JPH10338599A - 層状結晶構造酸化物およびその製造方法 - Google Patents
層状結晶構造酸化物およびその製造方法Info
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- JPH10338599A JPH10338599A JP9240365A JP24036597A JPH10338599A JP H10338599 A JPH10338599 A JP H10338599A JP 9240365 A JP9240365 A JP 9240365A JP 24036597 A JP24036597 A JP 24036597A JP H10338599 A JPH10338599 A JP H10338599A
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Abstract
造酸化物およびそれを容易に製造することができる層状
結晶構造酸化物の製造方法を提供する。 【解決手段】 フラックスとしてBi2 O3 を加えた原
料を適宜な昇温速度により1330℃以上1450℃以
下に加熱し(加熱工程)、この加熱温度で所定時間維持
(定温工程)したのち、1℃/hour以上20℃/h
our以下の速度で800℃以上1300℃以下の温度
まで徐冷する(徐冷工程)。これにより、フラックスを
蒸発させることができ、Bi2 SrTa2 O9 を直接取
り出すことができる。このBi2 SrTa2 O9 はBi
とSrとが部分置換しており、またはOが選択的に欠損
あるいはディスオーダーしている。または、フルオライ
ト層のBiとOとが互いに分極軸方向に相対変位してい
る。
Description
リウス結晶群や超伝導材料などの層状結晶構造酸化物お
よびそれを製造するための層状結晶構造酸化物の製造方
法に関する。
Kの臨界温度を有するビスマス超伝導酸化物、または、
最近、強誘電体不揮発性メモリ(FeRAM)用材料と
して脚光を浴びているビスマス層状強誘電材料(C. A-P
az de Araujo, J. D. Cuchiaro, L. D. McMillan, M.
C. Scott and J. F. Scott, Nature, 374 (1995) 62
7.;K. Amanuma, T. Hase and Y. Miyasaka, Appl. Phy
s. Lett., 66 (1995) 221.;S. B. Desu and D. P. Vij
ay, Master. Sci. and Eng., B32 (1995) 75. など)な
ど、産業上にも極めて重要な化合物群を形成している。
特に、ビスマス・ストロンチウム・タンタレート:Bi
2 SrTa2 O9 (以下、BiSTaという)は、分極
反転に伴う疲労耐性に優れると共に、低電圧駆動が可能
であることが示され、FeRAM用キャパシタ材料の最
有力候補と考えられている(C. A. Pazde Araujo, J.
D. Cuchiaro, M. C. Scitt and L. D. McMillan, Inter
nationalPatent Publication No.WO 93/12542 (24 June
1993) )。
CVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition )
法により薄膜の作製に成功したとの報告もなされている
(T.Ami, K. Hironaka, C. Isobe, N. Nagel, M. Sugiy
ama, Y. Ikeda, K. Watanabe, A. Machida, K. Miura a
nd M. Tanaka, Mater. Res. Soc. Symp. Proc., 415(19
96) 195.;T. Li, Y. Zhu, S. B. Desu, C-H. Peng, M.
Nagata, Appl. Phys. Lett., 68 (1996) 616.)。
の関係についてはこれまでに多くの議論がなされてお
り、ビスマスがやや過剰でストロンチウムがやや欠損し
た組成、典型的にはBi2.2 Sr0.8 Ta2 O9 近傍に
おいて最も優れた強誘電性が得られるといわれている
(T. Noguchi, T. Hase and Y. Miyasaka, Jpn. J. App
l.Phys. 34, 4900 (1996)など)。このようなことか
ら、この最適組成においてはビスマスとストロンチウム
との部分置換が生じているのではないかという推測がさ
れている。
は出発原料の組成に基づいて行われており、また、そう
でない場合でも粒界その他に副生成相の存在し得る多結
晶薄膜に基づいて行われているので、データ精度の上で
問題がある。例えば、X線分析においては単相であると
されても、高分解能透過型電子顕微鏡(TEM;Transm
ission Electron Microscope)による観察では非結晶相
の存在が確認されたとの報告もある(C. D. Gutleben,
Y. Ikeda, C. Isobe, A. Machida, T. Ami, K.Hironaka
and E. Morita, Mater. Res. Soc. Symp. Proc., 415
(1996) 201.)。従って、元素の部分置換が生じている
か否かも全く不明である。
ると、このBiSTaはいわゆるオーリビリウス結晶群
とよばれるものであり、Bi2 SrTa2 O9 の基本的
な結晶構造(母体構造;空間群I4/mmm又はF4/
mmm)は図1に示したようになる。ちなみに、オーリ
ビリウス結晶群というのは、組成式が〔Bi2 O2 〕2+
〔Mem-1 Rm O3 m+1 〕2-で表されるものである(m
は2以上の整数、Meはナトリウム(Na),カリウム
(K),カルシウム(Ca),バリウム(Ba),スト
ロンチウム(Sr),鉛(Pb),ビスマス(Bi)か
らなる群のうちの少なくとも1種、Rは鉄(Fe),チ
タン(Ti),バナジウム(V),ニオブ(Nb),タ
ンタル(Ta),タングステン(W)からなる群のうち
の少なくとも1種)。
ロンチウムをAサイト,タンタルをBサイトとするペロ
ブスカイト構造(ABO3 )の2単位格子よりなる層
(ペロブスカイト層)を、ビスマスと酸素とで構成する
フルオライト構造の層(フルオライト層)とで挟んだ構
造を有していると考えることができる。このうちペロブ
スカイト層が強誘電性を担い、フルオライト層が結晶構
造を保つ機能を有していると一般的には考えられてい
る。なお、ペロブスカイト層の境界におけるAサイトの
ビスマスはフルオライト層と共有となっている。
ス研究により、この物質は不定比性が大きく、図25に
示した準安定なフルオライト相を結晶核としてこれを熱
処理することにより生成し得ることが明らかとなってい
る(T. Ami, K. Hironaka, C. Isobe, N. Nagel, M. Su
giyama, Y. Ikeda, K. Watanabe, A. Machida, K. Miur
a and M. Tanaka, Mater. Res. Soc. Symp. Proc., 415
(1996) 195.)また、別の研究において、生成プロセス
の低温化などによりフロオライト相の結晶性を低下さ
せ、むしろアモルファスに近い前駆体を形成した場合に
も、その後の熱処理プロセスにおいてこのフルオライト
相を経由して上述した層状結晶構造となることが確認さ
れている(C. Isobe et al., 9th Int'l Symp. on Inte
grated Ferroelectrics Abstr. & Program, 79i )。こ
の場合、フルオライト相には金属サイトは1つしか存在
しないので、広い組成範囲にわたってビスマスとストロ
ンチウムとタンタルの全ての金属元素が等価なサイトを
占有していると考えられる。
安定ジルコニアにおいてジルコニウム(Zr)サイトに
かなり多量のアルカリ土類金属その他を固溶させること
ができ、また酸化ウランにおいて酸素過剰型の不定比化
合物を構成できることから分かるように、不定比性が存
在している。このような不定比性があるということは、
当然、欠陥についてもあてはまり、陽イオン,陰イオン
ともに大きな欠陥密度を保有し得る。実際、このフルオ
ライト構造においては、理想的には陽イオンの周りに陰
イオンが8配位すべきであるが、δ−Bi2 O3 のよう
に、この構造を保ちつつ酸素欠陥によりビスマスの酸素
配位数が6程度まで減少している例もある(ICPDS, 16-
654; d-Bi2O3; Gattow and Schroder, Z. Anorg. allge
m. chem.318 (1962), 176)。この場合、8配位で正六
面体を形成していた酸素原子のうち、互いに対角な2つ
の酸素原子が選択的に欠損し、残された酸素原子はビス
マスの周りで歪んだ八面体を形成している。このような
性質から、フルオライト相は格子歪みおよび結晶中の不
均一歪みに対しても寛容であり、典型的にはジルコニア
において、格子歪みにより正方晶から室温で単斜晶系ま
で対称性が低下し、酸素は7配位をとり、不均一歪みに
よりθ−2θ走査によるX線回折ピークの半値幅が数度
もしくはそれ以上に及ぶ場合も珍しくない。
6に示したペロブスカイト相にも若干の不定比性が存在
する。Aサイトの不定比性の例としては、酸化物超伝導
材料、例えばLa2 CuO4 のランタンサイトにバリウ
ムやストロンチウムやカリウムを添加したものなど多々
ある。Bサイトの不定比性の例としては、BaBiO3
のビスマスサイトに鉛を添加したものがある。
の見地からは「不定比性が大きく準安定なフルオライト
相から熱処理によって金属原子が秩序化した構造」とい
うことができる。但し、その構造自身の中にもフルオラ
イト構造の一部を留めていること、またペロブスカイト
部分にもある程度の不定比性があることを考える合わせ
ると、この秩序化が常に完全な形で進行するとは考えに
くい。組成ずれがある場合にはなおさらである。
側面について議論するには、試料として単結晶が極めて
重要となる。オーリビリウス結晶群の単結晶に関して
は、Bi4 Ti3 O12(m=3;Me=Bi;R=T
i)(J. F. Dorrian, R. E. Newnham, D. K. Smith an
d M. I. Kay, Ferroelectrics, 3 (1971) 17. など)
や、また最近ではBi4 BaTi4 O15(m=4;Me
=Bi,Ba;R=Ti)(S-K. Kim, M. Miyayama an
d H. Yanagida, J. Ceram. Soc, Japan, 102(1994) 72
2. など)について研究がなされている。しかし、Bi
STaに関しては、信頼性に足る報告例が極めて少ない
(R. E. Newnham, R. W. Wolfe, R. S. Horsey,F. A. D
iaz-Colon and M. I. Kay, Mater. Res. Bull., 8 (197
3) 1183. ; A.D. Rae, J. G. Thompson and R. L. Wit
hers, Acta. Cryst., B48 (1992) 418.)。しかも、B
iSTaに関する2つの論文のうちNewnhamによ
るものは組成の扱いなど精密さに欠け、Raeによるも
のは定比組成で出発しているものの2相混合状態でしか
板状の単結晶が得られておらず、単一相としての合成に
は至っていない。更に、双方とも得られた単結晶の特性
に関する解析については殆どなされていない。
を作製し、その結晶化学的側面を明らかにすることは、
強誘電性を示す材料としてFeRAMに応用する上で非
常に重要な意味を有する。また、これらのオーリビリウ
ス結晶群は、その組成または結晶性により常誘電性を示
す可能性も示唆されており(町田暁夫、長沢直美、網隆
明、鈴木真之、1996年秋期大57回応用物理学会[9p-F-
2])、新たなDRAM材料として、またこれらを新たな
積層デバイスなどに用いる上でも重要な意味を有する。
製に関しては、高温超伝導酸化物を作製する際に用いら
れたセルフ・フラックス法(Y. Hidaka, Y. Enomoto,
M. Suzuki, M. Oda and T. Murakami, J. Cryst. Growt
h, 85 (1987) 581.; Y. Hidaka, M. Oda, M. Suzuki,
Y. Maeda, Y. Enomoto and T. Murakami, Jpn, J. App
l. Phys., 27 (1988) L538.を参照)の応用が提案され
ている(M. Suzuki, N.Nagasawa, A. Machida and T. A
mi, Jpn, J. Appl. Phys., 35 (1996) L564. )。ちな
みに、フラックス法というのは、原料にフラックス(融
剤)を適度に加えて加熱することにより融液を作製し、
これを徐々に冷却して目的の結晶核を発生させ結晶を育
成するものである。このフラックス法では、通常、結晶
を育成させた後もフラックスが残存しており、育成した
結晶をフラックスから分離して取り出す必要がある。
をセルフ・フラックス法により作製した場合、例えば、
湯洗いによりフラックスを除去しようとしてもフラック
スが水に溶解しないので除去することができず、また、
塩酸(HCl)などの酸によりエッチングしてフラック
スを除去しようとしてもフラックスと共に育成した結晶
も浸食されてしまうので、結晶を取り出すことが困難で
あるという問題があった。
よび問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的
は、強誘電性または常誘電性を示す層状結晶構造酸化物
を提供することにある。
造酸化物を容易に製造することができる層状結晶構造酸
化物の製造方法を提供することにある。
化物は、ビスマスと第1の元素と第2の元素と酸素とか
らなると共に、第1の元素はナトリウム,カリウム,カ
ルシウム,バリウム,ストロンチウム,鉛およびビスマ
スからなる群のうちの少なくとも1種でありかつ第2の
元素は鉄,チタン,バナジウム,ニオブ,タンタル,タ
ングステンおよび銅からなる群のうちの少なくとも1種
のものであって、異なる格子位置の少なくとも2種の元
素が部分置換しているものである。
マスと第1の元素と第2の元素と酸素とからなると共
に、第1の元素はナトリウム,カリウム,カルシウム,
バリウム,ストロンチウム,鉛およびビスマスからなる
群のうちの少なくとも1種でありかつ第2の元素は鉄,
チタン,バナジウム,ニオブ,タンタル,タングステン
および銅からなる群のうちの少なくとも1種のものであ
って、少なくとも1種の元素が部分欠損またはディスオ
ーダーしているものである。
ビスマスと第1の元素と第2の元素と酸素とからなると
共に、第1の元素はナトリウム,カリウム,カルシウ
ム,バリウム,ストロンチウム,鉛およびビスマスから
なる群のうちの少なくとも1種でありかつ第2の元素は
鉄,チタン,バナジウム,ニオブ,タンタル,タングス
テンおよび銅からなる群のうちの少なくとも1種のもの
であって、フルオライト層の陽イオンと陰イオンとが、
互いに分極軸方向に単位格子長の3%以上相対変位して
いるものである。
は、セルフ・フラックス法を用いて層状結晶構造酸化物
を製造するものであって、フラックスを加えた原料を融
点以上の温度に加熱したのち、融点以上の温度に一定時
間保持することにより、層状結晶構造酸化物を取り出す
ことができる程度までフラックスを蒸発させて層状結晶
構造酸化物を製造するものである。
格子位置の少なくとも2種の元素が部分置換している。
また、本発明の他の層状結晶構造酸化物では、少なくと
も1種の元素が部分欠損またはディスオーダーしてい
る。本発明の更に他の層状結晶構造酸化物では、フルオ
ライト層の陽イオンと陰イオンとが互いに分極軸方向に
単位格子長の3%以上相対変位している。
は、原料にフラックスを加えて融点以上の温度に加熱
し、融点以上の温度に一定時間保持する。これにより、
フラックスが層状結晶構造酸化物を取り出すことができ
る程度まで蒸発し、層状結晶構造酸化物を取り出すこと
ができる。
を参照して詳細に説明する。
は、ビスマスと第1の元素Meと第2の元素Rと酸素と
から構成されている。第1の元素はナトリウム,カリウ
ム,カルシウム,バリウム,ストロンチウム,鉛および
ビスマスからなる群のうちの少なくとも1種であり、第
2の元素は鉄,チタン,バナジウム,ニオブ,タンタル
およびタングステンからなる群のうちの少なくとも1種
である。なお、第1の元素Meとしてはストロンチウ
ム,鉛,バリウムおよびカルシウムからなる群のうちの
少なくとも1種、第2の元素Rとしてはニオブおよびタ
ンタルからなる群のうちの少なくとも1種が好ましい。
また、更には、第1の元素Meとしてはストロンチウム
およびカルシウムからなる群のうちの少なくとも1種が
好ましく、特には、第1の元素Meとしてはストロンチ
ウム、第2の元素Rとしてはタンタルが好ましい。
的な組成式を示す。但し、本実施の形態に係る層状結晶
構造酸化物は、化学量論的なものに限らず、化学量論的
な組成からずれているものも含んでいる。
の層状結晶構造酸化物の基本的な結晶構造を図1に示
す。このように、この層状結晶構造酸化物は、[Bi2
O2 ]2+に該当するフルオライト層11と、[Mem-1
Rm O3m+1]2-に該当するペロブスカイト層12とが交
互に積層されており、異方的なa軸劈開性を有している
(H. Maeda, Y. Tanaka, M. Fukutomi and T. Asano, J
pn. J. Appl. Phys., 27(1988) L209. ; K. Hiraga,
M. Hirabayashi, M. Kikuchi and Y. Syono, Jpn. J. A
ppl. Phys., 27 (1988) L573. を参照)。
結晶構造酸化物は、異なる格子位置の少なくとも2種の
元素が部分置換している場合がある。例えば、ビスマス
と第1の元素Meと第2の元素Rとがそれぞれ互いに部
分置換していたり、ビスマスと第1の元素Meとが互い
に部分置換している場合がある。
の層状結晶構造酸化物は、少なくとも1種の元素が部分
欠損またはディスオーダーしている場合がある。例え
ば、フルオライト層11を構成する酸素が選択的に欠損
あるいはディスオーダーしていたり、フルオライト層1
1とペロブスカイト層12との境界に位置する頂点酸素
がディスオーダーしている場合がある。
の層状結晶構造酸化物は、フルオライト層11の陽イオ
ン(すなわちビスマス、またはビスマスサイトに置換し
ている第1の元素Meあるいは第2の元素R)と陰イオ
ン(すなわち酸素)とが互いに分極軸(c軸)方向に単
位格子長(C0 ≒5.5Å)の3%以上相対変位してい
る場合もある。なお、強誘電性は、結晶全体での陽イオ
ンと陰イオンとの相対変位で決定されるものであるが、
一般にはあまり強誘電性には寄与しないと考えられてい
るフルオライト層に関しても、この相対変位は大きいほ
ど望ましいと考えられる。例えば、5%以上であれば好
ましく、7%以上であればより好ましい。
電性を示すものと、c軸方向に強誘電性を示すものとが
ある。これは、結晶性、或いは元素の部分置換や部分欠
損や変位の相違により、異なった性質が表れてくるもの
と思われる。
造酸化物によれば、異なる格子位置の少なくとも2種の
元素が部分置換しているので、または少なくとも1種の
元素が部分欠損またはディスオーダーしているので、完
全結晶のものに比べて、強誘電性あるいは常誘電性を示
す物質を容易に得ることができる。よって、強誘電性を
示すものについてはFeRAMなどに容易に応用するこ
とができ、常誘電性を示すものについては常誘電性を示
す新たな物質としてコンデンサを形成する際の助剤やD
RAM用のキャパシタ材料に用いることができる。
化物によれば、フルオライト層11の陽イオンと陰イオ
ンとが互いに分極軸方向に単位格子長の3%以上相対変
位しており、強誘電性を示す物質を得ることができる。
よって、FeRAMなどに応用することができる。
物は、次のようにして製造することができる。なお、こ
こでは、本発明の層状結晶構造酸化物の製造方法も合わ
せて説明する。
合する。例えば、化学量論的な組成式がBi2 Sr1 T
a2 O9 である層状結晶構造酸化物を製造する場合に
は、原料として酸化ビスマス(Bi2 O3 )と炭酸スト
ロンチウム(SrCO3 )と酸化タンタル(Ta
2 O5 )とをそれぞれ用意し、酸化ビスマス45〜8
0,炭酸ストロンチウム10〜15,酸化タンタル10
〜15のモル比で混合する。なお、好ましくは酸化ビス
マス46.6〜79.0,炭酸ストロンチウム10.5
〜14.3,酸化タンタル10.5〜14.3であり、
最も好ましくは酸化ビスマス79.0,炭酸ストロンチ
ウム10.5,酸化タンタル10.5である。
用いるので、酸化ビスマスのモル比が高くなっている。
このように、ビスマスを含む層状結晶構造酸化物を製造
する場合には、酸化ビスマスをフラックスとして用いる
のが特に好ましい。
を加えた原料を適宜なルツボに入れ、それを適宜な炉に
挿入して、加熱処理をする。
ツボ20の構成を表すものである。この二重ルツボ20
は、原料Mを入れる白金ルツボ21と、この白金ルツボ
21を入れるアルミナルツボ22とを備えている。ま
た、アルミナルツボ22の上にはアルミナの蓋23を被
せるようになっている。このように、二重ルツボ20を
用いて原料Mを溶融するのは、ビスマス化合物の蒸発を
制御するためである。
リコニット炉30の構成を表すものである。この縦型シ
リコニット炉30は、縦に配設された炉心管31を備え
ており、この炉心管31のほぼ中央付近に載置台32に
載置された二重ルツボ20が挿入されるようになってい
る。この炉心管31は、例えばアルミナ(Al2 O3)
やムライトにより形成されている。
設されると共にその外周は断熱材34で覆われており、
二重ルツボ20の近傍において均熱部Aが形成されてい
る。この均熱部Aの温度は均熱部A近傍に配設された熱
電対35により測定することができるようになってい
る。なお、この均熱部Aにおける炉心管31内の体積は
二重ルツボ20の体積に対して5倍〜30倍となってい
る。この体積比はビスマス化合物の蒸発を制御する上に
おいて重要である。
されており、その近傍にはビスマス化合物を排気するた
めの図示しない強制排気装置が配設されている。すなわ
ち、炉心管31は、二重ルツボ20から蒸発してきたビ
スマス化合物がヒータ33に付着することを防止しつ
つ、蒸発してきたビスマス化合物を図示しない強制排気
装置まで導くための排気路としての役割を有している。
加熱処理する際の温度条件を表すものである。このよう
に、本実施の形態においては、まず、適宜な昇温速度に
より原料Mを融点以上(例えば1330℃以上1450
℃以下)に加熱し(加熱工程)、次いでこの加熱温度で
所定時間維持し(定温工程)、続いて自然放冷よりも遅
い速度(例えば1℃/hour以上20℃/hour以
下)で例えば800℃以上1300℃以下の温度まで徐
冷する(徐冷工程)。すなわち、これにより、フラック
スとしての酸化ビスマスを加えた原料を融点以上の温度
に所定時間保持し、フラックスを実質的に全て蒸発させ
る。そののち、自然放冷により室温まで冷却する(自然
冷却工程)。なお、図4に示した例では、加熱工程にお
いて、酸化ビスマスの融点1330℃以上に加熱するよ
うになっている。
例をいくつか説明すれば、例えば、適宜な昇温速度によ
り原料Mを1350℃以上1450℃以下に加熱し(加
熱工程)、次いでこの加熱温度で1時間よりも長く3時
間よりも短い時間維持し(定温工程)、続いて1℃/h
our以上5℃/hour以下の徐冷速度により800
℃以上1300℃以下の温度まで徐冷する(徐冷工
程)。そののち、自然放冷により室温まで冷却する(自
然冷却工程)。
Mを1350℃以上1450℃以下に加熱し(加熱工
程)、次いでこの加熱温度で10時間よりも長く40時
間よりも短い時間維持し(定温工程)、続いて5℃/h
our以上20℃/hour以下の徐冷速度により例え
ば800℃以上1300℃以下の温度まで徐冷する(徐
冷工程)。そののち、自然放冷により室温まで冷却する
(自然冷却工程)。
Mを1330℃以上1370℃以下に加熱し(加熱工
程)、次いでこの加熱温度で40時間よりも長く50時
間よりも短い時間維持し(定温工程)、続いて1℃/h
our以上5℃/hour以下の徐冷速度により例えば
800℃以上1300℃以下の温度まで徐冷する(徐冷
工程)。そののち、自然放冷により室温まで冷却する
(自然冷却工程)。
すぎても短すぎても不純物層が生成してしまう。例え
ば、化学量論的な組成式がBi2 Sr1 Ta2 O9 であ
る層状結晶構造酸化物を製造する場合、低温工程での維
持時間が長すぎるとSrTa4O11(JCPDS No.1
6−708)やSr2 Ta2 O7 (JCPDS No.30
−1304)の不純物相が生成してしまい、維持時間が
短すぎるとβ−Bi2 O3 (JCPDS No.18−22
4)あるいはα−Bi2 O3 (JCPDS No.27−5
3)あるいはδ−Bi2 O3 (JCPDS No.27−5
2)の不純物相が生成してしまう。純粋な単結晶の色は
無色透明であるが、SrTa4 O11の不純物相が生成す
ると結晶は白色になり、β−Bi2 O3 あるいはα−B
i2 O3 の不純物相が生成すると結晶は薄い黄色にな
る。
ると共に、フラックスが実質的に全て蒸発し、層状結晶
構造酸化物を取り出すことが可能となる。なお、本実施
の形態に係る方法により得られる層状結晶構造酸化物
は、主として、化2に示した化学式で表されるものであ
る。
1≦c≦0.35
ると、Subbaraoが提案している二段階焼成法
(E. C. Subbarao, Phys. Solids. 23 (1962) 665.)と
は異なり約1300℃以上の高温での加熱が必要となる
が、不純物のない単結晶薄膜片を大量に得ることができ
る。なお、セルフ・フラックス法というのは、育成する
結晶の組成の一部を構成する物質をフラックス(融剤)
として用いるものをいう。
造酸化物の製造方法によれば、フラックスを加えた原料
Mを融点以上の温度に所定時間保持することによりフラ
ックスを実質的に全て蒸発させるようにしたので、育成
した層状結晶構造酸化物を直接取り出すことができる。
よって、層状結晶構造酸化物を取り出すための後工程が
不要となると共に、酸によるエッチングなどによって層
状結晶構造酸化物が浸食されることを回避することがで
きる。更に、フラックスが少なくなると融点が高くなる
ので、徐冷工程に要する時間を短縮することができ、効
率よく層状結晶構造酸化物を製造することができる。
を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例におい
ては、化学量論的な組成式がBi2 Sr1 Ta2 O9 で
ある層状結晶構造酸化物について具体的に説明する。
る製造方法により層状結晶構造酸化物が製造できること
およびその条件を具体的に説明する。
ロンチウムと酸化タンタル(いずれも特級試薬;高純度
化学研究所製)をそれぞれ用意し、酸化ビスマス79.
0,炭酸ストロンチウム10.5,酸化タンタル10.
5のモル比で混合した。すなわち、ここでは酸化ビスマ
スをフラックスとして用いた。
意し、内側の白金ルツボ21に混合した原料Mを入れ、
それを外側のアルミナルツボ22に入れて蓋23を被せ
た。続いて、この二重ルツボ20を図3に示した縦型シ
リコニット炉30内に挿入し、図5に示した温度条件に
より熱処理を行った。すなわち、300℃/hourの
昇温速度で1400℃まで加熱し(加熱工程)、140
0℃で1時間以上維持したのち(定温工程)、2℃/h
ourの徐冷速度で1150℃まで徐冷し(徐冷工
程)、そののち室温まで炉冷した。この際、定温工程に
おける維持時間は1時間,2時間および3時間とそれぞ
れ変化させて行った。
ラックスが完全に蒸発しており、白金ルツボ21の中に
は育成された結晶のみが入っていた。得られた結晶は、
維持時間が1時間のものについては黄色であり、維持時
間が2時間のものについては無色透明であり、維持時間
が3時間のものについては白色であった。各結晶の大き
さは、それぞれ最大のもので3mm×4mm×5μm程
度であった。
それぞれ行った。その結果を図6および図7に示す。図
6には維持時間を2時間とした結晶のX線回折パターン
(XRDP;X−ray Diffraction P
atterns)を、このXRDPを比較するための基
準パターンと共に示す。図7には維持時間を変化させた
各結晶のXRDPをそれぞれ示す。なお、基準パターン
は、Raeらが求めた格子定数(a=2.49839n
m,b=0.55344nm,c=0.55306n
m; A. D. Rae, J. G. Thompson and R. L. Withers,
Acta. Cryst., B48 (1992) 418. )に基づいてリートベ
ルト・シミュレーションにより求めたものであるが、空
間群に関してはより対称性の高い“Fmmm ”を用いた。
得られた結晶はビスマスとストロンチウムとタンタルと
酸素とからなる層状結晶構造酸化物であることが分かっ
た。これに対して、図7(a)に示したように、1時間
の維持時間で得られた結晶は不純物相としてα−Bi2
O3 (JCPDS No.27−53)を含み、図7(c)
に示したように、3時間の維持時間で得られた結晶は不
純物相としてSrTa4 O11(JCPDS No.16−7
08)やSr2 Ta2 O7 (JCPDS No.30−13
04)を含むことが分かった。
は、図6に示したXRDPから、薄片状であることに起
因する強いa軸配向性を有していることが分かる。ま
た、回折ピーク(022)と(1800)とから、この
結晶がb=cの正方晶であるとのモデルに基づきa軸と
c軸の格子定数を求めたところ、a軸の格子定数は2.
498nmでありc軸の格子定数は0.5528nmで
あった。なお、この結晶はa軸配向性を有しているため
に(00l)回折と(0k0)回折とが極端に減少する
と共に、高角での他のピークとの重なりがあるので、c
軸とb軸の格子定数を共に求めることは非常に難しい。
Raeらはこの層状結晶構造酸化物が空間群A21am
(本実施の形態における表記ではCmc21 )に属するこ
とを指摘している( A. D. Rae, J. G. Thompson and
R. L. Withers, Acta. Cryst., B48 (1992) 418. )
が、このX線回折の結果のみからはでは、c軸とb軸の
格子定数が同一か否かの判別はできなかった。
について走査電子顕微鏡(SEM;Scanning
Electron Microscope)によるミ
クロ構造観察,AFM(Atomic Force
Microscope)による表面形態観察,ラウエ
斑点の観察,ICP−AES(Inductivel
y Coupled Plasma Atomic E
mission Spectroscope)およびE
PMA(Electron Probe Microa
nalysis)による化学分析,熱分析および強
誘電性ヒステリシスの観測をそれぞれ行った。それらの
結果を以下に示す。
面が観察された。これは強い劈開性によるa面であると
考えられる。
ところ、滑らかな表面が観察され、そのRMS値(Ro
ot Mean Square)は約0.4nmであっ
た。また、最表面にあるステップは1.2〜1.3nm
の高さであり、X線回折の結果から求められたa軸の格
子定数(約2.5nm)の半分に相当していることが分
かった。すなわち、このステップは、強いa面劈開性ま
たは異方的成長に起因しているものであると考えられ
る。
うに、ラウエ斑点が観察され、得られた結晶は単結晶で
あることが分かった。
学組成分析の結果 表1にICP−AESおよびEPMAの分析結果を示
す。このように、ビスマスとストロンチウムとタンタル
の組成比は、ICP−AESによると1.92:1.1
0:2.00であり、EPMAによると1.87:1.
28:2.00であった。すなわち、得られた単結晶は
金属によるわずかな不定比性が考えられるものの、基本
的には化学量論的な組成に近いものであると考えられ
る。なお、EPMAは波長分散による分析(WDS;W
avelength Dispersive X−ra
y Spectroscopy)である。
G;Thermal Gravimetry)は広範な
温度範囲で0.3%以下と非常に小さかった。すなわ
ち、1400℃程度の高温で一端結晶が合成されてしま
うと、ビスマス化合物の蒸発や酸素欠損が1200℃ま
での温度範囲では殆ど起こらないことが分かった。
において強誘電性ヒステリシスを観測した。高温におい
て測定を行ったのは、この層状結晶構造酸化物は抗電界
が非常に高いので、室温では観測しにくいと思われるか
らである。図10にその結果を示す。このように、強誘
電性ヒステリシスが観測され、この層状結晶構造酸化物
は強誘電性を示すことが分かった。
下に加熱して1時間よりも長く3時間よりも短い時間維
持したのち1℃/hour以上5℃/hour以下の徐
冷速度で800℃以上1300℃以下まで徐冷して層状
結晶構造酸化物を育成した場合についても、上記第1の
実施例において維持時間を2時間とした場合と同様の結
果を得ることができる。
を用意し、この原料を先の例と同一配合比で混合した。
次いで、二重ルツボ20(図2参照)および縦型シリコ
ニット炉30(図3参照)を用い、図11に示した温度
条件により熱処理を行った。すなわち、300℃/ho
urの昇温速度で1400℃まで加熱し(加熱工程)、
1400℃で10時間以上維持したのち(定温工程)、
5℃/hourの徐冷速度で1150℃まで徐冷し(徐
冷工程)、そののち室温まで炉冷した。この際、定温工
程における維持時間は10時間,30時間および40時
間とそれぞれ変化させて行った。
ラックスが完全に蒸発しており、白金ルツボ21の中に
は育成された結晶のみが入っていた。得られた結晶は、
維持時間が10時間のものについては黄色であり、維持
時間が30時間のものについては無色透明であり、維持
時間が40時間のものについては白色であった。各結晶
の大きさは、それぞれ最大のもので3mm×4mm×5
μm程度であった。
それぞれ行った。その結果を図12に示す。このよう
に、30時間の維持時間で得られた結晶は、ビスマスと
ストロンチウムとタンタルト酸素とからなる層状結晶構
造酸化物であることが分かった。これに対して、10時
間の維持時間で得られた結晶は不純物相としてδ−Bi
2 O3 (JCPDS No.27−52)を含み、40時間
の維持時間で得られた結晶は不純物相としてSrTa4
O11(JCPDS No.16−708)やSr2 Ta2 O
7 (JCPDS No.30−1304)を含むことが分か
った。
下に加熱して10時間よりも長く40時間よりも短い時
間維持したのち5℃/hour以上20℃/hour以
下の徐冷速度で800℃以上1300℃以下まで徐冷し
て層状結晶構造酸化物を育成した場合についても、上記
第2の実施例において維持時間を30時間とした場合と
同様の結果を得ることができる。
を用意し、この原料を先の例と同一の配合比で混合し
た。次いで、二重ルツボ20(図2参照)および縦型シ
リコニット炉30(図3参照)を用い、図13に示した
温度条件により熱処理を行った。すなわち、300℃/
hourの昇温速度で1345℃まで加熱し(加熱工
程)、1345℃で30時間以上維持したのち(定温工
程)、2℃/hourの徐冷速度で1150℃まで徐冷
し(徐冷工程)、そののち室温まで炉冷した。この際、
定温工程における維持時間は30時間,40時間,45
時間および50時間とそれぞれ変化させて行った。
ラックスが完全に蒸発しており、白金ルツボ21の中に
は育成された結晶のみが入っていた。得られた結晶は、
維持時間が30時間および40時間のものについては黄
色であり、維持時間が45時間のものについては無色透
明であり、維持時間が50時間のものについては白色で
あった。結晶の大きさは、それぞれ最大のもので3mm
×4mm×5μm程度であった。
それぞれ行った。その結果を図14に示す。このよう
に、45時間の維持時間で得られた結晶は、ビスマスと
ストロンチウムとタンタルト酸素とからなる層状結晶構
造酸化物であることが分かった。これに対して、30時
間の維持時間で得られた結晶は不純物相としてα−Bi
2 O3 (JCPDS No.27−53)を含み、その傾向
は40時間の維持時間で得られた結晶についても同様で
あり、50時間の維持時間で得られた結晶についてはほ
とんどが不純物相のSrTa4 O11(JCPDS No.1
6−708)となることが分かった。
下に加熱して40時間よりも長く50時間よりも短い時
間維持したのち1℃/hour以上5℃/hour以下
の徐冷速度で800℃以上1300℃以下まで徐冷して
層状結晶構造酸化物を育成した場合についても、上記第
3の実施例において維持時間を45時間とした場合と同
様の結果を得ることができる。
スとして加えた原料を融点以上の所定温度に加熱し、そ
の所定温度で一定時間維持したのち、所定の速度で徐冷
することにより、フラックスを実質的に全て蒸発させて
層状結晶構造酸化物の単結晶を製造できることが分かっ
た。また、その際、定温工程での維持時間が短いとα−
Bi2 O3 (JCPDS No.27−53)あるいはδ−
Bi2 O3 (JCPDS No.27−52)の不純物相が
生成してしまい、維持時間が長いとSrTa4O11(J
CPDS No.16−708)やSr2 Ta2 O7 (JC
PDS No.30−1304)の不純物相が生成してしま
うことが分かった。
構造酸化物の結晶化学的構造について具体的に説明す
る。
ロンチウムと酸化タンタル(いずれも特級試薬;高純度
化学研究所製)をそれぞれ用意し、酸化ビスマス79.
0,炭酸ストロンチウム10.5,酸化タンタル10.
5のモル比で混合した。すなわち、ここでは酸化ビスマ
スをフラックスとして用いた。
意し、内側の白金ルツボ21に混合した原料Mを入れ、
それを外側のアルミナルツボ22に入れて蓋23を被せ
た。続いて、この二重ルツボ20を図3に示した縦型シ
リコニット炉30内に挿入し、300℃/hourの昇
温速度で1345℃まで加熱し(加熱工程)、1345
℃で20時間維持したのち(定温工程)、2℃/hou
rの徐冷速度で1150℃まで徐冷し(徐冷工程)、そ
ののち室温まで炉冷して層状結晶構造酸化物を製造し
た。
おり、薄片状の0.7mm×0.2mm×0.01mm
程度の大きさの層状結晶構造酸化物の結晶1が得られ
た。
し、図2に示した二重ルツボ20に入れ、図3に示した
縦型シリコニットろ30内に挿入した。300℃/ho
urの昇温速度で1400℃まで加熱し(加熱工程)、
1400℃で2時間維持したのち(定温工程)、5℃/
hourの徐冷速度で1200℃まで徐冷し(徐冷工
程)、そののち室温まで炉冷して層状結晶構造酸化物を
製造した。
高く、低温工程における維持時間を短く、徐冷工程にお
ける徐冷速度を比較的早くして製造した。これにより、
結晶1とは異なりフラックスは完全に蒸発しておらず白
金ルツボ21の中に若干のα−Bi2 O3 が残ってい
が、薄片状の0.7mm×0.2mm×0.04mm程
度の大きさの層状結晶構造酸化物の結晶2が得られた。
このようにして得られた結晶1および結晶2について、
次のような解析をそれぞれ行った。
置にはRigku AFC5R diffrastometerを用い、X線にはグ
ラファイトにより単色化されたMo−Kα線を用いた。
その結果、予備的測定から、Bravais格子はそれ
ぞれC−centeredorthorhombicで
あり、格子定数はそれぞれ次に示したようになった。 結晶1 a=24.982(8)Å b= 5.535(1)Å c= 5.535(2)Å 結晶2 a=25.001(4)Å b= 5.525(3)Å c= 5.525(2)Å
び結晶2の結晶空間群は、双晶が存在しないという仮定
の元ではPnnm,Pnn2のいずれかにしぼられ、双
晶が存在するという仮定の元ではCmc21 ,Cmc
m,C2cmの何れかにしぼられることが分かった。こ
こでは、NewnhamやRaeらによる解析結果(R.
E. Newnham, R. W. Wolfe, R. S. Horsey, F. A. Diaz-
Colon and M. I. Kay,Mater. Res. Bull., 8 (1973) 11
83. ; A. D. Rae, J. G. Thompson and R. L.Withers,
Acta. Cryst., B48 (1992) 418. )を初期モデルと
し、これらの各々について回折強度分布を統計的に解析
し、最終的には結晶1および結晶2とも双晶が存在し結
晶空間群はCmc21 であると決定した。
es for Crystallography”に掲載された標準的な設定で
ある。習慣的に良く用いられるc軸を長軸とする設定で
はA21 amであり、これは空間対称性としてはNew
nhamやRaeらの解析結果と一致している。
数は、結晶1および結晶2ともリファインの結果からは
精度上以上の差は観測されなかったが、空間対称性より
これらが等価でなはいと結論付けることができる。これ
を裏付けるために、結晶1および結晶2についてクロス
ニコル状態下で偏光顕微鏡観察をそれぞれ行った。観察
面はa面である。その結果、結晶1および結晶2とも周
期的な明暗反転が観察され、明らかにb軸とc軸の格子
定数は等しくないということが確認された。
“SAPI91”(Fan Hai-Fu(1991). Structure Anal
ysis Programs With Intelligent Control, Rigaku Cor
poration, Tokyo, Japan. )を用いてパターソン法によ
る最小自乗リファインメントでそれぞれ行った。表2
に、結晶1の原子座標(双晶を前提とし元素の部分置換
を仮定しない初期的な解析によるもの)を示す。その結
果、図1に示した基本結晶構造(空間群;I4/mm
m)から原子サイトの変位が認められ、結晶がc軸方向
に自発分極を有することが分かった(空間群;Cmc2
1 )。なお、このリファインメントによる信頼性因子
(R−factor)は3.7%であった。
に、結晶1についてフルオライト層11中のビスマスと
ペロブスカイト層12中のストロンチウムとが部分的に
相互置換したモデルを立てて結晶構造の精密化を行っ
た。表3にその結果を示す。表3において、Bi(2)
はストロンチウムサイトSr(2)に存在するビスマス
であり、Sr(1)はビスマスサイトBi(1)に存在
するストロンチウムである。この結果から、結晶1では
ビスマスサイトで5%、ストロンチウムサイトで2%程
度のビスマスとストロンチウムとの相互置換が認められ
た。信頼性因子も、3.5%と僅かではあるが改善し
た。
密化パラメータの数が多いので、数学的に信頼性因子が
改善されることは当然であると言えるが、X線の重元素
に対する散乱能に問題はなく、また信頼性因子の絶対値
は統計的にこのモデルが正しいことを示唆しうる程度で
あるので、この結晶1においては僅かではあるがビスマ
スとストロンチウムとが部分置換していると考えられ
る。
ロンチウムとタンタルとの組成比を求めたところ、次の
ようになった。 結晶1 Bi:Sr:Ta = 1.92:1.09:
2
を仮定しないモデルではシミュレーションデータと実測
された回折データとの間の相違が統計的に大き過ぎ、信
頼性因子は収束に至らなかった。そこで、信頼性因子を
収束させるため、結晶1と同様に、フルオライト層11
中のビスマスとペロブスカイト層12中のストロンチウ
ムとが部分的に相互置換したモデルを立てて結晶構造の
精密化を行った。表4にその結果を示す。表3において
も、Bi(2)はストロンチウムサイトSr(2)に存
在するビスマスであり、Sr(1)はビスマスサイトB
i(1)に存在するストロンチウムである。この結果か
ら、結晶2ではビスマスサイトで42%、ストロンチウ
ムサイトで26%という顕著なビスマスとストロンチウ
ムとの相互置換が認められた。信頼性因子は3.2%で
あった。信頼性因子が信頼性のあるレベルに収束してい
ることから、結晶2においては非常に大きくビスマスと
ストロンチウムとが部分置換していると考えられる。
ロンチウムとタンタルとの組成比を求めたところ、次の
ようになった。 結晶2 Bi:Sr:Ta = 1.43:1.58:
2
ンチウムとの部分置換に伴って起こる結晶構造全体の結
晶化学的変化について次のように考察することができ
る。すなわち、Bi3+の存在する8b−siteはSr
2+の存在する4a−siteに対して多重度が2倍であ
るので、これらのサイトで相互置換が生ずると、Bi3+
が減少しSr2+が増加する傾向を示す。その結果、結晶
中の正電荷が減少することになり、電荷中性を保つため
には酸素欠陥が必要となる。
酸化物には異なる5つの酸素サイトがあり、SrO面内
の酸素O(1)、フルオライト層11とペロブスカイト
層12との境界に位置する酸素O(2)、フルオライト
層11中の酸素O(3)、TaO2 面内の酸素O
(4),O(5)とそれぞれ記述することができる。な
お、O(4)とO(5)は化学的環境が極めて似通って
いるが、格子歪みに伴う対称性低下(F4/mmmから
Cmc21 )により区別される。ここで表4を見てみる
と、これらの酸素のうちまずフルオライト層11中の酸
素O(3)の充填率のみが極めて小さくなっており、こ
のO(3)サイトの酸素が選択的に欠損し易いことが分
かる。これはフルオライト相が有している大きな不定比
性からも十分考えられる。
(2)とO(2’)という充填率がほぼ50%づつの2
つのサイトに分離していることである。しかし、現実的
には最近接しているO(2)サイトとO(2’)サイト
が同時に占有されることはクローン反発が大きくなるの
でまずあり得ず、ディスオーダー(disorder)により最
近接のO(2)サイトとO(2’)サイトのいずれかが
占められていると考えられる。
遍性があると思われるが、基本的には本実施例において
認められたビスマスとストロンチウムとの相互部分置換
に起因すると考えられ、組成変化によるストロンチウム
サイトのビスマスによる一方的部分置換や、異なったサ
イト間の置換など欠陥構造は種々変化するものと考えら
れる。
実に再現した結晶1の結晶構造を図15に示す。同様に
再現した結晶2の結晶構造を図16に示す。図15およ
び図16においては、a軸方向に1ユニットセル、b軸
c軸方向に2ユニットセルを示している。ちなみに、煩
雑さを避けるためにTaO6 の構造を八面体で示した
が、境界領域において完全な八面体が形成されない部分
では、タンタルと酸素をそれぞれ原子として示してい
る。
向から見た結晶構造を図17に示し、c軸方向から見た
結晶構造を図18に示す。同様に、図16(すなわち結
晶2)をb軸方向から見た結晶構造を図19に示し、c
軸方向から見た結晶構造を図20に示す。図17および
図18から、結晶1では、フルオライト層11の酸素平
面はほぼ平坦であること、TaO6 の八面体におけるT
aO2 面の傾きはほぼ分極軸であるc軸の周りに生じて
いる(すなわち回転軸がc軸である)ことが分かる。ま
た、図19および図20から、結晶2では、フルオライ
ト層11の酸素平面が曲がっていることが分かる。な
お、結晶2では、酸素サイトに相当欠陥が存在するこ
と、およびフルオライト層11との境界の頂点酸素サイ
トが分離しているのは上述のとおりである(ここではタ
ンタルとの原子間距離がより小さいO(2’)を頂点と
して八面体を表している)。
び結晶2ではペロブスカイト層12の分極もさることな
がらフルオライト層11においてもビスマスと酸素の相
対変位が決して小さくなく、それらが分極に寄与してい
ると考えられる。実際に格子歪みのない母体構造(F4
/mmm)を基準としたフルオライト層11中の陽イオ
ン(ビスマス、またはビスマスサイトに置換しているス
トロンチウム)と陰イオン(酸素O(3))との相対変
位の分極軸成分を算出すると、分極軸(c軸)の単位格
子長(C0 ≒5.5Å)に対して結晶1で約8.97
%,結晶2で約5.47%となる。一般には、分極を担
うのは主としてペロブスカイト層12であると考えられ
ており、このように大きな分極がフルオライト層11中
で生じていることが確認された例はない。
る解析結果(R. E. Newnham, R. W.Wolfe, R. S. Horse
y, F. A. Diaz-Colon and M. I. Kay, Mater. Res. Bul
l.,8 (1973) 1183. ; A. D. Rae, J. G. Thompson and
R. L. Withers, Acta. Cryst., B48 (1992) 418. )に
おけるフルオライト層中の陽イオンと陰イオンとの相対
変位の分極軸成分は、それぞれ2.80%および1.6
9%である。
フルオライト相と同様に定義し、約5.5Åとした。し
かしながら、例えば分極軸またはこれを含むbc面,c
a面に長周期構造が存在する場合には、格子定数が大き
くなり、この相対変位の分極軸成分の計算値は見かけ上
小さくなる。従って、そのような場合には、通常のフル
オライト相に相当する単位格子長に対して相対変位の分
極軸成分を見積もるようにする。
よびこれに隣接する頂点酸素を抽出しa軸方向から見た
結晶構造を図21に示し、同様に結晶2のうち同様にフ
ルオライト層11およびこれに隣接する頂点酸素を抽出
しa軸方向から見た結晶構造を図22に示す。更に、結
晶1のうちペロブスカイト層12のTaO6 八面体およ
びこれに隣接するストロンチウムを抽出しa軸から見た
結晶構造を図23に示し、同様に結晶2のうちペロブス
カイト層12のTaO6 八面体およびこれに隣接するス
トロンチウムを抽出しa軸から見た結晶構造を図24に
示す。
平坦で歪みの少ないフルオライト層11中の酸素O
(3)の結合が、結晶2では酸素欠陥によりbc面の平
坦性が損なわれていると共にbc面内でも大きく歪んで
いることが分かる。また、結晶2に認められてる頂点酸
素のディスオーダーは、分極軸方向(c軸方向)または
それに垂直な方向(b軸方向)ではなく、(b+c)方
向に近いことが分かる。
は、上述したように、TaO2 面の傾きはほぼ分極軸で
あるc軸の周りに生じているが、頂点酸素に関してはや
やb軸回転の成分も有していることが分かる。一方、結
晶2では、頂点酸素のディスオーダーと相まってTaO
2 の結合がbc面内で歪んでいることが分かる。
スマスとストロンチウムとが部分置換し、またはフルオ
ライト層11を構成する酸素が選択的に欠損しあるいは
フルオライト層11とペロブスカイト層12との境界に
位置する頂点酸素がディスオーダーし、またはフルオラ
イト層11の陽イオンと陰イオンとが互いに分極軸方向
に相対変位していることにより、特有の常誘電性あるい
は強誘電性を示すことが分かった。
本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態およ
び実施例に限定されるものではなく種々変形可能であ
る。例えば、上記実施例においては、化学量論的な組成
式がBi2 Sr1 Ta2 O9 である層状結晶構造酸化物
に関し説明したが、本発明は、化1において示した化学
式で代表されるこれ以外のいわゆるオーリビリウス結晶
群の層状結晶構造酸化物についても同様の結果を得るこ
とができる。
のBi2 BiTiNbO9 やBi2BiTiTaO9 の
化学式により代表される層状結晶構造酸化物、mが3の
Bi4 Ti3 O12の化学式により代表される層状結晶構
造酸化物、mが4のBi2 Bi2 CaTi4 O15 ,B
i2 Bi2 SrTi4 O15 ,Bi2 Bi2 BaTi4
O15 ,Bi2 Bi2 PbTi4 O15 ,Bi2 Bi
2.5 Na0.5 Ti4 O15やBi2 Bi2.5 K0.5 Ti4
O15の化学式により代表される層状結晶構造酸化物、m
が5のBi2 Bi2 Sr2 Ti5 O18 ,Bi2 Bi2
Ba2 Ti5 O18やBi2 Bi2 Pb2 Ti5 O18の化
学式により代表される層状結晶構造酸化物についても本
発明は同様に適用される。
結晶群のみでなく化3に示した化学式で表され超伝導材
料として知られる層状結晶構造酸化物についても同様に
適用される。
といわれるものであり、結晶構造がオーリビリウス結晶
群と類似関係にある。特に、層間がBi−Oで仕切られ
ていることが異方性の点で酷似している。
ては、層状結晶構造酸化物の製造においてフラックスを
実質的に全て蒸発させるようにしたが、育成した層状結
晶構造酸化物を取り出せる程度に蒸発させれば、上記実
施の形態および実験例と同様の効果を得ることができ
る。
いては、層状結晶構造酸化物の製造においてフラックス
を加えた原料を融点以上の所定温度に加熱してその所定
温度で一定時間維持したのち自然放冷よりも遅い速度で
徐冷することにより、融点以上の温度に所定時間保持
し、フラックスを実質的に全て蒸発させるようにした
が、本発明は、他の方法により融点以上の温度に所定時
間保持しフラックスを実質的に全て蒸発させるようにし
てもよい。
上の所定温度に加熱してその所定温度で一定時間維持す
ることにより融点以上の温度に所定時間保持し、フラッ
クスを実質的に全て蒸発させるようにしてもよい。ま
た、フラックスを加えた原料を融点以上の所定温度に加
熱したのち放冷しつつ融点以上の温度に所定時間保持
し、フラックスを実質的に全て蒸発させるようにしても
よい。更に、フラックスを加えた原料を融点以上の所定
温度に加熱したのち自然放冷よりも遅い速度で徐冷しつ
つ融点以上の温度に所定時間保持し、フラックスを実質
的に全て蒸発させるようにしてもよい。
造酸化物によれば、異なる格子位置の少なくとも2種の
元素が部分置換しているので、強誘電性を示す物質ある
いは常誘電性を示す物質を容易に得ることができる。よ
って、強誘電性を示すものはFeRAMなどに容易に応
用することができ、常誘電性を示すものは常誘電性を示
す新たな物質として、コンデンサを形成する際の助剤や
DRAM用のキャパシタ材料などに容易に用いることが
できるという効果を奏する。
よれば、少なくとも1種の元素が部分欠損またはディス
オーダーしているので、同様に、強誘電性を示す物質あ
るいは常誘電性を示す物質を容易に得ることができる。
物によれば、フルオライト層の陽イオンと陰イオンとが
互いに分極軸方向に単位格子長の3%以上相対変位して
おり、強誘電性を示す物質を得ることができる。よっ
て、FeRAMなどに応用することができる。
造方法によれば、フラックスを加えた原料を融点以上の
温度に一定時間保持することにより、層状結晶構造酸化
物を取り出すことができる程度にフラックスを蒸発させ
るようにしたので、育成した層状結晶構造酸化物を直接
取り出すことができる。よって、層状結晶構造酸化物を
取り出すための後工程が不要となると共に、酸によるエ
ッチングなどによって層状結晶構造酸化物が浸食される
ことを回避することができるという効果を奏する。ま
た、フラックスが少なくなると融点が高くなるので、製
造に要する時間を短縮することができ、効率よく層状結
晶構造酸化物を製造することができるという効果も奏す
る。
物の基本的な結晶構造を表す概念図である。
に用いる二重ルツボを表す構成図である。
に用いる縦型シリコニット炉を表す構成図である。
の熱処理における温度条件を表す図である。
度条件を表す図である。
組成を示すX線回折パターン図(a)であり、リートベ
ルト・シミュレーション・パターン(b)と共に表して
いる。
時間により得られる結晶の組成の相違を説明するための
X線回折パターン図である。
晶構造酸化物のラウエ斑点を示す顕微鏡写真である。
晶構造酸化物に関する熱分析の結果を表す特性図であ
る。
結晶構造酸化物の強誘電性ヒステリシスを表す特性図で
ある。
他の温度条件を表す図である。
維持時間により得られる結晶の組成の相違を説明するた
めのX線回折パターン図である。
更に他の温度条件を表す図である。
維持時間により得られる結晶の組成の相違を説明するた
めのX線回折パターン図である。
化物(結晶1)の結晶構造を格子歪みまで含めて表す概
念図である。
化物(結晶2)の結晶構造を格子歪みまで含めて表す概
念図である。
1)のb軸から見た結晶構造を格子歪みまで含めて表す
概念図である。
1)のc軸から見た結晶構造を格子歪みまで含めて表す
概念図である。
2)のb軸から見た結晶構造を格子歪みまで含めて表す
概念図である。
2)のc軸から見た結晶構造を格子歪みまで含めて表す
概念図である。
1)のうちフルオライト層およびこれに隣接する頂点酸
素を抽出しa軸方向から見た結晶構造を格子歪みまで含
めて表す概念図である。
2)のうちフルオライト層およびこれに隣接する頂点酸
素を抽出しa軸方向から見た結晶構造を格子歪みまで含
めて表す概念図である。
1)のうちペロブスカイト層のTaO6 八面体およびこ
れに隣接するストロンチウムを抽出しa軸方向から見た
結晶構造を格子歪みまで含めて表す概念図である。
2)のうちペロブスカイト層のTaO6 八面体およびこ
れに隣接するストロンチウムを抽出しa軸方向から見た
結晶構造を格子歪みまで含めて表す概念図である。
る。
ある。
…二重ルツボ、21…白金ルツボ、22…アルミナルツ
ボ、23…蓋、30…縦型シリコニット炉、31…炉心
管、32…載置台、33…ヒータ、34…断熱材、35
…蓋、M…原料
Claims (41)
- 【請求項1】 ビスマス(Bi)と第1の元素と第2の
元素と酸素(O)とからなると共に、第1の元素はナト
リウム(Na),カリウム(K),カルシウム(C
a),バリウム(Ba),ストロンチウム(Sr),鉛
(Pb)およびビスマス(Bi)からなる群のうちの少
なくとも1種でありかつ第2の元素は鉄(Fe),チタ
ン(Ti),バナジウム(V),ニオブ(Nb),タン
タル(Ta),タングステン(W)および銅(Cu)か
らなる群のうちの少なくとも1種である層状結晶構造酸
化物であって、 異なる格子位置の少なくとも2種の元素が部分置換して
いることを特徴とする層状結晶構造酸化物。 - 【請求項2】 ビスマスと第1の元素とが部分置換して
いることを特徴とする請求項1記載の層状結晶構造酸化
物。 - 【請求項3】 第1の元素はカルシウムおよびストロン
チウムからなる群のうちの少なくとも1種であり、かつ
第2の元素はニオブおよびタンタルからなる群のうちの
少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の
層状結晶構造酸化物。 - 【請求項4】 第1の元素はストロンチウムであり、か
つ第2の元素はタンタルであることを特徴とする請求項
1記載の層状結晶構造酸化物。 - 【請求項5】 強誘電性を示すことを特徴とする請求項
1記載の層状結晶構造酸化物。 - 【請求項6】 常誘電性を示すことを特徴とする請求項
1記載の層状結晶構造酸化物。 - 【請求項7】 ビスマス(Bi)と第1の元素と第2の
元素と酸素(O)とからなると共に、第1の元素はナト
リウム(Na),カリウム(K),カルシウム(C
a),バリウム(Ba),ストロンチウム(Sr),鉛
(Pb)およびビスマス(Bi)からなる群のうちの少
なくとも1種でありかつ第2の元素は鉄(Fe),チタ
ン(Ti),バナジウム(V),ニオブ(Nb),タン
タル(Ta),タングステン(W)および銅(Cu)か
らなる群のうちの少なくとも1種である層状結晶構造酸
化物であって、 少なくとも1種の元素が部分欠損またはディスオーダー
していることを特徴とする層状結晶構造酸化物。 - 【請求項8】 フルオライト層を構成する酸素が選択的
に欠損またはディスオーダーしていることを特徴とする
請求項7記載の層状結晶構造酸化物。 - 【請求項9】 フルオライト層とペロブスカイト層との
境界に位置する頂点酸素がディスオーダーしていること
を特徴とする請求項7記載の層状結晶構造酸化物。 - 【請求項10】 第1の元素はカルシウムおよびストロ
ンチウムからなる群のうちの少なくとも1種であり、か
つ第2の元素はニオブおよびタンタルからなる群のうち
の少なくとも1種であることを特徴とする請求項7記載
の層状結晶構造酸化物。 - 【請求項11】 第1の元素はストロンチウムであり、
かつ第2の元素はタンタルであることを特徴とする請求
項7記載の層状結晶構造酸化物。 - 【請求項12】 強誘電性を示すことを特徴とする請求
項7記載の層状結晶構造酸化物。 - 【請求項13】 常誘電性を示すことを特徴とする請求
項7記載の層状結晶構造酸化物。 - 【請求項14】 ビスマス(Bi)と第1の元素と第2
の元素と酸素(O)とからなると共に、第1の元素はナ
トリウム(Na),カリウム(K),カルシウム(C
a),バリウム(Ba),ストロンチウム(Sr),鉛
(Pb)およびビスマス(Bi)からなる群のうちの少
なくとも1種でありかつ第2の元素は鉄(Fe),チタ
ン(Ti),バナジウム(V),ニオブ(Nb),タン
タル(Ta),タングステン(W)および銅(Cu)か
らなる群のうちの少なくとも1種である層状結晶構造酸
化物であって、 フルオライト層の陽イオンと陰イオンとが、互いに分極
軸方向に単位格子長の3%以上相対変位していることを
特徴とする層状結晶構造酸化物。 - 【請求項15】 フルオライト層の陽イオンと陰イオン
とが、互いに分極軸方向に単位格子長の5%以上相対変
位していることを特徴とする請求項14記載の層状結晶
構造酸化物。 - 【請求項16】 フルオライト層の陽イオンと陰イオン
とが、互いに分極軸方向に単位格子長の7%以上相対変
位していることを特徴とする請求項14記載の層状結晶
構造酸化物。 - 【請求項17】 第1の元素はカルシウムおよびストロ
ンチウムからなる群のうちの少なくとも1種であり、か
つ第2の元素はニオブおよびタンタルからなる群のうち
の少なくとも1種であることを特徴とする請求項14記
載の層状結晶構造酸化物。 - 【請求項18】 第1の元素はストロンチウムであり、
かつ第2の元素はタンタルであることを特徴とする請求
項14記載の層状結晶構造酸化物。 - 【請求項19】 強誘電性を示すことを特徴とする請求
項14記載の層状結晶構造酸化物。 - 【請求項20】 セルフ・フラックス法を用いて層状結
晶構造酸化物を製造する層状結晶構造酸化物の製造方法
であって、 フラックスを加えた原料を融点以上の温度に加熱したの
ち、融点以上の温度に一定時間保持することにより、層
状結晶構造酸化物を取り出すことができる程度までフラ
ックスを蒸発させて層状結晶構造酸化物を製造すること
を特徴とする層状結晶構造酸化物の製造方法。 - 【請求項21】 フラックスを加えた原料を融点以上の
一定温度まで加熱したのち、その温度で一定時間維持す
ることにより、融点以上の温度に一定時間保持すること
を特徴とする請求項20記載の層状結晶構造酸化物の製
造方法。 - 【請求項22】 フラックスを加えた原料を融点以上の
一定温度まで加熱したのち、放冷しつつ融点以上の温度
に一定時間保持することを特徴とする請求項20記載の
層状結晶構造酸化物の製造方法。 - 【請求項23】 フラックスを加えた原料を融点以上の
一定温度まで加熱したのち、自然放冷よりも遅い速度で
徐冷しつつ融点以上の温度に一定時間保持することを特
徴とする請求項20記載の層状結晶構造酸化物の製造方
法。 - 【請求項24】 フラックスを加えた原料を融点以上の
一定温度まで加熱したのち、その温度で一定時間維持す
ると共にそののち自然放冷よりも遅い速度で徐冷して融
点以上の温度に一定時間保持することを特徴とする請求
項20記載の層状結晶構造酸化物の製造方法。 - 【請求項25】 酸化ビスマスをフラックスとして少な
くともビスマスを含む層状結晶構造酸化物を製造するこ
とを特徴とする請求項20記載の層状結晶構造酸化物の
製造方法。 - 【請求項26】 酸化ビスマスをフラックスとして少な
くともビスマスを含む層状結晶構造酸化物を製造するこ
とを特徴とする請求項21記載の層状結晶構造酸化物の
製造方法。 - 【請求項27】 酸化ビスマスをフラックスとして少な
くともビスマスを含む層状結晶構造酸化物を製造するこ
とを特徴とする請求項22記載の層状結晶構造酸化物の
製造方法。 - 【請求項28】 酸化ビスマスをフラックスとして少な
くともビスマスを含む層状結晶構造酸化物を製造するこ
とを特徴とする請求項23記載の層状結晶構造酸化物の
製造方法。 - 【請求項29】 酸化ビスマスをフラックスとして少な
くともビスマスを含む層状結晶構造酸化物を製造するこ
とを特徴とする請求項24記載の層状結晶構造酸化物の
製造方法。 - 【請求項30】 フラックスとしての酸化ビスマスを加
えた原料を1330℃以上1450℃以下の温度に加熱
する加熱工程と、 この加熱工程において加熱した温度で一定時間維持する
定温工程と、 この定温工程ののち自然放冷よりも遅い速度で800℃
以上1300℃以下まで徐冷する徐冷工程とを含むこと
を特徴とする請求項29記載の層状結晶構造酸化物の製
造方法。 - 【請求項31】 前記加熱工程の加熱温度を1350℃
以上1450℃以下とする共に、前記定温工程の維持時
間を1時間よりも長く3時間よりも短くし、かつ前記徐
冷工程の徐冷速度を1℃/hour以上5℃/hour
以下とすることを特徴とする請求項30記載の層状結晶
構造酸化物の製造方法。 - 【請求項32】 前記加熱工程の加熱温度を1350℃
以上1450℃以下とすると共に、前記定温工程の維持
時間を10時間よりも長く40時間よりも短くし、かつ
前記徐冷工程の徐冷速度を5℃/hour以上20℃/
hour以下とすることを特徴とする請求項30記載の
層状結晶構造酸化物の製造方法。 - 【請求項33】 前記加熱工程の加熱温度を1330℃
以上1370℃以下とする共に、前記定温工程の維持時
間を40時間よりも長く50時間よりも短くし、かつ前
記徐冷工程の徐冷速度を1℃/hour以上5℃/ho
ur以下とすることを特徴とする請求項30記載の層状
結晶構造酸化物の製造方法。 - 【請求項34】 ビスマス(Bi)と第1の元素と第2
の元素と酸素(O)とからなると共に、第1の元素はナ
トリウム(Na),カリウム(K),カルシウム(C
a),バリウム(Ba),ストロンチウム(Sr),鉛
(Pb)およびビスマス(Bi)からなる群のうちの少
なくとも1種でありかつ第2の元素は鉄(Fe),チタ
ン(Ti),バナジウム(V),ニオブ(Nb),タン
タル(Ta),タングステン(W)および銅(Cu)か
らなる群のうちの少なくとも1種である層状結晶構造酸
化物を、請求項20に記載の方法により製造することを
特徴とする層状結晶構造酸化物の製造方法。 - 【請求項35】 ビスマス(Bi)と第1の元素と第2
の元素と酸素(O)とからなると共に、第1の元素はナ
トリウム(Na),カリウム(K),カルシウム(C
a),バリウム(Ba),ストロンチウム(Sr),鉛
(Pb)およびビスマス(Bi)からなる群のうちの少
なくとも1種でありかつ第2の元素は鉄(Fe),チタ
ン(Ti),バナジウム(V),ニオブ(Nb),タン
タル(Ta),タングステン(W)および銅(Cu)か
らなる群のうちの少なくとも1種である層状結晶構造酸
化物を、請求項30に記載の方法により製造することを
特徴とする層状結晶構造酸化物の製造方法。 - 【請求項36】 第1の元素をMeで表し第2の元素を
Rで表した化学式がBi2-a Me1+b R2 O9+c である
と共に、第1の元素はストロンチウム(Sr),鉛(P
b),バリウム(Ba)およびカルシウム(Ca)から
なる群のうちの少なくとも1種でありかつ第2の元素は
ニオブ(Nb)およびタンタル(Ta)からなる群のう
ちの少なくとも1種でありかつ前記化学式におけるa,
b,cがそれぞれ0≦a≦0.14,0≦b≦0.3
5,−0.21≦c≦0.35の範囲内の値の層状結晶
構造酸化物を、請求項20記載の方法により製造するこ
とを特徴とする層状結晶構造酸化物の製造方法。 - 【請求項37】 第1の元素をMeで表し第2の元素を
Rで表した化学式がBi2-a Me1+b R2 O9+c である
と共に、第1の元素はストロンチウム(Sr),鉛(P
b),バリウム(Ba)およびカルシウム(Ca)から
なる群のうちの少なくとも1種でありかつ第2の元素は
ニオブ(Nb)およびタンタル(Ta)からなる群のう
ちの少なくとも1種でありかつ前記化学式におけるa,
b,cがそれぞれ0≦a≦0.14,0≦b≦0.3
5,−0.21≦c≦0.35の範囲内の値の層状結晶
構造酸化物を、請求項30記載の方法により製造するこ
とを特徴とする層状結晶構造酸化物の製造方法。 - 【請求項38】 強誘電性を示す層状結晶構造酸化物を
請求項20記載の方法により製造することを特徴とする
層状結晶構造酸化物の製造方法。 - 【請求項39】 常誘電性を示す層状結晶構造酸化物を
請求項20記載の方法により製造することを特徴とする
層状結晶構造酸化物の製造方法。 - 【請求項40】 化学式がBi2 Sr2 Can-1 Cun
O2n+4であり前記化学式におけるnは4以下の整数であ
る層状結晶構造酸化物を、請求項20記載の方法により
製造することを特徴とする層状結晶構造酸化物の製造方
法。 - 【請求項41】 化学式がBi2 Sr2 Can-1 Cun
O2n+4であり前記化学式におけるnは4以下の整数であ
る層状結晶構造酸化物を、請求項30記載の方法により
製造することを特徴とする層状結晶構造酸化物の製造方
法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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-
1997
- 1997-08-21 JP JP24036597A patent/JP4032189B2/ja not_active Expired - Fee Related
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