JPH104789A - 大気汚染被害樹木の洗浄方法 - Google Patents

大気汚染被害樹木の洗浄方法

Info

Publication number
JPH104789A
JPH104789A JP8182665A JP18266596A JPH104789A JP H104789 A JPH104789 A JP H104789A JP 8182665 A JP8182665 A JP 8182665A JP 18266596 A JP18266596 A JP 18266596A JP H104789 A JPH104789 A JP H104789A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tree
ozone
air pollution
washing
damaged
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8182665A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Katsura
勤 桂
Kitei Kin
希庭 金
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AROMA KAGAKU KIKAI KOGYO KK
Chidai Kk
Original Assignee
AROMA KAGAKU KIKAI KOGYO KK
Chidai Kk
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by AROMA KAGAKU KIKAI KOGYO KK, Chidai Kk filed Critical AROMA KAGAKU KIKAI KOGYO KK
Priority to JP8182665A priority Critical patent/JPH104789A/ja
Publication of JPH104789A publication Critical patent/JPH104789A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大気汚染により被害を受けた樹木を簡便な処
理によって効果的に処理し樹勢を回復させる方法を提供
する。 【構成】 松枯れ等の被害が進む樹木に対してオゾン水
溶液を噴射噴霧し、葉の気孔部分に蓄積した排ガス等由
来物質のうち浮遊粒子状物質に共存する未燃焼油分の酸
化変性および酸性成分のより高次の酸化による水中への
溶解によりそれぞれを洗浄、除去し、洗浄水中に残存す
るオゾンを樹木の根方における分解によって土中オゾン
濃度を上昇させることにより大気汚染被害樹木の活性を
蘇らせることを特徴とする大気汚染被害樹木の洗浄方
法。 【作用効果】 大気汚染により樹木の葉上に沈着した乾
性沈着物に洗浄除去させて気孔が清浄化され、樹勢が回
復する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は大気汚染被害樹木の
洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】都市
部の街路樹や工業地帯からの排気ガスの通り道にあたる
山間部、尾根付近、また山間部道路脇の樹木群は工場排
ガスや自動車の排気ガスによって突然の枯死に至る。こ
の原因としては酸性雨の影響が挙げられ、土壌の酸性化
が進むことによりカリウム、カルシウム及びマグネシウ
ム等の溶出が起って、根に有害なアルミニウムの溶解を
促進すること、樹木は害虫を寄せ付けないスチルベン類
(ピノシルピン)を生成するが樹勢が弱るとその生成が
阻害されて害虫が心材に進入しやすくなること、葉上に
おいて浮遊粒子物質や酸が気孔に蓄積し呼吸困難により
窒息状態となること等がいわれている。特に松枯れにつ
いてはマツノザイセンチュウによる被害が確認され、害
虫による被害が大きいものと考えられているが、被害の
実態として短期間に群生地の樹木が全滅する場合等があ
り、害虫による被害だけでは説明できない。
【0003】酸性雨による直接的な影響としては土壌の
酸性化、劣化が大きな原因とされることが多いが、土壌
の緩衝能力を考える時この説明も十分ではない。一方酸
性雨対策としてカルシウム塩をヘリコプター等から散布
する手法があるが、この方法では散布時のカルシウム塩
が気孔の目詰まりを起こしかねない。またある面積に対
して均一な散布ができない場合には、土壌pHに局地的
に急激な変化を招き歓迎できない。肥料等を含むその他
の薬剤噴霧がしばしば効果がないように見えるのは残存
する薬品成分によるところが大きい。薬剤の残存がない
か、樹勢の衰えた樹木が必要とする成分を効率的に供給
する方法が望まれている。
【0004】酸性雨の原因となる窒素酸化物や硫黄酸化
物の毒性発現機構は酸性雨の湿性沈着では説明できな
い。すなわち酸性物質が雨中に存在していたとしても、
降雨の継続により大部分は葉上に残ることなく流出して
しまう。また、酸性雨は雨の降り始めにpHが低く徐々
にpHが上昇することも観測されており、酸性物質の大
部分が降雨中に流出することは自明である。同時に降雨
の際、樹木は湿度の上昇と同時にその気孔を開き気孔内
に先に蓄積した物質の洗浄を助ける。
【0005】本発明者らは樹木への被害発生が特定時期
に集中することや年間の降水状況などに照らしてその被
害の発生メカニズムが主として乾性沈着によるものであ
るものと考え、実験および研究によりそのことを確認し
た。
【0006】乾性沈着によって葉上や気孔部分に沈着し
た浮遊粒子状物質には未燃焼炭素分および亜硫酸、亜硝
酸等の酸性物質が共存している。これらの沈着物質につ
いてはこのままでは気孔の閉塞を招かない限り直接的な
影響は考えにくいが、降雨に至らなくても大気中の湿度
が上昇して浮遊粒子状物質に水分が供給されると未燃焼
の炭素分が触媒として作用し、酸性物質を一時に硫酸や
硝酸などのより酸化性の強い酸に変える。このことが道
路や工業地域の周辺の松等の群生に一時期に集中して被
害が出る理由であると考えられる。
【0007】大気汚染、排気ガスの影響を受けにくい樹
木としてポプラがある。街路樹として多用されるポプラ
等の樹木は大気汚染物質の除去機能を持つとされるが、
その機能を発現する機構は主に汚染物質を当該樹木の葉
が他の樹木に比較して多く持つ油分に溶解、吸着させる
ことによるものである。これらの油分は人間にとって都
合のいい大気汚染物質除去であってもかゝる油分の限界
以上の汚染物質の溶解及び吸着によっては、回復不能な
急激な損害が生じ枯死に至る場合がある。
【0008】本発明の目的は街路樹や工場排ガスの影響
を蒙る地域での樹木への乾性沈着の対策として、樹木の
葉上の乾性沈着物を除去効率的に除去して被害を回復さ
せることのできる方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための技術的手段】前記発明の課題は
松枯れ等の被害が進む樹木に対してオゾン水溶液を噴
射、噴霧し、葉の気孔部分に蓄積した排ガス等由来物質
のうち浮遊粒子状物質に共存する未燃焼油分の酸化物へ
の変性および酸性成分のより高次の酸化による水中への
溶解によりそれぞれを洗浄、除去し、洗浄水中に残存す
るオゾンの樹木の根方における分解によって土中の酸素
濃度を上昇させることにより大気汚染被害樹木の活性を
蘇らせることを特徴とする大気汚染被害樹木の洗浄方法
によって解決される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明においては樹木に対してオ
ゾンを水溶液の形態として噴霧もしくは噴射する。水溶
液中のオゾン濃度としては約5〜18mg/l程度が好
ましい。樹木の葉の気孔部分に蓄積した排ガス等に由来
する物質の中、浮遊粒子状物質中には未燃焼油分(炭素
分)や亜硫酸等の酸性物質が共存しているが、これらの
中、未燃焼油分はオゾンによる酸化によって付着性の少
ない酸化物に変性されてオゾン水溶液の噴射により葉面
から容易に剥離除去される。一方亜硫酸等の酸化の余地
のある鉱酸類はオゾンによってさらに高次の酸化を受け
て硫酸等の形態となることにより水中への溶解性が高め
られ、いずれも効果的にオゾン水溶液によって洗浄除去
される。
【0011】オゾン水溶液を調整する装置としては外部
に気体状のオゾンを放出することがなくかつ移動および
取扱いの簡単な装置が好ましいが、このような装置は公
知であってたとえば実施例に記載するような市販のもの
を利用することができる。この場合オゾン水溶液は不溶
性塩類を生成し難い水酸化カリウム等のアルカリを溶質
として微アルカリ性に調整し、噴霧後のオゾンの自己分
解性がたとえば約5分程度になるようにする。
【0012】被処理樹木の根方には予め粘土あるいは炭
酸カルシウム等のアルカリ性物質を施用しておき、洗浄
後の水溶液中に残存するオゾンがこのアルカリによって
短時間に分解されるようにする。この際生成される酸素
によって土中の酸素濃度が上昇し大気汚染によって被害
を受けた樹木の活性が蘇る。
【0013】本発明の方法を松枯れ等の被害のでた樹木
の群生地に施用すると、短時間で乾性沈着の原因となる
物質がオゾン水溶液によって葉上から洗浄除去され、さ
らに洗浄後の水溶液中に残存するオゾンにより土壌が活
性化されて樹勢が回復され、松枯れ等の甚大な被害を事
前にくい止めることができる。
【0014】
【実施例】以下本発明の方法を実施例によって具体的に
説明する。
【0015】実施例1 6m道路の交差点角にある赤班葉枯れ病の様相を呈すク
ロマツを、丸山製作所製のMS−510型高圧洗浄機
(吐出圧:40kg/cm2 吐出水量:50リットル
/分)の水洗ジェット装置によって生成されるオゾン水
を用いて洗浄した。
【0016】オゾン水は水道水に対し微細オゾン泡沫を
高圧混入することにより調整した、オゾン水製造用の循
環タンクの上部空間の計測による気中オゾン濃度が0.
03ppm以下になるように調整した。この条件を満た
すためには、オゾン水中でのオゾン濃度が12mg/l
以下となるように制御し、かつ安全のため循環タンク上
部にはオゾンガス分解用の触媒あるいは紫外線ランプを
設置して運転した。
【0017】生成されたオゾン水を道路上に張り出し褐
色に変色した針葉の右半分(地上高約2m約1m2 分)
に水洗ジェット装置を用い50cm/秒程度の速度で水
流を動かしながら右半分を20秒ほど洗浄した。同様な
条件で左半分をオゾン水の代わりに水道水を使って同時
に洗浄した。
【0018】下記に示す方法にしたがって測定した場
合、洗浄前に約19%に低下していた葉面の後述する清
浄気孔率(%)が洗浄後のオゾン水処理域では76%に
上昇しまた水道水処理域では23%となった。
【0019】洗浄前、オゾン洗浄後および水道水洗浄後
の試料はいずれも同じ高さで採取した。清浄気孔率は下
記の方法を用いて定量した。
【0020】ほぼ同じ長さの緑色葉(松等針葉樹)20
本以上を採取し、葉の中央の凹部(葉の裏側)をカミソ
リあるいはメスによって、0.2mm以下の厚さに削
ぎ、水滴を置いたスライドグラス上に載せさらにカバー
グラスを置いて光学顕微鏡にて検鏡する。通常40倍程
度の低倍率を用い、1視野中の中央部(視野の直径付
近)に気孔の列を置き、視野中の気孔総数と気孔の開口
部3分の2以上が塞がれた閉塞気孔数とを計数する。計
数終了後焦点深度を微調整し、閉塞気孔とみなしたもの
が、光線の入力具合によってできる陰でないことを確認
する。総気孔数から閉塞気孔数を減算し下記式により清
浄気孔率(%)を求める。
【0021】植物に対する光化学オキシダントやオゾン
の影響は時間をおいてクロロシス等の形で現れるため、
洗浄後の松を3ケ月後にも観察したが、クロロシス等の
兆候は見られず、樹勢の回復のためか洗浄しない部位に
も回復が認められた。オゾン水による洗浄の際には気孔
部の排ガス成分の酸化分解にオゾンのほとんどが瞬間的
に消費され、松への悪影響は全く認められなかった。
【0022】実施例2 6m道路に面するヒイラギ(生け垣)で、葉の一部が褐
変しているものに対し、実施例1と同様に調整したオゾ
ン水による洗浄を行った。ヒイラギは大気汚染の影響を
受けやすい樹種であるが、洗浄後3週間後にオゾン水で
洗浄した株についてのみ全葉に褐変からの回復が見られ
た。
フロントページの続き (72)発明者 金 希庭 東京都新宿区若葉町1ー19 白富士荘201

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 松枯れ等の被害が進む樹木に対してオゾ
    ン水溶液を噴射、噴霧し、葉の気孔部分に蓄積した排ガ
    ス等由来物質のうち浮遊粒子状物質に共存する未燃焼油
    分の酸化物への変性および酸性成分のより高次の酸化に
    よる水中への溶解によりそれぞれを洗浄、除去し、洗浄
    水中に残存するオゾンの樹木の根方における分解によっ
    て土中の酸素濃度を上昇させることにより大気汚染被害
    樹木の活性を蘇らせることを特徴とする大気汚染被害樹
    木の洗浄方法。
  2. 【請求項2】 オゾン水溶液の噴霧に先立って樹木の根
    方に予め粘土あるいは炭酸カルシウム等のアルカリ性物
    質を施用し、洗浄水中に残存するオゾンを根方の土壌中
    で分解して酸素を発生させ土壌中の酸素濃度を上昇させ
    ることを含む第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】 不溶性塩類を生成し難い水酸化カリウム
    等のアルカリを溶質とする微アルカリ性水溶液を調整
    し、この水溶液にオゾンを溶解することによって噴霧後
    のオゾンの自己分解性を調節するようにした第1項記載
    の大気汚染被害樹木の洗浄方法。
JP8182665A 1996-06-25 1996-06-25 大気汚染被害樹木の洗浄方法 Pending JPH104789A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8182665A JPH104789A (ja) 1996-06-25 1996-06-25 大気汚染被害樹木の洗浄方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8182665A JPH104789A (ja) 1996-06-25 1996-06-25 大気汚染被害樹木の洗浄方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH104789A true JPH104789A (ja) 1998-01-13

Family

ID=16122301

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8182665A Pending JPH104789A (ja) 1996-06-25 1996-06-25 大気汚染被害樹木の洗浄方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH104789A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005179369A (ja) * 2003-11-28 2005-07-07 Takeda Zoen:Kk 植物体の洗浄及び防除方法
JP2021090372A (ja) * 2019-12-09 2021-06-17 聡 安斎 植物栽培方法及び植物栽培装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005179369A (ja) * 2003-11-28 2005-07-07 Takeda Zoen:Kk 植物体の洗浄及び防除方法
JP2021090372A (ja) * 2019-12-09 2021-06-17 聡 安斎 植物栽培方法及び植物栽培装置
WO2021117593A1 (ja) * 2019-12-09 2021-06-17 聡 安斎 植物栽培方法及び植物栽培装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1986703A1 (en) System for removal of airborne contaminants
Hamid et al. Environmental and health risk of bush burning
CA2476733A1 (en) Pre- and post-treatment system and method for aquatic plant filtration using ozone
EP0317593A1 (de) Verfahren, filter und vorrichtung zur bereitstellung von atemluft mit hoher luftgüte.
EP0369056B1 (en) Method for deodorizing and cleaning offensive odor gas
JPH104789A (ja) 大気汚染被害樹木の洗浄方法
WO1987004233A1 (en) Process, device and chemisorption filter for purifying breathing air
JP4621859B2 (ja) 多孔質光触媒体の製造方法
CN208626978U (zh) 一种用于处理工业有机废气的装置
DE2437110C3 (de) Verfahren zum Abbau von organischem MuU
CN209076359U (zh) 一种循环喷淋废气治理系统
Popova et al. Action of activated waters on plants after adverse chemical effects, imitating acid rain.
Thomas The invisible injury theory of plant damage
JP3487078B2 (ja) 生ゴミ処理機の脱臭装置
KR960009484B1 (ko) 수목용 약액조성물
CN111359340A (zh) 一种高效除气溶胶喷剂
CN208893868U (zh) 水泥炉窑燃煤烟气强力脱硝固硫净化系统
CN105771576A (zh) 一种利用改性活性炭脱除二噁英的工艺
NL1011111C2 (nl) Werkwijze voor het reinigen van gassen.
JPH03190995A (ja) アスファルト混合物製造プラント用の脱臭方法
Linzon Effects of air pollutants on vegetation
JPH06226035A (ja) 生物脱臭装置
CA1212257A (en) Nutrient additive for calcium, magnesium, iron and zinc-deficiencies and correction of root system toxicities
Razina et al. THE ACID RAIN IMPACT ON THE ENVIRONMENT
WO1998030112A1 (en) Filter aid protein-polysaccharide complex composition and method of use