JPH10500944A - モルホリン誘導体及びタキキニンのアンタゴニストとしてのそれらの使用 - Google Patents

モルホリン誘導体及びタキキニンのアンタゴニストとしてのそれらの使用

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JPH10500944A JP7528758A JP52875895A JPH10500944A JP H10500944 A JPH10500944 A JP H10500944A JP 7528758 A JP7528758 A JP 7528758A JP 52875895 A JP52875895 A JP 52875895A JP H10500944 A JPH10500944 A JP H10500944A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、XがNもしくはCHである式(I)の化合物並びにそれらの薬学的に許容し得る塩及びプロドラッグに関する。この化合物は、痛み、炎症、片頭痛及び嘔吐の治療に特に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 モルホリン誘導体及びタキキニンの アンタゴニストとしてのそれらの使用 本発明は、タキキニンアンタゴニスト、特にはサブスタンスPのアンタゴニス トとして有用な新規化合物に関する。より具体的には、本発明は、モルホリン誘 導体、それらの製造方法、それらを含有する医薬組成物、及び医薬におけるそれ らの使用に関する。 タキキニン類(tachykinins)は、哺乳動物組織を通して、中枢神 経系並びに末梢神経及び循環系の両者に広く分布して見出される天然ペプチド類 である。 タキキニンは、保存カルボキシ末端配列: Phe−X−Gly−Leu−Met−NH2 によって区別される。 現時点で、サブスタンスP、ニューロキニンA(NKA、サブスタンスK、ニ ューロメジンL)及びニューロキニンB(NKB、ニューロメジンK)と呼ばれ る3種類の既知哺乳動物タキキニンが存在する(J.E.Maggio,Pep tides(1985)(suppl.3),237−242を参 照)。現在の命名法では、サブスタンスP、NKA及びNKBの生物学的作用を 介する3種類のタキキニン受容体は、それぞれ、NK1、NK2およびNK3受容 体と命名されている。 痛み、頭痛、特に片頭痛、アルツハイマー病、多発性硬化症、モルヒネ禁断症 の減衰、心臓血管変化、熱傷害によって引き起こされる水腫のような水腫、慢性 関節リウマチのような慢性炎症疾患、喘息/気管支過反応性及びアレルギー性鼻 炎を含む他の呼吸器疾患、潰瘍性大腸炎及びクローン病を含む消化管の炎症性疾 患、眼球傷害及び眼球炎症性疾患、増殖性硝子体網膜症、過敏性大腸症候群並び に膀胱炎及び膀胱排尿筋反射亢進を含む膀胱機能障害におけるタキキニン受容体 アンタゴニストの有用性については、“Tachykinin Recepto rs and Tachykinin Receptor Antagonis ts”,C.A.Maggi,R.Patacchini,P.Rovero and A.Giachetti,J.Auton.Pharmacol.(1 993)13,23−93で検討されている。 例えば、サブスタンスPは、とりわけ、痛覚の神経伝達[Otsuka et al.,“Role of Sub stance P as a Sensory Transmitter in Spinal Cord and Sympathetic Ganglia ”,1982 Substance P in the Nervous Sy stem,Ciba Foundation Symposium 91,13 −34(Pitmanによって刊行)及びOtsuka and Yanagi sawa,“Does Substance P Acts as a Pai n Transmitter?”TIPS(1987),506−510]、 特に、片頭痛(B.E.B.Sandberg et al.,J.Med.C hem.,(1982)25,1009)及び関節炎[Levine et a l in Science(1984)226,547−549]における痛み の伝達に関与するものと考えられている。また、タキキニンは、炎症性腸炎[M anthy et al in Neuroscience(1988)25( 3),817−37及びD.Regoli,“Trends in Clust er Headache”Ed.Sicuteri et al Elsevi er Scientific Publishers,Amsterdam(1987)page85]及び嘔 吐[F.D.Tattersall et al,Eur.J.Pharmac ol.,(1993)250,R5−R6]のような胃腸(GI)障害及びGI 管の疾患にも関連付けられている。また、サブスタンスPが役割を果たし得る関 節炎の神経機構が存在する仮説も立てられている[Kidd et al“A Neurogenic Mechanism for Symmetrical Arthritis”,The Lancet,11 November 1 989及びGronbalad et al,“Neuropeptides in Synovium of Patients with Rheumat oid Arthritis and Osteoarthritis”,J. Rheumatol.(1988)15(12),1807−10]。したがっ て、サブスタンスPは、関節リウマチ炎及び骨関節炎、並びに繊維症[O’By rne et al,Arthritis and Rheumatism(1 990)33,1023−8]のような疾患における炎症応答に関連するものと 考えられる。タキキニ ン・アンタゴニストが有用であると考えられる他の疾患領域は、アレルギー状態 [Hamelet et al,Can.J.Pharmacol.Physi ol.(1988)66,1361−7]、免疫調節[Lotz et al, Science(1988)241,1218−21及びKimball et al,J.Immunol.(1988)141(10),3564−9]、 血管拡張、気管支痙攣、内臓の反射もしくは神経制御[Mantyh et a l,Proc,Natl.Acad.Sci.,USA(1988)85,32 35−9]並びに、おそらくアルツハイマー型の老人性痴呆においてβ−アミロ イド介在神経減退変化を抑制しもしくは遅らせることによる[Yankner et al,Science(1990)250,279−82]、アルツハイ マー病及びダウン症候群である。 また、タキキニンアンタゴニストは、小細胞癌腫、特に小細胞肺ガン(SCL C)の治療に有用でもある[Langdon et al,Cancer Re search(1992)52,4554−7]。 また、サブスタンスPは、多発性硬化症及び筋萎縮性側索硬 化のような脱髄疾患[J.Luber−Narod et al,poster C.I.N.P.XVIIIth Congress,28th June− 2nd July 1992]、及び膀胱排尿筋反射亢進のような膀胱機能の疾 患[The Lancet,16th May 1992,1239]において も役割を果たしうる。 さらに、タキキニンは、下記疾患にも有用性があることが示唆されている:抑 鬱、軽い鬱状の障害、慢性閉塞気道疾患、ツタウルシ過敏症のような過敏症、ア ンギナ及びレイノルド病のような血管痙攣性疾患、硬皮小及び好酸球性肝蛭症の ような繊維増加及びコラーゲン疾患、肩/手症候群のような交感神経反射性ジス トロフィー、アルコール依存症のような嗜癖障害、ストレス関連体細胞障害、神 経障害、神経痛、全身性エリテマトーデスのような免疫増強もしくは抑制に関連 する障害(欧州特許明細書0 436 334号)、結膜炎、春季結膜炎等の眼 病、並びに接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、ジンマシン、及び他の湿疹様皮膚炎 のような皮膚病(欧州特許明細書0 394 989号)。 欧州特許明細書0 577 394号(1994年1月5日 公開)は、一般式 (ここで、R1は多種の置換基; R2及びR3はとりわけ水素; R4はとりわけ 5はとりわけ任意に置換されたフェニル; R6、R7及びR8は様々な置換基; XはO、S、SOもしくはSO2; YはとりわけO;及び Zは水素もしくはC1-4アルキルである) のモルホリン及びチオモルホリンのタキキニン受容体アンタゴニストを開示して いる。 我々は、本発明の化合物がタキキニン(特にサブスタンスP)の特に強力で有 用なアンタゴニストであることを見出した。 化合物は経口もしくは注射により投与することが望ましい。特定の化合物が、 強力な非ペプチドタキキニンアンタゴニストとして作用し、それらの有利な水溶 性により、経口及び注射経路の両者による投与のため、例えば、水性媒体中に特 に容易に処方されることが見出されている。 本発明は、式(I): (ここで、XはNもしくはCH) を有する化合物並びにそれらの薬学的に許容し得る塩及びプロドラッグを提供す る。 医薬に用いる場合、式(I)の化合物の塩は非毒性の薬学的 に許容し得る塩である。しかしながら、他の塩も、本発明による化合物又はそれ らの非毒性の薬学的に許容し得る塩の調製に有用であり得る。本発明の化合物の 適切な薬学的に許容し得る塩には、例えば、本発明による化合物の溶液と、塩酸 、フマル酸、p−トルエンスルホン酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、クエン酸 、酒石酸、炭酸又はリン酸のような薬学的に許容し得る酸の溶液とを混合するこ とにより形成され得る酸付加塩が含まれる。アミン基の塩には、アミノ窒素原子 がアルキル、アルケニル、アルキニルもしくはアラルキルのような適切な有機基 を有する第4アンモニウム塩が含まれ得る。 本発明による化合物は3つの非対称中心を有しており、したがって、エナンチ オマー及びジアステレオアイソマーの両者として存在し得る。そのような異性体 の全て及びそれらの混合物が本発明の範囲内に包含されることは理解されるよう になる。 式(I)の好ましい化合物はシス2−及び3−置換基を有し、2−位での好ま しい立体化学は例1及び2の化合物が有するもの(すなわち、2−(R)−)で あり、3−位での好ましい立体化学は例1及び2の化合物が有するもの(すなわ ち、3−(S))であり、α−メチル基が結合する炭素の立体化学は好 ましくは(R)であって、すなわち、式(Ia) の化合物である。 本発明は、その範囲内に、上記式(I)の化合物のプロドラッグを含む。一般 に、そのようなプロドラッグは、生体内で所要の式(I)の化合物に容易に変換 し得る式(I)の化合物の官能性誘導体である。適切なプロドラッグ誘導体の選 択及び調製の通常の方法は、例えば、“Design of Prodrugs ”、H.Bundgaard編、Elsevier、1985に記述されている 。 プロドラッグは、活性薬物を放出するために体内で変換を必要とし、親薬物分 子を上回る改良された送達特性を有する、生物学的に活性な物質(“親薬物(par ent drug)”又は“親分子” )の薬理学的に不活性な誘導体である。生体内での変換は、例えば、カルボン酸 、リン酸もしくは硫酸エステルの化学的もしくは酵素的加水分解又は感受性の高 い官能性の還元もしくは酸化のような幾つかの代謝プロセスの結果として生じ得 る。 したがって、例えば、特定の好ましいプロドラッグは、ある程度までタキキニ ン(特にはサブスタンスP)活性を有する(もしくは全く持たない)アンタゴニ ストでなくてもよい。しかしながら、このような化合物は、特に注射可能な処方 が好ましい場合には、ここに記載される様々な条件の処理において依然として有 利である。 プロドラッグの利点は、非経口投与のための親薬物と比較して高められた水溶 性等のその物理特性にあり、あるいはそれが消化管からの吸収を高めることがあ り、あるいはそれが長期の保存に対する薬物安定性を高めることがある。理想的 には、プロドラッグは、例えば、薬物の吸収、血中濃度、代謝、分布及び細胞の 取り込みを制御することにより薬物の毒性及び望ましくない効果を減少させるこ とによって、親薬物の効力全般を改善する。 上記式(I)の化合物において、本発明の化合物のプロドラ ッグを得るため、1,2,4−トリアゾール−3−イル又は1,3−イミダゾル −4−イル基を誘導体化することが可能であることは理解されるであろう。 適切なプロドラッグ誘導体には、 (a)−(CHR10n−PO(OH)O-・M+; (b)−(CHR10n−PO(O-2・2M+; (c)−(CHR10n−PO(O-2・D2+; (d)−(CHR10n−SO3 -・M+; (e)−COCH2CH2CO2 -・M+; (f)−COH; (g)−CO(CH2nN(R102;及び (h)−(CH(R10)O)n−COR11 (ここで、 nはゼロもしくは1; M+は薬学的に許容し得る一価対イオン; D2+は薬学的に許容し得る二価対イオン; R10は水素もしくはC1-3、アルキル;及び R11は、−O(CH22NH3 +・M-; −O(CH22NH2(R12+・M-;−OCH2CO2 - ・M+;−OCH(CO2 -・M+)CH2CO2 -・M+;−OCH2CH(NH3 +) CO2 -;−OC(CO2 -・M+)(CH2CO2 -・M+)2;及び (ここで、M-は薬学的に許容し得る一価対イオン、及びR12は水素、C1-4アル キル又はヒドロキシルもしくはC1-4アルコキシ基で置換されているC2-4アルキ ルである) から選択される基である) が含まれる。 特に好ましいプロドラッグ誘導体は: (a)−(CHR10n−PO(OH)O-・M+; (b)−(CHR10n−PO(O−)2・2M+; (c)−(CHR10n−PO(O-2・D2+; であって、特にnがゼロであるものである。 “親分子”、“親化合物”又は“親薬物”という用語は、代謝もしくは異化プ ロセスの酵素作用により、又はプロドラッグ の投与に続く化学的プロセスにより放出される生物学的活性物質を指す。また、 親化合物は、それに対応するプロドラッグを調製するための出発物質でもあり得 る。 上記プロドラッグでは通常の投与経路が全て利用可能であるが、好ましい投与 経路は経口及び静脈内である。胃腸管吸収もしくは静脈内投与の後、プロドラッ グは、対応する式(I)の親化合物又はそれらの薬学的に許容し得る塩に、生体 内で加水分解され、もしくは他の方法で開裂する。 ここで“M-”として定義される負の一価対イオンには、酢酸塩、アジピン酸 塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、 ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、ヘミ 硫酸塩、2−ヒドロキシエチルスルホン酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩 酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、メ タンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、過硫 酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリ ン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシレート(p−トルエンスルホン酸 塩)、及びウンデカン酸塩が含まれる。 (ここで“M+”として定義される薬学的に許容し得る一価陽イオン又はここ で“D2+”として定義される薬学的に許容し得る二価陽イオンである)塩基性塩 には、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム、リチウム及びカ リウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、アルミニウム、カルシウム及びマグ ネシウム塩)、ジシクロヘキシルアミン塩のような有機塩基との塩、N−メチル −D−グルカミン、並びにアミノ酸(例えば、アルギニン、リシン、オルニチン 等)との塩が含まれる。M+が一価陽イオンである場合には、定義2M+が存在す る場合に、M+の各々は同じであっても異なっていてもよいことが認められる。 加えて、定義2M+が存在する場合には、二価陽イオンD2+が存在してもよいこ とも同様に認められる。また、塩基性窒素含有基は、低級ハロゲン化アルキル( 例えば、塩化、臭化及びヨウ化メチル、エチル、プロピル及びブチル);硫酸ジ アルキル(例えば、ジメチル、ジエチル及びジブチル);硫酸ジアミル;長鎖ハ ロゲン化物(例えば、塩化、臭化及びヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチル及び ステアリル);臭化ベンジルのようなハロゲン化アラルキル等の物質で4級化さ れていてもよい。例えば、生成物の単離または精製において、他の 塩も有用ではあるが、非毒性の生理学的に許容し得る塩が好ましい。 これらの塩は、通常の手段、例えば、遊離塩基形態の生成物を1当量以上の適 当な酸と、塩が不溶性である溶媒もしくは媒体、又は真空中でもしくは凍結乾燥 によりもしくは適切なイオン交換樹脂で存在する塩の陰イオンを他の陰イオンに 交換させることにより除去される水のような溶媒中において、反応させることに より形成することができる。 本発明は、その範囲内に、式(I)の化合物及びそれらの塩の溶、例えば、水 和物を含む。 さらに、本発明は、式(I)の化合物を薬学的に許容し得る担体または賦形剤 と共に含有する医薬組成物を提供する。 好ましくは、本発明による組成物は、経口、非経口もしくは直腸投与、又は吸 入もしくは通気による投与の単位投与形態、例えば、錠剤、ピル、カプセル、粉 末、顆粒、溶液もしくは懸濁液、又は座剤である。 錠剤のような固体組成物を調製するには、主活性成分を薬学的担体、例えば、 コーンスターチ、ラクトース、ショ糖、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、 ステアリン酸マグネシウム、 リン酸二カルシウム又はゴムのような通常の錠剤化成分及び他の薬学的希釈剤( 例えば水)と混合し、本発明の化合物又はそれらの非毒性の薬学的に許容し得る 塩の均質な混合物を含む前処方(preformulation)組成物を形成する。これらの 前処方組成物を均質と呼ぶ場合、この組成物を等しく有効な単位用量単位、例え ば錠剤、ピル及びカプセルに、容易に、さらに分割することができるように、活 性成分が組成物中に均等に分散していることを意味する。次いで、この固体前処 方組成物を、本発明の活性成分を0.1ないし約500mg含有する、上記種類 の単位投与形態にさらに分割する。この新規組成物の錠剤もしくはピルは、作用 の長期化という利点を有する投与形態を提供するため、被覆もしくは他の方法で 複合化することができる。例えば、錠剤もしくはピルは内部投与及び外部投与成 分を含むことができる。ここで、後者は前者を覆う外皮の形態にある。この2つ の成分を、胃内での分解の阻止に役立ち、かつ内部成分が管を十二指腸まで通過 し、あるいは内部成分の放出を遅らせることを可能にする腸溶性層で分離するこ とができる。様々な物質をこのような腸溶性層もしくはコーティングに用いるこ とが可能であり、そのような物質には多くの高分子量酸並びに 高分子量酸とセラック、セチルアルコール及び酢酸セルロースのような物質との 混合物が含まれる。 本発明の新規組成物を組み込むことが可能な、経口もしくは注射投与のための 液体形態には、エリキシル及び類似の薬学的担体の他に、水溶液、適切に風味付 けされたシロップ、水性もしくは油性懸濁液、及び綿実油、ゴマ油、ヤシ油もし くは落花生油のような食用油を用いた風味付けされたエマルジョンが含まれる。 水性懸濁液に適切な分散剤もしくは懸濁剤には、トラガカント、アカシアのよう な合成及び天然ゴム、アルギン酸塩、デキストラン、カルボキシメチルセルロー スナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン又はゼラチンが含まれ る。 注射による投与に適切な組成物には、活性成分としての式(I)の化合物を、 表面活性剤(もしくは湿潤剤もしくは界面活性剤)と共に、あるいは(油中水も しくは水中油エマルジョンとしての)エマルジョンの形態で含有するものが含ま れる。 適切な表面活性剤には、特に、ポリオキシエチレンソルビタン(例えば、ツィ ーン(Tween)TM20、40、60、80もしくは85)及び他のソルビタ ン(例えば、スパン(Span)TM20、40、60、80もしくは85)のよ うな非イオン性剤が含まれる。表面活性剤を含む組成物は、0.05ないし5% 、好ましくは0.1ないし2.5%の表面活性剤を含むことが都合がよい。必要 であれば、他の成分、例えばマンニトールもしくは他の薬学的に許容し得る担体 を添加し得ることは理解されるであろう。 適切なエマルジョンは、イントラリピッド(Intralipid)TM、リポ シン(Liposyn)TM、インフォヌトロール(Infonutrol)TM、 リポファンジン(Lipofundin)TM及びリピフィサン(Lipiphy san)TMのような市販の脂肪エマルジョンを用いて調製することが可能である 。活性成分は、予め混合したエマルジョン組成物に溶解することが可能であり、 あるいは、代わりに、油(例えば、大豆油、紅花油、綿実油、ゴマ油、コーン油 もしくはアーモンド油)に溶解し、リン脂質(例えば、卵リン脂質、大豆リン脂 質もしくは大豆レシチン)及び水と混合してエマルジョンを形成することができ る。エマルジョンの張度を調整するため、他の成分、例えば、グリセロールもし くはグルコースを添加することができることは理解されるであろう。適切なエマ ルジョンは、典型的には、20%まで、例えば5ないし20%の油を含 む。脂肪エマルジョンは、好ましくは、0.1ないし1.0μm、好ましくは0 .1ないし0.5μmの脂肪滴を含み、かつ5.5ないし8.0の範囲のpHを 有する。 特に好ましいエマルジョン組成物は、式(I)の化合物をイントラリピッドTM 又はそれらの成分(大豆油、卵リン脂質、グリセロール及び水)と混合すること により調製されるものである。 吸気又は通気用の組成物には、薬学的に許容し得る水性もしくは有機溶媒中の 溶液及び懸濁液、又はそれらの混合物、及び粉末が含まれる。この液体又は固体 組成物は、上述の適切な薬学的に許容し得る賦形剤を含むことができる。好まし くは、これらの組成物は、局所もしくは全身性効果のため、口又は鼻呼吸器経路 で投与される。好ましく殺菌された、薬学的に許容し得る溶媒中の組成物を、不 活性ガスを用いることにより噴霧処理することができる。噴霧処理された溶液は 噴霧装置から直接吸気することが可能であり、あるいは噴霧装置をフェースマス ク、テント又は断続的正圧吸気装置に接続することができる。溶液、懸濁液又は 粉末組成物は、その処方を適当な方法で送達する装置から、好ましくは経口もし くは経鼻により、投与する ことができる。 本発明は、さらに、式(I)の化合物を含有する医薬組成物の調製方法であっ て、式(I)の化合物を薬学的に許容し得る担体又は賦形剤と組み合わせること を包含する方法を提供する。 式(I)の化合物は、タキキニン(特にはサブスタンスP)活性が過剰に存在 することにより特徴付けられる多様な臨床状態の治療において価値のあるもので ある。これらには、不安、抑鬱、精神病及び精神分裂病のような中枢神経系の疾 患;癲癇;AIDS関連痴呆、アルツハイマー型の老人性痴呆、アルツハイマー 病及びダウン症候群を含む痴呆のような神経減退疾患;多発性硬化症(MS)及 び筋萎縮性側索硬化(ALS;ルー・ゲーリッヒ病(Lou Gehrig’s disease))のような脱髄疾患;及び他の神経病理学的疾患、例えば、 AIDS関連神経疾患、糖尿病性及び化学療法誘発神経疾患、並びにヘルペス後 及び他の神経痛のような末梢神経疾患;脳虚血性損傷及び脳血管障害における脳 浮腫のような神経損傷;小細胞肺ガンのような小細胞癌腫;呼吸器障害、特に、 慢性閉塞気道疾患、気管支肺炎、慢性気管支炎、喘息、及び気管支痙攣のような 粘液分泌過剰に関連するもの;神経原性炎症によって調節 される気道疾患;膵嚢胞性線維症のような神経原性粘液分泌によって特徴付けら れる疾患;スジョグレン症候群(Sjogren’s syndrome)、I V及びV型高リポ蛋白血症、ヘモクロマトーシス、サルコイドーシス、及びアミ ロイドーシスのような、流涙を含む腺分泌の減少に関連付けられる疾患;炎症性 腸疾患、乾癬、繊維症、眼の炎症、骨関節炎、リウマチ様関節炎、痒み及び日焼 けのような炎症性疾患;湿疹及び鼻炎のようなアレルギー;ツタウルシのような 過敏症障害;結膜炎、春季結膜炎、乾燥眼等の眼病;増殖性硝子体網膜症のよう な細胞増殖に関連付けられる眼の状態:接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、ジンマ シン、及び他の湿疹様皮膚炎のような皮膚病;ベンゾジアゼピン類、アヘン誘導 体、コカイン、アルコール及びニコチンのような薬物の慢性的な処置、もしくは 乱用によって生じる禁断応答を含む嗜好障害;ストレス関連胃障害;肩手症候群 のような反射交感神経ジストロフィー;移植組織の拒絶のような有害免疫反応及 び全身性エリトマトーデスのような免疫増強もしくは抑制に関連する疾患;内臓 の神経制御に関連付けられる障害、潰瘍性大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群 並びに、化学療法、放射線、毒、ウイルスもしくは細菌感染、妊娠、 前庭障害、運動、手術、片頭痛、オピオイド鎮痛剤、及び頭蓋間圧力の変動によ って誘発される嘔吐のような、急性、遅延性、術後、遅相もしくは予期嘔吐、特 には、例えば、薬物もしくは放射線誘発嘔吐又は手術後悪心及び嘔吐のような胃 腸(GI)障害及びGI管の疾患;膀胱炎、膀胱排尿筋反射亢進及び失禁のよう な膀胱機能障害;硬皮症及び好酸球性奸蛭症のような線維及びコラーゲン疾患; アンギナ、片頭痛及びレイノルド病のような血管拡張によって引き起こされる血 流障害及び血管痙攣疾患;並びに、前述の状態に起因し、もしくは関連付けられ る痛み又は痛覚、特には片頭痛の伝達が含まれ得る。 したがって、本発明の化合物は、タキキニン受容体、特にはニューロキニン− 1受容体の過剰刺激に関連付けられる生理学的障害の治療において、ヒトを含む 哺乳動物における前述の臨床状態を管理及び/又は治療するためのニューロキニ ン−1アンタゴニストとして有用であり得る。 また、式(I)の化合物は、上記状態の組み合わせの治療、特には、術後の痛 みと術後悪心及び嘔吐との組み合わせの治療においても価値がある。 式(I)の化合物は、化学療法、放射線、代謝もしくは微生 物毒素のような毒、ウイルスもしくは細菌感染、妊娠、前庭障害、運動、機械的 な刺激、胃腸閉塞、胃腸の運動性の低下、内臓の痛み、精神ストレスもしくは障 害、高所、無重量状態、オピオイド鎮痛剤、中毒、例えばアルコールの消費から 生じるもの、手術、片頭痛、及び頭蓋間圧力の変動によって誘発される嘔吐また は悪心のような、急性、遅延性、術後、遅相もしくは予期嘔吐の治療において有 用である。とりわけ、式(I)の化合物は、ガンの化学療法において日常的に用 いられるものを含む抗新生物(細胞毒性)剤によって誘発される嘔吐の治療に有 用である。 そのような化学療法剤には、アルキル化剤、例えば、窒素マスタード類、エチ レンイミン化合物、アルキルスルホネート類及び、ニトロソ尿素、シスプラチン 及びダカルバジンのようなアルキル化作用を有する他の化合物;抗代謝剤、例え ば、葉酸、プリンもしくはピリミジンアンタゴニスト;有糸分裂阻害剤、例えば 、ビンカアルカロイド及びポドフィロトキシンの誘導体;及び細胞毒性抗生物質 が含まれる。 化学療法剤の特定の例は、例えば、“Nausea and Vomitin g:Recent Research and Clinical Advances”、J.Kuucharczyk ら編、CRC Press Inc.、Boca Raton、Florida 、USA(1991)177−203頁、特に188頁に、D.J.Stewa rtによって記述されている。通常用いられる化学療法剤には、シスプラチン、 ダカルバジン(DTIC)、ダクチノマイシン、メクロレタミン(窒素マスター ド)、ストレプトゾシン、シクロホスファミド、カルムスチン(BCNU)、ロ ムスチン(CCNU)、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ダウノルビシン 、プロカルバジン、ミトマイシン、シタラビン、エトポシド、メトトレキセート 、5−フルオロウラシル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ブレオマイシン及 びクロラムブシル[R.J.Gralla et al in Cancer Treatment Reports(1984)68(1),163−172 ]が含まれる。 また、式(I)の化合物は、ガンの治療におけるような放射線療法または放射 線病を含む、放射線によって誘発される悪心の治療;及び術後悪心及び嘔吐の治 療にも有用である。 式(I)の化合物が、嘔吐軽減に同時に、別々にもしくは連 続的に用いられる組み合わせ製剤として、他の療法剤と共に存在し得ることは理 解されるであろう。このような組み合わせ製剤は、例えば、一対のパックの形態 であってもよい。 本発明のさらなる側面は、オンダンセトロン、グラニセトロンもしくはトロピ セトロンのような5−HT3アンタゴニストあるいは他の抗嘔吐薬、例えば、メ トクロプラミドのようなドーパミン・アンタゴニスト又はバクロフェンのような GABAB受容体アンタゴニストと組み合わせた式(I)の化合物を包含する。 加えて、式(I)の化合物は、抗炎症コルチコステロイド、例えば、デキサメタ ゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、フルニソリド、ブデソ ニド、又は米国特許2,789,118号、2,990,401号、3,048 ,581号、3,126,375号、3,929,768号、3,996,35 9号、3,928,326号及び3,749,712号に開示されているものの ような他のもの、と組み合わせて投与することが可能である。デキサメタゾン( デカドロン(Decadron)TM)が特に好ましい。さらに、式(I)の化合 物は、上述の、アルキル化剤、抗代謝剤、有糸分裂阻害剤又は細胞毒性抗生物質 のような化学療法剤と組み合わせて投 与することができる。一般に、現在利用可能な既知の療法剤の投与形態は、この ような組み合わせでの使用に適切である。 Eur.J.pharmacol.,(1993)250,R5−R6にF. D.Tattersallらによって記述されるシスプラチン誘発嘔吐のフェレ ット・モデルにおいて試験した場合、本発明の化合物がシスプラチンによって誘 発される吐き出し及び嘔吐を弱めることが見出された。 また、式(I)の化合物は、痛みもしくは痛覚及び/又は炎症並びに、例えば 、糖尿病性及び化学療法誘発性神経障害のような神経障害、ヘルペス後及び他の 神経痛、喘息、骨関節炎、リューマチ様関節炎、頭痛、特に片頭痛のようなそれ らに関連付けられる障害の治療に特に有用でもある。 さらに、本発明は、治療に用いられる式(I)の化合物を提供する。 さらなる側面もしくは代わりの側面によると、本発明は、タキキニン(特には サブスタンスP)の過剰に関連付けられる生理学的障害を治療するための医薬の 製造において用いられる、式(I)の化合物を提供する。 また、本発明は、タキキニン(特にはサブスタンスP)の過 剰に関連付けられる生理学的障害の治療又は予防方法であって、それらを必要と する患者に、タキキニン減少量の式(I)の化合物、又は式(I)の化合物を含 有する組成物を投与することを包含する方法を提供する。 特定の状態の治療に対して、本発明による化合物を他の薬理学的に活性な薬剤 と共に用いることが望ましい。例えば、喘息のような呼吸器系疾患の治療には、 式(I)の化合物を、β2−アドレナリン作動性受容体アンタゴニスト又はNK −2受容体で作用するタキキニン・アンタゴニストのような気管支拡張剤と共に 用いることが可能である。式(I)の化合物及び気管支拡張剤は、同時に、連続 的に、もしくは組み合わせて患者に投与することができる。 同様に、本発明の化合物は、ロイコトリエン・アンタゴニスト、例えば、欧州 特許明細書0 480 717号及び0 604 114号並びに米国特許4, 859,692号及び5,270,324号に開示されるものから選択される化 合物のようなロイコトリエンD4アンタゴニストと共に用いることが可能である 。この組み合わせは、喘息、慢性気管支炎及び咳のような呼吸器系疾患の治療に 特に有用である。 したがって、本発明は、喘息のような呼吸器系疾患の治療方法であって、それ らを必要とする患者に、有効量の式(I)の化合物及び有効量の気管支拡張剤を 投与することを包含する方法を提供する。 また、本発明は、式(I)の化合物、気管支拡張剤、及び薬学的に許容し得る 担体を含有する組成物を提供する。 片頭痛の治療又は予防に対して、本発明の化合物を、エルゴタミンもしくは5 −HT1アンタゴニスト、特にはスマトリプタン、のような他の抗片頭痛剤と共 に用いることが可能であることは理解されるであろう。 同様に、行動的痛覚過敏症(behavioural hyperalges ia)の治療に対して、本発明の化合物をジゾシルピンのようなN−メチル D −アスパルテート(NMDA)のアンタゴニストと共に用いることも可能である 。 低部尿路における炎症状態、特には膀胱炎、の治療又は予防に対しては、本発 明の化合物を、ブラジキニン受容体アンタゴニストのような抗炎症剤と共に用い ることができる。 タキキニンの過剰に関連付けられる状態の治療においては、適切な投与レベル は1日当り約0.001ないし50mg/ kg、特には約0.01ないし25mg/kg、例えば、1日当り約0.05な いし約10mg/kgである。 例えば、痛みの感覚の神経伝達が関与する状態の治療においては、適切な投与 レベルは1日当り約0.001ないし25mg/kg、好ましくは約0.005 ないし10mg/kg、特には、1日当り約0.005ないし5mg/kgであ る。この化合物は、1日当り1ないし4回、好ましくは1日当り1もしくは2回 の投与割合で投与することができる。 注射可能な処方を用いる嘔吐の治療においては、適切な投与レベルは1日当り 約0.001ないし10mg/kg、好ましくは1日当り約0.005ないし5 mg/kg、特には1日当り0.01ないし1mg/kgである。この化合物は 、1日当り1ないし4回、好ましくは1日当り1もしくは2回の投与計画で投与 することができる。 いかなる治療においても、使用される式(I)の化合物の量は、選択された特 定の組成物だけではなく、投与経路、治療する状態の性質、並びに患者の年齢及 び状態で変化し、最終的には医師の裁量によるものであることは理解されるであ ろう。 プロセス(A)によると、本発明の化合物は式(II)の化合 物 から、式(III)の化合物 (ここで、XはNもしくはCH、Lは脱離基、例えば、塩素、臭素もしくはヨウ 素のようなハロゲン原子又はメシレートもしくはトシレートのようなアルキル− もしくはアリールスルホニルオキシ基) 又はそれらの保護誘導体と反応させ、必要な場合には、続いて通常の方法で脱保 護することにより調製することができる。 式(III)の化合物の特に適切な保護基の1つはp−トルエンスルホニル基で ある。 この反応は、通常の方法、例えば、ジメチルホルムアミドのような有機溶媒中 で、炭酸カリウムのような酸受容体の存在下において行うことができる。 代わりに、プロセス(B)によると、XがNである式(I)の化合物は、式( II)の中間体を式(IV)の化合物 (ここで、Halはハロゲン原子、例えば、臭素、塩素もしくはヨウ素である) と塩基の存在下において反応させることにより調製することができる。 この反応において用いられる適切な塩基には、例えば炭酸カリウムのようなア ルカリ金属炭酸塩が含まれる。この反応は、例えば無水ジメチルホルムアミドの ような無水有機溶媒中にお いて、好ましくは、60℃ないし140℃のような高温で都合よく行われる。 適切な手段のより詳細は、添付の例に見出される。 式(III)の化合物は市販されており、あるいは添付の例に記述される手順に よって、もしくは市販の化合物から当該技術分野における熟練者に容易に明らか な方法によって調製することができる。 式(IV)の化合物は、J.Med.Chem.,27,849(1984)に 記述される通りに調製することができる。 式(II)の化合物は、以下の図式に示される通りに調製することができる。 以下の参考文献には、専門家がその開示内容を読めば、その専門家が上記した 化学合成に適用することが可能な方法が記述されている: (i)D.A.Evans et al.,J.Am.Chem.Soc. ,112,4011(1990) (ii)Yanagisawa,I.et al.,J.Med.Chem. ,27,849(1984) (iii)Duschinsky,R.et al.,J.Am.Chem. Soc.,70,657(1948) (iv)Tebbe F.N.et al.,J.Am.Chem.Soc. ,100,3611(1978) (v)Petasis,N.A.et al.,J.Am.Chem.So c.,112,6532(1990) (vi)Takai,K.et al.,J.Org.Chem.,52,4 412(1987)。 ここに開示される例は、好ましい異性体を優先的に生成する。好ましくない異 性体もまた、微量成分として生成する。所望であれば、通常の方法、例えば、適 当なキラルカラムを用いるクロマトグラフィーで異性体を単離し、様々な立体異 性体の調製 に用いることが可能である。しかしながら、専門家は、これらの例が好ましい異 性体の生成に最適な態様を示しているが、溶媒、試薬、クロマトグラフィー等を 変更させることが他の異性体の生成に容易に利用可能であることを認識するであ ろう。 L−セレクトライド(L−Selectride)はトリ−sec−ブチルホ ウ水素化リチウムである。 上記合成過程において、当該分子の感受性もしくは反応性基を保護することが 必要であり、及び/又は望ましい。これは、Ptotective Group s in Organic Chemistry,ed.J.F.W.McOm ie,Plenum Press,1973、及びT.W.Greene an d P.G.M.Wuts,Protective Groups in Or ganic Synthesis,John Wiley & Sons,19 91に記述されるもののような通常の保護基によって達成することができる。こ れらの保護基は、都合のよい後続段階で、当該技術分野において公知の方法を用 いて除去することができる。 本発明の化合物を、国際特許出願WO93/01165号の 36〜39頁に記載される方法によって試験した。これらの化合物は、0.1n MのNK1受容体でIC50で活性であることが見出された。 説明1 (S)−(4−フルオロフェニル)グリシン キラル合成法: 工程A:3−(4−フルオロフェニル)アセチル−4−(S)−ベンジル−2− オキサゾリジノン 隔壁、窒素導入口、温度計及び磁気攪拌棒を備えたオーブン乾燥1L3首フラ スコを窒素でフラッシュし、100mlの無水エーテル中5.09g(33.0 ミリモル)の4−フルオロフェニル酢酸の溶液を充填した。この溶液を−10℃ に冷却し、5.60ml(40.0ミリモル)のトリエチルアミン、次いで4. 30ml(35.0ミリモル)のトリメチルアセチルクロライドで処理した。白 色沈殿が直ちに形成された。得られた混合物を−10℃で40分間攪拌した後、 −78℃に冷却した。 隔壁及び磁気攪拌棒を備えたオーブン乾燥250ml丸底フラスコを窒素でフ ラッシュし、40mlの乾燥THF中 5.31g(30.0ミリモル)の4−(S)−ベンジル−2−オキサゾリジノ ンの溶液を充填した。この溶液を、ドライアイス/アセトン浴において10分間 攪拌した後、18.8mlの1.6M n−ブチルリチウムのヘキサン溶液を徐 々に添加した。10分後、このリチオ化オキサゾリジノン溶液を3首フラスコ中 の上記混合液にカニューレを介して添加した。冷却浴を得られた混合液から取り 外し、温度を0℃に上昇させた。100mlの塩化アンモニウム飽和水溶液で反 応を停止させて1Lフラスコに移し、エーテル及びTHFを真空下で除去した。 この濃縮混合液を300mlの塩化メチレン及び50mlの水に分配し、層を分 離させた。有機層を100mlの2N塩酸水溶液、300mlの重炭酸ナトリウ ム飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、真空下で濃縮した。3 :2v/v ヘキサン/エーテルを溶離液として用いる、400gのシリカゲル でのフラッシュクロマトグラフィーにより8.95gの油が得られ、油は放置す ると徐々に固化した。10:1 ヘキサン/エーテルからの再結晶化により、7 .89g(83%)の表題の化合物が白色固体として得られた。 mp 64−66℃。MS(FAB):m/z314(M++ H、100%)、177(M−ArCH2CO+H、85%)。1H NMR(4 00MHz、CDCl3)δ 2.76(1H、dd、J=13.2、9.2H z)、3.26(dd、J=13.2、3.2Hz)、4.16−4.34(4 H、m)、4.65(1H、m)、7.02−7.33(9H、m)。 C1816FNO3についての元素分析 計算値:C、69.00;H、5.15;N、4.47;F、6.06%; 実測値:C、68.86;H、5.14;N、4.48;F、6.08%工程B;3−((S)−アジド−(4−フルオロフェニル)アセチル−4−(S )−ベンジル−2−オキサゾリジノン 隔壁、窒素導入口、温度計及び磁気攪拌棒を備えたオーブン乾燥1L3首フラ スコを窒素でフラッシュし、トルエン中58.0mlの1Mカリウムビス(トリ メチルシリル)アミド溶液の溶液及び85mlのTHFを充填して、−78℃に 冷却した。隔壁及び磁気攪拌棒を備えたオーブン乾燥250ml丸底フラスコを 窒素でフラッシュし、40mlのTHF中7.20g(23.0ミリモル)の( 工程Aからの)3−(4 −フルオロフェニル)アセチル−4−(S)−ベンジル−2−オキサゾリジノン の溶液を充填した。このアセチルオキサゾリジノン溶液をドライアイス/アセト ン浴において10分間攪拌した後、カニューレを介して、混合物の内部温度が− 70℃未満に維持されるような速度でカリウムビス(トリメチルシリル)アミド 溶液に移した。アシルオキサゾリジノンフラスコを15mlのTHFで濯ぎ、そ の濯ぎ液をカニューレを介して反応混合液に加えて、得られた混合液を−78℃ で30分間攪拌した。隔壁及び磁気攪拌棒を備えたオーブン乾燥250ml丸底 フラスコを窒素でフラッシュし、40mlのTHF中10.89g(35.0ミ リモル)の2,4,6−トリイソプロピルフェニルスルホニルアジドの溶液を充 填した。このアジド溶液をドライアイス/アセトン浴において10分間攪拌した 後、カニューレを介して、混合液の内部温度が−70℃未満に維持されるような 速度で反応混合液に移した。2分後、6.0mlの氷酢酸で反応を停止させて冷 却浴を取り外し、混合液を室温で18時間攪拌した。この反応停止させた反応混 合液を300mlの酢酸エチルと300mlの50%飽和重炭酸ナトリウム水溶 液とに分配した。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、 真空下で濃縮した。2:1v/v、次いで1:1v/v ヘキサン/塩化メチル を溶離液として用いる、500gのシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィ ーにより、5.45g(67%)の表題の化合物が油として得られた。 IRスペクトル(ニート、cm-1):2104、1781、1702。1H N MR(400MHz、CDCl3)δ 2.86(1H、dd、J=13.2、 9.6Hz)、3.40(1H、dd、J=13.2、3.2Hz)、4.09 −4.19(2H、m)、4.62−4.68(1H、m)、6.14(1H、 s)、7.07−7.47(9H、m)。 C1815FN43についての元素分析 計算値:C、61.01;H、4.27;N、15.81;F、5.36%; 実測値:C、60.99;H、4.19;N、15.80;F、5.34%工程C:(S)−アジド−(4−フルオロフェニル)酢酸 200mlの3:1v/v THF/水中5.40g(15.2ミリモル)の (工程Bからの)3−((S)−アジ ド−(4−フルオロフェニル))アセチル−4−(S)−ベンジル−2−オキサ ゾリジノンの溶液を氷浴において10分間攪拌した。1.28g(30.4ミリ モル)の水酸化リチウム一水和物を一度に添加し、得られた混合液を冷却したま ま30分間攪拌した。この反応混合液を100mlの塩化メチレンと100ml の25%飽和重炭酸ナトリウム水溶液とに分配し、層を分離させた。水層を2× 100mlの塩化メチレンで洗浄し、2N塩酸水溶液でpH2に酸性化した。得 られた混合液を2×100mlの酢酸エチルで抽出した。抽出液を合わせて50 mlの塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて真空 中で濃縮して、2.30g(77%)の表題の化合物を油として得た。これは、 さらに精製することなく次の工程において用いた。 IRスペクトル(ニート、cm-1):2111、1724。1 H NMR(400MHz、CDCl3)δ 5.06(1H、s)、7.08 −7.45(4H、m)、8.75(1H、br s)。工程D:(S)−(4−フルオロフェニル)グリシン 2.30g(11.8ミリモル)の(工程Cからの)(S) −アジド−(4−フルオロフェニル)酢酸、2.50mgの10%パラジウム/ 炭素触媒及び160mlの3:1v/v 水/酢酸の混合物を、水素雰囲気下に おいて18時間攪拌した。この反応混合物をセライト(Celite)を通して 濾過し、フラスコ及び濾過ケーキを〜1Lの3:1v/v 水/酢酸でよく濯い だ。濾液を、真空下で容量約50mlまで濃縮した。300mlのトルエンを添 加し、この混合液を固体が得られるまで濃縮した。この固体を1:1v/v メ タノール/エーテルに懸濁させて濾過し、乾燥させて、1.99g(100%) の表題の化合物を得た。1 H NMR(400MHz、D2O+NaOD)δ 3.97(1H、s)、6 .77(2H、app t、J=8.8Hz)、7.01(2H、app t、 J=5.6Hz)。分割法 工程A’:(4−フルオロフェニル)アセチルクロライド 40℃の500mlのトルエン中150g(0.974モル)の4−(フルオ ロフェニル)酢酸及び1mlのN,N−ジメチルホルムアミドの溶液を、20m lの塩化チオニルで処理し、40℃に加熱した。更に61.2mlの塩化チオニ ルを1.5 時間に亘って滴下により添加した。添加後、この溶液を50℃に1時間加熱して 溶媒を真空下で除去し、残留油を減圧下(1.5mmHg)で蒸留して150. 4g(89.5%)の表題の化合物(bp=68−70℃)を得た。工程B’:メチル 2−ブロモ−3−(4−フルオロフェニル)アセテート 150.4g(0.872モル)の(工程A’からの)4−(フルオロフェニ ル)アセチルクロライド及び174.5g(1.09モル)の臭素の混合物を、 40−50℃で、石英ランプを用いて5時間照射した。この反応混合物を400 mlのメタノールに滴下により添加し、この溶液を16時間攪拌した。溶媒を真 空下で除去し、残留油を減圧下(1.5mmHg)で蒸留して198.5g(9 2%)の表題の化合物(bp=106−110℃)を得た。工程C’:メチル(±)−(4−フルオロフェニル)グリシン 25mlのメタノール中24.7g(0.1モル)の(工程B’からの)メチ ル 2−ブロモ−2−(4−フルオロフェニル)アセテート及び2.28g(0 .01モル)のベンジルトリエチルアンモニウムクロライドの溶液を、6.8g (0.105モル)のナトリウムアジドで処理し、得られた混合物を室温で20 時間攪拌した。この反応混合物を濾過した。濾液を50mlのメタノールで希釈 し、0.5gの10%Pd/Cの存在下において、50psiで1時間水素添加 した。この溶液を濾過し、溶媒を真空下で除去した。残留物をを10%炭酸ナト リウム水溶液と酢酸エチルとに分配した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶 液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮して9.8gの表題の 化合物を油として得た。工程D’:メチル (S)−(4−フルオロフェニル)グリシネート 110mlの7:1v/v エタノール/水中58.4gの(工程C’からの )メチル(±) 4−(フルオロフェニル)グリシネートを、110mlの7: 1v/v エタノール:水中28.6g(0.0799モル)のO,O’−(+ )−ジベンゾイル酒石酸((+)−DBT)(28.6g、0.0799モル) の溶液と混合し、得られた溶液を室温で熟成させた。結晶化が完了した後、酢酸 エチル(220ml)を添加して、得られた混合物を−20℃に冷却し、濾過し て32.4gのメ チル (S)−(4−フルオロフェニル)グリシネート、(+)−DBT塩(e e=93.2%)を得た。母液を真空下で濃縮し、酢酸エチルと炭酸ナトリウム 水溶液とに分配することにより遊離塩基を遊離させた。このようにして得られた 遊離塩基の7:1v/v エタノール:水110ml中の溶液を、7:1v/v エタノール:水110ml中28.6g(0.0799モル)のO,O’−( −)−ジベンジゾイル酒石酸((−)−DBT)(28.6g、0.0799モ ル)の溶液と混合し、得られた溶液を室温で熟成した。結晶化が完了した後酢酸 エチル(220ml)を添加し、得られた混合物を−20℃に冷却して濾過し、 47.0gのメチル(R)−(4−フルオロフェニル)グリシネート、(−)− DBT塩(ee=75.8%)を得た。母液を再利用し、(+)−DBTを添加 することにより、7.4gの(S)−(4−フルオロフェニル)グリシネート、 (+)−DBT塩(ee=96.4%)を再び得た。この(S)−アミノエステ ル(39.8g)を200mlの7:1v/v エタノール/水中で合わせ、3 0分間加熱して室温に冷却した。酢酸エチルを添加し、冷却して濾過することに より、31.7gの(S)−(4−フルオロフェニル)グリシネート、 (+)−DBT塩(ee>98%)が得られた。エナンチオマー過剰はキラルH PLC(Crownpak CR(+)aqHClO4中5%MeOH pH2 1.5ml/分40℃ 200nm)で決定した。 17.5gの(S)−(4−フルオロフェニル)グリシネート、(+)−DB T塩及び32mlの5.5N HCl(32ml)の混合物を還流下で1.5時 間加熱した。この反応混合物を真空下で濃縮し、残留物を40mlの水に溶解し た。この水溶液を洗浄し(3×30mlの酢酸エチル)、層を分離させた。水層 のpHを水酸化アンモニウムを用いて7に調整し、沈殿固体を濾過して7.4g の表題の化合物(ee=98.8%)を得た。 説明2 4−ベンジル−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−2−モルホリノン 工程A:N−ベンジル−(S)−(4−フルオロフェニル)グリシン 0℃の1N水酸化ナトリウム水溶液11.1ml及びメタノール11ml中1 .87g(11.05ミリモル)の(説明1 からの)(S)−(4−フルオロフェニル)グリシン及び1.12ml(11. 1ミリモル)のベンズアルデヒドの溶液を、ホウ水素化ナトリウム165mg( 4.4ミリモル)で処理した。冷却浴を取り外し、得られた混合物を室温で30 分間攪拌した。この反応混合物にベンズアルデヒド1.12ml(11.1ミリ モル)及びホウ水素化ナトリウム165mg(4.4ミリモル)を更に添加し、 攪拌を1.5時間継続した。この反応混合物をエタノール100ml及び水50 mlに分配し、層を分離させた。水層を分離し、濾過して少量の不溶性物質を除 去した。濾液を2N塩酸水溶液でpH5に酸性化して沈殿した固体を濾過し、水 、次いでエタノールでよく洗浄し、乾燥させて表題の化合物1.95gを得た。1 H NMR(400MHz、D2O+NaOD)δ3.33(2H、AB q、 J=8.4Hz)、3.85(1H、s)、6.79−7.16(4H、m)。工程B:4−ベンジル−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−2−モルホリ ノン N−ベンジル (S)−(4−フルオロフェニル)グリシン1.95g(7. 5ミリモル)、N,N−ジイソプロピル−エ チルアミン3.90ml(22.5ミリモル)、1,2−ジブロモエタン6.5 0ml(75.0ミリモル)及びN,N−ジメチルホルムアミド40mlの混合 物を100℃で20時間攪拌した(加温することにより全ての固体は溶解した) 。この反応混合物を冷却し、真空下で濃縮した。残留物をエーテル250mlと 0.5N硫酸水素カリウム溶液100mlとに分配し、層を分離させた。有機層 を飽和重炭酸ナトリウム水溶液100ml、水3×150mlで洗浄し、硫酸マ グネシウムで乾燥させて真空下で濃縮した。3:1v/v ヘキサン/エーテル を溶離液として用いるシリカゲル125gでのフラッシュクロマトグラフィーに より、表題の化合物1.58g(74%)が油として得られた。1 H NMR(400MHz、CDCl3)δ 2.65(1H、dt、J=3. 2、12.8Hz)、3.00(1H、dt、J=12.8、2.8Hz)、3 .16(1H、d、J=13.6Hz)、3.76(1H、d、J=13.6H z)、4.24(1H、s)、4.37(1H、dt、J=13.2、3.2H z)、4.54(1H、dt、J=2.8、13.2Hz)、7.07−7.5 6(9 H、m)。 説明3 4−ベンジル−2−(R)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル オキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)モルホリン 乾燥THF40ml中2.67g(10.0ミリモル)の4−ベンジル−3− (S)−(4−フルオロフェニル)−2−モルホリン(説明2)の溶液を−78 ℃に冷却した。この冷溶液を、内部反応温度を−70℃未満に維持しながら、T HF中1.0M L−セレクトライドRの溶液12.5mlで処理した。得られ た溶液を冷却したまま45分間攪拌し、この反応物に3,5−ビス(トリフルオ ロメチル)ベンゾイルクロライド3.60ml(20.0ミリモル)を加えた。 得られた黄色混合液を冷却したまま30分間攪拌し、飽和重炭酸ナトリウム水溶 液50mlで反応を停止させた。この反応を停止させた混合液をエーテル300 mlと水50mlとに分配し、層を分離させた。有機層を硫酸マグネシウムで乾 燥させた。水層をエーテル300mlで抽出した。抽出物を乾燥させ、元の有機 層と合わせた。この合わせた有機層を真空下で濃縮した。37:3v /v ヘキサン/エーテルを溶離液として用いる、シリカゲル150gでのフラ ッシュクロマトグラフィーにより、表題の化合物4.06g(80%)が固体と して得られた。1 H NMR(200MHz、CDCl3)δ 2.50(1H、dt、J=3. 4、12.0Hz)、2.97(1H、app d、J=12.0Hz)、2. 99(1H、d、J=13.6Hz)、3.72−3.79(1H、m)、3. 82(1H、d、J=2.6Hz)、4.00(1H、d、J=13.6Hz) 、4.20(dt、J=2.4、11.6Hz)、6.22(1H、d、J=2 .6Hz)、7.22−7.37(7H、m)、7.57(2H、app d、 J=6.8Hz)、8.07(1H、s)、8.47(2H、s)。MS(FA B)m/z528(M+H、25%)、270(100%)。 C26207NO3についての元素分析 計算値:C、59.21;H、3.82;N、2.66;F、25.21%; 実測値:C、59.06;H、4.05;N、2.50;F、25.18%。 説明4 4−ベンジル−2−(R)−(1−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェ ニル)エテニルオキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)モルホリン 工程A:ジメチルチタノセン 暗所において、0℃のエーテル50ml中2.49g(10.0ミリモル)の 二塩化チタノセンを、内部温度を5℃未満に維持しながら、エーテル中17.5 mlの1.4Mメチルリチウムの溶液で処理した。得られた黄色/オレンジ色の 混合液を室温で30分間攪拌し、氷25gを徐々に加えることにより反応を停止 させた。反応を停止させた反応混合液をエーテル50ml及び水25mlで希釈 し、層を分離させた。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮して 、表題の化合物2.03g(98%)を感光性固体として得た。このジメチルチ タノセンは、トルエン溶液として、0℃で少なくとも2週間、明らかな化学分解 もなく保存することが可能であった。1 H NMR(200MHz、CDCl3)δ−0.15(6H、s)、6.06 (10H、s)。工程B:4−ベンジル−2−(R)−(1−(3,5−ビス(トリフルオロメチ ル)フェニル)エテニルオキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)モル ホリン 11v/v THF/トルエン35ml中に説明3の化合物(2.50g、4 .9ミリモル)及び2.50g(12.0ミリモル)の(工程Aからの)ジメチ ルチタノセンの溶液を、油浴において80℃で16時間攪拌した。この反応混合 液を冷却し真空下で濃縮した。3:1v/v ヘキサン/塩化メチレンを溶離液 として用いるシリカゲル150gでのフラッシュクロマトグラフィーにより、表 題の化合物1.71g(69%)を固体として得た。分析サンプルは、イソプロ パノールからの再結晶により得た。1 H NMR(400MHz、CDCl3)δ 2.42(1H、dt、J=3. 6、12.0Hz)、2.90(1H、app d、J=12.0Hz)、2. 91(1H、d、J=13.6Hz)、3.62−3.66(1H、m)、3. 72(1H、d、J=2.6Hz)、3.94(1H、d、J=13.6Hz) 、4.09(1H、dt、J=2.4、12.0Hz)、4.75(1H、d、 J=3.2Hz)、 4.82(1H、d、J=3.2Hz)、5.32(1H、d、J=2.6Hz )、7.09(2H、t、J=8.8Hz)、7.24−7.33(5H、m) 、7.58−7.62(2H、m)、7.80(1H、s)、7.90(2H、 s)。MS(FAB)526(M+H、75%)、270(100%)。 C27227NO2についての元素分析 計算値:C、61.72;H、4.22;N、2.67;F、25.31%; 実測値:C、61.79;H、4.10;N、2.65;F、25.27%。 説明5 2−(R)−(1−(R)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル) エトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)モルホリン 説明4の化合物(4.0g)を酢酸エチル(50ml)及びイソプロパノール (16ml)に溶解した。この溶液にパラジウム/炭(1.5g)を添加し、混 合物を40psiで36時間水素添加した。触媒をセライトを通して濾過により 除去し、 溶媒を真空下で除去した。残留物を、100%酢酸エチル、次いで酢酸エチル中 1−10%のメタノールを用いるシリカでのフラッシュクロマトグラフィーによ り精製した。これにより、異性体A500mg(15%)及び異性体B2.6g (80%)が透明油として得られた。異性体Bは静置により結晶化した。 表題の化合物について:1H NMR(400MHz、CDCl3)δ1.16 (3H、d、J=6.8Hz)、1.80(1H、br s)、3.13(1H 、dd、J=3.2、12.4Hz)、3.23(1H、dt、J=3.6、1 2.4Hz)、3.63(1H、dd、J=2.4、11.2Hz)、4.01 (1H、d、J=2.4Hz)、4.13(1H、dt、J=3.2、12.0 Hz)、4.42(1H、d、J=2.4Hz)、4.19(1H、q、J=6 .8Hz)、7.04−7.09(2H、m)、7.27−7.40(4H、m )、7.73(1H、s)。MS(FAB)438(M+H、75%)、180 (100%)。 例1 2−(R)−(1−(R)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル) エトキシ−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(1,2,4−トリア ゾール−3−イル)メチルモルホリン 乾燥ジメチルホルムアミド(7ml)中に説明5の化合物(3.77g)及び 炭酸カリウム(3.59g)を含む溶液を室温で10分間攪拌した。N−ホルミ ル−2−クロロアセトアミドラゾン(Yanagisawa I.,J.Med .Chem.1984,27,849に従って調製)を添加し、この反応混合物 を60℃で1時間加熱した。その後2時間、温度を140℃に上昇させた。この 混合物を冷却し、酢酸エチルと水とに分配して有機層を水、食塩水で洗浄し、乾 燥(MgSO4)させて蒸発させ、褐色の油を得た。この残留物を、ジクロロメ タン中1−5%のメタノールを用いるシリカでのクロマトグラフィーにより精製 した。これにより、生成物が白色フォーム(2.99g)として得られた。1 H NMR(360MHz、DMSO)δ 8.25(1H、s)、7.85 (1H、s)、7.50(2H、t)、 7.32(2H、s)、7.11(2H、t、J=9.0Hz)、4.93(1 H、q、J=6.6Hz)、4.32(1H、d、J=2.8Hz)、4.09 (1H、dt、J=11.5Hz)、3.63(1H、d、J=14.1Hz) 、3.59(1H、d、J=3.0Hz)、3.17(1H、d、J=14.0 Hz)、2.49(1H、dt、J=15.7Hz)、1.36(3H、d、J =6.6Hz)。Ms(CI+)m/z519。 C2319742についての元素分析 計算値:C、53.29;H、4.08;N、10.81%; 実測値:C、52.92;H、3.94;N、10.33%。 例2 2−(R)−(1−(R)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル) エトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(1,3−イミダゾ ール−4−イル)メチルモルホリン 工程A:4−ヒドロキシメチル−N−(p−トルエンスルホニル)イミダゾール 4−ヒドロキシメチルイミダゾール塩酸塩(10g)をジク ロロメタン(200ml)に懸濁させた。室温で一晩攪拌したこの攪拌反応混合 物に、p−トルエンスルホニルクロライド(15.58g)を添加し、さらにト リエチルアミン(25.8ml)を滴下により添加した。この混合物を水(2× 100ml)及び食塩水(1×100ml)で洗浄し、有機層を乾燥させて蒸発 させることで透明油が残った。この透明油を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶す ることにより、白色結晶性固体(15g、80%)が得られた。1 H NMR(360MHz、CDCl3)δ 2.44(3H、s)、4.55 (2H、s)、7.21(1H、s)、7.35(2H、d、J=8.0Hz) 、7.62(2H、d、J=8.0Hz)、7.98(1H、s)。MS(CI+ )m/z253(M+H、100%)。工程B:((N−p−トルエンスルホニル)イミダゾール−2−イル)メチルメ タンスルホネート 上記(a)のアルコール(1g)をジクロロメタン(15ml)に溶解し、こ の溶液を氷−メタノール浴において冷却した。ジクロロメタン(1ml)にトリ エチルアミン(0.4g)、次いでメタンスルホニルクロライド(0.45g) を滴下によ り添加した。この混合液を水(2×10ml)及び食塩水(1×10ml)で洗 浄し、有機層を乾燥させて蒸発させることで白色の結晶性粉末(1.3g)が残 った。これは、さらに精製することなく次の反応で用いた。1 H NMR(360MHz、CDCl3)δ 2.45(3H、s)、3.00 (3H、s)、5.13(2H、s)、7.39(2H、d、J=8.0Hz) 、7.40(1H、s)、7.84(2H、d、J=8.0Hz)、8.00( 1H、s)。MS(CI+)m/z267((M−CH3O)+、30%)。工程C:2−(R)−(1−(R)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フ ェニル)エトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(N−p− トルエンスルホニル−1,3−イミダゾール−4−イル)メチルモルホリン 説明5の化合物(500mg)、炭酸カリウム(474mg)及び上記(b) に記載のメシレート(432mg)をN,N−ジメチルホルムアミド(5ml) に懸濁させ、得られた混合物を60℃で4時間攪拌した。この混合物を冷却し、 水(50ml)で希釈した。この混合物を酢酸エチル(3× 20ml)で抽出して有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)させて蒸発 させた。残留物を、ペトロール中30%の酢酸エチルを溶離液として用いるシリ カでのカラムクロマトグラフィーによって精製し、生成物(515mg、70% )を白色結晶性固体として得た。 MS(CI+)m/z672((M+H)+、100%)。工程D:2−(R)−(1−(R)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フ ェニル)エトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(1,3− イミダゾール−4−イル)メチルモルホリン 上記(c)に記載の化合物(500mg)を、エーテル性塩化水素で処理する ことにより脱保護した。この混合物を真空下で蒸発させ、残留物をエーテルで数 回研和し、エーテル洗浄液をデカントして遊離したp−トルエンスルホニルクロ ライドを除去した。残留生成物を炭酸カリウム水溶液で処理して遊離塩基を遊離 させ、これを酢酸エチルで抽出した。有機層を水、食塩水で洗浄し、乾燥(Mg SO4)させて真空中で蒸発させた。残留物を、ジクロロメタン中2−6%のメ タノールを溶離液として用いるシリカでのカラムクロマトグラフィーにより精製 した。1 H NMR(250MHz、CDCl3)δ 1.45(3H、d、J=7.0 Hz)、2.55(1H、dt、J=12.0、3.0Hz)、2.96(1H 、d、J=12.0Hz)、3.18(1H、d、J=14.0Hz)、3.4 1(1H、d、J=3.0Hz)、3.67(1H、m)、3.71(1H、d 、J=14.0Hz)、4.25(1H、m)、4.31(1H、d、J=3. 0Hz)、4.86(1H、q、J=7.0Hz)、6.81(1H、s)、7 .05(2H、t、J=8.0Hz)、7.13(2H、s)、7.42(2H 、br s)、7.63(1H、s)、7.68(1H、s)。MS(CI+) m/z518((M+H)+、20%)。 以下の例は、本発明による医薬組成物を説明する。例3A:1−25mgの化合物を含有する錠剤 例3B:26−100mgの化合物を含有する錠剤 式(I)の化合物、セルロース、ラクトース及びコーンスターチの一部を混合 し、10%コーンスターチペーストで顆粒にする。得られた顆粒を篩にかけて乾 燥させ、残りのコーンスターチ及びステアリン酸マグネシウムと混合する。その 後、得られた顆粒を、錠剤当り1.0mg、2.0mg、25.0mg、26. 0mg、50.0mg及び100mgの活性成分を含有する錠剤に打錠する。例4:非経口注射 量(mg) 式(I)の化合物 1ないし100mg クエン酸一水和物 0.75mg リン酸ナトリウム 4.5mg 塩化ナトリウム 9mg 注射用水 10mlまで リン酸ナトリウム、クエン酸一水和物及び塩化ナトリウムを水の一部に溶解す る。この溶液に式(I)の化合物を溶解もしくは懸濁させ、総容積にする。例5:局所処方 量(mg) 式(I)の化合物 1−10g 乳化ワックス 30g 液体パラフィン 20g 白色軟質パラフィン 100gまで 白色軟質パラフィンを溶融するまで加熱する。液体パラフィ ン及び乳化ワックスを加え、溶解するまで攪拌する。式(I)の化合物を添加し 、分散するまで攪拌を続ける。その後、この混合物を固化するまで冷却する。例6A:(表面活性剤)注射処方 式(I)の化合物 10mg/kgまで ツィーン80TM 2.5%まで [5%マンニトール水溶液中(等張)] 式(I)の化合物を、市販のツィーン80TM(ポリオキシエチレンソルビタ ンモノオレエート)及び5%マンニトール水溶液(等張)に直接溶解する。例6B:(エマルジョン)注射処方 式(I)の化合物 30mg/mlまで イントラリピッドTM(10−20%) 式(I)の化合物を市販のイントラリピッドTM(10もしくは20%)に直 接溶解してエマルジョンを形成する。例6C:代替(エマルジョン)注射処方 式(I)の化合物 0.1−10mg 大豆油 100mg 卵リン脂質 6mg グリセロール 22mg 注射用水 1mlまで 全ての材料は無菌であり、発熱物質非含有である。式(I)の化合物を大豆油 に溶解する。次いで、この溶液を卵リン脂質、グリセロール及び水と混合するこ とによりエマルジョンを形成する。その後、このエマルジョンを無菌バイアル中 に密封する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TT,UA, UG,US,UZ,VN (72)発明者 テイール,マーテイン・リチヤード イギリス国、エセツクス・シー・エム・ 20・2・キユー・アール、ハーロウ、イー ストウイツク・ロード、ターリングス・パ ーク(番地なし) (72)発明者 シワード,アイリーン・マリー イギリス国、エセツクス・シー・エム・ 20・2・キユー・アール、ハーロウ、イー ストウイツク・ロード、ターリングス・パ ーク(番地なし) (72)発明者 スウエイン,クリストフアー・ジヨン イギリス国、エセツクス・シー・エム・ 20・2・キユー・アール、ハーロウ、イー ストウイツク・ロード、ターリングス・パ ーク(番地なし)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 下記式(I)の化合物、又はそれらの薬学的に許容し得る塩もしくはプロ ドラッグ。 式(I) (ここで、XはNもしくはCHである) 2. 2−(R)−(1−(R)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェ ニル)エトキシ−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(1,2,4− トリアゾール−3−イル)メチルモルホリン、又はそれらの薬学的に許容し得る 塩もしくはプロドラッグ。 3. 2−(R)−(1−(R)−(3,5−ビス(トリフル オロメチル)フェニル)エトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)− 4−(1,3−イミダゾール−4−イル)メチルモルホリン、又はそれらの薬学 的に許容し得る塩もしくはプロドラッグ。 4. 治療に用いるための、請求の範囲第1項ないし第3項のいずれか1項に記 載の化合物。 5. 請求の範囲第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の化合物を、薬学的 に許容し得る担体もしくは賦形剤と共に含有する医薬組成物。 6. タキキニンの過剰に関連付けられる生理学的障害の治療または予防方法で あって、それらを必要とする患者に、タキキニン減少量の、請求の範囲第1項に 記載の化合物又はそれらの薬学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグ、あるい は請求の範囲第1項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容し得る塩もしくは プロドラッグを含有する組成物を投与することを包含する方法。 7. 痛み又は炎症の治療又は予防のための、請求の範囲第6項記載の方法。 8. 片頭痛の治療または予防のための、請求の範囲第6項記載の方法。 9. 嘔吐の治療または予防のための、請求の範囲第6項記載の方法。 10. タキキニンの過剰に関連付けられる生理学的障害を治療するための医薬 の製造への、請求の範囲第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の化合物の使 用。 11. 痛み又は炎症を治療するための医薬の製造への、請求の範囲第1項ない し第3項のいずれか1項に記載の化合物の使用。 12. 片頭痛を治療するための医薬の製造への、請求の範囲第1項ないし第3 項のいずれか1項に記載の化合物の使用。 13. 嘔吐を治療するための医薬の製造への、請求の範囲第1項ないし第3項 のいずれか1項に記載の化合物の使用。 14. 式(I)の化合物の製造方法であって、 (A)下記式(II)の化合物を下記式(III)の化合物と反応させるか、 (ここで、XはNもしくはCHであり、Lは脱離基もしくはそれらの保護誘導体 である) (B)XがNである場合には、式(II)の化合物を塩基の存在下において下記式 (IV)の化合物と反応させ、 (ここで、Halはハロゲン原子である) 必要であれば、各工程に続いて、存在する保護基を除去し、 次いで、式(I)の化合物がエナンチオマーもしくはジアステレオアイソマー の混合物として得られる場合には、任意に該混合物を分割して所望のエナンチオ マーを得、及び/又は、所望であれば、得られた式(I)の化合物又はそれらの 塩をそれらの薬学的に許容し得る塩に変換することから成る方法。
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