JPH1037957A - 磁気軸受装置 - Google Patents

磁気軸受装置

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Publication number
JPH1037957A
JPH1037957A JP8190207A JP19020796A JPH1037957A JP H1037957 A JPH1037957 A JP H1037957A JP 8190207 A JP8190207 A JP 8190207A JP 19020796 A JP19020796 A JP 19020796A JP H1037957 A JPH1037957 A JP H1037957A
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JP
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magnetic
electromagnet
levitation body
magnetic levitation
magnetic force
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Withdrawn
Application number
JP8190207A
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English (en)
Inventor
Takeshi Hiwada
武史 桧皮
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2360/00Engines or pumps
    • F16C2360/44Centrifugal pumps
    • F16C2360/45Turbo-molecular pumps

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オートチューニング装置を有する磁気軸受装
置Aにて、2つのうち1つのタッチダウンベアリング
(第2TD9)を2つの電磁石2,3の間に配置し、そ
の両電磁石2,3で磁気浮上体1をその長手方向が略水
平となるように各TD8,9の中心位置で浮上保持させ
る場合に、各位置センサ5,6の出力ゼロ点を各TD
8,9中心にそれぞれ一致させるためのオートチューニ
ングを正確に行いつつ、その磁気軸受装置A全体を小形
化する。 【解決手段】 第1TD8、両電磁石2,3並びに磁気
浮上体1の重心の各位置、第1電磁石2における磁気浮
上体1を下降させようとする下降磁力、第2電磁石3に
おける磁気浮上体1を上昇させようとする上昇磁力及び
磁気浮上体1の質量が所定の関係を満たすように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁力により浮上保
持される回転軸等のような磁気浮上体の浮上位置を調整
するオートチューニング装置を有する磁気軸受装置に関
する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の磁気軸受装置は、図5
に示すように、磁気浮上体(21)の長手方向に離れて
配設され、磁気浮上体(21)を、磁力によりその長手
方向と略直角方向に浮上保持させる2つの電磁石(2
2),(22)と、磁気浮上体(21)の浮上位置をそ
れぞれ検出する2つの位置センサ(25),(25)
と、磁気浮上体(21)が上記各電磁石(22)や各位
置センサ(25)に当接しないようにその浮上方向の移
動を規制する2つのタッチダウンベアリング(28),
(28)(以下、TDという)とが備えられている。こ
の両TD(28),(28)は、通常、上記両電磁石
(22),(22)よりも磁気浮上体(21)の両端側
に配置されている。そして、各TD(28)の中心位置
で磁気浮上体(21)を浮上保持させるために、上記各
位置センサ(25)の出力ゼロ点をその各位置センサ
(25)に近い側の各TD(28)の中心位置にそれぞ
れ一致させるように、各位置センサ(25)の位置を調
整するようになっている。すなわち、上記両電磁石(2
2),(22)の磁力により磁気浮上体(21)をある
浮上方向に移動させて両TD(28),(28)に接触
させたときの上記各位置センサ(25)の出力と、磁気
浮上体(21)を上記浮上方向と反対方向に移動させて
両TD(28),(28)に接触させたときの上記各位
置センサ(25)の出力とから上記各TD(28)の中
心位置を求め、上記各位置センサ(25)の出力ゼロ点
が各TD(28)の中心位置に一致するように各位置セ
ンサ(25)をそれぞれ移動させるようになっている。
その後、各出力センサ(25)の出力ゼロ点を磁気浮上
体(21)の目標浮上位置とすることで、その磁気浮上
体(21)を両TD(28),(28)の中心位置で浮
上保持させることができるようになっている。
【0003】また、例えば特開平2−107815号公
報に示されているように、各位置センサの位置をその出
力ゼロ点が各TDの中心位置に一致するように調整する
のではなく、各TDの中心位置に相当するときの位置セ
ンサの出力値を求め、その出力値を目標浮上位置とする
ようにゼロ点から補正を行って磁気浮上体をTDの中心
位置で浮上させるようにすることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、両TDを、
上記のように、2つの電磁石よりも磁気浮上体の両端側
に配置すると、磁気軸受装置全体が大きくなる。そのた
め、一方のTD(第1TD)をそのままにして、他方の
TD(第2TD)を両電磁石の間に配置することが考え
られる。この場合、磁気浮上体をある浮上方向に移動さ
せて両TDに接触させようとすると、両電磁石の磁力等
の条件により、磁気浮上体が両TDに同じ側で接触する
ときと、互いに反対側で接触するときとがある。すなわ
ち、第1TDと第2TDとの間にある電磁石(第1電磁
石)の磁力が他方の電磁石(第2電磁石)よりも弱い
と、磁気浮上体は、第2TDを支点として傾き、その第
2TDと接触している側と反対側で第1TDと接触す
る。一方、第2電磁石の磁力が第1電磁石よりも弱い
と、磁気浮上体は傾くことなく同じ側で両TDに接触す
ることになる。このため、磁気浮上体の動きが1つに決
まらず、磁気浮上体がその上側で第1TDと接触してい
るのか下側で接触しているのかを判断することができ
ず、オートチューニングを正確に行うことができない。
【0005】そこで、磁気浮上体を常に両TDと互いに
反対側で接触させるようにすれば、磁気浮上体の動きが
1つに決まる。そのためには、両電磁石に互いに逆向き
の磁力を発生させて磁気浮上体を強制的に傾かせること
が考えられる。
【0006】しかし、磁気浮上体を強制的に傾かせる場
合、磁気浮上体をその長手方向が略水平となるように浮
上保持させるものでは、磁気浮上体を第1TDとは下側
で、また第2TDとは上側でそれぞれ接触させようとす
るとき、第2電磁石のみの磁力で磁気浮上体の重力及び
第1電磁石の磁力に抗してその磁気浮上体の第2電磁石
側端部を上昇させる必要があるため、第2電磁石のサイ
ズが大きくなり、磁気軸受装置の小形化には不利であ
る。
【0007】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、2つのうち1つのT
Dを2つの電磁石の間に配置し、その両電磁石で磁気浮
上体をその長手方向が略水平となるように各TDの中心
位置で浮上保持させる場合に、磁気軸受装置の構造を改
良することによって、オートチューニングを正確に行い
つつ、電磁石のサイズアップを防止し、磁気軸受装置全
体を小形化することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、第1TD、両電磁石並びに磁気浮
上体の重心の各位置、第1電磁石における磁気浮上体を
下降させようとする下降磁力、第2電磁石における磁気
浮上体を上昇させようとする上昇磁力及び磁気浮上体の
質量が所定の関係を満たすように構成した。
【0009】具体的には、請求項1の発明では、図1に
示すように、オートチューニング装置を有する磁気軸受
装置であって、水平方向に離れて配置され、磁気浮上体
(1)を、下降させようとする下降磁力と上昇させよう
とする上昇磁力とのバランスにより該磁気浮上体(1)
の長手方向が略水平となるように浮上保持させる第1及
び第2電磁石(2),(3)と、上記磁気浮上体(1)
の浮上位置をそれぞれ検出する2つの位置センサ
(5),(6)と、上記第1電磁石(2)に対して上記
第2電磁石と反対側に配置され、上記磁気浮上体(1)
の浮上方向の移動を規制する第1タッチダウンベアリン
グ(8)と、上記第1及び第2電磁石(2),(3)間
に配置され、上記磁気浮上体(1)の浮上方向の移動を
規制する第2タッチダウンベアリング(9)とを備え、
第1電磁石(2)における上記下降磁力をF1、第2電
磁石(3)における上記上昇磁力をF2、磁気浮上体
(1)の質量をm、重力加速度をgとし、第1タッチダ
ウンベアリング(8)からの水平方向距離で、磁気浮上
体(1)における上記下降磁力F1の作用点までをL
1、上記上昇磁力F2の作用点までをL2、磁気浮上体
(1)の重心までをL3としたとき、 F2×L2>m×g×L3+F1×L1 の関係を満たすように構成する。
【0010】この発明により、第1電磁石(2)に磁気
浮上体(1)を下降させようとする下降磁力F1を、ま
た第2電磁石(3)に磁気浮上体(1)を上昇させよう
とする上昇磁力F2をそれぞれ発生させると、磁気浮上
体(1)における第1TD(8)回りのモーメントは、
第2電磁石(3)により磁気浮上体(1)の第2電磁石
(3)側端部を上昇させようとするモーメントが、第1
電磁石(2)及び磁気浮上体(1)の重力により磁気浮
上体(1)の第2電磁石(3)側端部を下降させようと
するモーメントよりも大きいので、磁気浮上体(1)
は、その第2電磁石(3)側端部が上昇するように第1
TD(8)回りに回転し、第2TD(9)とは上側で、
また第1TD(8)とは下側でそれぞれ接触する。一
方、第1電磁石(2)に磁気浮上体(1)を上昇させよ
うとする上昇磁力を、また第2電磁石(3)に磁気浮上
体(1)を下降させようとする下降磁力をそれぞれ発生
させると、両電磁石(2),(3)の各磁力は第2TD
(9)回りに磁気浮上体(1)の第1電磁石(2)側端
部を上昇させるモーメントとして働く。そして、第2T
D(9)から磁気浮上体(1)重心までの距離は両電磁
石(2),(3)までの距離よりも極めて小さいので、
磁気浮上体(1)の重力がそのモーメントと反対方向の
モーメントとして作用するとしても、磁気浮上体(1)
の重力によるモーメントは極めて小さく、磁気浮上体
(1)は、その第1電磁石(2)側端部が上昇するよう
に第2TD(9)回りに回転する。その結果、磁気浮上
体(1)を第2TD(9)とは下側で、また第1TD
(8)とは上側でそれぞれ接触させることができ、各T
D(8),(9)に上下反対側で接触させたときにその
各TD(8),(9)にそれぞれ近い側の位置センサ
(5),(6)の出力から各TD(8),(9)の中心
位置を正確に求めることができる。したがって、第2電
磁石(3)の磁力を大きくしなくても、第1TD(8)
や両電磁石(2),(3)の位置等を所定の範囲とする
ことで、オートチューニングを正確に行うことができ
る。よって、第2電磁石(3)のサイズアップを防ぎ、
磁気軸受装置全体を小形化することができる。
【0011】請求項2の発明では、請求項1の発明にお
いて、磁気浮上体(1)は、ターボ分子ポンプにおける
ポンプロータを回転一体に取付固定した回転軸とする。
【0012】このことで、ターボ分子ポンプでは、回転
軸の一端に重量の大きなポンプロータが回転一体に取付
固定されているので、サイズの大きな電磁石が必要とな
るが、第1TD(8)や両電磁石(2),(3)の位置
等を所定の範囲とすることで、第2電磁石(3)を小形
化することができ、ターボ分子ポンプ全体の小形化を図
ることができる。よって、この磁気軸受装置の有効な利
用を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係るオ
ートチューニング装置を有する磁気軸受装置(A)を模
式的に示す。(1)はターボ分子ポンプ内に設けられて
いる磁気浮上体としての回転軸であり、この回転軸
(1)の右端部に、図示しないが、回転翼を形成したポ
ンプロータが回転一体に取付固定されている。このた
め、ポンプロータを含めた回転軸(1)の重心位置は、
この回転軸(1)の左右方向中央よりも右側にずれてい
る。
【0014】上記回転軸(1)の左右方向中央よりも左
側には第1電磁石(2)が、また回転軸(1)の右端部
には第2電磁石(3)がそれぞれ水平方向に離れて配置
されている。この第1及び第2電磁石(2),(3)
は、図2に示すように、回転軸(1)の周囲を囲むよう
に8歯のコア(4),(4),…が等間隔に設けられ、
各コア(4)に電磁コイル(10),(10),…が多
層に巻き付けられている。また、図2に一点鎖線で示す
ように、回転軸(1)の上下左右部にそれぞれ隣り合っ
て位置する2歯分のコア(4),(4)で磁路を形成
し、その磁力により回転軸(1)を上下左右方向にそれ
ぞれ吸引することができるようになっている。そして、
各2歯分のコア(4),(4)における回転軸(1)を
上下左右方向に移動させようとする各磁力のバランスに
より回転軸(1)の長手方向が略水平となるように回転
軸(1)を各電磁石(2),(3)内で浮上保持させる
ようになっている。
【0015】上記第1電磁石(2)の左側近傍には第1
位置センサ(5)が、また上記第2電磁石(3)の右側
近傍には第2位置センサ(6)がそれぞれ配置されてい
る。これら第1及び第2位置センサ(5),(6)は、
図2に示すように、上記第1及び第2電磁石(2),
(3)における磁路を形成する2歯のコア(4),
(4)間にそれぞれ配置した上下左右の4つの検出部
(7),(7)…を有する。この各位置センサ(5),
(6)は、その4つの検出部(7),(7)…によって
回転軸(1)の上下左右方向の浮上位置を検出し、回転
軸(1)が各位置センサ(5),(6)の中心位置つま
り4つの検出部(7),(7)…の中心位置にあると
き、各位置センサ(5),(6)の出力はゼロとなるよ
うになっている。
【0016】上記第1電磁石(2)に対して第2電磁石
(3)と反対側には第1TD(8)が、また上記第1電
磁石(2)と第2電磁石(3)との間には第2TD
(9)がそれぞれ配置され、これら第1及び第2TD
(8),(9)は、上記回転軸(1)と僅かな隙間を有
して略嵌合するベアリングであり、回転軸(1)の浮上
方向の移動を規制して回転軸(1)が両電磁石(2),
(3)及び両位置センサ(5),(6)に当接しないよ
うになっている。そして、後述の如く、第1及び第2T
D(8),(9)の中心位置が上記第1及び第2位置セ
ンサ(5),(6)の中心位置つまり出力ゼロ点にそれ
ぞれ一致するように両位置センサ(5),(6)の位置
が調整され、回転軸(1)は各TD(8),(9)の中
心位置で浮上保持されるようになっている。尚、第2T
D(9)は、ポンプロータを含めた回転軸(1)の重心
位置よりも第2電磁石(3)側に位置するように設けら
れている。
【0017】この磁気軸受装置(A)は、第1電磁石
(2)の下部2歯分のコア(4),(4)による回転軸
(1)を下降させようとする磁気吸引力(下降磁力)を
F1、第2電磁石(3)の上部2歯分のコア(4),
(4)による回転軸(1)を上昇させようとする磁気吸
引力(上昇磁力)をF2、ポンプロータを含む回転軸
(1)の質量をm、重力加速度をgとし、上記第1TD
(8)からの水平方向距離で、回転軸(1)における上
記下降磁力F1の作用点までをL1、上記上昇磁力F2
の作用点までをL2、磁気浮上体の重心までをL3とし
たとき、以下の数式1の関係を満たすように構成されて
いる。
【0018】
【数1】
【0019】ここで、上記第2電磁石(3)における上
昇磁力の最大値は、上部2歯分のコアの磁路断面積をA
2、飽和磁束密度をB2、透磁率をμとすると、数式2
のようになる。
【0020】
【数2】
【0021】そして、上記数式1に数式2を代入し、数
式1のF1×L1を無視すると、以下の数式3が得ら
れ、この関係を満たすように第2電磁石(3)が構成さ
れている。
【0022】
【数3】
【0023】以上の構成からなる磁気軸受装置(A)に
おいて、第1及び第2TD(8),(9)の中心位置が
上記第1及び第2位置センサ(5),(6)の中心位置
である出力ゼロ点にそれぞれ一致するように両位置セン
サ(5),(6)の位置を調整するオートチューニング
の方法を説明する。先ず、第1電磁石(2)の下部2歯
分のコア(4),(4)に回転軸(1)を下降させよう
とする下降磁力F1を、また第2電磁石(3)の上部2
歯分のコア(4),(4)に回転軸(1)を上昇させよ
うとする上昇磁力F2をそれぞれ発生させる。すると、
回転軸(1)における第1TD(8)回りのモーメント
は、数式1より、回転軸(1)の第2電磁石(3)側端
部を上昇させようとするモーメント(図1で反時計回り
方向のモーメント)が、回転軸(1)の第2電磁石
(3)側端部を下降させようとするモーメント(図1で
時計回り方向のモーメント)よりも大きいので、回転軸
(1)はその第2電磁石(3)側端部が上昇するように
第1TD(8)回りに回転し、図3に示すように、第2
TD(9)とは上側で、また第1TD(8)とは下側で
それぞれ接触する。このとき、第1及び第2位置センサ
(5),(6)がそれぞれ出力する出力値を記憶してお
く。
【0024】続いて、図4に示すように、第1電磁石
(2)の上部2歯分のコア(4),(4)に回転軸
(1)を上昇させようとする上昇磁力を、また第2電磁
石(3)の下部2歯分のコア(4),(4)に回転軸
(1)を下降させようとする下降磁力をそれぞれ発生さ
せると、両電磁石(2),(3)の各磁力が第2TD
(9)回りに回転軸(1)の第1電磁石(2)側端部を
上昇させるモーメント(図4で時計回り方向のモーメン
ト)として働く。そして、第2TD(9)からの回転軸
(1)重心までの距離は両電磁石(2),(3)までの
距離よりも極めて小さいので、その時計回り方向のモー
メントは、回転軸(1)の重力による反時計回り方向の
モーメントよりも大きい。このことで、回転軸(1)は
第2TD(9)回りに反時計回り方向に回転し、第2T
D(9)とは下側で、また第1TD(8)とは上側でそ
れぞれ接触する。このとき、第1及び第2位置センサ
(5),(6)がそれぞれ出力する出力値を記憶する。
【0025】尚、上記各出力値を記憶する際、第2位置
センサ(6)の位置が第2TD(9)から離れているこ
とにより、回転軸(1)が傾く分、その回転軸(1)の
第2センサ(6)部分の変位量と第2TD(9)部分で
の変位量とが異なるので、その異なる分を第2センサ
(6)の出力値に対し補正を行って記憶することが望ま
しい。
【0026】次に、左右方向についても上記上下方向と
同様に行い、回転軸(1)をその左右両側で各TD
(8),(9)に接触させたときの各センサ(5),
(6)がそれぞれ出力する出力値を記憶する。
【0027】そして、各位置センサ(5),(6)毎に
記憶した各出力値から各位置センサ(5),(6)にそ
れぞれ近い側に位置する各TD(8),(9)の中心位
置を求め、この中心位置に各位置センサ(5),(6)
の出力ゼロ点を一致させるように各位置センサ(5),
(6)を上下左右方向にそれぞれ移動させる。このこと
で、第1及び第2TD(8),(9)の中心位置を上記
第1及び第2位置センサ(5),(6)の中心位置であ
る出力ゼロ点にそれぞれ一致させることができる。
【0028】上述の如く、両位置センサ(5),(6)
の位置を調整した後、ターボ分子ポンプを作動させる
と、回転軸(1)は磁気軸受装置(A)の両電磁石
(2),(3)によって浮上保持された状態で回転し、
ポンプロータの回転翼によって所定の動作がなされる。
このとき、両電磁石(2),(3)における上下左右方
向に回転軸(1)を移動させようとする各磁力のバラン
スによって、各位置センサ(5),(6)の出力がゼロ
となるように回転軸(1)の位置が制御される。このこ
とで、回転軸(1)は各TD(8),(9)の中心位置
に浮上保持され、各TD(8),(9)への片当たりを
防止することができる。
【0029】したがって、上記実施形態では、数式1の
関係を満たすように磁気軸受装置(A)を構成したこと
により、第2電磁石(3)の磁気吸引力を大きくしなく
ても、第1TD(8)や両電磁石(2),(3)の位置
等を所定の範囲とすることで、オートチューニングを正
確に行うことができる。よって、第2電磁石(3)のサ
イズを大きくする必要がなく、磁気軸受装置(A)全体
を小形化することができる。
【0030】また、ターボ分子ポンプにおけるポンプロ
ータを回転一体に取付固定した回転軸(1)を磁気浮上
体としたことにより、回転軸(1)の一端に重量の大き
なポンプロータが回転一体に取付固定されていても、オ
ートチューニングのためにサイズの大きな電磁石を必要
とせず、ターボ分子ポンプ全体を小形化することができ
る。よって、この磁気軸受装置(A)を有効に利用する
ことができる。
【0031】尚、上記実施形態では、第2位置センサ
(6)の位置が、第2TD(9)から離れた位置に配置
したが、第2TD(9)と第2電磁石(3)との間に配
置してもよい。この場合、第2TD(9)の位置に近く
なるため、上記のように、補正を行う必要はなくなる。
【0032】また、上記実施形態では、磁気浮上体
(1)を、ターボ分子ポンプにおけるポンプロータを回
転一体に取付固定した回転軸としたが、本発明は、工作
機械の磁気軸受型スピンドルのロータや磁気浮上搬送装
置の磁気浮上体にも適用することができる。
【0033】さらに、第2TD(9)を回転軸(1)重
心よりも第2電磁石(3)側に配置したが、数式1を満
たしさえすれば、第2TD(9)と回転軸(1)重心と
の位置関係はどのようになっていてもよい。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、オートチューニング装置を有する磁気軸受装置
にて、第2TDを両電磁石の間に配置し、その両電磁石
で磁気浮上体をその長手方向が略水平となるように各T
Dの中心位置で浮上保持させる場合に、第1TD、両電
磁石並びに磁気浮上体の重心の各位置、第1電磁石にお
ける磁気浮上体を下降させようとする下降磁力、第2電
磁石における磁気浮上体を上昇させようとする上昇磁力
及び磁気浮上体の質量が所定の関係を満たすように構成
したことにより、第2電磁石のサイズアップを防止し、
磁気軸受装置全体の小形化を図ることができる。
【0035】請求項2の発明によると、磁気浮上体を、
ターボ分子ポンプにおけるポンプロータを回転一体に取
付固定した回転軸としたことにより、この磁気軸受装置
の有効な利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るオートチューニング装
置を有する磁気軸受装置を模式的に示す構成図である。
【図2】図1のIIーII線断面図である。
【図3】オートチューニング時に回転軸を第1TD回り
に反時計回り方向に回転させた状態を示す図1相当図で
ある。
【図4】オートチューニング時に回転軸を第2TD回り
に時計回り方向に回転させた状態を示す図1相当図であ
る。
【図5】従来のオートチューニング装置を有する磁気軸
受装置を模式的に示す構成図である。
【符号の説明】
(A) 磁気軸受装置 (1) 磁気浮上体 (2) 第1電磁石 (3) 第2電磁石 (5) 第1位置センサ (6) 第2位置センサ (7) 第1タッチダウンベアリング(第1TD) (8) 第2タッチダウンベアリング(第2TD)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オートチューニング装置を有する磁気軸受
    装置であって、 水平方向に離れて配置され、磁気浮上体(1)を、下降
    させようとする下降磁力と上昇させようとする上昇磁力
    とのバランスにより該磁気浮上体(1)の長手方向が略
    水平となるように浮上保持させる第1及び第2電磁石
    (2),(3)と、 上記磁気浮上体(1)の浮上位置をそれぞれ検出する2
    つの位置センサ(5),(6)と、 上記第1電磁石(2)に対して上記第2電磁石と反対側
    に配置され、上記磁気浮上体(1)の浮上方向の移動を
    規制する第1タッチダウンベアリング(8)と、 上記第1及び第2電磁石(2),(3)間に配置され、
    上記磁気浮上体(1)の浮上方向の移動を規制する第2
    タッチダウンベアリング(9)とを備え、 第1電磁石(2)における上記下降磁力をF1、第2電
    磁石(3)における上記上昇磁力をF2、磁気浮上体
    (1)の質量をm、重力加速度をgとし、第1タッチダ
    ウンベアリング(8)からの水平方向距離で、磁気浮上
    体(1)における上記下降磁力F1の作用点までをL
    1、上記上昇磁力F2の作用点までをL2、磁気浮上体
    (1)の重心までをL3としたとき、 F2×L2>m×g×L3+F1×L1 の関係を満たすように構成したことを特徴とする磁気軸
    受装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気軸受装置において、 磁気浮上体(1)は、ターボ分子ポンプにおけるポンプ
    ロータを回転一体に取付固定した回転軸であることを特
    徴とする磁気軸受装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6404088B1 (en) 1999-09-07 2002-06-11 Ebara Corporation Magnetic bearing device
JP2012503134A (ja) * 2008-09-22 2012-02-02 ソシエテ・ドゥ・メカニーク・マグネティーク フレキシブルな取付け具を有するターボ分子ポンプ
CN108266457A (zh) * 2018-03-16 2018-07-10 无锡源晟动力科技有限公司 磁悬浮轴承转子偏磁减重力装置

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