JPH1042731A - 藻場の造成方法及び造成用海藻種苗の備蓄方法 - Google Patents

藻場の造成方法及び造成用海藻種苗の備蓄方法

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JPH1042731A
JPH1042731A JP22035996A JP22035996A JPH1042731A JP H1042731 A JPH1042731 A JP H1042731A JP 22035996 A JP22035996 A JP 22035996A JP 22035996 A JP22035996 A JP 22035996A JP H1042731 A JPH1042731 A JP H1042731A
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seeding
water tank
seedlings
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JP22035996A
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Yasumi Shiraki
靖美 白木
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Okabe Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】藻場造成用の海藻種苗を大量かつ安定的に供給
するため、長期の保存管理が容易な海藻種苗に関する備
蓄技術を提供し、藻場のより安定的な造成を実現する。 【解決手段】コンブ目コンブ科に属するツルアラメ種苗
5を養生水槽6内において保存管理することにより造成
用の海藻種苗として備蓄するとともに、前記ツルアラメ
種苗5を随時、適宜の着生基体に固着することにより藻
場を造成する。前記ツルアラメ種苗5として複数の葉状
体を有する親株を少なくとも一枚の葉状体を残した状態
に分割したものを用いる。前記養生水槽6内に新鮮海水
を流通させてツルアラメ種苗を保存管理することにより
備蓄する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海藻を中心とした
海中林を造成し、魚貝類等の繁殖を図るべく海中の環境
を改善するための藻場の造成技術に関する。より詳しく
は、特に藻場の造成に欠くことのできない海藻種苗の大
量かつ安定的な供給を実現するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、我国においては沿岸漁業の振興が
重要な課題であり、魚貝、海藻の増殖及び養殖が図られ
ている。しかるに沿岸部においては種々の原因によって
藻場が消滅し、藻場を生活の場としていた魚貝類が激減
する、いわゆる磯焼け現象が各地に拡大している。
【0003】一般に海藻は比較的浅い海底の岩石上に着
生、繁殖するが、磯焼け海域では岩石が石灰藻で覆わ
れ、海藻が着生し難く生育状態がきわめてわるい。ま
た、砂泥質の海域の場合には海藻が殆ど生育していな
い。したがって、このような磯焼け海域での藻場の再生
や砂泥海域での藻場造りには藻体を持込んで海藻の導入
を図ることが重要である。
【0004】ところで、従来の藻場の再生や藻場造りに
おいては、海藻種苗としてアラメやカジメ、クロメなど
の種々の種苗の使用が試みられているが、造成海域への
移植後の生育上の技術的問題はともかく、その種苗自体
の大量かつ安定的供給の点に大きな問題があった。すな
わち、一般的に海藻種苗は、長期の保存管理が困難であ
り、種苗となる藻体を採取して水槽等に保存した場合、
数週間程度で腐敗が始り、比較的短期間にほとんどが腐
敗してしまうことが多い。したがって、藻体の採取時期
に関するシーズン性から生じる制約とも相俟って、海藻
種苗を大量かつ安定的に供給することはきわめて困難な
実状にある。このことは、藻場を造成する上で大きなネ
ックとなり、藻場造成の促進を阻害する一つの大きな要
因ともなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な従来の技術的な事情に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、藻場造成用の海藻種苗を大量かつ安
定的に供給するため、長期の保存管理が容易な海藻種苗
に関する備蓄技術を提供し、藻場のより安定的な造成を
実現する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、種々の実験を繰返すことにより開発された
ものである。実験を繰返す中で、コンブ目コンブ科に属
するツルアラメがウニやアワビなどの餌料として有効で
あるほか、環境変化に対する適応性に関して他の海藻と
比べてきわめて大きな特徴があることが確認された。す
なわち、前述のように従来使用されていた一般の海藻種
苗は採取後、水槽内で管理保存した場合に比較的短期間
で大部分腐敗してしまうことが多いのに対して、前記ツ
ルアラメの場合には採取後、水槽内に数カ月保存した場
合にも殆ど腐敗が生じないという備蓄技術上、きわめて
有効な特性が確認された。しかも、その水槽内における
保存管理において、高密度状態での保存に耐え得ること
が確認された。本発明は、このようなツルアラメの環境
変化に対するきわめて幅の広い適応性に着目して数多い
海藻の中から藻場造成用の海藻種苗として特にツルアラ
メを選定し、これを養生水槽内において保存管理するこ
とにより需要量に対応したツルアラメ種苗を備蓄するこ
とによって、藻場造成用の海藻種苗の大量かつ安定的な
供給を可能にした点に特徴を有するものである。因み
に、前記ツルアラメは、日本海の限られた海域に生育す
る海藻で、岩などの上を匍匐する匍匐根を有し、その匍
匐根から新芽を発生して栄養繁殖による増殖作用を有す
る外国にも例の少ない珍しい種類のものである。
【0007】さらに、請求項毎に説明すれば、請求項1
の発明は、コンブ目コンブ科に属するツルアラメ種苗を
養生水槽内において保存管理することにより造成用の海
藻種苗として備蓄するとともに、そのツルアラメ種苗を
随時、適宜の着生基体に固着して使用するという技術手
段を採用したものであり、海藻種苗の大量かつ安定的な
供給を可能にした点に特徴を有する。また、請求項2の
発明は、請求項1の藻場の造成方法において、前記ツル
アラメ種苗を複数の葉状体を有するその親株から少なく
とも一枚の葉状体を残した状態に分割して養生水槽内に
おいて保存管理するという技術手段を採用し、より効率
的かつ安定的な保存管理を可能としたものである。ま
た、請求項3の発明は、藻場造成用の海藻種苗としてコ
ンブ目コンブ科に属するツルアラメを選定し、そのツル
アラメ種苗を養生水槽内に浸漬するとともに、前記養生
水槽内に新鮮海水を流通させるという技術手段を採用
し、造成用海藻種苗の備蓄方法としてより大量かつ安定
的な種苗の保存管理を可能にしたものである。なお、前
記養生水槽とは、ツルアラメ種苗の保存管理が可能な水
槽であればよく、設置場所は陸上であると海中であると
を問わない。また、用水としては、海水でも人工により
海水同等に調製したものでもよい。さらに、新鮮海水は
海から取入れるだけでなく、養生水槽内において海水を
循環させてもよく、この場合にはその中間に処理装置を
介在させて海水の新鮮化を図るようにする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の技術的特徴は、前述のよ
うに、環境変化に対するツルアラメの広範な適応能力に
着目して、そのツルアラメを造成用の海藻種苗として選
定した上、養生水槽内において保存管理することによ
り、藻場造成用海藻種苗の備蓄を実用的に可能にし、そ
の大量かつ安定的な海藻種苗の供給を背景に、随時、前
記ツルアラメ種苗を取出して適宜の着生基体に固着して
造成海域へ沈設したり、あるいは造成海域に存在する自
然石や既存の設備等に取付けたりすることにより、トー
タルシステムとして効率的でより計画的な藻場造りの態
勢を提供した点にある。したがって、本発明の実施に当
っては、要はツルアラメの前記特性を場合に応じて有効
に利用し得るように実施すればよく、前記養生水槽など
の細部に関する具体的な実施形態は、海藻種苗の必要量
や設置場所などとの関係を勘案して自由に設定すること
ができる。
【0009】次に、前記ツルアラメに関する実施形態に
関して説明する。本発明において使用されるツルアラメ
種苗は、海中から採取したそのものでも、ツルアラメの
遊走子や成体等から増養殖したものでもよい。また、そ
の採用されるツルアラメの生長度合も特に問わない。そ
して、海中から採取され、あるいは増養殖されたツルア
ラメは適宜の大きさの個体の状態で前記養生水槽内にお
いて保存管理される。その場合、図1に示したように、
複数の葉状体を有するツルアラメの親株1を少なくとも
一枚の葉状体2を残した状態で、仮根部3から伸長した
匍匐根4の部分において分割して個体としてのツルアラ
メ種苗5を形成し、その状態で保存管理するようにすれ
ば光合成等による栄養補給が確実に行われるので、切断
部の自然治癒などの養生や匍匐根を介して行われる栄養
繁殖などに有効である。なお、養生水槽としては、槽内
を新鮮海水が常に流通するようにしておくことが望まし
い。また、その養生水槽内における保存管理は自然環境
と同等の環境を維持する程度で足り、水温があまり上昇
しないように管理したり、水のよごれを除去する程度で
よい。この場合、前述のように、他の海藻種苗に比べ
て、ツルアラメの長期保存に対する適応性は比較になら
ないほど良好なことから、前記養生水槽に関する設備は
低コストのものでも足り、しかも保存管理も簡便な操作
によって良好な保存状態が確保できるところに、海藻種
苗としての備蓄を可能にした技術的基礎があり、ここに
ツルアラメを造成用の海藻種苗として選定した技術的意
義がある。以上のように、ツルアラメ種苗を必要な備蓄
期間の間、養生水槽内において保存管理することによ
り、他の海藻種苗では困難な大量かつ安定的な海藻種苗
の供給が可能になるだけでなく、更に採取時などにおい
て生じた匍匐根の切断部がその保存管理中に自然治癒さ
れたり、匍匐根を介しての栄養繁殖が開始されるなどし
てより良質の海藻種苗が提供できるという副次的効果が
得られる。
【0010】以上のようにして備蓄されたツルアラメ種
苗は、需要に応じて前記養生水槽から随時取出され、そ
のまま造成海域にある既存の造成設備や自然石などに固
着したり、あるいは予め適宜の着生基体に固着して造成
海域へ沈設したりすることになる。この場合、要は備蓄
されたツルアラメ種苗を使用していずれかの着生基体に
固着して造成海域に移植するものであればよく、前記着
生基体の具体的形状や大きさなどに制約されることはな
く、固着方法及び固着時期に関しても自由である。すな
わち、例えば造成海域の海底に存在する自然石や予め沈
設したコンクリートブロックなどの既存の設備の表面に
ダイバーが潜ってツルアラメ種苗を取付けたり、あるい
は予めコンクリートブロックや自然石などからなる着生
基体の表面に前記ツルアラメ種苗を固着したものを沈設
することができる。また、その着生基体としては、コン
クリートブロックに立設した柱状体等の構造体であって
もよい。また、それらの着生基体の表面へのツルアラメ
種苗の固着方法に関しても、予め備蓄工程においてツル
アラメ種苗を木片や竹材などからなるチップに取着した
形で保存管理し、そのまま取出して前記チップを介して
着生基体側に形成した取付穴に嵌入固定したり、あるい
は適宜形態のツルアラメ種苗を着生基体の表面に直接的
に固着してもよい。なお、前記チップにツルアラメを取
着する場合には、ツルアラメの匍匐根等をチップに巻付
け紐で結束したり、ゴムバンドや接着剤、ステープルな
どの固定金具等を用いて固着することができる。また、
着生基体の表面に直接的に固着する場合には、ツルアラ
メ種苗を備蓄工程において予め紐やロープ、布片、スポ
ンジなどに取着した状態で保存管理し、その状態で取出
して着生基体の表面にそのまま直接的に固着するように
してもよい。さらに、前記着生基体の表面に、光合成細
菌、多孔質粒子を用いた担体及び当該光合成細菌の栄養
成分を含有する水域環境改善用塗料(特開平5−247
378号公報)などの養藻剤を予め塗布しておけば藻場
造成の促進に更に有効である。
【0011】しかして、ツルアラメ種苗を例えば陸上の
養生水槽内において海水を流通させながら所定期間備蓄
した後、これを造成海域の海底にある既存の着生基体に
取付けたり、あるいは予め着生基体に固着して造成海域
に沈設した場合には、自然条件が戻るのでツルアラメ種
苗は速やかに本来の旺盛な活性を取戻し、葉状体や根部
が更なる生長を開始する。そして、さらに伸長した匍匐
根を介して栄養繁殖が順次行われて、短期間のうちにき
わめて良好な藻場を形成することができる。このよう
に、造成用の海藻種苗としてツルアラメを選定した結
果、前述のように養生水槽での備蓄を介して大量かつ安
定的な海藻種苗の供給が可能になるばかりでなく、造成
海域への移植後の生育過程においても、ツルアラメの旺
盛な活性が発現し、さらに遊走子による増殖のみなら
ず、匍匐根を介した栄養繁殖が行われるため、作業時期
に大きな制約を受けることなく、比較的短期間に確実に
藻場を形成することができる。なお、ツルアラメの生育
深度範囲はきわめて広範で、潮間帯から100m以上の
深さでも生育し得るものであるから、造成海域に関する
適応能力も大きい。
【0012】
【実施例】次に、図2〜図7を用いて前記養生水槽に関
する実施例に関して説明する。図2は前記養生水槽の設
置状態に関する一例を示したものである。図中、6は養
生水槽で、図示のように所定の落差、例えば10m程度
の落差が得られるように適宜の高台に設置された海水貯
留槽7から供給管8を介して常に新鮮海水が供給される
ように構成されている。なお、図中、9は海から海水を
前記海水貯水槽7に汲上げるための送水管で、図示しな
いポンプ装置等により汲上げるように構成されている。
また、10は養生水槽6内を流通した海水を海等へ戻す
ための流出管である。
【0013】図3の接続概念図に示したように、前記養
生水槽6を分岐管11、連通管12及び集合管13を介
して直列又は並列あるいはそれらを組合せて所要数接続
することにより、総備蓄量を需要量に応じて調整するこ
とができる。各養生水槽6に対する給水は、図4に例示
したように、本実施例においては、養生水槽6の周囲に
適宜数、配設した給水部14を介して行われ、それぞれ
一定方向に流出するように給水方向が揃えられている。
また、排水は、養生水槽6の周囲に配設された排水部1
5を介して行われるように構成されている。さらに、養
生水槽6の中央部には仕切壁16が設置され、内部を二
分している。しかして、各給水部14を介して海水が供
給されると、図中の矢印で示したように、前記仕切壁1
6で二分された形で回流が形成され、新鮮海水が養生水
槽6内の隅々まで満遍なく流通されることになる。
【0014】さらに、養生水槽6の内部には、図4及び
図5に示すように、前記ツルアラメ種苗5の個体を保持
するための保持手段が設置されている。この保持手段
は、本実施例においては、コンクリートブロックなどか
ら構成される円柱状の台ブロック17を養生水槽6の内
底部に所定間隔ごとに設置し、その台ブロック17上に
塩化ビニルパイプなどから構成される保持部材18を2
本ずつ対をなした形で複数列、配設することにより構成
されている。それらの対をなす保持部材18相互間には
小間隔が形成されており、その小間隔を介して図6及び
図7に示すような状態で、前記ツルアラメ種苗5の個体
が多数、装着保持される。すなわち、本実施例において
は、図示のように、ツルアラメ種苗5の茎部19を保持
部材18間の小間隔を介して挿通し、その下部の前記仮
根部3及び匍匐根4を前記小間隔より大きい木片等から
なるチップ20に巻付け固定することにより、養生水槽
6側に対して保持するように構成されている。なお、ツ
ルアラメ種苗5の茎部19の保持部材18間への装着
は、各ツルアラメ種苗5の茎部19を保持部材18の端
部から順次挿通することにより簡便に行うことができ
る。また、対をなす前記保持部材18の一方あるいは双
方の取付位置を調整可能に構成しておき、予めチップ2
0を固着したツルアラメ種苗5の個体をそのまま、保持
部材18相互間の間隔を拡げて茎部19を挿通すること
により簡便に装着保持することができる。また、前記チ
ップ20の表面に前述の養藻塗料を塗布しておけば、養
生水槽6内における保存管理をより良好な状態で行うこ
とができる。さらに、前記ツルアラメ種苗5は、茎部1
9をそのまま前記保持部材18間に挟持するようにして
もよく、この場合にはチップを用いないため、養生水槽
6内での保存状態を更に高密度に設定することができ
る。
【0015】因みに、同じコンブ科に属するクロメとツ
ルアラメの養生水槽内における長期保存に対する適応性
に関して、次の条件で比較実験を行ったところ、以下の
結果を得た。 海からそれぞれ150本ずつのクロメとツルアラメの藻
体を採取し、それらの藻体を前記条件を満たす養生水槽
6内に設置された図4〜図6に示す4対からなる保持部
材18にそれぞれ75本ずつ整列状態で保持して観察を
続けた。この場合、ツルアラメは養生水槽6内の水位よ
りも全体的に藻体長が長く、その多くは水面近くで上部
が曲り、隣接する藻体と重なり合った高密度状態での保
存となった。このため、藻体長がこれよりも短く重なり
の少ないクロメよりも条件的には悪くなった。このよう
な条件の下で両者の観察を続けたところ、クロメは一週
間経過頃から腐敗がみられはじめ、一ヶ月後にはその大
半が腐敗してしまった。これに対して、ツルアラメの方
は、この期間内ではほとんど腐敗らしいものはみられ
ず、クロメに比べて水槽内での長期保存の面で格別に優
れ、高密度状態でも長期保存が充分可能であることが確
認された。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、次の効果を得ることが
できる。 (1)ツルアラメの環境変化に対する広範な適応能力及
び高密度保存に対する適応能力により大量備蓄が容易に
実現できるので、造成用の海藻種苗の大量かつ安定的な
供給が可能である。 (2)所定の備蓄期間において採取時等の切断箇所など
が自然治癒されたり、匍匐根の伸長による栄養繁殖によ
る増殖が開始されるので、より良質の造成用海藻種苗を
供給できる。 (3)遊走子による増殖に加えてツルアラメの匍匐根を
介した栄養繁殖による増殖作用により、造成海域へ移植
後の藻場の形成が更に促進されるので、より短期間に確
実な造成が得られるとともに、藻場の永続性にも有効で
ある。 (4)ツルアラメの親株を分割して種苗として用いる場
合に、少なくとも一枚の葉状体を残した状態に分割する
ようにすれば、前記養生水槽内及び造成海域への移植後
における栄養補給が確実に行われ、切断部の自然治癒や
匍匐根による栄養繁殖に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明におけるツルアラメ種苗の分割の仕方
を示した概略説明図である。
【図2】 本発明の養生水槽に関する実施例の設置状態
を示した概略説明図である。
【図3】 同養生水槽の接続状態を示した接続概念図で
ある。
【図4】 同養生水槽の拡大平面図である。
【図5】 同養生水槽の拡大縦断面図である。
【図6】 同養生水槽内におけるツルアラメ種苗の保持
状態を更に拡大して示した部分拡大平面図である。
【図7】 同養生水槽内におけるツルアラメ種苗の保持
状態を更に拡大して示した部分拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1…親株、2…葉状体、3…仮根部、4…匍匐根、5…
ツルアラメ種苗、6…養生水槽、7…海水貯留槽、8…
供給管、9…送水管、10…流出管、11…分岐管、1
2…連通管、13…集合管、14…給水部、15…排水
部、16…仕切壁、17…台ブロック、18…保持部
材、19…茎部、20…チップ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンブ目コンブ科に属するツルアラメ種
    苗を養生水槽内において保存管理することにより造成用
    の海藻種苗として備蓄するとともに、前記ツルアラメ種
    苗を適宜の着生基体に固着することにより藻場を造成す
    ることを特徴とする藻場の造成方法。
  2. 【請求項2】 前記ツルアラメ種苗は複数の葉状体を有
    するその親株を少なくとも一枚の葉状体を残した状態に
    分割したものであることを特徴とする請求項1記載の藻
    場の造成方法。
  3. 【請求項3】 藻場造成用の海藻種苗としてコンブ目コ
    ンブ科に属するツルアラメを選定し、そのツルアラメ種
    苗を養生水槽内に浸漬するとともに、前記養生水槽内に
    新鮮海水を流通させることにより、海藻種苗の長期保存
    を可能にしたことを特徴とする造成用海藻種苗の備蓄方
    法。
JP22035996A 1996-08-02 1996-08-02 藻場の造成方法及び造成用海藻種苗の備蓄方法 Pending JPH1042731A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0979603A1 (de) * 1998-08-06 2000-02-16 ZIMMERMANN, Ulrich Verfahren und Vorrichtung zur Algenkultivierung
JP2011030509A (ja) * 2009-08-03 2011-02-17 Yamagata Prefecture 海藻種苗の生産方法及びその装置
JP2020127379A (ja) * 2019-02-08 2020-08-27 パネフリ工業株式会社 移植補助材、移植補助キットおよび大型藻類の移植方法

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