JPH1047332A - 緩み止めナット機構 - Google Patents
緩み止めナット機構Info
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- JPH1047332A JPH1047332A JP20984696A JP20984696A JPH1047332A JP H1047332 A JPH1047332 A JP H1047332A JP 20984696 A JP20984696 A JP 20984696A JP 20984696 A JP20984696 A JP 20984696A JP H1047332 A JPH1047332 A JP H1047332A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 二つのナットを組み合わせた緩み止めナット
機構において、緩み止め用の補助ナットに対して緩み方
向の軸線方向の推力が作用したとしてもナットの緩み止
め機能が損なわれないようにすることをその課題とす
る。 【解決手段】 ナット主体(1) の端面からこのナット主
体(1) と同軸状に突出する筒部(2) と、前記筒部(2) の
外周面に形成されたテーパネジ部(21)と、前記テーパネ
ジ部(21)に螺合する補助ナット(3) とからなり、前記ナ
ット主体(1) には前記筒部(2) に貫通する雌ネジ部(11)
を設けると共に、前記筒部(2) には、その軸線に平行な
スリット(22)を前記筒部(2) の先端部から一定範囲に設
けたこと。
機構において、緩み止め用の補助ナットに対して緩み方
向の軸線方向の推力が作用したとしてもナットの緩み止
め機能が損なわれないようにすることをその課題とす
る。 【解決手段】 ナット主体(1) の端面からこのナット主
体(1) と同軸状に突出する筒部(2) と、前記筒部(2) の
外周面に形成されたテーパネジ部(21)と、前記テーパネ
ジ部(21)に螺合する補助ナット(3) とからなり、前記ナ
ット主体(1) には前記筒部(2) に貫通する雌ネジ部(11)
を設けると共に、前記筒部(2) には、その軸線に平行な
スリット(22)を前記筒部(2) の先端部から一定範囲に設
けたこと。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は緩み止めナット、
特に、二つのナットを組み合わせた緩み止めナット機構
に関するものである。
特に、二つのナットを組み合わせた緩み止めナット機構
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】緩み止めナット機構としては、従来、取
付け部材(M) に挿通させたボルト(B)に螺合される締め
付け用の主ナット(10)に対して、図1に示すように、別
個の補助ナット(3) を螺合させて重ね合わせる方法が採
用されている。このものでは、前記主ナット(10)及び補
助ナット(3) が共にボルト(B) に連続的に螺合される。
この状態では、前記補助ナット(3) の締付け力によって
この補助ナット(3) の端面が前記主ナット(10)の端面に
圧接される。そして、補助ナット(3) の雌ネジ部とボル
ト(B) の雄ネジ部のネジ山相互が軸線方向に加圧され
る。従って、この補助ナット(3) を用いることにより、
前記端面相互の圧接による摩擦力と、前記ネジ山相互の
間に生じる摩擦力とによって、主ナット(10)が緩む方向
の回動が阻止される。
付け部材(M) に挿通させたボルト(B)に螺合される締め
付け用の主ナット(10)に対して、図1に示すように、別
個の補助ナット(3) を螺合させて重ね合わせる方法が採
用されている。このものでは、前記主ナット(10)及び補
助ナット(3) が共にボルト(B) に連続的に螺合される。
この状態では、前記補助ナット(3) の締付け力によって
この補助ナット(3) の端面が前記主ナット(10)の端面に
圧接される。そして、補助ナット(3) の雌ネジ部とボル
ト(B) の雄ネジ部のネジ山相互が軸線方向に加圧され
る。従って、この補助ナット(3) を用いることにより、
前記端面相互の圧接による摩擦力と、前記ネジ山相互の
間に生じる摩擦力とによって、主ナット(10)が緩む方向
の回動が阻止される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来の
ものでは、この緩み回転阻止性能が不十分であった。前
記緩み回転阻止に寄与する力(緩み回転阻止力)は前記
2つの摩擦力であるが、これらの摩擦力は、補助ナット
(3) と主ナット(10)の端面相互が軸線方向に密着してい
ることが前提であり、前記密着が解かれると、前記緩み
回転阻止力が極端に低下する。従って、補助ナット(3)
が軸線方向の緩み移動力が作用した場合には、前記補助
ナット(3) による緩み止め性能が極端に低下するかまた
は消失することとなるからである。
ものでは、この緩み回転阻止性能が不十分であった。前
記緩み回転阻止に寄与する力(緩み回転阻止力)は前記
2つの摩擦力であるが、これらの摩擦力は、補助ナット
(3) と主ナット(10)の端面相互が軸線方向に密着してい
ることが前提であり、前記密着が解かれると、前記緩み
回転阻止力が極端に低下する。従って、補助ナット(3)
が軸線方向の緩み移動力が作用した場合には、前記補助
ナット(3) による緩み止め性能が極端に低下するかまた
は消失することとなるからである。
【0004】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、二つのナットを組み合わせた緩み止めナット機
構において、緩み止め用の補助ナットに対して緩み方向
の軸線方向の推力が作用したとしてもナットの緩み止め
機能が損なわれないようにすることをその課題とする。
請求項2以下の発明は、上記課題を解決した上で効果の
欄に記載した各効果を得るようにすることをその課題と
する。
であり、二つのナットを組み合わせた緩み止めナット機
構において、緩み止め用の補助ナットに対して緩み方向
の軸線方向の推力が作用したとしてもナットの緩み止め
機能が損なわれないようにすることをその課題とする。
請求項2以下の発明は、上記課題を解決した上で効果の
欄に記載した各効果を得るようにすることをその課題と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
ために講じた請求項1の発明の解決手段は『ナット主体
(1) の端面からこのナット主体(1) に対して同軸状に突
出する筒部(2) と、前記筒部(2) の外周面に形成された
テーパネジ部(21)と、前記テーパネジ部(21)に螺合する
補助ナット(3) とからなり、前記ナット主体(1) には前
記筒部(2) に貫通する雌ネジ部(11)を設けると共に、前
記筒部(2) には、その軸線に平行なスリット(22)を前記
筒部(2) の先端部から一定範囲に設けた』ことである。
ために講じた請求項1の発明の解決手段は『ナット主体
(1) の端面からこのナット主体(1) に対して同軸状に突
出する筒部(2) と、前記筒部(2) の外周面に形成された
テーパネジ部(21)と、前記テーパネジ部(21)に螺合する
補助ナット(3) とからなり、前記ナット主体(1) には前
記筒部(2) に貫通する雌ネジ部(11)を設けると共に、前
記筒部(2) には、その軸線に平行なスリット(22)を前記
筒部(2) の先端部から一定範囲に設けた』ことである。
【0006】上記構成のものでは、補助ナット(3) を締
め付けると、筒部(2) とのテーパ嵌合効果により前記筒
部(2) が半径方向の内側に締め付けられる。前記筒部
(2) にはスリット(22)が形成されているから、この筒部
(2) に作用する締め付け力が効率的にナット主体(1) の
締め付け力に変換され、筒部(2) の内周の雌ネジ部(11)
がボルト(B) の雄ネジ部に圧接されて緩み止め機能を発
揮する。
め付けると、筒部(2) とのテーパ嵌合効果により前記筒
部(2) が半径方向の内側に締め付けられる。前記筒部
(2) にはスリット(22)が形成されているから、この筒部
(2) に作用する締め付け力が効率的にナット主体(1) の
締め付け力に変換され、筒部(2) の内周の雌ネジ部(11)
がボルト(B) の雄ネジ部に圧接されて緩み止め機能を発
揮する。
【0007】前記補助ナット(3) に緩み方向の軸線移動
力が作用すると、前記補助ナット(3) の雌ネジ部のネジ
山が筒部(2) のテーパネジ部(21)のネジ山に乗り上げよ
うとする傾向となるから、筒部(2) の内周の雌ネジ部(1
1)の前記圧接力が増大される傾向となる。このように、
補助ナット(3) に緩み方向の軸線方向移動力が作用した
場合には、ナット主体(1) に作用する緩み止め力が増大
される傾向となる。
力が作用すると、前記補助ナット(3) の雌ネジ部のネジ
山が筒部(2) のテーパネジ部(21)のネジ山に乗り上げよ
うとする傾向となるから、筒部(2) の内周の雌ネジ部(1
1)の前記圧接力が増大される傾向となる。このように、
補助ナット(3) に緩み方向の軸線方向移動力が作用した
場合には、ナット主体(1) に作用する緩み止め力が増大
される傾向となる。
【0008】なお、前記スリット(22)は、筒部(2) にお
ける補助ナット(3) の螺合部の最大径部にまで開削され
ていることが望ましい。補助ナット(3) の締付け力によ
るスリット(22)の幅が縮小し易く、前記補助ナット(3)
の締付け力がボルト(B) の締付け力に変換され易いから
である。請求項2に記載の発明は、テーパネジ部(21)の
ネジ山の頂角を限定したものであり、『前記テーパネジ
部(21)のテーパを1/2〜1/5とし、そのネジ山の頂
角を100度〜150度に設定した』ことである。
ける補助ナット(3) の螺合部の最大径部にまで開削され
ていることが望ましい。補助ナット(3) の締付け力によ
るスリット(22)の幅が縮小し易く、前記補助ナット(3)
の締付け力がボルト(B) の締付け力に変換され易いから
である。請求項2に記載の発明は、テーパネジ部(21)の
ネジ山の頂角を限定したものであり、『前記テーパネジ
部(21)のテーパを1/2〜1/5とし、そのネジ山の頂
角を100度〜150度に設定した』ことである。
【0009】このものでは、前記テーパの値とテーパネ
ジ部(21)のネジ山の頂角との組み合せにより、補助ナッ
ト(3) を締め付けたときの軸線方向の推力が効率的に半
径方向の作用力に変換される。従って、補助ナット(3)
を締め付けたときにテーパネジ部(21)からボルト(B) に
作用する圧迫力が大きくなり、緩み止め効果が一層向上
する。
ジ部(21)のネジ山の頂角との組み合せにより、補助ナッ
ト(3) を締め付けたときの軸線方向の推力が効率的に半
径方向の作用力に変換される。従って、補助ナット(3)
を締め付けたときにテーパネジ部(21)からボルト(B) に
作用する圧迫力が大きくなり、緩み止め効果が一層向上
する。
【0010】上記請求項1又は2の発明において、請求
項3のように『前記スリット(22)は前記筒部(2) の断面
を4等分又は6等分する位置に設けられてなる』場合に
は、補助ナット(3) の締付け力が最も効率的にボルト
(B) に作用する。加えて、前記スリット(22)を開削する
際にも、開削工具が筒部(2) の断面の直径線上を移動す
るように動作させ、当該作業を2工程又は3工程実行す
るだけでよい。しかも、雌ネジ部(11)の直径が30mm
以下の場合には、前記スリット(22)が4本よりも増えて
も、また、雌ネジ部(11)の直径が30mmよりも大きく
52mm程度以下の場合には、前記スリット(22)は6本
より増えても、補助ナット(3) によるボルト(B) を締め
付ける締め付け力が大きくならないことが、実験的に判
明した。また、スリット(22)が多過ぎると、筒部(2) の
強度が不足することから、補助ナット(3) の締め付けに
よって前記筒部(2) が変形することがあるが、上記手段
を採用するものでは、かかる不都合も防止できる。
項3のように『前記スリット(22)は前記筒部(2) の断面
を4等分又は6等分する位置に設けられてなる』場合に
は、補助ナット(3) の締付け力が最も効率的にボルト
(B) に作用する。加えて、前記スリット(22)を開削する
際にも、開削工具が筒部(2) の断面の直径線上を移動す
るように動作させ、当該作業を2工程又は3工程実行す
るだけでよい。しかも、雌ネジ部(11)の直径が30mm
以下の場合には、前記スリット(22)が4本よりも増えて
も、また、雌ネジ部(11)の直径が30mmよりも大きく
52mm程度以下の場合には、前記スリット(22)は6本
より増えても、補助ナット(3) によるボルト(B) を締め
付ける締め付け力が大きくならないことが、実験的に判
明した。また、スリット(22)が多過ぎると、筒部(2) の
強度が不足することから、補助ナット(3) の締め付けに
よって前記筒部(2) が変形することがあるが、上記手段
を採用するものでは、かかる不都合も防止できる。
【0011】請求項4の発明は、上記請求項1から請求
項3の発明に於いて『前記筒部(2)における前記ナット
主体(1) と境界部には、前記テーパネジ部(21)の最大径
部よりも小さな直径の環状凹溝(20)を設けられている』
ことを特徴とするものであり、この構成を採用するもの
では、補助ナット(3) を締め付けることにより、前記ス
リット(22)を具備する筒部(2) が直径を縮小するように
変形され易い。前記環状凹溝(20)を具備することから、
この筒部(2) の軸線に沿った縦断面において、前記環状
凹溝(20)を支点として前記筒部(2) の先端側がボルト
(B) の断面中心側に移動した状態に変形し易いからであ
る。
項3の発明に於いて『前記筒部(2)における前記ナット
主体(1) と境界部には、前記テーパネジ部(21)の最大径
部よりも小さな直径の環状凹溝(20)を設けられている』
ことを特徴とするものであり、この構成を採用するもの
では、補助ナット(3) を締め付けることにより、前記ス
リット(22)を具備する筒部(2) が直径を縮小するように
変形され易い。前記環状凹溝(20)を具備することから、
この筒部(2) の軸線に沿った縦断面において、前記環状
凹溝(20)を支点として前記筒部(2) の先端側がボルト
(B) の断面中心側に移動した状態に変形し易いからであ
る。
【0012】
【発明の効果】請求項1の発明は、補助ナット(3) に緩
み方向の軸線方向移動力が作用した場合には、ナット主
体(1) に作用する緩み止め力が増大される傾向となるか
ら、従来のものに比べて、緩み止め効果が一層向上す
る。請求項2の発明は、補助ナット(3) を締め付けたと
きに筒部(2) を半径方向に締め付ける力に変換される分
力の度合いが大きくなるから、緩み止め効果が一層向上
する。このことは、請求項3の発明についても言えるこ
とである。
み方向の軸線方向移動力が作用した場合には、ナット主
体(1) に作用する緩み止め力が増大される傾向となるか
ら、従来のものに比べて、緩み止め効果が一層向上す
る。請求項2の発明は、補助ナット(3) を締め付けたと
きに筒部(2) を半径方向に締め付ける力に変換される分
力の度合いが大きくなるから、緩み止め効果が一層向上
する。このことは、請求項3の発明についても言えるこ
とである。
【0013】請求項3の発明の場合、スリット(22)を設
けたことによる筒部(2) の直径の縮小度合い(補助ナッ
ト(3) の締付けによる直径縮小度合い)が最大になる。
しかも、複数のスリット(22)を開削する場合の作業性も
良く、筒部(2) の強度が過度に低下しない、つまり、補
助ナット(3) の締め付けの際に、前記筒部(2) が過度に
変形する不都合が生じにくいという利点がある。
けたことによる筒部(2) の直径の縮小度合い(補助ナッ
ト(3) の締付けによる直径縮小度合い)が最大になる。
しかも、複数のスリット(22)を開削する場合の作業性も
良く、筒部(2) の強度が過度に低下しない、つまり、補
助ナット(3) の締め付けの際に、前記筒部(2) が過度に
変形する不都合が生じにくいという利点がある。
【0014】請求項4の発明によれば、補助ナット(3)
の締め付け力(F) が筒部(2) を半径方向の締め付け力
(P) に変換される度合いが一層大きくなる。
の締め付け力(F) が筒部(2) を半径方向の締め付け力
(P) に変換される度合いが一層大きくなる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図2以下の
図面基づいて説明する。この実施の形態は、ナット主体
(1) の一方の端面から筒部(2) を前記ナット主体(1) と
同軸となるように突出させ、前記筒部(2) の外周面に設
けたテーパネジ部(21)に補助ナット(3) を螺合するよう
にしている。前記ナット主体(1) には筒部(2) の先端に
達する雌ネジ部(11)が貫通している。
図面基づいて説明する。この実施の形態は、ナット主体
(1) の一方の端面から筒部(2) を前記ナット主体(1) と
同軸となるように突出させ、前記筒部(2) の外周面に設
けたテーパネジ部(21)に補助ナット(3) を螺合するよう
にしている。前記ナット主体(1) には筒部(2) の先端に
達する雌ネジ部(11)が貫通している。
【0016】前記筒部(2) とナット主体(1) との境界部
には、筒部(2) の外周面に環状凹溝(20)が形成されてい
る。これにより、前記筒部(2) の基端部におけるテーパ
ネジ部(21)の不完全ネジ部が生じないようにしている。
前記筒部(2) には図4に示すように、円周を3等分した
位置にスリット(22)(22)が形成されている。このスリッ
ト(22)は筒部(2) の先端からその基端部にかけて形成さ
れている。
には、筒部(2) の外周面に環状凹溝(20)が形成されてい
る。これにより、前記筒部(2) の基端部におけるテーパ
ネジ部(21)の不完全ネジ部が生じないようにしている。
前記筒部(2) には図4に示すように、円周を3等分した
位置にスリット(22)(22)が形成されている。このスリッ
ト(22)は筒部(2) の先端からその基端部にかけて形成さ
れている。
【0017】前記雌ネジ部(11)のネジ山は、一般的なネ
ジ山を具備するボルト(B) に螺合させるために汎用ネジ
のネジ山に設定され、この例では頂角が60度のネジ山
になっている。筒部(2) の外周面に形成されるテーパネ
ジ部(21)のテーパは1/2〜1/5に設定されるが、こ
の例では、前記テーパ値は1/3にしてある。そして、
前記テーパネジ部(21)のネジ山の頂角θ1 は、前記汎用
ネジのネジ山の前記頂角よりも大きな鈍角に設定されて
いる。具体的には前記頂角θ1 が100度〜150度に
設定され、この例では145度に設定されている。
ジ山を具備するボルト(B) に螺合させるために汎用ネジ
のネジ山に設定され、この例では頂角が60度のネジ山
になっている。筒部(2) の外周面に形成されるテーパネ
ジ部(21)のテーパは1/2〜1/5に設定されるが、こ
の例では、前記テーパ値は1/3にしてある。そして、
前記テーパネジ部(21)のネジ山の頂角θ1 は、前記汎用
ネジのネジ山の前記頂角よりも大きな鈍角に設定されて
いる。具体的には前記頂角θ1 が100度〜150度に
設定され、この例では145度に設定されている。
【0018】このナット主体(1) を取付け部材(M) に貫
通させたボルト(B) に螺合し、前記ナット主体(1) を最
終占めつけ位置に位置させた状態で、筒部(2) に螺合さ
せた補助ナット(3) を締付けると、既述した作用によ
り、筒部(2) が半径方向に締付けられる。補助ナット
(3) の締付けにより、この補助ナット(3) に作用する軸
線方向締付け力(F) が、テーパネジ部(21)におけるテー
パ嵌合効果により筒部(2)には半径方向締付け力(P) が
生じる。後者の半径方向締付け力(P) の成分は、前記テ
ーパネジ部(21)のネジ山の頂角θ1 が鈍角である程大き
くなる。極端な例としては、前記軸線方向締付け力(F)
が付与される限り前記テーパネジ部(21)の頂角θ1 は大
きな値でも良い。しかしながら、前記頂角θ1 は、テー
パネジ部(21)のテーパとの関係でその最大値が定めら
れ、圧力側のフランクが水平姿勢よりも立ち上がった姿
勢にあることが必須である。
通させたボルト(B) に螺合し、前記ナット主体(1) を最
終占めつけ位置に位置させた状態で、筒部(2) に螺合さ
せた補助ナット(3) を締付けると、既述した作用によ
り、筒部(2) が半径方向に締付けられる。補助ナット
(3) の締付けにより、この補助ナット(3) に作用する軸
線方向締付け力(F) が、テーパネジ部(21)におけるテー
パ嵌合効果により筒部(2)には半径方向締付け力(P) が
生じる。後者の半径方向締付け力(P) の成分は、前記テ
ーパネジ部(21)のネジ山の頂角θ1 が鈍角である程大き
くなる。極端な例としては、前記軸線方向締付け力(F)
が付与される限り前記テーパネジ部(21)の頂角θ1 は大
きな値でも良い。しかしながら、前記頂角θ1 は、テー
パネジ部(21)のテーパとの関係でその最大値が定めら
れ、圧力側のフランクが水平姿勢よりも立ち上がった姿
勢にあることが必須である。
【0019】なお、この例では、図4に示すように、筒
部(2) には、3つのスリット(22)を形成しているが、こ
のスリット(22)は1つでも良い。また、直径に応じて複
数のスリット(22)を形成するのが好ましい。また、テー
パネジ部(21)のネジ山は、図3に示すように、筒部(2)
の外周面のテーパの母線に対して、直角に突出するよう
に前記ネジ山の形状が設定されているが、このネジ山を
雌ネジ部(11)のネジ山と同様に、筒部(2) の軸線に対し
て直角に突出するネジ山としても良い。当然ながら、こ
の場合には、補助ナット(3)の雌ネジのネジ山も前記ネ
ジ山の形状に合わせる。
部(2) には、3つのスリット(22)を形成しているが、こ
のスリット(22)は1つでも良い。また、直径に応じて複
数のスリット(22)を形成するのが好ましい。また、テー
パネジ部(21)のネジ山は、図3に示すように、筒部(2)
の外周面のテーパの母線に対して、直角に突出するよう
に前記ネジ山の形状が設定されているが、このネジ山を
雌ネジ部(11)のネジ山と同様に、筒部(2) の軸線に対し
て直角に突出するネジ山としても良い。当然ながら、こ
の場合には、補助ナット(3)の雌ネジのネジ山も前記ネ
ジ山の形状に合わせる。
【0020】なお、前記ナット主体(1) 及び補助ナット
(3) の外周は6角形等の多角形断面形状に設定される、
一対の平行な工具対応用の平面部を具備する断面形状に
設定されていることは言うまでもない。前記筒部(2) に
おける前記ナット主体(1) と境界部に、前記テーパネジ
部(21)の最大径部よりも小さな直径の環状凹溝(20)を設
けるようにしてもよい。このような例としては、図5〜
図7に示すような構成が採用される。このものでは、図
7の拡大図に示すように、テーパネジ部(21)の大径側端
部に続けて環状凹溝(20)が前記筒部(2) の基端部に形成
されており、この環状凹溝(20)は、テーパネジ部(21)の
先端部の直径(最小径)に一致させている。
(3) の外周は6角形等の多角形断面形状に設定される、
一対の平行な工具対応用の平面部を具備する断面形状に
設定されていることは言うまでもない。前記筒部(2) に
おける前記ナット主体(1) と境界部に、前記テーパネジ
部(21)の最大径部よりも小さな直径の環状凹溝(20)を設
けるようにしてもよい。このような例としては、図5〜
図7に示すような構成が採用される。このものでは、図
7の拡大図に示すように、テーパネジ部(21)の大径側端
部に続けて環状凹溝(20)が前記筒部(2) の基端部に形成
されており、この環状凹溝(20)は、テーパネジ部(21)の
先端部の直径(最小径)に一致させている。
【0021】また、この環状凹溝(20)の軸線方向の幅は
筒部(2) の全長の40パーセント程度に設定されてい
る。具体的には、直径20mmのメートルネジのボルト
(B) に用いる緩み止めナットとして設計されており、前
記筒部(2) の長さは9.5mmに設定され、このうち前
記環状凹溝(20)の幅は3.5mmに設定されている。そ
して、前記テーパネジ部(21)のネジ山の聴覚は145度
に設定され、その頂角の二等分線がテーパネジ部(21)の
テーパの母線に対して直交する構成に設定されている。
筒部(2) の全長の40パーセント程度に設定されてい
る。具体的には、直径20mmのメートルネジのボルト
(B) に用いる緩み止めナットとして設計されており、前
記筒部(2) の長さは9.5mmに設定され、このうち前
記環状凹溝(20)の幅は3.5mmに設定されている。そ
して、前記テーパネジ部(21)のネジ山の聴覚は145度
に設定され、その頂角の二等分線がテーパネジ部(21)の
テーパの母線に対して直交する構成に設定されている。
【0022】また、前記スリット(22)は図6に示すよう
に筒部(2) の断面の円周を4等分する位置に夫々設けら
れており、これらの4つのスリット(22)は、前記筒部
(2) の断面の円に対して直径線上に一致するように走行
するカッターの等によって開削され、直径線上に位置す
る一対のスリット(22)を同時に開削した後、これらに対
して直交する位置に設けられた他方の一対のスリット(2
2)を開削することにより、2工程で前記4つのスリット
(22)の開削が完了する。
に筒部(2) の断面の円周を4等分する位置に夫々設けら
れており、これらの4つのスリット(22)は、前記筒部
(2) の断面の円に対して直径線上に一致するように走行
するカッターの等によって開削され、直径線上に位置す
る一対のスリット(22)を同時に開削した後、これらに対
して直交する位置に設けられた他方の一対のスリット(2
2)を開削することにより、2工程で前記4つのスリット
(22)の開削が完了する。
【0023】また、この4つのスリット(22)を具備する
ものでは、筒部(2) における隣り合うスリット(22)(22)
間の円弧状断面部の剛性が過度に低下しないから、補助
ナット(3) を締め付けた場合の前記筒部(2) の捩りに対
する強度も十分であり、このスリット間の筒部(2) の構
成壁が損傷、又は、劣化する心配がない。前記スリット
(22)の数(4本)は、ボルト(B) の直径、つまり、雌ネ
ジ部(11)の直径が30mm以下の場合に最適であり、こ
れよりも多くなっても、半径方向締付け力(P) への変換
効率が大きくはならない。雌ネジ部(11)の直径が30m
mよりも大きく、52mm程度までの場合には、前記ス
リット(22)の数は、6本にする。この場合には、前記ス
リット(22)は、円周を6等分した位置に設けられ、上記
開削方法と同様の方法により3工程で開削できる。
ものでは、筒部(2) における隣り合うスリット(22)(22)
間の円弧状断面部の剛性が過度に低下しないから、補助
ナット(3) を締め付けた場合の前記筒部(2) の捩りに対
する強度も十分であり、このスリット間の筒部(2) の構
成壁が損傷、又は、劣化する心配がない。前記スリット
(22)の数(4本)は、ボルト(B) の直径、つまり、雌ネ
ジ部(11)の直径が30mm以下の場合に最適であり、こ
れよりも多くなっても、半径方向締付け力(P) への変換
効率が大きくはならない。雌ネジ部(11)の直径が30m
mよりも大きく、52mm程度までの場合には、前記ス
リット(22)の数は、6本にする。この場合には、前記ス
リット(22)は、円周を6等分した位置に設けられ、上記
開削方法と同様の方法により3工程で開削できる。
【0024】雌ネジ部(11)は、汎用される種々のネジ山
が採用され得る。
が採用され得る。
【図1】従来の緩み止めナット機構の説明図
【図2】本発明の実施の形態の緩み止めナット機構の断
面図
面図
【図3】本発明の実施の形態の筒部(2) の拡大断面図
【図4】X−X断面図
【図5】他の実施の形態の断面図
【図6】そのテーパネジ部(21)の先端側からの正面図
【図7】この実施の形態の筒部の拡大断面図
(1) ・・・ナット主体 (2) ・・・筒部 (21)・・・テーパネジ部 (3) ・・・補助ナット (11)・・・雌ネジ部 (22)・・・スリット 尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 ナット主体(1) の端面からこのナット主
体(1) に対して同軸状に突出する筒部(2) と、前記筒部
(2) の外周面に形成されたテーパネジ部(21)と、前記テ
ーパネジ部(21)に螺合する補助ナット(3) とからなり、
前記ナット主体(1) には前記筒部(2) に貫通する雌ネジ
部(11)を設けると共に、前記筒部(2)には、その軸線に
平行なスリット(22)を前記筒部(2) の先端部から一定範
囲に設けた緩み止めナット機構。 - 【請求項2】 前記テーパネジ部(21)のテーパ比を1/
2〜1/5とし、そのネジ山の頂角を100度〜150
度に設定した請求項1に記載の緩み止めナット機構。 - 【請求項3】 前記スリット(22)は前記筒部(2) の断面
を4等分又は6等分する位置に設けられてなる請求項1
又は請求項2に記載の緩み止めナット機構。 - 【請求項4】 前記筒部(2) における前記ナット主体
(1) と境界部には、前記テーパネジ部(21)の最大径部よ
りも小さな直径の環状凹溝(20)を設けられている請求項
1から請求項4に記載の緩み止めナット機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20984696A JPH1047332A (ja) | 1996-08-08 | 1996-08-08 | 緩み止めナット機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20984696A JPH1047332A (ja) | 1996-08-08 | 1996-08-08 | 緩み止めナット機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1047332A true JPH1047332A (ja) | 1998-02-17 |
Family
ID=16579597
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20984696A Pending JPH1047332A (ja) | 1996-08-08 | 1996-08-08 | 緩み止めナット機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1047332A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107740807A (zh) * | 2017-11-29 | 2018-02-27 | 忻建国 | 一种利用锥形螺纹锁紧的组合防松螺母 |
CN109751323A (zh) * | 2019-01-29 | 2019-05-14 | 武筱茜 | 一种自锁螺纹副 |
WO2023176502A1 (ja) * | 2022-03-16 | 2023-09-21 | 日立Astemo株式会社 | 緩衝器および緩み止め構造 |
-
1996
- 1996-08-08 JP JP20984696A patent/JPH1047332A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107740807A (zh) * | 2017-11-29 | 2018-02-27 | 忻建国 | 一种利用锥形螺纹锁紧的组合防松螺母 |
CN107740807B (zh) * | 2017-11-29 | 2024-05-10 | 忻建国 | 一种利用锥形螺纹锁紧的组合防松螺母 |
CN109751323A (zh) * | 2019-01-29 | 2019-05-14 | 武筱茜 | 一种自锁螺纹副 |
WO2023176502A1 (ja) * | 2022-03-16 | 2023-09-21 | 日立Astemo株式会社 | 緩衝器および緩み止め構造 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060117 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20060404 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060822 |