JPH1047008A - ガスタービン用の静翼およびその製造方法 - Google Patents

ガスタービン用の静翼およびその製造方法

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JPH1047008A
JPH1047008A JP8217856A JP21785696A JPH1047008A JP H1047008 A JPH1047008 A JP H1047008A JP 8217856 A JP8217856 A JP 8217856A JP 21785696 A JP21785696 A JP 21785696A JP H1047008 A JPH1047008 A JP H1047008A
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JP
Japan
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core
cover plate
cooling
stationary blade
welding
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Application number
JP8217856A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Yamada
田 清 山
Yoshinobu Makino
野 吉 延 牧
Iwataro Sato
藤 岩太郎 佐
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却性能の高いガスタービン用の静翼の構造
を提供する。 【解決手段】 ガスタービン用の静翼は、一端が開口
し、他端が密閉された翼長方向に延在する中空部11を
有するとともに、表面10aと中空部11とを連通する
吹出通路13が形成された翼体10を備えている。翼体
10の両端には外側支持部20と、内側支持部30とが
設けられている。翼体10の中空部11内には、一端に
冷却空気を導入するための導入口42を有するとともに
側面41に冷却空気を吹出すための複数の冷却口43を
有し、中空部11の形状と対応した形状を有する筒状の
第1中子40が配置されている。外側支持部20を覆っ
てカバープレート60が設けられており、このカバープ
レート60には、第1中子40の形状に対応した孔61
が形成されている。第1中子40の導入口42の端はカ
バープレート60の孔61に挿入されるとともにカバー
プレート60に溶接され、第1中子40に外部から直接
冷却空気を供給することが可能となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービン用の
静翼および静翼の製造方法に係り、とりわけレーザー加
工および電子ビーム加工等の高エネルギー密度加工技術
を用いて製造されるガスタービン用の静翼および静翼の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の静翼の構造を図13および図14
に示す。従来の静翼は以下のようにして製造されてい
る。すなわち、まず、中空部111および112が形成
された翼体110と、外側および内側支持部120、1
30とからなる静翼本体(図13参照)が製造される。
次に、図14に示すように、中子140、150が翼体
の中空部111、112にそれぞれ挿入され、翼体11
0の上側開口周縁において中子140、150と翼体1
10とがTIG溶接により溶接される。次いで、翼体1
10の開口全体を覆うように第1カバープレート160
が配置されカバープレート160周縁と外側支持部12
0とがTIG溶接により溶接される。次に、内側支持部
130側において、図示しない第2カバープレートおよ
びその他のカバープレートが内側支持部130に対して
TIG溶接により溶接され、これにより図14に示す断
面構造を有する静翼が形成されている。
【0003】このような構造を有する静翼において、翼
体110を冷却する冷却空気は図15に示すように、カ
バープレート160に形成された複数の小孔164を通
って中子140の内部に導入され、中子140の側面に
形成された冷却口143を経て翼体110に形成された
冷却通路113を通って翼体110の表面に吹き出すよ
うになっている。
【0004】しかし、従来の静翼においては、冷却空気
がカバープレート160の小孔164を通って中子14
0の内部に導入されるため、必ずしも十分な空気流量が
得られない傾向にある。さらに、図14及び図15に示
すように、従来の中子140は底部が解放されているた
め、冷却空気が底部から抜けてしまい、冷却口143か
ら翼体110の冷却通路113に十分な流量の冷却空気
を供給することができないという問題がある。
【0005】次に、中子140の製造方法を図16に示
す。まず、図16(a)に示すように、所定形状を有す
る金属板を打ち抜き、複数の孔(冷却口)を形成する。
次に、図16(b)に示すように、冷却口が形成された
金属板は曲げ加工により所定の形状に成形され、次い
で、図16(c)に示すように、溶接線145に沿って
手動TIG溶接が行われ、これにより中子を得ている。
【0006】しかし、上記製造工程により中子140を
得る場合、溶接精度が必ずしも十分でないこと、および
溶接時の熱変形などにより、中子140自体の形状精度
が十分に得られなかったり、翼体110に形成された吹
出通路113と中子140に形成された冷却口143と
の位置ずれ等により、冷却空気の流れが阻害され翼体1
10の冷却効率が低下するという問題がある。
【0007】また、支持部120に取付けられるカバー
プレート160についても、上記中子と同様に、所定形
状を有する金属板に対して冷却空気導入用の孔161、
162、163、164が形成され、その後プレス成形
等の塑性加工が行われ所定の形状に成形されている。こ
のカバープレート160についても、プレス成形時に孔
161〜164の位置ずれが発生し成形後の冷却口16
1〜164の位置精度が十分に得られない場合がある。
【0008】また、翼体110の表面には、図18
(b)に示すように、耐熱性向上のため溶射によりセラ
ミックス等からなる遮熱被覆層180が形成され、その
後、吹出通路113が形成される。この吹出通路113
の穿孔には、細径孔を様々な角度から精度良く加工でき
るという理由により放電加工が用いられている。
【0009】しかし、放電加工を行うためには、被加工
物の表面が導電性を有していなければならないため、遮
熱被覆層180を形成する際、後に吹出通路113を穿
孔する部位には、マスキングを施すことにより、図18
(a)に示すように、遮熱被覆層が形成されない部位1
81を設ける必要がある。このようにして吹出通路11
13を形成した場合、吹出通路113の吹出口113a
の周囲には、図18(b)に示すように、遮熱被覆層1
80が形成されていない部位182が残ってしまう(図
19に図18(b)に対応する断面写真を示す)。この
部位182が残ると遮熱被覆層180の剥離や、吹出口
113aの周囲の部位182の耐熱性が十分に確保でき
ないという問題が生じやすい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来のガスタービン用の静翼においては、(1)構造上の
問題および製造技術上の問題に起因して冷却空気の最適
な流動経路が必ずしも確保されておらず(2)また、製
造技術上の問題に起因して翼体表面の冷却口周囲の遮熱
被覆層の耐久性等が必ずしも確保されていないという問
題がある。
【0011】本発明は、このようなことを考慮してなさ
れたものであり、レーザー加工および電子ビーム加工等
の高エネルギー密度加工技術を適用することにより製造
技術上の問題を解決するとともに、冷却空気の最適な流
動経路が得られるような構造を提供し、これにより高性
能なガスタービン用の静翼およびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、第1の手段は、ガスタービン用の静翼において、一
端が開口するとともに他端が密閉された翼長方向に延在
する中空部と、表面と前記中空部とを連通する吹出通路
とが形成された筒状の翼体と、前記翼体の両端に設けら
れた一対の支持部と、前記翼体の中空部内に配置され、
一端に冷却空気を導入するための導入口を有するととも
に側面に前記冷却空気を吹出すための冷却口を有し、前
記中空部の形状と対応した形状を有する筒状の中子と、
前記一対の支持部のうち一側の支持部を覆って設けら
れ、前記中子の形状に対応した孔が形成されたカバープ
レートとを備え、前記中子の一端は前記カバープレート
の孔に挿入されるとともに前記カバープレートに溶接さ
れ、前記中子に外部から直接冷却空気を供給することが
可能となっていることを特徴とするものである。
【0013】第1の手段によれば、中子の導入口から中
子の内部に冷却空気が直接導入され、中子の冷却口およ
び翼体の冷却通路を経て翼体の表面に向かって冷却空気
を吹出される。この場合、中子の一端はカバープレート
の孔部に挿入された後カバープレートに溶接され、中子
の内部に中子の外部から直接冷却空気を供給することが
可能となっているため、冷却空気の流れが円滑になる。
このため冷却性能の高い静翼を得ることができる。
【0014】第2の手段は、前記中子の他端は閉塞され
ていることを特徴とするものである。
【0015】第2の手段によれば、中子の他端(底部)
から冷却空気が抜けることがないため、中子の内部に導
入された冷却空気を効率よく中子の冷却口から吹出すこ
とができる。
【0016】第3の手段は、前記翼体の前縁近傍に対応
する位置に形成された前記中子の冷却口の孔径は、0.
4〜2.5mmであることを特徴とするものである。
【0017】第3の手段によれば、さらに冷却性能の高
い静翼を得ることができる。
【0018】第4の手段は、前記翼体の吹出通路は、表
面側の断面積が中空部側の断面積より大きくなっている
ことを特徴とするものである。
【0019】第4の手段によれば、吹出通路における冷
却空気の吹出流れが円滑となるため、さらに冷却性能の
高い静翼を得ることができる。
【0020】第5の手段は、前記カバープレートと前記
支持部とはレーザービーム溶接または電子ビーム溶接に
より接合されていることを特徴とするものである。
【0021】第5の手段によれば、カバープレートと支
持部との位置精度が高くなるため、より冷却空気の流れ
を円滑にすることができる。このため、さらに冷却性能
の高い静翼を得ることができる。
【0022】第6の手段は、前記カバープレートと前記
中子とはレーザービーム溶接または電子ビーム溶接によ
り接合されていることを特徴とするものである。
【0023】第6の手段によれば、いずれも薄い板材に
より形成されているカバープレートおよび中子を熱変形
させることなく精度よく溶接することができる。
【0024】第7の手段は、前記カバープレートの周縁
に折り曲げ加工により形成されたフランジ部が設けられ
ていることを特徴とするものである。
【0025】第7の手段によれば、カバープレートの周
縁は折り曲げ加工されているため、カバープレートの剛
性が向上する。また、フランジ部はカバープレートと取
付部との溶接代となり、このフランジ部に沿って溶接を
行うことにより、カバープレートと支持部とを精度よく
溶接することができる。
【0026】第8の手段は、ガスタービン静翼用の中子
の製造方法において、金属板を略筒状の所定形状に成形
する工程と、成形された金属板をレーザービームにより
穿孔し冷却口を形成する工程とを備えたことを特徴とす
るものである。
【0027】第9の手段は、ガスタービン静翼用のカバ
ープレートの製造方法において、金属板を所定形状に成
形する工程と、成形された金属板をレーザービームによ
り穿孔し冷却孔を形成する工程とを備えたことを特徴と
するものである。
【0028】第8および第9の手段によれば、全体が変
形するおそれのある成形工程の後に冷却口(孔)が形成
されるため、冷却口(孔)の位置精度を向上させること
ができる。
【0029】第10の手段は、ガスタービン静翼の製造
方法において、翼体および支持部からなる静翼本体と、
中子と、カバープレートとを製造し準備する第1工程
と、前記中子と前記カバープレートをレーザービーム溶
接または電子ビーム溶接により溶接する第2工程と、前
記カバープレートと前記支持部とをレーザービーム溶接
または電子ビーム溶接により溶接する第3工程とを備え
たことを特徴とするものである。
【0030】第11の手段は、前記第1工程において、
前記中子は請求項8記載の製造方法により製造されてい
ることを特徴とするものである。
【0031】第12の手段は、前記第1工程において、
前記カバープレートは請求項9記載の製造方法により製
造されていることを特徴とするものである。
【0032】第13の手段は、前記静翼本体の表面に遮
熱被覆層を形成する工程と、前記静翼本体の表面側の遮
熱被覆層の上からレーザービームにより穿孔し、吹出通
路を形成する工程と、を更に備えたことを特徴とするも
のである。
【0033】第13の手段によれば、レーザービームに
より穿孔が行われるため、被加工物の表面が非導電性物
質(例えば通常セラミックスからなる遮熱被覆層)であ
る場合にも、穿孔が可能である。このため放電加工によ
り穿孔を行う場合等のように、導電性物質である翼体の
表面を予め露出させておく必要はない。このため翼体の
表面側の吹出通路の出口において、遮熱被覆層が形成さ
れていない部分が無くなる。このため遮熱被覆層の剥離
が発生しにくくなるとともに、翼体自体が高温酸化等に
より損傷を受けにくくなる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1乃至図12は本発明の
一実施形態を示す図である。
【0035】図1に示すように、ガスタービン用の静翼
は、前縁側に形成された中空部11と後縁側に形成され
た中空部12とを有する翼体10と、翼体10の両側に
配置された外側支持部20および内側支持部30と、翼
体10の中空部11、12内にそれぞれ配置された第1
中子40および第2中子50と、外側支持部20の上面
を覆う第1カバープレート60とを備えている。
【0036】図1および図4に示すように、翼体10の
中空部11、12は、翼体10の翼長方向(図4におけ
る上下方向)に延びている。中空部11、12の外側支
持部20側の端は開口し、内側支持部30側の端は密閉
されている。中空部11および12は、翼体10の前縁
側および後縁側の断面形状にそれぞれ対応した断面形状
を有している。また、翼体10には中空部11または1
2と翼体10の外部とを連通する複数の吹出通路13が
形成されている。この吹出通路13の断面形状は、表面
10a側が扇型に広がり、表面10a側の断面積が中空
部11、12側の断面積より大きくなっている(図5
(b)参照)。
【0037】図3に示すように、第1中子40は、翼体
10の中空部11の断面形状に対応した断面形状を有し
ている。また、図1、図3および図4に示すように、第
1中子40の上側端部は開放され冷却空気を導入するた
めの導入口42が形成されており、一方、第1中子40
の下側端部は底板44により閉塞されている。また、図
1に示すように、第1中子40の後側面41aを除く側
面41には、導入口42から導入された冷却空気を吹出
すための複数の冷却口43が形成されている。また、冷
却口43のうち翼体10の前縁近傍に対応する位置に形
成された冷却口の孔径は、0.4〜2.5mmとなって
おり、この冷却口の孔径は、上限値が冷却空気の供給限
界に基づいて設定されており、下限値が加工限界に基づ
いて設定されており、この孔径にすることにより、最適
な冷却効果を得ることができる。なお、他の部位に形成
された冷却口の孔径は温度上昇の大きい部位については
前記値に比べてやや大きめに設定されている。
【0038】また、図1に示すように、第2中子50
は、翼体10の中空部12の断面形状に対応した略三角
柱形状を有している。図1および図4に示すように、第
2中子50の上側端部は開放され冷却空気を導入するた
めの導入口52が形成されており、一方、第2中子50
の下側端部は底板53により閉塞されている。また、図
1に示すように、第2中子50の前側面51aを除く側
面51には、導入口52から導入された冷却空気を吹出
すための複数の冷却口53が形成されている。図1及び
図4に示すように、第2中子50は翼体10の中空部1
2に挿入されており、外側支持部20上面と第2中子5
0の上端部との境界面Bはタングステンイナートガス溶
接(以下「TIG溶接」という)により全周が溶接され
ている。
【0039】また、図1および図3に示すように、第1
カバープレート60には、第1中子40の形状に対応し
た孔61が形成されている。この孔61には、図3に示
すように、第1中子40の上端部が挿入されており、第
1カバープレート60と第1中子40との境界面Aはレ
ーザービーム溶接(以下「RB溶接」という)により全
周が溶接されている。また、第1カバープレート60に
は、第2中子50の位置と一部が重なる位置に円形の孔
62が、また、翼体10からややずれた位置に円形の孔
63がそれぞれ形成されている。さらに、第1カバープ
レート60には、その全面に複数の小孔64が碁盤目状
に規則的に形成されている。
【0040】また、第1カバープレート60の周縁に
は、折曲げ加工により形成されたその全周にわたってフ
ランジ65が設けられており、第1カバープレート60
のフランジ65部の全周(図4矢印C参照)は外側支持
部20の上面と電子ビーム溶接(以下「EB溶接」とい
う)により溶接されている。
【0041】また、図2に示すように、内側支持部30
側には、第2カバープレート70が設けられている。第
2カバープレート70の周縁には、第1カバープレート
60と同様に、その全周にわたってフランジ71が形成
されており、第2カバープレート70のフランジ71部
の全周は内側支持部30とEB溶接により溶接されてい
る。さらに、内側支持部30側には、第3カバープレー
ト75および第4カバープレート76が設けられてお
り、第3および第4カバープレート75、76は、各々
その周縁においてTIG溶接により内側支持部30に溶
接されている。
【0042】以上のような構成を有する静翼は、翼体1
0の全面と、外側支持部20および内側支持部30の翼
体10側の表面がセラミックス等の材料からなる遮熱被
覆層80(図5(b)参照)により覆われている。
【0043】次に、このような構成からなる本実施形態
の作用について説明する。
【0044】まず、静翼の製造方法について説明する。
【0045】まず、翼体10、外側支持部20、内側支
持部30からなる静翼本体の外形が、通常の鋳造、溶接
および機械加工等の製造技術を適宜組合わせることによ
り、完成品と略同一形状(吹出通路13が形成される前
の状態)に形成される。次いで、静翼本体10、20、
30の所定部分に遮熱被覆層80が溶射等の手法により
形成される。
【0046】次いで、翼体10の所定位置(図1参照)
に吹出通路13が形成される。この吹出通路13は、レ
ーザービームにより翼体10を遮熱被覆層80側から遮
熱被覆層80ごと穿孔することにより形成される。この
ようにすると、レーザービームにより穿孔を行う場合の
特有の現象として、吹出通路13の断面形状が、図6の
写真で示すように、翼体10の表面10a側が扇型に広
がり、表面10a側の断面積が中空部11、12側の断
面積よりも大きくなった吹出通路13が形成される。
【0047】また、レーザービームにより穿孔を行う方
法によれば、放電加工により穿孔を行う場合のように、
遮熱被覆層80を形成する前に穿孔部分に予めマスキン
グ行う必要がないため、翼体10の表面10aに遮熱被
覆層80が形成されていない部分がなくなる。このた
め、遮熱被覆層80の剥離等の問題が発生することを防
止することができる(従来技術を示す図18及び図19
を比較して参照)。また、マスキング自体にかかる工数
も不要となるため製造コストを低減することができる。
【0048】なお、同様にして、外側支持部20、内側
支持部30にも吹出通路が形成されるが、この場合も上
記作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
【0049】次に、第1中子40が形成される。第1中
子40の形成にあたっては、まず、図8(a)に示すよ
うに、略矩形の所定形状を有する金属板45が準備され
る。準備された金属板は、図8(b)に示すように折り
曲げられ、ほぼ第1中子40の形状となる。この場合、
金属板45の両端46は溶接代を形成するように所定量
重ね合わされる。
【0050】次いで、図8(c)に示すように,金属板
45の両端46の重ね合わせ部分がRB溶接により溶接
され、次いで、第1中子40の側面41がレーザービー
ムにより穿孔され、複数の冷却口43が形成される。ま
た、図9(a)〜(c)に示すように、第1中子40と
同様にして第2中子50が形成される。
【0051】次に、第1中子40の底側端縁側の開口の
形状に対応した形状を有し、第1中子40を形成する金
属板と同一の材料からなる底板44が準備される。底板
44は、図4に示すように、第1中子40の底側端縁側
の開口を覆うように配置され、RB溶接により第1中子
40と溶接され、これにより第1中子40の底側端縁側
の開口は閉塞される。また、上記と同様の手法により、
第2中子50の底側端縁側の開口が閉塞される。
【0052】次に、図10(a)〜(c)に示すよう
に、第1カバープレート60が形成される。第1カバー
プレート60の製造にあたっては、まず、図10(a)
に示すように、所定形状を有する金属板68が準備され
る。準備された金属板68は、図10(b)に示すよう
にプレス成形により、周縁が折り曲げ加工され、フラン
ジ65が形成される。また、このプレス成形時に孔6
1、62、63が打ち抜きにより形成される。このプレ
ス成形によりほぼ第1カバープレート60の形状とな
る。この場合、フランジ65を形成することにより第1
カバープレート60全体の断面形状が凹形状となる(図
4参照)ため、第1カバープレート60全体の剛性が向
上し、後の工程で溶接代となるフランジ65が湾曲しな
いようになっている。
【0053】次に、図10(c)に示すように、第1カ
バープレート60の面66がレーザービームにより穿孔
され、複数の小孔64が形成される。これにより第1カ
バープレート60の製造が終了する。
【0054】また、図11(a)〜(c)に示すよう
に、第1カバープレート60と同様にして第2カバープ
レート70が製造される。
【0055】さらに、図2に示すような第3カバープレ
ート71および第4カバープレート72が形成される。
なお、第3カバープレート71および第4カバープレー
ト72は、単に金属板を所定の形状に打ち抜くことのみ
により形成される。
【0056】次に、図4および図10(d)に示すよう
に、第1中子40が第1カバープレート60の孔61に
挿入される。この場合、挿入は、第1中子40の上側端
縁と第1カバープレート60表面との段差がないように
行われる。次いで、第1中子40と第1カバープレート
60の境界部(図4矢印A参照)がRB溶接により溶接
され、第1中子40および第1カバープレート60から
なる結合体が形成される。
【0057】次に、図4に示すように、第2中子50
が、翼体10の中空部12に挿入され、第2中子50の
導入口52側と中空部12の上側開口部周縁との境界部
(図4矢印B参照)がTIG溶接により溶接される。
【0058】次に、図4に示すように、第1中子40お
よび第1カバープレート60からなる結合体のうち第1
中子40が、翼体10の中空部11に挿入され、また、
第1カバープレート60の周縁のフランジ65は外側支
持部20の上面に当接する。次いで、第1カバープレー
ト60の周縁のフランジ65を溶接代として第1カバー
プレート60と外側支持部20とが全周溶接される。こ
の場合、溶接はレーザー発振機(図示せず)により発振
されたレーザー光16を集光レンズ15により集光され
たレーザービームにより行われる。なお、レーザー光1
6を照射することができない狭隘部がある場合は、電子
ビーム溶接により溶接を行ってもよい。
【0059】次に、図2に示すように、第2〜4カバー
プレート70,71,72が内側支持部30に溶接され
る。このうち第2カバープレート70は第1カバープレ
ート60と同様にして、フランジ75溶接代として内側
支持部30に溶接される。また、第3および第4カバー
プレート71,72がTIG溶接により内側支持部30
に溶接される。なお、溶接は第3および第4カバープレ
ート71,72の各周縁に沿って行われる。
【0060】以上によりガスタービン用の静翼の製造が
終了する。なお、上述した製造方法において、RB溶接
により溶接される部位をEB溶接により溶接してもよ
く、またEB溶接により溶接される部位をRB溶接によ
り溶接してもよい。
【0061】次に、この静翼における冷却空気の流れ作
用について説明する。
【0062】本発明による静翼は、ケーシング(図示せ
ず)に取付けられており、このケーシングに設けられた
冷却空気供給口(図示せず)から第1カバープレート6
0の上側に向けて、冷却空気が吹出される。この冷却空
気は、第1カバープレート60に形成された孔61、6
2、63および小孔64から、翼体10の中空部11お
よび12に収容された中子40および50にそれぞれ導
入される。中子40、50に導入された冷却空気は、中
子40および50の各側面41、51に形成された冷却
口43、53をそれぞれ通過し、翼体10に形成された
吹出通路13を通って翼体10の外側に吹出される。
【0063】この場合、図12に示すように、ケーシン
グに設けられた冷却空気供給口から吹出された冷却空気
は、第1中子40の導入口42から中子40内に直接導
入することができるようになっているので、効率よく中
子40内に冷却空気が導入される。また、第1中子40
の底部は底板44により閉塞されているため、導入口4
2から導入された冷却空気は底部から抜けることなく側
面41に形成された冷却口43から翼体10の翼面方向
に効率よく吹出される。また、第1中子40の製造工程
のうち最終工程において冷却口43が形成されるように
なっているため、冷却口43の位置精度が高くなってい
る。このため、第1中子40の冷却口43の位置と翼体
10の冷却通路13の位置とを精度良く合致させること
ができる。このため翼体10の冷却通路13を通る冷却
空気の流量が増大し、翼体10の冷却効率を向上させる
ことができる。
【0064】さらに、吹出通路13の断面形状は、表面
10a側が扇型に広がり、表面10a側の断面積が中空
部11、12側の断面積より大きくなっているため、中
空部11、12から冷却通路13を経て翼体10の表面
10a側へ冷却空気が円滑に流れるため、冷却効率を向
上させることができる。
【0065】なお、吹出通路13は、図7(b)に示す
ように、まず翼表面に対して略30度をなし吹出口13
aが翼本体10の後縁方向を向いた下穴を穿孔した後、
翼表面に対して略5度をなし翼本体10の後縁方向を向
いた上穴を穿孔することにより形成してもよい。このよ
うにすれば、図7(a)に示すように後縁に向かって広
がった吹出口13aが形成され翼本体10の表面に沿っ
て流れる冷却空気の流れ(図7矢印F1参照)に沿って
吹出通路13から冷却空気がスムーズに噴出(図7矢印
F2参照)するため、吹出通路13の吹出口13aの周
辺における翼本体10の冷却効率をさらに高めることが
できる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
冷却性能の高い静翼を低コストで得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による静翼の構成を示す分解斜視図。
【図2】本発明による静翼の構成を示す分解斜視図。
【図3】静翼を外側取付部から見た平面図。
【図4】静翼の内部構造を示す図であって、図3におけ
るA−A断面を示す図。
【図5】翼体の冷却通路の加工方法および形成された冷
却通路の断面形状を示す図。
【図6】図5(b)に対応し、翼体の冷却通路の断面形
状を示す断面写真。
【図7】翼体の冷却通路の他の実施形態を示す図。
【図8】第1中子の製造工程を示す図。
【図9】第2中子の製造工程を示す図。
【図10】第1カバープレートの製造方法および第1カ
バープレートと第1中子との溶接方法を示す図。
【図11】第2カバープレートの製造方法を示す図。
【図12】冷却空気の流れを示す図。
【図13】従来の静翼本体を示す斜視図。
【図14】従来の静翼の内部構造を示す断面図。
【図15】従来の静翼における冷却空気の流れを示す
図。
【図16】従来の第1中子の製造工程を示す図。
【図17】従来の第1カバープレートの製造方法を示す
図。
【図18】従来の翼体の冷却通路の加工方法および形成
された冷却通路の断面形状を示す図。
【図19】図18(b)に対応し、従来の翼体の冷却通
路の断面形状を示す断面写真。
【符号の説明】
10 翼体 11 中空部 13 吹出通路 20 第1支持部 30 第2支持部 40 中子 42 導入口 43 冷却口 44 底板 61 孔 60 (第1)カバープレート

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一端が開口するとともに他端が密閉された
    翼長方向に延在する中空部と、表面と前記中空部とを連
    通する吹出通路とが形成された翼体と、 前記翼体の両端に設けられた一対の支持部と、 前記翼体の中空部内に配置され、一端に冷却空気を導入
    するための導入口を有するとともに側面に前記冷却空気
    を吹出すための冷却口を有し、前記中空部の形状と対応
    した形状を有する筒状の中子と、 前記一対の支持部のうち一側の支持部を覆って設けら
    れ、前記中子の形状に対応した孔が形成されたカバープ
    レートと、を備え、 前記中子の一端は前記カバープレートの孔に挿入される
    とともに前記カバープレートに溶接され、前記中子に外
    部から直接冷却空気を供給することが可能となっている
    ことを特徴とするガスタービン用の静翼。
  2. 【請求項2】前記中子の他端は閉塞されていることを特
    徴とする請求項1記載の静翼。
  3. 【請求項3】前記翼体の前縁近傍に対応する位置に形成
    された前記中子の冷却口の孔径は、0.4〜2.5mm
    であることを特徴とする請求項1記載の静翼。
  4. 【請求項4】前記翼体の吹出通路は、表面側の断面積が
    中空部側の断面積より大きくなっていることを特徴とす
    る請求項1記載の静翼。
  5. 【請求項5】前記カバープレートと前記支持部とはレー
    ザービーム溶接または電子ビーム溶接により接合されて
    いることを特徴とする請求項1記載の静翼。
  6. 【請求項6】前記カバープレートと前記中子とはレーザ
    ービーム溶接または電子ビーム溶接により接合されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の静翼。
  7. 【請求項7】前記カバープレートの周縁に折り曲げ加工
    により形成されたフランジ部が設けられていることを特
    徴とする請求項1記載の静翼。
  8. 【請求項8】金属板を略筒状の所定形状に成形する工程
    と、 成形された金属板をレーザービームにより穿孔し冷却口
    を形成する工程と、を備えたことを特徴とする静翼用の
    中子の製造方法。
  9. 【請求項9】金属板を所定形状に成形する工程と、 成形された金属板をレーザービームにより穿孔し孔を形
    成する工程と、を備えたことを特徴とする静翼用のカバ
    ープレートの製造方法。
  10. 【請求項10】翼体および支持部からなる静翼本体と、
    中子と、カバープレートとを製造し準備する第1工程
    と、 前記中子と前記カバープレートとをレーザービーム溶接
    または電子ビーム溶接により溶接する第2工程と、 前記カバープレートと前記支持部とをレーザービーム溶
    接または電子ビーム溶接により溶接する第3工程と、を
    備えたことを特徴とする静翼の製造方法。
  11. 【請求項11】前記第1工程において、前記中子は請求
    項8記載の製造方法により製造されていることを特徴と
    する請求項10記載の静翼の製造方法。
  12. 【請求項12】前記第1工程において、前記カバープレ
    ートは請求項9記載の製造方法により製造されているこ
    とを特徴とする請求項10記載の静翼の製造方法。
  13. 【請求項13】前記静翼本体の表面に遮熱被覆層を形成
    する工程と、 前記静翼本体の表面側の遮熱被覆層の上からレーザービ
    ームにより穿孔し、吹出通路を形成する工程と、を更に
    備えたことを特徴とする請求項10記載の静翼の製造方
    法。
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