ausubel et al., Current Protocols, a joint venture betweenGr eene Publishing Associates, Inc. and John Wiley & Sons, Inc.(1994)参照 。 転写が行われるセグメントに関与して「転写に対して操作可能に」プロモータ ーセグメントが位置づけられることは当業者にとっては当然のことである。それ は、プロモーターセグメントが転写を開始する際に有効性を発揮する細胞内で、 転写されるべきセグメントがそのプロモーターセグメントから開始される転写工 程で実際に転写されるように、プロモーターセグメント及びそのプロモーターセ グメントの制御の下で転写されるセグメントの両方を含むより大きなDNAセグ メント内において、そのプロモーターセグメントが配向されていること及び位置 づけられていることを意味している。 転写制御活性を維持している本発明のプロモーターセグメントのサブセグメン トをこの技術分野で周知の方法によって検出することは、当業者にとっては日常 的に行っている操作である。サブセグメントは、数多くの標準的な手法のうちの どれかの方法、例えばChapter 8 of Current Protocols in Molecular Biolory, 前出に示された方法によって調製できる。サブセグメントの転写制御活性のテ ストは、上記のSections 9.6 and 9.7 of Current Protocols in Molecular Bio logy,前出に記載されたように、プロモーター活性についての標準的なアッセイ によって行われる。 本発明のプロモーターセグメント及びサブセグメントは、対象のタンパク質が 血管の細胞で発現できるように、遺伝子、あるいは好ましくはcDNAに転写さ れるように操作可能に連結されているのであろう。これらのタンパク質にはPE CAM−1あるいはそのイソ型だけでなく、アデノシンデアミナーゼのようなタ ンパク質が含まれるためにその酵素の欠乏に起因する免疫不全を治療することが でき、また第IX因子が含まれるために、その凝固因子の欠乏に起因する血友病 の症状を治療することができる。得られた構築物はその後、内皮細胞、白血球、 あるいは血小板前駆体細胞のような血管内の細胞に、レトロウイルスが仲介する 形質転換に制限されない方法を含む標準的な形質転換法によって形質転換するこ とができる。治療を行うべき人に形質転換した細胞は、その後目的とするタンパ ク質を製造するであろう。 本発明のプロモーターセグメント及びサブセグメントは、そのプロモーターセ グメントあるいはサブセグメントから転写が行われる方向に関連して指向されて いるDNAに、転写する際に操作可能なように連結しており、それによって血管 の細胞内にアンチセンスRNAを転写して生成させることができる。当業者には 認識されているように、このようなアンチセンスRNAは、相補的な配列のDN AあるいはRNAセグメントに作られる細胞にハイブリダイゼーションすること によって、そのDNAあるいはRNAセグメントの機能を遮断し、それによって そのような機能に依存する遺伝子の発現を減じるかあるいは阻害する。例えばア ンチセンスRNAは、タンパク質に翻訳されるmRNAのすべてあるいは一部に ハイブリダイゼーションし、そしてそのmRNAの翻訳を遮断することによって そのタンパク質に対する遺伝子の発現を阻害することができる。本発明のプロモ ーターセグメント、あるいはそのサブセグメントは、PECAM−1のすべてあ るいは一部分に対するcDNAを転写するために用いることができ、この際その cDNAは、プロモーターセグメントあるいはサブセグメントから転写が行われ る方向に関連して位置づけられており、PECAM−1を得るために翻訳される mRNAのすべてあるいは一部分にそれぞれ相補的な配列を持つRNAを生成す ることができる。このように形質転換された細胞によって産生されるPECAM −1の量は、減少または消失するであろう。このことより、表面にPECAM− 1を自然状態で備えている血小板及び細胞の中での癒着に起因して、白血球の内 皮細胞を通過する移動または動脈の閉塞が起こることによって生じる、炎症のよ うな症状を治療する場合に治療効果があり、その際にはPECAM−1分子と他 のPECAM−1分子あるいは他の細胞表面のタンパク質との相互作用がかかわ っているのであろう。 本発明のイソ型を形成するために、'554特許に記載された説明が参照文献にさ れる。エキソン9以外の一個あるいはそれ以上のエキソンに対応する完全なセグ メントを欠損するmRNAによってコードされているイソ型は、血管内の細胞の 数は天然では低いレベルでしか生成せず、そのため回収可能な型の細胞からPE CAM−1を得るために'554特許に記載された方法を簡単に修飾した方法によっ てそのような細胞から単離することができる。細胞からイソ型を単離するための これらの方法では、イソ型を調製する発現ベクターで形質転換した培養物内の細 胞から非常に多く産生されるPECAM−1のイソ型を抗原として用いて得られ る抗体を使用すればよい。 エキソン9に対応するアミノ酸セグメントを欠損するか、あるいは配列番号: 4に示されているようにエキソン9に対応するセグメントであるアミノ酸9−2 7に対応するアミノ酸セグメントを欠損する本発明のイソ型は可溶性である。エ キソン9に対応するセグメントを欠損するイソ型は、天然では血清中に含まれて おり、それらは標準的な手法、即ちイソ型を産生するように発現ベクターで形質 転換した培養物中の細胞から大量に産生できる対応するPECAM−1の複数の イソ型をそれぞれ抗原として利用して得られる抗体を、ここで再び別法で用いる ことによって血清から単離することができる。 本発明のイソ型、及びエキソン9に対応する完全なアミノ酸セグメントを欠如 するイソ型は、発現ベクターの一部として本発明のDNAセグメントを用いるこ とによって、また、発現ベクターを用いて形質転換した細胞を培養することによ って本発明のイソ型をコードするDNAを発現させてイソ型を産生させることに よってうまく生成できる。これに関連して、細菌、酵母、あるいは哺乳動物の細 胞のイソ型を調製するための発現ベクターを調製する際には、参照文献として'5 54特許だけでなく、前述のようなベクターが関与する標準的な研究が記載された 例えばCurrent Protocols in Molecular Biology, 前出などを挙げることができ る。培養状態の哺乳動物の細胞の、特定するとヒトの細胞のイソ型を調製する場 合、天然に存在する型であるグリコシル化体と同じようにイソ型のグリコシル化 体が調製されることが好ましい。哺乳動物の細胞で発現させるために、ジヒドロ 葉酸/還元酵素−メトトレキセートシステムを用いて目的の遺伝子の数をコピー して増幅する工程が関与するシステムを用いて増殖させた細胞が好まれる。Curr ent Protocols in Moleculae Biology, 前出のChapter 16, and especially Sec tion 16.14を参照のこと。 本発明のイソ型は、'554特許でPECAM−1について記載されているのと同 様に用いることができる。 したがって本発明のイソ型は、例えばさまざまな診断用や治療用の抗体を製造 するために、好ましくはモノクローナル抗体を製造するために用いることができ る。 本発明のイソ型は、内科医の指導のもとにヒトに対して投与されるべきである 。 本発明の可溶性のイソ型、あるいは本発明のDNAを用いて提供されたものは 、薬剤学的に許容される担体に入れて、レシピエントの体重1kgあたり約0. 05mg/kgと約5mg/kgの間の単一用量を、静脈内あるいは動脈内に一 回の注射を行うことによって、あるいは約1分から約10時間の間の時間をかけ て静脈内あるいは動脈内に拡散させることによってヒトに投与すればよく、それ によって関節炎やハチの刺し傷、クモの噛み傷、敗血症、アナフィラキシーショ ック、及び他の状態などの様々な状況で起こる、白血球の内皮細胞を通過する移 動に原因のある炎症を緩和することができ、また粥状硬化や血管形成術などの血 管の外傷が関与して起こる動脈の閉塞を阻害することができる。 実際の用量管理は、他の個体の因子、イソ型が投与される目的、及びその個人 の薬に関する条件に依存して、個体毎に変わるであろう。 本発明のイソ型の溶解しないものは、リポソームと組み合わせて用いることが でき、得られたリポソームは可溶性のイソ型の効果と同じ効果を奏するように投 与することができる。 本発明は、次の実施例でさらに詳細に説明されている。実施例は、本発明を例 示し明確にする目的で示されているのであって、本発明に制限を加えるものでは ない。 実施例1 この実施例は、PECAM−1に対するゲノムDNAの構造及び機構、及びP ECAM−1の種々のイソ型をコードするmRNAをコードしたcDNAの配列 の決定に関する研究について説明するものである。 二つのヒトゲノムライブラリーは、ラムダファージベクターにクローニングさ れた末梢血液の白血球DNAを部分的に消化したSau3AIから構築されてお り、それをスクリーニングすることで大部分のPECAM−1遺伝子を得ること ができた。λEMBL3における第1番目のライブラリーは、Clontech Laborat ories(Palo Alto, California, USA)より入手した。λGEM−11における第 2番目のライブラリーは、Novagen(Madison, Wisconsin, USA)より入手した。 ライブラリーのスクリーニングは、[α−32P]dCTP(DuPont, New Engla nd Nuclear, Boston, Massachusetts, USA)を用いて無作為にプライマー付けす ることによって32P−ラベルされたPECAM−1 cDNAプローブの完全な 長さのものあるいは部分だけのものと、オリゴラベリングキット(Pharmacia,P iscataway, New Jersey, USA)(Feinberg and Vogelstein(1983)Anal. Bioch em. 132, 6-13)とを用いて、プラーク−リフトハイブリダイゼーション(Sambr ook et al.(1989)Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Ha rbor Laboratory Press, Co1d Spring Harbor, New York)することで行った。 陽性のクローンをプラーク−精製し、ファージDNAを、続いて標準的な操作( Sa mbrook et al.,前出)を行うことでゲノムの挿入物の特徴に対して単離した。 PECAM−1のゲノムDNAの一部を含む約45kbのゲノムのクローンは 、PECAM−1特異性プライマーを用いてPCRに基づくスクリーニングを行 うことによって、P1ファージミッドライブラリー(P1 phagemid library)(c lone #530, Genome Systems, St. Louis, Missouri, USA)から誘導した。 全ての挿入物は、制限酵素地図によって特徴が明らかになった。エキソンを含 む制限断片は、32−Pラベルを施したPECAM cDNAプローブを用いて制 限酵素のエンドヌクレアーゼで消化したものをサザンブロットハイブリダイゼー ションを行うことで同定した。ゲノムのクローンDNAを制限酵素のエンドヌク レアーゼで消化したものを1%のアガロースゲル電気泳動で分離し、減圧によっ てナイロン製の膜(Boehringer Mannheim Biochemicals, Indianapolis, Indian a, Usa or Micron Separations, Inc., Westborough, Massachusetts, USA)に 移しとった。プレハイブリダイゼーション及びハイブリダイゼーションは、5× デンハート溶液(Sambrook et al., 前出)、6×SSC(1×SSC:0.1 5Mの塩化ナトリウム、0.015Mのクエン酸ナトリウム、pH7)、5mM のエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、10mMのリン酸ナトリウム、p H7、1%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、50μg/mgのニシンの精 子DNA中で68℃で行った。ラベルを施したプローブを2−3×106cpm /mlで添加し、18時間ハイブリダイゼーションさせた。その膜を、2×SS C、0.1%のSDSで二度、0.5×SSC、0.1%のSDSで一度、0. 1×SSC、0.1%のSDSで二度、それぞれ30分間かけて68℃で洗浄し た。 ある例では、エキソンが非常に小さいために二本鎖のDNAプローブのハイブ リダイゼーションによって検出することができなかった。そのため適切な場合に はオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションを行った。PECAM−1cDN A('554特許を参照のこと)の配列から誘導した合成のオリゴヌクレオチドは、 [γ−32P]dATP(DuPont,New England Nuclear)とT4ポリヌクレオチ ドキナーゼ(Promega, Madison, Wisconsin, USA、あるいはNew England Bioabs , Boston, Massachusetts, USA)を用いて32P−ラベルを施した。膜を、5×デ ンハート溶液、6×SSC、5mMのEDTA、10mMのリン酸ナトリウム、 pH7、1%のSDS中でプレハイブリダイゼーションした。ハイブリダイゼー ションは、10×デンハート溶液、5×SSC、5mMのEDTA、20mMの リン酸ナトリウム、pH7、7%のSDS、100μg/mgのニシンの精子D NA中で50℃で、少なくとも18時間かけて行った。その膜を、10×デンハ ート溶液、3×SSC、70mMの燐酸ナトリウム、5%のSDSでそれぞれ2 0分づつ3回、50℃で洗浄し、続いて1×SSC、1%のSDSで一回あるい は二回、60℃で洗浄した。 全てのハイブリダイゼーションの工程は、Model 310 Hybridization oven(Rob bins Scientific, Sunnyvale, California, USA)を用いて行った。 それぞれのゲノムの挿入物は、さらに遺伝子地図を作成し配列分析を行うべく 、プラスミドベクター、即ちptz18r(Stratagene,La Jolla, California, USA)あるいはpGEM−7(Primega)にフラグメントとしてサブクローニン グした。 大部分の遺伝子配列、つまり全てのエキソン、エキソン/イントロンの連結部 、及びイントロン配列の大部分は、T7DNAポリメラーゼ(Sequenase(商品名 )brand, United States Biochemical, Cleveland, Ohio, USA)及び[γ-35S] dATP(DuPont, New England Nuclear)を用いて生成した。数個のイントロ ン配列は、Taqポリメラーゼ、プリズムダイデオキシターミネーターキット、 及びABI 373A自動シーケンス装置(Applied Biosystems, Foster City, California, USA)を用いてサイクルシーケンスを行うことによって得た。すべ ての配列は、Sanger et al.(1977), Proc. Natl. Acad. Sci.(USA)74, 5463- 5467(the Sanger method)に記載されたジデオキシヌクレオチドターミネーショ ン法によって決定した。 イントロンの距離は、制限酵素地図、PCR増幅法、及び直接的シーケンス法 を組み合わせることで決定した。 ゲノムのサザンブロットハイブリダイゼーションを行うためにヒトゲノムのD NAは、正常で健康なボランティアから採取した50mlのヒト血液より分離し た末梢血液の白血球から単離した(Poncz et al.(1982)Hemoglobin 6, 27-36 参 照)。10μgのヒトゲノムのDNAを、種々の制限酵素を用いて37℃で18 時間消化した。その消化物を30ボルトで18時間、トリスーホウ酸−EDTA 緩衝液中で電気泳動することによって0.8%のアガロースゲルで分離し、ナイ ロン製の膜に移し取ってから、32P−ラベルの施されたPECAM−1 cDN Aプローブを用いて65℃で少なくとも18時間、5×デンハート溶液、6×S SC、5mMのEDTA、10mMのリン酸ナトリウム、pH7、1%のSDS 、100μg/mlのニシンの精子DNA中でハイブリダイゼーションした。そ の膜を2×SSC、0.1%のSDSを用いて65℃で二回、続いて1×SSC 、0.1%のSDSを用いて二回、それぞれ30分間かけて洗浄した。その洗浄 した膜を、増幅スクリーンの存在下で、Kodak XOMatARあるいはXRPフィルム(Fo todyne, Milwaukee, Wisconsin, USA)に、1週間から2週間露光させた。 ポリメラーゼ連鎖反応は次のように行った。1μgの全ヒトゲノムDNA、2 0ngのラムダファージDNA、あるいは2ngのプラスミドDNAを、100 μlのPCR増幅法における出発物質として日常的に用いた。PCR反応は、1 0mMのTris−HCl、pH8、1.5mMのMgCl2、50mMのKCl、 0.01%のゲラチン、及び0.2mMの各dNTP(2’−デオキシリボヌク レオシド トリホスフェート)の混合液中で行った。プライマーは、最終濃度が 0.5μMになるように添加した。PCR増幅法は、次のプロトコールを用いて サーモサイクラー(MJ Reserch, Inc. Watertown, Massachusetts, USA)で行っ た。そのプロトコールは、(1)3分間、100℃でDNAの変性を行い、(2 )2分間、55−57℃で最初のプライマーのアニーリングを行い、(3)72 ℃に加熱した後で1ユニットのTaqポリメラーゼ(Perkin-Elmer Corp. Oakbr ook, Illinois, USA)を添加してから、(4)1−5分間、7℃で伸長し、(5 )1.0分間、96℃で変性を行い、(6)1.0分間、55−57℃でプライ マーアニーリング処理し、(7)工程(4)−(6)を30回繰り返し、(8) 最後に7分間、伸長し、そして(9)4℃に冷却する工程からなる。 プライマリー伸長法およびcDNA末端の5’−急速増幅(RACE)分析法 は次のように行った。ヒト臍帯静脈の内皮細胞を臍帯から採取し、第1世代の培 養物をNewman et al. (III)(1986)J. Cell. Biol. 103, 81-86に記載されてい るように確立した。全RNAとポリAmRNAは、以前に公開された方法(Lyma n et al.(1990)Blood 75, 2343-2348参照)によって単離した。酵母のtRN Aは、Life Technologies, Inc.(Gaithersburg, Maryland, USA)から入手し た。プライマー伸長反応は、配列番号:12のオリゴヌクレオチドを用いて誘導 した。そのプライマーは、[γ−32P]ATPを用いてキナーゼ反応をすること によってラベルし、15μgの全RNA、4μgのポリA RNA、あるいは1 5μgの酵母のtRNAのいずれかを用いてハイブリダイゼーションした。ハイ ブリダイゼーション反応は、125mMのTris、75mMのKCl及び7.5m MのMgCl2を含むpH8.3の緩衝液中において、56℃で処理した。伸長 反応は、50mMのTris、75mMのKClを含むpH8.3の緩衝液、0.5 mMの各dNTP、0.05mg/mlのアクチノマイシンD、0.1U/ml のRNasin(商品名)ブランドリボヌクレアーゼ阻害剤(Promega)、及び0.2 U/mlのMMLV逆転写酵素の混合液中で、40℃にて行った。伸長させた後 で保護されていないRNAはRNaseH(10U/ml)で消化し、続いてそのまま のRNA−DNAハイブリッドのエタノール沈澱を行った。その産物は、5%変 性ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、オートラジオグラフィーによって可視 化した。上記のプライマーとPECAM−1遺伝子(下記参照)の5’−末端を 含むゲノムのクローンとを用いたシーケンシング反応は、Sangerの方法を利用し て誘導した。5’−RACE反応は、製造指示書(Clontech, Inc.)にしたがっ て処理した。 PECAM−1のmRNAをスプライシングした異型の同定は次のように行っ た。全RNAは、Chomczynski and Sacchi(1987)Anal. Biochem. 162, 156-15 9(1987)に記載された方法によってヒト臍帯静脈の内皮細胞から単離した。cD NAは単離したRNAより、配列番号:13のアンチセンスプライマーを用い、 MMLV逆転写酵素(Boehringer Mnnheim Biochemicals)で37℃にて逆転写 することによって生成した。cDNAのPCR増幅法は、配列番号:14配列を 持つエキソン11の前方のプライマーと、配列番号:15配列を持つエキソン1 5/16連結部にわたっているアンチセンスプライマーとを利用した。PCRの 生成物は2%のアガロースゲル電気泳動によって分離した。時にはPCR生成物 は 、ゲルから直接的に活性化されてpGEM−5プラスミドベクター(Promega) にサブクローニングされ、そして上記に説明したようにシーケンシングした。 ヒト/ハムスター体細胞のハイブリッドクローンについて染色体の局在分析を 行うことによって、PECAM−1(全ての型)に対するゲノムDNAがヒトの 染色体17の長腕上の一つのコピー部分に存在することがわかった。 ヒトのPECAM−1に対するゲノムDNAの機構を決定するために、二つの 異なるラムダファージライブラリーと一つのP1ファージミッドライブラリーと を、PCR増幅法(P1ファージミッドライブラリーに対して)とPECAM− 1異性のプローブでハイブリダイゼーションする方法(ファージライブラリーに 対して)とを組み合わせて、同上文献に示されているようにスクリーニングした 。平均約15kb(キロ塩基対)の大きさの挿入物を備えた6個のゲノムのクロ ーンの全部が得られた。 これらの6個のクローンについての第1番目の制限酵素地図は、約65kbの 大きさのゲノムDNAであることを表していた。このヌクレオチド配列は、以前 に報告されている('554特許の図1参照)PECAM−1のcDNA配列の5’ −末端で7位(人為的産物の5’−GAATTC EcoR1部位の部分ではな い最初の塩基)のCに5’が結合した561bp(塩基対)を含むPECAM− 1ゲノムのDNAの30,127塩基対について決定した。 この561bpセグメント内のPECAM−1のmRNA転写物(エキソン1 の開始部)をコードするゲノムDNAの5’末端を位置決めするために、プライ マー伸長分析法を行った。配列番号:12を持つアンチセンスオリゴヌクレオチ ドは即ちPECAM−1mRNAの5’領域にあるセグメントの配列に相補的な 配列であって、それはヒト臍帯静脈の内皮細胞(HUVEC)、A549肺癌細 胞、及び酵母のRNAの逆転写を開始するために用いられる。(肺癌細胞及び酵 母細胞はPECAM−1を発現しない。) 配列番号:1のヌクレオチド492 に直接ヌクレオチドの3’位で結合しているAに対応するHUVECmRNAに 特有の特定のバンドが得られた。このヌクレオチドは、'554特許の図1に示され ている翻訳開始部位から204bp上流側にある。 PECAM−1のmRNAの5’末端から誘導される5’RACEPCR産物 も生成したが、数個のこれらの産物の配列分析では3個の別の転写開始部位を示 し、それらはすべて配列番号:1のヌクレオチド492の3’に直接的に結合す るAの8個以内のヌクレオチドであった。この領域に結合する転写開始部位の配 置は、207bpの5’非翻訳領域を含むcDNAクローンについて報告してい るZehnder et l., 前出の発見と一致している。したがって、PECAM−1遺 伝子(PECAM−1のゲノムDNAの転写される部分)が、血管細胞接着性分 子のE−セレクション(Collins et al.(1991)J. Biol. Chem. 266, 2466-247 3参照)及びL−セレクション(Ord et al.(1990)J. Biol. Chem. 265, 7760- 7767参照)に対する遺伝子で起こる状況と同じように、間隔が近接する数個のヌ クレオチドの一つを開始する(そのためそこにPECAM−1ゲノムDNAの転 写開始部位がある)ことが明らかである。 PECAM−遺伝子の主要な機構の特徴は次に記載したとおりであることがわ かった。この遺伝子は、長さが86塩基対〜12,000塩基対以上の範囲のイ ントロンで分離された16個のエキソンを含んでいる。エキソン1はPECAM −1 cDNAの5’非翻訳(UT)領域に対応しており、それはシグナルペプ チドの全てではないが大部分をコードするmRNAについてもコードしている。 エキソン2はエキソン1に非常に近接する位置にあり、長さが27bpだけしか なく、シグナルペプチドの残りと成熟したタンパク質のN−末端の前の最初の3 つのアミノ酸をコードするRNAをコードしている。 その後でエキソン/イントロン機構及びPECAM−1タンパク質の細胞外ド メインの構造との間に直接的な相互関係が存在する。Igのスーパーファミリー の他のIgに同じように、6個のIg相同性のドメイン('554特許の図2参照) のそれぞれは、3−8と番号が付されているそれ自身のエキソン、即ちその相同 性ドメインをコードするmRNAに対してコードしているエキソンに対応する。 すぐ側面にあるセグメントを持つ膜貫通セグメント('554特許の図1に示され ているアミノ酸575−593)も、隣接するエキソン、即ちエキソン9に対応 している。 予期しなかったことに発明者らは、PECAM−1の細胞質の部分ているが7 個の異なるセグメント/領域に分割されており、そのそれぞれがPECAM遺伝 子のエキソンに対応していることを見いだした。したがって、PECAM−遺伝 子の7個のエキソン、即ちエキソン10−16のそれぞれは、細胞質のテール部 分のセグメントをコードするmRNAに対してコードされている。エキソン16 は、PECAM−1mRNAの転写物の3’UT(非翻訳領域)に対してコード されている。 3’が翻訳停止のコドンをコードしている遺伝子のトリプレットに結合してい るPECAM−1のゲノムDNAの付加的な871bpに対するヌクレオチド配 列についても決定した。この871bpセグメントでは、共通の一次の5’−A ATAAAポリアデニル化配列は存在していなかった。しかしながら二つの二次 の共通配列である5’−GATAAA及び5’−AATACAは、停止コドンを コードしているトリプレットの後ろに存在していた。 PECAM−1遺伝子の転写物の別のスプライシング(ここでは時に、「ディ ファレンシャル」スプライシングと言われる)が発見された。それぞれのイント ロンは、共通のスプライス−ドナー配列「GT」で始まり、共通のスプライス− アクセプター配列「AG」で終わる。興味深いことに全てのエキソンは、エキソ ン10とエキソン15の例外があるものの、こうして「フェーズ1(phase 1) 」エキソン(Sharp(1981)Cell 23, 643-646参照)の分類を持つコドンをコー ドするトリプレットの第1塩基を持つものになる。特定して述べると、膜貫通ド メイン及び細胞質ドメイン(エキソン9−15)に対応する7個のエキソンのう ちの5個のエキソンは、エキソン8と同じくフェーズ1クラスにあり、それは膜 貫通ドメインがないことにより可溶性であるかあるいは細胞質のテール部分の配 列が異なっているPECAM−1イソ型を生成するイン−フレームの別のスプラ イシングが起こる可能性をもたらす。 細胞内でこのようなイソ型が生成するかどうかを調べるために、HUVECの mRNAを、配列番号:14の配列を持つプライマー及び配列番号:15の配列 を持つプライマーを用いてエキソン11−16によってコードされている領域に ついてRT−PCR増幅法にかけた。二つのPCR産物をアガロースゲル電気泳 動によって単離した。即ち、エキソン12−15のすべて、エキソン11の一部 、及びエキソン16の一部を含む完全な長さのセグメントに対応する260bp の大きな方の産物と、完全な長さのPECAM−1 cDNAプローブでハイブ リダイゼーションされる200bpの小さい方の産物である。小さい方のmRN A−誘導PCR産物をサブクローニングして配列決定すると、それがエキソン1 4を欠いていること以外は完全な長さの産物と同じであることがわかった。した がってこの小さい方の産物に対応するmRNAは、PECAM−1△14イソ型 をコードしている。 「PECAM−1△x イソ型」とは、翻訳することによって完全な長さのP ECAM−1を調製することのできるmRNAであって、ただし翻訳することに よってPECAM−1に対する遺伝子のエキソンxに対応するmRNAセグメン トを欠いているイソ型を調製することのできるmRNA以外のmRNAと同じm RNAを翻訳することで得られるアミノ酸の配列を持つイソ型である。同様に「 PECAM−1△x,y,……z イソ型」とは、翻訳することによって完全な 長さのPECAM−1を調製することのできるmRNAであって、ただし翻訳す ることによってPECAM−1に対する遺伝子のエキソンx,y,……及びzに 対応するmRNAセグメントを欠いているイソ型を調製することのできるmRN A以外のmRNAと同じmRNAを翻訳することで得られるアミノ酸の配列を持 つイソ型である。 PECAM−1遺伝子のエキソンの機構を調べることによって、Goldberger e t al.,前出によって同定されたPECAM−1の可溶性型がゲノムDNAのエ キソン9によってコードされているセグメントを欠いたmRNAによってコード されるPECAM−1イソ型(即ち、PECAM−1△9イソ型)であることを 検出した。このmRNAにおいてエキソン9に対応する欠損しているセグメント は、'554特許の図1に示されているようなPECAM−1のアミノ酸575−5 93からなる膜貫通ドメインをコードするサブセグメントを含んでいる。 cDNAは'554特許の図1で報告されている配列に対するcDNAとは、その 図1に示されている塩基2186−2248に対応する63塩基対セグメントを 欠いている点でのみ実質的に異なっていることがわかった。このセグメントは正 確には、cDNAが'554特許の図1に示されているPECAM−1遺伝子のエキ ソン13に対応している。こうしてPECAM−1△13イソ型が明らかになっ た。 エキソン12、13、及び14はすべてフェーズ1のエキソンであるため、P ECAM−1をコードするmRNAをスプライシングして除去すると、エキソン 13によってコードされたセグメントは細胞質のテール部分の残りをコードする mRNAのリーディングフレームを変えることなく21アミノ酸の正味の欠失が 起こることになる。エキソン13に対応するアミノ酸セグメントは、PECAM −1の細胞質ドメインに存在する12個のセリン残基のうちの4個を含んでおり 、それが存在する場合には翻訳後のリン酸化及びPECAM−1の細胞骨格の会 合のための部位として働くらしい。したがってPECAM−1△13イソ型は、 リン酸化をしたり細胞骨格が会合したりするためにはPECAM−1自体、ある いはその他のイソ型に比べて異なる能力を持っていなくてはならない。 他の研究者らは最近、発育した心臓内皮細胞から得たマウスのPECAM−1 イソ型である、マウスPECAM−1△12,15を単離してその特徴を明らか にした。このイソ型はマウスのPECAM−1に対する遺伝子のエキソン12及 び15に対応するセグメントを欠如する完全な長さの分子をコードするRNAと は異なるRNAによってコードされているため、完全な長さで成熟した分子の配 列とは異なるアミノ酸配列を持っている。 このように、細胞質のている部分に対応する領域にあるPECAM−1遺伝子 の高度に分割されたエキソン/イントロン機構は、たくさんのPECAM−1イ ソ型を発生させるために形成されていることが明らかであろう。 驚くべきことに、PECAM−1のゲノムDNAのたくさんのエキソンからな るモザイク構造は、細胞質領域に広がっている。一個のエキソンに膜貫通ドメイ ンと細胞質ドメインのコード領域とを合同させている相同性タンパク質のICA M−1及びVCAM−1に対する遺伝子とは違って、PECAM−1の細胞質の ている部分は、7個の分離した小さなエキソン、即ちそのそれぞれが別個の機能 を持つドメインを表すことが明らかであるようなエキソンによってコードされて いるRNAでコードされていることがわかった。 実施例2 この実施例では、PECAM−1あるいはそのイソ型に対するcDNAから、 特に前もって決めたセグメントを除去する方法を提供する。この実施例において その方法は、配列番号:4に示されたエキソン9の塩基44−100に対応する cDNAセグメントを除去するために用いられる。このcDNAセグメントは、 「膜貫通ドメイン」をコードするPECAM−1−コードmRNAのセグメント についてコードしている。このセグメントを欠如するcDNAから発現させたP ECAM−1のイソ型は可溶性である。 当業者は、完全な長さのPECAM−1あるいはそのイソ型をコードするmR NAをコードするcDNAセグメントから、エキソン9−15の一個あるいはそ れ以上に対応するセグメントを除去する目的でここに記載されている方法を容易 に適用することができる。この方法を適用する際に必要とされる情報は、PEC AM−1のゲノムDNAに存在するエキソンの配列(したがって、PECAM− 1のcDNAにおけるエキソンの境界)についてここで提供された情報、また完 全な長さのPECAM−1に対するcDNAの配列について(例えば、'554特許 、Stockinger et al.,前出、及びZehnder et al., 前出参照)、制限酵素の認 識部位及び開裂部位の配列について、及び多くの好適なクローニングベクターの 配列についての情報などの当業者が容易に入手できる知識である。 ここに説明した手法は、Kahn(1990 Technique−A Journal of Methods in Ce ll and Molecular Biology 2, 27-30に記載された手法を基礎としている。 '554特許の図1に図示されている配列のPECAM−1 cDNAは、ベクタ ー内の二つのEcoR1部位の間に保持させた。実際には、その図に示されてい るcDNAの5’−末端にある5’−GAATTはEcoR1部位の一部でcD NAライブラリーを調製する方法の人為的な構造であり、cDNAはそこから得 られるものであってそのライブラリーからそのcDNAを単離した。 '554特許の図1に示されている配列を持つPECAM−1のcDNAを、より 好適なcDNA、即ち図1に示された配列のcDNAにある二つの内部EcoR 1部位を持たない都合のよいcDNAに、部位指向性の突然変異誘発を行うこと によって変換した。この図に示された684−689位にあるEcoR1部位の 配列は、%’−GAACTCに変わった。この図に示された715−720位に ある部位の配列は、5’−GAGTTCに変わった。二つの塩基置換はサイレン トである。得られたcDNAについてはここでは、「図1のEcoR1のない」 PECAM−1cDNAとも言われる。 図1のEcoR1のないPECAM−1 cDNAを、pGEM−7プラスミ ドベクター(Promega)のEcoR1部位にクローニングした。ここではそれは 、製造、修飾、発現ベクターあるいは他の目的の別のベクターに移す際のEco R1による切除を行うために都合よく保持されている。pGEM−7以外のこの 技術で有用な他の多くのベクターが、これらの目的に対するものと同様に適合す るであろう。 pGEM−7ベクター内の図1のEcoR1のないPECAM−1 cDNA の343塩基対セグメント、即ち'554特許の図1に示された配列の塩基1602 −1944を、配列番号:16の配列を持つプライマーと、配列番号:17の配 列を持つプライマーを用いてPCR法を行うことで増幅した。増幅した生成物は 361塩基対セグメントであって、本明細書においては「セグメントA」と言わ れており、それは'554特許の図1に示されたような塩基2002−2019の配 列を持ち、一方の端部が343塩基対のセグメントでもう一方の端部が18塩基 対のセグメントからなっている。セグメントAは、反応混合物から単離された。 '554特許の図1に示されているような塩基1945−2001の配列を持つC DNAセグメントは、配列番号:4に示されている塩基44−100の配列を持 つエキソン9のセグメントに対応していることに注目されたい。 pGEM−7ベクター内の図1のEcoR1のないPECAM−1 cDNA の481塩基対セグメント、即ち'554特許の図1に示された配列の塩基2002 −2482を、配列番号:18の配列を持つプライマーと、配列番号:19の配 列を持つプライマーを用いてPCR法を行うことで増幅した。増幅した生成物は 497塩基対のセグメントであって、本明細書においては「セグメントB」と言 われており、それは'554特許の図1に示されたような塩基1929−1944の 配列を持ち、一方の端部が481塩基対のセグメントでもう一方の端部が16塩 基対のセグメントからなっている。セグメントBは、反応混合物から単離された 。 セグメントAの一方の端部にある34塩基対の配列が、セグメントBの一方の 端部にある34塩基対のセグメントの配列と同じであることに注目されたい。そ れゆえにセグメントAのそれぞれの鎖がセグメントBの鎖の一方を鋳型としてプ ライマー伸長反応を開始することができ、またセグメントBのそれぞれの鎖がセ グメントAの一方を鋳型としてプライマー伸長反応を開始することができる。 次にPCR反応を、セグメントA、セグメントB、配列番号:20の配列を持 つプライマー、及び配列番号:21の配列を持つプライマーを組み合わせて行っ た。この反応の主要生成物は533塩基対のセグメントであり、それは一方の端 部に'554特許の図1に示された塩基1754−1944の配列を持つサブセグメ ントを結合し、他方の端部に図1に示された塩基2002−2343の配列を持 つサブセグメントを結合した「セグメントC」とここでは言われている。 セグメントCは、'554特許の図1に示されている塩基1825−1830に対 応するサブセグメントとしてNheI部位(5’−GCTAGC)5’−末端で GとCの間を開裂する)と、'554特許の図1に示されている塩基2247−22 52に対応するサブセグメントとしてBglII部位(5’−AGATCT、5 ’−末端でAとGの間を開裂する)とを持っている。 セグメントCを、NheIとBglIIを用いて切り取って、約369bpの フラグメントを単離した。 pGEM−7ベクター内の完全な長さの図1のEcoR1のないPECAM− 1 cDNAもNhelとBglIIを用いて切り取って、より大きなフラグメ ントを単離した。pGEM−7ベクター自体はNheI及びBglIIに対する 部位がないことに注意してほしい。 セグメントCの369塩基対フラグメントを次に、図1のEcoR1のないP ECAM−1 cDNAを持つpGEM−ベクターをNheI/BglII−開 裂して得られた大きなフラグメントにリガーゼ反応させた。得られたベクターは 、'554特許の図1に示されている完全なアミノ酸配列、ただし「膜貫通ドメイン 」のアミノ酸であるその図に示されたアミノ酸575−593、あるいはこれと は別の場合で配列番号:4に示されているアミノ酸9−27を除外した完全なア ミノ酸配列を持つ可溶性のPECAM−1イソ型に対するcDNAを持っていた 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07K 14/47 7823−4B C12Q 1/68 A C12Q 1/68 9637−4B C12P 21/02 C // C12P 21/02 9051−4C A61K 37/02 ABE (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,UG,UZ,VN (72)発明者 グミーナ リチャード ジェイ. アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 ミル ウォーキー 61スト ストリート 2535 エヌ. (72)発明者 キルシュバーム ナンシー アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 ミル ウォーキー リッチモンド アベニュー 6132 ダブリュ.

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(i)配列番号:1と実質的に同じ配列あるいは配列番号:1のヌクレオチ ド492を含みその転写制御活性のあるサブ配列を有し、(ii)セグメントがヒ トの血小板−内皮細胞接着性分子−1に対する遺伝子の5’に直接接して位置す るならばヒト染色体17の長腕上にない、プロモーターセグメント。 2.配列番号:1及び配列番号:2からなる群より選択される配列を持つ、請求 の範囲1に記載のプロモーターセグメント。 3.アンチセンスRNAあるいはタンパク質の製造のための第1DNAセグメン トであって、該第1DNAセグメントが第2DNAセグメント及び第3DNAセ グメントを含み、該第2DNAセグメントが、配列番号:1または配列番号:1 のヌクレオチド492を含むその転写抑制活性サブ配列と実質的に同じ配列を有 するプロモーターセグメントであって、該第3DNAセグメントの転写のために 操作可能に該第3DNAセグメントに関連して位置しており、該第3DNAセグ メントが、(i)該第1DNAセグメントがアンチセンスRNAの生成のための ものであるならば、そのアンチセンスRNAの配列を有する一本鎖であって、そ の第3DNAセグメントの転写によりアンチセンスRNAを生成するように該第 2DNAセグメントに関連して配向されており、あるいは(ii)該第1DNAセ グメントがタンパク質の生成のためのものであるならば、該タンパク質に対する 遺伝子あるいはcDNAであって該第3DNAセグメントからの発現による該タ ンパク質の生成のために該第2DNAセグメントに関連して配向されており、該 第3DNAセグメントがヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1に対する遺伝子 であるならば、該第1DNAセグメントはヒト染色体17の長腕に存在せず、該 第2DNAセグメントの3’−末端が該遺伝子の第1エキソンの5’−末端に直 接的に連結するように構成されている、第1DNAセグメント。 4.第2DNAセグメントが配列番号:1及び配列番号:2からなる群より選択 される配列を有する、請求の範囲3に記載の第1DNAセグメント。 5.タンパク質を生成するための、請求の範囲3に記載の第1DNAセグメント 。 6.第3DNAセグメントがタンパク質に対するcDNAである、請求の範囲5 に記載の第1DNAセグメント。 7.タンパク質を生成するための、請求の範囲4に記載の第1DNAセグメント 。 8.第3DNAセグメントがタンパク質に対するcDNAである、請求の範囲7 に記載の第1DNAセグメント。 9.アンチセンスRNAを生成するための、請求の範囲3に記載の第1DNAセ グメント。 10.アンチセンスRNAを生成するための、請求の範囲4に記載の第1DNA セグメント。 11.実質的に単離されたヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1のイソ型であ って、該イソ型が完全な長さで成熟しており、イソ型を調製するために翻訳され るmRNAがヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1に対する遺伝子のエキソン 10−15に対応するmRNAセグメントのうちの一個あるいはそれ以上のmR NAセグメントを欠損しており、任意で該遺伝子の全体においてエキソン9に対 応するmRNAセグメントあるいは配列番号:4に示されている塩基対44〜1 00を含み、かつ3で均等に割り切れる数の塩基対を持つ該エキソン9の連続す るセグメントを欠損していることを除けば、ヒトの血小板−内皮細胞接着性分子 −1を調製するために翻訳されるmRNAと同じmRNAを翻訳することで得ら れるアミノ酸の配列を有する、ヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1のイソ型 。 12.PECAM−1△13、PECAM−1△9,13、イソ型を調製するた めに翻訳されるmRNAがヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1に対する遺伝 子のエキソン13に対応するmRNAセグメント及び配列番号:4に示されてい る塩基対44〜100を含む該遺伝子のエキソン9のセグメントに対応するmR NAセグメントを欠損していることを除けば、ヒトの血小板−内皮細胞接着性分 子−1を調製するために翻訳されるmRNAと同じmRNAを翻訳することで得 られるアミノ酸の配列を有するイソ型、PECAM−1△14であるイソ型、P ECAM−1△9,14であるイソ型、及びイソ型を調製するために翻訳される mRNAがヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1に対する遺伝子のエキソン1 4に対応するmRNAセグメント及び配列番号:4に示されている塩基対44〜 100を含む該遺伝子のエキソン9のセグメントに対応するmRNAセグメント を欠損していることを除けば、ヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1を調製す るために翻訳されるmRNAと同じmRNAを翻訳することで得られるアミノ酸 の配列を有するイソ型とからなる群より選択される、請求の範囲11に記載のイ ソ型。 13.血小板−内皮細胞接着性分子−1の1型、2型、3型、及び4型からなる 群より選択される、請求の範囲11に記載のイソ型。 14.血小板−内皮細胞接着性分子−1の1型、2型、3型、及び4型からなる 群より選択される、請求の範囲12に記載のイソ型。 15.ヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1のイソ型の転写産物をコードする 完全な長のDNAセグメントであって、イソ型を調製するために翻訳されるmR NAがヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1に対する遺伝子のエキソン9〜1 5に対応するmRNAセグメントのうちの一個あるいはそれ以上のmRNAセグ メントを欠損しており、かつ該イソ型を調製するために翻訳される該mRNAが 該遺伝子のエキソン9に対応する完全なセグメントを欠損していないならば、イ ソ型を調製するために翻訳される配列番号:4に示されている塩基対44−10 0を含みかつ3で均等に割り切れる数の塩基対を持つ該エキソン9の連続するサ ブセグメントに対応するmRNAセグメントを任意で欠損していることを除けば 、ヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1を調製するために翻訳されるmRNA と同じmRNAを翻訳することで得られるアミノ酸の配列を有する、DNAセグ メント。 16.PECAM−1△13、PECAM−1△9,13、イソ型を調製するた めに翻訳されるmRNAがヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1に対する遺伝 子のエキソン13に対応するmRNAセグメント及び配列番号:4に示されてい る塩基対44〜100を含む該遺伝子のエキソン9のセグメントに対応するmR NAセグメントを欠損していることを除けば、ヒトの血小板−内皮細胞接着性分 子−1を調製するために翻訳されるmRNAと同じmRNAを翻訳することで得 られるアミノ酸の配列を有するヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1のイソ型 、PECAM−1△14、PECAM−1△9,14、及びイソ型を調製するた めに翻訳されるmRNAがヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1に対する遺伝 子のエキソン14に対応するmRNAセグメント及び配列番号:4に示されてい る塩基対44〜100を含む該遺伝子のエキソン9のセグメントに対応するmR NAセグメントを欠損していることを除けば、ヒトの血小板−内皮細胞接着性分 子−1を調製するために翻訳されるmRNAと同じmRNAを翻訳することで得 られるアミノ酸の配列を有するヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1のイソ型 とからなる群より選択されることを特徴とするイソ型の転写産物をコードする、 請求の範囲15に記載のDNAセグメント。 17.PECAM−1△9のイソ型である転写産物をコードする、請求の範囲1 5に記載のDNAセグメント。 18.血小板−内皮細胞接着性分子−1の1型、2型、3型、及び4型からなる 群より選択される血小板−内皮細胞接着性分子−1のイソ型の転写産物をコード する、請求の範囲15に記載のDNAセグメント。 19.血小板−内皮細胞接着性分子−1の1型、2型、3型、及び4型からなる 群より選択される血小板−内皮細胞接着性分子−1のイソ型の転写産物をコード する、請求の範囲16に記載のDNAセグメント。 20.該血小板−内皮細胞接着性分子−1の1型、2型、3型、及び4型からな る群より選択される血小板−内皮細胞接着性分子−1のイソ型の転写産物をコー ドする、請求の範囲17に記載のDNAセグメント。 21.cDNAセグメントである、請求の範囲第15項記載のDNAセグメント 。 22.cDNAセグメントである、請求の範囲第17項記載のDNAセグメント 。 23.cDNAセグメントである、請求の範囲第18項記載のDNAセグメント 。 24.cDNAセグメントである、請求の範囲第20項記載のDNAセグメント 。 25.ヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1のイソ型の転写産物をコードする 完全な長さのDNAセグメントを使用する方法であって、イソ型を調製するため に翻訳されるmRNAがヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1に対する遺伝子 のエキソン9〜15に対応するmRNAセグメントのうちの一個あるいはそれ以 上のmRNAセグメントを欠損しており、かつ該イソ型を調製するために翻訳さ れる該mRNAが該遺伝子のエキソン9に対応する完全なセグメントを欠損して いないならば、配列番号:4に示されている塩基対44〜100を含みかつ3で 均等に割り切れる数の塩基対を持つ該エキソン9の連続するサブセグメントに対 応するmRNAセグメントを任意で欠損していることを除けば、該イソ型はヒト の血小板−内皮細胞接着性分子−1を調製するために翻訳されるmRNAと同じ mRNAを翻訳することで得られるアミノ酸の配列を有する、該DNAセグメン トを発現する工程を含むDNAセグメントの使用方法。 26.DNAセグメントが哺乳動物の培養細胞で発現する、請求の範囲25に記 載の使用方法。 27.調製されたイソ型が、1型、2型、3型及び4型のPECAM−1△13 、1型、2型、3型及び4型のPECAM−1△9,13、1型、2型、3型及 び4型のPECAM−1△14、1型、2型、3型及び4型のPECAM−1△ 9,14、並びに1型、2型、3型及び4型のイソ型であって、イソ型を調製す るために翻訳されるmRNAが、該型のヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1 に対する遺伝子のエキソン13及びエキソン14のうちの一つに対応するmRN Aセグメント及び配列番号:4に示されている塩基対44〜100を含む該遺伝 子のエキソン9のセグメントに対応するmRNAセグメントを欠損していること を除けば、該型のヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1を調製するために翻訳 されるmRNAと同じmRNAを翻訳することで得られるアミノ酸の配列を有す るイソ型とからなる群より選択される、請求の範囲25に記載の方法。 28.調製されたイソ型が1型、2型、3型、及び4型のPECAM−1△9か らなる群より選択される、請求の範囲25に記載の方法。 29.調製されたイソ型が、1型、2型、3型及び4型のPECAM−1△13 、1型、2型、3型及び4型のPECAM−1△9,13、1型、2型、3型及 び4型のPECAM−1△14、1型、2型、3型及び4型のPECAM−1△ 9,14、並びに1型、2型、3型及び4型のイソ型であって、イソ型を調製す るために翻訳されるmRNAが該型のヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1に 対する遺伝子のエキソン13及びエキソン14のうちの一つに対応するmRNA セグメント及び配列番号:4に示されている塩基対44〜100を含む該遺伝子 のエキソン9のセグメントに対応するmRNAセグメントを欠損していることを 除けば、該型のヒトの血小板−内皮細胞接着性分子−1を調製するために翻訳さ れるmRNAと同じmRNAを翻訳することで得られるアミノ酸の配列を有する イソ型とからなる群より選択される、請求の範囲26に記載の方法。 30.調製されたイソ型が、1型、2型、3型、及び4型のPECAM−1△9 からなる群より選択される、請求の範囲26に記載の方法。 31.使用されるDNAセグメントがcDNAセグメントである、請求の範囲2 5に記載の方法。 32.使用されるDNAセグメントがcDNAセグメントである、請求の範囲2 6に記載の方法。 33.使用されるDNAセグメントがcDNAセグメントである、請求の範囲2 8に記載の方法。 34.使用されるDNAセグメントがcDNAセグメントである、請求の範囲3 0に記載の方法。
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