JPH1046466A - 糸の染色方法、および染色装置 - Google Patents

糸の染色方法、および染色装置

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JPH1046466A
JPH1046466A JP8200432A JP20043296A JPH1046466A JP H1046466 A JPH1046466 A JP H1046466A JP 8200432 A JP8200432 A JP 8200432A JP 20043296 A JP20043296 A JP 20043296A JP H1046466 A JPH1046466 A JP H1046466A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】糸の色合いに規則的な濃淡差を積極的に生じさ
せて手染めの風合いを醸し出すことのできる染色処理
を、能率良く適切に行わせる。 【解決手段】多数本の糸Yが染色槽3B内を順次通過し
てゆくように上記糸Yを一定経路で移送させることによ
り、上記糸Yを上記染色槽3B内の染料溶液31中に浸
漬させる処理工程を有する糸の染色方法であって、上記
染色槽3B内の染料溶液31の外部を移送されている糸
Yに対して、上記染料溶液31と同一または略同一色の
染料溶液31aを間欠的に浴びせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本願発明は、たとえばデニム織物用のたて
糸を連続して染色加工するといった染色用途に用いられ
る糸の染色方法、および染色装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本願出願人は、デニム織物用のたて糸を
染色するための手段として、特公昭55−29188号
公報に記載の染色装置を先に提案している。同公報に記
載の染色装置によれば、多数本のたて糸をその長手方向
に緊張させた状態で複数のローラによって移送させるこ
とによって、これら多数本のたて糸を染色槽内の染料溶
液中に順次浸漬させることができ、長寸法の糸の全長域
にわたって浸染処理を連続して施すことができる。した
がって、バッチ方式のカセ染方法を採用していた従前の
染色作業と比べると、たて糸の染色作業効率を飛躍的に
向上させることができる。また、上記公報に記載の染色
装置によれば、移送されるたて糸に適度な張力を生じさ
せているために、たて糸の中心部の繊維密度を高くし
て、たて糸の中心部がたて糸表面部よりも染料溶液を吸
収し難くすることもできる。したがって、デニム織物の
需要者に好まれているいわゆる中白染色を行うことも可
能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年においては、デニ
ム織物によって作製されるジーパンなどの衣類をデザイ
ンする場合に、デニム織物の色合いに意図的に濃淡差を
生じさせることによって、デニム織物に手染めの風合い
をもたせたいという要望がある。このような要望に応え
るためには、デニム織物用のたて糸を染色する場合に、
このたて糸の色合いに所望の濃淡差を生じさせる必要が
ある。
【0004】しかしながら、上記従来の染色装置では、
多数本のたて糸を染料溶液中に各所略均一な条件で順次
浸漬させてゆくために、染むらの無い染色処理を施すこ
とは可能であるものの、たて糸の色合いに積極的に濃淡
差を生じさせる染色を施すことは困難であった。従来で
は、たとえば染料溶液中に浸漬される多数本のたて糸が
適切に整列されておらず、たて糸どうしが不規則に絡ま
り合っているような場合には、これに原因して染むらを
生じる場合はあるが、このような染むらは、染料が適切
に付着していない部分がたて糸の長手方向に不規則に存
在する染色不良に過ぎず、手染めの風合いを醸し出すも
のとはいえない。このように、結局、従来では、たて糸
を連続して染色する場合に、その染色された色合いに規
則的な濃淡差を生じさせることは困難となっていた。
【0005】本願発明は、このような事情のもとで考え
出されたものであって、糸の色合いに規則的な濃淡差を
積極的に生じさせて手染めの風合いを醸し出すことので
きる染色処理を、能率良く適切に行うことができるよう
にすることをその課題としている。
【0006】
【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0007】すなわち、本願発明の第1の側面によれ
ば、多数本の糸が染色槽内を順次通過してゆくように上
記糸を一定経路で移送させることにより、上記糸を上記
染色槽内の染料溶液中に浸漬させる処理工程を有する糸
の染色方法であって、上記染色槽内の染料溶液の外部を
移送されている糸に対して、上記染料溶液と同一または
略同一色の染料溶液を間欠的に浴びせることを特徴とし
ている。
【0008】本願発明の第2の側面によれば、染料溶液
を収容する少なくとも1以上の染色槽と、多数本の糸が
上記染色槽内を通過して上記染料溶液中に浸漬されるよ
うに上記糸の移送を行う移送手段と、を有する染色装置
であって、上記染色槽内の染料溶液の外部を移送されて
いる糸に対して上記糸に染料溶液を間欠的に浴びせる染
色手段を具備していることを特徴としている。
【0009】本願発明では、多数本の糸を連続的に移送
して染色槽内の染料溶液中に浸漬させることによって糸
の全長域にわたって染色不良の無い適正な染色処理を施
すことができるとともに、上記糸が染料溶液の外部を移
送されているときには、上記糸に対して上記染料溶液と
同一または略同一色の染料溶液を間欠的に浴びせること
によって、上記糸に染料を余分に付着させた部分を規則
的につくることができる。また、このようにして染料が
余分に付着した部分は、染色槽内の染料溶液のみによっ
て染色された部分よりも染料濃度が高くなり、濃い色合
いとなる結果、糸の長手方向に沿って色合いの濃淡差を
規則的に生じさせることができる。このように、本願発
明によれば、全体としては連続的な染色処理を行うにも
拘わらず、手染めと同様な風合いをもつ染色が可能とな
り、しかもその染色作業を能率良く行うことができると
いう格別な効果が得られる。
【0010】本願発明の好ましい実施の形態では、上記
糸の染色方法において、上記糸に染料溶液を間欠的に浴
びせる処理は、上記糸の移送経路に糸を略水平方向に移
送する水平移送経路を設けておくとともに、この水平移
送経路を移送される糸に対してその上方から染料溶液を
間欠的に注ぎかけることによって行う構成とすることが
できる。
【0011】このような構成によれば、糸に染料溶液を
間欠的に浴びせる手段として、略水平方向に移送する糸
に対してその上方から染料溶液を間欠的に注ぎかけるだ
けでよいから、重力を利用して染料溶液を自然落下させ
るかたちで糸に対して簡単に注ぎかけることができ、染
料溶液を糸に浴びせる作業が容易となる。また、重要な
効果として、上記のように染料溶液を糸の上方から注ぎ
かけるようにすれば、染料溶液が不必要に大気中の空気
に触れることを防止することができ、染料溶液の酸化を
抑制することができる。たとえばデニム織物のたて糸の
染色に用いられるインジゴ染料などは酸化が進むと糸に
対する染着性が悪くなってしまい、染色の堅牢度も低下
するという不具合を生じ易いが、上記のように染料溶液
を糸の上方から注ぎかける方法によれば、そのような不
具合を抑制することができる。
【0012】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
上記染色装置において、上記染色手段は、上記移送手段
によって上記糸が略水平方向に移送される水平移送経路
の上方に位置するとともにこの水平移送経路を移送され
る多数本の糸の幅方向に延びている可動部材と、この可
動部材の上面部に染料溶液を注ぐ染料溶液供給ノズルと
を具備して構成されており、かつ上記可動部材は、この
可動部材の上面部に注がれた染料溶液を間欠的に下方へ
落下させるように回転可能である構成とすることができ
る。
【0013】このような構成によれば、染料溶液供給ノ
ズルについてはたとえば染料溶液を可動部材の上面部に
常時注ぐように設定しておくとともに、可動部材につい
ては適当な周期で間欠回転するように設定しておくと、
可動部材の静止時においては、染料溶液供給ノズルから
注がれる染料溶液が可動部材の上面部によって受けられ
るために、上記染料溶液供給ノズルから排出される染料
溶液が糸上に直接注ぎかけられることが防止され、可動
部材の上面部に染料溶液を溜めることできる。これに対
し、可動部材が回転して上下反転するときには、この可
動部材の上面部にそれまでの間に溜められていた染料溶
液を下方へ落下させて、糸上に注ぎかけることができ
る。ある程度の粘性を有する染料溶液を染料溶液供給ノ
ズルから間欠的に、かつ均一に吐出させる制御は困難で
あるが、上記構成によれば染料溶液を染料溶液供給ノズ
ルから連続して吐出させておけばよいから、染料溶液を
糸に対して間欠的に注ぎかける作業を簡単な機構によっ
て容易に行うことができる。また、可動部材は、多数本
の糸の幅方向に延びているために、これら多数本の糸の
いずれに対しても染料溶液を注ぎかけることができるこ
ととなる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0015】図1は、本願発明に係る染色装置の一例を
示す要部側面断面図である。図2は、図1に示す染色装
置の要部概略斜視図である。
【0016】図1に示すように、この染色装置は、糸繰
出機構部1、この糸繰出機構部1から繰り出された糸Y
を一定の移送経路で移送するようにガイドする複数のロ
ーラ2a〜2e、糸Yに所望の処理を施すための複数の
処理槽3(3A〜3D)、および移送途中の糸Yに染料
溶液を注ぎかける染料溶液供給部4を具備して構成され
ている。上記処理槽3としては、精練槽3A、2つの染
色槽3B,3B、水洗槽3C、およびのり付槽3Dがあ
る。なお、図1には示していないが、上記のり付槽3D
の後段には、のり付け処理が終了した糸Yを乾燥させる
ための乾燥室や、この乾燥室で乾燥された糸Yをビーム
に巻き取るための巻取機構部が設けられている。
【0017】上記糸繰出機構部1は、染色対象となる綿
糸などの糸を繰り出すための機構部であり、複数の束に
束ねられた長寸法の多数本の綿糸を巻き取っている荒捲
ビーム10を回転可能に支持するビームスタンド11を
具備している。この糸繰出機構部1から糸Yが繰り出さ
れるときには、図示していないオサによって複数束の糸
が適当な幅に偏平状に広げられて整経されるようになっ
ている。
【0018】上記精練槽3Aは、苛性ソーダや洗剤など
の精練剤を主成分とする精練剤溶液30を内部に収容し
たものである。上記染色槽3Bは、たとえばインジゴピ
ュアなどの染料を主成分とする染料溶液31を内部に収
容したものである。本実施形態に係る染色装置では、2
つの染色槽3B,3Bが具備されているが、本願発明は
これに限定されない。染色槽3Bの具体的な数は、要求
される染色処理の仕上げ状態などを考慮して適宜増減変
更することが可能である。上記水洗槽3Cは、水32を
収容したものであり、好ましくはこの水32は常に適度
な清澄度を保つように上記水洗槽3C内へ順次循環式に
水32を供給できるように構成されている。上記のり付
槽3Dは、のり33を内部に収容したものであり、のり
33が消費されると、こののり付槽3D内には新たなの
りを供給して補填できるようになっている。上記精練槽
3Aなどの各処理槽3(3A〜3D)は、いずれも上面
が開口した箱型状に形成されている。
【0019】上記複数のローラ2a〜2eは、糸繰出機
構部1から繰り出された糸Yが上記精練槽3A、染色槽
3B、水洗槽3C、およびのり付槽3Dのそれぞれの内
部を順次一連に通過するように、上記糸Yを移送させる
ためのものである。具体的には、これら複数のローラと
しては、上記処理槽3A〜3Dのそれぞれの内部に設け
られている複数のガイドローラ2a、上記処理槽3A〜
3Dのそれぞれの上方に設けられている複数組のプレス
ローラ2b、2b、これら複数組のプレスローラ2b,
2bのうち前段側に位置する計3組のプレスローラ2
b,2bの後段側にそれぞれ設けられている複数のダン
サローラ2c、およびその他の複数のガイドローラ2
d,2eなどがある。
【0020】上記ガイドローラ2aは、糸Yを各処理槽
3(3A〜3D)内に収容されている所定の処理液や水
の中へ適切に浸漬させるようににガイドするためのもの
である。上記プレスローラ2b,2bは、処理槽3A〜
3Dのそれぞれを通過してきた糸Yをその上下方向から
適度な圧力で挟み付けるものであり、このプレスローラ
2b,2bのプレス圧によって糸Yに付着している余分
な処理液や水の搾り出しを行うことができる。このプレ
スローラ2b,2bは、図示しない駆動機構によって駆
動回転自在であり、このプレスローラ2b,2bの回転
駆動力によって糸Yを積極的に移送することができる。
上記ダンサローラ2cは、定位置に設けられている一組
のガイドローラ2d,2d間に存在する糸Yの寸法量を
増減調整させるように昇降するものである。糸Yが移送
されるときの張力は、上記ダンサローラ2cの昇降動作
によって常に所定の適度な値に維持されるように制御さ
れている。
【0021】上記複数のガイドローラ2eは、糸Yが略
水平状に移送される水平移送経路Aを設けるためのロー
ラである。具体的には、上記糸繰出機構部1から繰り出
された糸Yの移送経路は、染色装置の全長寸法を短くす
るなどの観点から、その殆どの移送経路部分が糸Yを略
鉛直方向へ移送するように構成されているが、上記複数
のガイドローラ2eは、糸Yの一連の移送経路のうち、
2つの染色槽3B,3Bの相互間に位置する移送経路途
中において糸Yが略水平方向に移送ガイドされる水平移
送経路Aを設けるように配置されている。本願発明でい
う水平移送経路Aとは、後述するように、移送されてい
る糸Yに対してその上方から所定の染料溶液31aを注
ぎかけることが可能な程度に糸Yが略水平方向(非鉛直
方向)に移送ガイドされている経路の意である。
【0022】上記染料溶液供給部4は、上記水平移送経
路Aの上方に配置された可動部材40、染料溶液供給ノ
ズル41、およびこの染料溶液供給ノズル41に染料溶
液31aを供給するポンプPを具備して構成されてい
る。
【0023】上記染料溶液供給ノズル41は、たとえば
円筒状などのパイプ部材によって構成されている。図2
に示すように、この染料溶液供給ノズル41は、水平移
送経路Aを移送される多数本の糸Yの幅方向(矢印N1
方向)に延びるかたちに設けられており、その長さは上
記多数本の糸Yの最大幅Wと略同等またはそれよりも若
干長い寸法である。上記染料溶液供給ノズル41の一端
部にはポンプPが接続されているとともに、上記染料溶
液供給ノズル41の下面部にはその長手方向に沿って複
数のノズル孔42が適当なピッチ間隔で設けられてい
る。したがって、上記ポンプPから染料溶液供給ノズル
41内に染料溶液31aを供給すると、この染料溶液3
1aは上記複数のノズル孔42のそれぞれから下方へ流
出落下し、可動部材40の上面部に注がれることとな
る。
【0024】上記可動部材40は、上記染料溶液供給ノ
ズル41の直下に配置されており、上記染料溶液供給ノ
ズル41のノズル孔42から流出落下してくる染料溶液
31aがそのまま糸Y上へ直接落下しないように設けら
れている。具体的には、上記可動部材40は、細長な棒
状の本体部40aの両側面部に細長な板状部40b,4
0bを接合した形態を有しており、上記本体部40aの
長手方向両端部には、図示しない軸受によって回転可能
に支持される軸部40c,40dが設けられている。ま
た、上記可動部材40は、たとえば別途設けられている
モータMとタイミングベルト43やプーリ44,45を
介して駆動連結されており、上記モータMの駆動力によ
って回転自在となっている。ただし、本願発明において
は、上記可動部材40を回転させるための手段として
は、上記のようにそれ専用のモータMを用いるのではな
く、糸Yの移送ガイドを行うための駆動機構部の駆動力
を適宜利用することによって上記可動部材40を回転さ
せてもかまわない。
【0025】本実施形態では、上記可動部材40は、上
記モータMによって一定の時間間隔で間欠的に駆動回転
し、しかもその回転動作は、次に説明するように、36
0°または180°だけ回転するように構成されてい
る。すなわち、上記可動部材40は、回転動作を行って
いない通常の待機状態時には、図3に示すように、板状
部40b,40bが水平状態を維持するように静止して
おり、その上面部には染料溶液供給部4から排出落下し
てくる染料溶液31aを適当量だけ溜めることができる
ようになっている。そして、上記可動部材40がモータ
Mによって回転されると、この可動部材40の上下が反
転されることとなるために、図4に示すように、この可
動部材40の上面部に溜められていた染料溶液31aが
下方へ流れることとなり、糸Yの上に注がれることとな
る。上記可動部材40は、このようにして上面部に溜め
られていた染料溶液31aを糸Yの上に注ぐと、その後
はやはり図3に示す元の待機状態に復帰し、染料溶液供
給ノズル41から排出落下する染料溶液31aを受ける
こととなる。
【0026】なお、上記可動部材40の上面部に比較的
多量の染料溶液31aを溜めるようにする手段として、
本願発明では、たとえば図6(a)に示すように、板状
部40bを適当な角度θだけ傾斜させるようにしてもよ
い。また、同図(b)に示すように、板状部40bの先
端部に起立部45を設けて、板状部40bから染料溶液
31aが容易にこぼれ落ちないように構成してもかまわ
ない。
【0027】次に、上記構成の染色装置を用いた染色方
法について、デニム織物のたて糸として利用される糸Y
(綿糸)を染色する作業を具体例として説明する。
【0028】まず、図1に示すように、糸繰出機構部1
の荒捲ビーム10から繰り出された多数本の糸Yを、ダ
ンサローラ2cによる張力付与作用などを利用して適度
に緊張させた状態で、複数のローラ2a〜2eによって
ガイド移送させる。上記糸Yは、最初に精練槽3A内を
通過するが、その際に精練材溶液30によって精練され
る。
【0029】上記精練槽3Aを通過した糸Yは、2つの
染色槽3B,3Bのうち、前段側の染色槽3B内にガイ
ドされ、インジゴピュアなどの染料を主成分とする染料
溶液31内に浸漬される。したがって、この染料溶液3
1への浸漬処理によって、糸Yに藍染を施すことができ
る。上記染料溶液31内には、上記糸Yがその長手方向
に連続して浸漬されてゆくために、上記染色槽3Bによ
れば、上記糸Yの全長域にわたって略均一な色合いの藍
染処理を施すことができる。また、糸Yは適度に緊張し
ているために、糸Yの中心部分の繊維密度を高くして、
糸Yの中心部分に対するインジゴ染料の染着度合いを少
なくし、糸Yの表面部分のみに集中的に染料を付着させ
ることができる。これは、デニム織物の需要者が好む中
白状態の染色処理となる点で、好ましい。
【0030】次いで、上記前段側の染色槽3Bによって
第1回目の浸染処理が施された糸Yは、その後上記染色
槽3Bを通過した後に水平移送経路Aに差し掛かるが、
この水平移送経路Aにおいては、図3および図4におい
て説明したとおり、染料溶液供給部4を動作させて、上
記水平移送経路Aを連続的に移送されている糸Yに対し
てその上方から染料溶液31aを間欠的に注ぎかける。
この染料溶液31aとしては、2つの染色槽3B,3B
内に収容されている染料溶液31と同一のものを用い
る。ただし、この染料溶液31aは、必ずしも上記2つ
の染色槽3B,3B内に収容されている染料溶液31と
厳密な意味で同一である必要はなく、染色槽3B,3B
に収容されている染料溶液31と略同一の色彩の染料溶
液であってもかまわない。
【0031】このようにして、連続して移送されている
糸Yに対して染料溶液31aを間欠的に注ぎかけると、
図5に示すように、糸Yの長手方向には、上記染料溶液
31aが注ぎかけられた藍色の濃い部分B1と、上記染
料溶液31aが注ぎかけられていない藍色の薄い部分B
2とが規則的に交互につくられることとなる。また、上
記染料溶液供給部4によれば、糸Yの幅方向の全長域の
各所に対して染料溶液31aを注ぎかけることができる
ために、多数本の糸Yのいずれに対しても染料溶液31
aによって染められた藍色の濃い部分B1を適切に現出
させることもできる。
【0032】なお、図5では、的確に表現されていない
が、藍色の濃い部分B1と薄い部分B2との境界部分は
さほど明確ではなく、これらの境界部分は藍色の濃度が
徐々に変化するぼかし状となる。また、藍色の濃い部分
B1のピッチ間隔Lは、たとえば染料溶液供給部4の可
動部材40の回転周期を短時間に設定すれば、短くする
ことが可能であり、可動部材40の回転周期の変更によ
って任意のピッチ間隔に調整することが可能である。ま
た、藍色の濃い部分B1の長さLaも、染料溶液供給部
4から糸Yに注ぎかけられる染料溶液31aの量や、糸
Yの移送速度の加減によって任意に調整することが可能
である。
【0033】上記のようにして、染料溶液31aが間欠
的に注ぎかけられた糸Yは、その後後段側の染色槽3B
内に移送され、染料溶液31によって第2回目の浸染処
理が施される。この第2回目の浸染処理が行われると、
糸Yの表面の藍色が濃くなるが、この第2回目の浸染処
理は、やはり糸Yの長手方向について各所略均等に行わ
れる。したがって、上記染料溶液31aが注ぎかけられ
た部分と、注ぎかけられていない部分との濃度差が、上
記第2回目の浸染処理によって消失することはなく、あ
くまでも上記糸Yの表面には、藍色が濃い部分と薄い部
分とが規則的につくられていることとなる。なお、この
ようにして第2回目の浸染処理を終了した糸Yは、その
後水洗槽3Cに移送されて水洗いされた後に、のり付槽
3Dによって移送されてのり付けされ、その後乾燥処理
を経てビームに巻き取られることとなる。
【0034】上記一連の作業工程によれば、多数本の長
寸法の糸Yの藍染めを連続して行うことができ、効率の
良い染色処理が行える。その一方、藍色が濃い部分と薄
い部分とを規則的に、かつ積極的につくりだすことがで
き、手染めの風合いを醸しだすことができる。
【0035】なお、上記実施形態では、糸Yに染料溶液
31aを注ぎかける手段として、間欠的に回転する可動
部材40と、この可動部材40の上面部に染料溶液31
aを注ぐ染料溶液供給ノズル41とを組み合わせた染料
溶液供給部4を用いているために、ポンプPから染料溶
液供給ノズル41に染料溶液31aを供給する場合に
は、上記ポンプPを常時稼働させておくことによって、
染料溶液31aを染料溶液供給ノズル41に連続して供
給させればよく、ポンプPの運転が簡単となる利点が得
られる。また、糸Yの水平移送経路Aにおいて、糸Yの
上方から染料溶液31aを注ぎかけるようにしているた
めに、染料溶液31aが大気中で不必要に拡散されて酸
化することも回避でき、酸化が好ましくない染料溶液を
用いる場合であっても、糸Yに対する染着性を良好にす
ることもできるという利点も得られる。
【0036】ただし、本願発明では、糸に染料溶液を浴
びせる手段は、上記実施形態の手段に限定されず、たと
えば図7に示すような手段を採用してもよい。すなわ
ち、同図に示された手段は、染色槽3Bを通過して鉛直
方向にガイド移送される糸Yに対し、ポンプP1に接続
されたノズル4Aから染料溶液31aを間欠的に噴射し
て浴びせる手段である。このような手段であっても、糸
Yの長手方向の色合いに規則的な濃淡差を生じさせるこ
とができ、本願発明の目的を達成することが可能であ
る。なお、図7に示すように、染料溶液31aを噴射す
る手段では、染料溶液31aの酸化が促進される虞れが
あるために、このような手段は、酸化を生じ難い染料溶
液を用いて染色処理を施す場合に適する。
【0037】また、上記実施形態では、2つの染色槽3
B,3Bのうち、前段側の染色槽3Bを利用して第1回
目の浸染処理が終了した後に、糸Yに染料溶液31aを
浴びせ、その後第2回目の浸染処理を行っているが、本
願発明はやはりこれに限定されない。本願発明では、た
とえば糸に染色槽を利用した浸染処理を施す以前の時期
に、糸に染料溶液を浴びせる処理を実行し、その後必要
な回数だけ染色槽を利用した浸染処理を施すようにして
もよい。さらには、これとは逆に、染色槽を利用した浸
染処理を全て終了した後に、染料溶液を糸に浴びせる処
理を実行し、その後水洗い処理を行うといった順序で処
理してもよい。このように、本願発明では、糸に染料溶
液を浴びせる処理をいずれの過程において行うかは、と
くに限定されるものではない。
【0038】その他、本願発明に係る染色装置の各部の
具体的な構成は上記実施形態に限定されず、種々に設計
変更自在である。また同様に、本願発明に係る糸の染色
方法の各処理工程の具体的な構成も上記実施形態に限定
されず、種々に変更自在である。上記実施形態では、デ
ニム織物用の綿糸としてのたて糸に藍染めを施す場合を
一例として説明したが、むろん本願発明はこれに限定さ
れず、デニム織物用の綿糸以外の様々な種類の糸の染色
処理用途に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る染色装置の一例を示す側面断面
図。
【図2】図1に示す染色装置の要部を示す概略斜視図。
【図3】図1に示す染色装置に用いられている染料溶液
供給部の概略構成を示す側面説明図。
【図4】図3に示す染料溶液供給部の動作状態を示す側
面説明図。
【図5】糸の染色処理状態の一例を示す要部平面図。
【図6】(a),(b)は、染料溶液供給部の可動部材
の他の例を示す説明図。
【図7】染料溶液を糸に浴びせる手段の他の例を示す説
明図。
【符号の説明】
2a〜2e ローラ(移送手段) 3B 染色槽 4 染料溶液供給部(染色手段) 31 染料溶液 31a 染料溶液 40 可動部材 41 染料溶液供給ノズル A 水平移送経路 Y 糸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数本の糸が染色槽内を順次通過してゆ
    くように上記糸を一定経路で移送させることにより、上
    記糸を上記染色槽内の染料溶液中に浸漬させる処理工程
    を有する糸の染色方法であって、 上記染色槽内の染料溶液の外部を移送されている糸に対
    して、上記染料溶液と同一または略同一色の染料溶液を
    間欠的に浴びせることを特徴とする、糸の染色方法。
  2. 【請求項2】 上記糸に染料溶液を間欠的に浴びせる処
    理は、上記糸の移送経路に糸を略水平方向に移送する水
    平移送経路を設けておくとともに、この水平移送経路を
    移送される糸に対してその上方から染料溶液を間欠的に
    注ぎかけることによって行う、請求項1に記載の糸の染
    色方法。
  3. 【請求項3】 染料溶液を収容する少なくとも1以上の
    染色槽と、多数本の糸が上記染色槽内を通過して上記染
    料溶液中に浸漬されるように上記糸の移送を行う移送手
    段と、を有する染色装置であって、 上記染色槽内の染料溶液の外部を移送されている糸に対
    して上記糸に染料溶液を間欠的に浴びせる染色手段を具
    備していることを特徴とする、染色装置。
  4. 【請求項4】 上記染色手段は、上記移送手段によって
    上記糸が略水平方向に移送される水平移送経路の上方に
    位置するとともにこの水平移送経路を移送される多数本
    の糸の幅方向に延びている可動部材と、この可動部材の
    上面部に染料溶液を注ぐ染料溶液供給ノズルとを具備し
    て構成されており、かつ上記可動部材は、この可動部材
    の上面部に注がれた染料溶液を間欠的に下方へ落下させ
    るように回転可能である、請求項3に記載の染色装置。
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