JPH1041094A - 高効率プラズマ閉じ込め方法とレーザー発振方法並び にレーザー発振器 - Google Patents

高効率プラズマ閉じ込め方法とレーザー発振方法並び にレーザー発振器

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JPH1041094A
JPH1041094A JP8193262A JP19326296A JPH1041094A JP H1041094 A JPH1041094 A JP H1041094A JP 8193262 A JP8193262 A JP 8193262A JP 19326296 A JP19326296 A JP 19326296A JP H1041094 A JPH1041094 A JP H1041094A
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    • HELECTRICITY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率のよい閉じ込めを、安定して行う。 【解決手段】 円筒形超伝導体による高効率なプラズマ
閉じ込めを行い、また、レーザー発振を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高効率なプラズ
マ閉じ込め方法と、それによるレーザー発振方法並びに
レーザー発振器に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】物質の第四の状態と呼ばれる
プラズマは、多数の粒子が集団的に運動するモードと、
個々の粒子が個別的に相互作用を及ぼしあう個別運動の
モードとが複雑にからみあっている事情から、これまで
にも多くの観点からの研究が行われてきており、その性
質を利用した、高温での材料加工や、プラズマ化学など
の実際的な応用も幅広く進められ、活発な技術の展開が
図られている。
【0003】プラズマは、外部から作用する電磁場の影
響を受け、多様なふるまいを示すものであるが、同時に
構成粒子それ自身の生じるプラズマ内の内部電磁場の効
果も顕著であり、他の物質の状態には見られないふるま
いが特徴的となっている。このようなプラズマも、自然
界には多く存在しているが、これら自然界のプラズマを
実験室で利用することはできない。したがって、何らか
の手段でプラズマを発生させて実験的に、あるいは実用
的に利用できるようにする装置が必要となる。そして、
このような装置においては、必要な種類の原子または分
子のイオンから成るプラズマを、目的に応じ生成・保持
するための閉じ込めが必要とされる。このプラズマの閉
じ込めについては、生成されたプラズマの制御パラメー
ターが発生の機構により異なるため、閉じ込めの手法
も、磁場閉じ込め、慣性閉じ込め等、いろいろと工夫さ
れてきている。
【0004】しかしながら、これまでの工夫にもかかわ
らず、一般的に、レーザーにより生成されたプラズマ
は、高密度、高温度(〜1021cm-3、20eV〜2K
eV)であるため、これまでの磁場による閉じ込め等に
よる手段では困難となっている。このような高密度、高
温度のプラズマは、普通、膨張して消滅してしまい、安
定に保持することは難しい。また、低温のプラズマ(2
0eV以下)の場合でも、生成されたプラズマには、自
然発生的なゆがみやひずみが起こりやすく、半径方向の
拡散や膨張が生じるという問題がある。
【0005】そのため、レーザーにより生成させた高密
度、高温度のプラズマをはじめとして、プラズマの効率
のよい閉じ込めを安定して行うことのできる方法とその
ための手段が求められていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、超伝導体円筒の入口よりレーザ
ー光を入射させて生成させたプラズマを前記円筒内で閉
じ込める方法であって、円筒の入口と出口との間でその
内径を絞ることで生成プラズマの半径方向の拡散または
膨張を抑えることを特徴とする高効率プラズマ閉じ込め
方法(請求項1)と、超伝導体円筒の入口よりレーザー
光を入射させて生成させたプラズマを前記円筒内で閉じ
込める方法であって、円筒の入口と出口でその内径を絞
ることで生成プラズマの軸方向の拡散または膨張を抑え
ることを特徴とする高効率プラズマ閉じ込め方法(請求
項2)、並びに超伝導体円筒のまわりにコイルを巻いて
磁力線を軸方向に生成させてプラズマを閉じ込める上記
の方法(請求項3)を提供する。
【0007】そしてまた、この発明は、以上のプラズマ
閉じ込め方法によって可能とされたレーザー発振方法と
して、円筒の入口と出口との間でその内径を絞ることで
生成プラズマの半径方向の拡散または膨張を抑えてプラ
ズマを高効率で閉じ込めてレーザー発振させることを特
徴とするレーザー発振方法(請求項4)、円筒の入口と
出口でその内径を絞ることで生成プラズマの軸方向の拡
散または膨張を抑えてプラズマを高効率で閉じ込めてレ
ーザー発振させることを特徴とするレーザー発振方法
(請求項5)、並びに超伝導体円筒のまわりにコイルを
巻いて磁力線を軸方向に生成させてプラズマを閉じ込め
レーザー発振させる方法(請求項6)も提供する。
【0008】さらにこの発明は、超伝導体円筒と、この
円筒内への気体または固体の供給手段と、レーザー入射
手段とを備えたレーザー発振器であって、前記円筒の入
口と出口との間でその内径が絞られているか、または入
口と出口でその内径が絞られていることを特徴とするレ
ーザー発振器(請求項7)、超伝導体円筒のまわりには
コイルが巻かれ、磁力線が軸方向に生成されているレー
ザー発振器(請求項8)、超伝導体円筒の入口と出口方
向にはミラーが配置され、ミラー共振器が構成されてい
るレーザー発振器等をも提供する。
【0009】
【実施の形態】この発明では、上記の通り円筒形状の超
伝導体を利用することで、生成プラズマの半径方向ある
いは軸方向の拡散や膨張を抑制する。プラズマの自然発
生的なゆがみやひずみも抑制する。つまり、プラズマを
軸上につけることができる。そして、このことで、高効
率な短波長レーザー等のレーザー発振が可能ともなる。
【0010】以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発
明の実施の形態について説明する。もちろんこの発明は
以下の例によって限定されるものではない。
【0011】
【実施例】
(実施例1)図1は、この発明の円筒形超伝導体による
高効率プラズマ閉じ込めレーザー発振器の基本構成を例
示したものである。発散角αの入射レーザー光は焦点距
離f、開口数Aのレンズにより適宜絞られて円筒内の気
体に入射する。このとき、円筒内壁の曲率は絞られるレ
ーザー光に合わせて決められている。すなわち、図1に
例示したこの発明の高効率プラズマ閉じ込めレーザー発
振器では、円錐形のもっとも細い中央部の内径は入射レ
ーザーの焦点半径によるが、細い場合で100μm、太
い場合で5mmである。また、外径は円筒の肉厚が1m
m以上あれば充分であり、特に規定する必要はない。こ
のような円筒形状の超伝導体において、円筒内の気体に
レーザー光が入射され、プラズマが生成される。入射レ
ーザー光はナノ、ピコあるいはフェムト秒の短パルス、
繰り返しパルスのいずれでもよく、円筒内の気体につい
てもHe等の希ガスをはじめ各種のものが適宜選択され
る。
【0012】生成されるプラズマは、その密度が、初期
ではガスの密度や固体密度程度であるが、圧力が高い分
それだけ早く膨張や拡散が起こる。しかし、その時生じ
ている自己磁場は、超伝導の基本的な性質のひとつであ
るマイスナ−効果により超伝導体に進入できない。その
ため、磁場は超伝導体とプラズマとの間の空間に閉じ込
められ、圧縮される。この圧縮された磁場の圧力により
プラズマは円筒内に閉じ込められるものである。
【0013】また、生成されるプラズマはレ−ザ−媒質
であり、その内径r0 と長さWは、その媒質の二準位間
の粒子の反転分布数(つまりレ−ザ−出力)に関係す
る。つまり、生成した気体プラズマは、半径r0 =f
α、プラズマ長W=4Ar0 、体積V=4πAf3 α3
であり、円筒内壁との距離は、このプラズマの温度と密
度に依存している。さらに、希ガス等の気体利用の場合
は、円筒形超伝導体の周囲にコイルを巻いて軸方向に磁
力線を作り、一段と安定にプラズマを閉じ込めて反転分
布を高める構成も可能である。
【0014】そして、このような円筒形の超伝導体内で
生成されたプラズマは、その半径方向あるいは軸方向の
拡散、膨張が抑えられ、また、プラズマのゆがみやひず
みも生じにくく、その補正も自然に行なわれるため、プ
ラズマの安定な保持が可能となる。そこで、さらにこの
高効率に閉じ込めたプラズマを、レーザー発振器に利用
するものであるが、この時のプラズマの内径r0 は、発
振遷移間の上凖位が飽和するために必要な入射レーザー
強度により決まる。また、飽和した時点でのWが長けれ
ばそれだけレーザー光出力も高くなる。 (実施例2)図2は、固体ターゲットを用いた場合のこ
の発明の高効率プラズマ閉じ込めレーザー発振器の基本
構成を例示したものである。この場合は (1)円筒形超伝導体の中央に細い穴(複数個も含む)
を開けターゲット棒を挿入する。
【0015】(2)内面に沿ってターゲットを挿入しレ
ーザーを照射するなどの方法により、真空中で実施する
ものである。 (実施例3)図3は、ミラー共振器を構成した場合のこ
の発明の高効率プラズマ閉じ込めレーザー発振器を例示
したものである。ここでは、入射レーザー光は光軸から
ずれて入射する。光軸上ではミラーにより、発振した短
波長レーザーが共振するので、レーザー出力の利得を得
ることができる。 (実施例4)図4は、円筒形超伝導体の入り口と出口を
細く構成した場合の、この発明の高効率プラズマ閉じ込
めレーザー発振器を例示したものである。このような構
成をすることで、生成プラズマの軸方向の膨張をより抑
えることができる。 (実施例5)実施例1、2、3および4の超伝導体円筒
は、例えば、図5のような構成の冷却部を伴って使用す
ることになる(この場合は図4の装置構成に冷却部を組
み合わせている)。これは、超伝導効果を得るためであ
り、もちろん、常温超伝導体ができれば、液体窒素によ
る冷却部は不必要となる。
【0016】この図5の例では、銅製の容器状円筒体の
内面に、電気伝導性の良好なエポキシ樹脂接着剤等によ
り超伝導体を接合し、開口部から、たとえば液体窒素を
導入して冷却し、超伝導効果が発現されるようにしてい
る。
【0017】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この発明で
は、従来の閉じ込め手法では難しかった効率のよい閉じ
込めを、安定して行うことが可能となる。そして、この
高効率の閉じ込めで、小型で簡便な、高効率短波長レー
ザー発振器を提供することができる。
【0018】もちろん、プラズマの閉じ込めは、高密
度、高温度ばかりでなく、低温のプラズマに対しても効
果を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の円筒形超伝導体による高効率プラズ
マ閉じ込めとレーザー発振器の基本構成を例示した概念
図である。
【図2】固体ターゲットを用いた場合のこの発明の高効
率プラズマ閉じ込めとレーザー発振器の基本構成を例示
した概念図である。
【図3】ミラー共振器を構成した場合のこの発明の高効
率プラズマ閉じ込めとレーザー発振器を例示した概念図
である。
【図4】円筒形超伝導体の入り口と出口を細く構成した
場合の、この発明の高効率プラズマ閉じ込めとレーザー
発振器を例示した概念図である。
【図5】この発明の円筒形超伝導体に伴う冷却部の構成
を例示した断面概要図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石毛 洋一 茨城県東茨城郡大洗町磯浜町1335番地 株 式会社ミヤマ内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超伝導体円筒の入口よりレーザー光を入
    射させて生成させたプラズマを前記円筒内で閉じ込める
    方法であって、円筒の入口と出口との間でその内径を絞
    ることで生成プラズマの半径方向の拡散または膨張を抑
    えることを特徴とする高効率プラズマ閉じ込め方法。
  2. 【請求項2】 超伝導体円筒の入口よりレーザー光を入
    射させて生成させたプラズマを前記円筒内で閉じ込める
    方法であって、円筒の入口と出口でその内径を絞ること
    で生成プラズマの軸方向の拡散または膨張を抑えること
    を特徴とする高効率プラズマ閉じ込め方法。
  3. 【請求項3】 超伝導体円筒のまわりにコイルを巻いて
    磁力線を軸方向に生成させてプラズマを閉じ込める請求
    項1または2の方法。
  4. 【請求項4】 超伝導体円筒の入口よりレーザー光を入
    射させて生成させたプラズマを前記円筒内で閉じ込めて
    レーザー発振させる方法であって、円筒の入口と出口と
    の間でその内径を絞ることで生成プラズマの半径方向の
    拡散または膨張を抑えてプラズマを高効率で閉じ込めて
    レーザー発振させることを特徴とするレーザー発振方
    法。
  5. 【請求項5】 超伝導体円筒の入口よりレーザー光を入
    射させて生成させたプラズマを前記円筒内で閉じ込めて
    レーザー発振させる方法であって、円筒の入口と出口で
    その内径を絞ることで生成プラズマの軸方向の拡散また
    は膨張を抑えてプラズマを高効率で閉じ込めてレーザー
    発振させることを特徴とするレーザー発振方法。
  6. 【請求項6】 超伝導体円筒のまわりにコイルを巻いて
    磁力線を軸方向に生成させてプラズマを閉じ込めレーザ
    ー発振させる請求項4または5の方法。
  7. 【請求項7】 超伝導体円筒と、この円筒内への気体ま
    たは固体の供給手段と、レーザー入射手段とを備えたレ
    ーザー発振器であって、前記円筒の入口と出口との間で
    その内径が絞られているか、または入口と出口でその内
    径が絞られていることを特徴とするレーザー発振器。
  8. 【請求項8】 超伝導体円筒のまわりにはコイルが巻か
    れ、磁力線が軸方向に生成されている請求項7のレーザ
    ー発振器。
  9. 【請求項9】 超伝導体円筒の入口と出口方向にはミラ
    ーが配置され、ミラー共振器が構成されている請求項7
    または8のレーザー発振器。
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