JP2729013B2 - オーディオ信号のためのしきい値制御量子化決定法 - Google Patents

オーディオ信号のためのしきい値制御量子化決定法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、伝送またはデジタル記
憶媒体のためのデジタル・オーディオ信号の効率的な情
報コーディングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年に開発されたハイファイ・オーディ
オのための圧縮アルゴリズムは、主として、周波数領域
のコーダである。これらのコーダは、スペクトル特性を
抽出して、冗長なもの及び不適切なものを除去するた
め、入力デジタル・オーディオ信号を周波数領域に分解
する。こうした設計の大部分において、エンコーダは、
いっそう複雑になる可能性があるが、デコーダは単純で
なければならない。エンコーダのビット割り付け案は、
極めて重要な役割を果たしており、コーダの複雑さ、冗
長性の除去範囲及び、再構成される出力の質をほとんど
決定する。
【0003】オーディオ信号のコーディングに関する音
響心理学的モデリングにフィードフォワード量子化を利
用するサブバンド・コーディング(SBC)が、ISO
/WG 11/MPG(映画専門家グループ)によって
立案されたオーディオ・コーディング規格の核となる方
法を形成している。サブバンド・コーディング・アルゴ
リズムに用いられるビット割り付け手順は、人間の耳の
マスキングしきい値に基づくものであり、再構成される
出力は、128キロ・ビット/秒/チャネル以上のビッ
ト伝送速度で透明性の得られることが分かった。
【0004】図6には、知覚に基づくビット割り付け手
順を利用したサブバンド・コーダのブロック図が示され
ている。まず、フィルタ・バンク101によって、入力
オーディオ信号xにフィルタリングを施してサブバンド
にすると、サブバンド・サンプルSkが得られる。これ
らのサンプルから、最大値決定手段102によって規定
の時間間隔毎に、最大値Smaxが求められる。次に6
ビット均等量子化器(第1量子化器)103によって求
められた最大値Smaxを量子化すると、量子化された
Smaxが生じる。ブロック104において、量子化さ
れたSmaxを反転し、これにサンプルSkを乗算器1
05によりかけると、第2量子化器108に入力される
前にこの正規化が行われ、伝送のためのSkが得られ
る。各サブバンド毎に用いる第2量子化のステップは、
ビット割り付けを計算するブロック107の出力によっ
て決まる。ここで、入力オーディオ信号xは別の経路
で、ブロック106に送られ、まず、ブロック106a
によって高速フーリエ変換(FFT)され、時間間隔ま
たはフレーム毎に、スペクトル成分に分解される。次
に、ノイズに対するトーン及びトーンに対するノイズの
同時マスキングに基づいて、ブロック106bによりマ
スキングしきい値が計算される。この結果、サブバンド
毎にマスク値が得られ、これらのマスク値が、ブロック
107のビット割り付け手順に用いられる。
【0005】図7には、ブロック106及び107の処
理の概略を示す流れ図が示されている。まず、ステップ
S71は、FFTプロセスであり、ブロック106aに
対応する。ステップS72は、マスク値が得られるブロ
ック106bに対応する。ステップS73、74、7
5、76、77、78及び、79は、ブロック107内
における処理ステップを示している。すなわち、マスク
値及び量子化されたSmaxを用いて量子化ノイズが計
算され(ステップS73)、その量子化ノイズによって
ノイズ対マスク比が計算される(ステップS74)。得
られたノイズ対マスク比は、次の各サブバンドに割り付
けられるビット数を得るための反復法に用いられる。反
復法におけるステップは、以下の通りである。
【0006】[1]最大のノイズ対マスク比(NMR)
になる周波数帯域iを求める(ステップS75)。
【0007】[2]周波数帯域Liに割り付けられるビ
ットをインクリメントする(ステップS76)。
【0008】[3]NMRiを再計算する(ステップS
77)。
【0009】[4]B=B−Mになる、残りのビットB
を計算する(ステップS78)。
【0010】[5]BがM以上の場合、上記処理[1]
から[5]を反復し、さもなければ、割り付けを終了す
る(ステップS79)。
【0011】また、1985年5月の、プロシーディン
グス オブ アイシーエーエスエスピー’82,パリ
(Proceedings of ICASSP'82,Paris)、203〜206
頁に記載の、ティーエー ラムスタッド(TA Ramstad)
による「サブバンド コーダーウイズ ア シンプル
アダプティブ ビット アロケーション アルゴリズム
ア ポシブル キャンディデート ホア ディジタル
モービル テレホニー(Subband coder with a simple
adaptive bit allocation algorithm-a possible candi
date for digital mobile telephony)」と題する論文
には、サブバンド信号の相対標準偏差に基づく単純なビ
ット割り付け法が記載されている。この方法のビット割
り付けは、単純な多数決の原理に基づくものであり、標
準偏差が最大の帯域が、最初のビットを受け、次に、標
準偏差は、線形係数だけ減少する。 また、ワイ.マツ
イ(Y.Matsui)によるディジタル・オーディオ信号の符
号化方法と題する特許明細書には、ビット割り付け手順
のもう1つのバリエーションが見受けられる。図8に、
そのブロック図が示されている。201はサブバンド信
号のレベルが決定されるレベル計算ブロックである。2
02は対数値計算ブロックであり、203はスケール・
ファクタの計算ブロックである。204のブロックで
は、対数表の重み付き値が保持され、205のブロック
では、サブバンドに関する重み表が含まれる。レベルの
対数値の線形重み付き比率に基づいて、ブロック206
において、ビット割り付け計算が行われる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
知覚に基づくビット割り付け手順は、テストでは、12
8キロビット/秒以上のビット伝送速度において透明性
が得られたが、その複雑さに欠点がある。FFT及びマ
スクしきい値の計算は集約的であり、けた外れの処理能
力を必要とするので、低コストによる実施の有効性に限
界があるという課題がある。
【0013】一方、単純なビット割り付け方法は、人間
の聴覚系を考慮してビットを割り付けるのではないとい
う点に不足がある。すなわち、第1に、割り付けは標準
偏差に基づくものであって、知覚される音量と直接関係
する帯域内のエネルギに基づくものではない。第2に、
高周波数のサブバンドに低周波数のサブバンドと同じ重
み付けが施されるので、耳の感度が鈍い高周波数のサブ
バンドに対して均等なビット配分が行われてしまうとい
う課題がある。
【0014】以上のことは例えば表1に示された知覚に
基づくビット割り付け及び単純なビット割り付けに関す
るオーディオ信号のフレーム例の結果から知ることが出
来る。量子化ノイズがマスクを下回ることを保証するの
に必要な最小ビット割り付けとして計算された、要求さ
れるビット割り付けも比較のため並べて一覧表にされて
いる。これらのビット割り付けは、192キロビット/
秒/チャネルのビット伝送速度で動作する、32の等帯
域のサブバンド符号復号器から得られたものである。ビ
ット割り付けの結果から明らかなように、単純なビット
割り付け手順によって割り付けられるビットの数は、帯
域0、1及び、2に関して要求される数より少ない。こ
れによって明らかなように、これら3つのサブバンドに
は可聴ノイズがある。オーディオ信号のこのフレームに
おいてノイズが聞こえる確率は、3/32である。一
方、知覚による結果の場合には、割り付けられるビット
は常に要求される数を上回ることが分かる。
【0015】
【表1】
【0016】本発明は、従来のこのような課題を考慮
し、再構成される信号の質を良好に保持したまま、低コ
ストでビット割付が出来るオーディオ信号のためのしき
い値制御量子化決定方法を提供することを目的とするも
のである。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明は、フ
ィルタバンクにより入力オーディオ信号から各サブバン
ドサンプルを生成し、各サブバンドについて、それらの
サブバンドサンプルの中の最大値を求め、その最大値を
量子化し、その量子化された最大値を用いて、各サブバ
ンドサンプルを正規化し、その正規化された各サブバン
ドサンプルを所定の量子化ステップ数により、量子化す
るオーディオ信号量子化方法において、前記サブバンド
サンプルの平均エネルギーを計算し、その計算された各
平均エネルギーの中の最大の平均エネルギーを有するサ
ブバンドを検出し、検出したサブバンドの量子化ステッ
プ数を増加させると同時に、その検出したサブバンドの
平均エネルギーを所定量減少させ、さらに、その平均エ
ネルギーが減少したサブバンドを含む各サブバンドの各
平均エネルギーの中で、最大の平均エネルギーを有する
サブバンドをあらためて検出し、以後同様のプロセスを
繰り返すオーディオ信号量子化方法であって、前記平均
エネルギーの減少量は、前記各サブバンド同士で少なく
とも異なるものを含む、ことを特徴とするオーディオ信
号量子化方法である。請求項2の本発明は、前記検出し
たサブバンドの量子化ステップ数を増加させる際、その
増加される量子化ステップ数は、前記各サブバンド間で
少なくとも異なるものを含み、また一つのサブバンド内
では全てのサンプルは同じ重み付け係数を有することを
特徴とする上記オーディオ信号量子化方法である。
【0018】請求項2の本発明は、それぞれ、スペクト
ル量子化成分から成る複数のフレームによって表され
る、スペクトル及び時間構造を備えたデジタル・オーデ
ィオ信号の量子化を決定する際に、規定の時間間隔内に
おいてフレームの成分のピーク値を求めるステップと、
そのピーク値と人間の聴覚系における聴力しきい値を比
較することによって、フレーム内の成分を取り除くステ
ップと、時間間隔内においてフレームの平均エネルギを
計算するステップと、平均エネルギとの所定の関係によ
ってフレームの量子化ステップを変更するステップから
構成されたオーディオ信号のためのしきい値制御量子化
決定方法である。
【0019】
【作用】本発明は、サブバンドサンプルの平均エネルギ
ーを計算し、その平均エネルギーに基づいて所定の演算
により分割係数を求め、その分割係数に応じて第2の量
子化を行うので、単純なビット割付を行うことができ、
再構成される信号の質も高くすることが出来る。
【0020】
【実施例】以下に、本発明をその実施例を示す図面に基
づいて説明する。
【0021】図1は、本発明にかかる実施例1のしきい
値制御量子化決定方法を実現するためのブロック図であ
る。図6の従来例と同じ番号を付したものは、同様の機
能を有した処理ブロックを示す。109及び110は、
サブバンドサンプルの平均エネルギーを計算するパワー
推定ブロックを表し、111は、その平均エネルギー
(パワー)に基づいてビット割り付けを行うブロックを
表している。
【0022】図2は、以上の構成のブロック図における
アルゴリズムの流れ図である。パワー推定ブロック10
9,110は、ステップS1に対応し、ブロック111
は、ステップS2〜9に対応する。図2における処理ス
テップは、下記のように精巧なものである。
【0023】[1]エネルギσiは、入力サブバンドの
サンプルSkのブロックに関して、各サブバンドi毎に
計算される、すなわち、σi=ΣSk 。この結果、デシ
ベル値が得られる(ステップS1)。
【0024】[2]ゼロ・ビット割り付けを仮定した、
dB表示の量子化ノイズNiは、サブバンド毎に最大値
Smaxから計算される(ステップS2)。
【0025】[3]聴力しきい値QiがノイズNiを超え
るか否かがチェックされる(ステップS3)。この聴力
しきい値は静的であり、その計算のために計算時間を追
加する必要はない。
【0026】[4]処理ステップ[3]で、超えるとい
うことになれば、サブバンドのエネルギσiは、低いダ
ミー値にセットされる(ステップS4)。例えば、10
0dB低い値にセットされるので、反復プロセス時に、
そのサブバンドにビットが割り付けられる公算は最も少
なくなる。
【0027】[5]最大平均エネルギを有するサブバン
ドiを探索する(ステップS5)。
【0028】[6]サブバンドのビット割り付けをLi
だけインクリメントする(ステップS6)。
【0029】[7]サブバンドの異なるクラスタに異な
るγnが用いられる場合、平均エネルギをγnだけ減少さ
せる(ステップS7)。これらの値γnは最良の主観音
質が得られるように最適化される。例えば、サブバンド
0〜4のγには値6が与えられ、サブバンド5〜31の
γには値8が与えられる。
【0030】[8]用いられるビット数を計算する(ス
テップS8)。すなわち、M=kLi、ここでkは、サ
ブバンドにおける時間サンプル数、Liは、サブバンド
iに関するインクリメンタル・ビット数である。
【0031】[9]残りのビット数が、可能性のある次
のビット数より少なくなると、ビット割り付けは終了す
る。さもなければ、上記のステップS5、6、7、8及
び、9が反復される(ステップS9)。
【0032】図3及び図4は、計算時間を考慮に入れた
本発明にかかる実施例2及び実施例3の流れ図である。
このビット割り付け手順の最も可能性の高い用途は、コ
ストに敏感な製品にあるので、プロセッサの計算速度に
限界があれば反復手順の代替案が与えられる。
【0033】図3には、正確な推定による利用可能な計
算時間が反復割り付け可能なビット数に変換される場合
の、ビット割り付け手順が示されている。残りのビット
は、サブバンドの「シード」・ビット割り付けとして用
いられる。これらの「シード」値は、サブバンドのエネ
ルギに正比例して、あるいは、異なる帯域に対する耳の
感度を反映するため、重み付きの比率で割り付けること
が可能である。計算時間を推定できない場合、計算時間
が終了したか否かを表示するため、反復ループにおいて
カウントが必要になる。終了した場合、残りのビットは
上述の「シード」・ビットの割り付けの場合のように割
り付けられる。
【0034】図3において、各ステップS1、S2、S
3及び、S4は、図2における各ステップS1、S2、
S3及び、S4と同じ処理である。ステップS10は、
シードの比率の決定を表し、ステップS11は、エネル
ギの重み付き比率による割り付けを示しており、ステッ
プS12は、図2における各ステップS5、S6、S
7、S8、及びS9の反復処理に相当する。下記は、情
報の流れに関するシード比率の決定において行われるス
テップS10の処理の詳細である。
【0035】1.1反復ループにプロセッサが用いられ
る時間tを計算する。
【0036】2.プロセッサに制約があるものとして、
許容可能な時間制限Tを求める。
【0037】3.時間的制約Tがあるものとして、許容
可能なループ数Nを計算する。
【0038】4.各ループ毎に1ビットが割り付けられ
るものとすると、Nは利用可能なビット数である。Nは
情報の流れに関するシード比率である。
【0039】次のステップS11において、各サブバン
ドの初期割り付けLiは、 Li=wiσi/Σwiσi *N によって求められる。ここで、wiはサブバンドiに与
えられる重みである。
【0040】図4において、ステップS13は、図2に
おけるステップS1〜S4までの処理を表し、ステップ
S14は、図2におけるステップS5〜S8までの処理
を表している。ステップS15では、利用可能なビット
数を使いきったか否かをチェックする。ステップS16
では、反復ループ数をカウントすることによって、計算
時間が終了したか否かをチェックする。計算時間が終了
していない場合は、ステップS14の処理に戻って反復
される。計算時間が終了した場合、残りのビットは、残
りのエネルギの比率に基づいて割り付けられる(ステッ
プS17)。ここでの処理は、用いられる平均エネルギ
値σiが、反復プロセスによって非線形に修正されてい
る点を除けば、図3におけるステップS11と同様であ
る。
【0041】再構成された出力の結果は、知覚によるコ
ーダとほぼ同程度に良好な主観音質を示した。ノイズ測
定の確率を利用して、γ値はあるシーケンスについては
ゼロの確率を示す。また、128キロビット/秒でテス
トされるシーケンスについては平均3.5%の確率を示
す出力を送り出すことが可能である。表1には、前述の
オーディオ信号の同じフレームに関する本発明のビット
割り付けが示されている。単一のγ値だけを用いて、全
てのエネルギがサブバンドに分割される。サブバンド1
及び2において改良が観測され、ノイズの発生する確率
は、今や、1/32まで低下した。図5には、オーディ
オ信号の別のフレームに関するビット割り付けの比較が
示されている。「しきい値」と表示された本発明の結果
は、単純なビット割り付けよりも知覚に基づく割り付け
に、より適合することを示している。単純なビット割り
付けは、サブバンド0、1及び、2にノイズの生じる可
能性のあることを表しており、しきい値制御ビット割り
付けの結果は、マスキング理論が要求する最小割り付け
を満たすものであることを表している。本発明は、12
8キロビット/秒以上のビット伝送速度が最も効果的で
あることが分かった。
【0042】以上のように本発明によれば、単純なビッ
ト割り付けの単純さは保持され、同時に、不適切なもの
をさらに除去するため、人間の聴覚系を考慮してその不
足する点に修正が加えられる。すなわち、第1に、サブ
バンドのサンプルのピーク値が規定の各時間間隔毎に求
められる。第2に、聴力しきい値を適用して、それとピ
ーク値とを比較することによって、音響心理学的に不適
切なサブバンドが除去される。この結果、しばしばオー
ディオ信号の帯域幅が狭くなる。聴力しきい値は人間の
耳に聞こえる純粋なトーンの最低音圧レベルであり、そ
れは周波数の関数である。第3に、各サブバンドの平均
エネルギが計算され、割り付けの基本として用いられ
る。最後に、ビットは各サブバンドに対して繰り返し割
り付けられる。サブバンドにビットのインクリメント数
が割り付けられる場合、サブバンドの各グループ毎に、
非線形値が平均エネルギの分割係数として割り付けられ
る。これは、周波数及び音圧レベルが異なれば、耳の感
度が異なることを考慮して行われる。
【0043】また、帯域内の平均エネルギ及びピーク
値、静寂時におけるしきい値に関する最悪の場合の値及
び、非線形減少係数を用いて、各サブバンドに割り付け
るべきビット数を計算する。このビット割り付け技法
は、エンコーディング・アルゴリズムの構造に影響を与
えないので、デコーディング・アルゴリズムも、同じで
あり続けることができる。再構成される出力の質を高め
るため、非線形減少係数は、サブバンドの異なるクラス
タ毎に重み付けすることができる。さらに、計算時間に
制約があれば、反復前に、まず、各サブバンド毎に初期
値すなわち「シード」値を計算することも可能である。
【0044】以上のことから本発明の強みは、その単純
さと、知覚に基づくビット割り付けを利用したコーダに
匹敵する質が得られる手段にある。ISO/MPEGオ
ーディオ・サブグループの評定によれば、図6の構成を
備えたエンコーダは、アルゴリズムの複雑さのため、単
一DSPで実施することができない。このため、コスト
が重要な問題になり、あまり低いビット伝送速度が必要
とされない消費者製品におけるエンコーダの利用を抑止
することになっている。本発明は、その単純さと、良好
な音質を獲得する上での有効性によって、低コストの代
替案として極めて重要である。
【0045】なお、上記実施例では、各処理を行うブロ
ックを専用のハードウェアにより構成したが、これに代
えて、同様の機能をコンピュータを用いてソフトウェア
的に構成しても勿論よい。
【0046】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、サブバンドサンプルの平均エネルギーを計算
し、その平均エネルギーに基づいて所定の演算により分
割係数を求め、その分割係数に応じて第2の量子化を行
うので、再構成される信号の質を良好に保持したまま、
低コストでビット割付が出来るという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる実施例1のしきい値制御量子化
決定方法を実現するためのブロック図である。
【図2】同実施例1の処理の流れを示す流れ図である。
【図3】本発明にかかる実施例2のしきい値制御量子化
決定方法の処理の流れを示す流れ図である。
【図4】本発明にかかる実施例3のしきい値制御量子化
決定方法の処理の流れを示す流れ図である。
【図5】ビット割付の比較結果を示す図である。
【図6】従来の量子化決定方法を実現するためのブロッ
ク図である。
【図7】図6の従来の量子化決定方法の処理の流れを示
す流れ図である。
【図8】別の従来の量子化決定方法を実現するためのブ
ロック図である。
【符号の説明】
101 フィルタバンク 102 最大値決定手段 103 第1量子化器 108 第2量子化器 110 パワー推定手段 111 ビット割付手段

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルタバンクにより入力オーディオ信
    号から各サブバンドサンプルを生成し、各サブバンドに
    ついて、 それらのサブバンドサンプルの中の最大値を求め、その
    最大値を量子化し、その量子化された最大値を用いて、
    各サブバンドサンプルを正規化し、 その正規化された各サブバンドサンプルを所定の量子化
    ステップ数により、量子化するオーディオ信号量子化方
    法において、 前記サブバンドサンプルの平均エネルギーを計算し、 その計算された各平均エネルギーの中の最大の平均エネ
    ルギーを有するサブバンドを検出し、 検出したサブバンドの量子化ステップ数を増加させると
    同時に、その検出したサブバンドの平均エネルギーを所
    定量減少させ、 さらに、その平均エネルギーが減少したサブバンドを含
    む各サブバンドの各平均エネルギーの中で、最大の平均
    エネルギーを有するサブバンドをあらためて検出し、 以後同様のプロセスを繰り返すオーディオ信号量子化方
    法であって、前記平均エネルギーの減少量は、前記各サ
    ブバンド同士で少なくとも異なるものを含む、 ことを特徴とするオーディオ信号量子化方法。
  2. 【請求項2】 前記検出したサブバンドの量子化ステッ
    プ数を増加させる際、その増加される量子化ステップ数
    は、前記各サブバンド間で少なくとも異なるものを含
    、また一つのサブバンド内では全てのサンプルは同じ
    重み付け係数を有することを特徴とする請求項1記載の
    オーディオ信号量子化方法。
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