JPH1047886A - 熱交換器・熱交換器用サイドプレート及び熱交換器の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイドプレートに補強リブをローラーにより
成形するようにすることで、サイドプレートの製造コス
トを低減すると共に、ローラー成形されたサイドプレー
トの補強リブより空気が洩れ出るのを防止する。 【解決手段】 サイドプレートにその全長にわたって形
成された補強リブのうち、両端近傍部は、プレスにより
押しつぶし、断面形状をほぼフラットとする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、熱交換器、熱交換
器用サイドプレート及び熱交換器の製造方法に関し、本
発明に関する熱交換器は、例えば自動車空調装置に用い
るヒーターコアや、自動車用ラジエーター等のアルミニ
ウム熱交換器として好適である。

【０００２】

【従来の技術】従来熱交換器には、そのコア部のうち最
外方に位置するフィンの外方にサイドプレート１００を
設けて熱交換器の補強を図っている。さらにサイドプレ
ート１００には、図２に示すように補強リブ１１０や１
２０をローラーにより屈曲形成することが考えられる。
ところが、本発明者等の検討によれば、図２のように補
強リブ１１０、１２０をローラー形成した場合には、最
外方のフィンとサイドプレート１００との間を流れる空
気がこの補強リブ１１０、１２０の凹部に流入しそのま
ま補強リブ１１０、１２０の軸線に沿ってサイドプレー
トの長手方向に流れ、タンク２００の側部より空気が漏
洩する恐れがあることが認められた。 図３はこのよう
なサイドプレート１００をもつ熱交換器を、自動車空調
装置のヒーターコアとして用い、空調ケース３００内に
収納した例を示すが、この図に流れ線Ｘで示すように、
空気がケース３００の外部まで洩れてしまうこととな
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記点に鑑み
て案出されたもので、サイドプレートとして、補強リブ
をローラー加工するものにおいて、空気がこの補強リブ
に沿って外部に漏洩することがないようにすることをそ
の目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項１に記載の発明では、チューブ、フ
ィン、タンク、サイドプレート等より構成される熱交換
器において、特にサイドプレートには断面形状が凹部も
しくは凸部となる補強リブをその長手方向ほぼ全長にわ
たって形成するとともに、サイドプレート長手方向両端
部においては、その補強プレートの断面形状が凹部もし
くは凸部が生じないようつぶし部を設けるようにしてい
る。

【０００５】同じく請求項２の発明では、サイドプレー
トの形状に関し、サイドプレートの長手方向の全長にわ
たって補強リブを形成するようにしたものにおいて、特
に長手方向の両端部では補強プレートがつぶされ断面形
状がほぼ平坦となるようにしている。また、請求項３に
記載の発明では、アルミニウム板材を成形ローラー間を
通過させることにより長手方向全長にわたって凸部もし
くは凹部となるような補強リブを形成し、その後に長手
方向の両端部において補強プレートをプレス成形して断
面形状をほぼ平坦とし、その後このように形成されたサ
イドプレートとチューブ、フィン等を組み合わせて、組
み合わされた熱交換器コア部を炉内で一体ろう付けする
ことにより熱交換器を製造する。

【０００６】このように構成されたので、本発明に関わ
るサイドプレートを有する熱交換器では、ローラー成形
された補強プレートにより、その強度が十分保持される
とともに、補強プレートの形成も成形ローラーによる屈
曲によって達成されるため、サイドプレート自体の製造
費用も安価なものとなる。更に、本発明では、サイドプ
レートの長手方向両端部においては、補強プレートがつ
ぶされて断面形状に凹部もしくは凸部が形成されないよ
うになっているため、サイドプレートがチューブ、フィ
ンと組み合わさった状態で、空気がこのサイドプレート
の補強リブを介してタンク側へ漏洩することが効果的に
防止される。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下本発明を図に基づいて説明す
る。まず本発明のサイドプレート１００であるが、図４
に示す様に一対の成形ローラー１８０、１８１間をアル
ミニウム板材が通過することにより、補強リブ１１０及
び１２０がサイドプレート１００に形成される。なお図
４では一対の成形ローラー１８０、１８１を１セットの
み図示したが、実際の成形に際してはこのように対とな
る成形ローラーを多数組用いている。またサイドプレー
ト１００はその両側部が折り曲げ形成されて壁部１３
０、１３１が形成される。この壁部１３０、１３１によ
っても、上述の補強リブ１１０、１２０と共にサイドプ
レートの剛性が高められる。しかるのち、本発明のサイ
ドプレート１００ではその長手方向両端部において補強
リブ１１０、１２０が、プレス加工によって押しつぶさ
れる（図５図示）。このプレス加工によって形成された
つぶし部１１５、１２５は、図５より明らかなように、
その断面形状がほぼ平坦となり、補強リブ１１０、１２
０の両端が閉じられた形状となる。この形状を、更に図
６、図７及び図８にて詳細説明する。図より明らかな様
にサイドプレート１００は板厚１mm程度のアルミニウム
板材よりなり、補強リブ１１０及び１２０はその長手方
向の全長にわたって形成される。図６のＢ−Ｂ線に沿う
断面図である図８より明らかな様に、補強リブ１１０及
び１２０は断面コ字状となっており、この形状によって
サイドプレート１００の剛性を確保している。

【０００８】一方図６のＡ視図である図７より明らかな
様に、サイドプレート１００はその端部において断面形
状がほぼ平坦となるようになっている。図９は熱交換器
全体の製造工程を図示するが、上述したサイドプレート
１００はアルミニウム条材よりローラー成形及びプレス
成形により形成される。同様にアルミニウム合金材より
パイプ２１０が形成される。またアルミニウム板材より
タンク２００が形成される。更に、アルミニウム板材よ
りシートメタル２３０が形成される。同じくアルミニウ
ム板材よりチューブ２４０及びフィン２５０が形成され
る。なおこれら各アルミニウム板材はその用途によって
板厚が変わっている。前述のサイドプレートは１mm程度
の肉厚であったが、例えばチューブ２４０の板厚は0.２
から0.４mm程度であり、フィン２５０は0.０５からは0.
１mm程度の板厚である。またタンク２００の板厚は0.８
mmから１mm程度の大きさとなっている。

【０００９】この様にして形成された各部材がまずチュ
ーブ２４０とフィン２５０が交互に積層され、その両側
にシートメタル２３０が位置し、更に最外方のフィン２
５０の外方にサイドプレート１００が位置するようにし
て、熱交換器コア部３５０が組み付けられる。なおこの
状態の熱交換器コア部３５０は、その形状を保持するよ
うワイヤ３１０によって取り巻かれている。

【００１０】そしてその後にシートメタル２３０にタン
ク２００を取付け、さらにその後、タンク２００にパイ
プ２１０を組み付ける。そしてこの様にして組み付けら
れた熱交換器をろう付け炉に搬入し、炉内で一体ろう付
けする。図１０はこの様にして組み付けられた熱交換器
を示す。図１０図示の熱交換器は自動車空調装置のヒー
ターコアであり、入口タンク２００のパイプ２１０より
エンジンにて加熱されたエンジン冷却水が導入する。こ
の入口タンク２００に導入された温水は次いでタンク２
００内で多数のチューブ２４０に分配配置され、チュー
ブを出口タンク２００側へ流れる。チューブ２４０には
フィン２５０が熱的に結合しており、従ってチューブ２
４０内を流れる温水は、このフィン２５０を介して空気
と熱交換する。

【００１１】前述の図３に示した様にこの熱交換器はケ
ース３００内に収納され、自動車の車室前方部のインパ
ネの背後に配置される。特に本発明の熱交換器ではサイ
ドプレート１００が、その両端部において押しつぶされ
端部１１５及び１２５において断面形状がほぼ平坦とな
っているので、最外方のフィン２５０よりかりに補強リ
ブ１１０及び１２０内に空気が流入したとしても、その
空気は端部でせき止められることとなる。すなわちこの
サイドプレートよりタンク２００側に空気が漏れ出るこ
とは全くない。

【００１２】しかも、本発明では、長手方向の全長にわ
たって補強リブ１１０及び１２０がローラーにより成形
されているので、この補強リブ１１０及び１２０をプレ
ス加工したものに比べて成形費用が安価となる。なぜな
らば、成形ローラーの場合は対となるローラー間に板材
を通過させることで補強リブ１１０及び１２０が形成さ
れ、その際補強リブ１１０及び１２０の軸方向長さは、
どのような長さになろうと成形上大きな問題とはならな
い。それに対し、補強リブ１１０、１２０をプレスによ
り形成しようとすると、プレス機械がサイドプレートの
全長にわたるものとならなければならず、サイドプレー
トの長さが異なるごとに別のプレス型が必要となるから
である。

【００１３】ここで、本発明のサイドプレート１００で
あっても、押しつぶし部１１５、１２５を形成する為に
プレス工程は用いるが、この本発明のプレス工程は単に
端部であるつぶし部１１５、１２５部分のみを押圧する
ものであるので、その幅はサイドプレート１００の長さ
に関わらず、常に一定のものとすることができ、プレス
に汎用性を持たすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の要部を示す斜視図である。

【図２】本発明者等が先に成形したサイドプレートを有
する熱交換器の一部を示す斜視図である。

【図３】図２図示熱交換器を自動車空調装置ケースに収
納した状態を示す正面図である。

【図４】本発明に関わるサイドプレートの成形工程を示
す斜視図である。

【図５】本発明に関わるサイドプレートの成形工程を示
す斜視図である。

【図６】本発明のサイドプレートを示す正面図である。

【図７】図６図示サイドプレートのＡ視正面図である。

【図８】図６図示サイドプレートのＢ−Ｂ線に沿う断面
図である。

【図９】本発明の熱交換器の製造工程を示す工程図であ
る。

【図１０】本発明の熱交換器を示す斜視図である。

【符号の説明】

１００ サイドプレート ２００ タンク ２４０ チューブ ２５０ フィン １１０、１２０ 補強プレート １１５、１２５ つぶし部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福山 秀樹 愛知県刈谷市昭和町１丁目１番地 日本電 装株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 流体の流入及び流出を行うタンクと、こ
   のタンクと接続して内部に流体を流すチューブと、この
   チューブに熱的結合しチューブ内部の流体と空気との熱
   交換を促進するフィンと、このフィンのうち最外方のフ
   ィンの更に外方に配設され熱交換器コア部の補強を行う
   サイドプレートとを備え、 前記サイドプレートは、その断面形状が凹凸形状となる
   リブを長手方向のほぼ全長にわたって形成するととも
   に、前記リブのうち前記サイドプレート長手方向両端部
   近傍の部位は、その断面形状が凹凸形状とならないよう
   前記リブの押しつぶし部分を備えることを特徴とする熱
   交換器。
2. 【請求項２】 熱交換器のコア部側方に位置し熱交換器
   の補強を行うサイドプレートであって、 前記サイドプレートはその断面形状が凹部もしくは凸部
   となる補強リブを長手方向のほぼ全長にわたって形成す
   るとともに、この補強リブのうちサイドプレート長手方
   向両端部近傍では、その断面形状が凹部、もしくは凸部
   とならないよう補強リブのつぶし部分を備えることを特
   徴とする。
3. 【請求項３】 アルミニウム板材を所定長さに切断する
   とともに、アルミニウム板材を成形ローラー間を通過さ
   せることによりその断面形状が凹部、もしくは凸部とな
   る補強リブを長手方向の全長にわたって形成し、 その後に長手方向両端部の近傍においてその断面形状が
   平坦部となるように前記補強リブを押しつぶすプレス加
   工を行い、 このようにして形成されたサイドプレートをフィン、チ
   ューブとともに組み合わせて熱交換器コア部を形成し、 この熱交換器コア部を炉内で一体ろう付けして成る熱交
   換器の製造方法。