JPH10501034A - 布のコンディショニング - Google Patents

布のコンディショニング

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JPH10501034A
JPH10501034A JP8503528A JP50352896A JPH10501034A JP H10501034 A JPH10501034 A JP H10501034A JP 8503528 A JP8503528 A JP 8503528A JP 50352896 A JP50352896 A JP 50352896A JP H10501034 A JPH10501034 A JP H10501034A
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JP8503528A
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ネビル・アレクサンダー ミチー,
デイビツド・ヘンリー テスター,
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コモンウエルス・サイエンテイフイク・アンド・インダストリアル・リサーチ・オーガニゼイシヨン
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Abstract

(57)【要約】 ウール又はウールを含んだ布を迅速にコンディショニングするための装置は、コンディショニング室(1)内に回転できるよに取り付けられた穴空き回転ドラム(2)を備える。布(4)はドラム(2)によりドラム上で室(4)を通して輸送され、この間、調質された空気の流れが送風機(5)によりこれを強制通過させられる。室は、断熱加湿器(11、12、13)及び水滴除去器(14)を備える。単に羽根(18、19及び20)を操作することにより布(4)を所与の回復率に迅速にコンディショニングするように、羽根(18)は入ってくる周囲空気の量を変え、羽根(19)は総空気流量を変え、そして羽根(20)は加湿器(11、12、13)を通過する空気の量を変える。数10秒台の非常に短時間内に少なくも5%の最小回復増加を与えるように布をコンディショニングする方法も明らかにされる。

Description

【発明の詳細な説明】 布のコンディショニング技術分野 本発明は、例えばウールのような親水性又は吸湿性の材料より作られ、又はか かる材料を含んだ繊維布の迅速コンディショニングの装置及び方法に関する。以 下、本発明は特に毛織物又はウールを含んだ布のコンディショニングを参照し説 明するのが都合よいが、本発明は公知の熱力学的性質の別の繊維を含んだ布のコ ンディショニングに使えることを理解すべきである。背景 繊維布のコンディショニングには、その含水率を希望の一様水準に増加させる ように布を処理することが含まれる。最終製品の処理機能と性質(例えば外見及 び触感)をよくするために布の含水率を制御することが望ましいのはよく知られ ている。例えば、加圧かま蒸し器においてウールを含んだ布を効果的に処理する ためには、ウール繊維が少なくも15%の回復含水率を有することが必要である 。 公知の布コンディショニング方法には、布が周囲空気と平衡状態になり得るよ うに、布を24時間にわたり正確な湿度の空調室内で広げたままにしておくこと 、或いは水の噴霧又は流れで布を処理することが含まれる。前の方法は時間がか かり従って費用効果がよくなく、また後の方法は、より迅速であるが水分が繊維 の外側面にあってかつ繊維構造内には入らない限り非常に変動する結果が生ずる 。水分は布全体を通して均一には分布されず(この問題は、水を付加するより以 前の布の含水率が分からずかつ一様でない場合には更に悪化する)、かつ含水率 の安定性 は確保されない。 従って、上述の公知の前者の方法におけるような、しかしより迅速な、既知の 湿度及び温度の雰囲気と布との平衡を含んだコンディショニング方法が望ましい 。かかる処理についての一つの提案が、メドレイ他の米国特許第3604124 号に説明される。この提案は、正確に管理された温度及び湿度の空気を供給する こと、空気中の水分全部が確実に気体であること、及びこれが布を通過するよう に強制することを含む。メドレイ他の方法においては、空気流の速度に対する関 係は、布の重さを含んだものが要因として与えられる。この特許は、また、加湿 装置を含んだ方法を実施する装置も明らかにする。メドレイ他はこの加湿装置に ついて次のように述べている。『空気は、大きな表面積からの水の蒸発により、 或いは空気との混合流れのようなその他の加湿装置により、管理された条件に加 湿される。… 空気中の水分の全部が気体であることが重要である。… これは 、熱交換面を加熱する手段による…又は熱交換面を冷却する手段による温度管理 により達成される。』 メドレイ他の方法の商業化に参加した研究者は、織物工業での使用に有用な費 用で十分な精度と一貫性とを持って工程の変数を管理する装置は、これを開発で きなかった。従ってメドレイ他の特許に開示された装置は商業的に製造されるこ とがなかった。発明の開示 本発明は、処理条件を容易に管理できる、メドレイ他の方法と同様な方法(し かし、以下説明されるように、空気流の速度とコンディショニングされる布の重 さとの間には何の関係もない)を実行するための装置を提案する。 本発明により、織物布のコンディショニングをするための装置であって、室を 通して布を送るための手段、布が室を通して送られるときに布を通して空気を引 くように連結された入口と空気流を室内に向けるように連結された出口とを有す る送風機手段とを備え、前記入口は周囲空気を受け入れるようにも連結され、前 記室又は前記送風機出口は前記送風機手段からの空気流の少なくも一部分が布を 通過するより以前に加湿するための手段を有し、更に前記装置は、空気流の布通 過直前の空気流の温度と湿度とを所定値に維持するために、室を通る空気の流量 、布を通して引かれる空気流に混合される周囲空気の割合、及び加湿手段を通過 する空気流の部分の少なくも一つを変更させるための制御手段を備える前記装置 が提供される。 室内又は送風機出口内の空気流の加湿手段を通過しない部分は加湿手段を迂回 し、そして動いている布を空気が通過するより前に、加湿手段を通過した部分と 混合される。 好ましくは、加湿手段は、これを通過する空気流の部分を断熱的に飽和させる 飽和器を備える(説明されるであろうように、本発明は実際の飽和器の使用を意 図した不完全飽和を許す)。また、加湿手段は飽和器に続いて除水器を持つこと ができる。適宜適切な形式のものとすることができるこの除水器は、飽和器によ り空気流に導入される可能性のある液滴を除去し、これにより空気流の総水分が 気体であることを確実化する。 制御手段はデジタルコンピューターを備えることができ、その入力は装置の種 々の位置における流量、温度及び湿度を測定するセンサーにより提供される。 本発明により、布に当たる空気流の湿度と温度とは、比較的簡単な方法で、即 ち、装置を通る流量、送風機手段への入口に入る周囲空気の割合、及び加湿手段 を通過した室内又は送風機出口内の空気流の割合を単に制御することにより希望 値に維持される。好ましくは、本装置の制御の態様は、装置を通る総流量を、温 度及び湿度を希望値に維持するために変動可能に制御すべきパラメーターを2個 しか必要としないような(以下説明される要求に従った)使いやすい値に設定す ることにより更に簡単化される。これら2個のパラメーターは送風機に入ってく る周囲空気の割合及び加湿手段を通過する室内の空気流の割合である。 本発明により湿度センサーの使用を避けることもまた可能である。即ち、流量 センサーと共に温度センサーだけのような制御手段が装置に使用される。湿球又 は電気式センサーのような湿度センサーが使用可能であるが、これらは汚れ易く かつ破損し易く、更に十分な程度の精度の校正が困難であるので最も避けられる 。 本発明は、加湿手段に関しても更なる単純化を許す。以下、より詳細に説明さ れるように、加湿手段の具体例は、上を空気が流れる面を濡らすために水スプレ イを使用する空気飽和装置を備えることができ、これに続き空気流から液滴を除 去するための除水器があり、これは必要な制御入力が面を濡れた状態に保つため にスプレイ用の水の供給流量だけである装置であり、これは厳密に管理されず又 は監視さえもされない。そこで本発明による加湿手段は、例えばいかなる制御可 能な熱入力も、又は供給水の温度の監視も不必要とすることができる。 本発明による装置においては、布を迅速にコンディショニングする方法は、布 がその温度及び湿度についての平衡回復として知られた水準に その含水率を増加させるであろうように布に水分を供給するために、管理された 温度と相対湿度の空気を使って行われる。空気は布を通して押し込まれ引き出さ れて、コンディショニング過程を遅くさせる繊維まわりの静止空気の境界層の厚 さを減らす。布を通る空気の通路は、吸収されそしてこの過程により解放された 熱を輸送し去る水分源を提供する。そうでない場合は処理が遅れる。境界層の厚 さの減少が生じ、これは、繊維面において生じた熱の除去と共に、繊維は、経過 が受動的に生じ得る場合よりもより迅速に水分を吸収できる。確実に経過を経済 的に価値のある迅速なものにするためには、空気速度が繊維のまわりの境界層の 厚さを適切に減らすことが必要である。布を通過する空気速度は、布への水分の 送り速度及び布からの熱の除去速度が増加すると大きくなるが、これはこの過程 の運転費用を付随的に増加させる。従って、費用要因は、布を通過する空気の速 度の増減の選択の問題となる。 出願人は、コンディショニングの生ずる速度が布を通過する空気速度の平方根 (これは蒸気が拡散しなけらなならない境界層の厚さを決める)に比例しかつ処 理温度における水の飽和蒸気圧(これは境界層を通る水蒸気のグラジエント従っ て拡散速度を決める)に比例するとした。即ち、メデレイ他の開示とは逆に、意 図された高い空気速度のため、経過は速度に正比例せずかつ布の重量はコンディ ショニング制御の制御への重要な入力ではない。 従って、本発明による装置においては、布を通過する加湿空気流の速度をコン ディショニングされる布の重量に応じて制御すること、又は制御可能であること は必要でない。好ましくは、加湿空気は約1m/secで布を通過するように強制さ れる。この数字以上の速度は経済性が急速に 低下し、また約0.5m/sec以下の速度は繊維上の静止空気の境界層の抵抗増加の ため、処理を遅くさせ不経済である。 そこで、本発明は、コンディショニング室を通って布が動いている間に、所定 の温度及び相対湿度に調質された空気の流れを強制し布を通過させることを含ん だ布をコンディショニング方法であって、この所定の温度及び相対湿度が、 (a) 再循環している空気の流れに周囲空気を入れ、そしてこのように入れら れる周囲空気の割合を変更し、 (b) 全空気流のうちの布を通るように強制される部分を飽和させ、このよう に飽和される割合を変更し、そして調質された空気流の速度が好ましくは少なく も0.5m/secである ことにより維持される方法である。 本発明による方法の挙動の調査において、次の驚くべき発見があった。即ち、 この方法は予期された「回復増加の大きさ」対「変化速度」の相互関係、即ち、 回復の際の小さな飛躍はより大きな飛躍よりも速やかに達成されるであろうとい うことに従わず、事実上、約5%回復より小さい飛躍を要求するような条件の組 による布の平衡状態は、より大きな回復飛躍の場合よりもよりゆっくり生ずるで あろうという逆転が生じたことが見いだされ、例えばある一つの条件の組で、1 0%回復増加が5%回復増加より4倍早く生じた。しかし、約5%より大きな回 復飛躍については、ある条件下では、平衡への小さな飛躍が大きな飛躍より早く 生ずることが可能である。回復増加は、その大きさには関係なく、所与の空気速 度について、より高温ではより早く生ずることも観察され、更に処理速度は布の 重量に依存しないことも観察された。 上述の発見を示すために、平衡経過について次のことが観察された。 ・ 20℃において、本方法はウール布の回復率を、約400secで、約7%か ら約12%に変えることができる。 ・ 20℃において、本方法はウール布の回復率を、約100secで、約7%か ら約17%に変えることができる。 ・ 40℃において、本方法はウール布の回復率を、約30secで、約2%から 約13%に変えることができる。 ・ 60℃において、本方法はウール布の回復率を、約15secで、約2%から 約14%に変えることができる。 以下は上述の発見を説明するために提供されるが、この説明は単なる理論的な ものであり、含まれる実際の機構を説明するものではないことを理解すべきであ る。水のような膨張用の溶液がウールのようなガラス状ポリマーに浸透しこれを 膨張させるときは、ポリマーにおける浸透の拡散速度が増加する。この増加は、 ポリマーの自由体積として知られたものの増加及びその密度の減少と共に生ずる 。前以て平衡に達しているウール繊維がより高い湿度と接触して置かれた場合、 繊維の外側層は繊維内に拡散していく水分をより伝え易くない、これにより内側 層が水分をより多く吸収する速度が加速される。この過程は自触媒作用的である として説明することができる。経過が平衡に達した後、自由体積は時間と共に減 少し、繊維内の水分の拡散速度は減少するであろう。もし繊維に高水準の湿度が 与えられると、自由体積の増加はより大きくなり、拡散速度の増加率はより高く なり、内側層の吸収速度はより高く、そして多くの場合、経過はより低湿度によ るよりもより短い時間で平衡に達するであろう。即ち、簡単に言えば、湿り空気 から水がウールに浸透した ときウールは膨らませられるが、この浸透は第1の例においてはウール繊維の最 外側の層に限定される。繊維の最も外側の層は、湿り空気で準平衡状態に達し、 膨張によりある大きさの「自由体積」が作られる。膨張度と自由体積とは湿り空 気の相対湿度の関連した外側層の水分の量の関数である。これが「自由体積」の 大きさであり、繊維による水分の吸い上げとこれに続く繊維内への水分の浸透の 速度を決定する。このため、同じ初期乾燥条件にある2個の繊維が湿り空気に暴 露され、その一方が他方より相対湿度が大きい場合には、相対湿度が大きい方の 空気内の繊維は、より大きく膨らみ、かつ外側層により多くの自由体積を持つ。 この繊維は、実質的により大きな水浸透容量を有し、かつ水の吸い上げ速度がよ り大きく、更に多くの場合、経過はより速やかに平衡に達するであろう。膨れの 過程は自触媒作用的であり、かつ自動加速過程であり、即ち、より多くの膨れが より多くの水を取り込みかつより速やかに膨れ続けるであろう。過程が平衡に達 した後、自由体積は時間と共に減少し、繊維内への水分の拡散力が減少するであ ろう。 上述の発見に基づき、本発明に従った更なる態様においては、繊維コンディシ ョニングの過程は、y秒内の少なくもx%の回復率増加の達成を特徴とする。た だし、x及びyの値は処理の実施される温度に依存し、更に増加が平衡値に達す ると達しないとにかかわらない。コンディショニング過程は、平衡に達するより 前に停止されれば、より短時間でより大きな回復増加を提供できる。ある条件下 では、総回復変化の最初の75%が平衡時間の約50%で起き得ることが見いだ された。 x及びyの値の例が次の表において与えられる。 上の結果は、繊維直径が22ミクロンの布に対して決定された。時間yは、よ り細い繊維に対してはより早いであろう。図面の説明 付属図面を参照し例示の方法により本発明の実施例が説明されるであろう。 図1は、本発明による装置例の配列の図式的な線図である。 図2は、本発明による別の装置例の配列の一部分の図式的な線図である。 図3は、図1の装置の管理アルゴリズムを示す。そして 図4は、ウールの相対湿度と回復率との間の関係を示すグラフである。実施例の詳細な説明 図1に示された装置は室1を備え、その中に穴空きドラム2が回転できるよう に取り付けられる。ドラム2は、適宜適切な手段により回転可能に駆動される。 室のアクセス開口32の付近に置かれた案内ローラー3が、コンディショニング すべき例えばウールの布4を、室1を通して輸送するためにドラム2の上に向け 、更に室から出すためにドラムから離す。室を出て行く布をコンディショニング された状態にするために、 布がドラム上で輸送されるとき、調質された空気が布4及び穴空きドラムを通し て押し込まれ/吸い出される。 この装置は、調質済みの空気流が布4を通過するように強制しているモーター 6駆動の送風機5を備える。送風機5の入口7は、空気が装置を通って再循環さ れるように、布4とドラム2とを通して引かれた空気の出口8に連結される。周 囲空気を受け入れるために、送風機5の入口7は導管9にも連結される。導管9 は装置内に吸い込まれる周囲空気から微粒子を除去するためにフィルター31を 備える。送風機5の出口は室1内に開口する。 室1内の空気加湿手段10は、飽和器13上に円錐形パターンのスプレイ12 を向ける一連の水スプレイノズル11を備える。飽和器は粒子床(particle bed) 又は流路に沿った一連の薄板とすることができる。飽和器13に続いて、空気流 から水滴を除去するための除水器14がある。除水器14は一連のルーバー又は 羽根を備え、その上を空気流が通過する。加湿用手段は、これを室1内に置く代 わりに、送風機5と室1との間に置くこともできる。 加湿用手段10からの水は(重力により)水溜め15に集まり、ここからポン プ16によりフィルター17を経てスプレイノズル11に圧送される。 装置内の制御器は、装置に入る周囲空気の量を調整するための入口9内の羽根 18の組、送風機5を通過する総空気流量を調整するための送風機5の入口7内 に羽根19の組、及び加湿器10をバイパスする空気量を調整するための室1内 の羽根20の組である。装置は次の空気流量センサーも備える。即ち、周囲空気 の入口用の21、ドラム2からの戻 りの空気のための22、及び加湿器10をバイパスしている空気のための23で ある。更なるセンサーとして温度計を備える。即ち、送風機5の入口の24、送 風機からの出口空気流の25、加湿器10を出る空気のための26、穴空きドラ ム2上の布4に当たっている空気流用の27、穴空きドラム2から出る空気流用 の28、及び飽和器13用の29である。 使用されることが好ましい追加のセンサーは、周囲空気入口導管9内の温度セ ンサーと湿度センサーである。これらセンサーは必須ではないが、これらに使用 により、処理の精度を向上させるように、入ってくる周囲空気の条件についての 情報を制御アルゴリズムに含ませるようにすることができる。この位置における 湿度センサーは厳密に校正し又は維持する必要はない。また、送風機の管理のた めに、温度計24、27及び28の場所又はその近傍に圧力計が有ることが好ま しい。 この装置は布に当たる空気用の湿度センサー30を備えることもできるが、こ れは上述された理由から無くてもよい。 装置の制御手段は(図示せず)は、空気流量センサー21、22、23及び温 度計24ないし29(及びできれば湿度センサー30)からの入力に基づいて羽 根の組18、19及び20を調整する手段を作動させるように適切にプログラム された小型のデジタルコンピューターを備える。空気の温度と湿度とは、コンデ ィショニング中の布に生ずる熱力学的過程のモデルと装置全体の温度及び空気流 量の情報とを組み合わせて使用するアルゴリズムに従った羽根18、19及び2 0の調整により制御される。熱力学的モデルは、繊維内への水分の拡散速度及び これからの熱の放散速度に関係する。コンピュータープログラムは、過程の種々 の段階における空気の温度と湿度とを精密に予測する。コンディショニングされ た布の回復率を判定するために、織物繊維の平衡含水率及び周囲の相対湿度と温 度の間の公知の関係を使うことができる。かかる公知の関係の一例が図4に示さ れたようなウール/水の等温式(isotherms)により与えられる。即ち、コンディ ショニングすべき布の熱力学的モデル化は、特定の布に対して所与の回復率を達 成するために必要な空気流の相対湿度及び温度を予測するために、図4に示され たような等温式からの情報を利用できる。 本発明の実施例においては、直径が0.5mで幅が0.6mのドラム2は、布を3 m/minの速度で室1を通して連続輸送し、このとき、空気は約1m/secの速度で布 とドラムとを通して引かれる。布4を通して引かれた空気は温度計28を通過し 、入口9からの周囲空気と混合された後で送風機5内に引かれる。この周囲空気 はフィルター31を通過しかつ羽根18により調整された空気である。戻り空気 流及び周囲空気流の中の総水分は、この二つの空気流の総エンタルピーであると して保存される。空気は、送風機を通過するときいくらかの熱量、約3kJ/m3を 獲得し、また、圧力は約3000Paである。そこで、測定点25においては、水 分は保存されるがエンタルピーは増加する。空気は、加湿器10を通過するか、 又は制御羽根20を経て加湿器をバイパスするかのいずれかである。飽和器13 は、間隔が1.5mmで流線に沿って100mm、そして面積が1m2の薄い金属板よ り構成され、更に1−5litre/minの水量の水で噴霧される。粒子床も飽和器と して働くことが見いだされた。加湿器はこれを通過する空気を断熱的に飽和させ 、従ってエンタルピーは保存されるが含水率は増加する。加湿器10を通過した 空気は加湿器をバイ パスした空気と混合され(エンタルピーと含水率とは保存される)次いでコンデ ィショニング中の布を通過して引かれるか、或いは32の布アクセス用開口をま わって逃げ出すかのいずれかである。 空気が送風機5に入るとき、その温度が24において測定され、25における 温度計は送風機によりなされた機械的な仕事による空気の加熱の量を測定する。 空気は加湿器10を通って流れ(ここでは、先に測定された効率を有する断熱飽 和過程が生ずる)、加湿された空気の温度が26において測定される。処理を要 する大量の空気に対して、完全に近い断熱飽和を作ることは経済的でない。完全 飽和でない飽和器がこの過程で働くであろうし、飽和器から出て行く空気の測定 温度は正確な断熱飽和温度ではないであろう。不完全飽和器は、これをバイパス し出力側で一緒になった空気の百分率を有する完全飽和器に相当するとして処理 される。不完全飽和器の無効度が計測されこの出力量における空気の断熱飽和の 温度を計算することができる。繰返し法及び測定された無効度により飽和器の使 用による完全断熱飽和の温度を決定するためにあるアルゴリズムが使用される。 加湿された空気と加湿器をバイパスした空気との混合空気の温度は27において 測定される。測定された温度及び空気流量は、空気の水分及び湿度の制御ができ る回転可能な制御羽根18及び20の設定に使用される。空気が布を通過すると 、水蒸気が吸収されかつ熱が放散される。布を通過しコンディショニングに使用 された空気の温度が28において測定される。 周囲温度20℃、相対湿度50%の環境において、空気1kg当たりの空気圧送 による加熱量が3kJであり、更に布の最初の含水率がゼロであるとき、この装置 は、布を通過する空気速度1m/secにより、ウールの 布を温度25℃において含水率20%に調整することができる。 使用される特定装置の固有特性及びウール繊維の熱力学的性質を考慮したアル ゴリズムは、布が60秒で全装置を通過する場合、空気の所要の相対湿度を81 .8%とすべきことを示す。このアルゴリズムを達成するためには以下の調整が 必要である。 −18における羽根は、追加空気の割合が流量の11.6%であるように設定す る。 −20における羽根は、(飽和器の無効成分を含んだ)飽和器の総バイパス率が 流量の29.7%であるように設定する。 これらの調整は、(25及び26における温度の測定値及びバイパス率を使用 したアルゴリズムより算出し)断熱飽和温度22.6℃及び布に与えられる空気 の条件25℃と湿度81.9%を得るであろう。 同じ周囲条件に対して、コンディショニング温度が40℃であることが要求さ れるならば、追加空気の比率及び飽和器バイパス空気の比率は2.9%及び32. 5%であることが必要である。断熱飽和の計算温度は37.2℃であり、布の与 えられる空気の条件は40℃及び相対湿度83.9%である。布は30秒で機械 を通過する。 図2は、図1のような装置を2組、「背中合わせ」にした配列を示し、これに おいては、布4は、ドラム2及び21を経て各システムの加湿室1、11を通して 順次輸送される。この配列は、第1の室の横断は高温で運転されかつ空気は最高 速であり、これが処理を高速化し、更に第2室はより低速の空気で運転され従っ て空気圧送のためのエネルギー費用を大きく節約するため、速度及びエネルギー 消費の点で有利である。第2室は、室温で布を送りかつ水分の相当に急速な損失 を避けつつ低温で 運転することもできる。 図3は、図1に示されたような装置用の制御アルゴリズムの主要部分を示す。 まず、空気送風機への入口での温度及び湿度T1、RH1を空気の前の状態から 知る。空気が送風機を通過するとき、空気の流量が流量センサーより知られ、そ して送風機の作用による加熱力が送風機通過時の空気の温度上昇から計算できる 。ASHRAE(アメリカン・ソサイエティ・オブ・ヒーティング・レフリジレ ーション・アンド・エアコンディショニング・エンジニヤーリング、インク)ア トランタ刊行の1989ASHRAEハンドブック「ファンダメンタルズ(FUND AMENTALS)」によるような手順を使用して、エンタルピーは増加するが水分は不 変の空気の条件で計算することにより、送風機出口における空気の状態T2、R H2が算出される。 空気流は送風機の後で分割され、一つの流れは飽和器を通過する。もしこの経 過が完全に有効であるならば、飽和器から出て行く空気の温度は飽和器の前の空 気の湿度の正確な尺度であろう。機械のこの部分の効率の尺度を作ることにより 、湿度を判定するために温度T3に適用すべき修正を可能とする係数を決定でき る。修正は比率Aの形式であり、これは完全飽和器をバイパスする空気の有効比 率である。飽和器を通過する空気の比率Bは流量の測定により決定され、これが 機械における湿度の主制御として使用される。バイパスした空気は飽和器からの 空気と混合され、その状態はエンタルピー及び湿度T5、RH5の保存を仮定す ることにより計算される。 外側の空気が入ってきて布と接触することを防止しかつ機械からの余剰の熱を 輸送する手段として幾らかの空気がこの段階で機械から出る。 調整された空気は流量センサーで判定された測定量で布を通して引かれ、そして 二つの過程が生ずる。水分は布に吸収され、凝結の潜熱及び湿潤熱は布により解 放される。布に吸収された水分の量は、空気が布を通過するときの空気の温度上 昇の測定値から計算される。混紡布の吸水成分の重量、又は布が純毛(又はその 他の同様な繊維)のものである場合は布の重量は、この測定から決定できる。温 度及び含水率のある範囲にわたるウールの比熱の公表されている熱力学的データ 、及び含水率のある範囲にわたる湿潤熱及び布の通過後の空気の湿度を決定する ための湿潤空気の精神測定的特性を取り入れたコンピューター手順が使用される (T6、RH6)。 送風機に戻る空気は、この過程の温度を管理するために、流量の測定値により 決定される比率Cで周囲空気と混合される。補充用空気の湿度の測定には湿度セ ンサーが必要であるが、この方法の精度に対するその要求は大きくなく、また迅 速な応答の必要な望まれず、従って入手可能な湿度測定用センサーで十分である ことが分かる。 ある特定の機械の応答速度は、その構造の材料の重量及びその機械における空 気と水の容積に依存するであろう。制御アルゴニズムには、システムにおける変 動を円滑に受け入れかつ条件を正確に維持するために、全システムの遅い応答を 予期する項が含まれる。 本発明による装置は、これをウール布の「スポンジング」にも使用できる。布 のスポンジング過程には、不織布を取り、その温度/回復率をウール蛋白質のガ ラス転移点以上の点に上げ、そして結合保持された応力と歪との解放を許すこと が含まれる。スポンジングは、繊維の縮みを解放するために使うことができる。 スポンジングに必要な条件を提供す るための大きな相対湿度でかつ高温の空気を使用すること、布の境界層を破るた めに空気が高速で布を通過するように強制すること、及び凝固熱と吸収熱を除去 するための機構を提供することが、本発明による装置により可能である。 ここに説明された本発明は、説明された特定のものとは別の変化、変更及び/ 又は付加が可能であることは、熟練技術者の認めるところであろう。またかかる 変化、変更及び/又は付加の総てを含んだ本発明は以下の請求項の精神と範囲内 にあることを理解すべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,BR,CA,CN,C Z,JP,KR,US (72)発明者 テスター, デイビツド・ヘンリー オーストラリア・ニユーサウスウエールズ 2065・ナレムバーン・ミツチエルストリー ト57

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.織物布のコンディショニングをするための装置であって、室を通して布を輸 送するための手段、布が室を通して送られるときに布を通して空気を引くように 連結された入口と空気流を室内に向けるように連結された出口とを有する送風機 手段とを備え、前記入口は周囲空気を受け入れるように連結され、前記室又は前 記送風機出口は前記送風機手段からの空気流の少なくも一部分が布を通過するよ り以前にこれを加湿するための手段を有し、更に前記装置は、空気流の布通過直 前の空気流の温度と湿度とを所定値に維持するために、室を通る空気の流量、布 を通して引かれた空気流に混合される周囲空気の割合、及び加湿手段を通過する 空気流の部分のうちの少なくも一つを変更させるための制御手段を備える前記装 置。 2.加湿手段が前記送風機手段から空気流の前記部分を断熱的に飽和するための 飽和器を備える請求項1に請求された装置。 3.加湿手段が前記送風機手段からの空気流の前記部分から液滴を除去するため の除水器を備える請求項1又は請求項2に請求された装置。 4.前記飽和器が、空気流の前記部分の流れの方向で長手方向に伸びる一連の薄 板、及び前記薄板上に水を噴霧するためのスプレー手段を有する請求項2に請求 された装置。 5.前記除水器が空気流が上方を通過する一連のルーバー又は羽根を備える請求 項3に請求された装置。 6.前記制御手段が、室を通る流量を変えるための羽根の組、室内に入る周囲空 気の量を変えるための羽根の組、及び加湿手段を通過する空気流の割合を変える ための羽根の組を備える先行請求項のいずれかによる 装置。 7.前記制御手段が前記空気流の流量及び温度を測定するためのセンサーを備え る先行請求項のいずれかによる装置。 8.前記制御手段がプログラムされたデジタルコンピューターを備える先行請求 項のいずれかによる装置。 9.前記コンピューターが前記センサーから信号を受け取り、前記コンピュータ ーが前記羽根の組の位置を調整するための出力信号を提供する請求項6及び7に 従属した請求項8による装置。 10.室を通って布を輸送するための前記手段が前記室内に回転できるように取 り付けられた穴空きドラムを備える先行請求項のいずれかによる装置。 11.コンディショニング室を通って布が動いている間に、所定の温度及び相対 湿度に調質された空気の流れに布を通ることを強制することを含んだ布をコンデ ィショニング方法であって、この所定の温度及び相対湿度が (a) 再循環している調質された空気の流れに周囲空気を入れ、そしてこのよ うに入れられる周囲空気の割合を変更し、更に (b) 全空気流のうちの布を通るように強制される部分を飽和させ、このよう に飽和される割合を変更する ことにより維持される方法。 12.所定の温度及び相対湿度は、布の回復が400秒より長くない時間内で最 小で少なくも5%増加されるようなものである請求項11に請求された方法。 13.調質された空気流の速度が少なくも0.5m/secである請求項11 又は請求項12に請求された方法。 14.少なくも5%の回復増加が200秒以内で達成される請求項12に請求さ れた方法。 15.少なくも5%から10%の範囲内の回復増加が100秒又はそれ以下で達 成される請求項12に請求された方法。 16.少なくも10%の回復増加が少なくも50秒以内で達成される請求項12 に請求された方法。 17.図面を参照して実質的にここに説明された布のコンディショニング装置。 18.図面を参照して実質的にここに説明された布のコンディショニング方法。
JP8503528A 1995-02-14 1995-05-17 布のコンディショニング Ceased JPH10501034A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104894772A (zh) * 2015-06-18 2015-09-09 江苏海大印染机械有限公司 一种绒布绒毛印染装置

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