【発明の詳細な説明】
移動駆動装置を作動させるための装置
背景技術
本発明は、請求項1の上位概念部に記載の形式の、移動駆動装置を作動させる
ための装置から出発する。このような形式の装置は、ドイツ連邦共和国特許第3
135888号明細書に基づき公知である。前記ドイツ連邦共和国特許第313
5888号明細書に記載の構成では、トランジスタ制御される切換装置に作動モ
ータの右回転/左回転のために生じる信号を結合させて、故障発生時に作動モー
タの遮断を確実に行うための安全装置が開示されている。この公知の装置は故障
検知ロジックを有しており、この故障検知ロジックはブレークダウンしたトラン
ジスタや、ロックされた切換装置、たとえばリレーコンタクトの固着を故障発生
として検知する。
前記公知の装置の第1の構成では、両トランジスタの両制御入力側に制御信号
が存在せず、かつそれと同時に両トランジスタの少なくとも一方のトランジスタ
の出力側に、切換信号に相当する信号が生じた場合に、故障検知ロジックが、移
動駆動装置に含まれた作動モータの遮断を発動する。
前記公知の装置の別の構成では、両トランジスタの
両制御入力側に制御信号が存在せず、かつそれと同時に作動モータの少なくとも
1つの接続部に、接続電位に相当する電位が存在している場合に、故障検知ロジ
ックがやはり作動モータの遮断を発動する。
故障発生時における、移動駆動装置に含まれた作動モータの遮断は、たとえば
両トランジスタの両制御入力側に、作動モータの右回転・左回転を同時に接続す
る目的で制御信号を同時に供給することにより行われる。このような両制御信号
を同時に印加することにより、作動モータは無電流状態に保持される。
ジーメンス社(Siemens AG)の社内報、注文番号A23001−G
12−D006号、「ウムポールラージウス(Umpolradius)TCR
A」(1994年7月)に基づき、二重リレー(Doppelrelais)
が公知である。この二重リレーは2つのリレーコイルと2つのリレーコンタクト
とを有している。両リレーコンタクトは唯一つの可動子によって作動させられる
。故障発生時に一方のリレーコンタクトが固着しても、他方のリレーコンタクト
を作動させることが可能となる。なぜならば、可動子が引き続き自由に運動可能
であるからである。対応するリレーコイルへの通電により、このコイルに対応す
るリレーコンタクトが作動させられる。前記二重リレーの制御装置において故障
が発生し、この場合、一方のコイルが常時通電されるようになると、他方のリレ
ーコンタクトをもはや閉じることができなくなる。なぜならば、可動子は、最初
に通電された方のコイルによって吸引されたままとなるからである。
本発明の課題は、故障発生時において高められた安全性を発揮する、移動駆動
装置を作動させるための装置を提供することである。
この課題は、請求項1の特徴部に記載の構成により解決される。
発明の利点
本発明によれば、作動モータを右回転/左回転させるためのリレー制御される
装置と、第1のリレーコイルを通電するための第1の半導体スイッチと、第2の
リレーコイルを通電するための第2の半導体スイッチとを有する、移動駆動装置
を作動させるための回路において、少なくとも1つの第3の半導体スイッチが設
けられており、該第3の半導体スイッチが、第1のリレーコイルおよび第2のリ
レーコイルと直列に接続されている。この第3の半導体スイッチの接続・遮断に
よって、第1のリレーコイルおよび第2のリレーコイルを通る電流の流れが遮断
されるか、または可能にされる。本発明の構成を用いると、特に第1の半導体ス
イッチおよび第2の半導体スイッチのために設定された制御信号の状態や、第1
の半導体スイッチおよび第2の半導体スイッチの状態とは無関係に、両リレーコ
イルを通る電流の流れを遮断することが可能となる。
請求項2以下には、本発明による装置の有利な構成が記載されている。
本発明の有利な構成では、第1の半導体スイッチが接続されているか、または
第2の半導体スイッチが接続されている場合にのみ、前記第3の半導体スイッチ
が接続されている。このような手段により、故障発生時、たとえば第1の半導体
スイッチまたは第2の半導体スイッチのブレークダウンの発生時における移動駆
動装置の不本意な運転開始が阻止される。
本発明による装置の安全性を高めるための別の有利な構成は、半導体スイッチ
の制御に関するものである。つまり、前記少なくとも1つの第3の半導体スイッ
チおよび場合によっては第1の半導体スイッチと第2の半導体スイッチの動的な
制御が行われる。動的な制御は、専ら交流電圧信号しか用いない当該半導体スイ
ッチの接続を可能にする。この場合、制御信号を供給する制御回路における故障
が発生して、制御信号が直流電圧レベルを有するようになると、移動駆動装置は
不本意に運動させられなくなる。
本発明の特に有利な構成では、妥当性チェックによって少なくとも、第1の半
導体スイッチまたは第2の半導体スイッチがブレークダウンしているかどうかを
チェックする安全装置が使用される。この安全装置はリレー制御される切換装置
をもチェック対象に含めていると有利である。これにより、リレーコンタクトの
固着を検出することができる。前記安全装置はさらに別の信号をチェック時に利
用すると有利である。
前記安仝装置は、第1の半導体スイッチおよび第2の半導体スイッチの両制御
入力側に制御信号が存在せず、かつそれと同時に第1の半導体スイッチまたは第
2の半導体スイッチの出力側に、接続状態に相当する信号が発生した場合に、第
1の遮断信号を送出する。
前記安全装置は、第1の半導体スイッチおよび第2の半導体スイッチの両制御
入力側に制御信号が存在せず、かつそれと同時に移動駆動装置の少なくとも1つ
の接続部に、接続電位に相当する電位が存在する場合に、第2の遮断信号を送出
する。
第3の遮断信号を発生させる、さらに別の構成では、少なくとも第1の半導体
スイッチおよび第2の半導体スイッチの制御信号を、移動駆動装置の運動状態を
表す信号とが比較されるようになっている。
第1の半導体スイッチおよび第2の半導体スイッチの少なくとも一方の半導体
スイッチがブレークダウンした場合に生じる第1の遮断信号と第3の遮断信号と
は、第1の半導体スイッチおよび第2の半導体スイッチのための、それぞれ接続
信号に相当する制御信号を同時に供給するために使用することができる。両リレ
ーコイルの同時通電、ひいては両リレーコイルの同時操作により、作動モータは
停止させられる。冒頭で説明した公知先行技術における二重リレーが使用される
場合には、第1の遮断信号と第3の遮断信号とが、前記第3の半導体スイッチの
遮断を生ぜしめる。このような手段を用いると、ブレークダウンした第1の半導
体スイッチまたは第2の半導体スイッチを通る電流の流れは遮断される。両リレ
ーコイルは無電流状態となり、したがって移動駆動装置を遮断する。
リレーコンタクトの固着を信号報知する第2の遮断信号は、やはり両リレーコ
イルを同時に通電するために使用することができる。固着したコンタクトに対し
て付加的に、他方のリレーのコンタクトが接続されるので、作動モータは停止さ
せられる。
移動駆動装置は自動車において使用されると有利である。このような移動駆動
装置は、たとえばウインド昇降駆動装置、スライド式昇降屋根駆動装置またはシ
ート調節駆動装置である。これらの移動駆動装置では、対象物、特に人間の身体
部分が挟まれる危険が存在する。移動駆動装置を作動させるための本発明による
装置は、このような使用事例において、故障発生時における安全性を単純な手段
により向上させる。
請求項2以下および以下の実施例の説明には、移動駆動装置を作動させるため
の本発明による装置の有利な構成が記載されている。
図面
図面には、移動駆動装置を作動させるための本発明による装置のブロック回路
図が示されている。
図示の作動モータ10は移動駆動装置11を作動させる。作動モータ10の右
回転/左回転は、リレー制御される切換装置12によって規定される。この切換
装置12は第1のスイッチ13と第2のスイッチ14とを有している。第1のス
イッチ13は第1のリレーコイル15によって操作され、第2のスイッチ14は
第2のリレーコイル16によって操作される。第1のスイッチ13は作動モータ
10の第1の接続部17をアース18に接続するか、または給電接続部19に接
続する。第2のスイッチ14は作動モータ10の第2の接続部20をアース18
に接続するか、または給電接続部19に接続する。アース18と給電接続部19
との間には、エネルギ源21が接続されている。
第1の半導体スイッチ23の出力側22に接続された第1のリレーコイル15
は、この第1の半導体スイッチ23を介してアース18に接続され得る。第2の
半導体スイッチ25の出力側24に接続された第2のリレーコイル16は、この
第2の半導体スイッチ25を介してやはりアース18に接続され得る。両リレー
コイル15,16は第3の半導体スイッチ26を介して給電接続部19に接続可
能である。
制御回路27は第1の半導体スイッチ23のための第1の制御信号28と、第
2の半導体スイッチ25のための第2の制御信号29と、第3の半導体スイッチ
26のための第3の制御信号30とを供給する。第1
の制御信号28は第1の信号変換器31を介して第1の半導体スイッチ23の制
御入力側32に供給され、第2の制御信号29は第2の信号変換器33を介して
第2の半導体スイッチ25の制御入力側34に供給され、第3の制御信号30は
第3の信号変換器35を介して第3の半導体スイッチ26の制御入力側36に供
給される。
第3の信号変換器35は詳細に図示されている。第1の信号変換器31と第2
の信号変換器33とは、第3の信号変換器35と同様に実現可能である。第3の
信号変換器35は分離コンデンサ37を有しており、この分離コンデンサ37を
介して第3の制御信号30が供給される。分離コンデンサ37と直列にダイオー
ド38が接続されており、このダイオード38は第4の半導体スイッチ40の制
御入力側39に接続されている。この制御入力側39は放電抵抗41とメモリコ
ンデンサ42とを介してそれぞれアース18に接続されている。電流制限抵抗4
3と直列に接続された第4の半導体スイッチ40は、第3の半導体スイッチ26
の制御入力側36をアース18に接続する。
安全装置44は第1の遮断信号45と第2の遮断信号46と第3の遮断信号5
7とを制御回路27に伝送する。この安全装置44は、第1の半導体スイッチ2
3および第2の半導体スイッチ25の制御入力側32,34において両半導体ス
イッチ23,25の出力側
22,24に生じる信号に関しても、作動モータ10の両接続部17,20に生
じる電位に関しても、運動状態検出器58によって供給される運動状態信号59
に関しても、第1の半導体スイッチ23および第2の半導体スイッチ25の制御
出力側32,34の妥当性チェックを実施する。
第1の半導体スイッチ23および第2の半導体スイッチ25の両制御入力側3
2,34は一致回路47に接続されている。一致回路47は第1のANDゲート
49と、第2のANDゲート50と、第3のANDゲート60とに一致信号48
を伝送する。
第1の半導体スイッチ23および第2の半導体スイッチ25の両出力側22,
24は、それぞれダイオード51,52を介して第1のインバータ53に接続さ
れており、この第1のインバータ53は第1のANDゲート49に出力信号を伝
送する。両モータ接続部17,20は、それぞれダイオード54,55を介して
第2のインバータ56に接続されており、この第2のインバータ56は第2のA
NDゲート50に出力信号を送出する。
移動駆動装置11を作動させるための本発明による装置は次のように作動する
:
制御回路27は、作動モータ10の右回転または左回転を発動させるための第
1の制御信号28および第2の制御信号29を供給する。第1の制御信号28は
たとえば作動モータ10の右回転を発動させる。第1の制御信号28が、第1の
信号変換器31(第3の半導体スイッチ26の制御に関連して説明する)の通過
後に第1の半導体スイッチ23の制御入力側32に生じると、第1の半導体スイ
ッチ23は切り換えられ、これによって第1のリレーコイル15はアース18に
接続される。第1のリレーコイル15における通電は、第1のリレーコイル15
を給電接続部19に接続する第3の半導体スイッチ26も同時に接続されている
場合にしか可能でない。したがって、第1の半導体スイッチ23を接続するため
の第1の制御信号28の他に、第3の半導体スイッチ26を接続するための第3
の制御信号30が制御回路27によって供給されなければならない。
第3の制御信号30は第3の信号変換器35に入力される。この第3の信号変
換器35は、交流電圧信号として提供される第3の制御信号30を、第3の半導
体スイッチ26の制御のために適した電圧に変換する役目を持っている。
分離コンデンサ37は、第3の制御信号30に場合によって存在する直流電圧
成分を分離する。交流電圧信号は引き続きダイオード38を介してメモリコンデ
ンサ42に供給される。放電抵抗41と共に、メモリコンデンサ42とダイオー
ド38とはピーク電圧検出器を形成する。このピーク電圧検出器の時間定数は、
メモリコンデンサ42の容量値と、放電抵抗41の抵抗値とに関連している。第
4の半導体スイッチ40の制御入力側39には、第4の半導体スイッチ40を切
り換えるための、少なくともほぼ無交流電圧の電圧が供給される。この第4の半
導体スイッチ40は電流制限抵抗43を介して第3の半導体スイッチ26を場合
によっては接続する。
第3の信号変換器35と、別の2つの信号変換器31,33とによって、半導
体スイッチ23,25,26の制御入力側32,34,36への制御信号28,
29,30の動的な結合(dynamische Ankopplung)が達
成される。したがって、制御信号28,29,30が直流電圧信号として生じる
結果を招く制御回路27の故障は、移動駆動装置11に影響を与えなくなる。な
ぜならば、信号変換器31,33,35が、故障を表す直流電圧信号を伝送しな
いからである。
両リレーコイル15,16を給電接続部19に一緒に接続する、図示の第3の
半導体スイッチ26の代わりに、両リレーコイル15,16をそれぞれ別個に給
電接続部19に接続する2つの第3の半導体スイッチ26も同じく使用可能であ
る。
前記少なくとも1つの第3の半導体スイッチ26は、第1の半導体スイッチ2
3または第2の半導体スイッチ25を接続するための第1の制御信号28または
第2の制御信号29が同時に存在している場合にしか接続されないと有利である
。たとえば第1の半導体スイッチ23と第2の半導体スイッチ25とに故障、た
とえばブレークダウンが生じると、作動モータ10は、第3の半導体スイッチ2
6が遮断された状態であることに基づき遮断されたままとなる。このような作動
事例においては、作動モータ10の誤接続は生じない。
特に有利な改良形では、冒頭で述べた公知先行技術、つまりドイツ連邦共和国
特許第3135888号明細書に記載されている安全装置44が使用される。こ
の安全装置44は基本的に、第1の半導体スイッチ23と第2の半導体スイッチ
25との制御入力側32,34に生じる信号を互いに比較することによって妥当
性チェックを実施し、さらに第1の半導体スイッチ23と第2の半導体スイッチ
25との出力側22,24に生じる信号または作動モータ10の接続部17,2
0に生じる電位または運動状態信号59に関連しても妥当性チェックを実施する
。第1の半導体スイッチ23と第2の半導体スイッチ25との制御入力側32,
34に供給された信号が一致する場合にだけ、一致回路47によって検出された
一致信号48が生じる。第1のANDゲート49によって送出される第1の遮断
信号45は、一致信号48が供給されると同時に第1のインバータ53が信号を
送出すると生じる。この第
1のインバータ53は、第1の半導体回路23の出力側22か、または第2の半
導体スイッチ25の出力側24のいずれかにおいて、両リレーコイル15,16
の少なくとも一方を通る電流の流れを解放する接続信号が存在する場合に信号を
送出する。このようなOR結合回路はダイオード51,52によって実現される
。第1の半導体スイッチ23および第2の半導体スイッチ25の出力側22,2
4において接続状態に相当する信号はLレベルを有しているので、Lレベルから
第1のANDゲート49を制御するためのHレベルを供給する第1のインバータ
53が設けられている。したがって、第1の遮断信号45は、第1の半導体スイ
ッチ23および第2の半導体スイッチ25の制御入力側32,34に制御信号が
存在せず、それと同時に第1の半導体スイッチ23および第2の半導体スイッチ
25のうちの少なくともいずれか一方の半導体スイッチの出力側22;24にお
いて接続状態に相当する信号が生じる場合に生じる。安全装置44は特に第1の
半導体スイッチ23および第2の半導体スイッチ25のうちの少なくともいずれ
か一方の半導体スイッチのブレークダウン時に第1の遮断信号45を送出する。
第2のANDゲート50によって供給される第2の遮断信号46は、同じく一
致信号48から引き出される。この第2の遮断信号46は、第2のインバータ5
6によって供給された信号と同時に発生しなければな
らない。第2のインバータ56は、少なくとも一方の接続部17,20において
、給電接続部19の電位に相当する電位が生じると、Hレベルを送出する。この
ようなOR結合回路はダイオード54,55によって実現される。したがって第
2の遮断信号46は、両半導体スイッチ23,25の制御入力側32,34に接
続状態に相当する信号が存在せず、かつそれと同時に作動モータ10の少なくと
も一方の接続部17;20に接続電位に相当する電位が存在している場合に生じ
る。
第3のANDゲート60によって供給される第3の遮断信号57は、同じく一
致信号48から引き出される。この第3の遮断信号57は、運動状態検出器58
によって供給される運動状態信号59と同時に生じなければならない。この運動
状態信号59は、移動駆動装置11が運動しているときに存在する。運動状態検
出器58は、たとえば位置検出器、有利にはホール効果センサによって実現され
る。また、作動モータ10を通って流れる電流から信号、有利には交流電圧信号
を導出するような運動状態検出器58も適当である。したがって第3の遮断信号
57は、両半導体スイッチ23,25の制御入力側32,34に接続状態に相当
する信号が存在せず、かつそれと同時に移動駆動装置11の運動が検出された場
合に発生する。
特に第1の半導体スイッチ23または第2の半導体
スイッチ25がブレークダウンしていることを表示する第1の遮断信号45と第
3の遮断信号57とは、制御回路27において、両リレーコイル15,16の通
電に基づく接続状態に相当する制御信号28,29を同時に送出するために使用
することができる。このような手段を用いると、所属のリレーコイル15;16
の誤通電によってたとえばアース18から給電接続部19へ切り換えられている
スイッチ13;14と共に他方のスイッチ14;13も同時に操作されるので、
作動モータ10が無電流状態に切り換えられることが達成される。接続信号に相
当する制御信号28,19を同時に送出することは、別個のリレーを有する切換
装置12の場合には問題なく実現可能となる。冒頭で述べた公知先行技術に記載
の二重リレーが使用される場合は、両スイッチ13,14を同時に接続する目的
で両リレーコイル15,16を同時に通電することは実現不可能である。なぜな
らば、二重リレーの可動子が、最初に通電された方のリレーコイル15;16に
よって吸引されたままとなるからである。
両リレーコイル15,16を給電接続部19に接続する、前記少なくとも1つ
の第3の半導体スイッチ26を使用する本発明による手段は、第1の遮断信号4
5および第3の遮断信号57の発生に対する制御回路27におけるリアクション
として、ブレークダウンした半導体スイッチ23,25によって誤って行われる
リレーコイル15,16の通電を阻止することを可能にする。第1の遮断信号4
5および第3の遮断信号57の発生に基づき、第3の半導体スイッチ26の遮断
信号に相当する制御信号30の送出が行われる。
もともと、第1の制御信号28または第2の制御信号29が存在している場合
にしか第3の制御信号30が第3の半導体スイッチ26を接続しないような手段
が設定されている場合は、第1の遮断信号45は必要とされない。その場合、安
全装置に設けられたANDゲート49と、ダイオード51,52と、第1のイン
バータ53とを不要にすることができる。
それに対して、両スイッチ13,14のいずれか一方のスイッチの固着が原因
で起こる故障は、第2の遮断信号46の送出によってしか克服可能でない。両ス
イッチ13,14のいずれか一方のスイッチの固着時では、両リレーコイル15
,16を通る電流の流れを遮断することでは不十分である。いずれにせよこのよ
うな故障時では、故障のない方のスイッチ13;14をも同時に操作することが
必要となる。したがって、第2の遮断信号46に基づき、制御回路27において
は、半導体スイッチ23,25を接続するために第1の制御信号28も第2の制
御信号29も送出される。このような手段は切換装置12の構成とは無関係に設
定されている。個々の別個のリレーも、冒頭で述べた公知先行技術による二重リ
レーも使用され得る。二重
リレーにおいて故障時に両スイッチ13,14のいずれか一方が固着すると、故
障のない方のスイッチ13;14をまだ作動させることが可能である。なぜなら
ば、可動子が引き続き自由に運動可能となるからである。