JPH1036813A - 水溶性化合物の結合クラスターを縮小し、低分子高密度化 せしめることから、それら水溶性化合物の浸透力を増大さ せる混合液(浸透液)及びそれらの製造方法 - Google Patents

水溶性化合物の結合クラスターを縮小し、低分子高密度化 せしめることから、それら水溶性化合物の浸透力を増大さ せる混合液(浸透液)及びそれらの製造方法

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JPH1036813A
JPH1036813A JP8216523A JP21652396A JPH1036813A JP H1036813 A JPH1036813 A JP H1036813A JP 8216523 A JP8216523 A JP 8216523A JP 21652396 A JP21652396 A JP 21652396A JP H1036813 A JPH1036813 A JP H1036813A
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和正 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 あらゆる産業分野に亘った浸透技術に於い
て、従来の常識的高コストを著しく軽減することから、
水溶性化合物の普及を増大し、結果、地球環境保護に貢
献し得る産業製品を得る。 【構成】 木質材、繊維、紙等の難燃、不燃、防蟻、防
腐加工や、化学製品、工業製品等の製造に不可欠である
浸透技術を、従来常識であった加圧、減圧工法に代わ
り、常圧での浸透技術を確立した。そのため、アルコー
ル類の超臨界に類似した現象を応用し、水溶性化合物と
反応させ、撹拌、衝撃、加熱等の処理を施すことから、
その結合クラスターを従来のそれより低分子化せしめ、
浸透性を増大した。結果、加工コストの軽減、無機物質
から有機物質への転換、応用など、又、バイオ技術、食
料品、医療品等、幅広い用途を持ち、地球環境にやさし
い浸透液を精製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】現産業界に於いて、水溶性化合物
等を基軸とした産業構造は巨大なものである。しかしな
がら、本産業構造の殆どは、これら水溶性化合物のもつ
浸透性、及び、浸透力等に関連した諸問題が山積され、
結果、数々の技術リスク、コスト高等、経済性に於いて
も最大の難問題を呈している。本発明は、それらの問題
点である水溶性化合物の浸透性、浸透力を容易に増大せ
しめる事から、従前の浸透加工処理に比べ、それらの技
術面、及び経済面ではるかに優れた浸透液を提供しよう
とするものである。
【0002】
【従来の技術】水溶性化合物等に依存した産業構造が巨
大である事は前述したが、その中にあって、塗料、防錆
等に関する研究もその一つである、その開発競争には著
しいものがある。一項の好景気やバブル最中の建築ブー
ム等の活況はないにしても、我が国の内外経済格差是正
策、それに関連した日米構造競技等、それに伴った内需
拡大対策のお陰で公共事業投資等に付随した建設構造
物、一般住宅、公共施設、商業建築物、新築住宅、高級
マンション等々、新建材や外壁、塗装工事等の需要が極
めて多くなっている。
【0003】建築関連法規では、こうした事情を考慮し
て、新建材、特に公共性の高い場所に採用する新建材
や、厨房等火器類を扱う部位周りの新建材については、
従来にも増して強い性能規制、即ち難燃化あるいは不燃
化規制を課していて、今後とも強まることはあっても弱
められることは有り得ないといえる。さらに船舶等にあ
っては船舶関連法規等で、より強い性能規制がある。こ
れら難燃化あるいは不燃化規制に対しては、装飾性が豊
かで比較的安値なプラスチックシートの積層された新建
材やプラスチックス被膜処理をした新建材等が殆ど適合
せず、又、通常の化粧合板についてもその使用が許され
ていないため、多くは、無機質系の新建材、例えば天然
石材や人造石材、陶磁器タイル、無機質材で裏打ちされ
た金属板等の建材に限定されてしまうことから、室内環
境作りに工夫を凝らし、かなりの制約を受ける結果とな
っている。したがって、施主やデザイナー達の希望で、
敢えて木質系の建材を採用しようとすると、難燃化処理
の施された合板や木レンガが、極めて高価なものであっ
ても採用しなければならないことになる。
【0004】現状において、このように難燃化処理の施
された木質系建材が、極めて高価なものとなる理由は、
その難燃化処理の難しさ、あるいは繁雑さが大いに影響
しているものと考えられる。これまでに採用されてきて
いる難燃化処理や寸法安定加工処理は、その殆どが減
圧、あるいは加圧手段によって木材繊維間に難燃素材、
主として金属微粉末、その他不燃物質や寸法安定剤等を
強制的に注入する方法を採用していることから、その減
圧あるいは加圧に要する設備機器が極めて大掛かりで高
価なものとなってしまう事と、大掛かりな施設の割に、
処理能力とを勘案した原価設定となり、製造単価が、か
なり、割高なものとならざるを得なく、難燃化処理に加
え、それら木質材等を防蟻加工、防腐加工するに当たっ
ては当然、それ以上割高となるのが現状である。
【0005】建築構造物の木質材にあっては、その外壁
材、内装材等、ありとあらゆる面で塗装が施されてい
る。美しい木目等を生かす意味合いでは透明塗料、クリ
アー、ニス等の存在を無視する事ができない。最近では
環境対策や取扱い等の便宜さからも、油性塗料に代わっ
て水性塗料が急激に普及し始め、日曜大工やホームカー
ペンター間にも重宝なものとなっている。しかしこれら
水溶性化合物である水性塗料等は、油性塗料に比べ、剥
離しやすく、又、防錆効果等にも問題があるなど、一般
的にみて、その耐久性の面でおとっている。
【0006】水溶性化合物と水性塗料等に関連して考察
すると、繊維等の染色関連産業も、その主流である。近
代の染色技術等は、各種新染料や配合薬品等の開発で、
めざましく発展し、一項に比べ、その色褪せや色落ち、
色抜け等が殆どないといっても過言ではない。しかしな
がら、皮革製品や皮革物質にあっては、服飾産業等に幅
広いシェアーを占めているにも拘らず、その染色技術等
が未だに未完成である。これら皮革物質は木質材と同
様、それらの外側部分に、染色、塗料を施こす事は可能
であるが、深く染料を浸透させ、内部まで完全に染め上
げるという事は通常の方法では殆ど不可能である。その
ため、せっかく美しい染色や塗料を施こしても、外側部
分が傷つき、破れたりした場合、内部の生地が露出し、
高価な皮革コートやジャンバー、バックやベルト、又、
装飾品等が一見してその価値を失するのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の浸透技術や染色
技術等は服飾関連等はともかくとして、前述した建築物
関連に於ける木質材等にあっては、その芯部迄染色する
事は非常に困難であり、あえて染色しようとすれば、非
常に高価なものとなる。しかしながら時代の要請で、木
質材の難燃化、不燃化技術等が重要視され、それらに関
する研究や開発等が急務となっている。本発明はこれら
木質材や皮革物質等の浸透技術に深く関与した浸透液の
開発により、従来の技術で克服し得なかった諸問題を容
易に、又、安価に解決し、地球環境を守り、社会に貢献
しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
には、水溶性有機化合物等を完全に溶解する必要があ
る。すなわち、個々の水素結合を断ち、それぞれの結合
クラスターを、小さくしなければならないのである。そ
のために、本研究員は、有機水の低分子化に着目した。
有機水を低分子化する事で、水の構成分子であるHと、
OHを取り出し、それを水溶性化合物が反応しやすい分
子と結合、又は置換させ、水素結合を破壊しようとする
試みである。そのためには先ず、無機質である普通の水
を、有機水に変える必要があり、その方法として、無機
水に脂肪族多価アルコールの、ジエチレングリコールモ
ノエチルエーテルやプロピレングリコール、及びポリエ
チレングリコールを適量添加し、それぞれの使用目的に
より添加量を変え、各種精製を試みた。
【0009】6員環、5員環等よりなる無機水に、加
熱、加圧、衝撃、振動、撹拌等の熱圧及び衝撃運動を与
えると、会合液体水分子はその水素結合が切断され、ク
ラスターが小さくなる性質があり、沸点近くに於いて
は、大部分の水分子は徐々に単量化し、最終的には1分
子H・OHとなる。この水には予め前述した、脂肪
族多価アルコールが入っているため、水はプロトン(H
)の働きにより、H・OHとなり、H・OH
は置換基となり得る。これら置換基の働きで、無機水
が、CHOH・CHOH・CHCHOH・CH
CHOHなどの脂肪族アルコールを含む有機水とな
る。一価アルコールや低炭素量の低級アルコールは水が
反応することで、多数の物質と作用し、一層水溶性が高
くなり、溶媒と溶質が、それらの分子の大きさや密度、
数量や質量に於いて類似すればする程、とかし易い、と
かされ易い、即ち、まざり易い、という相互作用が働く
のである。当然、高分子より低分子の方がこれらの相互
作用が多岐に亘るため、より一層溶解し易く、その速度
も増大することになる。これらの作用効果から、水をよ
り強く、大きく反応させ、低級アルコールの多物質結合
や、多物質反応特性を誘発、促進する事で、有機水溶液
に添加された、他の水溶性化合物の結合クラスターを
も、溶解し、結果、低分子化させようというのである。
【0010】一般的に通常のアルコール類の蒸発速度
は、水の数百倍である事から考察すれば、アルコール類
から精製された有機水である限り、有機水中のアルコー
ル分が蒸発し、いずれは無機水に戻るという事になる。
しかしながら、このようにして精製された有機水は、前
述の通り、H・OH等の、置換作用で、メタノール
CHOH等を含んだものであるにも拘らず、これらア
ルコール類の蒸発速度は水のそれに類似したものとなっ
ている。この理由としては、この有機水の基剤となって
いるエーテル系、ジエチレングリコールモノエチルエー
テルの蒸発速度が水の蒸発速度と同じである事から、低
分子高密度化という状況下に位置づけられ生成されたア
ルコール類は通常の蒸発速度を失い、エーテルの蒸発速
度に支配されているものと推測される。そのため、本有
機水浸透液はその作用効果に持続性が生じ、汎用性が高
く、経済効率が非常に高いということになる。
【0011】炭化水素等、一般的に水に溶けない不溶性
物質も、本有機水浸透液の働きにより可溶性となるが、
OH基が多いほど可溶性は増大する。又、前述の通り、
小分子溶剤ほど良好な分散媒(エマルジョンやサスペン
ション)となり、両性媒性物質(界面活性剤)の性質を
もつことにより、炭化水素を溶解(分散)するのであ
る。強い極性基(ヒドロシキル基)と、弱い極性基(炭
化水素)の2つの極性基を適当な割合に含むと、良好な
溶解作用を示し、極性溶剤(イオン結合をもつ化合物)
は極性物質を溶解する事になる。これらの作用が加速度
を伴い、相互反応と相互溶解度が増大してゆくのであ
る。結果、低分子化することになる。
【0012】本有機水浸透液(以下浸透液と称する)
を、水溶性化合物を含む水溶液中に適量添加すれば、水
溶性化合物の結合クラスターが低分子化し、それらの浸
透性が増大する事は前述した。次に、浸透液の添加量に
ついて記すが、個々の水溶性化合物の目的と効用を左右
する大きな要因である事は論を得ない。浸透液の添加量
は、水溶性化合物個々の作用目的や作用効力によって異
なり、不燃加工液や防蟻、防腐加工液等に於いては約1
5%添加すればよい。しかし、加工する木質材の種類
や、その形状、状態、及び状況等によって工夫を要す
る。ブドウのジベレリン処理に於いては、その処理溶液
に約10%添加する事で、最良の効果を得る事が出来
る。木質材や皮革物質等の外部及び内部の染色には、7
〜15%の本浸透液を染色液に添加すれば、それぞれの
内外部の染色が可能となる。水溶性塗料(水性塗料)を
水で薄め、それに本浸透液を10〜30%添加すれば、
耐久性、速乾性が優れた、良好、安価な水性塗料を得る
事が出来る。
【0013】本浸透液が有する最大の特徴は、木質材
等、被浸透物質の含水率が高い程、浸透性が良い事であ
る。即ち、非乾燥材や伐採直後の生木などの浸透処理に
優れている。これら非乾燥材等の処理は、現在最先端技
術であり、コスト高の加圧、減圧浸透工法を用いても不
可能に近いものとされ、もっぱら、これらの工法は輸入
乾燥材や、時間と労を費やし天然乾燥した、木質材等の
浸透処理に使用されている。大掛かりな機械設備もコス
ト高となる理由ではあるが、本浸透液を水溶性化合物に
少量添加して、加圧、減圧工法を用い、処理すれば、従
来の5倍以上のスピードで処理する事が可能となる。本
浸透液が含水率の高い木質材や被浸透物質に最適な理由
は、水溶性化合物の結合クラスターが、木質材に含水し
ている水の分子より小さくなっているため、水の中に吸
収されてしまうからである。即ち、それらのクラスター
が、無機水に多く存在する分子間空間に、次から次へと
伝播し、定着し、固着する。これらの現象が、即ち、浸
透であり、常圧で浸透する所以でもある。
【0014】
【実施例】図1に従い、本浸透液の精製法を実施例で説
明する。1は液槽である。液槽部には精製された本浸透
液の結合クラスターを、更に低分子化させるため、ジェ
ット噴流を発生する噴射装置、2が設けられている。こ
の噴射装置は浸透液の循環装置をも兼ねている。3は精
製された浸透液の結合クラスターを、安定させるための
低速ファンである。4.5.6及び7は基薬容器で、本
浸透液の基薬であるアルコール類を入れてある。必要量
はそれぞれ設けられたバルブ8.9.10及び、11で
定量され、高速ファン12で撹拌されて、衝撃荷重を受
ける。衝撃荷重を受けたアルコールの混合液は液槽へ落
下するが、この時、ボイラー13で加熱された熱湯や水
溶性化合物が、噴射ノズル14.15から噴出され、更
に高速ジェットファン16により、強烈な衝撃荷重を受
け、低分子化される。水溶性化合物や加工剤の状況によ
り、又、どの種の加工液を精製するかによって、前述の
基薬容器6.7に粉末状の加工剤、又は加工液の原液を
入れることもある。17はフィルター容器で、精製過程
で混入した不純物等を除去している。18は精製された
浸透液を取り出すための、取り出し口である。
【0015】図2に従い、説明を続ける。本図は常圧浸
透機の模式図である。19は加工液タンクであり、用
途、目的に合わせ精製された加工液で、満たされてい
る。20は保温ボイラーであり、被浸透物質の種別、状
態、状況により適性温度を保つ。21.22は噴出ノズ
ルであり、加工液の循環機能をも兼ねている。23.2
4及び25はヤニ取りフィルターであり、木質材からに
じみ出る、ヤニ、シブ等を除去している。26は加工液
の撹拌スクリューであり、低速で回転する。27.28
は処理バケット29を受け、固定して微振動を与えるバ
ケットホルダーである。中には処理される木質材、丸
太、及び角材が搭載されている。30はバケットを移動
させるためのフック金具である。31は浸透液を注入す
る、注入口である。32は加工目的、用途に合わせ、助
剤、促進剤等を混入する、撹拌容器である。33は地下
水を汲み上げるポンプである。34はシャワーリングチ
ューブであり、本加工液を常時循環させ、シャワーを浴
びせる事から、水溶性化合物に衝撃を与え、結合クラス
ターの低分子化を維持している。
【0016】不燃加工に関し試みた実験概要は次の通り
である。先ず、リン酸アンモニウムを基薬とし、塩化ア
ンモニウム、硼酸、硼砂(無水)、臭化アンモニウム等
を適量混合する。この方法で精製した木質材の不燃加工
剤を適量混入して水溶液を作る。その中に本浸透液を約
15%添加して不燃加工液を精製した。本不燃加工液を
構成する水溶性化合物の結成クラスターを低分子化させ
る為、本加工液を40℃から沸点迄の間で加熱処理を施
し、それに撹拌等の衝撃を与える事で結合クラスターを
低分子化させた後、木質材の種別や性質、状況を考慮し
て、設定適性温度の加工液にカラ松を没入した。このカ
ラ松は半乾材で含水率は約25%である。約10時間か
ら20時間の常圧没入で本木質材の芯部迄完全に浸透さ
せるのに成功した。本不燃加工液が木質材の芯部迄浸透
した結果、本木質材は難燃材としての領域を越え、もは
や不燃材としての域に達している事が各種燃焼実験で判
明した。
【0017】防蟻、防腐加工の処理実験等は、塩化アン
モニウムを基薬とし、基薬の1/2の量の硼酸、硼砂
(無水)で混ぜ、微量の臭化アンモニウムを添加して作
成した防蟻、防腐加工剤を適量混入し、水溶液を作る。
その中に本浸透液を不燃加工液と同様約15%添加し、
防蟻、防腐加工液を精製した。以下不燃加工処理と同様
に加熱し、本防蟻、防腐加工液の中に常圧没入し、5時
間から10時間の間で処理した。実験に使用した木質材
はラジアタパイン(ニュージーランド松)であり、某民
間試験場でテストの結果、いずれも合格基準をはるかに
越え、非常に良好であった。
【0018】皮革物質及び木質材の内外部染色実験に於
いて、木質材には芒硝を助剤としたスピロン染色液に本
浸透液を5〜10%の範囲で添加し、不燃加工処理と同
様に加熱、約5時間程、常圧没入し、染色処理をした。
使用木質材は『しらかば』、結果は内部迄完全に染色さ
れ大成功であった。皮革物質の染色には水溶性コラーゲ
ンと酸化ジルコニウムを助剤としたウール用反応性染色
に本浸透液を10%添加し、約40℃に保温して染色を
試みた、約2時間の染色処理で完全に内部迄色素が浸透
し、これも又、大成功であった。使用皮革物質はブタ
皮、及び牛革である。
【0019】耐久性を増大する水溶性塗料の精製には、
既存する水溶性塗料(黒色)を25%の水でうすめ、そ
れに本浸透液を10%添加し、さらに微量の硫酸バリウ
ムを添加、数分間撹拌して精製した。それを研磨仕上げ
した同材質、同重量(300g)の2ケの木片に、ピペ
ットで、同じ分量の既存の水溶性塗料と本浸透液で精製
した水性塗料を落下塗布し、剥離実験した。実験方法に
は、規則的に左右往復運動する定盤の平坦面にサンドペ
ーパー#400をセットし、その上に2ケの木片を、そ
の塗布面がサンドペーパーと相対する様に自然常態下に
置いた。木片等は一定の枠内にセットされており、左右
に動かない様にし、その塗布面が一定の時間と、一定の
力で研磨剥離される様にした。実験結果は、約20分
で、既存する未処理の水性塗料は完全に剥離されたが、
本浸透液で処理精製された水性塗料は約25%の黒色部
分が残存した。さらに耐久性を増大するためには、本浸
透液に硫酸バリウム量を増量すればよい。実験結果を単
純に考察しても、25%も耐久性が増大した事になる。
【0020】ブドウのジベレリン処理実験に於いては、
本浸透液を約10%ジベレリン処理液に混入し、実験し
た。ジベレリンは成長ホルモンの一種で、ブドウの種子
が出来る直前の時期に作用させ、種なしブドウを作るた
めに必要なものである。ブドウのつぶ1つ1つに塗布す
る大変な作業であるが、せっかく時間と労を費やしたこ
の処理作業も一雨で台無しとなり、又最初からやり直さ
なければならない。しかしながら、本浸透液を添加した
ジベレリン処理液は、前述の通り、その浸透性が高い事
から、すぐ浸透を完了し降雨等の影響を受ける事はな
い。実験に於いては、晴天であったために、本浸透液を
添加して、精製したジベレリン処理液で塗布処理した直
後、ホースで水道水を散布し、人工的に雨の状況を作っ
たが、ジベレリン処理の効果が完全に現れ、何一つとし
て問題はなかった。ちなみに処理したブドウの品種はデ
ラウエアである。
【0021】木質材の寸法安定加工に関しては,次の要
領で実験を試みた。本浸透液を10〜20%添加した水
溶液を不燃加工処理と同様に加熱し、その水溶液内に寸
法安定加工を施す木質材(杉)を約10時間常圧没入し
た。直後、寸法安定剤としてよく使用されているポリエ
チレングリコールを30%混入した水溶液を別液槽とし
て設け、その水溶液中に約2時間から4時間常圧没入し
て寸法安定加工を終了した。木質材等は切り出して数日
間で著しい歪を生じるものであるが、本寸法安定加工を
施して処理された木質材は処理後2年以上も自然放置さ
れたが、数ミリ単位の歪も発生しなかった。
【0022】
【発明の効果】本浸透液の発明は次のような効果を奏す
るものである。 (1)安価な寸法安定加工処理等で従来使用不可能であ
った木質材等を有効利用出来、大いに環境問題等の解決
策に貢献できる。 (2)安価に木質材等の難燃化、不燃化等の加工処理が
出来る。 (3)(2)の効果と相俟って火災等を最小限に押さ
え、類焼等を防ぐ事が出来、多くの人命や財産を守る事
が出来る。 (4)防蟻、防腐等の加工処理により、大切な財産を守
る事が出来る。 (5)皮革物質、木質材等の染色技術等で資源を大切
に、又最大限に有効利用し得る。 (6)安価な水性塗料等の普及増大は、それらの殆どが
有機質系の化合物質である事から、自然環境の破壊防止
に大いに役立つ。 (7)ジベレリン処理等に続き、食品添加物及び食品の
加工、保存等の処理にも応用出来る。 (8)既存する水溶性化合物の浸透性を増大させる働き
から、工業用品、化学製品、化粧品、医療品等にも応用
出来る。 (9)浸透性、溶融性が高い事から、環境にやさしい洗
剤や洗浄液としても活用出来る。 (10)従来の浸透加工技術(加圧、減圧法)に比べ常
圧にて浸透出来る事から、浸透加工に係る経費を大幅に
軽減出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本浸透液を精製する装置の模式図である。
【図2】本浸透液を添加した水溶性化合物を、常圧にて
浸透させる装置の模式図であり、本図は、木質材を浸透
させようとしている側面図である。
【符号の説明】
1 液槽 2 噴射装置 3 低速ファ
ン 4.5.6.7 基薬容器 8.9.10.11 バルブ 12 高速ファ
ン 13 ボイラー 14.15 噴射ノズ
ル 16 高速ジェ
ットファン 17 フィルタ
ー容器 18 取り出し
口 19 加工液タ
ンク 20 保温ボイ
ラー 21.22 噴出ノズ
ル 23.24.25 ヤニ取り
フィルター 26 撹拌スク
リュー 27.28 バケット
ホルダー 29 処理バケ
ット 30 フック金
具 31 注入口 32 撹拌容器 33 ポンプ 34 シャワー
リングチューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B27K 3/32 BBC B27K 3/32 BBC 5/02 5/02 B C09D 5/14 PQM C09D 5/14 PQM C09K 21/04 C09K 21/04 D06P 3/32 D06P 3/32 Z // A01N 43/16 A01N 43/16 B

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 55〜90%のジエチレングリコールモ
    ノエチルエーテルを基薬とし、それにプロピレングリコ
    ール及びトリエチレングリコールをそれぞれ単独か、ま
    たは複合で混ぜ合わせ結合クラスターを低分子化処理し
    て精製した混合液(浸透液)。
  2. 【請求項2】 水溶液に請求項1の混合液か、又はジエ
    チレングリコールモノエチルエーテルのみをそれぞれ5
    〜30%添加することで、水溶液内にある水溶性化合物
    の結合クラスターを縮小せしめ、それらの浸透力を増大
    する方法。
  3. 【請求項3】 リン酸アンモニウムを基薬とし、塩化ア
    ンモニウム、硼酸、硼砂(無水)、臭化アンモニウムの
    順でそれらの添加量を減少しながら混合して作った木質
    材の不燃加工剤を、請求項1の混合液を適量混入した水
    溶液に、再び適量混入し、精製した、木質材の難燃、不
    燃加工液。
  4. 【請求項4】 塩化アンモニウムを基薬とし、基薬の1
    /2の量の硼酸と硼砂(無水)で混ぜ、微量の臭化アン
    モニウムを添加して作成した防蟻、防腐加工剤を請求項
    1の混合液を適量混入した水溶液に再び適量混入し、精
    製した防蟻、防腐加工液。
  5. 【請求項5】 皮革保護剤(水溶性コラーゲン)と染料
    共有結合剤(酸化ジリコニウム)を助剤としたウール用
    反応性染料に請求項1の混合液を約7〜15%の範囲で
    添加し、精製した、皮革外部及び内部染色液。
  6. 【請求項6】 芒硝を助剤としたスピロン染料に、請求
    項1の混合液を約5〜10%の範囲で添加して精製し
    た、木質材外部及び内部染色液。
  7. 【請求項7】 既存する水溶性塗料を請求項1の混合液
    と、適性範囲で混合し、精製した、水溶性塗料。
  8. 【請求項8】 ブドウのジベレリン処理溶液に請求項1
    の混合液を約10%添加して精製し、浸透性とその効果
    を増大したブドウのジベレリン処理液。
  9. 【請求項9】 請求項1の混合液を10〜20%添加し
    た水溶液を作り、それを60〜105℃の範囲で加熱
    し、その中に木質材を投入する。設定適性温度にて設定
    適性時間その状態を保持した後、木質材を取り出し、直
    ぐに7〜40%のポリエチレングリコールを添加して精
    製した水溶液に再度投入して、設定適性時間保持し、処
    理した木質材の寸法安定加工処理法。
  10. 【請求項10】請求項9の処理法を目的として、精製、
    処理した寸法安定加工液。
  11. 【請求項11】請求項2で示した方法を用い、水溶性化
    合物の浸透力を高める事で、既存する水溶性化合物の個
    々の目的である作用、効果を一層増大する方法。
JP8216523A 1996-07-16 1996-07-16 水溶性化合物の結合クラスターを縮小し、低分子高密度化 せしめることから、それら水溶性化合物の浸透力を増大さ せる混合液(浸透液)及びそれらの製造方法 Pending JPH1036813A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003048269A1 (fr) * 2001-12-03 2003-06-12 Techno Giken Co., Ltd. Procede de preparation d'un liquide non inflammable, soluble dans l'eau
JP2006334569A (ja) * 2005-06-06 2006-12-14 Nippon Sheet Glass Co Ltd 複合材料分離用水溶液、複合材料分離方法、及び当該方法によって分離された構成材料
JP2009035631A (ja) * 2007-08-01 2009-02-19 Toyokazutada Kk 防燃断熱剤

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