JPH104976A - Tab1蛋白質及びそれをコードするdna - Google Patents
Tab1蛋白質及びそれをコードするdnaInfo
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- JPH104976A JPH104976A JP8300856A JP30085696A JPH104976A JP H104976 A JPH104976 A JP H104976A JP 8300856 A JP8300856 A JP 8300856A JP 30085696 A JP30085696 A JP 30085696A JP H104976 A JPH104976 A JP H104976A
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Abstract
子の提供。 【解決手段】 TGF−βシグナル伝達系における1因
子であるTAK1を活性化する活性を有するTAB1蛋
白質であって、図1に示すアミノ酸配列を有する。
Description
β(Transforming GrowthFact
or −β;TGFβ)のシグナル伝達系の1員である
TAB1蛋白質、及びそれをコードする遺伝子に関す
る。
御する多機能因子である。その一面として、TGF−β
は様々な傷害に伴う組織の修復及び再生を司る。慢性化
した傷害におけるTGF−β異常産生により、組織の修
復、再生のバランスが崩れ病的な線維化が生ずることが
ある。TGF−β産生のバランスが崩れた病態として、
肝線維症が知られている。肝臓において、TGF−βは
線維化の原因となる細胞外マトリックス蛋白質の産生を
亢進させ、細胞外マトリックス蛋白質分解酵素の合成を
阻害および分解酵素の阻害物質を誘導することにより、
肝線維症の主要な原因因子として働く。
ーのシグナル伝達系の1メンバーとして、マイトジエン
−活性化プロテイン・キナーゼ・キナーゼ・キナーゼ
(Mitogen−Activated protei
n Kinase Kinase Kinase;MA
PKKK)系が知られている。
作用に転換する保存された真核性シグナル伝達系であ
り、この系は3種類のプロテインキナーゼ、すなわち前
記のMAPKKK,MAPKK及びMAPKを含んでお
り、MAPKはMAPKKによるリン酸化により活性化
され、MAKKはMAPKKKにより活性化される(E.
Nishidaら、Trends Biochem. Sci. Vol.18, p.128 (199
3) ; K. J. Blu mer ら、前掲Vol.19, p.236 (1994) ;
R.J.David、前掲Vol.19, p.470 (1994) ; C.J.Marchal
l, Cell, Vol.80, p.179 (1995))。
のシグナル伝達系において機能するMAPKKKファミ
リーの1メンバーであるTAK1はK.Yamaguchi らによ
り同定された (K.Yamaguchi ら、Science, Vol.270, p.
2008 (1995))。TGF−βは、細胞質側にセリン−及び
スレオニン−特異的キナーゼドメインを含有する膜貫通
蛋白質である1型及び2型TGF−β受容体のヘテロマ
ーコンプレックスを介してシグナルを伝達する(J.L.Wr
ana ら、Nature, Vol.370, p.341 (1994) ; D.M.Kingsl
eyら、Genes Dev., Vol.8, p.133 (1994))。しかしなが
らTGF−β受容体から下流のシグナル伝達機構は分子
レベルにおいてほとんど知られていない。
GF−β受容体のシグナル伝達系の新しく見出された1
メンバーであるTAB1蛋白質及びそれをコードする遺
伝子を提供しようとするものである。さらに、本発明は
TGF−βシグナル伝達系阻害物質のスクリーニング方
法を提供する。なお、TAB1は、TAK1に結合する
蛋白質(TAK1Binding Protein)を
意味する。
解決するため、本発明は、配列番号:1に示すアミノ酸
配列を有するTAB1蛋白質;配列番号:1に示すアミ
ノ酸配列に対して、1又は複数のアミノ酸の置換、欠失
及び/又は付加によって修飾されているアミノ酸配列を
有し、且つTAB1蛋白質の生物学的性質を有する蛋白
質;配列番号1に示すアミノ酸配列において52番目の
アミノ酸がアルギニンである蛋白質;配列番号:1に示
すヌクレオチド配列を有するDNAに対して60℃、
0.1×SSC,0.1%ドデシル硫酸ナトリウムのハ
イブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすること
ができるDNAによりコードされており、且つTAB1
蛋白質の生物学的活性を有する蛋白質;配列番号:1に
示すアミノ酸配列において、アミノ酸位置21位〜57
9位のアミノ酸から成るアミノ酸配列を有する蛋白質;
並びに配列番号:1に示すアミノ酸配列において、アミ
ノ酸位置437位〜504位の68個のアミノ酸から成
るアミノ酸配列を有するポリペプチドを提供する。
チドの製造方法において、該蛋白質又はポリペプチドを
コードするDNAを含んで成る発現ベクターにより形質
転換された宿主を培養し、該培養物から該蛋白質又はポ
リペプチドを採取することを特徴とする方法を提供す
る。本発明はまた、上記の蛋白質又はポリペプチドを哺
乳類細胞において生成せしめる方法において、該蛋白質
又はポリペプチドをコードするDNAを哺乳動物細胞に
導入することを特徴とする方法を提供する。
チドをコードするDNA、該DNAを含んで成る発現ベ
クター、及び該発現ベクターにより形質転換された宿主
を提供する。本発明はさらに、TGF−βシグナル伝達
系阻害物質のスクリーニング方法を提供する。
転換増殖因子−β(TGF−β)のシグナル伝達経路に
おいてTAK1に結合してTAK1を活性化する性質を
有する。この性質及びその他の諸性質については実施例
2〜4及び6〜10に詳細に記載されている。本発明の
TAB1蛋白質は、実施例1及び5に記載する方法によ
りクローニングされたcDNAのヌクレオチド配列から
推定されるアミノ酸配列(配列番号:1)を有する。
質において、1又は複数のアミノ酸の置換、欠失及び/
又は付加により修飾されたアミノ酸配列を有するもので
も、生来の蛋白質が有する生物学的性質を保持すること
がよく知られている。従って、本発明は、配列番号:1
に示すアミノ酸配列に対して1又は複数のアミノ酸の置
換、欠失及び/又は付加により修飾されたアミノ酸配列
を有し、且つTAB1の生物学的性質を有するものを含
む。その一態様として、配列番号1に示されるアミノ酸
配列において52番目のアミノ酸がアルギニンである蛋
白質が挙げられる。
NAがクローニングされれば、そのDNAをプローブと
して、例えばその蛋白質が得られた種の器官又は組織と
は異る器官又は組織からのDNAライブラリーあるいは
他の種からのDNAライブラリーをスクリーニングする
ことにより、同様の生物学的性質を有するがアミノ酸配
列を異にする蛋白質をコードするDNAが得られること
も知られている。従って、本発明は、配列番号:1に示
すヌクレオチド配列を有するDNAに対して、例えば6
0℃、0.1×SSC,0.1%ドデシル硫酸ナトリウ
ムのハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズす
ることができるDNAによりコードされており、且つT
AB1蛋白質の生物学的性質を有する蛋白質をも包含す
る。
ば、配列番号:1のアミノ酸配列において、アミノ酸位
置21位〜579位のアミノ酸から成るアミノ酸配列を
有する蛋白質が挙げられる。この蛋白質はTAB1蛋白
質の生物学的性質を有している。また、本発明の修飾さ
れたポリペプチドとして、配列番号:1に示すアミノ酸
配列において、アミノ酸位置437位〜504位の68
個のアミノ酸から成るアミノ酸配列を有するポリペプチ
ドが挙げられる。このポリペプチドはTAK1に結合す
ることによって、TAK1のキナーゼ活性を活性化する
性質を有する。さらに、本発明の修飾された蛋白質とし
て、上記蛋白質又はポリペプチドが他の蛋白質と融合し
ており、かつTAB1の生物学的活性を有する蛋白質が
挙げられる。
ば、TGF−βのシグナル伝達系に重要なTAK1を活
性化することによってTGF−βの生理機能をそれ自身
で模倣できるほか、TAK1と結合することを利用して
TAK1とTAB1の結合を阻害し、細胞増殖抑制、免
疫抑制、骨分化などの作用に対するアゴニストあるいは
アンタゴニストとして働く物質のスクリーニング方法の
ために有用である。
えば、配列番号:1に示すアミノ酸配列をコードするD
NAである。このようなDNAは例えば、実施例1及び
5に記載する方法により得ることができ、配列番号:1
のヌクレオチド配列を有する。しかしながら、配列番
号:1に示すアミノ酸配列をコードするDNAは、必ず
しも配列番号:1に示すヌクレオチド配列を有する必要
はなく、同一のアミノ酸をコードする別のコドンから構
成されていてもよい。例えば、配列番号:1に示すヒト
由来のヌクレオチド配列を、細菌や酵母等の微生物にお
いて効率よく翻訳されるコドンを含むものに変えること
ができ、これは、例えばプライマーを用いる部位特定変
異誘発等の周知技術を用いて行うことができる。
列に対して、1又は複数のアミノ酸配列が置換、欠失及
び/又は付加されているアミノ酸配列を有する蛋白質又
はポリペプチドをコードするDNAは、例えば、配列番
号:1に示すヌクレオチド配列を有するDNAを鋳型と
し、部位特定変異誘発法、PCR法等、それ自体周知の
方法を用いて作製することができる。さらにまた、修飾
されたアミノ酸配列を有する蛋白質の内、生来の蛋白質
に比較して短縮された蛋白質又はポリペプチドをコード
するDNAは、例えば、生来のDNA、例えばcDNA
に翻訳開始コドン及び/又は翻訳終止コドンを導入する
ことによって得ることもできる。これらのコドンの導入
は、例えば部位特定変異誘発、PCR法等により行うこ
とができる。あるいは、生来のDNA、例えばcDNA
を適当な制限酵素により切断し、そして所望によりオリ
ゴヌクレオチドを付加することによっても得られる。
配列を有するDNAとハイブリダイズすることができ、
且つTAB1の生物学的性質を有する蛋白質をコードす
るDNAは、例えば、実施例6に示す種々の組織又は器
官、例えば心臓、脳、胎盤、肝臓、骨格筋、腎臓、すい
臓、脾臓、胸腺、前立腺、精巣、卵巣、小腸、結腸、末
梢血白血球等から調製したゲノミックDNAライブラリ
ー又はcDNAライブラリーを、本発明の、例えば配列
番号:1に示すヌクレオチド配列又はその部分をプロー
ブとして用いて、スクリーニングすることにより行われ
る。上記のDNAライブラリーは、ヒトに由来するもの
のみならず、他の動物、例えば、ラット、マウス、ウサ
ギ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ブタ等に由来するものであっ
てもよい。
発現ベクター及びそれにより形質転換された宿主に関す
る。発現ベクターは宿主により異る。本発明の宿主とし
ては、原核生物及び真核生物のいずれも使用することが
できる。原核生物としては、細菌、例えばエシェリシア
(Escherichia)属の微生物、例えば大腸菌
(Escherichia coli)、バシルス(B
acillus)属微生物、例えばバシルス・ズブチリ
ス(B.subtilis)、等が使用され、真核生物
としては、下等真核生物、例えば糸状菌又は酵母が挙げ
られる。
ergillus)属微生物、例えばアスペルギルス・
ニガー(Aspergillus niger)、アス
ペルギルス・オリゼ(Aspergillus ori
zae)等、ペニシリウム(Penicillium)
属微生物、等が挙げられ、酵母としては、例えばサッカ
ロミセス(Saccharomyces)属微生物、例
えばサッカロミセス・セレビシエー(Saccharo
myces cerevisiae)等が挙げられる。
例えば不滅化された動物培養細胞例、例えばCOS細
胞、CHO細胞、NIH3T3等が使用できる。また、
昆虫細胞、例えばSf9,Sf12等も使用できる。本
発明の発現ベクターは、本願発明の蛋白質又はポリペプ
チドをコードするDNAのほかに、上記の宿主において
機能し得る発現制御配列、例えばプロモーターを含有す
る。
は、T3,T7等が使用でき、酵母のプロモーターとし
ては、例えば解糖系酵素の遺伝子のプロモーター、例え
ばGAL1プロモーター、GAL4プロモーター等が挙
げられる。動物細胞用のプロモーターとしてはウイルス
性プロモーター、例えばCMVプロモーター、SV40
プロモーター等が挙げられる。発現ベクターによる宿主
の形質転換、宿主の培養、培養物からの本発明の蛋白質
又はポリペプチドの採取・精製は、常法に従って行うこ
とができる。例えば、培養物から蛋白質又はポリペプチ
ドの単離・精製は、蛋白質又はポリペプチドを単離・精
製するための常用手段、例えば硫酸アンモニウム沈澱
法、ゲル濾過法、逆相HPLC等を単独で、又は組合わ
せて用いることができる。
系阻害物質のスクリーニング方法に関する。TAB1の
生物学的活性を有する蛋白質とTAK1(K.Yamaguchi
ら、Sceince,vol.270,p2008(1995))を発現する細胞にT
GF−βシグナル伝達系阻害物質を含む試料を接触させ
るか又は導入し、次いでTAK1の活性を測定する。T
AB1の生物学的活性を有する蛋白質又はポリペプチド
およびTAK1は他の蛋白質との融合蛋白質でもよく、
これらを発現する細胞は酵母あるいは哺乳類細胞であ
る。このようなスクリーニング系は、実施例1,2,
3,4,7,8および9に記載する方法により構築する
ことができる。
グナル伝達系阻害物質を含む試料を接触させるか又は導
入し、TAK1のキナーゼ活性を測定する。TAK1の
キナーゼ活性の測定方法は、TAK1自身のキナーゼ活
性を測定してもよいし、シグナル伝達系のTAK1の下
流に存在しTAK1により活性化されるMAPKKやM
APKのキナーゼ活性を測定してもよい。また、MAP
K経路の標的遺伝子や標的遺伝子プロモーターの制御下
にあるレポーター遺伝子の活性、mRNA量又は遺伝子
の表現型により測定することができる。本発明のTGF
−βシグナル伝達系阻害物質のスクリーニング方法によ
れば、TGF−βの異常産生が関与する疾患の治療剤と
なり得る、TAB1とTAK1の結合を阻害する物質を
スクリーニングすることができる。
説明する。実施例1. TGF−βシグナル伝達において機能するT
AK1−依存性経路を解析するため、酵母2−ハイブリ
ッド系(S.Freldsら、Trend Genet. 10,286 (1994)) を
用いて、TAK1と直接相互作用する蛋白質を探索し
た。
−結合ドメインをコードする遺伝子とを連結せしめるこ
とにより発現ベクターを作製した。pLexA−TAK
1ΔNは、pBTM116(A.B.Vojtekら、Cell, Vol.
74, p.205 (1993)) にフレームを合わせて挿入したTA
K1ΔNコード配列(K.Yamaguchi ら、Science, Vol.2
70, p.2008 (1995))を含有する。ヒト脳cDNAライブ
ラリー中にコードされており、TAK1ΔNと相互作用
する蛋白質を同定するために酵母2−ハイブリッド系を
使用した。
蛋白質のための結合部位が配置されている一体化された
レポーター構成物を含有するサッカロミセス・セレビシ
エー(Saccharomyces cerevisi
ae)L40株(LYS2::LexA−HIS3)に
おいて2つのハイブリッドを発現させた。2つのハイブ
リッド蛋白質が相互作用すれば、前記レポーター構成物
のトランスアクチベーションが起こり、そして酵母はヒ
スチジンの非存在下(SC−His)で増殖することが
できる。
外部からのヒスチジンを必要としないで増殖を可能にす
るのに十分な量のHIS3の発現をもたらす。しかしな
がら、HIS3遺伝子の産物であるイミダゾール・グリ
セロール・デヒドロケナーゼの化学阻害剤である40mM
3−アミノトリオゾール(3−AT)の存在下で細胞
を増殖せしめることによりヒスチジン栄養要求性を達成
することができる(G.M.Kishore ら、Annu. Rev. Bioch
em. Vol.57, p.627 (1988)) 。
L4活性化ドメイン(GAD)をコードする遺伝子と連
結させたヒト脳cDNA発現ライブラリークローンを含
有する捕獲プラスミドと共に酵母を形質転換した。約1
×106 個の形質転換体から、蛋白質をコードする陽性
クローンTAB1cDNAを得た。以後において、この
DNA単離物により発現されるGAD融合蛋白質をGA
D−TAB1と称する。
AK1中の位置を決定するため、一連のLexA−TA
K1欠失キメラ体を2−ハイブリッド測定により試験し
た。LexADNA−結合ドメインに融合した全長TA
K1又はその欠失構成物をコードする発現ベクターを、
pGAD−TAB1と共に、酵母レポーター株L40に
同時形質転換した。なお、TAK1の各欠失構成物をコ
ードするDNAは全長TAK1をコードするDNAから
作製した。
は、TAB1cDNAをpBS(W.O.Bullock ら、Biot
echniques Vol.5,p.376(1987))のEcoRI部位にサブク
ローニングすることにより得たものである。このプラス
ミドにより発現される融合蛋白質間の相互作用が、40
mM 3−ATを含有するSC−His培地のプレート上
で増殖する酵母株の能力により示される。この結果を図
1に示す。この図中右側に、TAK1又はその欠失体
と、TAB1とが相互作用した(+)か、又はしなかっ
た(−)かを示す。この結果から、TAB1はTAK1
のN−末端側ドメインと相互作用することが示された。
は上流の制御部及び下流の標的の両方を含む可能性があ
る。TAB1がTAK1の活性化に役割を演ずるのであ
れば、それらの同時発現が酵母におけるTAK1の活性
に影響を与えると予想される。本発明者らは、酵母フェ
ロモン−誘導MAPK経路において哺乳類MAPKKK
活性を測定するための系を開発している(K.Yamaguchi
ら、Science, Vol.270, p.2008 (1995) ; K.Irieら、 S
cience, Vol.265 , p.1716 (1994))。TAK1の活性化
された形態(TAK1ΔN)はSte11 MAPKK
K活性を代替することができる。
路はSte11,Ste7、及びFus3又はKss1
キナーゼから成り、これらはそれぞれMAPKKK,M
APKK及びMAPKに対応する。これらの酵母プロテ
インキナーゼは次々に作用してシグナルを転写因子St
e12に伝達し、このSte12はFUS1のごとき接
合特異的(mating specific)遺伝子の
転写を活性化する(I.Herskowitz, Cell, Vol.80, p.18
7 (1995) ; D.E.Levinら、Curr. Opin. Cell Biol., Vo
l.7, p.197 (1995) ; J.Schultz ら、Jr. Curr. Opin.
Gene Dev., No.5, p.31 (1995)) 。
は、HIS3オープンリーディングフレームに連結され
たFUS1上流活性化配列を含んで成り、そしてhis
3ΔFUS1p::HIS3株におけるシグナル活性
を、SC−His培地上で増殖する細胞の能力(His
表現型)によりモニターすることを可能にする。his
3Δste11ΔFUS1p::HIS3STE7P368
(セリン−368におけるプロリン置換)株はHis-
表現型を有する(K.Irieら、Science, Vol.265, p.1716
(1994))。
s+ 表現型をもたらす(K.Yamaguchi ら、Science, Vo
l.270, p.2008 (1995))。従って、TAK1の活性化型
はSte7P368−依存的にSte11活性を代替するこ
とができる。しかしながら全長TAK1の発現はste
11Δ変異を回復せず、酵母はTAK1のための仮定の
活性化因子を有しないことが示唆される(K.Yamaguchi
ら、Science, Vol.270,p.2008 (1995))。
B1構成物を、TAK1の存在下でste11Δ変異を
補完するそれらの能力について試験した。すなわち、酵
母SY1984−P株(his3Δste11ΔFUS
1p::HIS3STE7P368)を、pNV11−HU
11(TAK1ΔN)+pGAD10(GAD)(Cl
ontech);pNV11−HU11F(TAK1)
+pGAD10;pNV11−HU11F+pGAD−
TAB1;又はpNV11+pGAD−TAB1により
形質転換し、そして形質転換体をSC−Hisプレート
上にまき、そして30℃にてインキュベートした。
984株(his3Δste11ΔFUS1p;;HI
S3)を、CYC1プロモーターの制御のもとにSTE
7P368を含有するプラスミドpNC318−p368に
より形質転換したものである(K.Irieら、Science, Vo
l.265, p.1716 (1994))。また、上記プラスミドpNV
11−HU11及びpNV11−HU11Fはそれぞ
れ、TDH3プロモーターの制御のもとに短縮されたT
AK1ΔN(アミノ酸21−579)及び全長のTAK
1を発現する(K.Yamaguchi ら、Science, Vol.270, p.
2008 (1995))。
た酵母株がTAK1ΔN又はTAK1を発現したか否
か、及びGAD−TAB1が同時発現されたか否かを示
す。右側のパネルはSC−Hisプレート上での細胞の
増殖を示す。各パッチは独立した形質転換体についての
結果を示す。GAD−TAB1とTAK1の同時形質転
換はSte11欠損を回復した。この結果は、TAB1
がTAK1の機能を増強することを示している。
てTAK1活性が増加するか否かを決定するため、ヘマ
グルチニン(HA)−由来C−末端エピトープを担持す
るTAK1及び触媒的に不活性なTAK1変異体〔AT
P−結合部位の63位のリジンがトリプトファンにより
置換されたTAK1−K63W(K.Yamaguchi ら、Scie
nce, Vol.270, p.2008 (1995) 〕の発現DNAベクター
を、TAB1遺伝子の非存在下又は存在下に酵母細胞に
形質転換した。
5により認識されるエピトープをコードするDNA配列
をTAK1コード配列及びTAK1−K63WのC−末
端にフレームを合わせて、ポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)により連結した。すべての構成物はTDHプロモー
ターから発現される。TAB1発現プラスミドpGAP
−HTH9MはTAB1のC−末端の68アミノ酸を発
現する。YEpGAP112はTDH3プロモーターを
含有する多コピーTRP1プラスミドである〔H.Banno
ら、Mol. Cell Biol. 13, 475 (1993)〕。
ド配列を、ECORI部位及びATCコドンを含有する
5′−プライマー5′−GAGAATTCATGCGG
CAAAGC−3′(配列番号:2)、並びにSalI
部位を含有する3′−プライマー−5′−GGGTCG
ACTACGGTGC−3′(配列番号:3)を用いる
PCRにより増幅した。PCRにより生じた240bpの
ECORI−SalI断片をYEpGAP112のECOR
I−SalIギャップに挿入することによりpGAD−
HTH9Mを生じさせた。
1984株を前記のTAK1−HAをコードするプラス
ミド又はTAK1−K63Wをコードするプラスミドに
より形質転換し、さらにこの形質転換体に空ベクターY
EpGAP112(−)、又はTAB1をコードするp
GAP−HTH9M(+)を導入した。TAK1−HA
(−)又はTAK1−K63W−HA(KN)を各細胞
抽出物から免疫沈降せしめ、そして免疫沈降物をインビ
トロキナーゼ測定にかけた。具体的には、60mlの酵母
細胞培養物を600nmでの光学密度0.8まで増殖せし
め、細胞溶解緩衝液(K.Irieら、Science, Vol.265, p.
1716 (1994))により細胞抽出液を調製し、そして10
0,000gにて30分間遠心分離した。
かけた。すなわち、上清の1部分(300μl)を2μ
lの抗体及び90μlのプロテインA−セファロースと
混合し、そして免疫複合体を細胞溶解緩衝液で3回洗浄
し、そしてキナーゼ測定(K.Yamaguchi ら、Science, V
ol.270, p.2008 (1995))に用した。HAに対するモノク
ローナル抗体12CA5による各免疫沈降物のイムノブ
ロットの結果は、各サンプルにおいて、およそ同じ量の
TAK1−HA又はTAK1−K63W−HAが回収さ
れることを示した。これにより、TAB1の発現がTA
K1の発現量に影響しないことが示された。
(SEK1)を活性化する能力により測定し、該組換え
XMEK2(SEK1)の活性は触媒的に不活性な(K
N)p38(MPK2)をリン酸化するその能力により
測定した(K.Yamaguchi ら、Science, No.270, p.2008
(1995)) 。電気泳動の後、KH−p38(MPK2)の
リン酸化をオートラジオグラフィーにより検出した。酵
素抽出物なしでは、キナーゼ測定値を示す抽出物はなか
った。このレベルはXMEK2のベース活性に相当す
る。実験は少なくとも3回行い、同様の結果を得た。
AK1−K36W−TAK1のキナーゼ測定の結果は、
TAB1がTAK1のキナーゼ活性を増加させたことを
示した。この活性増加は、TAK1−K63WKN及び
TAB1を発現する細胞からの免疫複合体においては観
察されず、観察されたキナーゼ活性はTAK1に由来す
ることが示された。これらの結果が示すところによれ
ば、TAB1はTAK1の触媒ドメインに直接結合する
ことによりTAK1のキナーゼ活性を活性化する。
るため、ヒト腎細胞ライブラリーを、前記の酵母2−ハ
イブリッド系から得られたTAB1のcDNAの部分配
列をプローブとして用いてスクリーニングした。2個の
独立のクローンが、Kozak のコンセスサスに一致する開
始メチオニンコドンから始まる1個のオープンリーディ
ングフレーム(ORF)を含有する3.1kbのcDNA
をもたらした。5′−RACE−Ready cDNA
(Clonfech)を用いる5′RACE法により
5′−末端を決定した。
レオチド配列(CCAAATGG)はKozak コンセンサ
ス(M.Kozak, J. Cell Biol. Vol.108, p.229 (1989))
に対応し、そしてその前にATGコドンは存在しない。
TAB1のヌクレオチド配列をジデオキシヌクレオチド
・チェイン・ターミネーション法により決定した。全長
TAB1cDNAのヌクレオチド配列からアミノ酸配列
を推定した。その結果、185番目の塩基がシトシンで
あるクローンとアデニンであるクローンの二種が得られ
た。185番目がシトシンのクローンにおいては52番
目のアミノ酸がセリンを、185番目がアデニンのクロ
ーンにおいては52番目のアミノ酸がアルギニンをコー
ドしていた。
るクローンのヌクレオチド配列を配列番号1に示し、そ
してアミノ酸配列を図4および配列番号1に示す。ま
た、185番目のヌクレオチドがアデニンであるクロー
ンのヌクレオチド配列を配列番号4に示し、そしてアミ
ノ酸配列を配列番号4に示す。なお、185番目のヌク
レオチドがシトシンのクローンのcDNAは、pBSの
EcoRIおよびSmaI部位にサブクローニングされ
プラスミドTABI−f−4として作製され、185番
目のヌクレオチドがアデニンのクローンのcDNAは、
pBSのEcoRI部位にサブクローニングされプラス
ミドpBS−TAB1として作製された。
腸菌は、Escherichiacoli HB101
(pBS−TAB1)と命名され、工業技術院生命工学
工業技術研究所にFERM BP−5508として19
96年4月19日に寄託された。また、プラスミドTA
BI−f−4を含有する大腸菌は、Escherich
ia coli DH5α(TABI−f−4)と命名
され、工業技術院生命工学工業技術研究所にFERM
BP−5599として1996年7月19日に寄託され
た。以下に示す実験については、配列番号:1に示すヌ
クレオチド配列を有するクローンを用いて行った。
を、bはAspを、EはGluを、FはPheを、Gは
Glyを、HはHisを、IはIleを、KはLys
を、LはLeuを、MはMetを、NはAsnを、Pは
Proを、QはGlnを、RはArgを、SはSer
を、TはThrを、VはValを、WはTrpを、そし
てYはTyrをそれぞれ示す。酵母2−ハイブリッド系
を用いて単離されたGAD−TAB1中のC−末端の6
8アミノ酸を箱で囲んである。
このセグメントへの類似下を示す領域を示すための配置
で示される。TAK1のアミノ酸に対して同じアミノ酸
及び保存されているアミノ酸、それぞれ星印及び点で示
す。このORFから、いかなる既知蛋白質とも明瞭な類
似性を有さず、そして生化学的機能を示すなんらのモチ
ーフも含有しない55kDa の分子サイズを有する504
アミノ酸の蛋白質が予想された。
1 mRNAの発現のパターンをノーザンブロット分析
により分析した。16の組織から調製したmRNAによ
るヒト組織ブロット(Clontech)を32P−標識
化TAB1cDNAによりプローブし、そしてオートラ
ジオグラフィーにかけた。この結果を図5に示す。各レ
ーンは2μgのmRNAを含有した。プローブはMultip
rime labeling Kit (Amersham)を用いて〔α−32P〕−
dCTPで標識し、そしてH.Shibuya ら、Nature, Vol.
357, p.700 (1992) に記載されているようにしてハイブ
リダイズさせた。試験したすべての組織から、約3.5
kbの主たる転写物が検出された。
哺乳類細胞中で起こることを確認するため、HAエピト
ープで標識されたTAK1(HA−TAK1)(K.Yama
guchi ら、Science, Vol.270, p.2008 (1995))を生産す
る発現ベクター及びMycエピトープで標識されたTA
B1(Myc−TAB1)を生産する発現プラスミドに
より、MC3T3−E1ネズミ骨芽細胞(S.Ohtaら、FE
BS Lett., Vol.314, p.356 (1992))を一過性(tran
sient)にトランスフェクトした。後者のプラスミ
ドは次のようにして得た。
モノクローナル抗体9E10により認識されるMycエ
ピトープ(LEQKLISEEDLN)(アミノ酸配列
の1文字表示)の6コピーを含有するpCS2MTベク
ター(D.L.Tumer ら、GenesDev., Vol.8, p.1434 (199
4)) にサブクローニングした。得られるプラスミドpC
S2MT・TAB1においては、Mycエピトープ標識
はTAB1のN−末端に対応するDNA配列にフレーム
を合わせて連結されている。pCSA2MT−TAB1
をBamHI及びXbaIにより消化した。断片を単離
し、そして哺乳類発現ベクターpEFのECORI−Xb
aI部位に挿入した。このプラスミドは、ヒト伸長因子
1α(EF1α)プロモーターからTAB1を発現させ
る。
抗体12CA5(図6のレーン2)、Mycに対するモ
ノクローナル抗体9E10(図6のレーン3)、又は対
照非免疫IgG(図6のレーン4)との免疫沈降にかけ
た。免疫複合体を洗浄し、SDS−PAGEにより分離
し、ニトロセルロースに移行せしめ、そしてMycに対
する抗体(図6の上レーン)又はHAに対する抗体(図
6の下レーン)を用いてイムノブロットした。
直接かけた(図6のレーン1)。図6に示すごとく、各
免疫沈降においてかなりの量のMyc−TAB1が検出
され、TAK1がTAB1と共免疫沈降し得ることが示
された。免疫沈降した蛋白質をHAに対する抗体により
ブロットする相互実験により、TAB1とTAK1との
会合が確認された。これらの実験は、TAB1が、酵母
におけると同様に哺乳類細胞中でもTAK1と会合し得
ることを示すものである。
胞中でTAK1のキナーゼ活性を活性化し得るか否か検
討した。MC3T3−E1細胞をMyc−TAB1の存
在下(+)又は非存在下(−)でHA−TAK1により
一過性にトランスフェクトした。細胞を20ng/mlのT
GF−β1により10分間処理し(+)又は処理せず
(−)、次に実施例3に記載したようにしてHA−TA
K1を免疫沈降せしめ、そしてキナーゼ活性について測
定した。すなわち、免疫沈降の一部分をHAに対する抗
体によりイムノブロットした。結果を図7に示す。
−TAK1の量に対する増加倍数として示し、3回以上
の実験からの平均±SEMとして表わした(図7上段の
グラフ)。HA−TAK1はKH−p38(MPK2)
を直接リン酸化しなかった(K.Yamaguchi ら、Science,
Vol.270, p.2008 (1995))。中段パネルは、KN−p3
8(MPK2)のリン酸化を表すオートラジオグラフで
ある。下段パネルは、HAに対するモノクローナル抗体
12CA5による各免疫沈降のイムノブロット分析を示
し、各サンプルにおいて、およそ同じ量のTAK1−H
Aが回収されたことを示している。中段及び下段のパネ
ルに示すデーターは典型的な実験からのものである。
測定が示すところによれば、TGF−βの非存在下でさ
えTAB1によりトランスフェクトされた細胞において
TAK1活性が刺激された。TAB1の過剰発現による
TAK1の活性化は、HA−TAK1のみを発現するT
GF−βで刺激された細胞において観察される活性化に
匹敵した。
ン活性化因子インヒビター−1(PAI−1)をコード
するmRNAの量を急速に増加せしめる(M.R.Keeton
ら、J. Biol. Chem., Vol.266, p.23048 (1991))。TA
K1の活性化形(TAK1ΔN)の過剰発現により、T
GF−β−誘導性pAI−1遺伝子プロモーターの制御
下にあるルシフェラーゼ遺伝子を含有するレポーター遺
伝子は構成的に活性化される(K.Yamaguchi ら、Scienc
e, Vol.270, p.2008 (1995))。TAB1の過剰発現がル
シフェラーゼレポーター遺伝子の活性化をもたらすか否
かを試験した。
p800neoLUC (M.Abe ら、Analyt. Biochem., Vol.21
6, p.276 (1994))と、TAB1発現プラスミドpEF−
TAB1又はTAK1をコードする発現プラスミド(K.
Yamaguchi ら、Science, Vol.270, p.2008 (1995))とを
用いて、リン酸カルシウム法(H.Shibuya ら、Nature,
Vol.357, p.700 (1992))により一過性トランスフェクト
した。なお、プラスミドpEF−TAB1は、EF1α
プロモーターの制御のもとに全長TAB1コード配列を
含有しており、pEFをECORIにより開裂せしめそし
てプラスミドTABI−f−4からのECORI断片を挿
入することにより作製したものである。
のECORIおよびSmaI部位にTAB1cDNAをサ
ブクローニングすることにより作製したものである。細
胞を30ng/mlのヒトTGF−β1と共に又はこれを伴
わないで20時間インキュベートし、抽出物を調製し、
そしてルシフェラーゼの測定を行った(H.Shibuya ら、
Mol. Cell Biol., Vol.14, p.5812 (1994)) 。ルシフェ
ラーゼ活性はβ−ガラクトシダーゼの発現に基いて補正
した。
正するため、pXeX−β−Galベクター(A.D.John
son ら、Gene, Vol.147, p.223 (1994))をすべてのルシ
フェラーゼレポーター実験において同時トランスフェク
トした。β−ガラクトシダーゼの測定は、ルシフェラー
ゼ測定のために調製された細胞溶解物を用いて、製造者
(Clontech)の指示書に従って行った。ルシフ
ェラーゼ活性は、ベクターによりトランスフェクトされ
た非刺激細胞の活性に対する増加倍数として示した。す
べてのトランスフェクション及びルシフェラーゼ測定は
少なくとも5回行い、各実験は3連とした。
不活性なTAK1−K63Wを示す。データーは、代表
的な実験における3連の実験からのルシフェラーゼ活性
の平均±SEMを示す。TAK1と共にTAB1の過剰
発現はTGF−βの非存在下でもレポーター遺伝子の発
現を誘導したが、TAK1又はTAB1のみの過剰発現
はルシフェラーゼ活性の構成的量にほとんど影響を与え
なかった。これらの研究は、TAB1が哺乳類細胞にお
いてTAK1の活性を増強することを示している。
TGF−βに刺激されたルシフェラーゼ活性を阻害した
が(K.Yamaguchi ら、Science, Vol.270, p.2008 (199
5))、これはおそらく経路中の必須要素を妨害する(s
equestering)ためであろう。他方、TAB
1の過剰発現はTAK1−K63Wの阻害効果を低減さ
せ、TAB1がTAK1−K63Wの過剰発現により吸
収される可能性を示唆する。
のアミノ酸〔TAB1(437−504)〕はTAK1
に結合しそしてそれを活性化するために十分であり、T
AB1のN−末端ドメインがTAB1の機能における制
御的役割を演ずることが示唆された。この可能性を試験
するため、C−末端TAK1結合ドメインを欠くTAB
1の短縮形〔TAB1(1−418)〕を作製した。M
vlLu細胞を、p800nedUC レポーターと、TAB
1(1−418)又はTAB1(全長)をコードする発
現ベクターの図9に示す量とにより一過性にトランスフ
ェクトし、そしてそれらをpEFコントロールベクター
により補完した。
る発現ベクターは次のようにして作製した。プラスミド
TABI−f−4の1.3kbのECORI−HincII断
片(TAB1のアミノ酸1−418のN−末端領域を含
有する)をpKT10ベクターにサブクローニングして
pKT10−TAB1(1−418)を作製した。pE
FをECORI及びSalIにより開裂せしめ、そしてp
KS10−TAB1(1−418)からのECORI−S
alI断片を挿入することによりpEF−TAB1(1
−418)を作製した。
共に又はこれを伴わないで20時間インキュベートし、
そして細胞溶解物をルシフェラーゼ活性について測定し
た。数値は、pEFによりトランスフェクトされた対照
細胞に対する誘導の倍数の%として示した。TGF−β
によるルシフェラーゼの非誘導(誘導倍数1)は0%に
相当する。すべてのトランスフェクション及びルシフェ
ラーゼの測定は少なくとも3回行い、各実験を3連とし
た。データーは、代表的な実験における3連の実験から
のルシフェラーゼ活性の平均±SEMで示す。
AB1(1−418)の過剰発現は、TGF−β刺激に
より誘導されるレポーター遺伝子の活性を抑制した。従
ってTAB1(1−418)はTGF−βにより誘導さ
れる遺伝子発現のドミナント−ネガティブインヒビター
として作用する。これらの結果は、TAB1がTGF−
βのシグナル伝達に関与することを示している。
カニズムとしては、TAK1に結合するTAB1が活性
化に必要なコンホーメーション変化を誘導することが考
えられる。TAK1のN−末端における20アミノ酸の
除去はプロテインキナーゼの構成的活性化をもたらすこ
とから、N−末端ドメインが触媒ドメインを束縛してキ
ナーゼ活性を阻害することが示唆される(K.Yamaguchi
ら、Science, Vol.270, p.2008 (1995))。TAB1はT
AK1のこの負の制御ドメインをその触媒ドメインから
解除するのかも知れない。TAK1結合部位として機能
するTAB1のC−末端は、TAK1のN−末端に見出
される領域と同様にセリン及びスレオニンリッチ領域を
含有している。従って、TAB1はTGF−βとTAK
1 MAPKKKとの間の重要なシグナル伝達中間体で
あろう。
る領域を示す図である。斜線部分はTAB1の触媒領域
を示す。
K経路中のSte11欠損株におけるTAK1とTAB
1との共存によるSte11欠損の補完を示す図であ
り、電気泳動の結果を示す図面代用写真である。
ることを示すイン・ビトロ実験の結果を示す図面代用写
真である。
をコードするmRNAが発現されることを示す電気泳動
図であり、図面に代る写真である。
会合が生ずることを示すイムノブロット図であり、図面
代用写真である。
のキナーゼ活性を増強することを示すグラフ(上)と、
TAK1及びKN−MPK2が同程度に生産されたこと
を示すブロット図であり、図面代用写真である。
において、TAK1とTAB1の共存によりレポーター
としてのルシフェラーゼ遺伝子の発現が増強されること
を示すグラフである。
(1−418))がTGF−βにより誘導されるレポー
ターとしてのルシフェラーゼ遺伝子の発現を阻害するこ
とを示すグラフである。
Claims (15)
- 【請求項1】 配列番号:1に示すアミノ酸配列を有す
るTAB1蛋白質。 - 【請求項2】 配列番号:1に示すアミノ酸配列に対し
て、1又は複数のアミノ酸の置換、欠失及び/又は付加
によって修飾されているアミノ酸配列を有し、且つTA
B1蛋白質の生物学的性質を有する蛋白質。 - 【請求項3】 配列番号:1に示すヌクレオチド配列を
有するDNAに対して60℃,0.1×SSC,0.1
%ドデシル硫酸ナトリウムのハイブリダイゼーション条
件下でハイブリダイズすることができるDNAによりコ
ードされており、且つTAB1蛋白質の生物学的性質を
有する蛋白質。 - 【請求項4】 配列番号:1に示すアミノ酸配列におい
て、アミノ酸位置21位〜579位のアミノ酸から成る
アミノ酸配列を有する蛋白質。 - 【請求項5】 配列番号:1に示すアミノ酸配列におい
て、アミノ酸位置437〜504の68個のアミノ酸か
ら成るアミノ酸配列を有するポリペプチド。 - 【請求項6】 配列番号1に示すアミノ酸配列において
52番目のアミノ酸がアルギニンである、請求項2に記
載の蛋白質。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の蛋
白質又はポリペプチドを含んで成る融合蛋白質。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の蛋
白質又はポリペプチドの製造方法において、該蛋白質又
はポリペプチドをコードするDNAを含んで成る発現ベ
クターにより形質転換された宿主を培養し、該培養物か
ら該蛋白質又はポリペプチドを採取することを特徴とす
る方法。 - 【請求項9】 前記宿主が哺乳類細胞又は酵母細胞であ
る、請求項8に記載の方法。 - 【請求項10】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の
蛋白質又はポリペプチドを哺乳類細胞において生成せし
める方法であって、該蛋白質又はポリペプチドをコード
するDNAを哺乳動物細胞に導入することを特徴とする
方法。 - 【請求項11】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の
蛋白質又はポリペプチドをコードするDNA。 - 【請求項12】 請求項11に記載のDNAを含んで成
る発現ベクター。 - 【請求項13】 請求項12に記載の発現ベクターによ
り形質転換された宿主。 - 【請求項14】 前記宿主が哺乳類細胞又は酵母細胞で
ある、請求項13に記載の宿主。 - 【請求項15】 (A)請求項1〜6のいずれか1項に
記載のTAB1蛋白質又はポリペプチドとTAK1蛋白
質を発現する細胞にTGF−βシグナル伝達系阻害物質
を含む試料を接触させるか又は導入し、そして(B)T
AK1蛋白質のキナーゼ活性を測定する、ことを特徴と
するTGF−βシグナル伝達系阻害物質のスクリーニン
グ方法。
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