JPH1048110A - Maldi−tof質量分析装置用サンプラ - Google Patents

Maldi−tof質量分析装置用サンプラ

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JPH1048110A
JPH1048110A JP8219415A JP21941596A JPH1048110A JP H1048110 A JPH1048110 A JP H1048110A JP 8219415 A JP8219415 A JP 8219415A JP 21941596 A JP21941596 A JP 21941596A JP H1048110 A JPH1048110 A JP H1048110A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
matrix
slide
pipette
maldi
Prior art date
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Pending
Application number
JP8219415A
Other languages
English (en)
Inventor
Harumi Kubo
はるみ 久保
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Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数のサンプル及びマトリクスを容易且つ確
実にサンプルスライド上に載置すると共に、マトリクス
とサンプルとが十分に混合され、再現性の良い分析を行
なえるようなMALDI−TOF質量分析装置用のサン
プラを提供する。 【解決手段】 筐体11内にスライドホルダ12を、サ
ンプリング位置と風乾位置との間で移動可能に設け、筐
体11の側部にピペット移動機構15を設ける。筐体1
1内の風乾位置には送風器32を設ける。サンプリング
位置においてスライドホルダ12にサンプルスライド2
0をセットし、ピペット移動機構15でマトリクス及び
サンプルをサンプルスライド20のサンプル皿21に滴
下する。サンプルを滴下する際、スライドホルダ12の
下方から不活性ガスを吹き出させ、サンプルがマトリク
ス滴の周囲に拡散しないようにする。その後スライドホ
ルダ12を風乾位置に移動させ、送風器32で乾燥させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タンパク質、ペプ
チド等の生体関連物質や合成ポリマ、オリゴマの分析等
に多く用いられるMALDI−TOF質量分析装置用の
サンプラ(試料調製装置)に関する。
【0002】
【従来の技術】MALDI−TOF質量分析装置では、
試料溶液を予めシナピン酸などのマトリクス溶液に混合
し、サンプルスライドと呼ばれる金属板の上に塗布す
る。又は、試料溶液とマトリクス溶液をサンプルスライ
ド上で混合する。この後、マトリクス溶液及び試料溶液
を風乾し、これを真空室の中に挿入して、サンプルスラ
イドとその前方に設けたグリッド電極との間に高電圧を
印加しつつマトリクスにレーザを照射する。すると、試
料がマトリクスとともに加熱、イオン化され、マトリク
スから放出されてグリッド電極により加速される。こう
して加速されたイオンの飛行時間を測定することによ
り、イオンの質量/電荷比を算出することができる。
【0003】サンプルスライド上には通常、複数個の凹
部(以下、これをサンプル皿と呼ぶ)が設けられてお
り、分析作業者は各サンプル皿にそれぞれマトリクス及
びサンプルを載せて風乾した後、MALDI−TOF質
量分析装置の内部のサンプル室にセットする。サンプル
スライドをセットした後、MALDI−TOF質量分析
装置の運転を開始すると、サンプル室が真空引きされ、
サンプルスライド上の複数のサンプルが次々と分析され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】サンプル皿は通常2×
2mm程度の小さいものであり、その上に載せるマトリク
ス及びサンプルの量も通常数マイクロリットル程度と極
めて少量である。このような少量のマトリクス及びサン
プルをサンプル皿に載せる作業を、従来は分析作業者が
手動で行なっていた。すなわち、マイクロピペットを用
いて少量のマトリクスを吸引し、所定のサンプル皿にそ
の一部を滴下する。サンプルについても同様に滴下する
が、この際、サンプルがマトリクスの液滴上に正しく滴
下されないと両者が均一に混合されず、分析の再現性が
確保されない。このような微量かつ位置的に正確な滴下
作業を多数のサンプルについて繰り返すのは、非常に神
経を使う大変な作業である。また、1回の真空引きでで
きるだけ多数のサンプルを分析する方が効率が良いこと
から、1枚のサンプルスライドには多数(20個の場合
が多い)のサンプル皿が設けられている。これだけ多数
のサンプル皿が密接して設けられていると、サンプルを
載せる皿を間違えるという事故も生じやすい。
【0005】また、分析の再現性に関してもう一つの問
題が存在する。通常、サンプル皿にはマトリクスを先に
滴下し、その後にサンプルを滴下する。この場合、マト
リクス又は試料が有機溶媒に溶解されていると、滴下時
にサンプル皿若しくはその周辺に広く拡散してしまうこ
とがある。例えば、図3(a)に示すように最初に滴下
したマトリクス40の液滴がその表面張力によりサンプ
ル皿21上で山を形成している場合でも、次に滴下され
るサンプル41はこの山の表面を滑り落ちて、ドーナツ
状に周囲に広がることがある。もちろん、マトリクス4
0はサンプル41と十分混合するように親和性の良いも
のが選ばれるが、サンプル41が有機溶媒に溶解されて
いるときにはその表面張力が小さいため、このような現
象が生じやすい。このような状態になると、サンプル4
1とマトリクス40が十分に混合されない状態で乾燥さ
れ、分析されることになり、再現性が悪化する。
【0006】本発明はこれらの課題を解決するために成
されたものであり、その目的とするところは、多数のサ
ンプル及びマトリクスを容易且つ確実にサンプルスライ
ド上に載置すると共に、マトリクスとサンプルとが十分
に混合され、再現性の良い分析を行なえるようなMAL
DI−TOF質量分析装置用のサンプラを提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明は、複数のサンプル皿が所定位置に設
けられたサンプルスライドの各サンプル皿にマトリクス
及びサンプルを滴下して乾燥させるMALDI−TOF
質量分析装置用のサンプラにおいて、 a)サンプルスライドを移動可能に保持するスライドホル
ダと、 b)それぞれピペット、吸引・吐出機構及び移動機構を備
えたピペット移動手段と、 c)サンプルスライドに対して乾燥用の風を送る風乾手段
と、 d)上記スライドホルダ、ピペット移動手段及び風乾手段
の動作を制御する制御手段と、を備えることを特徴とし
ている。
【0008】また更に、ピペット移動手段によりサンプ
ル皿にマトリクス及び/又はサンプルを滴下する際、マ
トリクス及び/又はサンプルの拡散を防ぐためにサンプ
ルスライドの下方から風を送る拡散防止用送風手段を設
けてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態及び発明の効果】分析作業者は、サ
ンプルスライドをスライドホルダに取り付け、制御手段
の動作を開始させる。制御手段は先ずスライドホルダを
所定のサンプリング位置に移動させる。スライドホルダ
が既にサンプリング位置に在る場合には、この移動動作
は必要ない。次に制御手段はピペット移動手段を用いて
マトリクスをサンプルスライド上の定められたサンプル
皿に滴下し、その後同様にピペット移動手段を用いてサ
ンプルを同じサンプル皿に滴下する。なお、複数のサン
プル皿にマトリクスを滴下した後、次いでそれらにサン
プルを滴下するようにしてもよい。
【0010】こうして必要なサンプル皿の全てにマトリ
クスとサンプルを滴下した後、制御手段はスライドホル
ダを風乾手段の所まで移動させ、風乾手段を動作させ
る。これにより、サンプル皿上に載置されたマトリクス
とサンプルの混合液が乾燥し、サンプルスライドはMA
LDI−TOF質量分析装置にセットできる状態とな
る。これらの作業は制御手段により全て自動的に行なわ
れ、且つ、機械的作業により間違いの無い、正確なサン
プルセットが行なわれる。
【0011】拡散防止用送風手段は、スライドホルダの
上記サンプリング位置の真下に設けておく。ピペット移
動手段により、既にサンプル皿上に滴下されたマトリク
ス液滴上にサンプルを滴下する際、制御手段はこの拡散
防止用送風手段を動作させる。マトリクス液滴上に滴下
されるサンプルは、この拡散防止用送風手段が送る風に
より包まれるため、周辺へ拡がることなく、マトリクス
の液滴の上に保持され、マトリクスとの十分な接触の機
会が与えられる。これにより、サンプルは均等にマトリ
クスと混合するようになり、分析の良好な再現性が保証
される。なお、マトリクスも有機溶媒に溶解したものを
用いることがあるが、この場合、マトリクスを最初に滴
下する際に、マトリクスもサンプル皿上で拡散してしま
うことがある。この場合も同様に、マトリクスを滴下す
る際に拡散防止用送風手段を動作させて包囲風で包囲す
ることが好ましい。これにより、サンプル皿上でのマト
リクスの拡散が防止され、後に滴下するサンプルとの混
合が良好になる。
【0012】
【実施例】本発明の一実施例であるMALDI−TOF
質量分析装置用のサンプラを図1〜図3により説明す
る。本実施例のサンプラ10は、スライドホルダ12が
収納される筐体11、筐体11の上部に設けられたサン
プル瓶ホルダ13及びマトリクス瓶ホルダ14、筐体の
側部に設けられたピペット移動機構15、及び筐体11
の別の側部に設けられた制御部16等で構成される。
【0013】本実施例のサンプラ10では、サンプル瓶
ホルダ13は回転式、マトリクス瓶ホルダ14は固定式
となっているが、これは、サンプル瓶は最大限1個のサ
ンプルスライド20に設けられているサンプル皿21の
数だけ用意する必要があるのに対し、マトリクスは通
常、少数種で済むことを勘案したものである。
【0014】ピペット移動機構15は、筐体11の側部
に、スライドホルダ12の長手方向に平行に(すなわ
ち、サンプルスライド20の長手方向に平行に)設けら
れたレール23、レール上を走行するベース24、ベー
ス24上に垂直に立設されたカラム25、カラム25を
上下に移動可能に設けられたエレベータ26、エレベー
タ26に移動可能に挿通されたクロスバー27、及びク
ロスバー27の先端に設けられたピペット部28から成
る。ピペット部28には、ピペットノズル29を着脱可
能に保持する機構と、装着されたピペットノズル29に
液体を吸引及び吐出するための機構とが備えられてい
る。ピペットノズル29は使い捨てとなっており、サン
プル瓶ホルダ13及びマトリクス瓶ホルダ14の各瓶の
横にはそれぞれのサンプル及びマトリクスに対応するピ
ペットノズル29を置く場所が設けられている。
【0015】スライドホルダ12は筐体11の内部で一
方向(図1及び図2では左右方向)に移動可能となって
いる。その移動範囲の一方の端部における位置をサンプ
リング位置、他方の端部における位置を風乾位置と呼
ぶ。サンプリング位置の上部の筐体11には、サンプル
スライド20を出し入れし、また、マトリクス及びサン
プルを滴下するための開口31が設けられている。一
方、風乾位置の筐体11の内壁には、マトリクス及びサ
ンプルの混合物を送風乾燥するための送風器32が設け
られている。
【0016】サンプリング位置の下方には、サンプル滴
下時の拡散防止用の風(包囲風と呼ぶ)を供給する送風
ノズル33が設けられている。送風ノズル33はスライ
ドホルダ12の長手方向(図2では紙面垂直方向)に移
動可能となっており、可撓性のあるホース及び調圧弁3
4を介して外部に設けられたガスボンベ35に接続され
ている。
【0017】以上挙げた回転式サンプル瓶ホルダ13、
ピペット移動機構15、スライドホルダ12の移動機
構、送風器32、送風ノズル33移動のための機構、調
圧弁34等の動作は全て制御部16により制御される。
分析作業者は、サンプルスライド20をスライドホルダ
12にセットし、制御部16に設けられた操作パネル上
でサンプルスライド20の各サンプル皿21に載置すべ
きサンプル及びマトリクスの種類を指定してスタートボ
タンを押すだけでよく、以後は制御部16が所定のプロ
グラムに従って以下のサンプリング及び風乾動作を自動
的に行なう。なお、制御部16への指令は、パソコンを
利用して行なってもよい。
【0018】制御部16は、まずピペット移動機構15
を用いて第1のマトリクスに対応するピペットノズル2
9をピペット部28の先端に取り付け、第1のマトリク
スをマトリクス瓶から吸い上げる。そして、ピペットノ
ズル29をサンプルスライド20の上に移動し、そのマ
トリクスを用いるサンプル皿21に次々と第1のマトリ
クスを所定量づつ滴下してゆく。それが終了した後、ピ
ペットノズル29を所定のノズルデポジット(図示せ
ず)上で切り離し、第2のマトリクスに対応するピペッ
トノズル29を取り付ける。その後は先と同様に第2の
マトリクスを用いるサンプル皿21に第2のマトリクス
を滴下してゆく。この時、必要であればマトリクス溶液
を滴下するサンプル皿21の真下に送風ノズル33を移
動させると共に、調圧弁34を開けて送風ノズル33か
ら包囲風を吹き出させる。
【0019】こうして指定されたサンプル皿21の全て
にマトリクスを滴下した後、次にサンプルを同じように
サンプル皿21に滴下して行く。このとき制御部16
は、滴下するサンプル皿21の真下に送風ノズル33を
移動させるとともに、調圧弁34を開けて送風ノズル3
3から包囲風を吹き出させる。包囲風は、酸化に敏感な
サンプルの場合には窒素、アルゴン等の不活性ガスを用
いる。そうでないサンプルの場合には、ポンプを用いて
空気を吹き出させてもよい。これにより、図3(b)に
示すようにサンプル41はマトリクス40の周囲に拡散
することなくマトリクス40と十分に接触するようにな
るため、両者は十分な混合の機会が与えられる。
【0020】こうしてマトリクスとサンプルを全ての指
定されたサンプル皿21に載置した後、制御部16はス
ライドホルダ12を風乾位置に移動させ、送風器32を
所定時間だけ動作させる。これにより、マトリクスとサ
ンプルの混合物はサンプル皿21上で乾燥する。乾燥
後、制御部16はスライドホルダ12をサンプリング位
置に戻す。分析作業者はここでサンプルスライド20を
取り出し、MALDI−TOF質量分析装置にセットす
る。
【0021】なお、上記実施例ではピペットノズル29
を交換することにより1台のピペット移動機構15だけ
でサンプルとマトリクスの双方を滴下するようにした
が、サンプルとマトリクスとのそれぞれに移動機構を設
け、独立に稼働させることにより迅速なサンプリングを
行なうようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例であるMALDI−TOF
質量分析装置用サンプラの平面図。
【図2】 実施例のMALDI−TOF質量分析装置用
サンプラの断面図。
【図3】 サンプルスライド上へのマトリクス及びサン
プルの滴下の際の包囲風の作用を示すための説明図。
【符号の説明】
10…MALDI−TOF質量分析装置用サンプラ 11…筐体 12…スライドホルダ 13…サンプル瓶ホルダ 14…マトリクス瓶ホルダ 15…ピペット移動機構 16…制御部 20…サンプルスライド 21…サンプル皿 32…送風器 33…送風ノズル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のサンプル皿が所定位置に設けられ
    たサンプルスライドの各サンプル皿にマトリクス及びサ
    ンプルを滴下して乾燥させるMALDI−TOF質量分
    析装置用のサンプラにおいて、 a)サンプルスライドを移動可能に保持するスライドホル
    ダと、 b)それぞれピペット、吸引・吐出機構及び移動機構を備
    えたピペット移動手段と、 c)サンプルスライドに対して乾燥用の風を送る風乾手段
    と、 d)上記スライドホルダ、ピペット移動手段及び風乾手段
    の動作を制御する制御手段と、 を備えることを特徴とするMALDI−TOF質量分析
    装置用サンプラ。
  2. 【請求項2】 ピペット移動手段によりサンプル皿にマ
    トリクス及び/又はサンプルを滴下する際、マトリクス
    及び/又はサンプルの拡散を防ぐためにサンプルスライ
    ドの下方から風を送る拡散防止用送風手段を備えること
    を特徴とする請求項1記載のMALDI−TOF質量分
    析装置用サンプラ。
JP8219415A 1996-07-31 1996-07-31 Maldi−tof質量分析装置用サンプラ Pending JPH1048110A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004051234A1 (ja) * 2002-11-29 2004-06-17 Nec Corporation 試料乾燥装置およびこれを用いた質量分析装置、質量分析システム
WO2004051253A1 (ja) * 2002-11-29 2004-06-17 Nec Corporation 質量分析用チップおよびこれを用いたレーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析装置、質量分析システム
US7785897B2 (en) 2000-10-23 2010-08-31 Simon Fraser University Method and apparatus for producing a discrete droplet for subsequent analysis or manipulation
JP2010276610A (ja) * 2001-03-19 2010-12-09 Gyros Patent Ab マイクロ流体システム(ms)
KR20190054918A (ko) * 2017-11-13 2019-05-22 주식회사 아스타 말디토프 질량 스펙트럼 분석을 위한 시료 전처리 장치 및 그 동작 방법

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