JPH10341162A - 音声符号化伝送方法 - Google Patents

音声符号化伝送方法

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JPH10341162A
JPH10341162A JP9150792A JP15079297A JPH10341162A JP H10341162 A JPH10341162 A JP H10341162A JP 9150792 A JP9150792 A JP 9150792A JP 15079297 A JP15079297 A JP 15079297A JP H10341162 A JPH10341162 A JP H10341162A
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正之 三崎
Junichi Tagawa
潤一 田川
Hirotsugu Taniguchi
宏嗣 谷口
Michio Matsumoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受信側の周囲の騒音特性や聴取者の聴力特性
を考慮し、符号化音声の再生品質又は符号化効率を向上
させること。 【解決手段】 送信側はステップS1で受信側の周囲騒
音環境を知るために、受信側の周囲のスペクトル情報の
転送を要求する。受信側は周囲騒音に関する周波数特性
等を測定し、得られた情報を送信側に転送する。送信側
はステップS2で受信側の聴取者の聴力特性に関する情
報の転送を要求し、その情報を取得する。ステップS3
では入力信号のスペクトル包絡をフレーム単位で求め、
受信側から得られた周囲騒音スペクトルの包絡をこれに
付加し、ステップS4で同時マスキング効果によるマス
キング閾値を決定する。以上で求められたマスキング閾
値と入力信号のスペクトル包絡とを用いて、適応的にビ
ット割当量を変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は伝送路を用いて音声
信号を効率よく伝送する音声符号化伝送方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の音声符号化方法とその装置につい
て説明する。図5は従来の音声符号化装置の基本構成を
示すブロック図である。本図に示すように音声符号化装
置は、周波数包絡演算手段1、マスキング閾値決定手段
2A、適応ビット割当手段3、第1〜第Nの帯域に帯域
分割を行う第1〜第Nの帯域分割手段4、各帯域毎に量
子化を行う第1〜第Nの量子化手段5、各帯域毎にエン
トロピー符号化を行う第1〜第Nのエントロピー符号化
手段6、マルチプレクサ7を含んで構成される。
【0003】まず、周波数包絡演算手段1に入力された
音声信号は、フレーム単位でスペクトル包絡が求められ
る。求められたスペクトル包絡をもとに、マスキング閾
値決定手段2Aは帯域分割されている帯域のマスキング
閾値を決定する。このマスキング閾値は、臨界帯域幅を
考慮した同時マスキング効果により決定される。適応ビ
ット割当手段3は、得られたマスキング閾値を超える入
力信号に対して、スペクトル包絡成分を各帯域毎に求め
る。そしてその比に応じて各帯域へのビット割当量を決
定する。
【0004】一方、入力信号が第1〜第Nの帯域分割手
段4に入力されると、第1〜第NのN帯域に分割され
る。そして、第1〜第Nの帯域分割手段4の出力信号は
夫々第1〜第Nの量子化手段5に入力され、適応ビット
割当手段3によって与えられたビット数で量子化され
る。そして量子化された各帯域分割信号は第1〜第Nの
エントロピー符号化手段6に入力され、冗長性を削除す
るためのエントロピー符号化が行われる。そして各々の
帯域の符号化データは適応ビット割当手段3で決定され
たビット割当情報と共に、マルチプレクサ7でまとめら
れて伝送路に送出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記の
ような方法では、符号化効率を良くするために同時マス
キング効果を用いて符号化データを削減しているが、音
声信号を受信する聴取者側の周囲騒音の影響や、聴取者
個人の聴覚能力(聴覚特性)を考慮したものではない。
特に受信側の環境において、騒音レベルが高かったり、
全可聴帯域を聴くとのできない聴取者にとっては、一方
的にこのような帯域分割信号を受信することは、冗長な
情報を取得することになる。
【0006】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、音声信号を受信する聴取者側
の周囲の騒音特性、及び聴取者の聴力特性を考慮するこ
とにより、符号化音声信号の再生品質又は符号化効率を
向上させる音声符号化伝送方法を実現することを目的と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を達成するため
に本願の請求項1記載の発明は、受信側の聴取条件に基
づいて聴感上の再生品質を補償する音声符号化伝送方法
であって、聴取者の周囲における騒音特性に関する騒音
スペクトル情報を通信手段を介して入手するか又は推定
し、前記聴取者の聴力特性に関する聴力情報を通信手段
を介して入手するか又は推定し、符号化伝送すべき音声
信号のスペクトル包絡を求め、同時マスキング効果によ
って前記スペクトル包絡に関するマスキング閾値を、前
記騒音スペクトル情報及び前記聴力情報に基づいて補正
し、得られた新しいマスキング閾値を基に各周波数帯域
に対するビット割当量の配分を減少するよう調整し、調
整されたビット割当量に基づいて各周波数帯域信号に対
して所定の符号化アルゴリズムで符号化を行い、伝送す
ることを特徴とするものである。
【0008】また本願の請求項2記載の発明は、受信側
の聴取条件に基づいて聴感上の再生品質を補償する音声
符号化伝送方法であって、聴取者の周囲における騒音特
性に関する騒音スペクトル情報を通信手段を介して入手
するか又は推定し、前記聴取者の聴力特性に関する聴力
情報を通信手段を介して入手するか又は推定し、符号化
伝送すべき音声信号のスペクトル包絡を求め、同時マス
キング効果によって前記スペクトル包絡に関するマスキ
ング閾値を、前記騒音スペクトル情報及び前記聴力情報
に基づいて補正し、得られた新しいマスキング閾値を基
に各周波数帯域に対するビット割当量を、音声信号のS
N値が所定値以上となるよう変更し、変更されたビット
割当量に基づいて各周波数帯域信号に対して所定の符号
化アルゴリズムで符号化を行い、伝送することを特徴と
するものである。
【0009】また本願の請求項3記載の発明は、請求項
1又は2の音声符号化伝送方法において、マスキング閾
値の補正に際し、前記騒音スペクトル情報から得られる
マスキングノイズを基に、マスキング閾値を調整するこ
とを特徴とするものである。
【0010】また本願の請求項4記載の発明は、請求項
1又は2の音声符号化伝送方法において、マスキング閾
値の補正に際し、前記聴力情報で得られる聴取者の周波
数帯域毎の最小可聴値と臨界帯域幅を基に、マスキング
閾値を調整することを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)以下本発明の実施の形態1における音
声符号化伝送方法について,図1〜図3を参照しつつ説
明する。図1は本実施の形態の音声符号化装置の基本構
成を示すブロック図であり、従来例と同一部分は同一符
号をつけ、それらの説明は省略する。この音声符号化装
置は、周波数包絡演算手段1、マスキング閾値決定手段
2B、適応ビット割当手段3、N帯域に帯域分割を行う
第1〜第Nの帯域分割手段4、各帯域毎に量子化を行う
第1〜第Nの量子化手段5、各帯域毎にエントロピー符
号化を行う第1〜第Nのエントロピー符号化手段6、マ
ルチプレクサ7に加えて、騒音特性参照手段8、聴力特
性参照手段9を含んで構成される。
【0012】騒音特性参照手段8は、伝送路を介して入
力された受信側の周囲の騒音特性を入手し、マスキング
閾値決定手段2Bに与える手段である。また聴力特性参
照手段9は、伝送路を介して入力された聴取者の聴力特
性を入手し、マスキング閾値決定手段2Bに与える手段
である。マスキング閾値決定手段2Bは、入力音声信号
の周波数包絡情報と、受信側の騒音特性及び聴力特性に
基づき、マスキング閾値を決定する手段である。
【0013】このように構成された音声符号化装置の動
作について図1〜図3を用いて説明する。図2,図3は
本実施の形態における音声符号化伝送方法の信号処理の
流れを示すフローチャートである。
【0014】ステップS1においてまず送信側は、受信
側の周囲騒音環境を知るために、受信側の周囲騒音特性
に関する騒音スペクトル情報の転送を要求する。これに
対して図3のステップS11では、受信側は送信側から
の周囲騒音特性に関する情報の転送要求を受理する。そ
して次のステップS12で、受信側は受信端末側の周囲
騒音に関する騒音スペクトルを測定し、得られた騒音ス
ペクトル情報を送信側の騒音特性参照手段8に転送す
る。こうして送信側は、周囲の騒音スペクトル情報を入
手する。
【0015】図2のステップS2では、送信側は、受信
側の聴取者の聴力特性を知るために、受信側の聴取者の
聴力特性に関する聴力情報の転送を要求する。これに対
して受信側は図3のステップS21において、送信側か
らの受信側の聴取者の聴力情報の転送要求を受理する。
そして次のステップS22で、受信端末側の聴取者の聴
力情報を収集し、得られた聴力情報を送信側の聴力特性
参照手段9に転送する。なお、この受信端末側の聴取者
の正確な聴覚特性の特性が既に得られていて、その情報
を受信端末から転送できるものとする。なお受信側の周
囲騒音特性や聴取者の聴力特性の情報が得られないとき
は、送信側がその情報を推定する。
【0016】次のステップS3では、送信側のマスキン
グ閾値決定手段2Bは入力信号のスペクトル包絡をフレ
ーム単位で求め、受信側から得られた周囲騒音スペクト
ルの包絡をこれに付加する。そしてステップS4では、
同時マスキング効果によるマスキング閾値を決定する。
これにより、受信側の周囲騒音環境を含めたマスキング
閾値が得られることになる。
【0017】ステップS5に進むと、マスキング閾値決
定手段2Bは聴力特性参照手段9を介して得られた聴取
者の聴力特性である最小可聴値を基に、マスキング閾値
を補正する。これにより聴取者が例えば高域周波数の感
度が劣化している場合などに、可聴域外の無駄な符号化
データの送信をなくすことができる。
【0018】ステップS6では、適応ビット割当て手段
3は以上で求められたマスキング閾値と入力信号のスペ
クトル包絡とを用いて、適応的にビット割当量を変更す
る。なお、本実施の形態では、伝送する符号化音声のビ
ットレートは上限が制限されているものとする。次に各
帯域のマスキング閾値を越える成分の比を求め、その比
に応じたビット配分を行う。全体でのビット数は所定値
以下とするが、その割当量は先のビット配分に応じて適
応的に変更される。
【0019】ビット割り当て以降の動作は従来例と同様
である。即ち、ステップS7では、帯域分割手段4が入
力信号を帯域分割する。そして量子化手段5は各帯域に
割当てられたビット数で量子化し、エントロピー符号化
手段6がエントロピー符号化を実施する。次のステップ
S8では、マルチプレクサ7は各帯域の符号化されたデ
ータと、量子化に割り当てられたビット割当て数を多重
化して伝送路に出力する。
【0020】(実施の形態2)次に本発明の実施の形態
2における音声符号化伝送方法について、図3及び図4
を参照しつつ説明する。図4は本実施の形態における音
声符号化伝送方法の信号処理の流れを示すフローチャー
トである。なお、音声符号化装置の基本構成は図1と同
様であるので、図1の各手段の引用は省略する。
【0021】図4のステップT1においてまず送信側
は、受信側の周囲騒音環境を知るために、受信側の周囲
騒音特性に関する騒音スペクトル情報の転送を要求す
る。これに対して図3のステップT11では、受信側は
送信側からの周囲騒音特性に関する情報の転送要求を受
理する。そして次のステップT12で、受信側は受信端
末側の周囲騒音に関する騒音スペクトルを測定し、得ら
れた騒音スペクトル情報を送信側に転送する。こうして
送信側は、周囲の騒音スペクトル情報を入手する。
【0022】次のステップT2では、送信側は、受信側
の聴取者の聴力特性を知るために、聴取者の聴力特性に
関する聴力情報の転送を要求する。これに対して図3の
ステップT21では、受信側は送信側からの受信側の聴
取者の聴力特性に関する情報の転送要求を受理する。そ
して次のステップT22で、受信端末側の聴取者の聴力
情報を収集し、得られた聴力情報を送信側に転送する。
なお、この受信端末側の聴取者の正確な聴力の特性が既
に得られていて、その情報を受信端末から転送できるも
のとする。
【0023】次のステップT3では、送信側は入力信号
のスペクトル包絡をフレーム単位で求め、受信側から得
られた周囲騒音スペクトルの包絡をこれに付加する。そ
してステップT4では、同時マスキング効果によるマス
キング閾値を決定する。これにより、受信側の周囲騒音
環境を含めたマスキング閾値が得られることになる。
【0024】ステップT5に進むと、更に受信側の聴取
者の聴力特性である最小可聴値を基に、マスキング閾値
を補正する。これにより聴取者が例えば高域周波数の感
度が劣化している場合などに、可聴域外の符号化データ
の無駄に送信を事前になくすことができる。
【0025】ステップT6では、以上で求められたマス
キング閾値と入力信号のスペクトル包絡とを用いて、適
応的にビット割当量を変更する。なお、本実施の形態で
は、伝送する符号化音声のビットレートは可変できると
する。まず各帯域のマスキング閾値を越える成分の絶対
値から、音声のSN値が所定の値になるようにビット数
の決定を行う。このため、全体でのビット数は一定値で
はなく、信号の状態などに応じて適応的に可変する。
【0026】ビット割り当て以降の動作は従来例と同様
である。即ち、ステップT7では、入力信号を帯域分割
し、各帯域に割当てられたビット数で量子化し、エント
ロピー符号化を実施する。次のステップT8では、各帯
域の符号化されたデータと、量子化に割り当てられたビ
ット割当て数を多重化して伝送路に出力する。
【0027】
【発明の効果】以上のように、請求項1,3,4記載の
発明によれば、受信側の周囲騒音の影響や受信側聴取者
の聴力特性を考慮して全帯域の符号化データのビット数
を制限することにより、符号化伝送する情報量を削減で
きる効果が得られる。
【0028】また請求項2,3,4記載の発明によれ
ば、受信側の周囲騒音の影響や聴取者の聴力特性を考慮
して各帯域へのビット配分を変更することにより、聴感
上の符号化再生品質を改善できるという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音声符号化伝送方法を実現するための
音声符号化装置の基本構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1における音声符号化伝送
方法の信号処理を示すフローチャート(その1)であ
る。
【図3】実施の形態1,2における音声符号化伝送方法
の信号処理を示すフローチャート(その2)である。
【図4】本発明の実施の形態2における音声符号化伝送
方法の信号処理を示すフローチャート(その1)であ
る。
【図5】従来の音声符号化装置の構成図である。
【符号の説明】
1 周波数包絡演算手段 2A,2B マスキング閾値決定手段 3 適応ビット割当手段 4 帯域分割手段 5 量子化手段 6 エントロピー符号化手段 7 マルチプレクサ 8 騒音特性参照手段 9 聴力特性参照手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 美治男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信側の聴取条件に基づいて聴感上の再
    生品質を補償する音声符号化伝送方法であって、 聴取者の周囲における騒音特性に関する騒音スペクトル
    情報を通信手段を介して入手するか又は推定し、 前記聴取者の聴力特性に関する聴力情報を通信手段を介
    して入手するか又は推定し、 符号化伝送すべき音声信号のスペクトル包絡を求め、 同時マスキング効果によって前記スペクトル包絡に関す
    るマスキング閾値を、前記騒音スペクトル情報及び前記
    聴力情報に基づいて補正し、 得られた新しいマスキング閾値を基に各周波数帯域に対
    するビット割当量の配分を減少するよう調整し、 調整されたビット割当量に基づいて各周波数帯域信号に
    対して所定の符号化アルゴリズムで符号化を行い、伝送
    することを特徴とする音声符号化伝送方法。
  2. 【請求項2】 受信側の聴取条件に基づいて聴感上の再
    生品質を補償する音声符号化伝送方法であって、 聴取者の周囲における騒音特性に関する騒音スペクトル
    情報を通信手段を介して入手するか又は推定し、 前記聴取者の聴力特性に関する聴力情報を通信手段を介
    して入手するか又は推定し、 符号化伝送すべき音声信号のスペクトル包絡を求め、 同時マスキング効果によって前記スペクトル包絡に関す
    るマスキング閾値を、前記騒音スペクトル情報及び前記
    聴力情報に基づいて補正し、 得られた新しいマスキング閾値を基に各周波数帯域に対
    するビット割当量を、音声信号のSN値が所定値以上と
    なるよう変更し、 変更されたビット割当量に基づいて各周波数帯域信号に
    対して所定の符号化アルゴリズムで符号化を行い、伝送
    することを特徴とする音声符号化伝送方法。
  3. 【請求項3】 マスキング閾値の補正に際し、前記騒音
    スペクトル情報から得られるマスキングノイズを基に、
    マスキング閾値を調整することを特徴とする請求項1又
    は2記載の音声符号化伝送方法。
  4. 【請求項4】 マスキング閾値の補正に際し、前記聴力
    情報で得られる聴取者の周波数帯域毎の最小可聴値と臨
    界帯域幅を基に、マスキング閾値を調整することを特徴
    とする請求項1又は2記載の音声符号化伝送方法。
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