JPH1046925A - ジッパ−ガスケットを用いたパネル固定装置及びその ジッパ−ガスケット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 カーテンウォール等のパネルを，ジッパーガ
スケットを用いて室外側から容易且つ確実に固定し得る
ようにする。 【解決手段】 ジッパーガスケット２０を，一対のガス
ケット基体２１とジッパー２８の３部材構成とし，方立
２等のＣ字溝条５に，一対のガスケット基体２１を順次
に装着自在とすることにより，ガスケット装着に伴う圧
縮変形と摩擦を減少させて，Ｃ字溝条５に装着基部２２
を密嵌係止するようにし，更にこの一対のガスケット基
体２１間にジッパー２８を圧入装着することにより，こ
れらを一体化するようにして，その張出し舌条２６をパ
ネルＢに圧接させて，パネルＢの固定を行うようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は建物のカーテンウォ
ール，トップライト，サッシ等に好適に用いられるジッ
パーガスケットを用いたパネル固定装置及びそのジッパ
ーガスケットに関する。

【０００２】

【従来の技術】カーテンウォール，トップライト（採光
屋根），サッシ等において硝子その他の外装用又は遮閉
用のパネルを，方立や無目，桁や母屋，サッシ窓枠等の
パネル固定枠に固定するには，一般にガスケットが用い
られており，例えばこのガスケットとして，パネル固定
枠のＣ字溝条に係止嵌入装着用の嵌入基部及び該嵌入基
部の正面側両側においてパネルの隣接端部を受入れグリ
ップするグリップ部による楕円棒状一体のガスケット
（シーリンググリップともいわれる）と，該ガスケット
のグリップ部先端側に圧入装着するジッパー（ロックス
トリップともいわれる）とによる２部材構成のジッパー
ガスケットを用いるものとし，一方のパネルの隣接端部
（又はこれに代るパネル固定枠の固定条）を受入れグリ
ップするようにしてＣ字溝条に嵌入基部を係止嵌入装着
した後，他方のパネルの隣接端部を受入れグリップする
ように該パネルをグレージングし，然る後ジッパーを圧
入装着することによって，パネル固定枠に対するパネル
の固定を行うようにするものとされ，或いはパネル固定
枠の，それぞれ対向面に複数又は多数条の歯合リブを形
成して歯合面としたＥ字溝条に歯合嵌入装着用にして同
じくそれぞれ外側面に複数又は多数条の歯合リブを形成
して歯合面とした分岐一対の嵌入基部及び該嵌入基部の
正面側両側のパネル圧接用の張出し舌条をＴ字状一体に
して単一部材構成のガスケットを用いるものとし，Ｅ字
溝条に上記分岐一対の嵌入基部を歯合嵌入装着すること
によって該パネル固定枠にグレージングしたパネルをそ
の室外側の隣接端部において固定するようにするものと
される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前者の２部材構成のジ
ッパーガスケットを用いるものにあっては，パネル固定
枠に対するパネルの固定工事が煩雑化し易い一方，後者
の単一部材構成のガスケットを用いるものにあっては，
パネル固定枠にグレージングしたパネルの外周に室外側
からガスケットを押縁状に装着することができ，上記煩
雑さを解消し得るが，これらはＣ字溝条又はＥ字溝条に
それぞれ嵌入基部を圧縮変形することにより嵌入装着す
るものである上，前者は嵌入基部の装着に際して，Ｃ字
溝条の口狭開口を嵌入基部が圧縮変形することによって
通過した後，口狭開口の対向突条を嵌入基部の反発弾性
によってその両側受条等の係止部に適格に受入れ係止す
ることによって係止嵌入装着を行うようにする必要があ
り，また後者は，同じくＥ字溝条の歯合面を分岐嵌入基
部，特にその歯合面が圧縮変形することによって通過し
た後，Ｅ字溝条の歯合面に嵌入基部の反発弾性によって
それぞれの歯合面を適格に歯合することによって歯合嵌
入装着を行うようにする必要がある。

【０００４】これらガスケットは，一般にクロロプレン
ゴム，シリコンゴム，ＥＰＤＭ（エチレン・プロピレン
ゴム）等合成ゴム系の押出成型品とされることにより，
好ましい反発弾性と小さな摩擦抵抗を備えたものとし得
るが，ガスケットがその材質上これらを備えており，上
記係止嵌入装着又は歯合嵌入装着がこれを利用したもの
であるとしても，その適格な装着は必ずしも容易ではな
く，このためガスケットのパネル固定枠への装着作業の
作業性は良好とはいえず，更に装着作業によっては，適
格な装着，即ち所望の係止嵌入，歯合嵌入が充分に行わ
れず，前者において対向突条の一方が係止部に引掛り状
となって，ガスケットが変形した状態に装着されたり，
後者においていずれかの歯合面の歯合が得られないま
ま，単に嵌入された状態に装着されたりして，装着不良
を招く可能性があり，ひいてはパネルの固定不良を招く
可能性もある。

【０００５】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であって，その解決課題とする処は，パネル固定工事が
容易であり且つ固定枠に対するガスケット装着の作業性
を向上し，その適格な装着とパネルの固定を簡易にして
確実になし得るようにしたジッパーガスケットを用いた
パネル固定装置及びそのジッパーガスケットを提供する
にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題に添って本発明
は，パネル固定工事の容易性確保のために，ガスケット
をグレージング（パネルを嵌め込み設置すること）した
パネルに対して室外側から押縁状に装着し得るものと
し，パネル固定枠への装着の作業性確保のために上記ガ
スケットを，パネル固定枠のＣ字溝条に対して順次に装
着自在とすることによりこれに密嵌係止自在とし又は更
に他の部材を用いることによりこれに密嵌係止自在と
し，またパネル固定の簡易性と確実性確保のために，パ
ネルに対するガスケットの圧接保持をなし得るようにジ
ッパーを用いるようにするものとし，そのためにガスケ
ットを，それぞれ装着基部とその室外側の張出し舌条を
Ｌ字状一体に具備した一対のガスケット基体とジッパー
とによる３部材構成のジッパーガスケットによるものと
し，一対のガスケット基体を，パネル固定枠のＣ字溝条
に順次に装着することによって，その反発弾性と小さな
摩擦抵抗をより有効に利用してＣ字溝条に密嵌係止し，
又は順次の装着後に装着基部間に後付状に介設部材を介
設し，これを反発弾性を発揮させるスペーサーとするこ
とによってＣ字溝条に密嵌係止するものとする一方，こ
れら一対のガスケット基体を用いることによって予想さ
れるパネル保持力の低下防止のために，ジッパーによっ
て，ガスケットとしての一体性を高め且つ張出し舌条を
パネルに圧接する楔作用を果すようにしたものである。

【０００７】即ち請求項１に係る発明は，これをパネル
固定枠のＣ字溝条にジッパーガスケットを装着すること
によって該パネル固定枠にグレージングしたパネルをそ
の室外側の隣接端部において固定するパネル固定装置で
あって，それぞれパネル固定枠のＣ字溝条に装着用の装
着基部及びその室外側のパネル圧接用の張出し舌条をＬ
字状又はＶ字状一体に具備した一対のガスケット基体
と，該一対のガスケット基体の上記張出し舌条間に圧入
装着するジッパーとによる３部材構成のジッパーガスケ
ットを備え，上記パネル固定枠のＣ字溝条に上記一対の
ガスケット基体を順次に装着自在とするとともに該順次
の装着によりこれらの装着基部をＣ字溝条に密嵌係止自
在とし且つ上記ジッパーの圧入装着により一対のガスケ
ット基体の各張出し舌条を上記グレージングしたパネル
の室外側隣接端部に圧接自在としてなることを特徴とす
るジッパーガスケットを用いたパネル固定装置とし，請
求項２に係る発明は，これをパネル固定枠のＣ字溝条に
ジッパーガスケットを装着することによって該パネル固
定枠にグレージングしたパネルをその室外側の隣接端部
において固定するパネル固定装置であって，それぞれパ
ネル固定枠のＣ字溝条に装着用の装着基部及びその室外
側のパネル圧接用の張出し舌条をＬ字状又はＶ字状一体
に具備した一対のガスケット基体と，該一対のガスケッ
ト基体の上記張出し舌条間に圧入装着するジッパーとに
よる３部材構成のジッパーガスケット並びに上記一対の
ガスケット基体の装着基部間に挿入介設する抜止め部材
を備え，上記パネル固定枠のＣ字溝条に上記一対のガス
ケットを順次に装着自在とするとともに該順次の装着後
に装着基部間に挿入介設した抜止め部材をスペーサーと
することによりこれらの装着基部をＣ字溝条に密嵌係止
自在とし且つ上記ジッパーの圧入装着により一対のガス
ケット基体の各張出し舌条を上記グレージングしたパネ
ルの室外側隣接端部に圧接自在としてなることを特徴と
するジッパーガスケットを用いたパネル固定装置とし，
請求項３に係る発明は，これをパネル固定枠のＣ字溝条
に装着することによって該パネル固定枠にグレージング
したパネルをその室外側の隣接端部において固定するジ
ッパーガスケットであって，それぞれパネル固定枠のＣ
字溝条に装着用の装着基部及びその室外側のパネル圧接
用の張出し舌条をＬ字状又はＶ字状一体に具備し，上記
パネル固定枠のＣ字溝条に順次に装着自在とするととも
に該順次の装着により又は該順次の装着後に装着基部間
に挿入介設する抜止め部材をスペーサーとすることによ
り装着基部を上記Ｃ字溝条に密嵌係止自在とした一対の
ガスケット基体と，該一対のガスケット基体の上記張出
し舌条間に圧入装着することにより，一対のガスケット
基体の各張出し舌条を上記グレージングしたパネルの室
外側隣接端部に圧接自在としたジッパーとを備えて３部
材構成としてなることを特徴とするジッパーガスケット
とし，これらをそれぞれ発明の要旨として上記課題解決
の手段としたものである。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下図面に従って本発明を更に具
体的に説明すれば，図１乃至図５においてＡはカーテン
ウォール，Ｂはその外装用にして本例においてペア硝子
（複層ガラス）によるものとしたパネル，１はパネル固
定枠，２及び３は該パネル固定枠１を矩形又は方形状に
区画形成するその構成枠材の方立及び無目，４はこれら
方立２及び無目３をそのアルミ押出材による本体ととも
に形成し，該方立２及び無目３の断熱性を確保するよう
に本例においてこれに一体的に用いて上記パネル固定枠
１のＣ字溝条５を形成する，樹脂押出材による断熱用の
アタッチメント材，２０はジッパーガスケットをそれぞ
れ示す。

【０００９】カーテンウォールＡにおけるパネルＢは，
パネル固定枠１のＣ字溝条５にジッパーガスケット２０
を装着することによって該パネル固定枠１にグレージン
グしたパネルＢをその室外側の隣接端部において固定す
るものとしてあり，このとき上記ジッパーガスケット２
０は，それぞれパネル固定枠１のＣ字溝条５に装着用の
装着基部２２及びその室外側のパネル圧接用の張出し舌
条２６をＬ字状又はＶ字状一体に具備した一対のガスケ
ット基体２１と，該一対のガスケット基体２１の上記張
出し舌条２６間に圧入装着するジッパー２８とによる３
部材構成のものとし，且つ上記パネル固定枠１のＣ字溝
条５に上記一対のガスケット基体２１を順次に装着自在
とするとともに該順次の装着によりこれらの装着基部２
２をＣ字溝条５に密嵌係止自在とし且つ上記ジッパー２
８の圧入装着により一対のガスケット基体２１の各張出
し舌条２６を上記グレージングしたパネルＢの室外側隣
接端部に圧接自在としてなるものとしてある。

【００１０】即ち本例にあってジッパーガスケット２０
は，反発弾性と小さな摩擦抵抗を有するクロロプレンゴ
ム，シリコンゴム，ＥＰＤＭ等合成ゴム系のうち，特に
好ましい性状を呈するシリコンゴムをその一対のガスケ
ット基体２１とジッパー２８の双方に用いて押出成型し
た，シリコンゴム押出材製のものとしてあり，このとき
一対のガスケット基体２１は，パネル固定枠１，本例に
あってはアタッチメント材４のＣ字溝条５における内法
幅を等分するか又はこれより僅かに大とする幅寸法を有
してＣ字溝条５装着時にその底壁に対接する奥行（高
さ）寸法を有し，一側奥行方向中間位置にＬ字状段部を
なす如くにした一側係止部２４を形成具備した厚肉ブロ
ック状の装着基部２２と，該装着基部２２の室外側一側
に，肉厚を幾分薄くしたくびれ部を介して上記一側係止
部２４側，即ちアタッチメント材４の一側パネルＢ側に
厚肉翼板状に張出し形成し，その先端を先細化する一
方，後端を装着基部２２より張出し方向に偏位させ，後
端縁を倒Ｖ字状に突出させた張出し舌条２６とによって
厚肉中実のパネル直列配置用にＬ字状一体のものとして
形成してある。

【００１１】ガスケット基体２１は，本例にあって，同
一形状にして単一の押出材を共用することによって，上
記Ｃ字溝条５に装着するについて，該Ｃ字溝条５の幅方
向にこれを対称に一対配置使用するようにして，その部
材の共通化を図ったものとしてある。

【００１２】一方ジッパー２８は，上記一対のガスケッ
ト基体２１をパネル固定枠１のＣ字溝条５に装着した際
に装着基部２２室外側にして張出し舌条２６間に形成さ
れるジッパー溝条２７に合致する断面形状，本例にあっ
ては上記くびれ部と張出し舌条２６の偏位した後端縁と
によって形成される一端開口にして断面つぼ状のジッパ
ー溝条２７に合致するつぼ状の断面形状のバー材乃至ス
トリップ材によるものとしてある。

【００１３】このジッパーガスケット２０によるパネル
Ｂの固定は，上記方立２又は無目３を共通にすることに
よって形成される各パネル固定枠１に，ＥＰＤＭの押出
材によるバックアップ材（内側パネル押え）を介するこ
とにより該バックアップ材１１に室内側外周端部を対接
支持させることによってパネルＢをグレージングし，本
例にあってはカーテンウォールＡとしてパネルＢの固定
強度を強固にするように，パネル固定枠１，即ち上記ア
タッチメント材４に設置した外押縁１２によってパネル
Ｂの室外側外周端部を一次固定した後，パネル固定枠
１，即ち上記アタッチメント材４のＣ字溝条５に一対の
ガスケット基体２１を室外側から順次装着し，その装着
基部２２を該Ｃ字溝条５に密嵌係止し，然る後ジッパー
２８を，一対のガスケット基体２１による上記ジッパー
溝条２７に室外側から圧入装着し，該ジッパー２８の圧
入装着による上記くびれ部を支点とした張出し舌条２６
の拡開状偏位によって，該張出し舌条２６をパネルＢの
外周端部，本例にあって上記外押縁１２位置の面内内側
の外周端部に圧接して，その固定，即ち二次固定を行う
ようにすればよい。

【００１４】このとき一対のガスケット基体２１の順次
の装着は，一方のガスケット基体２１をＣ字溝条５に先
付け状に挿入した後，他方のガスケット基体２１を後付
け状に挿入するようにすればよいが，該他方のガスケッ
ト基体２１の挿入には，必要に応じて，例えば室外側か
らハンマー等でこれを叩き込むようにすればよく，併せ
てジッパー２８の圧入装着も同様に必要に応じてプラス
チックハンマー等でこれを叩き込むようにすればよい。

【００１５】一対のガスケット基体２１の順次の装着に
より，その各一側係止部２４が，Ｃ字溝条５の，本例に
おいて開口近傍の対向突条６に引掛係止して，Ｃ字溝条
５からの抜止めをなし，このとき上記後挿入の他方のガ
スケット基体２１の挿入によって，その一側係止部２４
は，対向突条６一方を圧縮変形して通過してこれに引掛
係止するに至り，従って一対のガスケット基体２１によ
る装着基部２２は，Ｃ字溝条５に対して密嵌するに至る
とともに対向突条６に係止して装着され，従前のＣ字溝
条５に対する嵌入基部の嵌入係止装着と同じように，本
例においてパネルＢを平面連続の直列状にして強固な装
着をなし得るに至る。

【００１６】また一対のガスケット基体２１をＣ字溝条
５に順次に装着自在としたことにより，先付け状とする
一方のガスケット基体２１の装着には，圧縮変形と摩擦
をなくし又はこれを可及的に減少することができ，また
後付け状とする他方のガスケット基体２１の装着には，
圧縮変形と摩擦を生じるが，圧縮変形は主に一側係止部
２４側であり，摩擦は主に先付け状に装着した，特に合
成ゴム系とすることによって摩擦抵抗を小さくした一方
のガスケット基体２１との間であるから，同じく圧縮変
形や摩擦による装着の抵抗を可及的に減少し，ガスケッ
ト装着の作業性を向上し且つパネルＢの固定を簡易且つ
確実に行うとともに水密気密性を十分に確保することが
できる。

【００１７】図６は，上記と同一のジッパーガスケット
２０を用いて，一体成型によるＣ字溝条５を備えたアル
ミ押出材のパネル固定枠１，即ち方立２にパネルＢを固
定するにつき，上記外押縁を用いることなく，パネルＢ
の固定を，ジッパーガスケット２０における一対のガス
ケット基体２１の張出し舌条２６によって直接且つ完結
的に行うようにした例である。

【００１８】図７及び図９は，更に上記と同じように一
対のガスケット基体２１とジッパー２８とによる３部材
構成のジッパーガスケット２０を用いるとともに一対の
ガスケット基体２１の装着基部２２間に挿入介設する抜
止め部材３０を備え，上記パネル固定枠１のＣ字溝条５
に上記一対のガスケット基体２１を順次に装着自在とす
るとともに該順次の装着後に装着基部２２間に挿入介設
した抜止め部材をスペーサーとすることにより，これら
の装着基部２２をＣ字溝条５に密嵌係止自在とした例を
示したもので，本例にあって一対のガスケット基体２１
は，Ｃ字溝条５の内法幅を３等分する等して３区分した
幅寸法を有する一方，両側奥行方向中間位置にコ字状溝
をなす如くした両側係止部２５を形成具備して装着基部
２２を形成するとともにその室外側一側に同様に厚肉翼
板状にして後端縁を倒Ｖ字状に凹陥した張出し舌条２６
を形成したものとし，また抜止め部材３０は，Ｃ字溝条
５の内法幅から一対のガスケット基体２１双方の装着基
部２２の合計幅寸法を引いた幅寸法又はこれより僅かに
大とする幅寸法を有する，例えばアルミ押出材又は樹脂
押出材による長尺のものを用いてあり，本例にあって該
抜止め部材３０は，Ｃ字溝条５の対向突条６と同位置の
基板３１と，該基板３１の室内側に，その両端を残すよ
うにして突設し，Ｃ字溝条５の底壁に至る長さの平行一
対の脚条３３とにより，基板３１両側に係止突条による
係止部３２を備えたものとしてあり，更に本例にあって
は，上記基板３１からパネル固定枠１，即ちアルミ押出
材のアタッチメント材４に対してネジ止めするものとし
てある。

【００１９】即ち本例のジッパーガスケット２０と抜止
め部材３０によるパネルＢの固定は，同じくグレージン
グしたパネルＢに，上記外押縁の一次固定を施すことな
く，方立２においてのみ部分的にパネルＢを仮支えする
倒れ止め用のピース部材１５を用いる他は直接にこれを
行うものとしてあり，上記と同様に一対のガスケット基
体２１を，それぞれＣ字溝条５に挿入する如くに順次に
装着し，次いで抜止め部材３０を一対のガスケット基体
２１の装着基部２２間に室外側から挿入介設し，その基
板３１からアタッチメント材４に向けてネジ３４を螺装
することによって抜止め部材３０をパネル固定枠１にネ
ジ止めし，該ネジ止めの前又は後に，必要に応じて一対
のガスケット基体２１の一方又は双方を揺らす如くに動
かすことにより，その両側係止部２５に，Ｃ字溝条５開
口端の対向突条６の一方及び抜止め部材３０の係止部３
２を受入れ係止するようにすればよく，このとき一対の
ガスケット基体２１の装着に際して，その圧縮変形や摩
擦をなくし又はこれを可及的に減少する一方，抜止め部
材３０は，アルミ押出材又は樹脂押出材としてそれ自体
硬質にして保形性に優れていることから，一対のガスケ
ット基体２１間に挿入装着が容易となり，またこの抜止
め部材３０の挿入介設，本例にあっては固定を行う挿入
介設によって，一対のガスケット基体２１の装着基部２
２は，該抜止め部材３０をスペーサーとして，そのＣ字
溝条５に対する密嵌係止をなし，同様にＣ字溝条５への
強固な装着と水密気密性の十分な確保をなし得るに至
る。

【００２０】なお本例のジッパー２８は，上記抜止め部
材３０を用いることによって，一対のガスケット基体２
１が離隔して装着されることから，上記抜止め部材３０
と同様に上記離隔の間隔を埋めるスペーサーを兼ねるも
のとして上記抜止め部材３０と同等又はこれよりやや大
の幅寸法を持つものとした，本例において同じく張出し
舌条２６の後端間のジッパー溝条２７に合わせた断面菱
形状乃至そろばん球状のものとし，同様にジッパー溝条
２７に圧入装着することにより一対のガスケット基体２
１の張出し舌条２６をパネルＢの室外側外周端部に圧接
して，該パネルＢの固定を行うようにしてある。

【００２１】図６乃至図９においてその余は上記例と基
本的構成において変らないので同一符号を付してその重
複する説明を省略する。

【００２２】図中７はアタッチメント材４の外押縁受，
８はＣ字溝条５の先端を室外側に延設して一対のガスケ
ット基体２１を，外押縁１２と同一面で受止めするよう
にした受座，９はパネル固定枠１の方立２又は無目３の
躯体固定用のボルト等の受部，１３は上記外押縁受７に
スライド装着する外押縁１２の嵌合条，１４はパネルＢ
と外押縁１２間の，例えばＥＰＤＭ等合成ゴム系押出材
のパネル押え用クッション材，２３は一対のガスケット
基体における装着基部２２の摺接面であり，また図７乃
至図９の例における１０は，アタッチメント材４をアル
ミ押出材としたことにより，同じくアルミ押出材の本体
との間に介設した断熱用の樹脂ブリッジである。

【００２３】図示した例は以上のとおりとしたが，本発
明の実施に当って，一対のガスケット基体の装着基部と
張出し舌条をＶ字状一体に具備するようにして，例えば
装着基部と張出し舌条との角度を４５°に設定して，一
対のガスケット基体とジッパーによる３部材構成のジッ
パーガスケットにより又はこれに抜止め部材を用いるこ
とにより，直角のコーナーにおいてパネルを室外側から
固定するものとして構成すること，抜止め部材を用いる
とき，一対のガスケット基体の装着基部間に挿入介設す
るブロック状のものとして，上記ネジ止めを省略するよ
うにすること，パネルの固定を上記カーテンウォール以
外の，例えばトップライト，サッシにおいて行うように
すること，このとき風圧等のパネルの受ける外力やパネ
ル固定の作業性を考慮して，必要に応じて上記一次固定
用の外押縁，仮支え（仮止め）用のピース部材等を用い
て行い又はこれらを用いることなくジッパーガスケット
又はこれと抜止め部材とによって直接且つ完結的に行う
ように適宜に対処するようにすること，Ｃ字溝条をパネ
ル固定枠の本体と一体成型したものとし，またその幅，
深さ，対向突条の位置を変化させるようにすること，パ
ネル固定枠を単一又は複合したアルミ押出材，樹脂押出
材により，或いはスチール製又は木製のものとするこ
と，カーテンウォールの場合は方立及び無目により，ト
ップライトの場合は桁及び母屋により，サッシ窓枠の場
合は縦框（枠）及び横框（枠）により，適宜必要な強度
を確保するように構成すること等を含めて，パネル固定
枠，パネル，一対のガスケット基体とジッパーによるジ
ッパーガスケット，必要に応じて用いる抜止め部材の各
具体的材質，形状，構造，これらの関係，これらに対す
る付加，パネル固定の具体的手順方法等は，前記発明の
要旨に反しない限り，これを変更して，様々な形態のも
のとすることができる。

【００２４】

【発明の効果】本発明は以上のとおりに構成したので，
それぞれジッパーガスケットをグレージングしたパネル
に室外側から押縁状に装着し得るものとしてパネル固定
工事の容易性を確保し，上記ジッパーガスケットを一対
のガスケット基体とジッパーとの３部材構成のものとし
て，上記一対のガスケット基体をパネル固定枠のＣ字溝
条へ順次に装着自在とし，これにより又は抜止め部材を
用いることによりＣ字溝条に密嵌係止自在としたことに
より，パネル固定枠への装着の作業性を確保し，また上
記ジッパーを用い，これによりガスケットとしての一体
性を高め且つ張出し舌条をパネルに圧接するものとした
ことにより，パネル固定の簡易性と確実性を確保したも
のとして，パネル固定工事が容易であり且つ固定枠に対
するガスケット装着とパネルの固定を簡易にして確実に
なし得るようにしたジッパーガスケットを用いたパネル
固定装置及びそのジッパーガスケットを提供することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】カーテンウォールの一部の正面図

【図２】ジッパーガスケット交差部の拡大正面図

【図３】方立にパネルを固定した状態を示す横断面図

【図４】無目にパネルを固定した状態を示す縦断面図

【図５】図３の部分拡大分解図

【図６】他の例に係る方立にパネルを固定した状態を示
す横断面図

【図７】他の例に係る方立にパネルを固定した状態を示
す横断面図

【図８】他の例に係る無目にパネルを固定した状態を示
す縦断面図

【図９】図７の部分拡大分解図

【符号の説明】

Ａ カーテンウォール Ｂ パネル １ パネル固定枠 ５ Ｃ字溝条 ２０ ジッパーガスケット ２１ ガスケット基体 ２２ 装着基部 ２６ 張出し舌条 ２８ ジッパー ３０ 抜止め部材

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パネル固定枠のＣ字溝条にジッパーガス
   ケットを装着することによって該パネル固定枠にグレー
   ジングしたパネルをその室外側の隣接端部において固定
   するパネル固定装置であって，それぞれパネル固定枠の
   Ｃ字溝条に装着用の装着基部及びその室外側のパネル圧
   接用の張出し舌条をＬ字状又はＶ字状一体に具備した一
   対のガスケット基体と，該一対のガスケット基体の上記
   張出し舌条間に圧入装着するジッパーとによる３部材構
   成のジッパーガスケットを備え，上記パネル固定枠のＣ
   字溝条に上記一対のガスケット基体を順次に装着自在と
   するとともに該順次の装着によりこれらの装着基部をＣ
   字溝条に密嵌係止自在とし且つ上記ジッパーの圧入装着
   により一対のガスケット基体の各張出し舌条を上記グレ
   ージングしたパネルの室外側隣接端部に圧接自在として
   なることを特徴とするジッパーガスケットを用いたパネ
   ル固定装置。
2. 【請求項２】 パネル固定枠のＣ字溝条にジッパーガス
   ケットを装着することによって該パネル固定枠にグレー
   ジングしたパネルをその室外側の隣接端部において固定
   するパネル固定装置であって，それぞれパネル固定枠の
   Ｃ字溝条に装着用の装着基部及びその室外側のパネル圧
   接用の張出し舌条をＬ字状又はＶ字状一体に具備した一
   対のガスケット基体と，該一対のガスケット基体の上記
   張出し舌条間に圧入装着するジッパーとによる３部材構
   成のジッパーガスケット並びに上記一対のガスケット基
   体の装着基部間に挿入介設する抜止め部材を備え，上記
   パネル固定枠のＣ字溝条に上記一対のガスケットを順次
   に装着自在とするとともに該順次の装着後に装着基部間
   に挿入介設した抜止め部材をスペーサーとすることによ
   りこれらの装着基部をＣ字溝条に密嵌係止自在とし且つ
   上記ジッパーの圧入装着により一対のガスケット基体の
   各張出し舌条を上記グレージングしたパネルの室外側隣
   接端部に圧接自在としてなることを特徴とするジッパー
   ガスケットを用いたパネル固定装置。
3. 【請求項３】 パネル固定枠のＣ字溝条に装着すること
   によって該パネル固定枠にグレージングしたパネルをそ
   の室外側の隣接端部において固定するジッパーガスケッ
   トであって，それぞれパネル固定枠のＣ字溝条に装着用
   の装着基部及びその室外側のパネル圧接用の張出し舌条
   をＬ字状又はＶ字状一体に具備し，上記パネル固定枠の
   Ｃ字溝条に順次に装着自在とするとともに該順次の装着
   により又は該順次の装着後に装着基部間に挿入介設する
   抜止め部材をスペーサーとすることにより装着基部を上
   記Ｃ字溝条に密嵌係止自在とした一対のガスケット基体
   と，該一対のガスケット基体の上記張出し舌条間に圧入
   装着することにより，一対のガスケット基体の各張出し
   舌条を上記グレージングしたパネルの室外側隣接端部に
   圧接自在としたジッパーとを備えて３部材構成としてな
   ることを特徴とするジッパーガスケット。