JPH10339579A - 直流アーク炉用の炉底電極 - Google Patents
直流アーク炉用の炉底電極Info
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- JPH10339579A JPH10339579A JP15929597A JP15929597A JPH10339579A JP H10339579 A JPH10339579 A JP H10339579A JP 15929597 A JP15929597 A JP 15929597A JP 15929597 A JP15929597 A JP 15929597A JP H10339579 A JPH10339579 A JP H10339579A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 寿命の長い直流アーク炉用の炉底電極を目的
とする。 【解決の手段】 下記の部材を備えた直流アーク炉用の
炉底電極である。(a)アーク形成電流を導通する複数
のコンタクトピンを貫通させている耐火物からなる電極
ブロックと、(b)この上側に配設され、前記コンタク
トピンの上端部に電気的に接続される金属板状体であっ
て、前記直流アーク炉用の炉底に配設される際に該金属
板状体の上面が該炉床面より少なくとも150mm低い
位置となる金属板状体と、(c)前記電極ブロックを支
持して炉体鉄皮に固定する支持基板と、該支持基板の下
側に配設され、前記コンタクトピンに電源からの電流を
分配供給する電流基盤と、(d)この電流基盤に電流を
供給する接続部。前記金属板状体が前記直流アーク炉で
溶解する金属と略同一金属材料で構成されていることが
望ましい。
とする。 【解決の手段】 下記の部材を備えた直流アーク炉用の
炉底電極である。(a)アーク形成電流を導通する複数
のコンタクトピンを貫通させている耐火物からなる電極
ブロックと、(b)この上側に配設され、前記コンタク
トピンの上端部に電気的に接続される金属板状体であっ
て、前記直流アーク炉用の炉底に配設される際に該金属
板状体の上面が該炉床面より少なくとも150mm低い
位置となる金属板状体と、(c)前記電極ブロックを支
持して炉体鉄皮に固定する支持基板と、該支持基板の下
側に配設され、前記コンタクトピンに電源からの電流を
分配供給する電流基盤と、(d)この電流基盤に電流を
供給する接続部。前記金属板状体が前記直流アーク炉で
溶解する金属と略同一金属材料で構成されていることが
望ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鉄鋼等の金属ス
クラップ等をアーク溶解する直流アーク炉用の炉底電極
に関する。
クラップ等をアーク溶解する直流アーク炉用の炉底電極
に関する。
【0002】
【従来の技術】直流アーク炉は、三相(交流)アーク炉
と異なり、電極が1本のため電極原単位が小さくなるこ
と、溶解期の騒音が小さいこと、1本の陰極から炉底電
極に向かってアークが垂直下方に飛ぶため均一な温度分
布が得られ、ホットスポットが生じないこと、誘導ロス
が無くエネルギ効率が良好なこと、などの種々の利点を
有する。このため、最近では三相アーク炉に代わる溶解
炉として直流アーク炉が主流となっている。
と異なり、電極が1本のため電極原単位が小さくなるこ
と、溶解期の騒音が小さいこと、1本の陰極から炉底電
極に向かってアークが垂直下方に飛ぶため均一な温度分
布が得られ、ホットスポットが生じないこと、誘導ロス
が無くエネルギ効率が良好なこと、などの種々の利点を
有する。このため、最近では三相アーク炉に代わる溶解
炉として直流アーク炉が主流となっている。
【0003】図2に示すように、従来の直流アーク炉1
は、炉底部に陽極としての炉底電極10と、炉上部に配
設される陰極として黒鉛電極9を備えている。操業に際
しては、炉内にスクラップおよび副原料を装入し、炉底
部のコンタクトピン7と上部電極9との間に直流アーク
を生じさせ、このアーク熱エネルギでスクラップを溶解
するようになっている。60ton電気炉では、例えば
電圧は500から600volt,電流は100kA程
度である。
は、炉底部に陽極としての炉底電極10と、炉上部に配
設される陰極として黒鉛電極9を備えている。操業に際
しては、炉内にスクラップおよび副原料を装入し、炉底
部のコンタクトピン7と上部電極9との間に直流アーク
を生じさせ、このアーク熱エネルギでスクラップを溶解
するようになっている。60ton電気炉では、例えば
電圧は500から600volt,電流は100kA程
度である。
【0004】耐火物からなる電極ブロック8は全体を収
容する鉄皮ケース内に収納され、多数のコンタクトピン
7は、電極ブロック8を貫通し、その上端部のみが炉内
に露出している。電極ブロック8は支持基板6により支
持され、支持基板6は炉体の鉄皮1bに絶縁材を介して
支持されている。コンタクトピン7は電流基盤5に接続
され、電流基盤5の下面側に接続部4および端子3が取
り付けられている。端子3には導体2が接続され、導体
2を介して電源から電流基盤5に給電され、さらにコン
タクトピン7のそれぞれに電流が分配されるようになっ
ている。
容する鉄皮ケース内に収納され、多数のコンタクトピン
7は、電極ブロック8を貫通し、その上端部のみが炉内
に露出している。電極ブロック8は支持基板6により支
持され、支持基板6は炉体の鉄皮1bに絶縁材を介して
支持されている。コンタクトピン7は電流基盤5に接続
され、電流基盤5の下面側に接続部4および端子3が取
り付けられている。端子3には導体2が接続され、導体
2を介して電源から電流基盤5に給電され、さらにコン
タクトピン7のそれぞれに電流が分配されるようになっ
ている。
【0005】接続部4は、中空体であり、その内部通路
4aの上端は開口している。この内部通路4aは空冷す
るため図示しない空気供給源に連通している。また、通
路4aの上部開口は上方の支持基盤6の下面に対面し、
空気が吹き付けられて電流基盤5、支持基板6が強制空
冷されるようになっている。
4aの上端は開口している。この内部通路4aは空冷す
るため図示しない空気供給源に連通している。また、通
路4aの上部開口は上方の支持基盤6の下面に対面し、
空気が吹き付けられて電流基盤5、支持基板6が強制空
冷されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図1に示すように、電
極ブロック8の上面は炉床耐火物の炉床面と連続してい
るため、溶融金属、例えば溶鋼と接触して部分的に溶融
する。また、電極ブロック8の上面は流動する溶鋼や、
出鋼時においてスラグに晒されるため、耐火物からなる
電極ブロックは溶損する。この溶損量、又は深さが所定
値を超えると電極ブロックを交換しなければならない。
極ブロック8の上面は炉床耐火物の炉床面と連続してい
るため、溶融金属、例えば溶鋼と接触して部分的に溶融
する。また、電極ブロック8の上面は流動する溶鋼や、
出鋼時においてスラグに晒されるため、耐火物からなる
電極ブロックは溶損する。この溶損量、又は深さが所定
値を超えると電極ブロックを交換しなければならない。
【0007】従来の炉底電極は次の様な問題があった。 (1)炉底電極の電極ブロックに使用する耐火物として
主にカーボン系の煉瓦が使用されているが、電極ブロッ
ク上面は炉床耐火物上面の一部であるために、出鋼時の
大気接触などの酸化雰囲気では電極ブロック表面の耐火
物が酸化され、損耗を早める原因となっていた。
主にカーボン系の煉瓦が使用されているが、電極ブロッ
ク上面は炉床耐火物上面の一部であるために、出鋼時の
大気接触などの酸化雰囲気では電極ブロック表面の耐火
物が酸化され、損耗を早める原因となっていた。
【0008】(2)更に電極ブロック上面は溶鋼の流動
の影響を受け、溶損による損耗が大きかった。 (3)溶鋼に接触する炉底電極ブロック上部のピンは、
抜熱能力の不足とピン自体に発生するジュール熱により
上端の一部が溶融し、その抜け穴に溶鋼が侵入し、ブロ
ック耐火物の割れの原因になっていた。 (4)溶鋼の電気抵抗の変動で電流の偏流が発生するこ
とがあり、その場合偏流範囲に存在する電極ピンに電流
が集中して発生するジュール熱によりピンや電極ブロッ
クの損耗を早め、電極寿命を短くする原因となってい
た。
の影響を受け、溶損による損耗が大きかった。 (3)溶鋼に接触する炉底電極ブロック上部のピンは、
抜熱能力の不足とピン自体に発生するジュール熱により
上端の一部が溶融し、その抜け穴に溶鋼が侵入し、ブロ
ック耐火物の割れの原因になっていた。 (4)溶鋼の電気抵抗の変動で電流の偏流が発生するこ
とがあり、その場合偏流範囲に存在する電極ピンに電流
が集中して発生するジュール熱によりピンや電極ブロッ
クの損耗を早め、電極寿命を短くする原因となってい
た。
【0009】以上により、電極ブロックの表面を酸化環
境や摩耗環境から保護し、また炉底電極の抜熱能力を増
してピンの溶融深さを減らし、更に電流集中が起きない
様な電極構造にすることが要求されていた。本発明はこ
れらを解決する為になされたもので、多ピン式炉底電極
を更に長期間の連続使用に耐え得る電極構造にすること
を目的とする。
境や摩耗環境から保護し、また炉底電極の抜熱能力を増
してピンの溶融深さを減らし、更に電流集中が起きない
様な電極構造にすることが要求されていた。本発明はこ
れらを解決する為になされたもので、多ピン式炉底電極
を更に長期間の連続使用に耐え得る電極構造にすること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、下記の発明をするに至った。第1の発明は、下記の
部材を備えたことを特徴とする直流アーク炉用の炉底電
極である。 (a)アーク形成電流を導通する複数のコンタクトピン
を貫通させている耐火物からなる電極ブロックと、
(b)前記電極ブロックの上側に配設され、前記コンタ
クトピンの上端部に電気的に接続される金属板状体であ
って、前記直流アーク炉用の炉底に配設される際に該金
属板状体の上面が該炉床面より少なくとも150mm低
い位置となる金属板状体と、(c)前記電極ブロックを
支持して炉体鉄皮に固定する支持基板と、該支持基板の
下側に配設され、前記コンタクトピンに電源からの電流
を分配供給する電流基盤と、(d)前記電流基盤に電流
を供給する接続部。
に、下記の発明をするに至った。第1の発明は、下記の
部材を備えたことを特徴とする直流アーク炉用の炉底電
極である。 (a)アーク形成電流を導通する複数のコンタクトピン
を貫通させている耐火物からなる電極ブロックと、
(b)前記電極ブロックの上側に配設され、前記コンタ
クトピンの上端部に電気的に接続される金属板状体であ
って、前記直流アーク炉用の炉底に配設される際に該金
属板状体の上面が該炉床面より少なくとも150mm低
い位置となる金属板状体と、(c)前記電極ブロックを
支持して炉体鉄皮に固定する支持基板と、該支持基板の
下側に配設され、前記コンタクトピンに電源からの電流
を分配供給する電流基盤と、(d)前記電流基盤に電流
を供給する接続部。
【0011】第2の発明は、前記金属板状体が前記直流
アーク炉で溶解する金属と略同一金属材料で構成されて
いることを特徴とする直流アーク炉用の炉底電極であ
る。
アーク炉で溶解する金属と略同一金属材料で構成されて
いることを特徴とする直流アーク炉用の炉底電極であ
る。
【0012】第3の発明は、前記複数のコンタクトピン
の本数とその断面積が、該コンタクトピンを通過する電
流を0.5A/mm2 以下とするように選択されている
ことを特徴とする直流アーク炉用の炉底電極である。
の本数とその断面積が、該コンタクトピンを通過する電
流を0.5A/mm2 以下とするように選択されている
ことを特徴とする直流アーク炉用の炉底電極である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る直流アーク炉用の炉
底電極10を図1に示すが、以下のような構造である。 (a)アーク形成電流を導通する複数のコンタクトピン
7を貫通させている耐火物からなる電極ブロック8と、
(b)前記電極ブロック8の上側に配設され、前記コン
タクトピンの上端部に電気的に接続される金属板状体1
3であって、前記直流アーク炉用の炉底に配設される際
に該金属板状体の上面が該炉床面より少なくとも150
mm低い位置となる金属板状体13と、(c)前記電極
ブロックを支持して炉体鉄皮に固定する支持基板と、該
支持基板の下側に配設され、前記コンタクトピンに電源
からの電流を分配供給する電流基盤と、(d)前記電流
基盤に電流を供給する接続部とから構成されている。
底電極10を図1に示すが、以下のような構造である。 (a)アーク形成電流を導通する複数のコンタクトピン
7を貫通させている耐火物からなる電極ブロック8と、
(b)前記電極ブロック8の上側に配設され、前記コン
タクトピンの上端部に電気的に接続される金属板状体1
3であって、前記直流アーク炉用の炉底に配設される際
に該金属板状体の上面が該炉床面より少なくとも150
mm低い位置となる金属板状体13と、(c)前記電極
ブロックを支持して炉体鉄皮に固定する支持基板と、該
支持基板の下側に配設され、前記コンタクトピンに電源
からの電流を分配供給する電流基盤と、(d)前記電流
基盤に電流を供給する接続部とから構成されている。
【0014】図1に示すように、直流アーク炉1は、炉
底部に陽極として炉底電極10と、炉上部に配設される
陰極として黒鉛電極9を備えている。操業に際しては、
炉内にスクラップおよび副原料を装入し、炉底部のコン
タクトピン7と上部電極9との間に直流アークを生じさ
せ、このアーク熱エネルギでスクラップを溶解する。
底部に陽極として炉底電極10と、炉上部に配設される
陰極として黒鉛電極9を備えている。操業に際しては、
炉内にスクラップおよび副原料を装入し、炉底部のコン
タクトピン7と上部電極9との間に直流アークを生じさ
せ、このアーク熱エネルギでスクラップを溶解する。
【0015】多数のコンタクトピン7が貫通する耐火物
からなる電極ブロック8は鉄皮ケース内に収納され、そ
れぞれの上端部のみが炉内に露出している。電極ブロッ
ク8は支持基板6により支持され、支持基板6は炉体の
鉄皮1bに絶縁材を介して支持されている。コンタクト
ピン7は電流基盤5に接続され、電流基盤5の下面側に
接続部4および端子3が取り付けられている。
からなる電極ブロック8は鉄皮ケース内に収納され、そ
れぞれの上端部のみが炉内に露出している。電極ブロッ
ク8は支持基板6により支持され、支持基板6は炉体の
鉄皮1bに絶縁材を介して支持されている。コンタクト
ピン7は電流基盤5に接続され、電流基盤5の下面側に
接続部4および端子3が取り付けられている。
【0016】端子3には導体2が接続され、導体2を介
して電源から電流基盤5に給電され、さらにコンタクト
ピン7のそれぞれに電流が分配されるようになってい
る。これらの構造は従来と変わりはない。
して電源から電流基盤5に給電され、さらにコンタクト
ピン7のそれぞれに電流が分配されるようになってい
る。これらの構造は従来と変わりはない。
【0017】本発明においては、電極ブロックの上側の
コンタクトピンの上端部に溶接等により電気的に接続さ
れる金属板状体を配設する。このような構造において
は、多ピン式炉底電極の電極耐火物の上面を常に大気か
ら遮断することができる。また、流動する溶鋼と電極ブ
ロック上面が直接に接することがないので、炉底電極耐
火物の溶損をなくすことができる。
コンタクトピンの上端部に溶接等により電気的に接続さ
れる金属板状体を配設する。このような構造において
は、多ピン式炉底電極の電極耐火物の上面を常に大気か
ら遮断することができる。また、流動する溶鋼と電極ブ
ロック上面が直接に接することがないので、炉底電極耐
火物の溶損をなくすことができる。
【0018】更に、炉底電極本来の機能を損なうことが
ないように、電気導電性がある金属板状体を使用する。
このような炉底電極は、金属板状体が電流ヘッダの役割
をなすために電流集中が起きる危険も同時に消える。
ないように、電気導電性がある金属板状体を使用する。
このような炉底電極は、金属板状体が電流ヘッダの役割
をなすために電流集中が起きる危険も同時に消える。
【0019】また、金属板状体が被溶融物に直接、接す
ることになるが、この場合金属板状体が溶融または損耗
しても被溶融物を汚染しないことが要求される。そこ
で、この金属板状体は、被溶融金属とほぼ同一の金属で
あることが望ましく、例えば、鉄鋼を溶解する電気炉の
場合には鉄板が望ましい。しかし、銅合金を溶解する場
合には銅合金が望ましい。
ることになるが、この場合金属板状体が溶融または損耗
しても被溶融物を汚染しないことが要求される。そこ
で、この金属板状体は、被溶融金属とほぼ同一の金属で
あることが望ましく、例えば、鉄鋼を溶解する電気炉の
場合には鉄板が望ましい。しかし、銅合金を溶解する場
合には銅合金が望ましい。
【0020】更に、ピンを通過する電流によるジュール
熱を減らして抜熱効率を増加させるためには、ピンの長
さを従来よりも短くし、金属板状体が溶融して消失する
ことがない様に、ピンの電流密度を極力抑え、かつ冷却
面からピン上端までの高さを例えば600mm以下に押
さえてジュール熱を減少させて発熱を抑制する。
熱を減らして抜熱効率を増加させるためには、ピンの長
さを従来よりも短くし、金属板状体が溶融して消失する
ことがない様に、ピンの電流密度を極力抑え、かつ冷却
面からピン上端までの高さを例えば600mm以下に押
さえてジュール熱を減少させて発熱を抑制する。
【0021】従来の支持基板から上面までの電極の長さ
は、例えば60ton電気炉の場合約1000mmであ
るが、本発明においては電極の全長を例えば550mm
〜650mmとし、炉底電極上面にある金属板状体が炉
底耐火物から一段下がった状態、例えば、最小150m
m、最大300mm下がった凹部の炉床にする。このよ
うな炉床で溶解を開始すると、凹部の溶鋼の流動を抑制
させ、湯溜り部の温度を下げることができ、また、炉内
の溶鋼は金属板状体により冷却されて電極上面に残存
し、炉床レベル近傍までの被覆層12を形成させること
ができる。
は、例えば60ton電気炉の場合約1000mmであ
るが、本発明においては電極の全長を例えば550mm
〜650mmとし、炉底電極上面にある金属板状体が炉
底耐火物から一段下がった状態、例えば、最小150m
m、最大300mm下がった凹部の炉床にする。このよ
うな炉床で溶解を開始すると、凹部の溶鋼の流動を抑制
させ、湯溜り部の温度を下げることができ、また、炉内
の溶鋼は金属板状体により冷却されて電極上面に残存
し、炉床レベル近傍までの被覆層12を形成させること
ができる。
【0022】また、ピン一本当りの電流密度が小さくな
る様にピンの断面積と本数を設定し、ピンの長さを従来
より短くした多ピン式炉底電極の電極ブロック上面に被
溶融物と同じ材質から成る金属板状体を溶接する。電極
ピンは通常鋼製の棒状体で構成する。その直径は40m
mφから60mmφが適当である。この場合、通電時の
発熱を抑えるため、断面積当たりの電流は0.5A/m
m2 以下が望ましい。
る様にピンの断面積と本数を設定し、ピンの長さを従来
より短くした多ピン式炉底電極の電極ブロック上面に被
溶融物と同じ材質から成る金属板状体を溶接する。電極
ピンは通常鋼製の棒状体で構成する。その直径は40m
mφから60mmφが適当である。この場合、通電時の
発熱を抑えるため、断面積当たりの電流は0.5A/m
m2 以下が望ましい。
【0023】
【実施例】支持基板から炉底耐火物レベルが約1000
mmの60ton電気炉において、支持基板から電極ブ
ロック上面までの長さを約570mmとし、厚さ100
mmの鉄板を上面に溶接した多ピン式炉底電極を作成し
た。これを上記電気炉に、炉床耐火物レベルより金属板
状体表面が約300mm低くなるように配設した。
mmの60ton電気炉において、支持基板から電極ブ
ロック上面までの長さを約570mmとし、厚さ100
mmの鉄板を上面に溶接した多ピン式炉底電極を作成し
た。これを上記電気炉に、炉床耐火物レベルより金属板
状体表面が約300mm低くなるように配設した。
【0024】また、電極ピンの直径は45mmφで、直
径約3000mmの電極ブロックに200本配設した。
その結果、電流密度は、0.3A/mm2 以下となっ
た。また、電極周囲の炉床耐火物については、状況を見
ながら数回補修を行った。
径約3000mmの電極ブロックに200本配設した。
その結果、電流密度は、0.3A/mm2 以下となっ
た。また、電極周囲の炉床耐火物については、状況を見
ながら数回補修を行った。
【0025】この電極ブロックを使用した結果、溶鋼を
全量出鋼しても耐火物の上面が現れることはなく、金属
板状体の一部が半溶融状態で電極上面に付着した状態を
確認した。その結果、電極周囲の耐火物の補修は数回行
ったものの、炉底電極自体は2500ch(チャージ)
から3000chの連続使用が出来た。なお、従来の電
極寿命は約1000chであるり、本発明では上記の通
り電極寿命は2.5〜3倍に延長した。従って、炉底電
極補修原単位も低減し、また、電極交換の回数の低減に
より生産性も向上した。
全量出鋼しても耐火物の上面が現れることはなく、金属
板状体の一部が半溶融状態で電極上面に付着した状態を
確認した。その結果、電極周囲の耐火物の補修は数回行
ったものの、炉底電極自体は2500ch(チャージ)
から3000chの連続使用が出来た。なお、従来の電
極寿命は約1000chであるり、本発明では上記の通
り電極寿命は2.5〜3倍に延長した。従って、炉底電
極補修原単位も低減し、また、電極交換の回数の低減に
より生産性も向上した。
【0026】
【発明の効果】以上述べた通り、この発明によれば、炉
底電極の損耗面である電極上面に対する溶鋼等からの影
響を減少させ、更に電極ピンの発熱量を減少させること
ができ、電極の寿命を高めることができる。その結果、
以下のような効果が得られる。 炉底電極補修原単位の低減 安定操業の実現 メンテナンス費用の低減 炉修回数の低減による生産性の向上 などの多大な効果が期待できる。
底電極の損耗面である電極上面に対する溶鋼等からの影
響を減少させ、更に電極ピンの発熱量を減少させること
ができ、電極の寿命を高めることができる。その結果、
以下のような効果が得られる。 炉底電極補修原単位の低減 安定操業の実現 メンテナンス費用の低減 炉修回数の低減による生産性の向上 などの多大な効果が期待できる。
【図1】本発明の炉底電極の構造を示す図である。
【図2】従来の炉底電極の構造を示す図である。
1 直流電気炉 1a 炉床耐火物 2 導体 3 端子 4 接続部 5 電極基板 6 支持基板 7 ピン 8 電極ブロック 9 陰極 10 炉底電極 12 凹部 13 金属板状体
Claims (3)
- 【請求項1】 下記の部材を備えたことを特徴とする直
流アーク炉用の炉底電極。 (a)アーク形成電流を導通する複数のコンタクトピン
を貫通させている耐火物からなる電極ブロックと、
(b)前記電極ブロックの上側に配設され、前記コンタ
クトピンの上端部に電気的に接続される金属板状体であ
って、前記直流アーク炉用の炉底に配設される際に該金
属板状体の上面が該炉床面より少なくとも150mm低
い位置となる金属板状体と、(c)前記電極ブロックを
支持して炉体鉄皮に固定する支持基板と、該支持基板の
下側に配設され、前記コンタクトピンに電源からの電流
を分配供給する電流基盤と、(d)前記電流基盤に電流
を供給する接続部。 - 【請求項2】 前記金属板状体が前記直流アーク炉で溶
解する金属と略同一金属材料で構成されていることを特
徴とする請求項1記載の直流アーク炉用の炉底電極。 - 【請求項3】 前記複数のコンタクトピンの本数とその
断面積が、該コンタクトピンを通過する電流を0.5A
/mm2 以下とするように選択されていることを特徴と
する請求項1又は2記載の直流アーク炉用の炉底電極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15929597A JPH10339579A (ja) | 1997-06-03 | 1997-06-03 | 直流アーク炉用の炉底電極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15929597A JPH10339579A (ja) | 1997-06-03 | 1997-06-03 | 直流アーク炉用の炉底電極 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10339579A true JPH10339579A (ja) | 1998-12-22 |
Family
ID=15690680
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15929597A Pending JPH10339579A (ja) | 1997-06-03 | 1997-06-03 | 直流アーク炉用の炉底電極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10339579A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110608617A (zh) * | 2019-10-22 | 2019-12-24 | 中冶赛迪工程技术股份有限公司 | 一种直流电弧炉的底电极 |
-
1997
- 1997-06-03 JP JP15929597A patent/JPH10339579A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110608617A (zh) * | 2019-10-22 | 2019-12-24 | 中冶赛迪工程技术股份有限公司 | 一种直流电弧炉的底电极 |
CN110608617B (zh) * | 2019-10-22 | 2024-05-14 | 中冶赛迪工程技术股份有限公司 | 一种直流电弧炉的底电极 |
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