JPH1041190A - コンデンサ素子集合体 - Google Patents

コンデンサ素子集合体

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JPH1041190A
JPH1041190A JP8215466A JP21546696A JPH1041190A JP H1041190 A JPH1041190 A JP H1041190A JP 8215466 A JP8215466 A JP 8215466A JP 21546696 A JP21546696 A JP 21546696A JP H1041190 A JPH1041190 A JP H1041190A
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Nobuji Suzuki
述二 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンデンサ素子の電極間における短絡破壊時
における安全性をさらに向上し、製造コストの低減を図
れる構成のコンデンサ素子集合体を提供する。 【解決手段】 コンデンサ素子1の電極部が電気的に同
極となるように複数個のコンデンサ素子1を積み重ね、
集合した構成のコンデンサ素子集合体に、平板からなる
支持部6と電極リード部7とが一体となっており、電極
リード部7はバネ性を有していて、傾斜部7aがある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力用や電気機器
用などのコンデンサ素子を複数個組立てて構成するコン
デンサ素子集合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンデンサ素子の素子電極部が電
気的に同極となるように複数個のコンデンサ素子を積み
重ねた構成のコンデンサ素子集合体には、実公平7−3
629号公報に開示されている従来例があった。以下に
図11および図12を参照しながら説明する。
【0003】図11に示すように従来例のコンデンサ素
子1は、枠状接続金具2にリード片3の一方を接続し、
コンデンサ素子1の素子電極部4に前記リード片3の他
方を接続部5として半田付けもしくは溶接にて接続して
いた。また図12に示したものは、図11に示すリード
片3を使用しないで枠状接続金具2に直接コンデンサ素
子1の素子電極部4を半田付けもしくは溶接していた。
【0004】近年、電気設備などの大容量化に伴って、
設備面積などの問題からそれらに使用するコンデンサの
高エネルギー密度化が進んでいる。したがってコンデン
サが万一破壊に至った場合には大きな破壊エネルギーが
発生することとなるため、安全性の確保はより一層重要
な課題となってきている。また、コンデンサの製造にお
ける工程をできるだけ簡素化することも、製造設備や工
数のコストダウンにつながるため、同時に推進していか
なければならない課題である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たような図11に示す従来例のコンデンサ素子集合体で
は、枠状接続金具2とリード片3の2つの部品を用いて
いたために、これらを接続するという作業が必要とな
り、コンデンサ素子1の個数が多いほど煩雑な作業とな
っていた。また、図12に示すように、リード片を用い
ずに、枠状接続金具2に素子電極部4を直接接続する場
合においては、万一コンデンサ素子が電極間で短絡する
という形態で破壊に至った場合には、短絡破壊したコン
デンサ素子の枠状接続金具2の接続部5が剥離したとき
に、破壊を起こしたコンデンサ素子以外の近接するコン
デンサ素子の枠状接続金具2の接続部5も同時に剥離さ
せてしまう場合があった。すなわち、高エネルギー密度
のコンデンサでは、電極間で短絡破壊したときに、枠状
接続金具2の接続部5が素子電極部4から剥離してしま
う方向に大きな破壊エネルギーが発生する。そのため枠
状接続金具2の接続部5が剥離する方向に応力を受けた
ときに、枠状接続金具2自体がその力を吸収緩和しうる
構成ではないために、近接するコンデンサ素子と枠状接
続金具2の接続部5も同時に剥離させてしまうことにな
る。その結果、破壊した後もコンデンサに充電されてい
た電荷が十分に放電されない場合があった。
【0006】本発明は上記課題を解決するもので、コン
デンサ素子集合体の組立てを簡素化でき、かつコンデン
サ素子が万一電極間で破壊した場合、破壊したコンデン
サ素子と近接する複数個のコンデンサ素子にわたる接続
金具と素子電極部との接続部の剥離を防ぐ接続金具を用
いたコンデンサ素子集合体を提供することにより、より
一層安全性が高く、かつ製造コストの低いコンデンサ素
子集合体を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のコンデンサ素子集合体は、支持部と複数の
電極リード部とが一体となっている接続金具の前記複数
の電極リード部の先端接続部を個別に前記各コンデンサ
素子の素子電極部に接続したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、請求項1記載のよう
に、支持部と複数の電極リード部とが一体となっている
接続金具を用い、前記複数の電極リード部の先端接続部
を、個別に積み重ねて集合したコンデンサ素子の素子電
極部に接続することにより、容易に実施できるものであ
る。そして接続金具は支持部と複数の電極リード部とが
一体になっているため、コンデンサ素子との接続作業が
容易である。
【0009】また、請求項2記載のように、電極リード
部はバネ性をもった接続金具を用いることにより電極リ
ード部と素子電極部との接続が外れ難く、万一コンデン
サ素子が電極間で短絡する形態で破壊に至った場合に、
破壊したコンデンサ素子と近接する複数個のコンデンサ
素子にわたる接続金具の電極リード部の先端接続部と素
子電極部との接続を剥離することを防ぐものである。
【0010】以上の接続部の剥離を防ぐ作用は、請求項
3記載のように、電極リードを折曲加工して弾性加工部
を形成して電極リードに弾力性を持たせることにより奏
効し得るものである。
【0011】また、請求項4記載のように、電極リード
部の肉厚を支持部より薄くしたり、請求項5記載のよう
に電極リード部の肉厚を先端接続部にゆく程、順次薄く
することによっても、電極リード部の熱容量を小さくし
て、電極リード部の先端接続部の素子電極部に対する半
田付けや溶接に必要な熱量を低減し、したがって接続に
要する時間を短縮することができる。
【0012】さらに、請求項6記載のように、コンデン
サ素子1個に対して電極リード部を複数個有する接続金
具を用いることにより、瞬間的に流れる破壊電流を分流
でき剥離強度を向上することができる。
【0013】また、請求項7記載のように、支持部に対
して電極リード部を左右対称に設けることによって、電
極リード部の先端にある先端接続部が素子電極部から剥
離するのを少なくすることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。な
お、図11,図12に示す従来例と同じ構成部分につい
ては同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0015】(実施例1)図1において、各コンデンサ
素子1の素子電極部4は同極が同じ方向にして複数個積
重され、縦設する支持部6と、前記支持部6より横方向
に複数個設けた電極リード部7とが一体となっている接
続金具8によって強固に集合体として保持されている。
【0016】そして、接続金具8とコンデンサ素子1と
の接続は、電極リード部7の先端にある先端接続部9を
素子電極部4に半田付けまたは溶接によって行われるも
のである。
【0017】したがって図11に示す従来例と異なり、
支持部6と一体になっている電極リード部7をコンデン
サ素子1の素子電極部4に接続するのみであるから組立
て接続が容易であり、コンデンサ素子集合体の製造コス
トが低い。
【0018】(実施例2)図2ならびに図3に示すよう
に、本発明の実施例2においては、電極リード部7はバ
ネ性を持っている。図3は図2の矢印A方向より見た拡
大下面図で、支持部6はコンデンサ素子1より離れてい
て先端接続部9の半田付けまたは溶接による力のみによ
り接続金具8にコンデンサ素子1が保持されている。そ
して電極リード部7は弾性加工部としての傾斜部7aを
有している。
【0019】また、電極リード部7にバネ性を持たせる
には、図3に示す構成以外に例えば図4の(a)に示す
ように折曲部7bを設けてもよいし、図2の矢印B方向
より見た拡大側面図を示す図4の(b)のように電極リ
ード部7に折返し部7cを、図4の(c)のように電極
リード部7に波状部7dを、また図4の(d)のように
電極リード部7に円弧部7eを設ければよい。すなわち
折曲部7b,折返し部7c,波状部7d,円弧部7eは
弾性加工部として働き、電極リード部7にバネ性を持た
せる作用をする。
【0020】なお、図4には示していないが接続金具8
の材料として弾性作用を有する導電性材料を使用しても
よい。
【0021】上記構成とすることにより、電極リード部
7の素子電極部4に対する剥離強度が増し、さらにコン
デンサ素子1が電極間で短絡するという形態で破壊に至
った場合に、電極リード部7が素子電極部4から剥離す
る方向に発生する破壊エネルギーによる応力を吸収緩和
するのである。そのため破壊時に支持部6に伝達される
破壊による応力も緩和され、破壊したコンデンサ素子と
近接する複数個のコンデンサ素子にわたる電極リード部
7の先端接続部9と素子電極部4との剥離を防止するこ
とができる。
【0022】図5は、本発明の効果を検証するために、
図12に示した従来例、図1に示した実施例1および図
2に示した実施例2における各コンデンサ素子集合体に
おける素子電極部と接続部および先端接続部との剥離強
度を比較した試験結果を示すものであり、図6は前記試
験に用いた試料を示すものである。なお全試料とも素子
電極部4と接続部5または先端接続部9との接続には半
田付けを行い、引張方向は図6に示した矢印のように素
子電極部4の面に対して垂直となる方向とした。
【0023】図5から判るように、剥離強度は実施例2
のコンデンサ素子集合体の場合が最も強く、ついで実施
例1のコンデンサ素子集合体の場合で、最も弱いのが従
来例のコンデンサ素子集合体である。
【0024】さらに、試験を行ったコンデンサ素子と近
接するコンデンサ素子の剥離状況も、従来例のコンデン
サ素子集合体では上下2つのコンデンサ素子にわたり接
続部5が剥離したのに対して、実施例2のコンデンサ素
子集合体は全数のコンデンサ素子に剥離が認められず、
特に本発明の実施例2が優れていることが判った。
【0025】したがって、実施例2のコンデンサ素子集
合体の構成によって、破壊した後にコンデンサに充電さ
れていた電荷が放電されないということがなくなり、コ
ンデンサの安全性を、より一層高めることができるもの
である。
【0026】(実施例3)図7は本発明の実施例3のコ
ンデンサ素子の下面拡大図である。
【0027】図7に示すように実施例3のコンデンサ素
子は、図1に示すコンデンサ素子集合体の接続金具8の
支持部6より肉厚が薄い薄肉電極リード部7fを有する
接続金具8を用いるという構成である。また、実施例3
のコンデンサ素子は図8に示すように肉厚が徐々に薄く
なるテーパー電極リード部7gにしてもよい。
【0028】上記構成とすることにより、電極リード部
の熱容量を抑制し、電極リード部をコンデンサ素子電極
部4に先端接続部9にて接続する際の半田付けや、溶接
などに必要な熱量を低減させ、接続に要する時間を短縮
できるため、コンデンサの製造コストを低減できるもの
である。また同時に、コンデンサのフィルム端面に与え
る熱による損傷を少なくできるため、コンデンサ特性の
劣化を抑制し軽減できる。さらに支持部6に任意の厚み
を持たせることができるため、支持部6に必要な剛性も
自由に確保できるという効果も得られる。
【0029】(実施例4)図9は本発明の実施例4のコ
ンデンサ素子集合体の斜視図である。
【0030】図9に示すように実施例4のコンデンサ素
子集合体は、電極リード部7がコンデンサ素子1の1個
に対して複数個ある接続金具8を用いるという構成であ
る。
【0031】上記構成とすることにより、1個の電極リ
ード部7に流れる電流が減少するので、素子電極部4と
先端接続部9との接続点には電流が流れることによる発
熱が、コンデンサ素子1個に対して電極リード部7を1
個とした場合よりも小さくなるので、対電流強度が向上
するものである。したがって、高エネルギー密度のコン
デンサの設計に対応でき、さらにコンデンサ素子が電極
間において短絡破壊に至った場合でも、瞬間的に流れる
大きな破壊電流を複数個の電極リード部7によって分流
できることから、電極リード部7と素子電極部4との先
端接続部9における剥離強度を向上させることができ、
コンデンサの安全性をより高めることができる。
【0032】(実施例5)図10は本発明の実施例5の
コンデンサ素子集合体の斜視図である。
【0033】図10に示すように実施例5のコンデンサ
素子集合体は、コンデンサ素子集合体の接続金具8の電
極リード部7の位置が、支持部6に対して線対称もしく
は点対称の位置にある接続金具8を用いるという構成で
ある。
【0034】上記構成とすることにより、素子電極部4
に電極リード部7より流れる電流の分布が良好となる。
特にコンデンサ素子が電極間において短絡破壊に至った
場合の瞬間的に流れる大きな破壊電流により先端接続部
9に発生する熱量が素子電極部4の特定の箇所に集中す
ることがなくなるのである。このため、電極リード部7
と素子電極部4との先端接続部9の剥離強度を向上させ
ることができ、コンデンサの安全性をより高めることが
できる。
【0035】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によればコンデンサの安全性を従来以上に高めること
ができ、なおかつ製造コストが削減できる構成のコンデ
ンサ素子集合体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるコンデンサ素子集合
体の斜視図
【図2】本発明の実施例2におけるコンデンサ素子集合
体の斜視図
【図3】同電極リード部の傾斜部の拡大側面図
【図4】(a)本発明の実施例2における弾性加工部と
しての一実施例である折曲部の要部側面図 (b)同折返し部の要部正面図 (c)同波状部の要部正面図 (d)同円弧部の要部正面図
【図5】本発明の実施例1と実施例2と従来例とのコン
デンサ素子集合体における接続部の引張試験の結果を示
す図
【図6】図5に示す電極接続部引張試験を行う試料コン
デンサ素子集合体を示す斜視図
【図7】本発明の実施例3における薄肉電極リード部の
拡大側面図
【図8】同テーパー電極リード部の拡大側面図
【図9】本発明の実施例4におけるコンデンサ素子集合
体の斜視図
【図10】本発明の実施例5におけるコンデンサ素子集
合体の斜視図
【図11】従来例のコンデンサ素子集合体の斜視図
【図12】他の従来例のコンデンサ素子集合体の斜視図
【符号の説明】
1 コンデンサ素子 2 枠状接続金具 3 リード片 4 素子電極部 5 接続部 6 支持部 7 電極リード部 7a 傾斜部 7b 折曲部 7c 折返し部 7d 波状部 7e 円弧部 7f 薄肉電極リード部 7g テーパー電極リード部 8 接続金具 9 先端接続部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルムまたは紙の片面ま
    たは両面に金属を蒸着した金属蒸着フィルムまたは金属
    蒸着紙を有する型式のコンデンサ素子の素子電極部が、
    電気的に同極となるようにコンデンサ素子複数個を積み
    重ねて集合したコンデンサ素子集合体において、支持部
    と複数の電極リード部とが一体となっている接続金具の
    前記複数の電極リード部の先端接続部を個別にコンデン
    サ素子の素子電極部に接続したことを特徴とするコンデ
    ンサ素子集合体。
  2. 【請求項2】 バネ性のある電極リード部を有する接続
    金具を用いたことを特徴とする請求項1記載のコンデン
    サ素子集合体。
  3. 【請求項3】 バネ性のある電極リード部は折曲加工に
    よる弾性加工部を有することにより弾力性を付与したも
    のであることを特徴とする請求項2記載のコンデンサ素
    子集合体。
  4. 【請求項4】 肉厚において支持部より電極リード部の
    方を薄くした接続金具を用いたことを特徴とする請求項
    1ないし3のいずれかに記載のコンデンサ素子集合体。
  5. 【請求項5】 接続金具の電極リード部は、支持部に接
    する部分から先端接続部に向って順次肉厚を薄くしたも
    のであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
    に記載のコンデンサ素子集合体。
  6. 【請求項6】 コンデンサ素子1個に対して電極リード
    部を複数個有する接続金具を用いたことを特徴とする請
    求項1ないし5のいずれかに記載のコンデンサ素子集合
    体。
  7. 【請求項7】 電極リード部が支持部に対して線対称ま
    たは点対称の位置にある接続金具を用いたことを特徴と
    する請求項1ないし6のいずれかに記載のコンデンサ素
    子集合体。
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