JPH10330737A - 凍結防止方法 - Google Patents
凍結防止方法Info
- Publication number
- JPH10330737A JPH10330737A JP14500097A JP14500097A JPH10330737A JP H10330737 A JPH10330737 A JP H10330737A JP 14500097 A JP14500097 A JP 14500097A JP 14500097 A JP14500097 A JP 14500097A JP H10330737 A JPH10330737 A JP H10330737A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- herb extract
- herb
- extract
- antifreezing
- sprayed
- Prior art date
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- Withdrawn
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- Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
- Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)
- Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 金属腐食性や植生への影響を低下させ、安価
で、優れた融氷効果や凍結防止効果を発揮させる。 【解決手段】 少なくともハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)と、無機塩を主剤として構成された薬剤とを、路面
に対して散布する。
で、優れた融氷効果や凍結防止効果を発揮させる。 【解決手段】 少なくともハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)と、無機塩を主剤として構成された薬剤とを、路面
に対して散布する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、路面等の凍結防
止方法に関し、特に、金属腐食性の低い凍結防止方法に
関する。
止方法に関し、特に、金属腐食性の低い凍結防止方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、道路表面(路面)に付着した雪や
雨が凍って、道路が滑りやすくなるという問題があっ
た。そのため、凍結防止方法として、塩化ナトリウム
(NaCl)、塩化カルシウム(CaCl2 )あるいは
塩化マグネシウム(MgCl2 )等の無機塩を道路(路
面)に散布して、道路表面上の氷や雪(雪氷と称する場
合もある。)を融解させ、さらには、これらの無機塩に
より、氷や雪を融解した状態(水の状態)で保持して、
道路における凍結を防止するという手法が取られてき
た。
雨が凍って、道路が滑りやすくなるという問題があっ
た。そのため、凍結防止方法として、塩化ナトリウム
(NaCl)、塩化カルシウム(CaCl2 )あるいは
塩化マグネシウム(MgCl2 )等の無機塩を道路(路
面)に散布して、道路表面上の氷や雪(雪氷と称する場
合もある。)を融解させ、さらには、これらの無機塩に
より、氷や雪を融解した状態(水の状態)で保持して、
道路における凍結を防止するという手法が取られてき
た。
【0003】ここで、簡単に、凍結防止剤による雪氷の
融解および凍結防止メカニズムを説明すると、以下の三
段階から構成されていると、一般に言われている。
融解および凍結防止メカニズムを説明すると、以下の三
段階から構成されていると、一般に言われている。
【0004】(1)第1段階 凍結防止剤を雪氷上に散布することにより、これらの凍
結防止剤と雪氷とが接触する。そして、凍結防止剤の有
する熱(すなわち、雪氷の温度よりも高いことを意味す
る。)により、雪氷がわずかに解けて、凍結防止剤の飽
和水溶液が、雪氷上に形成される段階である。なお、凍
結防止剤の飽和水溶液が形成される際に、凍結防止剤は
融解熱を発し、かかる融解熱により、さらに雪氷が融解
する。
結防止剤と雪氷とが接触する。そして、凍結防止剤の有
する熱(すなわち、雪氷の温度よりも高いことを意味す
る。)により、雪氷がわずかに解けて、凍結防止剤の飽
和水溶液が、雪氷上に形成される段階である。なお、凍
結防止剤の飽和水溶液が形成される際に、凍結防止剤は
融解熱を発し、かかる融解熱により、さらに雪氷が融解
する。
【0005】(2)第2段階 残留している凍結防止剤と雪氷との接触が続き、凍結防
止剤の飽和水溶液の体積(容量)が大きくなる段階であ
る。また、凍結防止剤の飽和水溶液は、雪氷ばかりでな
く、温度が低い道路の、アスファルト等からなる舗装体
へも、熱を供給する(移動させる)段階でもある。そし
て、残留している凍結防止剤がすべて溶解するか、ある
いは、雪氷が無くなるまで、この第2段階は続くことに
なる。
止剤の飽和水溶液の体積(容量)が大きくなる段階であ
る。また、凍結防止剤の飽和水溶液は、雪氷ばかりでな
く、温度が低い道路の、アスファルト等からなる舗装体
へも、熱を供給する(移動させる)段階でもある。そし
て、残留している凍結防止剤がすべて溶解するか、ある
いは、雪氷が無くなるまで、この第2段階は続くことに
なる。
【0006】なお、凍結防止剤の散布量が十分であれ
ば、約1分程度で、雪氷を融解させ、この第2段階は終
了すると言われている。
ば、約1分程度で、雪氷を融解させ、この第2段階は終
了すると言われている。
【0007】(3)第3段階 凍結防止剤の飽和水溶液が、道路のアスファルト等の舗
装体へ熱を供給しつつ道路上に存在する段階である。よ
って、この凍結防止剤の飽和水溶液は、いわゆる凝固点
効果により、凝固点は低下しており、道路の凍結防止効
果を発揮することができる。
装体へ熱を供給しつつ道路上に存在する段階である。よ
って、この凍結防止剤の飽和水溶液は、いわゆる凝固点
効果により、凝固点は低下しており、道路の凍結防止効
果を発揮することができる。
【0008】なお、この凍結防止剤の飽和水溶液は、道
路のアスファルト等の舗装体へ熱を供給し続けると、い
つかは飽和水溶液の温度も凝固点以下となる。よって、
最終的には、この凍結防止剤の飽和水溶液も凝固するこ
とになり、その段階で凍結防止剤の効果は得られなくな
る。
路のアスファルト等の舗装体へ熱を供給し続けると、い
つかは飽和水溶液の温度も凝固点以下となる。よって、
最終的には、この凍結防止剤の飽和水溶液も凝固するこ
とになり、その段階で凍結防止剤の効果は得られなくな
る。
【0009】ところで、凍結防止剤による雪氷の融解メ
カニズムは以上のようなものと推定されているが、平成
2年6月の「スパイクタイヤの粉じんの発生の防止に関
する法律」が施行されて以降、積雪寒冷地域では、一定
条件の下、スパイクタイヤの使用が規制されることとな
り、凍結防止剤および凍結防止方法の重要性は益々高ま
っている。
カニズムは以上のようなものと推定されているが、平成
2年6月の「スパイクタイヤの粉じんの発生の防止に関
する法律」が施行されて以降、積雪寒冷地域では、一定
条件の下、スパイクタイヤの使用が規制されることとな
り、凍結防止剤および凍結防止方法の重要性は益々高ま
っている。
【0010】すなわち、かかる法律の施行前は、スパイ
クタイヤの使用により、道路表面が機械的に削られるた
め、極端に道路表面が平滑になるということはなかっ
た。ところが、かかる法律の施行後は、スパイクタイヤ
のかわりに、法規制により、一般に低いガラス転移点を
有するゴム材料から構成された、いわゆるスタッドレス
タイヤの使用が頻繁になった。そのため、このスタッド
レスタイヤの使用により、凍った道路表面が磨かれて、
極端に表面が平滑になるという現象が生じるようになっ
た。
クタイヤの使用により、道路表面が機械的に削られるた
め、極端に道路表面が平滑になるということはなかっ
た。ところが、かかる法律の施行後は、スパイクタイヤ
のかわりに、法規制により、一般に低いガラス転移点を
有するゴム材料から構成された、いわゆるスタッドレス
タイヤの使用が頻繁になった。そのため、このスタッド
レスタイヤの使用により、凍った道路表面が磨かれて、
極端に表面が平滑になるという現象が生じるようになっ
た。
【0011】したがって、道路表面が著しく滑りやすく
なり、上記法律の施行前に、スパイクタイヤの使用が認
められていた時よりも、却って自動車のスリップ事故等
が増加するという問題が生じるようになった。
なり、上記法律の施行前に、スパイクタイヤの使用が認
められていた時よりも、却って自動車のスリップ事故等
が増加するという問題が生じるようになった。
【0012】そこで、スタッドレスタイヤを使用した場
合に、道路表面が凍って、極端に平滑になることを防止
すべく、凍った道路表面上の氷の融解および道路表面の
凍結防止のために、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化
カルシウム(CaCl2 )あるいは塩化マグネシウム
(MgCl2 )等の無機塩が凍結防止剤として、多量に
使用されるようになってきた。
合に、道路表面が凍って、極端に平滑になることを防止
すべく、凍った道路表面上の氷の融解および道路表面の
凍結防止のために、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化
カルシウム(CaCl2 )あるいは塩化マグネシウム
(MgCl2 )等の無機塩が凍結防止剤として、多量に
使用されるようになってきた。
【0013】また、無機塩以外の凍結防止剤として、尿
素、CMA(酢酸カルシウムと酢酸マグネシウムを3:
7で混合したもの)あるいはKAC(酢酸カリウム)等
も知られており、無機塩の代わりに、一部使用されてい
る。
素、CMA(酢酸カルシウムと酢酸マグネシウムを3:
7で混合したもの)あるいはKAC(酢酸カリウム)等
も知られており、無機塩の代わりに、一部使用されてい
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
無機塩、例えば、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カ
ルシウム(CaCl2 )あるいは塩化マグネシウム(M
gCl2 )等を路面に散布するという凍結防止方法は、
比較的安価であって、融氷効果や凍結防止効果の点でも
比較的優れているものの、散布された無機塩により、い
わゆる塩害が発生しやすいという問題があった。
無機塩、例えば、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カ
ルシウム(CaCl2 )あるいは塩化マグネシウム(M
gCl2 )等を路面に散布するという凍結防止方法は、
比較的安価であって、融氷効果や凍結防止効果の点でも
比較的優れているものの、散布された無機塩により、い
わゆる塩害が発生しやすいという問題があった。
【0015】すなわち、凍結防止剤として散布された無
機塩のために、凍結防止剤が散布された道路上を走行す
る自動車のボデイ等を金属腐食したり、あるいは、道路
の一部としての橋梁、道路標識や信号機の金属柱、さら
には、道路内部に強化のために埋設されている鉄筋まで
金属腐食させ、これらの機械的強度を著しく低下させる
という、いわゆる塩害の問題があった。
機塩のために、凍結防止剤が散布された道路上を走行す
る自動車のボデイ等を金属腐食したり、あるいは、道路
の一部としての橋梁、道路標識や信号機の金属柱、さら
には、道路内部に強化のために埋設されている鉄筋まで
金属腐食させ、これらの機械的強度を著しく低下させる
という、いわゆる塩害の問題があった。
【0016】また、従来の凍結防止方法では、かかる無
機塩を凍結防止剤として多量に使用する結果、道路周囲
の植生にまで影響を及ぼし、街路樹や芝生を枯らしてし
まうという問題もあった。
機塩を凍結防止剤として多量に使用する結果、道路周囲
の植生にまで影響を及ぼし、街路樹や芝生を枯らしてし
まうという問題もあった。
【0017】一方、無機塩以外の凍結防止剤としての、
尿素、CMA(酢酸カルシウムと酢酸マグネシウムを
3:7で混合したもの)あるいはKAC(酢酸カリウ
ム)等を使用した凍結防止方法では、使用する凍結防止
剤の値段が高かったり(尿素は約120円/kg、CM
Aは約300円/kg、KACは約660円/kg、い
ずれも平成4年のデータ)、あるいは、得られる凍結防
止剤による融氷効果や凍結防止が、一般に乏しいという
問題があった。
尿素、CMA(酢酸カルシウムと酢酸マグネシウムを
3:7で混合したもの)あるいはKAC(酢酸カリウ
ム)等を使用した凍結防止方法では、使用する凍結防止
剤の値段が高かったり(尿素は約120円/kg、CM
Aは約300円/kg、KACは約660円/kg、い
ずれも平成4年のデータ)、あるいは、得られる凍結防
止剤による融氷効果や凍結防止が、一般に乏しいという
問題があった。
【0018】よって、金属腐食性の問題が少なく、安価
であり、融氷効果や凍結防止の点でも優れており、さら
には、道路周囲の植生への影響が少ない凍結防止方法の
出現が望まれていた。
であり、融氷効果や凍結防止の点でも優れており、さら
には、道路周囲の植生への影響が少ない凍結防止方法の
出現が望まれていた。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明の凍結防止方法
は、少なくともハーブ抽出液(ハーブエキス)と、無機
塩を主剤として構成された薬剤とを、路面に対して、散
布することを特徴とする。
は、少なくともハーブ抽出液(ハーブエキス)と、無機
塩を主剤として構成された薬剤とを、路面に対して、散
布することを特徴とする。
【0020】このように、少なくともハーブ抽出液(ハ
ーブエキス)と、無機塩を主剤として構成された薬剤と
を、路面に対して散布することにより、無機塩を主剤と
して構成された薬剤により、優れた融氷効果や凍結防止
を得るとともに、ハーブ抽出液(ハーブエキス)によ
り、この凍結防止剤の薬剤としての無機塩の金属腐食性
を著しく低下させることができる。
ーブエキス)と、無機塩を主剤として構成された薬剤と
を、路面に対して散布することにより、無機塩を主剤と
して構成された薬剤により、優れた融氷効果や凍結防止
を得るとともに、ハーブ抽出液(ハーブエキス)によ
り、この凍結防止剤の薬剤としての無機塩の金属腐食性
を著しく低下させることができる。
【0021】また、この発明の凍結防止方法によれば、
安価な無機塩を主剤として使用するとともに、併用する
ハーブ抽出液(ハーブエキス)の量が少量で済むため、
極めて安価な凍結防止方法を提供することができる。
安価な無機塩を主剤として使用するとともに、併用する
ハーブ抽出液(ハーブエキス)の量が少量で済むため、
極めて安価な凍結防止方法を提供することができる。
【0022】また、この発明の凍結防止方法によれば、
ハーブ抽出液(ハーブエキス)の量が少量で済むため、
金属腐食性の低下効果を発揮させるだけで、無機塩を主
剤として構成された薬剤の融氷効果や凍結防止効果等の
特性を基本的に損なうことが無い。
ハーブ抽出液(ハーブエキス)の量が少量で済むため、
金属腐食性の低下効果を発揮させるだけで、無機塩を主
剤として構成された薬剤の融氷効果や凍結防止効果等の
特性を基本的に損なうことが無い。
【0023】また、この発明の凍結防止方法によれば、
無機塩を主剤とした薬剤に起因する凍結防止剤の金属腐
食性を、著しく低下させることができるために、この無
機塩を主剤として構成された薬剤を大量に使用すること
ができる。すなわち、この発明の凍結防止方法によれ
ば、従来の凍結防止方法と比較して、多量に凍結防止剤
を使用することができ、そのため、迅速に凍った道路表
面上の氷を融解することができる。また、同様に、多量
に凍結防止剤を使用することができるため、この凍結防
止剤の効果を長期にわたって持続させることも可能とな
る。
無機塩を主剤とした薬剤に起因する凍結防止剤の金属腐
食性を、著しく低下させることができるために、この無
機塩を主剤として構成された薬剤を大量に使用すること
ができる。すなわち、この発明の凍結防止方法によれ
ば、従来の凍結防止方法と比較して、多量に凍結防止剤
を使用することができ、そのため、迅速に凍った道路表
面上の氷を融解することができる。また、同様に、多量
に凍結防止剤を使用することができるため、この凍結防
止剤の効果を長期にわたって持続させることも可能とな
る。
【0024】また、この発明の凍結防止方法は、従来の
無機塩を凍結防止剤として単に散布する凍結防止方法
に、ハーブ抽出液(ハーブエキス)を散布する工程を組
み合わせるか、または、従来の凍結防止剤としての無機
塩に、ハーブ抽出液(ハーブエキス)を混合する工程を
さらに設け、それを散布する工程を組み合わせることに
より構成することができる。したがって、極めて簡単な
散布装置を用いて、凍結防止剤における無機塩の金属腐
食性の低下効果を得ることができる。
無機塩を凍結防止剤として単に散布する凍結防止方法
に、ハーブ抽出液(ハーブエキス)を散布する工程を組
み合わせるか、または、従来の凍結防止剤としての無機
塩に、ハーブ抽出液(ハーブエキス)を混合する工程を
さらに設け、それを散布する工程を組み合わせることに
より構成することができる。したがって、極めて簡単な
散布装置を用いて、凍結防止剤における無機塩の金属腐
食性の低下効果を得ることができる。
【0025】また、この発明の凍結防止方法は、工程が
簡易なために、特に雪の多い積雪寒冷地域や、あるい
は、雪の多い時期だけに実施するなど、柔軟に対応する
こともできる。
簡易なために、特に雪の多い積雪寒冷地域や、あるい
は、雪の多い時期だけに実施するなど、柔軟に対応する
こともできる。
【0026】また、この発明の凍結防止方法により凍結
防止剤を施した(散布)場合には、従来の凍結防止方法
と比較して、道路周囲の植生への影響が少ないという効
果も得られる。
防止剤を施した(散布)場合には、従来の凍結防止方法
と比較して、道路周囲の植生への影響が少ないという効
果も得られる。
【0027】すなわち、一般に、凍結防止剤の無機塩
は、地中の水分の浸透圧を高めるため、植物は根をとお
して、水分を吸収することが困難となり、植物を枯渇さ
せやすい。しかしながら、この発明の凍結防止方法によ
れば、無機塩を主剤として構成された薬剤と、併用して
ハーブ抽出液(ハーブエキス)を散布して使用する。そ
のため、ハーブ抽出液(ハーブエキス)により、この浸
透圧の調整(低下)がなされるためと思われるが、植物
が水分を吸収することを妨げるおそれが少なくなる。
は、地中の水分の浸透圧を高めるため、植物は根をとお
して、水分を吸収することが困難となり、植物を枯渇さ
せやすい。しかしながら、この発明の凍結防止方法によ
れば、無機塩を主剤として構成された薬剤と、併用して
ハーブ抽出液(ハーブエキス)を散布して使用する。そ
のため、ハーブ抽出液(ハーブエキス)により、この浸
透圧の調整(低下)がなされるためと思われるが、植物
が水分を吸収することを妨げるおそれが少なくなる。
【0028】よって、この発明の凍結防止方法により、
凍結防止剤における無機塩の金属腐食性の問題が少な
く、安価で、融氷効果や凍結防止効果の点でも優れ、さ
らには、植生への影響が少ないという効果を得ることが
できる。
凍結防止剤における無機塩の金属腐食性の問題が少な
く、安価で、融氷効果や凍結防止効果の点でも優れ、さ
らには、植生への影響が少ないという効果を得ることが
できる。
【0029】なお、この発明の凍結防止方法において、
路面というときは、アスファルト道路等の舗装道路の路
面はもちろんのこと、舗装していない道路であっても、
この発明の対象となる。
路面というときは、アスファルト道路等の舗装道路の路
面はもちろんのこと、舗装していない道路であっても、
この発明の対象となる。
【0030】また、ここで、この発明の凍結防止方法に
使用されるハーブ抽出液(ハーブエキス)としては、ア
ニス、ウイキョウ、タイム、カミツレ、バジル類(スイ
ートバジル、レッドバジル、ブッシュバジル等)、ミン
ト類(ペパーミント、パイナップルミント、アップルミ
ント、スペアミント、オレンジミント等)、ラベンダ
ー、メリッサ、マジョラム、キャラウェイ、ゲンチア
ナ、アーティチョーク(チョウセンアザミ)、ニガハッ
カ、ハッカ、セージ、ゼラニウム、サポナリア、ケシ、
アコニット、コニウム、ジギタリス、ケジギタリス、ダ
ツラ、ヒヨス、ベラドンナ、コルヒクム、ポドフィル
ム、オタネニンジン、ナツメ、ショウガ、ミョウガ、シ
ソ、ローレル、セーボリー、ホソバオケラ、シャクヤ
ク、ボタン、トウキ、サフラン、サラダバーネット、ク
ズ、マオウ、トリカブト等の、いわゆるハーブと呼ばれ
る植物から、有機溶剤や水蒸気等を利用して抽出した液
状物(抽出物)をいう。
使用されるハーブ抽出液(ハーブエキス)としては、ア
ニス、ウイキョウ、タイム、カミツレ、バジル類(スイ
ートバジル、レッドバジル、ブッシュバジル等)、ミン
ト類(ペパーミント、パイナップルミント、アップルミ
ント、スペアミント、オレンジミント等)、ラベンダ
ー、メリッサ、マジョラム、キャラウェイ、ゲンチア
ナ、アーティチョーク(チョウセンアザミ)、ニガハッ
カ、ハッカ、セージ、ゼラニウム、サポナリア、ケシ、
アコニット、コニウム、ジギタリス、ケジギタリス、ダ
ツラ、ヒヨス、ベラドンナ、コルヒクム、ポドフィル
ム、オタネニンジン、ナツメ、ショウガ、ミョウガ、シ
ソ、ローレル、セーボリー、ホソバオケラ、シャクヤ
ク、ボタン、トウキ、サフラン、サラダバーネット、ク
ズ、マオウ、トリカブト等の、いわゆるハーブと呼ばれ
る植物から、有機溶剤や水蒸気等を利用して抽出した液
状物(抽出物)をいう。
【0031】そして、この発明の凍結防止剤に使用する
ハーブ抽出液(ハーブエキス)においては、ミント類、
バジル類、マジョラム、タイムから選択される少なくと
も一つのハーブ抽出液(ハーブエキス)を含んでいるこ
とが良い。これらのハーブ抽出液(ハーブエキス)は入
手が容易であり、また、これらを少なくとも一つ含んで
凍結防止剤に使用すると、より優れた金属非腐食性が凍
結防止剤に得られるためである。
ハーブ抽出液(ハーブエキス)においては、ミント類、
バジル類、マジョラム、タイムから選択される少なくと
も一つのハーブ抽出液(ハーブエキス)を含んでいるこ
とが良い。これらのハーブ抽出液(ハーブエキス)は入
手が容易であり、また、これらを少なくとも一つ含んで
凍結防止剤に使用すると、より優れた金属非腐食性が凍
結防止剤に得られるためである。
【0032】よって、より好ましくは、ミント類、バジ
ル類、マジョラムおよびタイムを複数種混合して、この
発明の凍結防止剤に使用することが良い。
ル類、マジョラムおよびタイムを複数種混合して、この
発明の凍結防止剤に使用することが良い。
【0033】なお、ハーブ抽出液(ハーブエキス)の濃
度は、ハーブの種類によっても異なるが、一般に、0.
1〜20重量%の範囲内の値である。そして、適宜、こ
の抽出物に、有機溶剤、水等を加え、液状物や粘調体に
したものも、ここでいうハーブ抽出液(ハーブエキス)
として、この発明の凍結防止方法に使用することができ
る。
度は、ハーブの種類によっても異なるが、一般に、0.
1〜20重量%の範囲内の値である。そして、適宜、こ
の抽出物に、有機溶剤、水等を加え、液状物や粘調体に
したものも、ここでいうハーブ抽出液(ハーブエキス)
として、この発明の凍結防止方法に使用することができ
る。
【0034】また、これらのハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)には、種々のハーブ成分が含まれているが、例え
ば、オタネニンジンに含まれる、式(1)で表されるジ
ンセノサイド(ginsenoside)類、ナツメに
含まれる、式(2)で表されるジジファスサポニンI
(zizyphus saponin I)、ショウガ
に含まれる、式(3)で表されるジンジベレン(zin
giberene)や、同じく式(4)で表される6−
ジンガロール(6−gingarol)、ホソバオケラ
に含まれる、式(5)で表されるアトラクチロジン(a
tractylodin)や、式(6)で表されるアト
ラクチロジノール(atractylodinol)
や、式(7)で表されるアセチルアトラクチロジノール
(acetylatractylodinol)や、式
(8)で表されるヒネソール(hinesol)、式
(9)で表されるβ−オウデスモール(β−eudes
mol)、シャクヤクに含まれる、式(10)で表され
るパエオニフロリン(paeoniflorin)や、
式(11)で表されるオキシパエオニフロリン(oxy
paeoniflorin)や、式(12)で表される
ベンゾイルパエオニフロリン(benzoylpaeo
niflorin)や、ボタンに含まれる式(13)で
表されるパエオノール(paeonol)や、式(1
4)で表されるパエオノサイド(paeonosid
e)や、式(15)で表されるパエオノライド(pae
onolide)や、トウキに含まれる式(16)で表
されるリグスチライド(ligustilide)や、
式(17)で表されるブチリデンフタライド(buty
lidenephthalide)や、サフランに含ま
れる式(18)で表されるクロセチン(croceti
n)や、チョウセンアザミに含まれる式(19)で表さ
れるシナリン(cynarin)や、その他、式(2
0)で表されるセンノサイドA(sennoside
A)や、式(21)で表されるセンノサイドB(sen
noside B)、式(22)で表されるヒゲナミン
(higenamine)等があり、これらの成分の1
種または2種以上を混合して、使用することができる。
ス)には、種々のハーブ成分が含まれているが、例え
ば、オタネニンジンに含まれる、式(1)で表されるジ
ンセノサイド(ginsenoside)類、ナツメに
含まれる、式(2)で表されるジジファスサポニンI
(zizyphus saponin I)、ショウガ
に含まれる、式(3)で表されるジンジベレン(zin
giberene)や、同じく式(4)で表される6−
ジンガロール(6−gingarol)、ホソバオケラ
に含まれる、式(5)で表されるアトラクチロジン(a
tractylodin)や、式(6)で表されるアト
ラクチロジノール(atractylodinol)
や、式(7)で表されるアセチルアトラクチロジノール
(acetylatractylodinol)や、式
(8)で表されるヒネソール(hinesol)、式
(9)で表されるβ−オウデスモール(β−eudes
mol)、シャクヤクに含まれる、式(10)で表され
るパエオニフロリン(paeoniflorin)や、
式(11)で表されるオキシパエオニフロリン(oxy
paeoniflorin)や、式(12)で表される
ベンゾイルパエオニフロリン(benzoylpaeo
niflorin)や、ボタンに含まれる式(13)で
表されるパエオノール(paeonol)や、式(1
4)で表されるパエオノサイド(paeonosid
e)や、式(15)で表されるパエオノライド(pae
onolide)や、トウキに含まれる式(16)で表
されるリグスチライド(ligustilide)や、
式(17)で表されるブチリデンフタライド(buty
lidenephthalide)や、サフランに含ま
れる式(18)で表されるクロセチン(croceti
n)や、チョウセンアザミに含まれる式(19)で表さ
れるシナリン(cynarin)や、その他、式(2
0)で表されるセンノサイドA(sennoside
A)や、式(21)で表されるセンノサイドB(sen
noside B)、式(22)で表されるヒゲナミン
(higenamine)等があり、これらの成分の1
種または2種以上を混合して、使用することができる。
【0035】
【化1】
【0036】
【化2】
【0037】
【化3】
【0038】
【化4】
【0039】
【化5】
【0040】
【化6】
【0041】
【化7】
【0042】
【化8】
【0043】
【化9】
【0044】
【化10】
【0045】
【化11】
【0046】
【化12】
【0047】
【化13】
【0048】
【化14】
【0049】
【化15】
【0050】
【化16】
【0051】
【化17】
【0052】
【化18】
【0053】
【化19】
【0054】
【化20】
【0055】
【化21】
【0056】
【化22】
【0057】すなわち、この発明の凍結防止方法におい
て使用される、ハーブ抽出液(ハーブエキス)とは、上
記成分を少なくとも含む液と定義され、そして、より具
体的には、ハーブ抽出物(塊、粉、粘調体)を、水、ア
ルコール類およびエーテル類等に溶解、あるいは分散さ
せたものであれば良い。
て使用される、ハーブ抽出液(ハーブエキス)とは、上
記成分を少なくとも含む液と定義され、そして、より具
体的には、ハーブ抽出物(塊、粉、粘調体)を、水、ア
ルコール類およびエーテル類等に溶解、あるいは分散さ
せたものであれば良い。
【0058】そして、ハーブ抽出液(ハーブエキス)の
使い勝手の良さから、ハーブ抽出液(ハーブエキス)の
粘度としては、例えば、25℃の条件で、1〜10、0
00cpsの範囲内、より好ましくは、10〜1、00
0cpsの範囲内、最適には、20〜200cpsの範
囲内の値とすることが良い。ハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)の粘度が、このような範囲内の値であれば、ハーブ
抽出液(ハーブエキス)と、無機塩の添加(混合)が容
易となるためである。
使い勝手の良さから、ハーブ抽出液(ハーブエキス)の
粘度としては、例えば、25℃の条件で、1〜10、0
00cpsの範囲内、より好ましくは、10〜1、00
0cpsの範囲内、最適には、20〜200cpsの範
囲内の値とすることが良い。ハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)の粘度が、このような範囲内の値であれば、ハーブ
抽出液(ハーブエキス)と、無機塩の添加(混合)が容
易となるためである。
【0059】そして、この発明の凍結防止方法にしたが
って、ハーブ抽出液(ハーブエキス)を少量散布するだ
けで、金属腐食性の低下効果や植生への影響を低下させ
る効果(植物枯渇防止効果)が得られる理由は、必ずし
も明確では無いが、ハーブ抽出液(ハーブエキス)の成
分に含まれる化合物が、その化合物の分子内に有するカ
ルボキシレートや、カルボキシル基あるいはヒドロキシ
ル基によって、無機塩のNaイオン、Caイオンあるい
はMgイオン等のアルカリイオンを、有効に吸着するた
めと推定される。
って、ハーブ抽出液(ハーブエキス)を少量散布するだ
けで、金属腐食性の低下効果や植生への影響を低下させ
る効果(植物枯渇防止効果)が得られる理由は、必ずし
も明確では無いが、ハーブ抽出液(ハーブエキス)の成
分に含まれる化合物が、その化合物の分子内に有するカ
ルボキシレートや、カルボキシル基あるいはヒドロキシ
ル基によって、無機塩のNaイオン、Caイオンあるい
はMgイオン等のアルカリイオンを、有効に吸着するた
めと推定される。
【0060】すなわち、ハーブ抽出液(ハーブエキス)
を、無機塩と併用して散布すると、ハーブ抽出液(ハー
ブエキス)と無機塩も少なからず混合され、ハーブ抽出
液(ハーブエキス)に含まれる化合物が分子内に有する
カルボキシレート、カルボキシル基、あるいはヒドロキ
シル基、特に、フェノール性ヒドロキシル基等により、
Naイオン、CaイオンあるいはMgイオン等のアルカ
リイオンを容易に吸着し、いわゆる塩を生成するためと
考えられる。
を、無機塩と併用して散布すると、ハーブ抽出液(ハー
ブエキス)と無機塩も少なからず混合され、ハーブ抽出
液(ハーブエキス)に含まれる化合物が分子内に有する
カルボキシレート、カルボキシル基、あるいはヒドロキ
シル基、特に、フェノール性ヒドロキシル基等により、
Naイオン、CaイオンあるいはMgイオン等のアルカ
リイオンを容易に吸着し、いわゆる塩を生成するためと
考えられる。
【0061】そして、また、無機塩に起因した金属腐食
性の低下効果や、植生への影響を低下させる効果が、長
期間持続できるのは、ハーブ抽出液(ハーブエキス)の
成分を構成する化合物とアルカリイオンから生成された
塩において、これらハーブ抽出液(ハーブエキス)の成
分を構成する化合物とアルカリイオンとは比較的強固に
結合しており、容易に脱離しないためと考えられる。
性の低下効果や、植生への影響を低下させる効果が、長
期間持続できるのは、ハーブ抽出液(ハーブエキス)の
成分を構成する化合物とアルカリイオンから生成された
塩において、これらハーブ抽出液(ハーブエキス)の成
分を構成する化合物とアルカリイオンとは比較的強固に
結合しており、容易に脱離しないためと考えられる。
【0062】よって、この発明の凍結防止方法におい
て、好ましくは、使用するハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)は、カルボキシレート、カルボキシル基およびヒド
ロキシル基から選択される少なくとも一つの官能基を有
する化合物(ハーブ抽出物)を含んでいることが良い。
て、好ましくは、使用するハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)は、カルボキシレート、カルボキシル基およびヒド
ロキシル基から選択される少なくとも一つの官能基を有
する化合物(ハーブ抽出物)を含んでいることが良い。
【0063】これらの官能基により、Naイオン、Ca
イオンあるいはMgイオン等のアルカリイオンを確実に
吸着し、塩を効率的に生成することができるためであ
る。
イオンあるいはMgイオン等のアルカリイオンを確実に
吸着し、塩を効率的に生成することができるためであ
る。
【0064】具体的には、使用されるハーブ抽出液(ハ
ーブエキス)の、例えば、赤外分光分析(IR測定)に
より得られた赤外分光チャートにおいて、波長3650
〜2800(cm-1)の領域、あるいは、波長1650
〜1500(cm-1)の領域と1450〜1350(c
m-1)の領域、あるいは波長3650〜2800(cm
-1)の領域と、波長1650〜1500(cm-1)の領
域と、波長1450〜1350(cm-1)の領域とに、
波長ピークを有している化合物を含んでいることが良
い。
ーブエキス)の、例えば、赤外分光分析(IR測定)に
より得られた赤外分光チャートにおいて、波長3650
〜2800(cm-1)の領域、あるいは、波長1650
〜1500(cm-1)の領域と1450〜1350(c
m-1)の領域、あるいは波長3650〜2800(cm
-1)の領域と、波長1650〜1500(cm-1)の領
域と、波長1450〜1350(cm-1)の領域とに、
波長ピークを有している化合物を含んでいることが良
い。
【0065】これらの波長ピークのうち、波長3650
〜2800(cm-1)の領域の波長ピークは、一般にヒ
ドロキシル基に帰属、波長1650〜1500(c
m-1)の領域および波長1450〜1350(cm-1)
の領域の両方のピークは、カルボキシレートまたは、そ
の分解物であるカルボキシル基に帰属するものと言われ
ている。
〜2800(cm-1)の領域の波長ピークは、一般にヒ
ドロキシル基に帰属、波長1650〜1500(c
m-1)の領域および波長1450〜1350(cm-1)
の領域の両方のピークは、カルボキシレートまたは、そ
の分解物であるカルボキシル基に帰属するものと言われ
ている。
【0066】より具体的には、例えば、遊離のヒドロキ
シル基であれば、測定条件により若干シフトするが、3
640〜3610(cm-1)の領域に波長ピークを有す
ると言われており、ポリマ状態における分子間水素結合
を形成しているヒドロキシル基の場合には、3400〜
3200(cm-1)の領域に波長ピークを有すると言わ
れており、ニトリル基等と分子内水素結合を形成してい
るヒドロキシル基の場合には、3200〜2500(c
m-1)の領域にブロードな波長ピークを有すると言われ
ている。
シル基であれば、測定条件により若干シフトするが、3
640〜3610(cm-1)の領域に波長ピークを有す
ると言われており、ポリマ状態における分子間水素結合
を形成しているヒドロキシル基の場合には、3400〜
3200(cm-1)の領域に波長ピークを有すると言わ
れており、ニトリル基等と分子内水素結合を形成してい
るヒドロキシル基の場合には、3200〜2500(c
m-1)の領域にブロードな波長ピークを有すると言われ
ている。
【0067】一方、カルボキシレートまたはカルボキシ
ル基であれば、同様に測定条件により若干シフトする
が、カルボキシレートの場合、1610〜1550(c
m-1)の領域および1400(cm-1)付近に波長ピー
クを有すると言われており、カルボン酸の場合には、3
000〜2500(cm-1)の領域、1700(c
m-1)付近の領域、1400(cm-1)付近の領域、1
300〜1200(cm-1)の領域、900(cm-1)
の領域等に、それぞれ大きさは異なるものの、波長ピー
クを有すると言われている。
ル基であれば、同様に測定条件により若干シフトする
が、カルボキシレートの場合、1610〜1550(c
m-1)の領域および1400(cm-1)付近に波長ピー
クを有すると言われており、カルボン酸の場合には、3
000〜2500(cm-1)の領域、1700(c
m-1)付近の領域、1400(cm-1)付近の領域、1
300〜1200(cm-1)の領域、900(cm-1)
の領域等に、それぞれ大きさは異なるものの、波長ピー
クを有すると言われている。
【0068】すなわち、この発明の凍結防止方法に使用
するハーブ抽出液(ハーブエキス)において、カルボキ
シレート、カルボキシル基およびヒドロキシル基に起因
した波長領域のいずれかに、ピーク波長を有していれ
ば、比較的多量のカルボキシレート、カルボキシル基お
よびヒドロキシル基を分子内に有するハーブ抽出物を含
んでいることが推定できる。そして、ハーブ抽出液(ハ
ーブエキス)が、これらの官能基の少なくとも一つを分
子内に有する化合物(ハーブ抽出物)を含んでいれば、
無機塩から放出されたアルカリイオンを確実に吸着し、
無機塩の塩害を防止することが期待できる。
するハーブ抽出液(ハーブエキス)において、カルボキ
シレート、カルボキシル基およびヒドロキシル基に起因
した波長領域のいずれかに、ピーク波長を有していれ
ば、比較的多量のカルボキシレート、カルボキシル基お
よびヒドロキシル基を分子内に有するハーブ抽出物を含
んでいることが推定できる。そして、ハーブ抽出液(ハ
ーブエキス)が、これらの官能基の少なくとも一つを分
子内に有する化合物(ハーブ抽出物)を含んでいれば、
無機塩から放出されたアルカリイオンを確実に吸着し、
無機塩の塩害を防止することが期待できる。
【0069】なお、ハーブ抽出液(ハーブエキス)に含
まれる化合物(ハーブ抽出物)の波長ピークを、例えば
赤外分光分析を用いて測定する場合に、ハーブ抽出液
(ハーブエキス)からハーブ抽出物を採取する前に、ハ
ーブ抽出液(ハーブエキス)の状態で、液体クロマトグ
ラフ等を用いて、成分の分子量等ごとにハーブ抽出液
(ハーブエキス)に含まれる化合物成分(単に成分とも
言う。)を分取しておくことが良い。すなわち、ハーブ
抽出液(ハーブエキス)の成分を出来る限り個々に分け
て、それらに対して、赤外分光分析を行うと良い。
まれる化合物(ハーブ抽出物)の波長ピークを、例えば
赤外分光分析を用いて測定する場合に、ハーブ抽出液
(ハーブエキス)からハーブ抽出物を採取する前に、ハ
ーブ抽出液(ハーブエキス)の状態で、液体クロマトグ
ラフ等を用いて、成分の分子量等ごとにハーブ抽出液
(ハーブエキス)に含まれる化合物成分(単に成分とも
言う。)を分取しておくことが良い。すなわち、ハーブ
抽出液(ハーブエキス)の成分を出来る限り個々に分け
て、それらに対して、赤外分光分析を行うと良い。
【0070】このようにハーブ抽出液(ハーブエキス)
の成分を分取してそれぞれ赤外分光分析を行うと、ハー
ブ抽出液(ハーブエキス)全体では、赤外分光チャート
において、波長3650〜2800(cm-1)の領域、
波長1650〜1500(cm-1)の領域および145
0〜1300(cm-1)の領域等に、いずれも波長ピー
クが観察されない場合であっても、成分を分取すること
により、カルボキシレート、カルボキシル基およびヒド
ロキシル基に対する感度が向上し、分取した数種の成分
のいずれかについて、これらの波長領域に波長ピークが
観察される場合がある。
の成分を分取してそれぞれ赤外分光分析を行うと、ハー
ブ抽出液(ハーブエキス)全体では、赤外分光チャート
において、波長3650〜2800(cm-1)の領域、
波長1650〜1500(cm-1)の領域および145
0〜1300(cm-1)の領域等に、いずれも波長ピー
クが観察されない場合であっても、成分を分取すること
により、カルボキシレート、カルボキシル基およびヒド
ロキシル基に対する感度が向上し、分取した数種の成分
のいずれかについて、これらの波長領域に波長ピークが
観察される場合がある。
【0071】よって、この発明において、ハーブ抽出液
(ハーブエキス)が、カルボキシレート、カルボキシル
基およびヒドロキシル基から選択される少なくとも一つ
の官能基を有する化合物(ハーブ抽出物)を含んでいる
というには、ハーブ抽出液(ハーブエキス)を分取した
成分の少なくとも一つについて、これらの官能基に帰属
した波長ピークが観察されれば良い。ハーブ抽出液(ハ
ーブエキス)を分取した成分のうち、少なくとも一つの
成分が、カルボキシレート、カルボキシル基およびヒド
ロキシル基から選択される少なくとも一つの官能基を分
子内に有していれば、この発明の凍結防止剤として構成
したときに、無機塩に起因した金属腐食性を著しく低下
させることができるためである。
(ハーブエキス)が、カルボキシレート、カルボキシル
基およびヒドロキシル基から選択される少なくとも一つ
の官能基を有する化合物(ハーブ抽出物)を含んでいる
というには、ハーブ抽出液(ハーブエキス)を分取した
成分の少なくとも一つについて、これらの官能基に帰属
した波長ピークが観察されれば良い。ハーブ抽出液(ハ
ーブエキス)を分取した成分のうち、少なくとも一つの
成分が、カルボキシレート、カルボキシル基およびヒド
ロキシル基から選択される少なくとも一つの官能基を分
子内に有していれば、この発明の凍結防止剤として構成
したときに、無機塩に起因した金属腐食性を著しく低下
させることができるためである。
【0072】また、この発明の凍結防止方法において、
好ましくは、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と、無機塩
を主剤として構成された薬剤とを、路面に対して別個に
散布することが良い。
好ましくは、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と、無機塩
を主剤として構成された薬剤とを、路面に対して別個に
散布することが良い。
【0073】このように、ハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)と、無機塩を主剤として構成された薬剤とを、路面
に対して、別個に散布すれば、ハーブ抽出液(ハーブエ
キス)を混合する工程を省略することができ、さらに
は、簡単な散布装置を用いて実施することもできる。
ス)と、無機塩を主剤として構成された薬剤とを、路面
に対して、別個に散布すれば、ハーブ抽出液(ハーブエ
キス)を混合する工程を省略することができ、さらに
は、簡単な散布装置を用いて実施することもできる。
【0074】よって、この発明の凍結防止方法によれ
ば、必要な散布装置や工程が極めて簡易なため、既に説
明したように、特に雪の多い積雪寒冷地域や、雪の多い
時期だけに実施するなど、柔軟に対応することもでき
る。
ば、必要な散布装置や工程が極めて簡易なため、既に説
明したように、特に雪の多い積雪寒冷地域や、雪の多い
時期だけに実施するなど、柔軟に対応することもでき
る。
【0075】また、この発明の凍結防止方法において、
好ましくは、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と、無機塩
を主剤として構成された薬剤とを、路面に対して、交互
に、散布することが良い。
好ましくは、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と、無機塩
を主剤として構成された薬剤とを、路面に対して、交互
に、散布することが良い。
【0076】このように、ハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)と、無機塩を主剤として構成された薬剤とを、路面
に対して、交互に散布すれば、ハーブ抽出液(ハーブエ
キス)と無機塩との混合状態が、ますます均一になる。
よって、この発明の凍結防止方法により、より均一で、
安定した、金属腐食性の低下効果や植生への影響を低下
させる効果を得ることができる。
ス)と、無機塩を主剤として構成された薬剤とを、路面
に対して、交互に散布すれば、ハーブ抽出液(ハーブエ
キス)と無機塩との混合状態が、ますます均一になる。
よって、この発明の凍結防止方法により、より均一で、
安定した、金属腐食性の低下効果や植生への影響を低下
させる効果を得ることができる。
【0077】また、このように、交互に、ハーブ抽出液
(ハーブエキス)と、無機塩を主剤として構成された薬
剤とを散布すれば、ハーブ抽出液(ハーブエキス)の合
計使用量としては一緒でも、例えば、最上面にハーブ抽
出液(ハーブエキス)を比較的多く散布することができ
る。したがって、凍結防止剤の最上面を走行する自動車
のボディ等に対する、より優れた金属腐食性の低下効果
を期待することができる。
(ハーブエキス)と、無機塩を主剤として構成された薬
剤とを散布すれば、ハーブ抽出液(ハーブエキス)の合
計使用量としては一緒でも、例えば、最上面にハーブ抽
出液(ハーブエキス)を比較的多く散布することができ
る。したがって、凍結防止剤の最上面を走行する自動車
のボディ等に対する、より優れた金属腐食性の低下効果
を期待することができる。
【0078】そして、同様に、このように交互に、ハー
ブ抽出液(ハーブエキス)と、無機塩を主剤として構成
された薬剤とを散布すれば、例えば、最下面をハーブ抽
出液(ハーブエキス)が多い層とすることもできる。し
たがって、ハーブ抽出液(ハーブエキス)の合計使用量
としては一緒でも、道路に埋設された鉄筋等に対する金
属腐食性の低下効果をより期待することができる。
ブ抽出液(ハーブエキス)と、無機塩を主剤として構成
された薬剤とを散布すれば、例えば、最下面をハーブ抽
出液(ハーブエキス)が多い層とすることもできる。し
たがって、ハーブ抽出液(ハーブエキス)の合計使用量
としては一緒でも、道路に埋設された鉄筋等に対する金
属腐食性の低下効果をより期待することができる。
【0079】また、この発明の凍結防止方法において、
好ましくは、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と、無機塩
を主剤として構成された薬剤とを、路面に対して、複数
回散布することが良い。このようにハーブ抽出液(ハー
ブエキス)や無機塩を主剤として構成された薬剤を散布
すると、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と、無機塩をよ
り均一に、散布することができる。したがって、より優
れた金属腐食性の低下効果等を得ることができる。
好ましくは、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と、無機塩
を主剤として構成された薬剤とを、路面に対して、複数
回散布することが良い。このようにハーブ抽出液(ハー
ブエキス)や無機塩を主剤として構成された薬剤を散布
すると、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と、無機塩をよ
り均一に、散布することができる。したがって、より優
れた金属腐食性の低下効果等を得ることができる。
【0080】また、この発明の凍結防止方法において、
好ましくは、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と、無機塩
を主剤として構成された薬剤とを予め混合した後、路面
に対して、散布することが良い。
好ましくは、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と、無機塩
を主剤として構成された薬剤とを予め混合した後、路面
に対して、散布することが良い。
【0081】もちろん、この発明の凍結防止方法におい
て、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と無機塩を主剤とし
て構成された薬剤とを散布する前は、ハーブ抽出液(ハ
ーブエキス)と薬剤とは相溶せず、分離していたとして
も、既に説明したような凍結防止剤の融氷のメカニズム
によれば、ハーブ抽出液(ハーブエキス)は、無機塩の
飽和水溶液と接することとなる。そのため、ハーブ抽出
液(ハーブエキス)と無機塩を主剤として構成された薬
剤とを散布する前に、予めこれらのものを混合する必要
もないとも言える。
て、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と無機塩を主剤とし
て構成された薬剤とを散布する前は、ハーブ抽出液(ハ
ーブエキス)と薬剤とは相溶せず、分離していたとして
も、既に説明したような凍結防止剤の融氷のメカニズム
によれば、ハーブ抽出液(ハーブエキス)は、無機塩の
飽和水溶液と接することとなる。そのため、ハーブ抽出
液(ハーブエキス)と無機塩を主剤として構成された薬
剤とを散布する前に、予めこれらのものを混合する必要
もないとも言える。
【0082】しかしながら、ハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)と、無機塩を主剤として構成された薬剤とを予め混
合しておけば、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と無機塩
を多量に散布する場合においても、ハーブ抽出液(ハー
ブエキス)と、無機塩を主剤として構成された薬剤とを
より均一に散布することができるので良い。
ス)と、無機塩を主剤として構成された薬剤とを予め混
合しておけば、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と無機塩
を多量に散布する場合においても、ハーブ抽出液(ハー
ブエキス)と、無機塩を主剤として構成された薬剤とを
より均一に散布することができるので良い。
【0083】また、この発明の凍結防止方法において、
好ましくは、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と、無機塩
を主剤として構成された薬剤とを混合機を用いて、混合
しながら、路面に対して、散布することが良い。このよ
うに混合機を用いれば、正確な混合量で、ハーブ抽出液
(ハーブエキス)と、無機塩を主剤として構成された薬
剤とを混合することができる。そして、かかる混合機
を、散布車等の散布機に連結して設置しておけば、極め
て効率的に、しかも迅速に、ハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)と、無機塩を主剤として構成された薬剤とを散布す
ることができる。
好ましくは、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と、無機塩
を主剤として構成された薬剤とを混合機を用いて、混合
しながら、路面に対して、散布することが良い。このよ
うに混合機を用いれば、正確な混合量で、ハーブ抽出液
(ハーブエキス)と、無機塩を主剤として構成された薬
剤とを混合することができる。そして、かかる混合機
を、散布車等の散布機に連結して設置しておけば、極め
て効率的に、しかも迅速に、ハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)と、無機塩を主剤として構成された薬剤とを散布す
ることができる。
【0084】また、この発明の凍結防止方法において、
使用する無機塩は、好ましくは、塩化ナトリウム、塩化
カルシウムおよび塩化マグネシウムから選択されるいず
れか1種または2種以上であることが良い。
使用する無機塩は、好ましくは、塩化ナトリウム、塩化
カルシウムおよび塩化マグネシウムから選択されるいず
れか1種または2種以上であることが良い。
【0085】これらの無機塩は、単独または混合して、
従来から凍結防止剤における薬剤として使用されてお
り、凍結防止剤の融氷効果の点で優れた実績がある。そ
して、さらには、これらの無機塩は、価格が安価(塩化
ナトリウムは約30〜40円/kg、塩化カルシウムは
約60円/kg、塩化マグネシウムは約60円/kg、
いずれも平成4年のデータ)な点で、多量に使用しても
経済性が良く、この発明に好ましい。
従来から凍結防止剤における薬剤として使用されてお
り、凍結防止剤の融氷効果の点で優れた実績がある。そ
して、さらには、これらの無機塩は、価格が安価(塩化
ナトリウムは約30〜40円/kg、塩化カルシウムは
約60円/kg、塩化マグネシウムは約60円/kg、
いずれも平成4年のデータ)な点で、多量に使用しても
経済性が良く、この発明に好ましい。
【0086】特に、塩化ナトリウムは、融氷効果(融氷
量)や凍結防止効果が高い点で好ましく、塩化カルシウ
ムや塩化マグネシウムは、融氷効果が素早く得られる点
で、この発明に好ましい。
量)や凍結防止効果が高い点で好ましく、塩化カルシウ
ムや塩化マグネシウムは、融氷効果が素早く得られる点
で、この発明に好ましい。
【0087】また、この発明の凍結防止方法において、
好ましくは、酢酸塩および尿素の両方、あるいはいずれ
か一方を、さらに路上に散布することが良い。
好ましくは、酢酸塩および尿素の両方、あるいはいずれ
か一方を、さらに路上に散布することが良い。
【0088】尿素や、酢酸塩としての、酢酸カルシウ
ム、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム等は値段が高く、
これらの多量の使用は、安価で、凍結防止剤の融氷効果
等の各要素のバランスがとれた凍結防止方法を提供する
というこの発明の目的を逸脱しかねない。
ム、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム等は値段が高く、
これらの多量の使用は、安価で、凍結防止剤の融氷効果
等の各要素のバランスがとれた凍結防止方法を提供する
というこの発明の目的を逸脱しかねない。
【0089】しかしながら、尿素や、酢酸塩を所定量散
布することは、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と無機塩
の混合性を良好にし、金属腐食性の問題がより少なくな
り、さらには、融氷効果等の各要素のバランスがとれた
凍結防止方法を提供することができる。よって、この発
明の凍結防止方法において、ハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)と無機塩の混合物(添加物)に対して、酢酸塩およ
び尿素を、少量散布することは、むしろこの発明の目的
に合致するものであり好ましいことである。
布することは、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と無機塩
の混合性を良好にし、金属腐食性の問題がより少なくな
り、さらには、融氷効果等の各要素のバランスがとれた
凍結防止方法を提供することができる。よって、この発
明の凍結防止方法において、ハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)と無機塩の混合物(添加物)に対して、酢酸塩およ
び尿素を、少量散布することは、むしろこの発明の目的
に合致するものであり好ましいことである。
【0090】したがって、尿素や、酢酸塩の好ましい散
布量としては、無機塩として構成された薬剤100重量
部に対して、0.1〜50重量部の範囲内の値、より好
ましくは、1〜30重量部の範囲内の値とすることであ
る。尿素や、酢酸塩の散布量がかかる範囲内の値であれ
ば、所定の効果が得られやすい上に、凍結防止剤全体と
して、トータルコストが過度に高くなることがないため
である。
布量としては、無機塩として構成された薬剤100重量
部に対して、0.1〜50重量部の範囲内の値、より好
ましくは、1〜30重量部の範囲内の値とすることであ
る。尿素や、酢酸塩の散布量がかかる範囲内の値であれ
ば、所定の効果が得られやすい上に、凍結防止剤全体と
して、トータルコストが過度に高くなることがないため
である。
【0091】また、尿素や、酢酸塩の散布の方法は特に
限定されるものはなく、例えば、ハーブ抽出液(ハーブ
エキス)や無機塩と、予め混合後に路面に対して散布す
ることもできるし、あるいは、これらのハーブ抽出液
(ハーブエキス)等と、別個に、路面に対して散布する
こともできる。
限定されるものはなく、例えば、ハーブ抽出液(ハーブ
エキス)や無機塩と、予め混合後に路面に対して散布す
ることもできるし、あるいは、これらのハーブ抽出液
(ハーブエキス)等と、別個に、路面に対して散布する
こともできる。
【0092】また、この凍結防止方法に使用される酢酸
塩の具体的種類としては、酢酸カリウム、酢酸カルシウ
ム、酢酸マグネシウムおよび酢酸ナトリウムから選択さ
れるいずれか1種または2種以上であることが良い。
塩の具体的種類としては、酢酸カリウム、酢酸カルシウ
ム、酢酸マグネシウムおよび酢酸ナトリウムから選択さ
れるいずれか1種または2種以上であることが良い。
【0093】これらの酢酸塩は、単独または混合して、
従来から凍結防止剤における薬剤として使用されてお
り、凍結防止剤の融氷効果の点で優れた実績があり、さ
らには、金属腐食性の問題が少ない点で、この発明の凍
結防止方法に好ましい。
従来から凍結防止剤における薬剤として使用されてお
り、凍結防止剤の融氷効果の点で優れた実績があり、さ
らには、金属腐食性の問題が少ない点で、この発明の凍
結防止方法に好ましい。
【0094】特に、酢酸カリウムは、最低融点温度が低
く、水溶発熱性であるため、融氷効果が素早く得られる
点で好ましく、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウムおよ
び酢酸ナトリウムは、融氷効果が高く、金属腐食性の問
題が少ない点で、この発明の凍結防止方法に好ましい。
く、水溶発熱性であるため、融氷効果が素早く得られる
点で好ましく、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウムおよ
び酢酸ナトリウムは、融氷効果が高く、金属腐食性の問
題が少ない点で、この発明の凍結防止方法に好ましい。
【0095】また、この発明の凍結防止方法において、
好ましくは、路面に対して、界面活性剤をさらに散布す
ることが良い。なお、もちろんのこと、界面活性剤の散
布の方法は特に限定されるものはなく、例えば、ハーブ
抽出液(ハーブエキス)や無機塩と、予め混合後に路面
に対して散布することもできるし、あるいは、これらの
ハーブ抽出液(ハーブエキス)等と、別個に、路面に対
して散布することもできる。
好ましくは、路面に対して、界面活性剤をさらに散布す
ることが良い。なお、もちろんのこと、界面活性剤の散
布の方法は特に限定されるものはなく、例えば、ハーブ
抽出液(ハーブエキス)や無機塩と、予め混合後に路面
に対して散布することもできるし、あるいは、これらの
ハーブ抽出液(ハーブエキス)等と、別個に、路面に対
して散布することもできる。
【0096】そして、既に説明したように、ハーブ抽出
液(ハーブエキス)と無機塩は、基本的に相溶性に乏し
いものの、添加するハーブ抽出液(ハーブエキス)の量
が比較的少ないために、ハーブ抽出液(ハーブエキス)
の分散むらが生じることは少ないが、界面活性剤を、ハ
ーブ抽出液(ハーブエキス)と無機塩のほかに、さらに
路面に散布すると、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と無
機塩の、路面上等での混合性を改良することができる。
すなわち、界面活性剤をさらに散布すると、ハーブ抽出
液(ハーブエキス)と無機塩の混合性を改良し、無機塩
に起因した金属腐食性の問題がより少なくなり、安価
で、さらには、凍結防止(融氷)効果等の各要素のバラ
ンスがとれた凍結防止方法が得られる。
液(ハーブエキス)と無機塩は、基本的に相溶性に乏し
いものの、添加するハーブ抽出液(ハーブエキス)の量
が比較的少ないために、ハーブ抽出液(ハーブエキス)
の分散むらが生じることは少ないが、界面活性剤を、ハ
ーブ抽出液(ハーブエキス)と無機塩のほかに、さらに
路面に散布すると、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と無
機塩の、路面上等での混合性を改良することができる。
すなわち、界面活性剤をさらに散布すると、ハーブ抽出
液(ハーブエキス)と無機塩の混合性を改良し、無機塩
に起因した金属腐食性の問題がより少なくなり、安価
で、さらには、凍結防止(融氷)効果等の各要素のバラ
ンスがとれた凍結防止方法が得られる。
【0097】よって、界面活性剤の散布量は、無機塩を
主剤として構成された薬剤100重量部に対して、0.
1〜50重量部、より好ましくは、0.5〜10重量部
の範囲内となるように散布することが良い。かかる範囲
内の界面活性剤の散布量であれば、所定の界面活性効果
が得られるとともに、全体として、安価な凍結防止方法
を提供することができるためである。
主剤として構成された薬剤100重量部に対して、0.
1〜50重量部、より好ましくは、0.5〜10重量部
の範囲内となるように散布することが良い。かかる範囲
内の界面活性剤の散布量であれば、所定の界面活性効果
が得られるとともに、全体として、安価な凍結防止方法
を提供することができるためである。
【0098】また、散布する界面活性剤の種類も特に限
定されるものでなく、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と
無機塩の相溶性等を考慮して定めることができる。界面
活性剤の例としては、例えば、脂肪酸塩やアルキルベン
ゼンスルホン酸のような陰イオン界面活性剤、第4級ア
ンモニウム塩のような陽イオン界面活性剤、長鎖アルキ
ルアミノ酸のような両性イオン界面活性剤、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテルのような非イオン界面
活性剤、あるいはマクロモノマーのように高分子(オリ
ゴマ)界面活性剤であっても良い。
定されるものでなく、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と
無機塩の相溶性等を考慮して定めることができる。界面
活性剤の例としては、例えば、脂肪酸塩やアルキルベン
ゼンスルホン酸のような陰イオン界面活性剤、第4級ア
ンモニウム塩のような陽イオン界面活性剤、長鎖アルキ
ルアミノ酸のような両性イオン界面活性剤、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテルのような非イオン界面
活性剤、あるいはマクロモノマーのように高分子(オリ
ゴマ)界面活性剤であっても良い。
【0099】そして、特に、親水性基として、カルボキ
シル基やヒドロキシル基を分子内に有する界面活性剤が
好ましい。なぜならば、かかるカルボキシル基やヒドロ
キシル基により、無機塩を主剤として構成された薬剤
を、有効に塩として生成させ、無機塩の金属腐食性を著
しく低下させることができると推定されるためである。
シル基やヒドロキシル基を分子内に有する界面活性剤が
好ましい。なぜならば、かかるカルボキシル基やヒドロ
キシル基により、無機塩を主剤として構成された薬剤
を、有効に塩として生成させ、無機塩の金属腐食性を著
しく低下させることができると推定されるためである。
【0100】また、この発明の凍結防止方法において、
好ましくは、無機塩を主剤として構成された薬剤100
重量部に対して、ハーブ抽出液(ハーブエキス)を、
0.1〜50重量部の範囲内となるように、路面に散布
してあることが良い。
好ましくは、無機塩を主剤として構成された薬剤100
重量部に対して、ハーブ抽出液(ハーブエキス)を、
0.1〜50重量部の範囲内となるように、路面に散布
してあることが良い。
【0101】このような範囲にハーブ抽出液(ハーブエ
キス)の散布量を制御することにより、無機塩の金属腐
食性を、少なからず低下させ、所定の融氷効果を得るこ
とができるためである。
キス)の散布量を制御することにより、無機塩の金属腐
食性を、少なからず低下させ、所定の融氷効果を得るこ
とができるためである。
【0102】また、ハーブ抽出液(ハーブエキス)の散
布量がこのような範囲でれば、薬剤とハーブ抽出液(ハ
ーブエキス)を予め混合する場合でも、それ程困難とな
らないためである。
布量がこのような範囲でれば、薬剤とハーブ抽出液(ハ
ーブエキス)を予め混合する場合でも、それ程困難とな
らないためである。
【0103】よって、無機塩についての金属腐食性の低
下、および無機塩とハーブ抽出液(ハーブエキス)の混
合性のバランスがより良好な観点から、より好ましく
は、無機塩を主剤として構成された薬剤100重量部に
対して、ハーブ抽出液(ハーブエキス)を、0.5〜1
0重量部の範囲内、最適には、1.0〜5.0重量部の
範囲内で、路面に散布することが良い。
下、および無機塩とハーブ抽出液(ハーブエキス)の混
合性のバランスがより良好な観点から、より好ましく
は、無機塩を主剤として構成された薬剤100重量部に
対して、ハーブ抽出液(ハーブエキス)を、0.5〜1
0重量部の範囲内、最適には、1.0〜5.0重量部の
範囲内で、路面に散布することが良い。
【0104】また、この発明の凍結防止方法において、
好ましくは、無機塩を主剤として構成された薬剤100
重量部に対して、金属腐食防止剤を、0.1〜50重量
部の範囲内となるように、路面に散布、あるいは金属腐
食防止剤を、ハーブ抽出液(ハーブエキス)等と、予め
混合後、路面に散布することが良い。
好ましくは、無機塩を主剤として構成された薬剤100
重量部に対して、金属腐食防止剤を、0.1〜50重量
部の範囲内となるように、路面に散布、あるいは金属腐
食防止剤を、ハーブ抽出液(ハーブエキス)等と、予め
混合後、路面に散布することが良い。
【0105】もちろん、ハーブ抽出液(ハーブエキス)
を、無機塩を主剤として構成された薬剤とともに散布す
ることにより、かかる薬剤の、融氷効果や凍結防止効果
を維持したまま、著しい無機塩の金属腐食性の低下効果
が得られる。しかしながら、さらに優れた金属腐食性の
低下効果を得たいような場合には、金属腐食防止剤を、
0.1〜50重量部の範囲内となるように、金属腐食防
止剤を、ハーブ抽出液(ハーブエキス)等と、予め混合
後、散布することが良い。
を、無機塩を主剤として構成された薬剤とともに散布す
ることにより、かかる薬剤の、融氷効果や凍結防止効果
を維持したまま、著しい無機塩の金属腐食性の低下効果
が得られる。しかしながら、さらに優れた金属腐食性の
低下効果を得たいような場合には、金属腐食防止剤を、
0.1〜50重量部の範囲内となるように、金属腐食防
止剤を、ハーブ抽出液(ハーブエキス)等と、予め混合
後、散布することが良い。
【0106】なお、使用する金属腐食防止剤の例として
は、従来公知のものが使用できるが、例えば、カルボン
酸、カルボン酸エステル、リグニンスルフォン酸、亜硝
酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム等の化合物が好ま
しい。
は、従来公知のものが使用できるが、例えば、カルボン
酸、カルボン酸エステル、リグニンスルフォン酸、亜硝
酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム等の化合物が好ま
しい。
【0107】また、この発明の凍結防止方法において、
好ましくは、使用する無機塩を主剤として構成された薬
剤100重量部に対して、水、アルコール類およびエー
テル類から選択されるいずれか1種または2種以上の溶
剤(希釈剤とも称する。)を、10〜10、000重量
部の範囲内で添加してあることが良い。
好ましくは、使用する無機塩を主剤として構成された薬
剤100重量部に対して、水、アルコール類およびエー
テル類から選択されるいずれか1種または2種以上の溶
剤(希釈剤とも称する。)を、10〜10、000重量
部の範囲内で添加してあることが良い。
【0108】このように、水、アルコール類およびエー
テル類から選択されるいずれか1種または2種以上の溶
剤を所定量添加することにより、使用する無機塩を主剤
として構成された薬剤を液状または粘調体とすることが
できる。したがって、薬剤の使い勝手(散布性)が良く
なり、また、ハーブ抽出液(ハーブエキス)の、無機塩
に対する混合性も、より良好となるためである。
テル類から選択されるいずれか1種または2種以上の溶
剤を所定量添加することにより、使用する無機塩を主剤
として構成された薬剤を液状または粘調体とすることが
できる。したがって、薬剤の使い勝手(散布性)が良く
なり、また、ハーブ抽出液(ハーブエキス)の、無機塩
に対する混合性も、より良好となるためである。
【0109】
1.実施例1 (凍結防止方法の実施)この発明の凍結防止方法を以下
のように実施した。まず、市販の、原塩(塩化ナトリウ
ム95%以上、日本たばこ産業製)を粉砕器を用いて粉
砕し、直径約1mmの粉砕塩を、約20kg用意した。
のように実施した。まず、市販の、原塩(塩化ナトリウ
ム95%以上、日本たばこ産業製)を粉砕器を用いて粉
砕し、直径約1mmの粉砕塩を、約20kg用意した。
【0110】次に、ミント類、バジル類、マジョラム、
タイムから抽出したハーブ抽出液(ハーブエキス)を、
添加比率が同一となるように、それぞれ同量ずつ容器内
で混合して、約200gのハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)を作成した。
タイムから抽出したハーブ抽出液(ハーブエキス)を、
添加比率が同一となるように、それぞれ同量ずつ容器内
で混合して、約200gのハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)を作成した。
【0111】それから、−5℃の冷凍庫の中に、鉄筋入
りのアスファルト道路の模型(面積1m×1m)を設
け、−5℃の温度に保持した。
りのアスファルト道路の模型(面積1m×1m)を設
け、−5℃の温度に保持した。
【0112】なお、このアスファルト道路上には、予
め、水を散布し、道路表面に、厚さ20mmの氷を形成
しておいた。そして、アスファルト道路表面、すなわ
ち、この表面と氷の間には、温度センサ(タイプT熱電
対)を取り付けておいた。
め、水を散布し、道路表面に、厚さ20mmの氷を形成
しておいた。そして、アスファルト道路表面、すなわ
ち、この表面と氷の間には、温度センサ(タイプT熱電
対)を取り付けておいた。
【0113】それから、上記塩化ナトリウムの粉砕塩
を、−5℃の温度に保持されたアスファルト道路上に、
スコップを用いて散布した。そして、その上から、上記
ハーブ抽出液(ハーブエキス)を、霧状に粉砕塩に対し
て振りかけながら散布した。なお、塩化ナトリウムの粉
砕塩100重量部に対して、ハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)が1重量部の割合となるように散布した。
を、−5℃の温度に保持されたアスファルト道路上に、
スコップを用いて散布した。そして、その上から、上記
ハーブ抽出液(ハーブエキス)を、霧状に粉砕塩に対し
て振りかけながら散布した。なお、塩化ナトリウムの粉
砕塩100重量部に対して、ハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)が1重量部の割合となるように散布した。
【0114】なお、この発明に使用したハーブ抽出液
(ハーブエキス)の赤外分光分析を、予め赤外分光光度
計を用いて行った。すなわち、ハーブ抽出液(ハーブエ
キス)を、蒸発用ガラス容器に入れて、70℃、10時
間の条件で、オーブン中で加熱し、粗製物(クルード)
を作成した。そして、さらに、この粗製物(クルード)
を、同容器中に入れたまま、40℃、5時間、減圧下
(約100mmHg)で加熱し、ハーブ抽出液から水分
を完全に除去して、ハーブ抽出物とした。
(ハーブエキス)の赤外分光分析を、予め赤外分光光度
計を用いて行った。すなわち、ハーブ抽出液(ハーブエ
キス)を、蒸発用ガラス容器に入れて、70℃、10時
間の条件で、オーブン中で加熱し、粗製物(クルード)
を作成した。そして、さらに、この粗製物(クルード)
を、同容器中に入れたまま、40℃、5時間、減圧下
(約100mmHg)で加熱し、ハーブ抽出液から水分
を完全に除去して、ハーブ抽出物とした。
【0115】それから、臭化カリウム(KBr)の粉末
とこのハーブ抽出物を、乳鉢中で十分に混合し(ハーブ
抽出物約0.1重量%)、その後、圧縮機械を用いて、
100kg/cm2 の圧力下で、錠剤型のハーブ抽出物
入りKBrディスク(直径約8mm、厚さ約1mm)を
作成した。そして、日本分光(株)製の、赤外分光光度
計(A302)を用いて、ハーブ抽出物入りKBrディ
スクの赤外分光光度を測定した。得られた赤外分光チャ
ートを、図1に示す。この赤外分光チャートにおいて
は、横軸に、波長(cm-1)が取ってあり、縦軸には、
赤外吸収強度(相対値)が取ってある。
とこのハーブ抽出物を、乳鉢中で十分に混合し(ハーブ
抽出物約0.1重量%)、その後、圧縮機械を用いて、
100kg/cm2 の圧力下で、錠剤型のハーブ抽出物
入りKBrディスク(直径約8mm、厚さ約1mm)を
作成した。そして、日本分光(株)製の、赤外分光光度
計(A302)を用いて、ハーブ抽出物入りKBrディ
スクの赤外分光光度を測定した。得られた赤外分光チャ
ートを、図1に示す。この赤外分光チャートにおいて
は、横軸に、波長(cm-1)が取ってあり、縦軸には、
赤外吸収強度(相対値)が取ってある。
【0116】この結果から、明らかなように、波長36
50〜3000(cm-1)領域に、ブロードなヒドロキ
シル基に帰属すると思われる波長ピークが観察された。
よって、このハーブ抽出物は、比較的多量のヒドロキシ
ル基を有していることが推定される。
50〜3000(cm-1)領域に、ブロードなヒドロキ
シル基に帰属すると思われる波長ピークが観察された。
よって、このハーブ抽出物は、比較的多量のヒドロキシ
ル基を有していることが推定される。
【0117】また、波長1550(cm-1)および14
10(cm-1)付近に波長ピークが、それぞれ観察され
た。したがって、これらのピーク位置関係から、これら
の波長ピークは、カルボキシレート(−COO−)に帰
属するものと思われる。すなわち、ハーブ抽出物は、比
較的多量のカルボキシレートを有していることが推定さ
れる。
10(cm-1)付近に波長ピークが、それぞれ観察され
た。したがって、これらのピーク位置関係から、これら
の波長ピークは、カルボキシレート(−COO−)に帰
属するものと思われる。すなわち、ハーブ抽出物は、比
較的多量のカルボキシレートを有していることが推定さ
れる。
【0118】よって、以上の赤外分光分析から、ハーブ
抽出物は、少なくともヒドロキシル基およびカルボキシ
レートを分子内に有していることが推認された。但し、
ハーブ抽出物は、数種類の化合物の混合物であり、一つ
の分子内にヒドロキシル基およびカルボキシレートを両
方有しているかはこのデータからは判断できない。
抽出物は、少なくともヒドロキシル基およびカルボキシ
レートを分子内に有していることが推認された。但し、
ハーブ抽出物は、数種類の化合物の混合物であり、一つ
の分子内にヒドロキシル基およびカルボキシレートを両
方有しているかはこのデータからは判断できない。
【0119】また、この赤外分光分析においては、事前
に、ハーブ抽出物の分取をしていない。したがって、仮
に分取した後に赤外分光分析を行えば、波長3650〜
3000(cm-1)領域、波長1550(cm-1)およ
び1410(cm-1)付近以外に、波長ピークを有して
いることは、十分可能性がある。
に、ハーブ抽出物の分取をしていない。したがって、仮
に分取した後に赤外分光分析を行えば、波長3650〜
3000(cm-1)領域、波長1550(cm-1)およ
び1410(cm-1)付近以外に、波長ピークを有して
いることは、十分可能性がある。
【0120】(凍結防止方法による施行の評価) (1)凍結防止(融氷)試験 図2および図3に、実施例1の凍結防止方法により、凍
結防止剤を散布し、そして、凍結防止(融氷)試験を実
施した結果を示す。なお、この凍結防止(融氷)試験
は、試験温度、すなわち、冷凍庫の雰囲気温度である−
5(℃)のままで行い、アスファルト道路上の氷の厚さ
から、融氷量を算出した。氷の融氷量の測定結果を、実
線で図2に示す。
結防止剤を散布し、そして、凍結防止(融氷)試験を実
施した結果を示す。なお、この凍結防止(融氷)試験
は、試験温度、すなわち、冷凍庫の雰囲気温度である−
5(℃)のままで行い、アスファルト道路上の氷の厚さ
から、融氷量を算出した。氷の融氷量の測定結果を、実
線で図2に示す。
【0121】また、同様に、試験温度、すなわち、冷凍
庫の雰囲気温度を−10(℃)で行い、その場合の氷の
融氷量の測定結果も、実線で、図3に示す。なお、図2
および図3において、横軸には、経過時間(分)を取っ
てあり、縦軸には、氷の融氷量(%)を取ってある。
庫の雰囲気温度を−10(℃)で行い、その場合の氷の
融氷量の測定結果も、実線で、図3に示す。なお、図2
および図3において、横軸には、経過時間(分)を取っ
てあり、縦軸には、氷の融氷量(%)を取ってある。
【0122】そして、図2から理解できるように、試験
温度が−5(℃)の条件で、実施例1の凍結防止方法に
よれば、60分以内で、約45%程度の氷を融解させる
ことができた。
温度が−5(℃)の条件で、実施例1の凍結防止方法に
よれば、60分以内で、約45%程度の氷を融解させる
ことができた。
【0123】また、比較のために、従来の凍結防止方法
(比較例1)として、塩化ナトリウム(塩化ナトリウム
95%以上の日本たばこ産業製の原塩を、粉砕器を用い
て直径約1mmとした粉砕塩)を散布して、同様の条件
で試験を行った結果を、図2に点線で示してある。
(比較例1)として、塩化ナトリウム(塩化ナトリウム
95%以上の日本たばこ産業製の原塩を、粉砕器を用い
て直径約1mmとした粉砕塩)を散布して、同様の条件
で試験を行った結果を、図2に点線で示してある。
【0124】その結果、この塩化ナトリウム単体を散布
した場合の結果を示す点線と、実施例1の方法による結
果を示す実線とは、ほぼ一致している。よって、この発
明の凍結防止方法は、凍結防止剤としての塩化ナトリウ
ム単体を散布した場合の方法と、同様の初期的な融氷性
能を有していることが確認された。
した場合の結果を示す点線と、実施例1の方法による結
果を示す実線とは、ほぼ一致している。よって、この発
明の凍結防止方法は、凍結防止剤としての塩化ナトリウ
ム単体を散布した場合の方法と、同様の初期的な融氷性
能を有していることが確認された。
【0125】そして、実施例1の方法において、約60
〜160分の時間の経過とともに、緩やかな傾きで、直
線的に氷の融氷量(%)が増加した。例えば、経過時間
60分で、約45(%)の氷の融解量を示し、経過時間
約160分で、約75(%)の氷の融解量であった。
〜160分の時間の経過とともに、緩やかな傾きで、直
線的に氷の融氷量(%)が増加した。例えば、経過時間
60分で、約45(%)の氷の融解量を示し、経過時間
約160分で、約75(%)の氷の融解量であった。
【0126】そして、また、比較例1の塩化ナトリウム
単体を散布した場合の結果を示す点線と、実施例1の方
法による結果を示す実線とは、この経過時間の範囲内で
も、ほぼ重なっている。
単体を散布した場合の結果を示す点線と、実施例1の方
法による結果を示す実線とは、この経過時間の範囲内で
も、ほぼ重なっている。
【0127】よって、この発明の凍結防止方法は、凍結
防止剤としての塩化ナトリウム単体を散布した場合と同
様の、経時における融氷性能も有していることが確認さ
れた。
防止剤としての塩化ナトリウム単体を散布した場合と同
様の、経時における融氷性能も有していることが確認さ
れた。
【0128】また、試験温度、すなわち、雰囲気温度を
−10(℃)の条件で行なった場合には、図3から理解
できるように、この実施例1の凍結防止方法において、
60分以内に、約35%程度の氷を融解させることがで
きた。したがって、この試験温度が−10(℃)の場合
の氷の融解量は、試験温度が−5(℃)の場合の約78
%に低下していた。
−10(℃)の条件で行なった場合には、図3から理解
できるように、この実施例1の凍結防止方法において、
60分以内に、約35%程度の氷を融解させることがで
きた。したがって、この試験温度が−10(℃)の場合
の氷の融解量は、試験温度が−5(℃)の場合の約78
%に低下していた。
【0129】但し、試験温度が−10(℃)の場合にも
比較のために、比較例1として、塩化ナトリウムの単体
を散布して、同様の条件で試験を行ったが、同様に、氷
の融解量は−5(℃)の場合の約78%に低下してい
た。
比較のために、比較例1として、塩化ナトリウムの単体
を散布して、同様の条件で試験を行ったが、同様に、氷
の融解量は−5(℃)の場合の約78%に低下してい
た。
【0130】すなわち、試験温度が−10(℃)の条件
において、実施例1の凍結防止方法と、比較例1の従来
の塩化ナトリウム単体を散布した方法とで、同様の凍結
防止(融氷)性能を示すことが確認された。
において、実施例1の凍結防止方法と、比較例1の従来
の塩化ナトリウム単体を散布した方法とで、同様の凍結
防止(融氷)性能を示すことが確認された。
【0131】そして、実施例1の凍結防止方法におい
て、その後、約60〜160分の時間が経過する間、ほ
ぼ緩やかな直線として、氷の融氷量(%)が増加した。
例えば、経過時間60分で、約30(%)の氷の融解量
を示し、経過時間160分で、約50(%)の氷の融解
量を示した。
て、その後、約60〜160分の時間が経過する間、ほ
ぼ緩やかな直線として、氷の融氷量(%)が増加した。
例えば、経過時間60分で、約30(%)の氷の融解量
を示し、経過時間160分で、約50(%)の氷の融解
量を示した。
【0132】そしてまた、比較例1の塩化ナトリウム単
体を散布した場合もまた、試験温度が−10(℃)の条
件において、約60〜160分の時間が経過する間、こ
の発明の実施例1の方法と同様の、氷の融解量に関して
の経時変化を示した。
体を散布した場合もまた、試験温度が−10(℃)の条
件において、約60〜160分の時間が経過する間、こ
の発明の実施例1の方法と同様の、氷の融解量に関して
の経時変化を示した。
【0133】したがって、約60〜160分の時間の範
囲内でも、実施例1の結果を示す実線と、比較例1の塩
化ナトリウム単体の結果を示す点線とは、ほぼ重なって
いた。
囲内でも、実施例1の結果を示す実線と、比較例1の塩
化ナトリウム単体の結果を示す点線とは、ほぼ重なって
いた。
【0134】よって、試験温度が−10(℃)の条件で
も、初期ばかりでなく、経時においても、この発明の実
施例1の方法と、比較例1の塩化ナトリウム単体を散布
した方法とで、同様の凍結防止(融氷)性能を示すこと
が確認された。
も、初期ばかりでなく、経時においても、この発明の実
施例1の方法と、比較例1の塩化ナトリウム単体を散布
した方法とで、同様の凍結防止(融氷)性能を示すこと
が確認された。
【0135】なお、経験的に、塩化ナトリウム単体と同
様の凍結防止(融氷)性能であれば、その凍結防止方法
(使用方法)としては、実用上、十分優れていると言え
る。
様の凍結防止(融氷)性能であれば、その凍結防止方法
(使用方法)としては、実用上、十分優れていると言え
る。
【0136】(2)金属腐食性試験 上記凍結防止方法で、アスファルト道路上に散布された
塩化ナトリウムとハーブ抽出液(ハーブエキス)を一部
回収した(回収塩化ナトリウム/ハーブ1%品と称す
る。)。そして、この回収塩化ナトリウム/ハーブ1%
品10gに対して、イオン交換水を323g添加し、3
%濃度の、回収塩化ナトリウム/ハーブ1%品の水溶液
を作成した。
塩化ナトリウムとハーブ抽出液(ハーブエキス)を一部
回収した(回収塩化ナトリウム/ハーブ1%品と称す
る。)。そして、この回収塩化ナトリウム/ハーブ1%
品10gに対して、イオン交換水を323g添加し、3
%濃度の、回収塩化ナトリウム/ハーブ1%品の水溶液
を作成した。
【0137】それから、この回収塩化ナトリウム/ハー
ブ1%品の水溶液に、あらかじめ酸を用いて表面を磨い
た後、アルコールで脱脂した金属(鉄)片(6.68c
m×9.96cm×0.2cm)を、7日間浸した。そ
して、8日目(7日間経過)に、金属(鉄)片を、この
凍結防止剤の水溶液から取り出し、この金属(鉄)片の
金属腐食部を、酸により洗浄して除去した。
ブ1%品の水溶液に、あらかじめ酸を用いて表面を磨い
た後、アルコールで脱脂した金属(鉄)片(6.68c
m×9.96cm×0.2cm)を、7日間浸した。そ
して、8日目(7日間経過)に、金属(鉄)片を、この
凍結防止剤の水溶液から取り出し、この金属(鉄)片の
金属腐食部を、酸により洗浄して除去した。
【0138】そして、また、この金属(鉄)片の重量
と、この凍結防止剤から構成される水溶液に浸漬前の金
属(鉄)片の重量とから、1日あたりの金属腐食速度を
求めた(mdd:mg/dm2 /day)。その結果
を、表1に示す。
と、この凍結防止剤から構成される水溶液に浸漬前の金
属(鉄)片の重量とから、1日あたりの金属腐食速度を
求めた(mdd:mg/dm2 /day)。その結果
を、表1に示す。
【0139】結果から、明らかなように、この発明の凍
結防止方法で散布して、回収した凍結防止剤、すなわ
ち、回収塩化ナトリウム/ハーブ1%品についての、1
日あたりの金属腐食速度は、0.08mddという極め
て低い値を示した。
結防止方法で散布して、回収した凍結防止剤、すなわ
ち、回収塩化ナトリウム/ハーブ1%品についての、1
日あたりの金属腐食速度は、0.08mddという極め
て低い値を示した。
【0140】また、同時期、同条件で測定した、比較例
1のハーブ抽出液(ハーブエキス)を散布しない場合す
なわち、塩化ナトリウムの粉砕塩を単独で散布して、回
収した塩化ナトリウム(回収塩化ナトリウム品と称す
る。)についての、1日あたりの金属腐食速度は、約4
7.0mddとなった。すなわち、回収塩化ナトリウム
品は、この発明の凍結防止方法による回収塩化ナトリウ
ム/ハーブ1%品と比較して、約580倍という極めて
高い金属腐食性を示した。
1のハーブ抽出液(ハーブエキス)を散布しない場合す
なわち、塩化ナトリウムの粉砕塩を単独で散布して、回
収した塩化ナトリウム(回収塩化ナトリウム品と称す
る。)についての、1日あたりの金属腐食速度は、約4
7.0mddとなった。すなわち、回収塩化ナトリウム
品は、この発明の凍結防止方法による回収塩化ナトリウ
ム/ハーブ1%品と比較して、約580倍という極めて
高い金属腐食性を示した。
【0141】さらに、同時期、同条件で測定した、比較
例3においてはCMA、比較例4においてはKACをそ
のまま散布した場合であって、それぞれ、一部を回収し
た場合(回収CMAおよび回収KAC)の凍結防止剤に
ついて、1日あたりの金属腐食速度は、それぞれ、約
0.3mdd、約0.2mddとなった。すなわち、こ
れらの従来の凍結防止方法で散布して、回収した場合の
凍結防止剤についての金属腐食性は、この発明の凍結防
止方法による場合と、ほぼ同等か、やや高い傾向を呈し
ていた。
例3においてはCMA、比較例4においてはKACをそ
のまま散布した場合であって、それぞれ、一部を回収し
た場合(回収CMAおよび回収KAC)の凍結防止剤に
ついて、1日あたりの金属腐食速度は、それぞれ、約
0.3mdd、約0.2mddとなった。すなわち、こ
れらの従来の凍結防止方法で散布して、回収した場合の
凍結防止剤についての金属腐食性は、この発明の凍結防
止方法による場合と、ほぼ同等か、やや高い傾向を呈し
ていた。
【0142】なお、1日あたりの金属腐食速度が、10
mdd以下であれば、経験上、いわゆる塩害、例えば、
凍結防止方法が施こされた道路上を走行する自動車のボ
デイ等を金属腐食させる程度が低いといわれている。
mdd以下であれば、経験上、いわゆる塩害、例えば、
凍結防止方法が施こされた道路上を走行する自動車のボ
デイ等を金属腐食させる程度が低いといわれている。
【0143】よって、この発明の回収塩化ナトリウム/
ハーブ1%品の、かかる1日あたりの金属腐食速度は、
それ以下であり、この発明の凍結防止方法は、きわめて
少量(約1%)のハーブ抽出液(ハーブエキス)の散布
により、塩化ナトリウムに起因した金属腐食性を著しく
低下させることが確認された。したがって、この発明の
凍結防止方法によれば、実用上も優れた、金属非腐食性
を呈することが十分予想される。
ハーブ1%品の、かかる1日あたりの金属腐食速度は、
それ以下であり、この発明の凍結防止方法は、きわめて
少量(約1%)のハーブ抽出液(ハーブエキス)の散布
により、塩化ナトリウムに起因した金属腐食性を著しく
低下させることが確認された。したがって、この発明の
凍結防止方法によれば、実用上も優れた、金属非腐食性
を呈することが十分予想される。
【0144】
【表1】
【0145】(3)凍結試験 凍結防止剤においては、凍結防止(融氷)効果のほか
に、凍結防止剤による凍結防止効果も求められる。すな
わち、散布された凍結防止剤が、融解した水に溶けた場
合であって、長期間そのまま凍らないことが望まれる。
に、凍結防止剤による凍結防止効果も求められる。すな
わち、散布された凍結防止剤が、融解した水に溶けた場
合であって、長期間そのまま凍らないことが望まれる。
【0146】そのため、上記凍結防止方法で、アスファ
ルト道路上に散布された塩化ナトリウムとハーブ抽出液
(ハーブエキス)を一部回収し(回収塩化ナトリウム/
ハーブ1%品)、凍結試験に供した。そして、この回収
塩化ナトリウム/ハーブ1%品の濃度が、約2.7mo
l/kgになるように、100gの水に対して、この回
収塩化ナトリウム/ハーブ1%品を7.9gを溶解さ
せ、水溶液を作成した。
ルト道路上に散布された塩化ナトリウムとハーブ抽出液
(ハーブエキス)を一部回収し(回収塩化ナトリウム/
ハーブ1%品)、凍結試験に供した。そして、この回収
塩化ナトリウム/ハーブ1%品の濃度が、約2.7mo
l/kgになるように、100gの水に対して、この回
収塩化ナトリウム/ハーブ1%品を7.9gを溶解さ
せ、水溶液を作成した。
【0147】そして、この回収塩化ナトリウム/ハーブ
1%品の水溶液20gをシャーレ(直径58mm×深さ
10mm)に入れ、−5℃、−7℃、−15℃、−20
℃の温度雰囲気の冷凍庫に放置した。それから、10
分、30分、60分、180分経過した後の、凍結防止
剤の溶液状態を、以下の基準で、目視にて判断した。こ
の測定結果を、表2に示す。
1%品の水溶液20gをシャーレ(直径58mm×深さ
10mm)に入れ、−5℃、−7℃、−15℃、−20
℃の温度雰囲気の冷凍庫に放置した。それから、10
分、30分、60分、180分経過した後の、凍結防止
剤の溶液状態を、以下の基準で、目視にて判断した。こ
の測定結果を、表2に示す。
【0148】(凍結試験の判断基準) 良:未凍結 可:シャーベット状または一部凍結 不可:凍結 表2および表3に示す結果から容易に理解できるよう
に、この発明の回収塩化ナトリウム/ハーブ1%品の水
溶液は、試験温度が高い場合(−5℃、−7℃、−15
℃)には、180分経過した後でも凍結することはなか
った。但し、−20℃の極低温雰囲気では、30分経過
するまでは、凍結することはなかったが、60分経過後
に凍結現象が見られた(表2)。
に、この発明の回収塩化ナトリウム/ハーブ1%品の水
溶液は、試験温度が高い場合(−5℃、−7℃、−15
℃)には、180分経過した後でも凍結することはなか
った。但し、−20℃の極低温雰囲気では、30分経過
するまでは、凍結することはなかったが、60分経過後
に凍結現象が見られた(表2)。
【0149】また、同時期に、同条件で試験した、比較
例1における回収塩化ナトリウムの水溶液についても、
試験温度が高い場合には(−5℃、−7℃、−15
℃)、180分経過した後でも、凍結することなく、一
方、−20℃の極低温雰囲気では、30分経過するまで
は、凍結することはなかったが、60分経過後に凍結現
象が見られた(表3)。
例1における回収塩化ナトリウムの水溶液についても、
試験温度が高い場合には(−5℃、−7℃、−15
℃)、180分経過した後でも、凍結することなく、一
方、−20℃の極低温雰囲気では、30分経過するまで
は、凍結することはなかったが、60分経過後に凍結現
象が見られた(表3)。
【0150】すなわち、この凍結試験の傾向は、実施例
1における回収塩化ナトリウム/ハーブ1%品と、比較
例1における回収塩化ナトリウム品とは、完全に一致し
ていることが確認された。
1における回収塩化ナトリウム/ハーブ1%品と、比較
例1における回収塩化ナトリウム品とは、完全に一致し
ていることが確認された。
【0151】よって、この発明の凍結防止方法につい
て、既に説明した金属腐食性および、後に説明する植生
への影響をのぞいた他の特性、例えば、この凍結試験性
や、既に説明した凍結防止(融氷)試験性につき、従来
の凍結防止方法と同様の特性を有していることが確認さ
れた。
て、既に説明した金属腐食性および、後に説明する植生
への影響をのぞいた他の特性、例えば、この凍結試験性
や、既に説明した凍結防止(融氷)試験性につき、従来
の凍結防止方法と同様の特性を有していることが確認さ
れた。
【0152】なお、従来の凍結防止方法により散布され
て、回収された凍結防止剤としての回収塩化カルシウム
(比較例2)の水溶液や、同様に回収尿素(比較例5)
の水溶液あるいは、回収KAC(比較例3)の水溶液に
ついても、同時期に、同条件で試験した。結果を、表3
に示す。
て、回収された凍結防止剤としての回収塩化カルシウム
(比較例2)の水溶液や、同様に回収尿素(比較例5)
の水溶液あるいは、回収KAC(比較例3)の水溶液に
ついても、同時期に、同条件で試験した。結果を、表3
に示す。
【0153】結果から明らかなように、試験温度が高い
場合には(−5℃、−7℃、−15℃)、180分経過
した後でも、凍結することなく、一方で、−20℃の極
低温雰囲気では、60分経過後に、凍結現象が初めて見
られた。
場合には(−5℃、−7℃、−15℃)、180分経過
した後でも、凍結することなく、一方で、−20℃の極
低温雰囲気では、60分経過後に、凍結現象が初めて見
られた。
【0154】よって、この発明の回収塩化ナトリウム/
ハーブ1%品は、従来の凍結防止方法により散布されて
回収された、回収塩化カルシウム、回収尿素、および回
収KACと、同様の凍結試験性を有していることが確認
された。但し、従来の凍結防止方法により散布されて回
収された、凍結防止剤としての回収CMAの水溶液(比
較例4)については、−20℃の極低温雰囲気で、60
分(1時間)経過後でも、水溶液は未凍結であった。
ハーブ1%品は、従来の凍結防止方法により散布されて
回収された、回収塩化カルシウム、回収尿素、および回
収KACと、同様の凍結試験性を有していることが確認
された。但し、従来の凍結防止方法により散布されて回
収された、凍結防止剤としての回収CMAの水溶液(比
較例4)については、−20℃の極低温雰囲気で、60
分(1時間)経過後でも、水溶液は未凍結であった。
【0155】
【表2】
【0156】
【表3】
【0157】
【表4】
【0158】(4)植物に対する影響試験 上記(2)の金属腐食性試験と同様に、アスファルト道
路上に散布された塩化ナトリウムとハーブ抽出液(ハー
ブエキス)を、回収塩化ナトリウム/ハーブ1%品とし
て回収した。そして、この回収塩化ナトリウム/ハーブ
1%品10gに対して、イオン交換水を323g添加
し、3%濃度の、回収した凍結防止剤(混合物)から構
成される水溶液を作成した。
路上に散布された塩化ナトリウムとハーブ抽出液(ハー
ブエキス)を、回収塩化ナトリウム/ハーブ1%品とし
て回収した。そして、この回収塩化ナトリウム/ハーブ
1%品10gに対して、イオン交換水を323g添加
し、3%濃度の、回収した凍結防止剤(混合物)から構
成される水溶液を作成した。
【0159】そして、この水溶液を入れた容器に、水仙
の花をさして、室温に放置し、水仙の花の状態を目視で
観察した。その結果を表4に示す。
の花をさして、室温に放置し、水仙の花の状態を目視で
観察した。その結果を表4に示す。
【0160】結果から明らかなように、この発明の凍結
防止方法により散布して、回収塩化ナトリウム/ハーブ
1%品の水溶液を用いた場合には、水仙の花は、22時
間経過後も、しおれることはなかった。そして、比較の
ために、ハーブ抽出物(ハーブエキス)を添加しない
系、すなわち、比較例1の塩化ナトリウム単体を散布し
た場合について、同様の試験を実施したところ、22時
間経過後には、水仙の花は、しおれて茎から折れまがっ
てしまった。
防止方法により散布して、回収塩化ナトリウム/ハーブ
1%品の水溶液を用いた場合には、水仙の花は、22時
間経過後も、しおれることはなかった。そして、比較の
ために、ハーブ抽出物(ハーブエキス)を添加しない
系、すなわち、比較例1の塩化ナトリウム単体を散布し
た場合について、同様の試験を実施したところ、22時
間経過後には、水仙の花は、しおれて茎から折れまがっ
てしまった。
【0161】よって、この発明の凍結防止方法につい
て、植物に対する影響が少ないことが確認された。
て、植物に対する影響が少ないことが確認された。
【0162】2.実施例2〜3 (凍結防止方法の実施)実施例1と同様に、実施例2お
よび実施例3の凍結防止方法を以下のように実施した。
まず、市販の、原塩(塩化ナトリウム95%以上、日本
たばこ産業製)を粉砕器を用いて粉砕し、直径約1mm
の粉砕塩を、約20kg用意した。次に、ハーブ抽出液
(ハーブエキス)を、同様に約200g用意した。そし
て、−5℃の冷凍庫の中に、鉄筋入りのアスファルト道
路の模型(面積1m×1m)を設け、−5℃の温度に保
持した。
よび実施例3の凍結防止方法を以下のように実施した。
まず、市販の、原塩(塩化ナトリウム95%以上、日本
たばこ産業製)を粉砕器を用いて粉砕し、直径約1mm
の粉砕塩を、約20kg用意した。次に、ハーブ抽出液
(ハーブエキス)を、同様に約200g用意した。そし
て、−5℃の冷凍庫の中に、鉄筋入りのアスファルト道
路の模型(面積1m×1m)を設け、−5℃の温度に保
持した。
【0163】なお、このアスファルト道路上には、実施
例1と同様に、予め水を散布し、道路表面に、厚さ20
mmの氷を形成しておいた。そして、アスファルト道路
表面、すなわち、この表面と氷の間には、温度センサ
(タイプT熱電対)を取り付けておいた。
例1と同様に、予め水を散布し、道路表面に、厚さ20
mmの氷を形成しておいた。そして、アスファルト道路
表面、すなわち、この表面と氷の間には、温度センサ
(タイプT熱電対)を取り付けておいた。
【0164】それから、上記塩化ナトリウムの粉砕塩
を、−5℃の温度に保持されたアスファルト道路上に、
スコップを用いて散布した。そして、その上から、上記
ハーブ抽出液(ハーブエキス)を、霧状に粉砕塩に対し
て振りかけながら散布した。なお、塩化ナトリウムの粉
砕塩100重量部に対して、実施例2ではハーブ抽出液
(ハーブエキス)を3重量部の割合、実施例3ではハー
ブ抽出液(ハーブエキス)を5重量部の割合となるよう
に散布した。
を、−5℃の温度に保持されたアスファルト道路上に、
スコップを用いて散布した。そして、その上から、上記
ハーブ抽出液(ハーブエキス)を、霧状に粉砕塩に対し
て振りかけながら散布した。なお、塩化ナトリウムの粉
砕塩100重量部に対して、実施例2ではハーブ抽出液
(ハーブエキス)を3重量部の割合、実施例3ではハー
ブ抽出液(ハーブエキス)を5重量部の割合となるよう
に散布した。
【0165】(凍結防止方法による施行の評価) (1)凍結防止(融氷)試験 実施例2および実施例3の凍結防止方法についても、そ
れぞれ、実施例1と同様に、凍結防止(融氷)試験を実
施した。すなわち、この凍結防止(融氷)試験は、試験
温度、すなわち、冷凍庫の雰囲気温度である−5(℃)
のままで行い、アスファルト道路上の氷の厚さから、融
氷量を算出した。実施例2および実施例3の凍結防止方
法を施した場合の、氷の融氷量の測定結果を、それぞ
れ、実線で、図2に示す。
れぞれ、実施例1と同様に、凍結防止(融氷)試験を実
施した。すなわち、この凍結防止(融氷)試験は、試験
温度、すなわち、冷凍庫の雰囲気温度である−5(℃)
のままで行い、アスファルト道路上の氷の厚さから、融
氷量を算出した。実施例2および実施例3の凍結防止方
法を施した場合の、氷の融氷量の測定結果を、それぞ
れ、実線で、図2に示す。
【0166】また、同様に、試験温度、すなわち、冷凍
庫の雰囲気温度を−10(℃)に低下させて行い、実施
例2および実施例3の凍結防止方法による氷の融氷量の
測定結果を、それぞれ、実線で、図3に示す。
庫の雰囲気温度を−10(℃)に低下させて行い、実施
例2および実施例3の凍結防止方法による氷の融氷量の
測定結果を、それぞれ、実線で、図3に示す。
【0167】そして、実施例1と同様に、実施例2およ
び実施例3の凍結防止方法を施した場合には、試験温度
が−5(℃)の条件で、それぞれ60分以内に、約45
%程度の氷を融解させることができることが確認され
た。
び実施例3の凍結防止方法を施した場合には、試験温度
が−5(℃)の条件で、それぞれ60分以内に、約45
%程度の氷を融解させることができることが確認され
た。
【0168】そして、その後は、約60〜160分の時
間の経過とともに、ほぼ直線的に、氷の融氷量(%)が
増加し、それぞれ、例えば、経過時間10分で、約30
(%)の氷を融解量を示し、経過時間160分で、約7
5(%)の氷の融解量を示した。
間の経過とともに、ほぼ直線的に、氷の融氷量(%)が
増加し、それぞれ、例えば、経過時間10分で、約30
(%)の氷を融解量を示し、経過時間160分で、約7
5(%)の氷の融解量を示した。
【0169】すなわち、−5(℃)の条件で、実施例1
の凍結防止方法の結果と、実施例2および実施例3の凍
結防止方法の結果において、顕著な差は見られず、いず
れも優れた氷の融解量を示した。また、比較例1の塩化
ナトリウム単体を散布した場合とも顕著な差は見られな
かった。
の凍結防止方法の結果と、実施例2および実施例3の凍
結防止方法の結果において、顕著な差は見られず、いず
れも優れた氷の融解量を示した。また、比較例1の塩化
ナトリウム単体を散布した場合とも顕著な差は見られな
かった。
【0170】そして、この傾向は、−10(℃)の条件
でも同様であり、実施例2および実施例3の凍結防止方
法による結果と、実施例1の凍結防止方法の結果および
比較例1の塩化ナトリウム単体を散布した場合の結果と
も顕著な差は見られなかった。
でも同様であり、実施例2および実施例3の凍結防止方
法による結果と、実施例1の凍結防止方法の結果および
比較例1の塩化ナトリウム単体を散布した場合の結果と
も顕著な差は見られなかった。
【0171】よって、かかるハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)の散布量の範囲内では、ハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)の散布量にかかわらず、この発明の凍結防止方法に
よれば、優れた凍結防止(融氷)効果が得られることが
確認された。
ス)の散布量の範囲内では、ハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)の散布量にかかわらず、この発明の凍結防止方法に
よれば、優れた凍結防止(融氷)効果が得られることが
確認された。
【0172】(2)金属腐食性試験 上述したように、実施例2および実施例3の凍結防止方
法を実施し、アスファルト道路上に散布された塩化ナト
リウムとハーブ抽出液(ハーブエキス)を、それぞれ一
部回収した(以下、回収塩化ナトリウム/ハーブ3%品
および回収塩化ナトリウム/ハーブ5%品と称す
る。)。
法を実施し、アスファルト道路上に散布された塩化ナト
リウムとハーブ抽出液(ハーブエキス)を、それぞれ一
部回収した(以下、回収塩化ナトリウム/ハーブ3%品
および回収塩化ナトリウム/ハーブ5%品と称す
る。)。
【0173】そして、塩化ナトリウムとハーブ抽出液
(ハーブエキス)の混合物である、回収塩化ナトリウム
/ハーブ3%品および回収塩化ナトリウム/ハーブ5%
品10gに対して、それぞれイオン交換水を323g添
加し、3%濃度の凍結防止剤水溶液をそれぞれ作成し
た。
(ハーブエキス)の混合物である、回収塩化ナトリウム
/ハーブ3%品および回収塩化ナトリウム/ハーブ5%
品10gに対して、それぞれイオン交換水を323g添
加し、3%濃度の凍結防止剤水溶液をそれぞれ作成し
た。
【0174】それから、実施例1と同様に、これらの凍
結防止剤水溶液に、金属(鉄)片を、7日間浸し、重量
測定により、1日あたりの金属腐食速度を、それぞれ求
めた(mdd:mg/dm2 /day)。その結果を、
表1に示す。
結防止剤水溶液に、金属(鉄)片を、7日間浸し、重量
測定により、1日あたりの金属腐食速度を、それぞれ求
めた(mdd:mg/dm2 /day)。その結果を、
表1に示す。
【0175】結果から、明らかなように、回収塩化ナト
リウム/ハーブ3%品(実施例2)では、1日あたりの
金属腐食速度は0.17mdd、回収塩化ナトリウム/
ハーブ5%品(実施例3)では、1日あたりの金属腐食
速度は0.13mddとなり、それぞれ極めて低い値が
得られた。
リウム/ハーブ3%品(実施例2)では、1日あたりの
金属腐食速度は0.17mdd、回収塩化ナトリウム/
ハーブ5%品(実施例3)では、1日あたりの金属腐食
速度は0.13mddとなり、それぞれ極めて低い値が
得られた。
【0176】よって、この発明の実施例2および3の凍
結防止方法によれば、少量(約3%および5%)のハー
ブ抽出液(ハーブエキス)の散布により、凍結防止剤の
薬剤としての、塩化ナトリウムの金属腐食性を著しく低
下させることが確認された。
結防止方法によれば、少量(約3%および5%)のハー
ブ抽出液(ハーブエキス)の散布により、凍結防止剤の
薬剤としての、塩化ナトリウムの金属腐食性を著しく低
下させることが確認された。
【0177】(3)凍結試験 実施例2および実施例3における、回収塩化ナトリウム
/ハーブ3%品および回収塩化ナトリウム/ハーブ5%
品のそれぞれについても、実施例1と同様に、凍結試験
を実施した。
/ハーブ3%品および回収塩化ナトリウム/ハーブ5%
品のそれぞれについても、実施例1と同様に、凍結試験
を実施した。
【0178】すなわち、凍結防止剤水溶液の濃度が、約
2.7mol/kgになるように、100gの水に対し
て、この発明の回収塩化ナトリウム/ハーブ3%品およ
び回収塩化ナトリウム/ハーブ5%品を、それぞれ約
7.9g溶解させ、それぞれの凍結防止剤水溶液を作成
した。そして、実施例1と同様の条件で、回収塩化ナト
リウム/ハーブ3%品および回収塩化ナトリウム/ハー
ブ5%品の溶液状態を、実施例1に示した基準で、目視
にて判断した。この測定結果を、表2に示す。
2.7mol/kgになるように、100gの水に対し
て、この発明の回収塩化ナトリウム/ハーブ3%品およ
び回収塩化ナトリウム/ハーブ5%品を、それぞれ約
7.9g溶解させ、それぞれの凍結防止剤水溶液を作成
した。そして、実施例1と同様の条件で、回収塩化ナト
リウム/ハーブ3%品および回収塩化ナトリウム/ハー
ブ5%品の溶液状態を、実施例1に示した基準で、目視
にて判断した。この測定結果を、表2に示す。
【0179】表2に示す結果から容易に理解できるよう
に、この発明における回収塩化ナトリウム/ハーブ3%
品および回収塩化ナトリウム/ハーブ5%品の水溶液
は、試験温度が高い場合(−5℃、−7℃、−15℃)
には、180分経過した後でも、凍結することはなかっ
た。
に、この発明における回収塩化ナトリウム/ハーブ3%
品および回収塩化ナトリウム/ハーブ5%品の水溶液
は、試験温度が高い場合(−5℃、−7℃、−15℃)
には、180分経過した後でも、凍結することはなかっ
た。
【0180】それに対して、この発明における回収塩化
ナトリウム/ハーブ3%品および回収塩化ナトリウム/
ハーブ5%品の水溶液においても、それぞれ−20℃の
極低温雰囲気では、60分経過後には、凍結現象が見ら
れた。
ナトリウム/ハーブ3%品および回収塩化ナトリウム/
ハーブ5%品の水溶液においても、それぞれ−20℃の
極低温雰囲気では、60分経過後には、凍結現象が見ら
れた。
【0181】すなわち、この凍結試験の傾向は、既に説
明した、実施例1の結果および凍結防止剤としての塩化
ナトリウム単体の凍結試験の結果と、完全に一致してい
る。よって、かかるハーブ抽出液(ハーブエキス)の散
布量(約1〜5%)の範囲内では、ハーブ抽出液(ハー
ブエキス)の散布量にかかわらず、回収塩化ナトリウム
/ハーブ品においても、優れた凍結試験の結果が得られ
ることが確認された。
明した、実施例1の結果および凍結防止剤としての塩化
ナトリウム単体の凍結試験の結果と、完全に一致してい
る。よって、かかるハーブ抽出液(ハーブエキス)の散
布量(約1〜5%)の範囲内では、ハーブ抽出液(ハー
ブエキス)の散布量にかかわらず、回収塩化ナトリウム
/ハーブ品においても、優れた凍結試験の結果が得られ
ることが確認された。
【0182】よって、この発明の凍結防止方法で散布さ
れた凍結防止剤は、回収されずに、アスファルト道路上
に散布されたままでも、実際上、優れた凍結試験の結果
が得られることが期待される。
れた凍結防止剤は、回収されずに、アスファルト道路上
に散布されたままでも、実際上、優れた凍結試験の結果
が得られることが期待される。
【0183】(4)植物に対する影響試験 実施例1と同様に、実施例2および実施例3において
も、アスファルト道路上に散布された塩化ナトリウムと
ハーブ抽出液(ハーブエキス)を、回収塩化ナトリウム
/ハーブ3%品および回収塩化ナトリウム/ハーブ5%
品として回収した。そして、この回収塩化ナトリウム/
ハーブ3%品および回収塩化ナトリウム/ハーブ5%品
10gに対して、イオン交換水を323g添加し、3%
濃度の水溶液をそれぞれ作成した。
も、アスファルト道路上に散布された塩化ナトリウムと
ハーブ抽出液(ハーブエキス)を、回収塩化ナトリウム
/ハーブ3%品および回収塩化ナトリウム/ハーブ5%
品として回収した。そして、この回収塩化ナトリウム/
ハーブ3%品および回収塩化ナトリウム/ハーブ5%品
10gに対して、イオン交換水を323g添加し、3%
濃度の水溶液をそれぞれ作成した。
【0184】そして、この水溶液を入れた容器に、水仙
の花をさして、室温に放置し、水仙の花の状態を目視で
観察した。その結果を表4に示す。
の花をさして、室温に放置し、水仙の花の状態を目視で
観察した。その結果を表4に示す。
【0185】結果から明らかなように、この発明におけ
る回収塩化ナトリウム/ハーブ3%品および回収塩化ナ
トリウム/ハーブ5%品の水溶液を用いた場合には、水
仙の花は、22時間経過後も、しおれることはなかっ
た。そして、比較のために、ハーブ抽出物(ハーブエキ
ス)を添加しない系、すなわち、比較例1の塩化ナトリ
ウム単体を散布した場合について、同様の試験を実施し
たところ、22時間経過後には、水仙の花は、しおれて
茎から折れまがってしまった。
る回収塩化ナトリウム/ハーブ3%品および回収塩化ナ
トリウム/ハーブ5%品の水溶液を用いた場合には、水
仙の花は、22時間経過後も、しおれることはなかっ
た。そして、比較のために、ハーブ抽出物(ハーブエキ
ス)を添加しない系、すなわち、比較例1の塩化ナトリ
ウム単体を散布した場合について、同様の試験を実施し
たところ、22時間経過後には、水仙の花は、しおれて
茎から折れまがってしまった。
【0186】よって、実施例2および実施例3における
凍結防止方法について、植物に対する影響が少ないこと
が確認された。
凍結防止方法について、植物に対する影響が少ないこと
が確認された。
【0187】3.実施例4〜6 (凍結防止方法の実施)この発明の凍結防止方法とし
て、薬剤の種類を変えて、以下のように実施した。ま
ず、市販の、2水塩を主成分とした塩化カルシウム(日
本たばこ産業製)を粉砕器を用いて粉砕し、直径約1m
mの塩化カルシウム粉砕塩を、約20kg用意した。次
に、実施例1と同様の、ハーブ抽出液(ハーブエキス)
を、約200g用意した。
て、薬剤の種類を変えて、以下のように実施した。ま
ず、市販の、2水塩を主成分とした塩化カルシウム(日
本たばこ産業製)を粉砕器を用いて粉砕し、直径約1m
mの塩化カルシウム粉砕塩を、約20kg用意した。次
に、実施例1と同様の、ハーブ抽出液(ハーブエキス)
を、約200g用意した。
【0188】そして、後は、実施例1と同様に、冷凍庫
の中に、−5℃の温度で保持された、鉄筋入りのアスフ
ァルト道路の模型(面積1m×1m)上に、スコップを
用いて、上記塩化カルシウム粉砕塩を散布し、実施例4
では、塩化カルシウムの粉砕塩100重量部に対して、
上記ハーブ抽出液(ハーブエキス)を、1重量部の割合
となるように、実施例5では、塩化カルシウムの粉砕塩
100重量部に対して、上記ハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)を、3重量部の割合となるように、実施例6では、
塩化カルシウムの粉砕塩100重量部に対して、上記ハ
ーブ抽出液(ハーブエキス)を、5重量部の割合となる
ように、それぞれ霧状に粉砕塩に対して振りかけながら
散布した。
の中に、−5℃の温度で保持された、鉄筋入りのアスフ
ァルト道路の模型(面積1m×1m)上に、スコップを
用いて、上記塩化カルシウム粉砕塩を散布し、実施例4
では、塩化カルシウムの粉砕塩100重量部に対して、
上記ハーブ抽出液(ハーブエキス)を、1重量部の割合
となるように、実施例5では、塩化カルシウムの粉砕塩
100重量部に対して、上記ハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)を、3重量部の割合となるように、実施例6では、
塩化カルシウムの粉砕塩100重量部に対して、上記ハ
ーブ抽出液(ハーブエキス)を、5重量部の割合となる
ように、それぞれ霧状に粉砕塩に対して振りかけながら
散布した。
【0189】(凍結防止方法の評価) (1)凍結防止(融氷)試験 実施例4〜実施例6の凍結防止方法についても、それぞ
れ、実施例1と同様に、凍結防止(融氷)試験を実施し
た。すなわち、この凍結防止(融氷)試験は、試験温
度、すなわち、冷凍庫の雰囲気温度である−5(℃)の
ままで行い、アスファルト道路上の氷の厚さから、融氷
量を算出した。実施例4〜実施例6の凍結防止方法を施
した場合の、氷の融氷量の測定結果を、それぞれ、実線
で、図4に示す。
れ、実施例1と同様に、凍結防止(融氷)試験を実施し
た。すなわち、この凍結防止(融氷)試験は、試験温
度、すなわち、冷凍庫の雰囲気温度である−5(℃)の
ままで行い、アスファルト道路上の氷の厚さから、融氷
量を算出した。実施例4〜実施例6の凍結防止方法を施
した場合の、氷の融氷量の測定結果を、それぞれ、実線
で、図4に示す。
【0190】また、同様に、試験温度、すなわち、冷凍
庫の雰囲気温度を−10(℃)に低下させて行い、実施
例4〜実施例6の凍結防止方法を施した場合の氷の融氷
量の測定結果を、それぞれ、実線で図5に示す。なお、
図4および図5においても、それぞれ、横軸には、経過
時間(分)を取ってあり、縦軸には、融氷量(%)を取
ってある。
庫の雰囲気温度を−10(℃)に低下させて行い、実施
例4〜実施例6の凍結防止方法を施した場合の氷の融氷
量の測定結果を、それぞれ、実線で図5に示す。なお、
図4および図5においても、それぞれ、横軸には、経過
時間(分)を取ってあり、縦軸には、融氷量(%)を取
ってある。
【0191】そして、図4から理解できるように、試験
温度が−5(℃)の条件で、この発明の実施例4〜実施
例6の凍結防止方法をそれぞれ使用すれば、5〜10分
以内に、約30%程度の氷を融解させることが確認され
た。
温度が−5(℃)の条件で、この発明の実施例4〜実施
例6の凍結防止方法をそれぞれ使用すれば、5〜10分
以内に、約30%程度の氷を融解させることが確認され
た。
【0192】また、比較のために、図4には、従来の凍
結防止方法として、塩化カルシウム単体を散布した場合
(比較例2)の融氷量(%)の結果を、点線で示してあ
る。
結防止方法として、塩化カルシウム単体を散布した場合
(比較例2)の融氷量(%)の結果を、点線で示してあ
る。
【0193】その結果、塩化カルシウム単体を散布した
場合の融氷量の点線と、この発明の実施例4〜実施例6
の凍結防止方法の結果を示す実線とは、それぞれほぼ一
致している。したがって、この発明の実施例4〜実施例
6の凍結防止方法を実施した場合と、比較例2の塩化カ
ルシウム単体を散布した場合と、同様の初期凍結防止
(融氷)性能を有していることが確認された。
場合の融氷量の点線と、この発明の実施例4〜実施例6
の凍結防止方法の結果を示す実線とは、それぞれほぼ一
致している。したがって、この発明の実施例4〜実施例
6の凍結防止方法を実施した場合と、比較例2の塩化カ
ルシウム単体を散布した場合と、同様の初期凍結防止
(融氷)性能を有していることが確認された。
【0194】そして、その後は、いずれの場合も、約1
0〜160分の時間の経過とともに、緩やかな曲線を描
いて、氷の融氷量(%)が増加した。例えば、経過時間
10分で、約30(%)の氷の融解量であり、経過時間
60分で、約45(%)の氷の融解量となり、さらに、
経過時間160分で、約55(%)の氷の融解量となっ
た。
0〜160分の時間の経過とともに、緩やかな曲線を描
いて、氷の融氷量(%)が増加した。例えば、経過時間
10分で、約30(%)の氷の融解量であり、経過時間
60分で、約45(%)の氷の融解量となり、さらに、
経過時間160分で、約55(%)の氷の融解量となっ
た。
【0195】そして、また、この発明の実施例4〜実施
例6の凍結防止方法を実施した場合の、それぞれの融氷
量を示す実線は、塩化カルシウム単体の点線と、この経
過時間の範囲内でも、ほぼ重なっており、この発明の実
施例4〜実施例6の凍結防止方法を実施した場合は、塩
化カルシウム単体を散布した場合と、同様の経時におけ
る、凍結防止(融氷)性能を有していることも確認され
た。
例6の凍結防止方法を実施した場合の、それぞれの融氷
量を示す実線は、塩化カルシウム単体の点線と、この経
過時間の範囲内でも、ほぼ重なっており、この発明の実
施例4〜実施例6の凍結防止方法を実施した場合は、塩
化カルシウム単体を散布した場合と、同様の経時におけ
る、凍結防止(融氷)性能を有していることも確認され
た。
【0196】また、試験温度を−10(℃)の条件で行
なった場合には、図5から理解できるように、この発明
の実施例4〜実施例6の凍結防止方法において、それぞ
れ顕著な差はなく、10分以内に、約25%程度の氷を
融解させることができることが確認された。
なった場合には、図5から理解できるように、この発明
の実施例4〜実施例6の凍結防止方法において、それぞ
れ顕著な差はなく、10分以内に、約25%程度の氷を
融解させることができることが確認された。
【0197】なお、実施例4〜6の凍結防止方法を実施
した場合のほうが、実施例1〜3の凍結防止方法を実施
した場合よりも、素早く氷を融解させているのは、使用
した薬剤の相違と考えられる。すなわち、実施例4〜6
の凍結防止方法では、塩化カルシウムを薬剤として使用
しており、一方、実施例1〜3の凍結防止方法では、薬
剤として、塩化ナトリウムを使用している。したがっ
て、実施例4〜6で使用した塩化カルシウムは、最低融
点温度が低く(−55℃)、水和熱が大きい(68ca
l/g)ため、実施例4〜6の凍結防止方法を実施した
場合のほうが、融氷効果が早く出現したものと推定され
る。
した場合のほうが、実施例1〜3の凍結防止方法を実施
した場合よりも、素早く氷を融解させているのは、使用
した薬剤の相違と考えられる。すなわち、実施例4〜6
の凍結防止方法では、塩化カルシウムを薬剤として使用
しており、一方、実施例1〜3の凍結防止方法では、薬
剤として、塩化ナトリウムを使用している。したがっ
て、実施例4〜6で使用した塩化カルシウムは、最低融
点温度が低く(−55℃)、水和熱が大きい(68ca
l/g)ため、実施例4〜6の凍結防止方法を実施した
場合のほうが、融氷効果が早く出現したものと推定され
る。
【0198】また、実施例4〜6の凍結防止方法におけ
る融氷量を、試験温度が−5(℃)の場合と、試験温度
が−10(℃)の場合と、比較しても、約10分後の氷
の融解量には、顕著な差は見られなかった。
る融氷量を、試験温度が−5(℃)の場合と、試験温度
が−10(℃)の場合と、比較しても、約10分後の氷
の融解量には、顕著な差は見られなかった。
【0199】そして、また、実施例4〜6の凍結防止方
法における融氷量を、比較例2の塩化カルシウム単体を
散布した場合と比較しても、氷の融解量に、顕著な差は
見られなかった。
法における融氷量を、比較例2の塩化カルシウム単体を
散布した場合と比較しても、氷の融解量に、顕著な差は
見られなかった。
【0200】そして、実施例4〜6の凍結防止方法にお
ける氷の融解量、さらには、比較例2の塩化カルシウム
単体を散布した場合の氷の融解量も、いずれも、その
後、約10〜30分程度までは、緩やかな曲線を描いて
氷の融解量は増加したが、それを過ぎると、ほぼ平らな
直線となり、約160分の時間が経過しても、5%程度
の氷の融氷量(%)の増加であった。
ける氷の融解量、さらには、比較例2の塩化カルシウム
単体を散布した場合の氷の融解量も、いずれも、その
後、約10〜30分程度までは、緩やかな曲線を描いて
氷の融解量は増加したが、それを過ぎると、ほぼ平らな
直線となり、約160分の時間が経過しても、5%程度
の氷の融氷量(%)の増加であった。
【0201】よって、この発明の実施例4〜6の凍結防
止方法は、経時においても、比較例2の塩化カルシウム
単体を散布した場合と、同様の凍結防止(融氷)性能を
有していることが確認された。
止方法は、経時においても、比較例2の塩化カルシウム
単体を散布した場合と、同様の凍結防止(融氷)性能を
有していることが確認された。
【0202】(2)金属腐食性試験 上記の実施例4〜6の凍結防止方法で、アスファルト道
路上に散布した後、塩化カルシウムとハーブ抽出液(ハ
ーブエキス)を、それぞれ一部回収した(以下、回収塩
化カルシウム/ハーブ1%品、回収塩化カルシウム/ハ
ーブ3%品および回収塩化カルシウム/ハーブ5%品と
称する。)。
路上に散布した後、塩化カルシウムとハーブ抽出液(ハ
ーブエキス)を、それぞれ一部回収した(以下、回収塩
化カルシウム/ハーブ1%品、回収塩化カルシウム/ハ
ーブ3%品および回収塩化カルシウム/ハーブ5%品と
称する。)。
【0203】そして、塩化カルシウムとハーブ抽出液
(ハーブエキス)の混合物である、回収塩化カルシウム
/ハーブ1%品、回収塩化カルシウム/ハーブ3%品お
よび回収塩化カルシウム/ハーブ5%品10gに対し
て、イオン交換水を323g添加し、3%濃度の凍結防
止剤水溶液をそれぞれ作成した。
(ハーブエキス)の混合物である、回収塩化カルシウム
/ハーブ1%品、回収塩化カルシウム/ハーブ3%品お
よび回収塩化カルシウム/ハーブ5%品10gに対し
て、イオン交換水を323g添加し、3%濃度の凍結防
止剤水溶液をそれぞれ作成した。
【0204】それから、実施例1と同様に、これらの回
収した凍結防止剤の水溶液に、金属(鉄)片を、7日間
浸し、重量測定により、1日あたりの金属腐食速度を、
それぞれ求めた(mdd:mg/dm2 /day)。そ
の結果を、表1に示す。
収した凍結防止剤の水溶液に、金属(鉄)片を、7日間
浸し、重量測定により、1日あたりの金属腐食速度を、
それぞれ求めた(mdd:mg/dm2 /day)。そ
の結果を、表1に示す。
【0205】結果から、明らかなように、実施例4の回
収塩化カルシウム/ハーブ1%品では、1日あたりの金
属腐食速度は0.11mdd、実施例5の回収塩化カル
シウム/ハーブ3%品では、1日あたりの金属腐食速度
は0.11mdd、実施例6の回収塩化カルシウム/ハ
ーブ5%品では、1日あたりの金属腐食速度は0.11
mddとなり、それぞれ極めて低い値が得られた。
収塩化カルシウム/ハーブ1%品では、1日あたりの金
属腐食速度は0.11mdd、実施例5の回収塩化カル
シウム/ハーブ3%品では、1日あたりの金属腐食速度
は0.11mdd、実施例6の回収塩化カルシウム/ハ
ーブ5%品では、1日あたりの金属腐食速度は0.11
mddとなり、それぞれ極めて低い値が得られた。
【0206】よって、この発明の実施例4〜6の凍結防
止方法によれば、少量(約1〜5%)のハーブ抽出液
(ハーブエキス)の散布により、凍結防止剤の薬剤とし
ての、塩化カルシウムの金属腐食性を著しく低下させる
ことが確認された。
止方法によれば、少量(約1〜5%)のハーブ抽出液
(ハーブエキス)の散布により、凍結防止剤の薬剤とし
ての、塩化カルシウムの金属腐食性を著しく低下させる
ことが確認された。
【0207】すなわち、この発明の凍結防止方法は、塩
化ナトリウムばかりでなく、塩化カルシウムに対して
も、金属腐食性を著しく低下させる効果を発揮すること
が確認された。
化ナトリウムばかりでなく、塩化カルシウムに対して
も、金属腐食性を著しく低下させる効果を発揮すること
が確認された。
【0208】(3)凍結試験 上記の実施例4〜6の凍結防止方法で、アスファルト道
路上に散布した後、塩化カルシウムとハーブ抽出液(ハ
ーブエキス)を、それぞれ一部回収し(回収塩化カルシ
ウム/ハーブ1%品、回収塩化カルシウム/ハーブ3%
品および回収塩化カルシウム/ハーブ5%品)、実施例
1と同様の条件で、凍結試験を実施した。
路上に散布した後、塩化カルシウムとハーブ抽出液(ハ
ーブエキス)を、それぞれ一部回収し(回収塩化カルシ
ウム/ハーブ1%品、回収塩化カルシウム/ハーブ3%
品および回収塩化カルシウム/ハーブ5%品)、実施例
1と同様の条件で、凍結試験を実施した。
【0209】すなわち、凍結防止剤水溶液の濃度が、約
2.7mol/kgになるように、100gの水に対し
て、回収塩化カルシウム/ハーブ1%品、回収塩化カル
シウム/ハーブ3%品および回収塩化カルシウム/ハー
ブ5%品を、それぞれ約13.2g溶解させ、それぞれ
の水溶液を作成した。そして、実施例1と同様の条件
で、各回収した凍結防止剤の溶液状態を、実施例1に示
した基準で、目視にて判断した。この測定結果を、表2
に示す。
2.7mol/kgになるように、100gの水に対し
て、回収塩化カルシウム/ハーブ1%品、回収塩化カル
シウム/ハーブ3%品および回収塩化カルシウム/ハー
ブ5%品を、それぞれ約13.2g溶解させ、それぞれ
の水溶液を作成した。そして、実施例1と同様の条件
で、各回収した凍結防止剤の溶液状態を、実施例1に示
した基準で、目視にて判断した。この測定結果を、表2
に示す。
【0210】表2に示す結果から容易に理解できるよう
に、この発明についての回収塩化カルシウム/ハーブ1
%品、回収塩化カルシウム/ハーブ3%品および回収塩
化カルシウム/ハーブ5%品の水溶液は、それぞれ試験
温度が高い場合(−5℃、−7℃、−15℃)には、1
80分経過した後でも、凍結することはなかった。それ
に対して、これらの水溶液は、−20℃の極低温雰囲気
では、60分経過後には、それぞれ凍結する現象が見ら
れた。また、この凍結傾向は、表3に示す回収塩化カル
シウム品の結果と、全く同様の傾向であった。
に、この発明についての回収塩化カルシウム/ハーブ1
%品、回収塩化カルシウム/ハーブ3%品および回収塩
化カルシウム/ハーブ5%品の水溶液は、それぞれ試験
温度が高い場合(−5℃、−7℃、−15℃)には、1
80分経過した後でも、凍結することはなかった。それ
に対して、これらの水溶液は、−20℃の極低温雰囲気
では、60分経過後には、それぞれ凍結する現象が見ら
れた。また、この凍結傾向は、表3に示す回収塩化カル
シウム品の結果と、全く同様の傾向であった。
【0211】すなわち、この発明の凍結防止方法におい
て、かかるハーブ抽出液(ハーブエキス)の散布量(約
1〜5%)の範囲内では、ハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)の散布量にかかわらず、塩化カルシウム単体を散布
した場合と同様の、優れた凍結試験の結果が得られるこ
とが確認された。
て、かかるハーブ抽出液(ハーブエキス)の散布量(約
1〜5%)の範囲内では、ハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)の散布量にかかわらず、塩化カルシウム単体を散布
した場合と同様の、優れた凍結試験の結果が得られるこ
とが確認された。
【0212】(4)植物に対する影響試験 実施例1と同様に、実施例4、実施例5および実施例6
においても、アスファルト道路上に散布された塩化カル
シウムとハーブ抽出液(ハーブエキス)を、回収塩化カ
ルシウム/ハーブ1%品、回収塩化カルシウム/ハーブ
3%品および回収塩化カルシウム/ハーブ5%品として
回収した。そして、これらの回収塩化カルシウム/ハー
ブ1%品、回収塩化カルシウム/ハーブ3%品および回
収塩化カルシウム/ハーブ5%品10gに対して、それ
ぞれイオン交換水を323g添加し、3%濃度の水溶液
をそれぞれ作成した。
においても、アスファルト道路上に散布された塩化カル
シウムとハーブ抽出液(ハーブエキス)を、回収塩化カ
ルシウム/ハーブ1%品、回収塩化カルシウム/ハーブ
3%品および回収塩化カルシウム/ハーブ5%品として
回収した。そして、これらの回収塩化カルシウム/ハー
ブ1%品、回収塩化カルシウム/ハーブ3%品および回
収塩化カルシウム/ハーブ5%品10gに対して、それ
ぞれイオン交換水を323g添加し、3%濃度の水溶液
をそれぞれ作成した。
【0213】そして、この水溶液を入れた容器に、それ
ぞれ水仙の花をさして、室温に放置し、水仙の花の状態
を、目視で観察した。その結果を表4に示す。
ぞれ水仙の花をさして、室温に放置し、水仙の花の状態
を、目視で観察した。その結果を表4に示す。
【0214】結果から明らかなように、この発明におけ
る回収塩化カルシウム/ハーブ1%品、回収塩化カルシ
ウム/ハーブ3%品および回収塩化カルシウム/ハーブ
5%品の水溶液を用いた場合には、ハーブ抽出液(ハー
ブエキス)の散布量にかかわらず、水仙の花は、22時
間経過後も、しおれることはなかった。
る回収塩化カルシウム/ハーブ1%品、回収塩化カルシ
ウム/ハーブ3%品および回収塩化カルシウム/ハーブ
5%品の水溶液を用いた場合には、ハーブ抽出液(ハー
ブエキス)の散布量にかかわらず、水仙の花は、22時
間経過後も、しおれることはなかった。
【0215】そして、比較のために、ハーブ抽出物(ハ
ーブエキス)を添加しない系、すなわち、比較例2の塩
化カルシウム単体を散布した場合について、同様の試験
を実施したところ、22時間経過後には、水仙の花は、
しおれて茎から折れまがってしまった。
ーブエキス)を添加しない系、すなわち、比較例2の塩
化カルシウム単体を散布した場合について、同様の試験
を実施したところ、22時間経過後には、水仙の花は、
しおれて茎から折れまがってしまった。
【0216】よって、実施例4〜実施例6の、この発明
における凍結防止方法について、植物に対する影響が少
ないことが確認された。
における凍結防止方法について、植物に対する影響が少
ないことが確認された。
【0217】4.比較例1〜6 凍結防止剤として、従来から使用されてきた、塩化ナト
リウム(比較例1)、塩化カルシウム(比較例2)、K
AC(比較例3)、CMA(比較例4)、尿素(比較例
5)につき、単独で路面に散布し、実施例1と同様の評
価に供した。
リウム(比較例1)、塩化カルシウム(比較例2)、K
AC(比較例3)、CMA(比較例4)、尿素(比較例
5)につき、単独で路面に散布し、実施例1と同様の評
価に供した。
【0218】結果を、図2〜図6、あるいは、表1およ
び表3に示す。
び表3に示す。
【0219】これらの図や表より明らかなように、従来
の凍結防止剤を単独で路面にそのまま散布する方法によ
れば、比較例1の塩化ナトリウムおよび、比較例2の塩
化カルシウムは、凍結防止(融氷)効果の点では、この
発明の凍結防止方法の効果と同等であるものの、金属腐
食性が著しく高いという結果が得られた。かかる、結果
は、従来の凍結防止剤としての無機塩に対する見解を、
忠実に再現するものである。
の凍結防止剤を単独で路面にそのまま散布する方法によ
れば、比較例1の塩化ナトリウムおよび、比較例2の塩
化カルシウムは、凍結防止(融氷)効果の点では、この
発明の凍結防止方法の効果と同等であるものの、金属腐
食性が著しく高いという結果が得られた。かかる、結果
は、従来の凍結防止剤としての無機塩に対する見解を、
忠実に再現するものである。
【0220】一方、比較例3のKACを単独で路面にそ
のまま散布する方法によれば、比較例2の塩化カルシウ
ムと同等の融氷効果や融氷傾向を示すことが確認され、
しかも金属腐食性が低いという結果が得られた。但し、
回収したKACの凍結性試験の結果によると、この発明
の凍結防止方法で散布後、回収した凍結防止剤よりも、
若干、凍結しやすいという傾向が得られた。
のまま散布する方法によれば、比較例2の塩化カルシウ
ムと同等の融氷効果や融氷傾向を示すことが確認され、
しかも金属腐食性が低いという結果が得られた。但し、
回収したKACの凍結性試験の結果によると、この発明
の凍結防止方法で散布後、回収した凍結防止剤よりも、
若干、凍結しやすいという傾向が得られた。
【0221】さらに、比較例4のCMAと比較例5の尿
素を、それぞれ単独で路面にそのまま散布する方法によ
れば、この発明の凍結防止方法よりも、融氷効果がかな
り低いことが確認された。但し、回収した凍結防止剤の
金属腐食性については、それぞれ、かなり低いという結
果が得られた。
素を、それぞれ単独で路面にそのまま散布する方法によ
れば、この発明の凍結防止方法よりも、融氷効果がかな
り低いことが確認された。但し、回収した凍結防止剤の
金属腐食性については、それぞれ、かなり低いという結
果が得られた。
【0222】なお、比較例6の蒸留水については、凍結
性試験のみ行った。蒸留水は、一定の溶質を含んでおら
ず、凝固点降下の効果が得られないため、この発明の凍
結防止方法により散布した凍結防止剤はもちろんのこ
と、従来の凍結防止剤と比較しても、凍結しやすいとい
う結果が得られた。
性試験のみ行った。蒸留水は、一定の溶質を含んでおら
ず、凝固点降下の効果が得られないため、この発明の凍
結防止方法により散布した凍結防止剤はもちろんのこ
と、従来の凍結防止剤と比較しても、凍結しやすいとい
う結果が得られた。
【0223】
【発明の効果】この発明の、少なくともハーブ抽出液
(ハーブエキス)と、無機塩を主剤として構成された薬
剤とを、路面に対して散布する凍結防止方法によれば、
無機塩に起因した金属腐食性を著しく低下させることが
できるようになった。よって、無機塩から構成された凍
結防止剤のために、凍結防止剤が散布された道路上を走
行する自動車のボデイ等を金属腐食を起こさせるとい
う、いわゆる塩害問題を有効に防止することが期待でき
る。
(ハーブエキス)と、無機塩を主剤として構成された薬
剤とを、路面に対して散布する凍結防止方法によれば、
無機塩に起因した金属腐食性を著しく低下させることが
できるようになった。よって、無機塩から構成された凍
結防止剤のために、凍結防止剤が散布された道路上を走
行する自動車のボデイ等を金属腐食を起こさせるとい
う、いわゆる塩害問題を有効に防止することが期待でき
る。
【0224】また、この発明の凍結防止方法によれば、
凍結防止剤に起因した金属腐食性が著しく低下させるこ
とができるために、従来の凍結防止剤と比較して、主剤
として無機塩から構成された薬剤を多量に使用すること
ができるようになった。したがって、この発明の凍結防
止方法により、凍った道路表面上の氷をさらに有効に融
解することができ、また、この凍結防止効果を長期にわ
たって持続させることも期待できる。
凍結防止剤に起因した金属腐食性が著しく低下させるこ
とができるために、従来の凍結防止剤と比較して、主剤
として無機塩から構成された薬剤を多量に使用すること
ができるようになった。したがって、この発明の凍結防
止方法により、凍った道路表面上の氷をさらに有効に融
解することができ、また、この凍結防止効果を長期にわ
たって持続させることも期待できる。
【0225】また、この発明の凍結防止方法によれば、
植生への影響を低下させることができるようになった。
すなわち、凍結防止剤が散布された道路の周囲の植物を
枯らして、植生を変化させるという、従来の凍結防止剤
の問題を解決することも期待できる。
植生への影響を低下させることができるようになった。
すなわち、凍結防止剤が散布された道路の周囲の植物を
枯らして、植生を変化させるという、従来の凍結防止剤
の問題を解決することも期待できる。
【0226】また、この発明の凍結防止方法によれば、
ハーブ抽出液(ハーブエキス)の散布量は、所定の効果
を得る上で、無機塩から構成された薬剤に対して、かな
り少ない量で済む。そのため、薬剤の主成分としては、
従来どおり無機塩を主成分として使用でき、安価で、優
れた融氷効果や凍結防止効果を有する凍結防止方法を提
供することができるようになった。
ハーブ抽出液(ハーブエキス)の散布量は、所定の効果
を得る上で、無機塩から構成された薬剤に対して、かな
り少ない量で済む。そのため、薬剤の主成分としては、
従来どおり無機塩を主成分として使用でき、安価で、優
れた融氷効果や凍結防止効果を有する凍結防止方法を提
供することができるようになった。
【0227】そして、この発明によれば、使用するハー
ブ抽出液(ハーブエキス)は、天然物であり、一般に食
用や嗜好に供せられている。したがって、人体への安全
性が極めて高い。すなわち、かかるハーブ抽出液(ハー
ブエキス)と、無機塩から基本的に構成したこの発明の
凍結防止剤は、特に安全性の点で問題となることもな
く、さらに、不要になれば容易に廃棄することも可能で
ある。
ブ抽出液(ハーブエキス)は、天然物であり、一般に食
用や嗜好に供せられている。したがって、人体への安全
性が極めて高い。すなわち、かかるハーブ抽出液(ハー
ブエキス)と、無機塩から基本的に構成したこの発明の
凍結防止剤は、特に安全性の点で問題となることもな
く、さらに、不要になれば容易に廃棄することも可能で
ある。
【図1】ハーブ抽出液(ハーブエキス)の赤外分光チャ
ートである。
ートである。
【図2】凍結防止剤の融氷試験(その1)の結果を示す
図である。
図である。
【図3】凍結防止剤の融氷試験(その2)の結果を示す
図である。
図である。
【図4】凍結防止剤の融氷試験(その3)の結果を示す
図である。
図である。
【図5】凍結防止剤の融氷試験(その4)の結果を示す
図である。
図である。
【図6】凍結防止剤の融氷試験(その5)の結果を示す
図である。
図である。
【図7】凍結防止剤の融氷試験(その6)の結果を示す
図である。
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C23F 11/12 102 C23F 11/12 102
Claims (12)
- 【請求項1】 少なくともハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)と、主剤として無機塩から構成された薬剤とを、路
面に対して、散布することを特徴とする凍結防止方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の凍結防止方法におい
て、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と、主剤として無機
塩から構成された薬剤とを、路面に対して、別個に散布
することを特徴とする凍結防止方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載の凍結防止方法におい
て、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と、主剤として無機
塩から構成された薬剤とを、路面に対して、交互に散布
することを特徴とする凍結防止方法。 - 【請求項4】 請求項1に記載の凍結防止方法におい
て、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と、主剤として無機
塩をから構成された薬剤とを、路面に対して、複数回散
布することを特徴とする凍結防止方法。 - 【請求項5】 請求項1に記載の凍結防止方法におい
て、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と、主剤として無機
塩から構成された薬剤とを予め混合した後、路面に対し
て、散布することを特徴とする凍結防止方法。 - 【請求項6】 請求項1に記載の凍結防止方法におい
て、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と、主剤として無機
塩から構成された薬剤とを、混合機を用いて、混合しな
がら、路面に対して、散布することを特徴とする凍結防
止方法。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の凍
結防止方法において、前記無機塩が、塩化ナトリウム、
塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムのいずれか1種
または2種以上であることを特徴とする凍結防止方法。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の凍
結防止方法において、酢酸塩および尿素の両方、あるい
はいずれか一方を、さらに路面に散布することを特徴と
する凍結防止方法。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の凍
結防止方法において、界面活性剤を、さらに路面に散布
することを特徴とする凍結防止方法。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
凍結防止方法において、前記薬剤100重量部に対し
て、前記ハーブ抽出液(ハーブエキス)を、0.1〜5
0重量部の割合で、路面に散布することを特徴とする凍
結防止方法。 - 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
の凍結防止方法において、前記ハーブ抽出液(ハーブエ
キス)は、カルボキシレート、カルボキシル基およびヒ
ドロキシル基から選択される少なくとも一つの官能基を
有する化合物を含んでいることを特徴とする凍結防止方
法。 - 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
の凍結防止方法において、前記ハーブ抽出液(ハーブエ
キス)は、ミント類、バジル類、マジョラム、タイムか
ら選択される少なくとも一つのハーブ抽出液(ハーブエ
キス)を含んでいることを特徴とする凍結防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14500097A JPH10330737A (ja) | 1997-06-03 | 1997-06-03 | 凍結防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14500097A JPH10330737A (ja) | 1997-06-03 | 1997-06-03 | 凍結防止方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10330737A true JPH10330737A (ja) | 1998-12-15 |
Family
ID=15375142
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14500097A Withdrawn JPH10330737A (ja) | 1997-06-03 | 1997-06-03 | 凍結防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10330737A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017003390A (ja) * | 2015-06-09 | 2017-01-05 | 株式会社島津製作所 | フローコントローラ及びそれを用いたガスクロマトグラフ装置 |
-
1997
- 1997-06-03 JP JP14500097A patent/JPH10330737A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017003390A (ja) * | 2015-06-09 | 2017-01-05 | 株式会社島津製作所 | フローコントローラ及びそれを用いたガスクロマトグラフ装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040803 |