JPH1042300A - 動きベクトル検出装置 - Google Patents

動きベクトル検出装置

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JPH1042300A
JPH1042300A JP19616796A JP19616796A JPH1042300A JP H1042300 A JPH1042300 A JP H1042300A JP 19616796 A JP19616796 A JP 19616796A JP 19616796 A JP19616796 A JP 19616796A JP H1042300 A JPH1042300 A JP H1042300A
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JP19616796A
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Mineki Taoka
峰樹 田岡
Noburo Ito
修朗 伊藤
Yoshihiro Hori
吉宏 堀
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない演算数で精度が高く符号化に効率のよ
い動きベクトルを検出する動きベクトル検出装置を提供
する。 【解決手段】 動きベクトル検出領域の画像データD2
から、マクロブロックの画像データD1の、動きベクト
ルMVを検出する動きベクトル検出装置である。本動き
ベクトル検出装置は、画像データD1をサブサンプリン
グするサブサンプリング手段と、画像データD2をサブ
サンプリングするサブサンプリング手段と、画像データ
D2をサンプリングした画像データから、画像データD
1をサンプリングした画像データの動きベクトルMV0
を検出する動きベクトル検出手段18と、動きベクトル
MV0をもとに、画像データD2から画像データD1の
動きベクトルMVを検出する動きベクトル検出手段とを
含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MPEG(ISO
11172,ISO13818)、H.261等におい
て、動き予測(動き補償)をもとに入力された動画像デ
ータを画像単位間予測符号化する、動きベクトル検出装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】MPEG(ISO11172,ISO1
3818)、H.261等で動画像圧縮符号化手法にお
いては、動画像データは画像単位内符号化または画像単
位間予測符号化される。ここでの画像単位は、フレーム
あるいはフィールドである。
【0003】動画像データを画像単位間予測符号化する
際、1フレームあるいは1フィールド単位の画像間での
動き予測は、これらの画像内での所定の画素領域を単位
として行われる。MPEGの場合、この画素領域の単位
はマクロブロックと呼ばれる。以下、H.261での場
合に関しても同様であり、説明を簡略化するためにMP
EGでの場合について述べる。
【0004】図2は、MPEGでの動き予測を画像領域
を用いて説明するための図である。画像領域21は符号
化されようとしている。画像領域22は、画像領域21
に時間的に相関性のある、画像領域21の符号化に際し
て参照される画像領域である。
【0005】いま、画像領域21内のマクロブロック
(1マクロブロック分のブロック領域)21Aの画像デ
ータを符号化する。この場合、画像領域22内で、マク
ロブロック21Aと同じ垂直座標、水平座標を中心とす
る、所定の大きさの動きベクトル検索領域22A内で、
マクロブロック21Aと同じ大きさのマクロブロック2
2Bを取り出し、このマクロブロック22Bとマクロブ
ロック21Aとの差異を検出する。
【0006】次には、最も理想的には、この動きベクト
ル検索領域22A内で、1画素単位あるいは半画素単位
(半画素は周囲の画素データより補間する)でずらし、
マクロブロック21Aと同じ大きさのブロック領域を取
り出す。この取り出した1マクロブロック分のブロック
領域とマクロブロック21Aとの差異を検出する。
【0007】これらを繰り返し、動きベクトル検索領域
22A内で順次総当たりし、動きベクトル検索領域22
Aの中からマクロブロック21Aとの差異が最も少ない
ブロック領域を選択する。
【0008】これらの結果選択された、画像領域22内
でのマクロブロック21Aの中心に対応する点への、こ
のマクロブロック21Aとの差異が最も少ないブロック
領域の中心からの変位を動きベクトルと呼ぶ。また、こ
のような動きベクトルを求める手順を動きベクトル検出
と呼ぶ。動きベクトルに従って取り出した1マクロブロ
ック分の画像データは読み出され、符号化の対象となる
マクロブロックとの差分が取られた後、DCT(Dis
crete Cosine Transform)等の
演算処理により量子化される。動きベクトルの値と量子
化された差分データとは、可変長符号化される。
【0009】これらは、画素データをそのまま演算圧縮
して符号化する場合に比べ、動画像データの時間方向の
相関性に着目して時間方向の冗長度を取り除くことでさ
らに圧縮効率を上げようとするもので、同じ再生画像の
画質では少ない符号量を実現する圧縮符号化が可能とな
り、同じ符号量では高い再生画像の画質を実現する圧縮
符号化が可能となる。
【0010】このような動きベクトルを検出するにあた
って、通常画素データの差異を検出するために二乗誤差
がとられる。MPEGの場合のマクロブロックは16×
16画素領域であり1画素データ当たり1回の乗算が必
要となるため、画素データ1マクロブロックあたり25
6回の乗算が必要となる。
【0011】また、動きベクトルを精度良く検出するた
めには、この動きベクトルの検索領域(図2では動きベ
クトル検索領域22Aに相当する)を広くしなくてはな
らない。たとえば、半画素単位で、垂直、水平の範囲が
共に±32となる領域内で演算を行なうとすると、12
9(水平のベクトル検索ブロック数)×129(垂直の
ベクトル検索ブロック数)×256(1マクロブロック
の画素データの総数)=4260096回(ベクトル検
索領域内の乗算回数)もの乗算を行なう必要がある。
【0012】ところが、このような演算には非常に多く
の時間を要する。実際、MPEGで、映像(動画)信号
をリアルタイムに処理する際、連続に入力される画像デ
ータを処理するためには、13.5MHz256クロッ
ク期間内にこの演算を行なわなくてはならない。演算を
高速化するためには、並列化処理、バス幅の拡大等を行
なうための多くの回路が必要となる。
【0013】従来より動きベクトルを検出するための演
算を少なくする手法が研究されている。最も有名なもの
としては、2step、3step法と呼ばれるものが
ある。これは、最初、最終的に検出する動きベクトルの
単位よりも大きい単位(2画素単位、1画素単位等)
で、ベクトル検索領域内でマクロブロックをずらしつつ
画素データの差異を検出し、次に、その中でもっとも差
異の少なかった領域の近傍で詳しく動きベクトルを検出
するものである。この手法についてはMPEG1規格書
(ISO11172−2)のD.6.2.2.3に詳細
な説明がある。
【0014】しかし、このような場合にも、1回の評価
を行なう演算は256回の乗算であり、極端な演算数の
減少は望めない。
【0015】また、これら以外に、マクロブロック内か
ら選択した特定の位置のブロック領域(たとえば、マク
ロブロックの左上1/4のブロック領域)に対して動き
ベクトルの検出を行ない、演算回数を低減させるという
方法も行なわれている。
【0016】この手法を用いた場合、1回の評価を行な
う演算回数は、マクロブロックに対して選択されたブロ
ック領域分だけとなる。しかし、選択されなかった画素
領域(マクロブロックから左上1/4のブロック領域を
除いた画素領域)は動きベクトルの検出に影響しないた
め、画素パターンによっては全く意味のない動きベクト
ルを検出する可能性がある。
【0017】たとえば、マクロブロックの左上1/4を
検索し動きベクトルを検出する場合、マクロブロックか
ら左上1/4のブロック領域を除いた画素領域によくマ
ッチングする部分が存在するならば、これを参照するほ
うが符号化には効率がよい。ところが、これらは評価の
対象にはならない。
【0018】運動する対象物の境界のマクロブロックな
どはこれに該当する。運動する対象物がマクロブロック
の左上1/4に存在し、他の部分は静止画であるとす
る。この場合、当然静止画部分である残り3つのブロッ
ク領域(マクロブロックから左上1/4のブロック領域
を除いた画素領域)を検索し動きベクトルを検出するほ
うが、画像間の差分が少なくなり符号量は少なくてす
む。
【0019】ところが、マクロブロックの左上1/4の
みを参照することによって、この領域に対する動きベク
トルを検出する。これは、この左上1/4のブロック領
域を除いた画素領域の差分を増大させ、符号化の際に多
くの符号量を発生させる結果となる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
動きベクトル検出によると動きベクトルの検出に必要と
される演算は非常に多い。また、これを回避するために
様々な技術が検討されているが、いずれも画素の低減に
問題があり精度が高く符号化に効率のよい動きベクトル
を得ることができない。
【0021】本発明の目的は、動画像データを動き予測
を用いて画像単位間予測符号化する際、少ない演算数で
精度が高く符号化に効率のよい動きベクトルを検出する
動きベクトル検出装置を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、所定の領域の第1の画像データの動きベクトルを動
きベクトルが検出されるもととなる領域の第2の画像デ
ータから検出する動きベクトル検出装置である。
【0023】本動きベクトル検出装置は、第1の画像デ
ータにサブサンプリングを施すことによって第3の画像
データを生成する第1のサブサンプリング手段と、第2
の画像データにサブサンプリングを施すことによって第
4の画像データを生成する第2のサブサンプリング手段
とを含んでいる。さらに、本動きベクトル検出装置は、
第3の画像データの第1の動きベクトルを第4の画像デ
ータから検出する第1の動きベクトル検出手段と、第1
の動きベクトル検出手段から検出された第1の動きベク
トルをもとに、第1の画像データの第2の動きベクトル
を第2の画像データから検出する第2の動きベクトル検
出手段とを含んでいる。
【0024】請求項1に記載の発明によると、サブサン
プリングされた動きベクトルが検出されるもととなる検
出領域の画像データから、サブサンプリングされた所定
の領域の画像データの、動きベクトルが検出される。こ
のサブサンプリングされた画像データをもとに検出され
た動きベクトルに基づいて、本来検出すべき動きベクト
ルが検出される。これにより、少ない演算数で精度が高
く符号化に効率のよい動きベクトルを検出することがで
きる。
【0025】請求項2に記載の発明は、第1の画像デー
タにおける基準ブロックが第2の画像データのいずれの
位置に最も類似なブロックが存在するかを検索し、検索
結果を動きベクトルとして出力する動きベクトル検出装
置である。
【0026】本動きベクトル検出装置は、第1の画像デ
ータにサブサンプリングを施すことによって第3の画像
データを生成する第1のサブサンプリング手段と、第2
の画像データにサブサンプリングを施すことによって第
4の画像データを生成する第2のサブサンプリング手段
とを含んでいる。
【0027】さらに、本動きベクトル検出装置は、第3
の画像データにおける第4の画像データに対する第1の
動きベクトルを出力する第1の動きベクトル検出手段
と、第1の動きベクトル検出手段の出力である第1の動
きベクトルをもとにして、第1の画像データの基準ブロ
ックの第2の画像データに対する第2の動きベクトルを
検出する第2の動きベクトルを検出する第2の動きベク
トル検出手段とを含んでいる。第2の動きベクトル検出
手段の出力である第2の動きベクトルは、本動きベクト
ル検出装置の出力とされる。
【0028】請求項2に記載の発明によると、サブサン
プリングされた画像データにおける基準ブロックの動き
ベクトルが、サブサンプリングされた画像データから探
索される。このサブサンプリングされた画像データをも
とに検出された動きベクトルに基づいて、本来検出すべ
き動きベクトルが検出される。これにより、少ない演算
数で精度が高く符号化に効率のよい動きベクトルを検出
することができる。
【0029】請求項3に記載の発明は、第1の画像デー
タにおける基準ブロックが第2の画像データのいずれの
位置に最も類似なブロックが存在するかを検索し、検索
結果を動きベクトルとして出力する動きベクトル検出装
置である。
【0030】本動きベクトル検出装置は、第1の画像デ
ータにサブサンプリングを施すことによって第3の画像
データを生成する第1のサブサンプリング手段と、第2
の画像データにサブサンプリングを施すことによって第
4の画像データを生成する第2のサブサンプリング手段
と、第1の画像データと第3の画像データを切り替える
第1の切り替え手段と、第2の画像データと第4の画像
データを切り替える第2の切り替え手段とを含んでい
る。
【0031】さらに、本動きベクトル検出装置は、第1
の切り替え手段の出力である画像データにおける基準ブ
ロックに対応した第2の切り替え手段の出力である画像
データに対する動きベクトルを検出する動きベクトル検
出手段とを含んでいる。
【0032】さらに、また、第1および第2の切り替え
手段を制御して、第3および第4の画像データを動きベ
クトル検出手段の入力として、第3の画像データにおけ
る第4の画像データに対する第1の動きベクトルを検出
するよう制御し、次いで、第1および第2の切り替え手
段を制御して、第1および第2の画像データを動きベク
トル検出手段の入力として、第1の動きベクトルをもと
にして、第1の画像データの基準ブロックの第2の画像
データに対する第2の動きベクトルを検出するよう制御
する制御手段とを含んでいる。第2の動きベクトル検出
手段の出力である第2の動きベクトルは、本動きベクト
ル検出装置の出力とされる。
【0033】請求項3に記載の発明によると、サブサン
プリングされた画像データにおける基準ブロックの動き
ベクトルが、サブサンプリングされた画像データから探
索される。このサブサンプリングされた画像データをも
とに検出された動きベクトルに基づいて、本来検出すべ
き動きベクトルが検出される。この際、サブサンプリン
グされた画像データの動きベクトルと同様の検出手段に
よって本来検出すべき動きベクトルが検出されるが、入
力される画像データが異なるため、これらの画像データ
は適宜切り替えるよう制御される。これにより、少ない
演算数で精度が高く符号化に効率のよい動きベクトルを
検出することができる。
【0034】請求項4に記載の発明は、請求項1から請
求項2に記載のいずれかの動きベクトル検出装置であっ
て、第2の動きベクトル検出手段は、第1の動きベクト
ル検出手段から検出された第1の動きベクトルを、第1
の画像データに対応する第3の動きベクトルに変換する
ベクトル変換手段と、第1の画像データの中の、ベクト
ル変換手段によって変換された第3の動きベクトルによ
って指定される領域の近傍から、第2の画像データの第
2の動きベクトルを検出する第3の動きベクトル検出手
段とを含んでいる。
【0035】請求項4に記載の発明によると、サブサン
プリングされた画像データに対応する動きベクトルはサ
ブサンプリングされる前の画像データに対応する動きベ
クトルに変換される。この変換された動きベクトルによ
って指定される領域の近傍から本来検出すべき動きベク
トルが検出される。これにより、少ない演算数で精度が
高く符号化に効率のよい動きベクトルを検出することが
できる。
【0036】請求項5に記載の発明は、請求項1から請
求項4に記載のいずれかの動きベクトル検出装置であっ
て、第1のサブサンプリング手段と第2のサブサンプリ
ング手段とはラインオフセットサンプリングを行なう。
これにより、少ない演算数で精度が高く符号化に効率の
よい動きベクトルを検出することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
の実施の形態の1つである動きベクトル検出装置を説明
する。
【0038】図1は、本発明の実施の形態の1つである
動き検出装置の構成を示すブロック図である。本動きベ
クトル検出装置は、サブサンプリング手段11、12
と、メモリ13〜16と、動きベクトル検出手段17、
18を含んでいる。本動きベクトル検出装置には、マク
ロブロックの画像データD1と動きベクトル検出領域の
画像データD2とが入力され、本動きベクトル検出装置
からは、動きベクトルMVが出力される。
【0039】サブサンプリング手段11は、画像データ
D1をサブサンプリングし、サブサンプリング手段12
は、画像データD2をサブサンプリングする。メモリ1
3は、画像データD1を記憶し、メモリ14は、画像デ
ータD2を記憶する。
【0040】また、メモリ15は、画像データD1がサ
ブサンプリングされた画像データを記憶し、メモリ16
は、画像データD2がサブサンプリングされた画像デー
タを記憶する。
【0041】動きベクトル検出手段18は、メモリ15
に記憶された画像データと最も差異の少ない領域を、メ
モリ16に記憶された画像データから検出し、これを動
きベクトルMV0として動きベクトル検出手段17に出
力する。動きベクトル検出手段17は、動き検出手段1
8から得られた動きベクトルMV0をもとに、メモリ1
3に記憶された画像データと最も差異の少ない領域を、
メモリ14に記憶された画像データから検出し、動きベ
クトルMVを生成する。
【0042】これらのメモリ13〜16は、動きベクト
ル検出手段17、18がその演算を行なう期間を補償す
る。また、サブサンプリングしない画像データを記憶す
るメモリ13、14には、サブサンプリング手段11、
12がそれぞれ画像データをサブサンプリングする期間
を補償する遅延の働きもある。
【0043】画像データの流れに沿って本動きベクトル
検出装置の動作を説明する。本動きベクトル検出装置に
入力されたマクロブロックの画像データD1は、メモリ
13に記憶されると同時に、サブサンプリング手段11
に入力される。サブサンプリング手段11によってサブ
サンプリングされた後の画像データは、メモリ15に記
憶される。また、入力された動きベクトル検出領域の画
像データD2は、メモリ14に記憶されると同時に、サ
ブサンプリング手段12に入力される。サブサンプリン
グ手段12によってサブサンプリングされた後の画像デ
ータは、メモリ16に記憶される。
【0044】サブサンプリングが終了し画像データがメ
モリ13〜16に記憶されると、動きベクトル検出手段
18にて動きベクトルが検出される。メモリ15にはサ
ブサンプリングされたマクロブロックの画像データが記
憶されており、メモリ16にはサブサンプリングされた
動きベクトル検出領域の画像データが記憶されている。
このメモリ16内のデータから、メモリ15内のデータ
と最も差異の少ない領域が、動きベクトル検出手段18
によって求められ、動きベクトルMV0が検出される。
この動きベクトルMV0は、動きベクトル検出手段17
に与えられる。
【0045】動きベクトル検出手段17は、動きベクト
ル検出手段18から得られた動きベクトルMV0をもと
に、メモリ14に記憶された画像データD2からメモリ
13に記憶された画像データD1と最も差異の少ない領
域を求め最終的に本動きベクトル検出装置が出力する動
きベクトルMVを求める。このようにして得られた動き
ベクトルMVは外部に出力される。
【0046】図3は、動きベクトル検出手段17、動き
ベクトル検出手段18で行われる動きベクトル検出の手
順を説明するための図である。動きベクトル検出領域3
Bからマクロブロック3Aの動きベクトルが検出され
る。
【0047】動きベクトル検出領域3Bからはマクロブ
ロック3Aと同じ大きさの領域が1画素単位でずらされ
つつ切り出され、切り出されたそれぞれの画像領域はマ
クロブロック3Aの画素値との差分が取られる。このよ
うにして得た差分データは、所定の評価関数に入力され
評価される。評価関数としては、二乗誤差平均や絶対値
誤差平均等が用いられる場合が多い。
【0048】本動きベクトル検出装置では、この動きベ
クトル検出手段18によって動きベクトルが検出される
際、マクロブロック3Aの画像データおよび動きベクト
ル検出領域3Bの画像データはサブサンプリングされて
おり、画像データの数が少なくなっている。このため、
評価に用いられる演算は、通常の動きベクトル検出に比
較して、サブサンプリングを行なって画素数を減じた分
少なくなる。
【0049】たとえば、水平方向に1/2にサブサンプ
リングした場合には、1マクロブロック分の画像領域に
対して演算回数は128回となり、通常の動きベクトル
検出での演算に比較すると半分ですむ。
【0050】このような演算が行なわれた後、演算結果
は評価される。評価の結果、最も差異が少ないと判定さ
れた領域の中心からの、符号化しようとするマクロブロ
ック3Aの中心の座標への変位は、動きベクトルMV0
として出力される。
【0051】動きベクトルを検出する際、マクロブロッ
ク3A、動きベクトル検出領域3Bの画像データに対し
て単に間引きのみを行なったものを用いたり、マクロブ
ロック3A、動きベクトル検出領域3Bの画像データ一
部のデータのみを用いたりすると、従来の技術での問題
点として指摘したように、誤った動きベクトルを出力す
る可能性が高い。
【0052】ところが、本動きベクトル検出装置では、
画像データをサブサンプリングし、間引きされる画素の
画素値を残される画素の画素値に反映させることができ
る。このため、単純に画素を低減させた場合よりも、誤
った動きベクトルを出力する可能性を低くすることがで
きる。
【0053】動きベクトル検出手段17で行われる動き
ベクトル検出も、基本的には動きベクトル検出手段18
で行われる動きベクトル検出と同じである。ただし、動
きベクトル検出手段17にて動きベクトルMVが検出さ
れる場合、動きベクトルの検出には、動きベクトル検出
手段18から得られた動きベクトルMV0が利用され
る。
【0054】動きベクトルMV0は、通常の画素の座標
同士で検出された動きベクトルではなく、サブサンプリ
ングされた画素データ同士で検出された動きベクトルで
あり、通常の画素の座標系とは値が異なっている。
【0055】このため、まず、この動きベクトルMV0
の値を通常の画素の座標系での値に変換する必要があ
る。次に、これによって得られた動きベクトルをもと
に、通常の動きベクトルMVが検出される。
【0056】図4は、変換された動きベクトルMV0か
ら通常の動きベクトルMVを検出する手順を説明するた
めの図である。図4(a)は、変換された動きベクトル
MV0から動きベクトルMVを検出する手順の第1の例
を説明するための図であり、図4(b)は、変換された
動きベクトルMV0から動きベクトルMVを検出する手
順の第2の例を説明するための図である。
【0057】図4(a)に示される動きベクトルMVの
検出の手順を説明する。動きベクトル検出領域41内
に、変換された動きベクトルMV0によって指定される
マクロブロック41Aの近傍に動きベクトル検索領域4
1Bを指定する。この例では、動きベクトル検索領域4
1Bからのみ動きベクトルMVが検索される。この動き
ベクトル検索領域41B内で、符号化する1マクロブロ
ックの画像データと最も差異の小さい領域が選択され、
動きベクトル検索領域41Bの中心からの変位が動きベ
クトルMVとして出力される。
【0058】図4(b)に示される動きベクトルMVの
検出の手順を説明する。動きベクトル検出領域42内
に、変換された動きベクトルMV0によって指定される
マクロブロック42Aの近傍領域42Bを指定する。こ
の例では、近傍領域42Bからは詳細に動きベクトルM
Vが検索され、他の領域(動きベクトル検出領域42か
ら、マクロブロック42Aと近傍領域42Bとを除いた
領域)42Cからは粗く動きベクトルMVが検索され
る。たとえば、詳細な動きベクトル検出は半画素単位で
検索し、粗い動きベクトル検出は1画素単位で検出す
る。
【0059】図5は、サブサンプリング手段11、12
で行なわれるサンプリングを説明するための図である。
サブサンプリング手段11、12で行なわれるサンプリ
ングには、水平方向へのサブサンプリング、水平方向、
垂直方向へのサブサンプリング、碁の目状に間引きを行
なうラインオフセットサブサンプリング等がある。
【0060】図5(a)は原画像の画素、図5(c)は
図5(a)の原画像を水平方向にサブサンプリングした
画像の画素、図5(e)は図5(a)の原画像をライン
オフセットサブサンプリングした画像の画素を表わし、
図5(b)は図5(a)に対応する空間周波数特性、図
5(d)は図5(c)に対応する空間周波数特性、図5
(f)は図5(e)に対応する空間周波数特性を表わし
ている。図5(a)、(c)、(e)では、白丸は除去
される画素を示す。
【0061】水平方向にサブサンプリングを行なった場
合、水平方向の周波数成分が半分に減衰する。これに対
して、ラインオフセットサブサンプリングを行なった場
合、斜め方向の周波数成分が減衰するだけで、水平方向
および垂直方向の周波数成分は保持され原画像の性質は
残される。
【0062】斜め方向には人間の視覚特性は鈍感である
ため、水平方向および垂直方向の成分を残すことにより
人間の視覚にとって重要な動きを検出することが可能で
ある。このため、オフセットサンプリングを行なったマ
クロブロックの画像データと動きベクトル検出領域の画
像データとを用いて動きベクトルを検出することによっ
て、人間の視覚にとって重要な動きベクトルだけをそれ
ぞれ原画像に近い形で検出することが可能である。
【0063】以上のように、ラインオフセットサブサン
プリングを用いると、通常のサブサンプリングを用いる
のに比べて、原画像の性質を損なうことなく効率よく画
素の間引きを行なうことが可能となる。
【0064】このため、動きベクトル検出の差異の有効
性も高く、単純に画素を低減させた場合や、一方向のみ
のサブサンプリングを用いた場合よりも、誤った動きベ
クトルを出力する可能性を低くすることができる。
【0065】上述の説明では、サブサンプリングは、マ
クロブロックとその符号化のために動きベクトルを検出
する領域についてのみ行なうこととした。しかし、本発
明は、このような形態に限ったものではない。入力され
る動画像データの全て、もしくは、マクロブロックより
も大きい所定の領域を単位として、サブサンプリングを
予め施したものを用いることも可能である。
【0066】このような場合、図1における入力データ
として、マクロブロックの画像データの代わりに、符号
化しようとする領域の画像データを、動きベクトル検出
領域の画像データの代わりに、符号化しようとする画像
データに対して動きベクトルの検出を行なうために必要
な動き検出領域の画像データを用いる。
【0067】このようなマクロブロックより大きい単位
での画像データの処理は、動きベクトル検出領域が各マ
クロブロック毎にオーバラップしている部分が多いと
き、サブサンプリングの演算を低減するために用いられ
る。ただし、この場合、各画像データを記憶するメモリ
13〜16には、大きな容量が必要となる。
【0068】また、上述の説明では、動きベクトル検出
手段を2つ設け、それぞれに処理を行なうこととした。
しかし、本発明は、このような形態に限ったものではな
い。動きベクトル検出手段の回路は共有が容易であり、
この回路を共有させることも可能である。
【0069】図6は、本発明の実施の形態の変形例であ
る動き検出装置の構成を示すブロック図である。図1と
同様の構成部分には同様の符号を付す。本動きベクトル
検出装置では、図1の動きベクトル検出手段17、18
を用いる代わりに、1つの動きベクトル検出手段61を
用いて本発明を実現しようとするものである。スイッチ
62a、62bは、データの読み出しを切り換える。
【0070】本動きベクトル検出装置では、まず、メモ
リ16に記憶されたサブサンプリングされた動きベクト
ル検出領域の画像データから、メモリ15に記憶された
サブサンプリングされたマクロブロックの画像データの
動きベクトルMV0が検出される。この動きベクトルM
V0は、動きベクトル検出手段61内で動きベクトルM
Vを求める基準として用いるため外部には出力されな
い。この際、スイッチ62a、62bは、それぞれメモ
リ15側、メモリ16側となっている。
【0071】次に、ここで得られた動きベクトルMV0
をもとに、メモリ14に記憶された動きベクトル検出領
域の画像データから、メモリ13に記憶されたマクロブ
ロックの画像データの動きベクトルを検出する。この
際、スイッチ62a、62bは、それぞれ、メモリ13
側、メモリ14側となっている。このようにして得られ
た動きベクトルは、符号化しようとするマクロブロック
の動きベクトルとして出力される。
【0072】本動きベクトル検出装置によると、サブサ
ンプリングされた画像データ間で動きベクトルが求めら
れ、これに基づいて、本来検出すべき動きベクトルが検
出される。これにより、少ない演算数で精度が高く符号
化に効率のよい動きベクトルを検出することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1つである動き検出装置
の構成を示すブロック図である。
【図2】MPEGでの動き予測を画像領域を用いて説明
するための図である。
【図3】動きベクトル検出手段17、動きベクトル検出
手段18で行われる動きベクトル検出の手順を説明する
ための図である。
【図4】変換された動きベクトルMV0から通常の動き
ベクトルMVを検出する手順を説明するための図であ
る。
【図5】サブサンプリング手段11、12で行なわれる
サンプリングを説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態の変形例である動き検出装
置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
11、12 サブサンプリング手段 13〜16 メモリ 17、18 動きベクトル検出手段 MV、MV0 動きベクトル D1 マクロブロックの画像データ D2 動きベクトル検出領域の画像データ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の領域の第1の画像データの動きベ
    クトルを、動きベクトルが検出されるもととなる領域の
    第2の画像データから検出する動きベクトル検出装置で
    あって、 前記第1の画像データにサブサンプリングを施すことに
    よって第3の画像データを生成する第1のサブサンプリ
    ング手段と、 前記第2の画像データにサブサンプリングを施すことに
    よって第4の画像データを生成する第2のサブサンプリ
    ング手段と、 前記第3の画像データの第1の動きベクトルを前記第4
    の画像データから検出する第1の動きベクトル検出手段
    と、 前記第1の動きベクトル検出手段から検出された前記第
    1の動きベクトルをもとに、前記第1の画像データの第
    2の動きベクトルを前記第2の画像データから検出する
    第2の動きベクトル検出手段とを含む、動きベクトル検
    出装置。
  2. 【請求項2】 第1の画像データにおける基準ブロック
    が第2の画像データのいずれの位置に最も類似なブロッ
    クが存在するかを検索し、検索結果を動きベクトルとし
    て出力する動きベクトル検出装置であって、 前記第1の画像データにサブサンプリングを施すことに
    よって第3の画像データを生成する第1のサブサンプリ
    ング手段と、 前記第2の画像データにサブサンプリングを施すことに
    よって第4の画像データを生成する第2のサブサンプリ
    ング手段と、 前記第1の画像データにおける基準ブロックに対応した
    第3の画像データにおける第2の基準ブロックの第4の
    画像データに対する第1の動きベクトルとして出力する
    第1の動きベクトル検出手段と、 前記第1の動きベクトル検出手段の出力である第1の動
    きベクトルをもとにして、前記第1の画像データの基準
    ブロックの前記第2の画像データに対する第2の動きベ
    クトルを検出する第2の動きベクトルを検出する第2の
    動きベクトル検出手段とを含み、 前記第2の動きベクトル検出手段の出力である第2の動
    きベクトルを出力とする、動きベクトル検出装置。
  3. 【請求項3】 第1の画像データにおける基準ブロック
    が第2の画像データのいずれの位置に最も類似なブロッ
    クが存在するかを検索し、検索結果を動きベクトルとし
    て出力する動きベクトル検出装置であって、 前記第1の画像データにサブサンプリングを施すことに
    よって第3の画像データを生成する第1のサブサンプリ
    ング手段と、 前記第2の画像データにサブサンプリングを施すことに
    よって第4の画像データを生成する第2のサブサンプリ
    ング手段と、 前記第1の画像データと第3の画像データを切り替える
    第1の切り替え手段と、 前記第2の画像データと第4の画像データを切り替える
    第2の切り替え手段と、 前記第1の切り替え手段の出力である画像データにおけ
    る基準ブロックに対応した前記第2の切り替え手段の出
    力である画像データに対する動きベクトルを検出する動
    きベクトル検出手段と、 前記第1および第2の切り替え手段を制御して、前記第
    3および第4の画像データを前記動きベクトル検出手段
    の入力として、前記第1の画像データにおける基準ブロ
    ックに対応した第3の画像データにおける第2の基準ブ
    ロックの第4の画像データに対する第1の動きベクトル
    を検出するよう制御し、 次いで、前記第1および第2の切り替え手段を制御し
    て、前記第1および第2の画像データを前記動きベクト
    ル検出手段の入力として、前記第1の動きベクトルをも
    とにして、前記第1の画像データの基準ブロックの前記
    第2の画像データに対する第2の動きベクトルを検出す
    るよう制御する制御手段とを含み、 前記動きベクトル検出手段の出力である第2の動きベク
    トルを出力とする、動きベクトル検出装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の動きベクトル検出手段は、 前記第1の動きベクトル検出手段から検出された前記第
    1の動きベクトルを、前記第1の画像データに対応する
    第3の動きベクトルに変換するベクトル変換手段と、 前記第1の画像データの中の、前記ベクトル変換手段に
    よって変換された前記第3の動きベクトルによって指定
    される領域の近傍から、前記第2の画像データの前記第
    2の動きベクトルを検出する第3の動きベクトル検出手
    段とを含む、請求項1または請求項2のいずれかに記載
    の動きベクトル検出装置。
  5. 【請求項5】 前記第1のサブサンプリング手段と前記
    第2のサブサンプリング手段とは、ラインオフセットサ
    ンプリングを行なう、請求項1から請求項4のいずれか
    に記載の動きベクトル検出装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006268250A (ja) * 2005-03-23 2006-10-05 Seiko Epson Corp 画像処理装置および画像処理方法
JP2011142564A (ja) * 2010-01-08 2011-07-21 Fujitsu Ltd 動画像符号化装置、動画像符号化方法、動画像符号化プログラム
JP2011199629A (ja) * 2010-03-19 2011-10-06 Fujitsu Ltd 動画像符号化装置、動画像符号化方法及び動画像符号化用コンピュータプログラムならびに映像伝送装置
US8064523B2 (en) 2006-08-30 2011-11-22 Oki Semiconductor Co., Ltd. Motion vector search apparatus
JP2012065176A (ja) * 2010-09-16 2012-03-29 Fujitsu Ltd 動画像符号化装置

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