JPH1038124A - 電磁弁における合成樹脂製コイルボビン - Google Patents

電磁弁における合成樹脂製コイルボビン

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JPH1038124A
JPH1038124A JP20904496A JP20904496A JPH1038124A JP H1038124 A JPH1038124 A JP H1038124A JP 20904496 A JP20904496 A JP 20904496A JP 20904496 A JP20904496 A JP 20904496A JP H1038124 A JPH1038124 A JP H1038124A
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JP
Japan
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annular
coil bobbin
vertical wall
synthetic resin
collar member
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JP20904496A
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Kenichi Sato
健一 佐藤
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Keihin Corp
Original Assignee
Keihin Seiki Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 合成樹脂材料によって形成されるコイルボビ
ンと、金属材料よりなるハウジングとの間に形成される
環状リング溝内に配置される弾性リング部材を、温度変
化に拘わらず常に適正な弾性圧縮力をもって保持し、良
好なシール性を保持する。 【構成】 カラー部材20は、コイルボビン1を形成す
る合成樹脂材料の線膨張係数より小なる材料によって円
筒状に形成される。コイルボビン1は合成樹脂材料によ
って形成され、コイルボビン1の環状鍔部1Cに穿設さ
れる環状リング溝2の周囲に、薄肉部1Pを介して前記
カラー部材20を一体的にモールド形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁弁に関するもの
で、ハウジング、固定コア、可動コア、磁極片、等によ
って形成される磁気回路に磁力を生起させる為に円筒部
の周囲にコイルが巻回わされたコイルボビンに関し、そ
のうち特にこのコイルボビンが合成樹脂材料によって形
成された電磁弁における合成樹脂製コイルボビンに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の電磁弁における合成樹脂製コイル
ボビンに関し、図6によって説明する。コイルボビン1
は以下によって形成される。1Aは、長手軸心方向X−
Xに沿ってのびる円筒部であり、その内方には、貫通孔
1Bが一端(図において上方をいう)から他端(図にお
いて下方をいう)に向かって貫通して穿設される。円筒
部1Aの一端から外側に向かって環状鍔部1Cがのび、
円筒部1Aの他端から外側に向かって環状鍔部1Cがの
びる。円筒部1Aの一端の環状鍔部1Cには、環状鍔部
1Cの内側方1Dに向かって開口する環状リング溝2が
形成される。この環状リング溝2は、長手軸心方向X−
Xに沿う垂直壁2Aと、長手軸心方向X−Xに直交する
水平方向Y−Yに沿う水平壁2Bと、によって形成され
る。すなわち、この環状リング溝2は、環状鍔部1Cの
内側方1Dと、環状鍔部1Cの一端側の(図において上
方)端面1Eに開口する。又、円筒部1Aの他端の環状
鍔部1Cには、環状鍔部1Cの外側方1Fに向かって開
口する環状リング溝2が形成される。この環状リング溝
2は、長手軸心方向X−Xに沿う垂直壁2Aと、長手軸
心方向X−Xに直交する水平方向Y−Yに沿う水平壁2
Bと、によって形成される。すなわち、この環状リング
溝2は、環状鍔部1Cの外側方1Fと、環状鍔部1Cの
他端側の(図において下方)端面1Eに開口する。そし
て、円筒部1Aの外周にはコイル3が巻回わされ、コイ
ル3は一端の環状鍔部1Cに植設されたターミナル3A
を介して図示せぬ電源に接続される。かかるコイルボビ
ン1は、合成樹脂材料によって形成される。これは、合
成樹脂材料が絶縁性を有すること及び射出成形によって
極めて容易に製作できることによる。
【0003】そして、この合成樹脂材料によって形成さ
れるコイルボビン1によって電磁弁は次の如く形成され
る。4は、下端が開口し、一端に底部4Aを有する有底
筒状のハウジングであり、底部4Aの中心より下端に向
けて固定コア4Bとしての筒部がハウジング4内へ突出
する。このハウジング4は、磁気回路を構成する為に金
属材料によって形成される。コイルボビン1は、ハウジ
ング4の下端の開口から底部4Aに向けてハウジング4
内へ挿入して配置され、このときコイルボビン1の円筒
部1Aの貫通孔1Bは、固定コア4Bの外周に挿入配置
され、一端の環状鍔部1Cの端面1Eは底部4Aに当接
し、ターミナル3Aは底部4Aを貫通してハウジング4
の外方へ突出する。
【0004】次いで、ハウジング4の下端の開口から、
他側の環状鍔部1Cの端面1Eに向けて環状の磁極片5
と、弁座6Aを備えた弁本体6を挿入し、これらがハウ
ジング4に固定される。7は、固定コア4Bに対向して
移動自在に配置される可動コアであり、この可動コア7
は、固定コア4B、ハウジング4、磁極片5、可動コア
7によって形成される磁気回路に生起する磁力によって
固定コア4B側に吸引作動され、一方前記磁力が消滅し
た際、固定コア4Bと可動コア7との間に縮設されたス
プリング8のバネ力によって固定コア4Bより離反して
作動する。かかる可動コア7の移動によると、可動コア
7と一体的に形成された弁部9が弁座6Aを開閉するも
のである。可動コア7が固定コア4Bに吸引作動される
と、弁座6Aは弁部9により開放保持され、固定コア4
Bの内方に形成せる流路及び可動コア7の内方に形成せ
る流路を介して弁座6A内に向けて流体が流入し、弁本
体6より流体が供給される。一方、可動コア7が固定コ
ア4Bより離反すると、弁部9は弁座6Aを閉塞保持
し、前記流路から弁座6A内への流体の流入が阻止さ
れ、弁本体6よりの流体の供給が停止される。
【0005】上記のように、電磁弁の内部を流体が流
れ、この流体がハウジング4の外部へ漏洩することのな
いよう、一端の環状鍔部1Cの環状リング溝2内及び他
端の環状鍔部1Cの環状リング溝2内にはゴム材料より
なる例えばOリング、角リング等の弾性リング部材10
が配置される。
【0006】すなわち、一端の環状鍔部1Cの環状リン
グ溝2内に配置された弾性リング部材10は、固定コア
4Bの外周と、環状リング溝2の垂直壁2Aによって弾
性的に圧縮されて配置される。又、他端の環状鍔部1C
の環状リング溝2内に配置された弾性リング部材10
は、環状リング溝2の垂直壁2Aと、ハウジング4の内
方部分によって弾性的に圧縮されて配置される。従っ
て、かかる弾性部材10のシール作用によってハウジン
グ4内を流れる流体が、ハウジング外へ漏洩することが
抑止される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来の電磁弁に
おける合成樹脂材料によると、次の不具合を有する。 (1)電磁弁内を流れる流体の温度が低い場合、あるい
は、電磁弁が配置される環境温度の低い場合、他端の環
状鍔部1Cにおける弾性リング部材10は適正なシール
性を保持することが困難である。すなわち、他端の環状
鍔部1Cの環状リング溝2について鑑案すると、コイル
ボビン1が合成樹脂材料によって形成されていることか
ら、その線膨張係数は大きく(例えば、ナイロンにおい
て3×10-5から5×10-5cm/cm℃である。)、
これによって、垂直壁2Aは大きく内方に向けて収縮変
形し、その垂直壁2Aの直径は大きく減少する。
【0008】一方、ハウジング4は、金属材料によって
形成されることから、その線膨張係数は、合成樹脂材料
に比較して小さく(例えばステンレス鋼において12×
10-6から14×10-6cm/cm℃である。)、これ
によって、ハウジング4の内方の直径が大きく収縮変形
することはない。
【0009】以上によると、垂直壁2Aの直径の減少分
からハウジング4の直径の減少分を引いた値に相当して
環状リング溝2の溝巾は増加するものである。従って、
初期の設定時において保持される弾性リング部材10に
対する弾性圧縮力が弱められることになり、適正なシー
ル性を保持することが困難となる。このことは、温度低
下の割合が増加するにつれて顕著に表われる。
【0010】(2)電磁弁内を流れる流体の温度が高い
場合、あるいは、電磁弁が配置される環境温度の高い場
合、一端の環状鍔部1Cにおける弾性リング部材10は
適正なシール性を保持することが困難である。すなわ
ち、一端の環状鍔部1Cの環状リング溝2について鑑案
すると、コイルボビン1が合成樹脂材料によって形成さ
れていることから、その線膨張係数は大きく、これによ
って、垂直壁2Aは大きく外方に向けて拡大変形し、そ
の垂直壁2Aの直径は大きく増加する。
【0011】一方、ハウジング4の固定コア4Bは、金
属材料によって形成されることから、その線膨張係数
は、合成樹脂材料に比較して小さくこれによって、ハウ
ジング4の固定コア4Bの外方の直径が大きく拡大変形
することはない。
【0012】以上によると、垂直壁2Aの直径の増加分
からハウジング4の固定コア4Bの直径の増加分を引い
た値に相当して環状リング溝2の溝巾は増加するもので
ある。従って、初期の設定時において保持される弾性リ
ング部材10に対する弾性圧縮力が弱められることにな
り、適正なシール性を保持することが困難となる。この
ことは、温度上昇の割合が増加するにつれて顕著に表わ
れる。
【0013】本発明になる電磁弁における合成樹脂製コ
イルボビンは上記不具合に鑑み成されたもので、コイル
ボビンに加わる温度が大きく変化した際にあっても、合
成樹脂材料よりなるコイルボビンと金属材料よりなるハ
ウジングとの間に形成される環状リング溝内に配置され
る弾性リング部材を常に適正な弾性圧縮力をもって保持
することができ、温度変化に対して秀れたシール性を保
持することのできる合成樹脂製のコイルボビンを提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決する為の手段】本発明になる電磁弁におけ
る合成樹脂製コイルボビンは、前記目的達成の為に、長
手軸心方向X−Xに沿ってのびる円筒部と、円筒部の両
端からそれぞれ外側方に向かってのびる環状鍔部と、環
状鍔部の内側方又は外側方に向かって開口し、円筒部の
長手軸心方向X−Xに沿う垂直壁と、長手軸心方向X−
Xに直交する水平方向Y−Yに沿う水平壁と、によって
形成される環状リング溝と、を備えるコイルボビンが、
合成樹脂材料によって形成され;前記、環状リング溝の
垂直壁の周囲に、薄肉部を介して、合成樹脂材料より小
なる線膨張係数を有する材料よりなる円筒状のカラー部
材を一体的にモールド形成して配置したことを第1の特
徴とする。
【0015】又、本発明は、前記第1の特徴に加え、前
記、カラー部材を、垂直壁に沿う円筒部と、円筒部の一
端から、水平壁内に臨み、水平壁に沿って水平方向Y−
Yにのびる環状部と、によって形成したことを第2の特
徴とする。
【0016】又、本発明は、前記第1の特徴に加え、前
記、カラー部材を、垂直壁に沿う円筒部と、円筒部の一
端から、水平壁に沿って水平方向Y−Yにのびる第1の
環状部と、円筒部の他端から、水平壁に沿って水平方向
Y−Yにのびる第2の環状部と、によって形成したこと
を第3の特徴とする。
【0017】又、本発明は、前記第1の特徴に加え、前
記、カラー部材を、垂直壁に沿う円筒部と、円筒部の一
端から、水平壁に沿って水平方向Y−Yにのびる第1の
環状部と、円筒部の他端から、第1の環状部とは反対方
向の水平方向Y−Yにのびる第2の環状部と、によって
形成したことを第4の特徴とする。
【0018】又、本発明は、長手軸心方向X−Xに沿っ
てのびる円筒部と、円筒部の両端からそれぞれ外側方に
向かってのびる環状鍔部と、環状鍔部の内側方又は外側
方に向かって開口し、円筒部の長手軸心方向X−Xに沿
う垂直壁と、長手軸心方向X−Xに直交する水平方向Y
−Yに沿う水平壁と、によって形成される環状リング溝
と、を備えるコイルボビンが、合成樹脂材料によって形
成され;前記、環状リング溝の垂直壁の周囲に、薄肉部
を介して、環状鍔部の端面に開口する環状凹部を穿設
し、前記、環状凹部内に合成樹脂材料より小なる線膨張
係数を有する材料よりなる円筒状のカラー部材を圧入配
置したことを第5の特徴とする。
【0019】
【作用】第1の特徴によると、コイルボビンに加えられ
る温度が変化した際において、特に垂直壁の径方向に対
する変形が、モールド形成された円筒状のカラー部材に
よって抑止されるので、環状リング溝の溝巾の増加を抑
止でき、これによって弾性リング部材に対する弾性圧縮
力が弱められることがなく、適正なシール性を保持しう
る。
【0020】又、第2の特徴によると、円筒部の一端か
ら水平方向に延びる環状部が水平壁内に臨んで配置され
るので、垂直壁と水平壁との変形を同時に抑止すること
ができ、垂直壁の変形を一層効果的に抑止できる。
【0021】又、第3の特徴によると、円筒部の両端か
らそれぞれ水平方向にのびる第1の環状部と第2の環状
部とを設けたので円筒部の水平方向における耐圧強度を
より高めることができ、これによって垂直壁の変形を効
果的に抑止できる。
【0022】又、第4の特徴によると、カラー部材には
三方が囲まれる袋状部分が形成されることがないので、
これによるとカラー部材をコイルボビンに一体的にモー
ルドする際、合成樹脂材料の流れを阻止することがなく
合成樹脂材料を円滑に流動させてモールド成形できるの
で、コイルボビンの製造を良好に行なうことができ、且
つ垂直壁の変形を効果的に抑止できる。
【0023】又、第5の特徴によると、環状凹部の端面
に開口する環状凹部内に向けてカラー部材を圧入配置す
ればよいので、コイルボビンの製造を極めて容易に行な
うことができ、且つ垂直壁の変形を効果的に抑止でき
る。
【0024】
【実施例】以下、本発明になる電磁弁における合成樹脂
製コイルボビンの一実施例を図1により説明する。尚、
図6と同一構造部分については、同一符号を使用し、説
明を省略する。20は、合成樹脂材料より小なる線膨張
係数を有する材料、例えば鉄等の金属材料あるいはセラ
ミック等によって形成された円筒状をなすカラー部材で
ある。このカラー部材20は、環状リング溝2の垂直壁
2Aに沿い、薄肉部1Pを介して固定的に配置される。
他端の環状鍔部1Cにおいて具体的に説明すると、カラ
ー部材20は垂直壁2Aの少し内方にあって、且つ垂直
壁2Aに沿って配置され、この状態においてコイルボビ
ン1の成形時において一体的にモールド形成される。従
って、カラー部材20の外周20Aと垂直壁2Aとの間
には垂直壁2Aに沿う筒状の薄肉部1Pが形成されるこ
とになる。この薄肉部1Pがカラー部材20と垂直壁2
Aとの間に形成されることは、カラー部材20の外周2
0Aを環状リング溝2内に直接的に露出させないもの
で、環状リング溝2自体のシール性を保持するに好まし
い。
【0025】次に一端の環状鍔部1Cにおいて具体的に
説明すると、カラー部材20は垂直壁2Aの少し外方に
あって、且つ垂直壁2Aに沿って配置され、この状態に
おいてコイルボビン1の成形時において一体的にモール
ド形成される。従って、カラー部材20の内周20Bと
垂直壁2Aとの間には垂直壁2Aに沿う筒状の薄肉部1
Pが形成されることになる。
【0026】次にその作用について説明する。コイルボ
ビン1に加わる温度が低下すると、コイルボビン1が合
成樹脂材料によって形成され、その線膨張係数が大なる
ことにより、垂直壁2Aは、内方に向かって収縮変形し
ようとする。ここで他端の環状鍔部1Cの垂直壁2Aに
着目すると、環状鍔部1Cの内側方1Dと垂直壁2Aと
の間がカラー部材20に遮断されていることから、内側
方1Dとカラー部材20の内周20Bとの間の環状鍔部
1Cにおける内方への収縮変形は垂直壁2Aの収縮変形
に何等影響を与えることがない。一方、カラー部材20
の外周20Aと垂直壁2Aとの間の環状鍔部1Cに相当
する薄肉部1Pもまた内方に向かって収縮変形するもの
であるが、この薄肉部1Pが薄肉に形成されて径方向の
厚さが小であると共に、薄肉部1Pの内方にカラー部材
20が配置されているので、その収縮変形量を極めて微
少とすることができる。
【0027】以上によると、低温時において、環状リン
グ溝2の溝巾が大きく変化することがないもので、弾性
リング部材10を、垂直壁2Aとハウジング4の内方と
によって適正な弾性圧縮力をもって押圧支持することが
でき、もって他端側の環状リング溝2内において、良好
なシール性を得ることができる。
【0028】一方、一端の環状鍔部1Cの垂直壁2Aに
着目すると、環状鍔部1Cの外側方1Fと垂直壁2Aと
の間がカラー部材20に遮断されていることから、外側
方1Fとカラー部材20の外周20Aとの間の環状鍔部
1Cにおける内方への収縮変形は垂直壁2Aの収縮変形
に何等影響を与えることがない。そして、カラー部材2
0の内周20Bと垂直壁2Aとの間の環状鍔部1Cに相
当する薄肉部1Pもまた内方に向かって収縮変形するも
のであるが、この薄肉部1Pが薄肉に形成されて径方向
の厚さが小であるので、その収縮変形量を微少とするこ
とができる。
【0029】以上によると、低温時において、環状リン
グ溝2の溝巾が大きく変化することがないもので、弾性
リング部材10を、垂直壁2Aとハウジング4の固定コ
ア4Bの外周とによって適正な弾性圧縮力をもって押圧
支持することができ、もって一端側の環状リング溝2内
において、良好なシール性を得ることができる。
【0030】そして、コイルボビン1に加わる温度が上
昇すると、コイルボビン1が合成樹脂材料によって形成
され、その線膨張係数が大なることにより、垂直壁2A
は、外方に向かって拡大変形しようとする。ここで他端
の環状鍔部1Cの垂直壁2Aに着目すると、環状鍔部1
Cの内側方1Dと垂直壁2Aとの間がカラー部材20に
遮断されていることから、内側方1Dとカラー部材20
の内周20Bとの間の環状鍔部1Cにおける外方への拡
大変形はカラー部材20によって阻止され、垂直壁2A
の拡大変形に何等影響を与えることがない。一方、カラ
ー部材20の外周20Aと垂直壁2Aとの間の環状鍔部
1Cに相当する薄肉部1Pもまた外方に向かって拡大変
形するものであるが、この薄肉部1Pが薄肉に形成され
て径方向の厚さが小であるので、その拡大変形量を微少
とすることができる。
【0031】以上によると、高温時において、環状リン
グ溝2の溝巾が大きく変化することがないもので、弾性
リング部材10を、垂直壁2Aとハウジング4の内方と
によって適正な弾性圧縮力をもって押圧支持することが
でき、もって他端側の環状リング溝2内において、良好
なシール性を得ることができる。
【0032】一方、一端の環状鍔部1Cの垂直壁2Aに
着目すると、環状鍔部1Cの外側方1Fと垂直壁2Aと
の間がカラー部材20に遮断されていることから、外側
方1Fとカラー部材20の外周20Aとの間の環状鍔部
1Cにおける外方への拡大変形は垂直壁2Aの拡大変形
に何等影響を与えることがない。そして、カラー部材2
0の内周20Bと垂直壁2Aとの間の環状鍔部1Cに相
当する薄肉部1Pもまた外方に向かって拡大変形するも
のであるが、この薄肉部1Pが薄肉に形成されて径方向
の厚さが小であると共に、薄肉部1Pの外方にカラー部
材20が配置されているので、その拡大変形量を極めて
微少とすることができる。
【0033】以上によると、高温時において、環状リン
グ溝2の溝巾が大きく変化することがないもので、弾性
リング部材10を、垂直壁2Aとハウジング4の固定コ
ア4Bの外周とによって適正な弾性圧縮力をもって押圧
支持することができ、もって一端側の環状リング溝2内
において、良好なシール性を得ることができる。尚、薄
肉部1Pの肉厚は、コイルボビン1に使用される合成樹
脂材料、電磁弁の使用状況によって適宜選定される。
【0034】次に、図2によりカラー部材20の第2の
実施例について説明する。尚、図1及び図6と同一構造
部分は、同一符号を使用して説明を省略する。カラー部
材20は、垂直方向に形成された円筒部20Cと、円筒
部20Cの一端から水平方向にのびる環状部20Dとに
よって形成される。そして、円筒部20Cは垂直壁2A
に沿って薄肉部1Pを介して配置され、環状部20D
は、水平壁2B内に臨み、(水平壁2Bの内部へ進入す
ること)水平壁2Bに沿って配置される。
【0035】すなわち、他端の環状鍔部1Cにあって
は、垂直壁2Aの内方に薄肉部1Pを介して円筒部20
Cが配置され、円筒部20Cの一端から外側方に向かっ
てのびる環状部20Dは、水平壁2B内に進入するとと
もに水平壁2Bに沿って水平方向Y−Yにのびる。
【0036】一方、一端の環状鍔部1Cにあっては、垂
直壁2Aの外方に薄肉部1Pを介して円筒部20Cが配
置され、円筒部20Cの他端から内側方に向かってのび
る環状部20Dは、水平壁2B内に進入するとともに水
平壁2Bに沿って水平方向Y−Yにのびる。
【0037】かかる第2の実施例によると、第1の実施
例と同様に、コイルボビン1の温度変化に対する垂直壁
2Aの変化量を小とすることができ、環状リング溝2の
溝巾の変化を抑止できて環状リング溝2における良好な
シール性を得ることができることに加え、更に次の効果
を奏するものである。すなわち、円筒部20Dの一端に
環状部20Dを設けたことにより、カラー部材20の径
方向における耐圧性を高めることができた。これによる
と、温度変化時における垂直壁2Aの変形を一層効果的
に抑止でき、更にはカラー部材20の板厚を薄くするこ
とができてコイルボビン1の重量増加を極力防止するこ
とができたものである。又、水平壁2B内に環状部20
Dが進入して配置されたことによると、垂直壁2Aと水
平壁2Bとの交差部分2Cにおける垂直壁2Aの変形を
確実に防止できたもので、環状リング溝2によるシール
性を更に向上することができたものである。
【0038】次に図3により、カラー部材20の第3の
実施例について説明する。カラー部材20は、垂直方向
に形成された円筒部20Cと、円筒部20Cの一端から
水平方向Y−Yにのびる第1の環状部20Eと、円筒部
20Cの他端から水平方向Y−Yにのびる第2の環状部
20Fと、により形成される。そして、円筒部20Cは
垂直壁2Aに沿って薄肉部1Pを介して配置され、第1
の環状部20E、第2の環状部20Fは、水平壁2Bに
沿って水平方向に配置される。
【0039】すなわち、他端の環状鍔部1Cにあって
は、垂直壁2Aの内方に薄肉部1Pを介して円筒部20
Cが配置され、円筒部20Cの両端から第1の環状部2
0Eと第2の環状部20Fが内方に向かって水平方向に
のびて配置される。又、一端の環状鍔部1Cにあって
は、垂直壁2Aの外方に薄肉部1Pを介して円筒部20
Cが配置され、円筒部20Cの両端から第1の環状部2
0Eと第2の環状部20Fが外方に向かって水平方向に
のびて配置される。
【0040】本実施例によると、円筒部20Cの両端に
第1,第2の環状部20E,20Fを設けたので、第2
の実施例のカラー部材20に比較して更にカラー部材2
0の耐圧性を高めることができ、垂直壁2Aの変形抑止
及びカラー部材20の薄肉化の点で一層好ましいもので
ある。
【0041】次に図4により、カラー部材20の第4の
実施例について説明する。カラー部材20は、垂直方向
に形成された円筒部20Cと、円筒部20Cの一端から
水平方向Y−Yに沿ってのびる第1の環状部20Gと、
円筒部20Cの他端から第1の環状部20Gとは反対方
向の水平方向Y−Yに沿ってのびる第2の環状部20H
と、により構成される。
【0042】そして、他端の環状鍔部1Cにあっては、
垂直壁2Aの内方に薄肉部1Pを介して円筒部20Cが
配置され、円筒部20Cの一端から第1の環状部20G
が水平壁2B内に進入するとともに水平方向Y−Yの外
方に向かって配置され、円筒部20Cの他端から第2の
環状部20Hが内方に向かって水平方向Y−Yに沿って
配置される。一方、一端の環状鍔部1Cにあっては、垂
直壁2Aの外方に薄肉部1Pを介して円筒部20Cが配
置され、円筒部20Cの一端から第1の環状部20Gが
水平方向Y−Yの外方に向かって配置され、円筒部20
Cの他端から第2の環状部20Hが水平壁2B内に進入
するとともに内方に向かって水平方向Y−Yに沿って配
置される。
【0043】かかる第4の実施例によると、円筒部20
Cの一端に第1の環状部20Gを形成し、他端に第2の
環状部20Hを形成したので、カラー部材20の耐圧性
を高めることができて、垂直壁2Aの変形をより効果的
に抑止できるとともにカラー部材20の板厚を更に薄く
することができる。又、何れか一方の環状部を水平壁2
B内に進入して配置したので垂直壁2Aと水平壁2Bと
の交差部分2Cにおける垂直壁2Aの変形を確実に防止
できた。又、前記カラー部材20はコイルボビン1の射
出成形時において一体成形されるが、第1の環状部20
Gと第2の環状部20Hが水平方向Y−Yにおいて反対
方向にのびて形成されるので、カラー部材20において
袋状部分を有しないので、コイルボビン1の成形時にお
いて合成樹脂材料の湯流れが良好に行なわれ、コイルボ
ビン1の成形を極めて容易に行なうことができる。
【0044】次に図5により、第5の実施例について説
明する。コイルボビン1の環状鍔部1Cには、環状リン
グ溝2の垂直壁2Aの周囲に薄肉部1Pを介して環状凹
部1Nが穿設される。すなわち、他端の環状鍔部1Cに
あっては、垂直壁2Aの内方に薄肉部1Pを介して環状
凹部1Nが穿設され、この環状凹部1Nは、他端の環状
鍔部1Cの端面1Eと、環状鍔部1Cの内側方1Dに開
口される。又、一端の環状鍔部1Cにあっては、垂直壁
2Aの外方に薄肉部1Pを介して環状凹部1Nが穿設さ
れ、この環状凹部1Nは一端の環状鍔部1Cの端面1E
に開口する。21は、円筒状のカラー部材であり、前記
環状凹部1N内に圧入されるようドーナツ状をなして形
成され、且つ合成樹脂材料の線膨張係数より小なる線膨
張係数を有する例えば金属材料で形成される。
【0045】そして、前記カラー部材21が他端の環状
鍔部1Cの環状凹部1N内及び、一端の環状凹部1Cの
環状凹部1N内にその端面1Eの開口から圧入して配置
される。以上によると、他端の環状鍔部1Cにあって
は、環状リング溝2を形成する垂直壁2Aの内方に薄肉
部1Pを介して環状凹部1N内に、カラー部材21が圧
入配置され、一方、一端の環状鍔部1Cにあっては、環
状リング溝2を形成する垂直壁2Aの外方に薄肉部1P
を介して環状凹部1N内にカラー部材21が圧入配置さ
れる。
【0046】以上によれば、前記実施例と同様に、他端
の環状鍔部1Cにあっては、環状リング溝2の垂直壁2
Aと環状鍔部1Cの内側方1Dとの間にカラー部材21
が配置され、カラー部材21の外周部分と垂直壁2Aと
の間に薄肉部1Pが形成されること。及び一端の環状鍔
部1Cにあっては、環状リング溝2の垂直壁2Aと環状
鍔部1Cの外側方1Fとの間にカラー部材21が配置さ
れ、カラー部材21の内周部分と垂直壁2Aとの間に薄
肉部1Pが形成されること。から温度変化時における環
状リング溝2の溝巾の変形を抑止することができて弾性
リング部材10を適正な弾性圧縮力をもって押圧保持し
て良好なシール性を得られるものである。本実施例によ
れば、カラー部材21は、コイルボビン1の円筒部1A
の長手軸心方向から端面1Eに開口する各環状凹部1N
内に圧入して配置すればよいので、コイルボビン1に対
するカラー部材21の装着を極めて簡単に行なうことが
できる。尚、他端の環状鍔部1Cの環状凹部1N内に配
置されるカラー部材21の材料として、磁性材を用いる
ようにすると、磁路面積を大きくとれるので、電磁部の
性能(吸引力、応答性等)向上を計ることが可能とな
る。又、この際、カラー部材21の内径を環状の磁極片
5の内径と略同一にすれば、さらに、性能向上が計れ
る。又、本実施例においては、カラー部材21と磁極片
5とは、別体としたが、一体としても勿論構わない。
【0047】
【発明の効果】以上の如く、本発明になる電磁弁におけ
る合成樹脂製コイルボビンによると、合成樹脂製材料に
よって形成されるコイルボビンの環状リング溝の垂直壁
の周囲に薄肉部を介して合成樹脂材料より小なる線膨張
係数を有する材料よりなるカラー部材を一体的にモール
ド形成したので、コイルボビンに加わる温度が大きく変
化した際(低温方向への変化、高温方向への変化)にあ
っても、環状リングの溝巾の変化を小なる変化量に抑止
することができ、温度変化時においても弾性リング部材
の良好なシール性を得ることができるものである。
【0048】又、前記カラー部材を円筒部と、円筒部の
一端から水平壁内に臨み、水平壁に沿って水平方向にの
びる環状部と、によって形成したことによると、カラー
部材の径方向における耐圧性を高めることができるとと
もに垂直壁と水平壁との交差部分における垂直壁の変更
を防止でき、弾性リング部材のシール性を更に向上でき
るものである。
【0049】又、前記カラー部材を、円筒部の一端から
水平方向にのびる第1の環状部と、円筒部の他端から水
平方向にのびる第2の環状部と、によって形成したこと
によると、カラー部材の耐圧性を更に高めることがで
き、弾性リング部材のシール性の向上と、カラー部材を
薄肉化する上で好適である。
【0050】又、前記カラー部材を、円筒部の一端から
水平方向にのびる第1の環状部と、円筒部の他端から第
1の環状部とは反対方向の水平方向にのびる第2の環状
部と、によって形成したことによると、弾性リング部材
のシール性の向上と、カラー部材をコイルボビンに一体
成形する際、合成樹脂材料の湯流れを良好に維持するこ
とができて、コイルボビンの成形性を向上できる。
【0051】又、コイルボビンの環状鍔部に、環状リン
グ溝の垂直壁の周囲に薄肉部を介して環状鍔部の端面に
開口する環状凹部を穿設し、該環状凹部内に合成樹脂材
料より小なる線膨張係数を有するカラー部材を圧入配置
したことによると、弾性リング部材の良好なシール性を
得られるとともにコイルボビンに対してカラー部材を容
易に装着することができて生産効率を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる電磁弁における合成樹脂製コイル
ボビンの第1実施例を示す縦断面図。
【図2】本発明になる電磁弁における合成樹脂製コイル
ボビンの第2実施例を示す縦断面図。
【図3】本発明になる電磁弁における合成樹脂製コイル
ボビンの第3実施例を示す縦断面図。
【図4】本発明になる電磁弁における合成樹脂製コイル
ボビンの第4実施例を示す縦断面図。
【図5】本発明になる電磁弁における合成樹脂製コイル
ボビンの第5実施例を示す縦断面図。
【図6】従来の電磁弁における合成樹脂製コイルボビン
の縦断面図。
【符号の説明】
1 コイルボビン 1A 円筒部 1C 環状鍔部 1D 内側方 1F 外側方 1E 端面 1P 薄肉部 1N 環状凹部 20 カラー部材 20C 円筒部 20D 環状部 20E,20G 第1の環状部 20F,20H 第2の環状部 21 カラー部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手軸心方向X−Xに沿ってのびる円筒
    部1Aと、円筒部1Aの両端からそれぞれ外側方に向か
    ってのびる環状鍔部1Cと、環状鍔部1Cの内側方1D
    又は外側方1Fに向かって開口し、円筒部1の長手軸心
    方向X−Xに沿う垂直壁2Aと、長手軸心方向X−Xに
    直交する水平方向Y−Yに沿う水平壁2Bと、によって
    形成される環状リング溝2と、を備えるコイルボビン1
    が、合成樹脂材料によって形成され;前記、環状リング
    溝2の垂直壁2Aの周囲に、薄肉部1Pを介して、合成
    樹脂材料より小なる線膨張係数を有する材料よりなる円
    筒状のカラー部材20を一体的にモールド形成して配置
    したことを特徴とする電磁弁における合成樹脂製コイル
    ボビン。
  2. 【請求項2】 前記、カラー部材20を、垂直壁2Aに
    沿う円筒部20Cと、円筒部20Cの一端から、水平壁
    2B内に臨み、水平壁2Bに沿って水平方向Y−Yにの
    びる環状部20Dと、によって形成したことを特徴とす
    る請求項1記載の電磁弁における合成樹脂製コイルボビ
    ン。
  3. 【請求項3】 前記、カラー部材20を、垂直壁2Aに
    沿う円筒部20Cと、円筒部20Cの一端から、水平壁
    2Bに沿って水平方向Y−Yにのびる第1の環状部20
    Eと、円筒部20Cの他端から、水平壁2Bに沿って水
    平方向Y−Yにのびる第2の環状部20Fと、によって
    形成したことを特徴とする請求項1記載の電磁弁におけ
    る合成樹脂製コイルボビン。
  4. 【請求項4】 前記、カラー部材20を、垂直壁2Aに
    沿う円筒部20Cと、円筒部20Cの一端から、水平壁
    2Bに沿って水平方向Y−Yにのびる第1の環状部20
    Gと、円筒部20Cの他端から、第1の環状部20Gと
    は反対方向の水平方向Y−Yにのびる第2の環状部20
    Hと、によって形成したことを特徴とする請求項1記載
    の電磁弁における合成樹脂製コイルボビン。
  5. 【請求項5】 長手軸心方向X−Xに沿ってのびる円筒
    部1Aと、円筒部1Aの両端からそれぞれ外側方に向か
    ってのびる環状鍔部1Cと、環状鍔部1Cの内側方1D
    又は外側方1Fに向かって開口し、円筒部1の長手軸心
    方向X−Xに沿う垂直壁2Aと、長手軸心方向X−Xに
    直交する水平方向Y−Yに沿う水平壁2Bと、によって
    形成される環状リング溝2と、を備えるコイルボビン1
    が、合成樹脂材料によって形成され;前記、環状リング
    溝2の垂直壁2Aの周囲に、薄肉部1Pを介して、環状
    鍔部1Cの端面1Eに開口する環状凹部1Nを穿設し、
    前記、環状凹部1N内に合成樹脂材料より小なる線膨張
    係数を有する材料よりなる円筒状のカラー部材21を圧
    入配置したことを特徴とする電磁弁における合成樹脂製
    コイルボビン。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005045309A1 (ja) * 2003-11-05 2005-05-19 Toyooki Kogyo Co., Ltd. ガスタンクに備える電磁弁装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005045309A1 (ja) * 2003-11-05 2005-05-19 Toyooki Kogyo Co., Ltd. ガスタンクに備える電磁弁装置
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