JPH1036396A - 高純度トランスサイレチン含有組成物の製造方法、高純度トランスサイレチン含有組成物および異型トランスサイレチン分泌抑制用組成物 - Google Patents

高純度トランスサイレチン含有組成物の製造方法、高純度トランスサイレチン含有組成物および異型トランスサイレチン分泌抑制用組成物

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JPH1036396A
JPH1036396A JP20895196A JP20895196A JPH1036396A JP H1036396 A JPH1036396 A JP H1036396A JP 20895196 A JP20895196 A JP 20895196A JP 20895196 A JP20895196 A JP 20895196A JP H1036396 A JPH1036396 A JP H1036396A
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JP
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transthyretin
ttr
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JP20895196A
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Yukio Ando
由喜雄 安東
Masayuki Ando
正幸 安藤
Motonori Hashimoto
元範 橋本
Yatsuhiro Kamimura
八尋 上村
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 トランスサイレチンを含有する原料組成
物から、該組成物の媒体に難溶性の夾雑物を除去し、次
いで陰イオン交換体に接触させてトランスサイレチン以
外の蛋白質の含有率が高い画分を分離し、陰イオン交換
体に吸着したトランスサイレチンを含む蛋白質画分を陰
イオン交換体から分離して回収し、さらに水に対する親
和性を利用してトランスサイレチンを分離する工程を含
むことを特徴とする、高純度トランスサイレチン含有組
成物の製造方法、高純度トランスサイレチン含有組成物
およびトランスサイレチンを含有する異型トランスサイ
レチン分泌抑制用組成物。 【効果】 本発明の方法によれば、トランスサイレチン
を含有する原料組成物中の夾雑物質が除去され、高純度
のトランスサイレチン含有組成物を提供することができ
る。また、本発明の異型トランスサイレチン分泌抑制用
組成物は異型トランスサイレチンの沈着を予防すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高純度トランスサ
イレチン(以下、TTRと略する)含有組成物の製造方
法、高純度TTR含有組成物、および異型TTR分泌抑
制用組成物に関わる。
【0002】
【従来の技術】TTRは主として肝臓で合成される分子
量が54,980の蛋白質で、4個の同一のモノマーサ
ブユニットよりなる。血漿中では20〜40mg/dl
の濃度で存在し、通常の血漿蛋白質の電気泳動にてアル
ブミンよりさらに陽極側へ泳動されることから以前はプ
レアルブミンと呼ばれていた。その生理的機能が甲状腺
ホルモン(thyroxine)とビタミンAの輸送蛋白質である
レチノール結合蛋白質の輸送に関与していることから、
トランスサイレチン(transthyretin)と名称が変更され
た。(生化学 67,p433〜p450,1995)
【0003】ところでアミロイドーシスは、線維構造を
持つ特異な蛋白質であるアミロイドと呼ばれる物質が生
体内に沈着して組織障害をもたらす疾患群である。なか
でも、家族性アミロイドポリニューロパチー(fami
lial amyloidotic polyneur
opathy:FAP)は、アミロイド沈着による末梢
神経障害(polyneuropathy)が特徴的な
所見である。患者の多くは25〜40歳時に、下肢遠位
部から始まるしびれや温痛覚障害、頑固な下痢と便秘の
繰り返しあるいは排尿障害、陰萎、起立性低血圧などの
自律神経症状で発症する。感覚障害は下肢近位部へと上
行し、また上肢にも出現する。運動神経障害のために筋
力低下や筋萎縮が起こり、患者の多くは発症10年前後
で寝たきりとなる。アミロイドは中枢神経を除く全身組
織に沈着し、特に心臓、腎臓、消化管への沈着が著し
く、これらの臓器障害のために発症後平均14年で死の
転帰を辿る。一度沈着したアミロイド線維を除去する根
治的治療法はなく、本疾患は厚生省特定疾患に指定され
ている難病の一つである。(生化学 67,p433〜
p450,1995) この家族性アミロイドポリニューロパチーのTypeI
は、正常TTRにおけるN末端から30番目のValが
Metに置換している異型のTTRが、アミロイドとし
て生体内に沈着することが原因となって発症する。しか
しながら、この異型TTRが組織に沈着するメカニズム
は不明である。アミロイドーシスに対する治療法は、ア
ミロイドの除去や低減化を図ることが有効とされている
ものの、上述したように現在の医療技術では一旦沈着し
たアミロイド線維を溶解し体外へ排出する特効薬はな
く、個々の臓器障害に対する対症療法に限られている。
最近では、TTR産生組織である正常人からの肝移植が
試みられ、異型TTRの減少、臨床症状の進行の抑制と
いった効果が得られているが、日本においては、肝移植
術の施術自体が困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の諸事情から、ア
ミロイドーシスに対する外科手術を伴わない根治的治療
法、すなわち、異型TTRの分泌抑制作用および/また
は沈着予防作用を有する治療剤の開発が待ち望まれてい
る。このような状況下において、正常TTRの製造が種
々試みられている。例えば、ヒトのプレアルブミン、す
なわちTTRをコードするcDNAを組み込んだ組換え
プラスミドによる形質転換体を用いる方法(特公平8−
11074号公報)や、カラムクロマトグラフィーを用
いたヒト血清からのプレアルブミンすなわちTTRの単
離(米国特許第5310878号)などの方法がある。
しかし、いずれの場合も、製造されたTTRが異型TT
Rの分泌抑制作用を有することは確認されていない。従
って、本発明の目的は、TTRを含有する原料組成物中
の夾雑物を除去し、純度の高いTTR含有組成物を高収
率で製造する方法を提供することである。また本発明の
他の目的は、薬剤として使用しうる程度の安全性の高い
高純度TTR含有組成物を提供することである。さらに
本発明の目的は、TTRを含有する異型TTR分泌抑制
用組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題に関し種々研究を重ね、アミロイドーシスの根治的治
療法を検討し、低蛋白・低アルブミン血症を合併した家
族性アミロイドポリニューロパチー患者に新鮮凍結血漿
を投与したところ、血中の総TTR濃度が上昇したのに
対し、異型TTR濃度が著しく低下することを見出し
た。この結果から、外部からのTTR投与により血中の
総TTRが過剰になると、フィードバック機構によって
異型TTRの産生にダウンレギュレーションがかかり、
異型TTRの分泌が減少し、それにより異型TTRの組
織への沈着及びアミロイドーシスの進行を予防しうる可
能性が示唆された。さらに本発明者らは、TTR含有組
成物をマウスに投与すると血中のマウス・TTRのmR
NAレベルが低下することを見い出した。このことか
ら、TTR含有組成物には、本来生体内で保有されてい
るTTRレベルを低下させる作用があることが示唆され
た。しかしながら、実際に家族性アミロイドポリニュー
ロパチー等のアミロイドーシス患者に対して、持続的か
つ長期間にわたり十分量の正常TTR投与による治療を
行う場合、血漿交換療法を長期間、短間隔で実施するこ
ととなり、それに伴う副作用が生じる危険性があるた
め、純度の高い正常TTRを単独で投与する必要があ
る。そこで本発明者らは、さらに研究を重ねた結果、T
TRを含有する原料組成物から、高純度TTR含有組成
物を製造する方法を見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は (1)TTRを含有する原料組成物より、TTRを含む
第1の蛋白質画分と、TTR以外の蛋白質の含有率が高
い第2の画分とに分離する方法であって、(a)TTR
を含有する原料組成物から、該組成物の媒体に難溶性の
夾雑物を除去する工程、(b)(a)で調製されたTT
R含有組成物を陰イオン交換体に接触させ、TTRを陰
イオン交換体に吸着させることにより第2の画分を分離
する工程、(c)(b)で陰イオン交換体に吸着したT
TRを含む第1の蛋白質画分を陰イオン交換体から分離
し、TTRを含む蛋白質溶液を回収する工程、(d)
(c)で回収された蛋白質溶液から、水に対する親和性
差を利用してTTRを分離する工程、の4つの工程を含
むことを特徴とする、純度90%以上のTTRからなる
高純度TTR含有組成物の製造方法、 (2)TTRを含有する原料組成物が、血清、血漿、血
漿濃縮物、血漿の任意の沈殿画分、血漿の任意の上清画
分、細胞溶解物、および細胞において産生された蛋白質
からなる群から選ばれる(1)に記載の方法、 (3)任意の段階で、ウイルスを不活化するのに充分な
条件で加熱処理を施し、ウイルスに対して安全なTTR
含有組成物を得る工程が付加された、(1)に記載の方
法、 (4)工程(a)において該組成物の媒体に難溶性の夾
雑物を除去する工程が、ポリエチレングリコール処理ま
たは硫酸アンモニウム処理である、(1)に記載の方
法、 (5)陰イオン交換体の陰イオン交換樹脂が、DEAE
樹脂からなる(1)に記載の方法、 (6)工程(c)においてTTRを含む第1の蛋白質画
分を陰イオン交換体から分離し、トランスサイレチンを
含む蛋白質溶液を回収する方法が、塩溶液を用いる方法
である、(1)に記載の方法、 (7)工程(d)において水に対する親和性差を利用し
てTTRを分離する方法が、疎水性相互作用クロマトグ
ラフィーに付す方法である、(1)に記載の方法、 (8)工程(d)において水に対する親和性差を利用し
てTTRを分離する工程の後に、硫酸アンモニウム溶液
もしくは塩化ナトリウム溶液を用いてTTRが含まれる
蛋白質画分を回収する工程が付加された、(1)に記載
の方法、 (9)実質的にウイルスを含まない、高純度TTR含有
組成物、 (10)純度90%以上のTTRからなる高純度TTR
含有組成物、 (11)TTRを含有する異型TTR分泌抑制用組成
物、 (12)(9)または(10)のいずれかに記載の組成
物を含有する異型TTR分泌抑制用組成物、に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明におけるTTRを含有する
原料組成物は、TTRを含有していれば特に限定される
ものではなく、例えば血清、血漿、血漿濃縮物、血漿の
任意の沈殿画分、血漿の任意の上清画分、細胞溶解物、
および細胞において産生された蛋白質等が挙げられる。
血漿を用いる場合は、例えば、コーンのアルコール分画
法の第IV画分、第II+III画分など、薬剤の製造
に一般的に使用される血漿蛋白質分画における各種分画
の内、TTRを含有する分画に本発明の方法が適用され
る。
【0008】上記のTTR含有原料組成物は、該組成物
の媒体に難溶性の夾雑物を除去する工程に付され、次い
で陰イオン交換体に接触させ、TTRを陰イオン交換樹
脂に吸着させる工程に付す。
【0009】TTR含有原料組成物から、該組成物の媒
体に難溶性の夾雑物を除去する操作としては、ポリエチ
レングリコール(以下、PEGという)処理、硫酸アン
モニウム処理が例示されるが、好ましくはPEG処理を
施す。これらの処理は常法に従って行うことができる。
PEG処理を用いる場合、TTR含有原料組成物を適当
な水性溶媒に懸濁する。水性溶媒の溶質として、例えば
塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、
酢酸、酢酸ナトリウム等を含有させてもよい。この懸濁
液を分子量1000〜10000のPEG、好ましくは
分子量4000〜6000のPEGで処理する。当該処
理においては、pH6.0〜8.0程度、好ましくはp
H7.0〜8.0程度、PEG濃度5〜20W/V%、好ま
しくは10W/V%、温度が0〜20℃、好ましくは4〜1
5℃の条件下で適当な時間攪拌すると、TTRが上清画
分に移行する。当該上清画分を適当な方法、例えば遠心
分離、濾過等の方法で回収する。
【0010】回収したTTR含有組成物を、陰イオン交
換体に接触させてTTRを陰イオン交換体に吸着させる
ことにより、TTR以外の蛋白質の含有率が高い第2の
画分を分離する。次いで、陰イオン交換体に吸着したT
TRを含む画分を陰イオン交換体から分離し、TTRを
含む蛋白質溶液を回収する工程に付す。この陰イオン交
換体処理により、β蛋白質、アルブミン、α2 蛋白質、
γ蛋白質等の夾雑蛋白質が除去されTTR含有蛋白質溶
液が精製される。
【0011】陰イオン交換体としては、陰イオン交換基
を有する不溶性担体であればいずれも使用することがで
きる。陰イオン交換基としては、ジエチルアミノエチル
基(通称はDEAE)、四級アンモニウム基、例えば、
ジエチル〔2−ヒドロキシプロピル〕アミノエチル基
(通称はQAE)等が挙げられる。不溶性担体として
は、アガロース、セルロース、デキストラン、ポリアク
リルアミド、親水性ポリマー等が挙げられる。本発明で
使用する陰イオン交換体は、特に限定されないが、DE
AE樹脂からなる陰イオン交換体、より具体的にはDE
AE−Sepharose Fast Flow(商品
名、ファルマシア社製)等の陰イオン交換体を用いるの
が好ましい。
【0012】上記の陰イオン交換体を用いる処理におい
ては、陰イオン交換体1mlに対して、処理対象溶液2
〜12ml程度を接触させる。本方法は、カラム法、バ
ッチ法のいずれの方法にて行ってもよいが、カラム法に
て行うのが好ましい。カラム法にて行う場合、TTR含
有組成物を本発明の陰イオン交換体に接触させる条件と
して、接触させる環境の塩濃度は0〜1M、好ましくは
0.1〜0.5Mであり、またpHは6.5〜8.0程
度、好ましくはpH7.0〜8.0程度である。使用す
る緩衝液は特に限定されないが、好ましくはトリス塩酸
緩衝液、リン酸緩衝液である。使用する緩衝液の濃度
は、5〜100mM、好ましくは10〜20mMであ
る。使用される塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム、クエン酸ナトリウム等が例示されるが、好ましく
は塩化ナトリウムである。
【0013】上記条件下の陰イオン交換体に接触させる
TTR含有組成物は、陰イオン交換体と同一の緩衝液条
件に調整されていることが好ましい。
【0014】このように調製されたTTR含有組成物
を、上記緩衝液で平衡化した陰イオン交換体に接触さ
せ、次いで同緩衝液で展開し、吸着成分を分離・溶出す
ることによってTTRを含む蛋白質溶液を回収する。か
かる処理は、0〜15℃、好ましくは2〜4℃にて行わ
れる。
【0015】バッチ法にて行う場合、上記条件に調整し
たTTR含有組成物に、陰イオン交換体を添加して接触
させ、15℃以下にて、1〜5時間程度混和した後、遠
心分離または濾過等の方法により陰イオン交換体と分離
し、上清を回収することにより行われる。
【0016】上述の方法に従って精製されたTTR含有
蛋白質溶液は、必要に応じてpH調整、濃度調整等がな
された後、水に対する親和性差を利用してTTRを分離
する工程に付し、さらに精製する。以上の工程に付して
精製することにより、純度90%以上のTTRからなる
高純度TTR含有組成物を得ることができる。該工程と
しては、疎水性相互作用クロマトグラフィー処理、ゲル
濾過クロマトグラフィー処理等が例示されるが、好まし
くは疎水性相互作用クロマトグラフィー処理を行う。疎
水性相互作用クロマトグラフィー用担体としては、フェ
ニル系樹脂、ブチル系樹脂等が例示されるが、好ましく
はフェニル系樹脂を用いる。本方法は、カラム法、バッ
チ法のいずれの方法にて行ってもよいが、カラム法にて
行うのが好ましい。
【0017】例えばカラム法にて行う場合、塩濃度は0
〜5M、好ましくは0〜3.5Mであり、またpHは
6.5〜8.0程度、好ましくはpH7.0〜8.0程
度である。使用する緩衝液は特に限定されないが、好ま
しくはトリス塩酸緩衝液、リン酸緩衝液である。使用す
る緩衝液の濃度は、0〜0.1M、好ましくは10〜5
0mMである。使用される塩としては、塩化ナトリウ
ム、硫酸アンモニウム等が例示される。
【0018】疎水性相互作用クロマトグラフィー用担体
に接触させるTTR含有蛋白質溶液は、上記と同一の緩
衝液条件に調整されていることが好ましい。このように
調製されたTTR含有蛋白質溶液を、上記緩衝液で平衡
化した疎水性相互作用クロマトグラフィー用担体に接触
させ、次いで溶出溶媒にて非吸着画分を回収するが、か
かる処理は、0〜15℃、好ましくは2〜4℃にて行わ
れる。溶出溶媒としては、平衡化に使用したものと同一
の上記緩衝液を用いる。また、疎水性相互作用クロマト
グラフィー用担体1mlに対して、処理対象溶液5〜1
0ml程度を接触させる。
【0019】上述したTTR含有原料組成物から高純度
トランスサイレチン含有組成物を製造する工程中、任意
の段階において、ウイルス不活化のための加熱処理を施
す事が好ましい。本工程は、TTRの薬剤成分としての
活性の減少は最小限にとどめるが、夾雑する可能性のあ
るウイルス、例えばHBウイルス、AIDSウイルス等
は完全に不活化する条件で加熱処理する工程である。加
熱処理は、溶液状態、すなわちTTRの水溶液状態(す
なわち液状加熱状態)で行う。液状加熱処理の場合は、
56〜70℃、好ましくは60〜62℃で5〜20時
間、好ましくは10時間程度処理を行い、その際、水溶
液のpHを6.5〜8.0程度、好ましくは7.0〜
8.0程度に調整する。液状加熱処理の場合は、出発原
料に対して、またはTTR含有原料組成物から該組成物
の媒体に難溶性の夾雑物を除去する工程の後、もしくは
イオン交換体処理後に行うのが好ましい。
【0020】本発明の方法によれば、夾雑物が効果的に
除去され、実質的にウイルスを含まない、純度が90%
以上のTTRからなる高純度TTR含有組成物を高収率
で得ることができる。
【0021】本発明の、TTRを含有する異型TTR分
泌抑制用組成物は、異型TTRの分泌抑制作用を有し、
発症初期、すなわち異型TTRが沈着していないか、あ
るいは沈着が軽度の家族性アミロイドポリニューロパチ
ー等のアミロイドーシス患者、または遺伝的背景から家
族性アミロイドポリニューロパチー等のアミロイドーシ
ス発症の可能性が高い者に投与することによって、異型
TTRの沈着を予防することができる。
【0022】当該異型TTR分泌抑制用組成物を医薬製
剤として用いる場合には、通常薬理学的に許容される添
加剤を配合してもよい。この添加剤としては、例えば、
担体、安定化剤、賦形剤、溶解補助剤、希釈剤、増量
剤、崩壊剤、緩衝剤、乳化剤、着色剤、防腐剤、酸化防
止剤などが挙げられる。諸成分を配合した後、その混合
物を公知の方法を用いて液剤、凍結乾燥製剤等の投与に
適した剤型に製剤化できる。上記製剤は、静注、点滴静
注、筋注等の方法で投与されるが、特に、点滴静注によ
り投与することが好ましい。
【0023】上記製剤中には、当該異型TTR分泌抑制
用組成物の有効量が配合される。投与量は、患者の年
齢、体重、病状、投与方法等によって異なるが、点滴静
注により投与する場合、通常成人、1回当たり、TTR
として100〜1000mg/kg、好ましくは400
〜500mg/kg程度である。
【0024】本発明の異型TTR分泌抑制用組成物は、
血中半減期が2.5日(Journal ofClinical Investiga
tion: 1965, 44 p1600-1609 Socolow EL et al.) と安
定性があるため、上記製剤の投与回数は、1週間に1〜
3回程度で効果が得られる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例および試験例
を挙げてその詳細を説明するが、本発明はこれによって
限定されるものではない。
【0026】実施例1(A)加熱処理およびPEG処理 コーンの冷アルコール分画によって得られた血漿の第I
V分画ペースト1kg当たり、0.15M NaCl含
有20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.6)を
3L添加し、4℃で1時間抽出攪拌した後pH7.6に
調整し、この液を直径24cmの濾紙(TOYO,N
o.2)の上にハイフロスーパーセル100gをプリコ
ートしたブフナーを用いて吸引濾過を行い、濾液を採取
した。得られた濾液をpH7.6に調整して60℃、1
0時間の加熱処理を行い、その後冷却した後、この液1
L当たりPEG4000を150g添加し、4℃で1時
間攪拌した。次いで8,900G×30分間遠心分離し
て上清を採取した。得られた上清について、下記(イ)
〜(ハ)に記載する方法を用いて分析した。
【0027】次に、加熱処理液に対してPEG処理を行
う際に、比較例としてPEG4000濃度を5W/V%〜2
0W/V%と変化させて、TTR回収率、およびTTR含有
原料組成物の媒体に難溶性の夾雑物の除去に対するPE
G4000の濃度の影響を下記(イ)〜(ハ)に記載の
方法を用いて分析した。
【0028】〔分析方法〕 (イ)TTRの定量方法 Mパルチゲン/プレアルブミン(ヘキスト社製)を用い
た放射状免疫拡散法(マンシニー法)により抗原量を測
定した。なお、標準品として同社ヒト標準血清を並行に
置き、定量値をmg/mlに換算した。 (ロ)蛋白質の定量方法 分光光度計により、光路長10mmにおける280nm
吸光度を測定した。 (ハ)セルロースアセテート膜電気泳動 検体をセルロースアセテート膜(ザートリウス社)に
0.25μlずつ塗布し、ベロナール緩衝液(常光製、
μ=0.06,pH8.6)にて250V定電圧で20
分間泳動した。泳動終了後、直ちにポンソー3R染色液
(和光純薬製)にて1分間染色した後5%酢酸溶液に
て、バックグラウンドが白色となり脱色液が着色しなく
なるまで脱色した。
【0029】コーンの血漿第IV分画ペースト抽出濾
液、60℃、10時間加熱処理液、ならびにPEG処理
液を上記(イ)及び(ロ)の方法で分析した結果を表1
に示す。
【0030】
【表1】
【0031】第IV分画ペースト抽出濾液から60℃、
10時間加熱処理までの工程間では少なくともTTR抗
原性に変性を起こす現象は観察されず、加熱前後でTT
Rは100%の回収率を示した。各濃度におけるPEG
処理効果の検討を行った結果、PEG添加量依存的に、
TTR含有原料組成物の媒体に難溶性の夾雑物の除去効
果が認められ、TTR回収性と該難溶性夾雑物の除去の
点で、15W/V%のPEG4000濃度が適当と判断され
た。
【0032】また、前述(ハ)の方法で行った分析の結
果を図1に示す。図1の各レーンは、以下の検体につい
ての分析結果を示す。 レーン1:正常ヒト血漿 レーン2:コーンの血漿第IV分画ペースト抽出濾液 レーン3:60℃、10時間加熱処理液 レーン4:5W/V%PEG処理液 レーン5:10W/V%PEG処理液 レーン6:15W/V%PEG処理液 レーン7:20W/V%PEG処理液
【0033】この結果は、PEG処理液でα2 とβに属
する蛋白質が部分的に除去されていることを示してお
り、これらの分画に属する蛋白質の部分除去がPEG処
理で効果を示すことが確認された。
【0034】(B)陰イオン交換体処理 次に、あらかじめ0.1M NaCl含有20mM T
ris−HCl(pH7.6)で平衡化しておいたDE
AE−Sepharose Fast Flow(φ5
cm,bed volume=100ml,ファルマシ
ア社製)を用いて、(A)で得られた15W/V%PEG処
理液についてイオン交換体処理を行った(流速:10m
l/min)。すなわち、カラムに上記PEG処理液を
アプライした後、0.1M NaCl含有20mM T
ris−HCl(pH7.6)で洗浄し、0.5M N
aCl含有20mM Tris−HCl(pH7.6)
で展開して溶出液を回収した。上記操作におけるアプラ
イ液、通過液、洗浄液、溶出液の各画分について、前述
(イ)及び(ロ)記載の方法で分析した結果を表2に示
す。TTRの回収率で95.7%、精製度としては6.
3倍の効果が観察された。
【0035】
【表2】
【0036】また、各画分を、(ハ)の方法でセルロー
スアセテート膜電気泳動により分析した結果を図2に示
す。図の各レーンは、以下の検体についての分析結果を
示す。 レーン1:正常ヒト血漿 レーン2:DEAE−アプライ液 レーン3:DEAE−通過液 レーン4:DEAE−洗浄液 レーン5:DEAE−溶出液 主としてβ蛋白質とアルブミンが効果的に分離されてお
り、溶出液には、TTRの泳動位置であるプレアルブミ
ン位のバンドが検出された。
【0037】(C)疎水性相互作用クロマトグラフィー
処理 (B)で得られた溶出液にNaClを3mol/Lの濃
度で添加し、pH7.6に調整した後、3M NaCl
含有20mM Tris−HCl(pH7.6)で平衡
化したHiLoad Phenyl−Sepharos
e HighPerformance(ファルマシア社
製)カラム(Gel volume=50ml)を用い
た疎水性相互作用クロマトグラフィーによって不純物を
吸着させる操作を行い、非吸着画分を採取した。これら
の操作におけるアプライ液、通過液+洗浄液、溶出液の
各画分について、前述(イ)及び(ロ)の方法で分析し
た結果を表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】さらに、平衡化・洗浄用緩衝液NaCl含
有20mM Tris−HCl(pH7.6)の塩濃度
を、0.5M〜4.0Mに変化させて同様の操作を行
い、上記(ハ)の方法でセルロースアセテート膜電気泳
動により分析した結果を図3に示す。図の各レーンは、
以下の検体についての分析結果を示す。 レーン1:正常血漿 レーン2:Phenyl−Sepharoseアプライ
液 レーン3:0.5M NaCl−通過液&洗浄液 レーン4:1.0M NaCl−通過液&洗浄液 レーン5:2.0M NaCl−通過液&洗浄液 レーン6:3.0M NaCl−通過液&洗浄液 レーン7:3.5M NaCl−通過液&洗浄液 レーン8:4.0M NaCl−通過液&洗浄液
【0040】本Gelは、吸着時のNaCl濃度の増加
に伴い、蛋白質をより吸着する性質を示すが、TTRは
混在する他の蛋白質より親水性を示すため、3.5M
NaClまではGelに吸着しない現象が観察された。
また、図3のセルロースアセテート膜電気泳動の結果か
らNaClの濃度が0.5M〜2Mの場合には全く分離
の効果が認められなかった。以上の結果から、3.0〜
3.5M NaCl含有20mM Tris−HCl
(pH7.6)を吸着条件に用い、不純物を吸着除去す
ることが適当と判断された。この吸着条件で処理を行っ
た場合、本工程においては、TTR回収率で70%程
度、精製度として約2倍の効果を有することが認められ
た。
【0041】(D)濃縮・透析(Ultra−Filt
ration)処理 (C)で回収された非吸着液については、限外濾過膜
(分画分子量30kD)を用いて濃縮ならびに透析を行
い、精製TTR検体(Lot♯7770−04/TT
R)を得た。この精製TTR検体(Lot♯7770−
04/TTR)について以下の各手法によって分析し
た。
【0042】(1)セルロースアセテート膜電気泳動に
よる分析 上記の精製TTR検体(Lot♯7770−04/TT
R)について、(ハ)の方法でセルロースアセテート膜
電気泳動により分析した成績を図4に示す。図の各レー
ンは、以下の検体についての分析結果を示す。 レーン1:正常血漿 レーン2:精製TTR検体(Lot♯7770−04/
TTR) この結果、α2 に属する位置に極めて淡いバンドが認め
られた以外は、TTRの泳動位置であるプレアルブミン
位に強いバンドとして検出された。 (2)HPLC−Gelpermeation Chr
omatography(GPC)による分析 HPLC−GPCにより、精製TTR検体の蛋白質濃度
を分析した。精製TTR検体(Lot♯7770−04
/TTR)を希釈調整(A280≒1)した液30μl
を、あらかじめ0.3M NaCl含有50mM酢酸ナ
トリウム緩衝液(pH6.7)で平衡化しておいたTS
K−G3000SWXLカラム(東ソー)を装着したH
PLCにインジェクションした。同緩衝液を溶出液とし
て用い、0.5ml/minの流速で、サンプル成分の
分離を行った。検出はA280 により行い、クロマトグラ
ムの面積から検体中のTTR純度を算出した。分析結果
を表すクロマトグラムを図5に示す。TTRは保持時間
21.4分に展開されるmain peakとして検出
され、その積分値より、純度は91%と算出された。
【0043】以上の結果から、60℃、10時間加熱処
理ならびにPEG分画処理と陰イオン交換クロマトグラ
フィーおよび疎水性相互作用クロマトグラフィーの組み
合わせにより、高純度のTTR含有組成物が製造された
ことが確認された。コーンの血漿第IV分画ペーストか
ら精製検体までの収量は0.4g/kg第IV分画ペー
ストであり、コーンの血漿第IV分画ペーストから40
倍にまで精製された。そして上述したように、本工程を
経て製造されたTTR含有組成物は、セルロースアセテ
ート膜電気泳動およびHPLC−GPC分析で、純度9
0%以上のTTRからなる高純度のTTR含有組成物で
あることが示された。
【0044】実施例2 (A)硫酸アンモニウム処理 プール血漿に1リットルあたり硫酸アンモニウムを20
0g添加し、4℃で1時間攪拌した後8900G×30
分間遠心分離して上清を得た。この上清1リットルあた
り硫酸アンモニウムを200g添加して4℃で1時間攪
拌し、その後8900G×30分間遠心分離して沈殿を
採取し、これを20mM Tris−HCl緩衝液(p
H7.6)に抽出溶解した。溶解液は、限外濾過膜(分
画分子量:10kD−cut)を用いて脱硫酸アンモニ
ウム処理に付した。以上の工程における、プール血漿、
初回硫酸アンモニウム分画処理液上清、第2回硫酸アン
モニウム分画処理液上清および溶解液を、実施例1の
(イ)及び(ロ)に記載した方法を用いて分析した結果
を表4に示す。この結果から、本工程におけるTTRの
工程回収率として76.5%で約2倍の精製度が示され
た。
【0045】
【表4】
【0046】また、硫酸アンモニウム分画処理液を実施
例1の(ハ)の方法でセルロースアセテート膜電気泳動
により分析した結果を図6に示す。図の各レーンは、以
下の検体についての分析結果を示す。 レーン1:プール血漿 レーン2:初回硫酸アンモニウム分画処理液上清 レーン3:第2回硫酸アンモニウム分画処理液上清 レーン4:第2回硫酸アンモニウム分画処理液溶解液 この結果から、γ位の蛋白質が効果的に除去されている
ことが示された。
【0047】さらに、脱硫酸アンモニウム処理に付した
上述の溶解液を、実施例(イ)及び(ロ)の方法を用い
て分析した結果を表5に示す。その結果、脱硫酸アンモ
ニウム処理前に比べたTTR回収率、蛋白質(A28
0)回収率は共に90%以上であった。
【0048】
【表5】
【0049】(B)陰イオン交換体処理 (A)で得られた脱硫酸アンモニウム処理液を、20m
M Tris−HCl緩衝液(pH7.6)で調整し、
イオン交換体処理に供した。すなわち、あらかじめ20
mM Tris−HCl緩衝液(pH7.6)で平衡化
しておいたDEAE−Sepharose Fast
Flow(φ5cm,bed volume=100m
l,ファルマシア社製)カラムに、上述のように調整さ
れた脱硫酸アンモニウム処理液をアプライした後、Na
Cl不含20mM Tris−HCl(pH7.6)か
ら1M NaCl含有20mM Tris−HCl(p
H7.6)のリニアグラジエントで展開し、TTRを含
む溶液画分を分取した。上記操作においてフラクション
チューブに展開した液の吸光度を測定した結果(クロマ
トグラム)を図7に示す。また、アプライ液および得ら
れたクロマトグラムから適当にプールして集めた各画分
(A〜F)を実施例1の(イ)および(ロ)に記載の方
法を用いて分析した結果を表6に示す。
【0050】
【表6】
【0051】TTRはDEAE−Sepharose
Fast Flowに対する親和性が、混在する他の蛋
白質よりも強く、NaClグラジエントで展開された蛋
白ピーク中、最後に得られる画分(Fr.F)にTTR
が溶出された。また、本処理におけるTTRの回収率は
86.8%であり、精製度としては21倍の効果が示さ
れた。また、各画分(Fr.A〜F)を実施例1の
(ハ)の方法でセルロースアセテート膜電気泳動により
分析した結果、図8に示すように他の蛋白質が効果的に
分離されており、Fr.Fには、TTRの泳動位置であ
るプレアルブミン位のバンドが検出された。
【0052】(C)疎水性相互作用クロマトグラフィー
処理 (B)で得られた溶液(Fr.F)に硫酸アンモニウム
を1mol/Lの濃度で添加し、1M硫酸アンモニウム
含有20mM Tris−HCl(pH7.6)で平衡
化したHiload Phenyl−Sepharos
e HighPerformance(bed vol
ume=50ml,ファルマシア社製)カラムにアプラ
イし、疎水性相互作用クロマトグラフィーによって1M
硫酸アンモニウム含有20mM Tris−HCl(p
H7.6)から硫酸アンモニウム不含20mM Tri
s−HCl(pH7.6)のリニアグラジエントで展開
し、TTRを含む溶液画分を分取した。上記操作におけ
るアプライ液および得られた各画分について、実施例1
の(イ)及び(ロ)に記載の方法を用いて分析した結果
を表7に示す。また、グラジエントで展開した時の吸光
度のクロマトグラムを図9に示す。
【0053】
【表7】
【0054】TTRは、混在する他の蛋白質より親水性
を示し、高極性(1M硫酸アンモニウム)から開始する
グラジエントで展開された最初の蛋白ピーク(Fr.
a)にTTRが検出された。本工程でのTTRの回収率
は、92.3%であって、精製度としては、約4倍の効
果が観察された。また、各画分(Fr.a〜f)を、実
施例1の(ハ)の方法でセルロースアセテート膜電気泳
動により分析した結果、図10に示すように、Fr.a
は、プレアルブミンのほぼ単一なバンドとして検出され
た。
【0055】(D)濃縮・透析(Ultra−Filt
ration)処理 (C)で得られた溶液について、限外濾過膜(分画分子
量10kD)を用いて濃縮ならびに透析を行い、精製T
TR検体(GCC−TTR)を得た。このTTR検体に
ついて、以下の各手法によって分析した。尚、対照検体
としてシグマ社から市販されているプレアルブミン(S
IGMA−TTR)を用いた。
【0056】(1)吸光係数 TTR抗原量と280nm吸光度から吸光係数を求めた
結果、表8に示す通り上記精製TTR(GCC−TT
R)のE280nm1% 1cm は13.5であり、生化学デ
ータブックの記載値(13.2〜14.1)からして満
足する値を認めた。
【0057】
【表8】
【0058】(2)セルロースアセテート膜電気泳動に
よる分析 精製TTR検体(GCC−TTR)と対照検体(SIG
MA−TTR)につき、実施例1の(ハ)の方法でセル
ロースアセテート膜電気泳動により分析した結果を図1
1に示す。図の各レーンは、以下の検体についての分析
結果を示す。 レーン1:正常血漿 レーン2:精製TTR検体(GCC−TTR) レーン3:対照検体(SIGMA−TTR) 精製TTR検体(GCC−TTR)と対照検体(SIG
MA−TTR)については両者ともTTRの泳動位置で
あるプレアルブミン位に単一バンドとして観察された。
【0059】(3)HPLC−Gelpermeati
on Chromatography(GPC)による
分析 TSK−G3000SWXLカラムを用いたHPLC−
GPCにより、上記の精製TTR検体(GCC−TT
R)および対照検体(SIGMA−TTR)を分析した
クロマトグラムを図12に示す。その結果、GCC−T
TRは保持時間20.5分に展開されるほぼ単一のピー
クとして検出され、その積分値より、GCC−TTRな
らびにSIGMA−TTRの純度はそれぞれ98.7%
および88.0%であった。
【0060】(4)SDS−PAGEによる分析 GCC−TTRとSIGMA−TTRをSDS−PAG
E mini〔Gel:4−20% SDS−Poly
acrylamidgel(gradient−ge
l),1mm厚,TEFCO社製〕を用いて、SDS−
PAGEにより分析した。すなわち、sample b
uffer(0.1%SDS,0.192M Glyc
ine,10mM Tris−HCl)で、約A280
=1に調整した検体を煮沸浴槽中で5分間加熱処理後、
10μl/lane添加し、18mA定電流下で120
分間電気泳動した。その後、染色液(Coomassi
eBrilliant Blue R−250,40%
メタノール,10%酢酸)によりゲルを染色後、脱色液
(10%メタノール,7.5%酢酸)で脱色した。検体
は還元と非還元処理したサンプルにつき、それぞれch
argeした。この結果を図13に示す。各レーンは、
以下の検体についての結果を表す。 GCC−TTR、SIGMA−TTRともに分子量20
kD以下の位置に単一バンドとして検出され、両者の泳
動位置は全く同一であった。
【0061】(5)Ouctherlony法による抗
原性の定性分析 GCC−TTR、SIGMA−TTR、ならびに正常人
血漿につき、抗TTR(プレアルブミン)抗体を用いた
Ouctherlony法によって抗原性の定性を行っ
た。以下にその手法を述べる。電気泳動用ベロナール緩
衝剤(常光)1袋を精製水1000mlで溶解し、アガ
ロース粉末(AgaroseLE,FMC)とアジ化ナ
トリウムをそれぞれ最終1%および0.1%になるよう
に加えて煮沸溶解した。溶解液20mlを水平台の上で
ガラス平板(75×100mm)に注ぎ、湿潤容器中で
室温放置してゲルが固まった後、試料と抗体をアプライ
する穴をパンチで切り込み、寒天平沈降線の観察を行っ
た。その結果を図14に示す。GCC−TTRに由来す
る沈降線は正常血漿およびSIGMA−TTRのそれ
と、それぞれ完全に融合しており、spur形成などは
観察されなかった。
【0062】(6)免疫電気泳動による分析 GCC−TTRを、以下の手法により免疫電気泳動によ
り分析した。電気泳動用ベロナール緩衝剤(常光)1袋
を精製水1000mlで溶解し、アガロース粉末(Ag
aroseLE,FMC)とアジ化ナトリウムをそれぞ
れ最終1%および0.1%になるように加えて煮沸溶解
した。溶解液20mlを水平台の上でガラス平板(75
×100mm)に注ぎ、湿潤容器中で室温放置してゲル
が固まった後、試料と抗体をアプライする穴および溝を
それぞれ切り込み、寒天平板を作製した。泳動緩衝液
は、前述ベロナール緩衝剤1袋を精製水500mlに溶
解した液(pH8.6,μ=0.06)を用い、寒天平
板と緩衝液を濾紙で架橋後、GCC−TTR、SIGM
A−TTR、および対照検体としてブロムフェノールブ
ルー(BPB)を含む正常血漿をそれぞれ10μlアプ
ライして1〜2mA/cm定電圧で電気泳動した。対照
検体としたブロムフェノールブルーを含む血漿が原点か
ら約2cm泳動された位置で停電し、寒天平板上の溝に
抗ヒト血清・ウサギ抗体(DAKO)および抗TTR
(プレアルブミン)・ウサギ抗体(DAKO,A03
0)をそれぞれ100μl加え、湿潤容器中で一晩室温
放置して沈降線の観察を行った。この結果を図15に示
す。抗TTR(プレアルブミン)抗体および抗ヒト血清
抗体に対する反応性について、正常血漿およびSIGM
A−TTRによって示されるTTR由来のそれぞれの沈
降線と、GCC−TTRの示す沈降線とで、よく一致し
た結果が認められた。
【0063】(7)加熱処理 生理食塩水を溶媒とした精製TTR検体(GCC−TT
R)にソルビトールを50W/V%の濃度で添加し、無添加
群と併せて各々60℃で10時間加熱処理を行い、HP
LC−GPCにより、凝集物生成等を指標として加熱に
対する影響を調べた。その結果(クロマトグラム)を図
16に示す。観察したそれぞれの溶媒系(生理食塩水お
よび50W/V%ソルビトール添加生理食塩水)での60
℃、10時間の加熱処理に対し、少なくともTTRはH
PLC−GPCのパターンに影響は認められず、高分子
の凝集物の生成は観察されなかった。
【0064】以上の結果から、硫酸アンモニウム分画処
理、陰イオン交換体処理および疎水性相互作用クロマト
グラフィー処理の組み合わせにより、ほぼ単一なTTR
が分離されたことが示された。血漿から精製検体までの
収量は0.13g/L血漿であり、全工程の回収率とし
ては50%程度であって血漿から195倍にまで精製さ
れた。得られた精製TTR検体は、定性および定量分析
において、それぞれTTRの性質を満足する結果を示
し、また60℃、10時間の加熱処理に対してTTRは
比較的安定である傾向にあった。
【0065】試験例1 低蛋白低アルブミン血症を合併する家族性アミロイドポ
リニューロパチー患者に、新鮮凍結血漿600ccを約
3〜4時間かけて点滴静注により投与した。新鮮凍結血
漿投与前、投与直後、投与後1日、2日、3日、および
4日にこの患者から採血し、得られた血液サンプルにつ
いて、血中総TTRおよび異型TTRの濃度を単純放射
状免疫拡散法およびRIA法で測定した。血中総TTR
および異型TTRの濃度の経時的変化を図17に示し
た。その結果、投与後15分で、血中総TTRが増加し
たにも関わらず、異型TTRレベルが低下することが認
められた。さらに新鮮凍結血漿の投与量を800ccに
増加させたところ、図18に示したように、同様の効果
が顕著に認められた。これらの結果より、新鮮凍結血漿
中のある成分が異型TTRレベルを下げる効果があるこ
とが考えられた。
【0066】試験例2 C57Black6マウス(n=3)に、実験例2で得
られた高純度TTR含有組成物を、TTR抗原量に換算
して3mg〔マウス1個体(平均体重50〜60g)当
たり〕、静注により投与した。投与直後、投与後6時
間、24時間、48時間に該マウスの血中マウス・TT
RのmRNAレベルをノーザンブロットハイブリダイゼ
ーションおよびドットブロットハイブリダイゼーション
による方法で測定し、その経時的変化を図19に示し
た。その結果、投与後6時間でマウス血中のマウス・T
TRのmRNAレベルが低下し、以降少しずつ正常レベ
ルに回復した。従って、TTR含有組成物を投与するこ
とによって、本来生体内に保有するTTRレベルを低下
させる効果が確認された。即ち、TTR含有組成物を投
与することにより、家族性アミロイドポリニューロパチ
ー(FAP)患者が本来生体内に持つ異型TTRの分泌
を抑制する効果を持つことが示唆された。
【0067】試験例3毒性試験 実施例2で得られた高純度TTR含有組成物をTTR抗
原量に換算して1500mg/kgの容量で、Wisterラ
ット3匹(体重:260g、285g、および295
g)、及びウサギ2匹(体重:2650gおよび312
0g)にそれぞれ静注により投与した。これらのラット
およびウサギについて、該高純度TTR含有組成物投与
後2週間にわたり観察を行ったが、体重等の生理学的所
見および一般状態に変化は認められなかった。以上の結
果から、本発明の高純度TTR含有組成物の安全性の高
いことが確認された。
【0068】
【発明の効果】本発明の方法によれば、夾雑物が除去さ
れ、高純度のTTR含有組成物を高収率に提供すること
ができる。また、本発明の工程によれば、実質的にウイ
ルスを含まず、安全性が高い高純度TTR含有組成物を
製造することができる。さらに、本発明の、TTRを含
有する異型TTR分泌抑制用組成物は、異型TTRの分
泌抑制作用を有し、発症初期、すなわち異型TTRが沈
着していないかあるいは沈着が軽度の家族性アミロイド
ポリニューロパチー等のアミロイドーシス患者、または
遺伝的背景から家族性アミロイドポリニューロパチー等
のアミロイドーシス発症の可能性が高い者に投与するこ
とによって、異型TTRの沈着を予防することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 PEG処理を施したTTR含有組成物を、セ
ルロースアセレート膜電気泳動により分析した結果を示
す図である。
【図2】 PEG分画処理を施したTTR含有組成物を
陰イオン交換体(DEAE−Sepharose Fa
st Flow)に供し、分離された各画分についてセ
ルロースアセテート膜電気泳動により分析した結果を示
す図である。
【図3】 疎水性相互作用クロマトグラフィーにおける
溶媒中のNaCl濃度の変化によるTTR分離精製効果
につき、セルロースアセテート膜電気泳動により分析し
た結果を示す図である。
【図4】 精製TTR検体(Lot♯7770−04/
TTR)を、セルロースアセテート膜電気泳動により分
析した結果を示す図である。
【図5】 精製TTR検体(Lot♯7770−04/
TTR)を、TSK−G3000SWXLカラムを用い
たHPLC−GPCにより分析したクロマトグラムを示
す図である。
【図6】 硫酸アンモニウム分画処理を施したTTR含
有組成物を、セルロースアセテート膜電気泳動により分
析した結果を示す図である。
【図7】 硫酸アンモニウム分画処理液を陰イオン交換
体処理に供し、グラジエントで展開し吸光度を測定した
結果(クロマトグラム)を示す図である。
【図8】 硫酸アンモニウム分画処理したTTR含有組
成物を陰イオン交換体に供し、分離された各画分につい
てセルロースアセテート膜電気泳動により分析した結果
を示す図である。
【図9】 硫酸アンモニウム分画処理並びに陰イオン交
換体処理を施したTTR含有蛋白質溶液を疎水性相互作
用クロマトグラフィー処理に供し、グラジエントで展開
し吸光度を測定した結果(クロマトグラム)を示す図で
ある。
【図10】 硫酸アンモニウム分画処理並びに陰イオン
交換体処理を施したTTR含有蛋白質溶液を疎水性相互
作用クロマトグラフィーに供し、分離された各画分につ
いてセルロースアセテート膜電気泳動により分析した結
果を示す図である。
【図11】 精製TTR検体(GCC−TTR)および
対照検体(SIGMA−TTR)を、セルロースアセテ
ート膜電気泳動により分析した結果を示す図である。
【図12】 精製TTR検体(GCC−TTR)および
対照検体(SIGMA−TTR)をTSK−G3000
SWXLカラムを用いたHPLC−GPCにより分析し
たクロマトグラムを示す図である。
【図13】 精製TTR検体(GCC−TTR)および
対照検体(SIGMA−TTR)をSDS−PAGEに
より分析した結果を示す図である。
【図14】 精製TTR検体(GCC−TTR)、対照
検体(SIGMA−TTR)および正常人血漿を、抗T
TR(プレアルブミン)抗体を用いたOuctherl
ony法によって抗原性の定性分析を行った結果を示す
図である。
【図15】 精製TTR検体(GCC−TTR)、対照
検体(SIGMA−TTR)および正常人血漿の、抗T
TR(プレアルブミン)抗体および抗ヒト血清抗体に対
する反応性を、免疫電気泳動により分析した結果を示す
図である。
【図16】 加熱前および加熱処理を施した精製TTR
検体(GCC−TTR)をHPLC−GPCにより分析
したクロマトグラムを示す図である。
【図17】 新鮮凍結血漿600ccを投与した低蛋白
低アルブミン血症を合併する家族性アミロイドポリニュ
ーロパチー患者の、血中総TTRおよび異型TTRの濃
度の経時的変化を示す図である。
【図18】 新鮮凍結血漿800ccを投与した低蛋白
低アルブミン血症を合併する家族性アミロイドポリニュ
ーロパチー患者の、血中総TTRおよび異型TTRの濃
度の経時的変化を示す図である。
【図19】 精製TTR検体(GCC−TTR)を投与
したマウスの、血中マウス・TTRのmRNAレベルの
平均値の経時的変化を示す図である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスサイレチンを含有する原料組成
    物より、トランスサイレチンを含む第1の蛋白質画分
    と、トランスサイレチン以外の蛋白質の含有率が高い第
    2の画分とに分離する方法であって、(a)トランスサ
    イレチンを含有する原料組成物から、該組成物の媒体に
    難溶性の夾雑物を除去する工程、(b)(a)で調製さ
    れたトランスサイレチン含有組成物を陰イオン交換体に
    接触させ、トランスサイレチンを陰イオン交換体に吸着
    させることにより第2の画分を分離する工程、(c)
    (b)で陰イオン交換体に吸着したトランスサイレチン
    を含む第1の蛋白質画分を陰イオン交換体から分離し、
    トランスサイレチンを含む蛋白質溶液を回収する工程、
    (d)(c)で回収された蛋白質溶液から、水に対する
    親和性差を利用してトランスサイレチンを分離する工
    程、の4つの工程を含むことを特徴とする、純度90%
    以上のトランスサイレチンからなる高純度トランスサイ
    レチン含有組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 トランスサイレチンを含有する原料組成
    物が、血清、血漿、血漿濃縮物、血漿の任意の沈殿画
    分、血漿の任意の上清画分、細胞溶解物、および細胞に
    おいて産生された蛋白質からなる群から選ばれる請求項
    1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 任意の段階で、ウイルスを不活化するの
    に充分な条件で加熱処理を施し、ウイルスに対して安全
    なトランスサイレチン含有組成物を得る工程が付加され
    た、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 工程(a)において該組成物の媒体に難
    溶性の夾雑物を除去する工程が、ポリエチレングリコー
    ル処理または硫酸アンモニウム処理である、請求項1に
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 陰イオン交換体の陰イオン交換樹脂が、
    DEAE樹脂からなる請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 工程(c)においてトランスサイレチン
    を含む第1の蛋白質画分を陰イオン交換体から分離し、
    トランスサイレチンを含む蛋白質溶液を回収する方法
    が、塩溶液を用いる方法である、請求項1に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 工程(d)において水に対する親和性差
    を利用してトランスサイレチンを分離する方法が、疎水
    性相互作用クロマトグラフィーに付す方法である、請求
    項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 工程(d)において水に対する親和性差
    を利用してトランスサイレチンを分離する工程の後に、
    硫酸アンモニウム溶液もしくは塩化ナトリウム溶液を用
    いてトランスサイレチンが含まれる蛋白質画分を回収す
    る工程が付加された、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 実質的にウイルスを含まない、高純度ト
    ランスサイレチン含有組成物。
  10. 【請求項10】 純度90%以上のトランスサイレチン
    からなる高純度トランスサイレチン含有組成物。
  11. 【請求項11】 トランスサイレチンを含有する異型ト
    ランスサイレチン分泌抑制用組成物。
  12. 【請求項12】 請求項9または請求項10のいずれか
    に記載の組成物を含有する異型トランスサイレチン分泌
    抑制用組成物。
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