JPH10330736A - 凍結防止剤 - Google Patents

凍結防止剤

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JPH10330736A
JPH10330736A JP14499997A JP14499997A JPH10330736A JP H10330736 A JPH10330736 A JP H10330736A JP 14499997 A JP14499997 A JP 14499997A JP 14499997 A JP14499997 A JP 14499997A JP H10330736 A JPH10330736 A JP H10330736A
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JP
Japan
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herb
product
extract
herb extract
sodium chloride
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JP14499997A
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English (en)
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Toshihiko Yamakawa
敏彦 山川
Toshitsugu Kimura
俊嗣 木村
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KEISEN SOGO KENKYUSHO KK
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KEISEN SOGO KENKYUSHO KK
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  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
  • Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)
  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 凍結防止剤に含まれる無機塩に起因した金属
腐食性や植生への影響を低下させ、安価で、優れた融氷
効果や凍結防止効果を有する凍結防止剤を提供する。 【解決手段】 少なくともハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)と、無機塩を主剤として構成された薬剤とを含んで
凍結防止剤を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、道路表面(路
面)等に対する凍結防止効果(融氷効果を含む場合もあ
る。)を有する凍結防止剤に関し、特に、金属腐食性の
低い凍結防止剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、道路表面(路面)に付着した雪や
雨が凍って、道路が滑りやすくなるという問題があっ
た。そのため、凍結防止剤として、塩化ナトリウム(N
aCl)、塩化カルシウム(CaCl2 )あるいは塩化
マグネシウム(MgCl2 )等の無機塩を道路(路面)
に散布して、道路表面上の氷や雪(雪氷と称する場合も
ある。)を融解させ、さらには、これらの無機塩によ
り、氷や雪を融解した状態(水の状態)で保持して、道
路における凍結を防止するという手法が取られてきた。
【0003】ここで、簡単に、凍結防止剤による雪氷の
融解および凍結防止のメカニズムを説明すると、以下の
三段階から構成されていると、一般に言われている。
【0004】(1)第1段階 凍結防止剤を雪氷上に散布することにより、これらの凍
結防止剤と雪氷とが接触する。そして、凍結防止剤の有
する熱(すなわち、雪氷の温度よりも高いことを意味す
る。)により、雪氷がわずかに解けて、凍結防止剤の飽
和水溶液が、雪氷上に形成される段階である。なお、凍
結防止剤の飽和水溶液が形成される際に、凍結防止剤は
融解熱を発し、かかる融解熱により、さらに雪氷が融解
する。
【0005】(2)第2段階 残留している凍結防止剤と雪氷との接触が続き、凍結防
止剤の飽和水溶液の体積(容量)が大きくなる段階であ
る。また、凍結防止剤の飽和水溶液は、雪氷ばかりでな
く、温度が低い道路の、アスファルト等からなる舗装体
へも、熱を供給する(移動させる)段階でもある。そし
て、残留している凍結防止剤がすべて溶解するか、ある
いは、雪氷が無くなるまで、この第2段階は続くことに
なる。
【0006】なお、凍結防止剤の散布量が十分であれ
ば、約1分程度で、雪氷を融解させ、この第2段階は終
了すると言われている。
【0007】(3)第3段階 凍結防止剤の飽和水溶液が、道路のアスファルト等の舗
装体へ熱を供給しつつ道路上に存在する段階である。よ
って、この凍結防止剤の飽和水溶液は、いわゆる凝固点
効果により、凝固点は低下しており、道路の凍結防止効
果を発揮することができる。
【0008】なお、この凍結防止剤の飽和水溶液は、道
路のアスファルト等の舗装体へ熱を供給し続けると、い
つかは飽和水溶液の温度も凝固点以下となる。よって、
最終的には、この凍結防止剤の飽和水溶液も凝固するこ
とになり、その段階で凍結防止剤の効果は得られなくな
る。
【0009】ところで、凍結防止剤による雪氷の融解メ
カニズムは以上のようなものと推定されているが、平成
2年6月の「スパイクタイヤの粉じんの発生の防止に関
する法律」が施行されて以降、積雪寒冷地域では、一定
条件の下、スパイクタイヤの使用が規制されることとな
り、凍結防止剤の重要性は益々高まっている。
【0010】すなわち、かかる法律の施行前は、スパイ
クタイヤの使用により、道路表面が機械的に削られるた
め、極端に道路表面が平滑になるということはなかっ
た。ところが、かかる法律の施行後は、スパイクタイヤ
のかわりに、法規制により、一般に低いガラス転移点を
有するゴム材料から構成された、いわゆるスタッドレス
タイヤの使用が頻繁になった。そのため、このスタッド
レスタイヤの使用により、凍った道路表面が磨かれて、
極端に表面が平滑になるという現象が生じるようになっ
た。
【0011】したがって、道路表面が著しく滑りやすく
なり、上記法律の施行前に、スパイクタイヤの使用が認
められていた時よりも、却って自動車のスリップ事故等
が増加するという問題が生じるようになった。
【0012】そこで、スタッドレスタイヤを使用した場
合に、道路表面が凍って、極端に平滑になることを防止
すべく、凍った道路表面上の氷の融解および道路表面の
凍結防止のために、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化
カルシウム(CaCl2 )あるいは塩化マグネシウム
(MgCl2 )等の無機塩が凍結防止剤として、多量に
使用されるようになってきた。
【0013】また、無機塩以外の凍結防止剤として、尿
素、CMA(酢酸カルシウムと酢酸マグネシウムを3:
7で混合したもの)あるいはKAC(酢酸カリウム)等
も知られており、無機塩の代わりに、一部使用されてい
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
無機塩、例えば、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カ
ルシウム(CaCl2 )あるいは塩化マグネシウム(M
gCl2 )等から構成された凍結防止剤は、比較的安価
であって、凍結防止剤における融氷効果の点でも比較的
優れているものの、金属腐食性が高いという問題があっ
た。
【0015】すなわち、無機塩から構成された凍結防止
剤のために、凍結防止剤が散布された道路上を走行する
自動車のボデイやシャーシ等を金属腐食したり、橋梁、
あるいは道路標識や信号機の金属柱を錆させたりして、
これらの機械的強度を著しく低下させ、さらには、道路
内部に強化のために埋設されている鉄筋まで、金属腐食
させるという、いわゆる塩害問題があった。
【0016】また、かかる無機塩を凍結防止剤として多
量に使用した結果、道路周囲の植生にまで影響を及ぼ
し、街路樹や芝生を枯らしてしまうという問題もあっ
た。
【0017】一方、無機塩以外の凍結防止剤としての、
尿素、CMA(酢酸カルシウムと酢酸マグネシウムを
3:7で混合したもの)あるいはKAC(酢酸カリウ
ム)は、値段が高かったり(尿素は約120円/kg、
CMAは約300円/kg、KACは約660円/k
g、いずれも平成4年のデータ)、あるいは、凍結防止
剤の凍結防止効果や融氷効果が一般に乏しいという問題
があった。
【0018】よって、金属腐食性の問題が少なく、安価
であり、凍結防止剤の凍結防止効果(融氷効果も含む)
の点でも優れており、さらには、道路周囲の植生への影
響が少ない凍結防止剤の出現が望まれていた。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明の凍結防止剤
は、少なくともハーブ抽出液(ハーブエキス)と、主剤
として無機塩から構成された薬剤とを含むことを特徴と
する。
【0020】このように、少なくともハーブ抽出液(ハ
ーブエキス)と、主剤として無機塩から構成された薬剤
とを混合することにより、凍結防止剤の金属腐食性を著
しく低下させることができる。
【0021】また、この発明の凍結防止剤は、凍結防止
剤の金属腐食性が著しく低いために、従来の凍結防止剤
と比較して、主剤として無機塩から構成された薬剤を多
量に使用することができる。したがって、この発明の凍
結防止剤により、凍った道路表面上の氷をさらに有効に
融解することができ、また、この凍結防止効果を長期に
わたって持続させることも可能となる。
【0022】そして、この発明の凍結防止剤は、ハーブ
抽出液(ハーブエキス)を、無機塩を主剤として構成さ
れた薬剤に、少量添加(混合)することにより、無機塩
に起因した金属腐食性を、著しく低下させることができ
る。
【0023】すなわち、従来どおり、この発明の凍結防
止剤は、基本的に無機塩を主剤として構成された薬剤
を、凍結防止剤の主成分としたままで、無機塩に起因し
た金属腐食性を著しく低下させることができる。よっ
て、この発明の凍結防止剤において、無機塩を主剤とし
て構成された薬剤による凍結防止効果等の特性を基本的
に損なうことが無い。
【0024】そして、この発明の凍結防止剤は、従来の
凍結防止剤と比較して、道路周囲の植生への影響も、著
しく少ないということである。
【0025】すなわち、一般に、凍結防止剤の無機塩
は、地中の水分の浸透圧を高めるため、植物は根をとお
して、水分を吸収することが困難となり、植物を枯渇さ
せやすい。しかしながら、この発明の凍結防止剤によれ
ば、ハーブ抽出液(ハーブエキス)を、無機塩を主剤と
して構成された薬剤に添加(混合)したものを使用し、
この浸透圧の調整(低下)がなされるためと思われる
が、植物が水分を吸収することを妨げるおそれが少な
い。
【0026】よって、この発明の凍結防止剤により、金
属腐食性の問題が少なく、安価で、凍結防止剤の融氷効
果の点で優れ、さらには、植生への影響が少ないとい
う、各要素のバランスがとれた凍結防止剤を提供するこ
とができる。
【0027】ここで、この発明の凍結防止剤に使用され
るハーブ抽出液(ハーブエキス)とは、アニス、ウイキ
ョウ、タイム、カミツレ、バジル類(スイートバジル、
レッドバジル、ブッシュバジル等)、ミント類(ペパー
ミント、パイナップルミント、アップルミント、スペア
ミント、オレンジミント等)、ラベンダー、メリッサ、
マジョラム、キャラウェイ、ゲンチアナ、アーティチョ
ーク(チョウセンアザミ)、ニガハッカ、ハッカ、セー
ジ、ゼラニウム、サポナリア、ケシ、アコニット、コニ
ウム、ジギタリス、ケジギタリス、ダツラ、ヒヨス、ベ
ラドンナ、コルヒクム、ポドフィルム、オタネニンジ
ン、ナツメ、ショウガ、ミョウガ、シソ、ローレル、セ
ーボリー、ホソバオケラ、シャクヤク、ボタン、トウ
キ、サフラン、サラダバーネット、クズ、マオウ、トリ
カブト等の、いわゆるハーブと呼ばれる植物から、有機
溶剤や水蒸気等を利用して抽出した液状物(抽出物)を
いう。
【0028】そして、この発明の凍結防止剤に使用する
ハーブ抽出液(ハーブエキス)においては、ミント類、
バジル類、マジョラム、タイムから選択される少なくと
も一つのハーブ抽出液(ハーブエキス)を含んでいるこ
とが良い。これらのハーブ抽出液(ハーブエキス)は入
手が容易であり、また、これらを少なくとも一つ含んで
凍結防止剤に使用すると、より優れた金属非腐食性が凍
結防止剤に得られるためである。よって、より好ましく
は、ミント類、バジル類、マジョラムおよびタイムを複
数種混合して、この発明の凍結防止剤に使用することが
良い。
【0029】なお、ハーブ抽出液(ハーブエキス)の濃
度は、ハーブの種類によっても異なるが、一般に、0.
1〜20重量%の範囲内の値である。そして、適宜、こ
の抽出物に、有機溶剤、水等を加え、液状物や粘調体に
したものも、ここでいうハーブ抽出液(ハーブエキス)
として、この発明に使用することができる。
【0030】また、これらのハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)には、種々のハーブ成分が含まれているが、例え
ば、オタネニンジンに含まれる、式(1)で表されるジ
ンセノサイド(ginsenoside)類、ナツメに
含まれる、式(2)で表されるジジファスサポニンI
(zizyphus saponin I)、ショウガ
に含まれる、式(3)で表されるジンジベレン(zin
giberene)や、同じく式(4)で表される6−
ジンガロール(6−gingarol)、ホソバオケラ
に含まれる、式(5)で表されるアトラクチロジン(a
tractylodin)や、式(6)で表されるアト
ラクチロジノール(atractylodinol)
や、式(7)で表されるアセチルアトラクチロジノール
(acetylatractylodinol)や、式
(8)で表されるヒネソール(hinesol)、式
(9)で表されるβ−オウデスモール(β−eudes
mol)、シャクヤクに含まれる、式(10)で表され
るパエオニフロリン(paeoniflorin)や、
式(11)で表されるオキシパエオニフロリン(oxy
paeoniflorin)や、式(12)で表される
ベンゾイルパエオニフロリン(benzoylpaeo
niflorin)や、ボタンに含まれる式(13)で
表されるパエオノール(paeonol)や、式(1
4)で表されるパエオノサイド(paeonosid
e)や、式(15)で表されるパエオノライド(pae
onolide)や、トウキに含まれる式(16)で表
されるリグスチライド(ligustilide)や、
式(17)で表されるブチリデンフタライド(buty
lidenephthalide)や、サフランに含ま
れる式(18)で表されるクロセチン(croceti
n)や、チョウセンアザミに含まれる式(19)で表さ
れるシナリン(cynarin)や、その他、式(2
0)で表されるセンノサイドA(sennoside
A)や、式(21)で表されるセンノサイドB(sen
noside B)、式(22)で表されるヒゲナミン
(higenamine)等があり、これらの成分の1
種または2種以上を混合して、使用することができる。
【0031】
【化1】
【0032】
【化2】
【0033】
【化3】
【0034】
【化4】
【0035】
【化5】
【0036】
【化6】
【0037】
【化7】
【0038】
【化8】
【0039】
【化9】
【0040】
【化10】
【0041】
【化11】
【0042】
【化12】
【0043】
【化13】
【0044】
【化14】
【0045】
【化15】
【0046】
【化16】
【0047】
【化17】
【0048】
【化18】
【0049】
【化19】
【0050】
【化20】
【0051】
【化21】
【0052】
【化22】
【0053】すなわち、この発明において、ハーブ抽出
液(ハーブエキス)とは、上記成分を少なくとも含む液
と定義され、より具体的には、ハーブ抽出物(塊、粉、
粘調体)を、水、アルコール類、エーテル類等に溶解、
あるいは分散させたものであれば良い。
【0054】そして、ハーブ抽出液(ハーブエキス)の
使い勝手の良さから、ハーブ抽出液(ハーブエキス)の
粘度としては、例えば、25℃の条件で、1〜10、0
00cpsの範囲内、より好ましくは、10〜1、00
0cpsの範囲内、最適には、20〜200cpsの範
囲内の値とすることが良い。ハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)の粘度が、このような範囲内の値であれば、ハーブ
抽出液(ハーブエキス)と、無機塩の添加(混合)が容
易となるためである。
【0055】そして、この発明の凍結防止剤において、
これらのハーブ抽出液(ハーブエキス)を、少量添加す
るだけで、金属腐食性の低下効果や植生への影響を低下
させる効果(植物枯渇防止効果)が得られる理由は、必
ずしも明確では無いが、これらのハーブ抽出液(ハーブ
エキス)の成分を構成する化合物が分子内に有する、フ
ェノール性ヒドロキシル基やカルボキシル基等により、
Naイオン、CaイオンあるいはMgイオン等のアルカ
リイオンを吸着し、いわゆる塩を効率的に生成するため
と考えられる。
【0056】そして、また、無機塩に起因した金属腐食
性の低下効果や、植生への影響を低下させる効果が、長
期間持続できるのは、ハーブ抽出液(ハーブエキス)の
成分を構成する化合物とアルカリイオンから生成された
塩において、これらハーブ抽出液(ハーブエキス)の成
分を構成する化合物とアルカリイオンとは比較的強固に
結合しており、容易に脱離しないためと考えられる。
【0057】よって、この発明の凍結防止剤において好
ましくは、使用するハーブ抽出液(ハーブエキス)は、
カルボキシレート、カルボキシル基およびヒドロキシル
基から選択される官能基のうち、少なくとも一つの官能
基を有するハーブ抽出物を含んでいることが良い。これ
らの官能基により、Naイオン、CaイオンあるいはM
gイオン等のアルカリイオンを確実に吸着し、塩を効率
的に生成することができるためである。
【0058】具体的には、使用されるハーブ抽出液(ハ
ーブエキス)の、例えば、赤外分光分析(IR測定)に
より得られた赤外分光チャートにおいて、波長3650
〜2800(cm-1)の領域、あるいは、波長1650
〜1500(cm-1)の領域と1450〜1350(c
-1)の領域、あるいは波長3650〜2800(cm
-1)の領域と、波長1650〜1500(cm-1)の領
域と、波長1450〜1350(cm-1)の領域とに、
波長ピークを有している化合物を含んでいることが良
い。
【0059】これらの波長ピークのうち、波長3650
〜2800(cm-1)の領域の波長ピークは、一般にヒ
ドロキシル基に帰属、波長1650〜1500(c
-1)の領域および波長1450〜1350(cm-1
の領域の両方のピークは、カルボキシレートまたは、そ
の分解物であるカルボキシル基に帰属するものと言われ
ている。
【0060】より具体的には、例えば、遊離のヒドロキ
シル基であれば、測定条件により若干シフトするが、3
640〜3610(cm-1)の領域に波長ピークを有す
ると言われており、ポリマ状態における分子間水素結合
を形成しているヒドロキシル基の場合には、3400〜
3200(cm-1)の領域に波長ピークを有すると言わ
れており、ニトリル基等と分子内水素結合を形成してい
るヒドロキシル基の場合には、3200〜2500(c
-1)の領域にブロードな波長ピークを有すると言われ
ている。
【0061】一方、カルボキシレートまたはカルボキシ
ル基であれば、同様に測定条件により若干シフトする
が、カルボキシレートの場合、1610〜1550(c
-1)の領域および1400(cm-1)付近に波長ピー
クを有すると言われており、カルボン酸の場合には、3
000〜2500(cm-1)の領域、1700(c
-1)付近の領域、1400(cm-1)付近の領域、1
300〜1200(cm-1)の領域、900(cm-1
の領域等に、それぞれ大きさは異なるものの、波長ピー
クを有すると言われている。
【0062】すなわち、この発明の凍結防止剤におい
て、ヒドロキシル基、カルボキシレートおよびカルボキ
シル基に起因した波長領域のいずれかに、ピーク波長を
有していれば、比較的多量のカルボキシレート、カルボ
キシル基およびヒドロキシル基から選択される官能基を
分子内に有するハーブ抽出物を、液状物であるハーブ抽
出液(ハーブエキス)は含んでいると推定できる。そし
て、ハーブ抽出液(ハーブエキス)が、これらの官能基
を分子内に有する化合物を含んでいれば、アルカリイオ
ンを確実に吸着し、無機塩の塩害を防止することが期待
できる。
【0063】なお、ハーブ抽出物の波長ピークを、例え
ば赤外分光分析を用いて測定する場合に、ハーブ抽出液
(ハーブエキス)からハーブ抽出物を採取する前に、ハ
ーブ抽出液(ハーブエキス)の状態で、液体クロマトグ
ラフ等を用いて、成分の分子量等ごとにハーブ抽出液
(ハーブエキス)に含まれる成分を分取しておくことが
良い。すなわち、ハーブ抽出液(ハーブエキス)の成分
を出来る限り個々に分けて、それらに対して、赤外分光
分析を行うと良い。
【0064】このようにハーブ抽出液(ハーブエキス)
の成分を分取してそれぞれ赤外分光分析を行うと、ハー
ブ抽出液(ハーブエキス)全体では、赤外分光チャート
において、波長3650〜2800(cm-1)の領域、
波長1650〜1500(cm-1)の領域および145
0〜1300(cm-1)の領域等に、いずれも波長ピー
クが観察されない場合であっても、成分を分取すること
により、カルボキシレート、カルボキシル基およびヒド
ロキシル基に対する感度が向上し、分取した数種の成分
のいずれかについて、これらの波長領域に波長ピークが
観察される場合がある。
【0065】よって、この発明において、ハーブ抽出液
(ハーブエキス)が、カルボキシレート、カルボキシル
基およびヒドロキシル基のうち、少なくとも一つの官能
基を有するハーブ抽出物を含んでいるというには、ハー
ブ抽出液(ハーブエキス)を分取した成分の少なくとも
一つについて、これらの官能基に帰属した波長ピークが
観察されれば良い。ハーブ抽出液(ハーブエキス)を分
取した成分のうち、少なくとも一つの成分が、カルボキ
シレート、カルボキシル基およびヒドロキシル基の少な
くとも一つの官能基を分子内に有していれば、この発明
の凍結防止剤としたときに、著しく無機塩に起因した金
属腐食性を低下させることができるためである。
【0066】また、この発明の凍結防止剤において、好
ましくは、薬剤を構成する主剤としての無機塩は、塩化
ナトリウム、塩化カルシウムおよび塩化マグネシウムか
ら選択される無機塩のいずれか1種または2種以上であ
ることが良い。
【0067】これらの無機塩は、単独または混合して、
従来から凍結防止剤における薬剤として使用されてお
り、凍結防止剤の融雪効果(融氷量)や凍結防止効果の
点で優れた実績があるためである。そして、さらにこれ
らの無機塩は、価格が安価(塩化ナトリウムは約30〜
40円/kg、塩化カルシウムは約60円/kg、塩化
マグネシウムは約60円/kg、いずれも平成4年のデ
ータ)な点で、多量に使用しても経済性が良く、この発
明に好ましい。
【0068】そして、特に、塩化ナトリウムは、融雪効
果(融氷量)や凍結防止効果が高い点で好ましく、塩化
カルシウムや塩化マグネシウムは、融雪効果(融氷量)
が素早く得られる点で、この発明において好ましい。
【0069】また、この発明の凍結防止剤において、好
ましくは、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と、無機塩の
混合物(添加物)に対して、酢酸塩および尿素の両方、
あるいはいずれか一方を、さらに添加(混合)すること
が良い。
【0070】尿素や、酢酸塩としての、酢酸カルシウ
ム、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム等は値段が高く、
これら単独あるいは、多量の凍結防止剤への添加は、安
価で、凍結防止剤の融氷効果等の各要素のバランスがと
れた凍結防止剤を提供するというこの発明の目的を逸脱
しかねない。
【0071】しかしながら、尿素や、酢酸塩を所定量添
加することは、むしろ、金属腐食性の問題が少なくな
り、さらには、凍結防止剤の融氷効果等の各要素のバラ
ンスがとれた凍結防止剤を提供することができる。よっ
て、この発明の凍結防止剤において、ハーブ抽出液(ハ
ーブエキス)と無機塩の混合物(添加物)に対して、酢
酸塩および尿素を、少量添加することは、むしろこの発
明の目的に合致するものである。
【0072】また、この発明において、ハーブ抽出液
(ハーブエキス)と無機塩は、化学組成上、基本的に相
溶性に乏しいものの、添加するハーブ抽出液(ハーブエ
キス)の量は比較的少ないことより、無機塩に対して、
ハーブ抽出液(ハーブエキス)の分散むらが生じるおそ
れは少ない。
【0073】しかしながら、尿素や、酢酸塩をさらに添
加(混合)すると、ハーブ抽出液(ハーブエキス)に対
する、無機塩への添加(混合)性をより改良することが
できる。したがって、製造上の利点等を考慮すれば、逆
に、尿素や、酢酸塩を所定量添加することは、凍結防止
剤全体として、トータルコストが低下する可能性があ
り、この発明に好ましいことである。
【0074】よって、この発明の凍結防止剤において、
ハーブ抽出液(ハーブエキス)と、無機塩の混合物(添
加物)に対して、酢酸塩および尿素の両方、あるいはい
ずれか一方を、さらに添加(混合)することは好ましい
と言える。
【0075】なお、具体的な尿素や、酢酸塩の好ましい
添加量としては、無機塩として構成された薬剤100重
量部に対して、0.1〜50重量部の範囲内の値、より
好ましくは、1〜30重量部の範囲内の値である。尿素
や、酢酸塩の添加量がかかる範囲内の値であれば、所定
の添加効果が得られやすい上に、凍結防止剤全体とし
て、トータルコストが過度に高くなることがないためで
ある。
【0076】また、この発明の凍結防止剤において、さ
らに添加する場合の酢酸塩の種類としては、酢酸カリウ
ム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウムおよび酢酸ナト
リウムから選択されるいずれか1種または2種以上であ
ることが良い。
【0077】これらの酢酸塩は、単独または混合して、
従来から凍結防止剤における薬剤として使用されてお
り、凍結防止剤の融氷効果の点で優れた実績があり、さ
らには、金属腐食性の問題が少ない点で、この発明に好
ましい。
【0078】特に、酢酸カリウムは、最低融点温度が低
く、水溶発熱性であるため、融氷効果が素早く得られる
点でより好ましく、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム
および酢酸ナトリウムは、融氷効果が高く、金属腐食性
の問題が少ない点で、この発明により好ましい。
【0079】また、この発明の凍結防止剤において、好
ましくは、ハーブ抽出液(ハーブエキス)と、無機塩と
して構成された薬剤との混合物に対して、界面活性剤を
さらに含むことが良い。
【0080】界面活性剤を、ハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)と、無機塩として構成された薬剤との混合物に添加
(混合)すると、ハーブ抽出液(ハーブエキス)に対す
る、無機塩への添加(混合)性をより改良することがで
きるためである。
【0081】したがって、界面活性剤をさらに含ませる
ことにより、金属腐食性の問題が少なく、安価で、さら
には、凍結防止剤の融氷効果等の各要素のバランスがと
れた凍結防止剤が得られる。
【0082】よって、界面活性剤の添加量は、無機塩を
主剤として構成された薬剤100重量部に対して、0.
1〜50重量部、より好ましくは、0.5〜10重量部
の範囲内とすることが良い。かかる範囲内の量の界面活
性剤の添加であれば、所定の界面活性(相溶性改良)効
果が得られるとともに、全体として、安価な凍結防止剤
を提供することができるためである。
【0083】また、この発明において、界面活性剤の種
類も特に限定されるものでなく、ハーブ抽出液(ハーブ
エキス)と無機塩の相溶性等を考慮して定めることがで
きる。界面活性剤の例としては、例えば、脂肪酸塩やア
ルキルベンゼンスルホン酸のような陰イオン界面活性
剤、第4級アンモニウム塩のような陽イオン界面活性
剤、長鎖アルキルアミノ酸のような両性イオン界面活性
剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルのよう
な非イオン界面活性剤、あるいはマクロモノマーのよう
に高分子(オリゴマ)界面活性剤であっても良い。
【0084】そして、特に、親水性基として、カルボキ
シル基やヒドロキシル基、特にフェノール性ヒドロキシ
ル基を分子内に有する界面活性剤が好ましい。かかるカ
ルボキシル基やヒドロキシル基は、無機塩と容易に反応
して、塩を生成し、無機塩に起因した金属腐食性を低下
させることができるためである。
【0085】また、この発明の凍結防止剤において、好
ましくは、無機塩を主剤として構成された薬剤100重
量部に対して、ハーブ抽出液(ハーブエキス)を、0.
1〜50重量部の範囲内で添加してあることが良い。
【0086】このような範囲にハーブ抽出液(ハーブエ
キス)の添加量を制御することにより、無機塩の金属腐
食性を、少なからず低下させることができ、凍結防止
(融氷効果)についても、優れた効果が得られるためで
ある。そして、また、ハーブ抽出液(ハーブエキス)の
添加量がこのような範囲でれば、ハーブ抽出液(ハーブ
エキス)の、無機塩を主剤として構成された薬剤への添
加(混合)が、それ程困難とならないためでもある。
【0087】すなわち、既に説明したように、ハーブ抽
出液(ハーブエキス)と無機塩は、本来相溶性に乏しい
ため、添加(混合)が必ずしも容易でない。しかしなが
ら、このような範囲のハーブ抽出液(ハーブエキス)の
添加量であれば、比較的容易に、ハーブ抽出液(ハーブ
エキス)を、無機塩等に対して、均一に添加(混合)す
ることができる。
【0088】よって、無機塩に起因した金属腐食性の低
下、および無機塩を主剤として構成された薬剤とハーブ
抽出液(ハーブエキス)との添加(混合)性のバランス
がより良好な観点から、より好ましくは、ハーブ抽出液
(ハーブエキス)を、無機塩を主剤として構成された薬
剤100重量部に対して、0.5〜10重量部の範囲
内、最適には、1.0〜5.0重量部の範囲内で添加
(混合)することが良い。
【0089】また、この発明の凍結防止剤において、好
ましくは、無機塩を主剤として構成された薬剤100重
量部に対して、金属腐食防止剤を、0.1〜50重量部
の範囲内で添加(混合)することが良い。
【0090】もちろん、ハーブ抽出液(ハーブエキス)
を無機塩を主剤として構成された薬剤に対して添加(混
合)することにより、かかる薬剤の、融氷効果や凍結防
止効果を維持したまま、著しい無機塩の金属腐食性の低
下効果が得られる。
【0091】しかしながら、さらに、優れた金属腐食性
の低下効果を得たいような場合には、無機塩を主剤とし
て構成された薬剤100重量部に対して、金属腐食防止
剤を、0.1〜50重量部の範囲内で添加(混合)する
ことが良い。金属腐食防止剤の添加量を、このような範
囲に制限することにより、所定の金属腐食防止効果が得
られるとともに、金属腐食防止剤の混合分散も困難とな
らないためである。
【0092】なお、金属腐食防止剤の例としては、従来
公知のものが使用できるが、例えば、カルボン酸、カル
ボン酸エステル、リグニンスルフォン酸、亜硝酸ナトリ
ウム、ピロリン酸ナトリウム等の化合物が好ましい。
【0093】また、この発明の凍結防止剤において、好
ましくは、無機塩を主剤として構成された薬剤100重
量部に対して、水、アルコール類およびエーテル類から
選択されるいずれか1種または2種以上の溶剤を、10
〜10、000重量部の範囲内で添加してあることが良
い。
【0094】このような範囲で、水、アルコール類およ
びエーテル類のいずれか1種または2種以上を添加する
ことにより、この発明の凍結防止剤を、適当な粘度の液
状物または粘調体とすることができる。したがって、凍
結防止剤の使い勝手が良くなり、また、ハーブ抽出液
(ハーブエキス)の、無機塩等に対する添加(混合)性
が、より良好となるためである。
【0095】
【実施例】
1.実施例1 (凍結防止剤の作成)この発明の凍結防止剤を以下のよ
うに作成した。まず、市販の、原塩(塩化ナトリウム9
5%以上、日本たばこ産業製)を粉砕器を用いて粉砕
し、直径約1mmの粉砕塩を、約20kg用意した。
【0096】次に、ミント類、バジル類、マジョラム、
タイムから抽出したハーブ抽出液(ハーブエキス)を、
添加比率が同一となるように、それぞれ同量ずつ容器内
で混合して、約200gのハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)を作成した。
【0097】そして、このハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)を、粉砕塩を攪拌機のステンレス容器に導入後、霧
状に粉砕塩に対して振りかけながら添加した。それか
ら、攪拌機内で、低速(約30rpm)で、約1時間攪
拌し、粉砕塩とハーブ抽出液(ハーブエキス)を均一に
混合した。そして、この発明の凍結防止剤(粉砕塩10
0重量部に対して、ハーブ抽出液(ハーブエキス)が1
重量部の割合、以下、塩化ナトリウム/ハーブ1%品と
称する。)として、以下の評価に供した。
【0098】なお、この発明に使用したハーブ抽出液
(ハーブエキス)の赤外分光分析を、予め赤外分光光度
計を用いて行った。すなわち、ハーブ抽出液(ハーブエ
キス)を、蒸発用ガラス容器に入れて、70℃、10時
間の条件で、オーブン中で加熱し、粗製物(クルード)
を作成した。そして、さらに、この粗製物(クルード)
を、同容器中に入れたまま、40℃、5時間、減圧下
(約100mmHg)で加熱し、ハーブ抽出液から水分
を完全に除去して、ハーブ抽出物とした。
【0099】それから、臭化カリウム(KBr)の粉末
とこのハーブ抽出物を、乳鉢中で十分に混合し(ハーブ
抽出物約0.1重量%)、その後、圧縮機械を用いて、
100kg/cm2 の圧力下で、錠剤型のハーブ抽出物
入りKBrディスク(直径約8mm、厚さ約1mm)を
作成した。そして、日本分光(株)製の、赤外分光光度
計(A302)を用いて、ハーブ抽出物入りKBrディ
スクの赤外分光光度を測定した。得られた赤外分光チャ
ートを、図1に示す。この赤外分光チャートにおいて
は、横軸に、波長(cm-1)が取ってあり、縦軸には、
赤外吸収強度(相対値)が取ってある。
【0100】この結果から、明らかなように、波長36
50〜3000(cm-1)領域に、ブロードなヒドロキ
シル基に帰属すると思われるピークが観察された。よっ
て、このハーブ抽出物は、比較的多量のヒドロキシル基
を有していることが推定される。
【0101】また、波長1550(cm-1)および14
10(cm-1)付近に波長ピークが、それぞれ観察され
た。したがって、これらのピーク位置関係から、これら
の波長ピークは、カルボキシレート(−COO−)に帰
属するものと思われる。すなわち、ハーブ抽出物は、比
較的多量のカルボキシレートを有していることが推定さ
れる。
【0102】よって、以上の赤外分光分析から、ハーブ
抽出物は、少なくともヒドロキシル基およびカルボキシ
レートを分子内に有していることが確認された。但し、
ハーブ抽出物は、数種類の化合物の混合物であり、一つ
の分子内にヒドロキシル基およびカルボキシレートを両
方有しているかはこのデータからは判断できない。
【0103】また、この赤外分光分析においては、事前
に、ハーブ抽出物の分取をしていない。したがって、仮
に分取した後に赤外分光分析を行えば、波長3650〜
3000(cm-1)領域、波長1550(cm-1)およ
び1410(cm-1)以外に、波長ピークを有している
ことは、十分可能性がある。
【0104】(凍結防止剤の評価) (1)金属腐食性試験 上記の、塩化ナトリウム/ハーブ1%品10gに対し
て、イオン交換水を323g添加し、約3%濃度の塩化
ナトリウム/ハーブ1%品(凍結防止剤)の水溶液を作
成した。それから、この水溶液に、あらかじめ酸を用い
て表面を磨いた後、アルコールで脱脂した金属(鉄)片
(6.68cm×9.96cm×0.2cm)を、7日
間浸した。
【0105】そして、8日目(7日間経過後)に、金属
(鉄)片を凍結防止剤水溶液から取り出し、この金属
(鉄)片の金属腐食部を、酸により洗浄して除去した。
それから、この金属(鉄)片の重量、および塩化ナトリ
ウム/ハーブ1%品の水溶液に浸漬前の金属(鉄)片の
重量から、1日あたりの金属腐食速度を求めた(md
d:mg/dm2 /day)。その結果を、表1に示
す。
【0106】結果から、明らかなように、この発明の塩
化ナトリウム/ハーブ1%品の、1日あたりの金属腐食
速度は、0.08mddとなり、極めて低い値となっ
た。
【0107】また、同時期、同条件で測定した、ハーブ
抽出液(ハーブエキス)を添加しない場合(比較例
1)、すなわち、直径約1mmの、塩化ナトリウムの粉
砕塩の場合には、1日あたりの金属腐食速度は、約4
7.0mddとなり、この発明の塩化ナトリウム/ハー
ブ1%品の、約580倍という、極めて高い金属腐食性
を示した。
【0108】さらに、同時期、同条件で測定した、CM
A(比較例3)およびKAC(比較例4)の場合には、
それぞれ、1日あたりの金属腐食速度は、約0.3md
d、約0.2mddとなり、これらの凍結防止剤は、こ
の発明の凍結防止剤である、塩化ナトリウム/ハーブ1
%品と、ほぼ同等か、やや高い金属腐食性を呈してい
た。
【0109】なお、1日あたりの金属腐食速度が、10
mdd以下であれば、経験上、凍結防止剤が散布された
道路上を走行する自動車のボデイ等を金属腐食したり、
橋梁、あるいは道路標識や信号機の金属柱を錆させた
り、さらには、道路内部に強化のために埋設されている
鉄筋を金属腐食させる程度が低いといわれている。
【0110】したがって、この発明の塩化ナトリウム/
ハーブ1%品の、かかる1日あたりの金属腐食速度は、
それ以下であり、大変すばらしい、金属非腐食性を有す
ることが確認された。
【0111】よって、この発明の塩化ナトリウム/ハー
ブ1%品は、きわめて少量(約1%)のハーブ抽出液
(ハーブエキス)の添加により、塩化ナトリウムに起因
した金属腐食性を著しく低下させることが確認され、実
用上も優れた、金属非腐食性を有することが推定され
る。
【0112】
【表1】
【0113】(2)凍結防止(融氷)試験 図2および図3に、この発明の塩化ナトリウム/ハーブ
1%品を使用して、凍結防止(融氷)試験を実施した結
果を示す。
【0114】すなわち、まず、凍結防止(融氷)試験は
温度センサ(タイプT熱電対)を中心部に取り付けた氷
の供試体(寸法15cm×9cm×2cm、重量200
g)に、10gの塩化ナトリウム/ハーブ1%品を散布
した。そして、氷の供試体の重量変化を、経時測定し、
塩化ナトリウム/ハーブ1%品による氷の融氷量を算出
した。
【0115】また、この試験は、試験温度、すなわち、
温度センサ温度を−5(℃)の条件で行い、この場合の
氷の融氷量をした。測定結果を、実線で、図2に示す。
また、同様に、この試験を、試験温度を−10(℃)の
条件で行い、その場合の氷の融氷量の測定結果を、実線
で、図3に示す。
【0116】なお、図2および図3において、横軸に
は、経過時間(分)を取ってあり、縦軸には、氷の融氷
量(%)を取ってある。
【0117】そして、図2から理解できるように、試験
温度が−5(℃)の条件で、この発明の塩化ナトリウム
/ハーブ1%品を使用(上記使用量)すれば、60分以
内で、約45%程度の氷を融解させることができた。
【0118】また、比較のために、凍結防止剤(比較例
1)として、塩化ナトリウム(塩化ナトリウム95%以
上の日本たばこ産業製の原塩を、粉砕器を用いて直径約
1mmとした粉砕塩)単体を用いて、同様の条件で試験
を行った結果を、図2に点線で示してある。
【0119】その結果、この発明の塩化ナトリウム/ハ
ーブ1%品の実線と、塩化ナトリウム単体の結果を示す
点線とは、経過時間が60分以内では、ほぼ一致してお
り、この発明の塩化ナトリウム/ハーブ1%品は、凍結
防止剤としての塩化ナトリウム単体と、同様の初期凍結
防止(融氷)性能を有していることが確認された。
【0120】そして、その後は、約60〜160分の時
間の経過とともに、緩やかな傾きで、直線的に、この発
明の塩化ナトリウム/ハーブ1%品による氷の融氷量
(%)が増加している。例えば、経過時間60分で、約
45(%)の氷の融解量を示し、経過時間約160分
で、約75(%)の氷の融解量であった。
【0121】そして、また、この発明の塩化ナトリウム
/ハーブ1%品の実線と、塩化ナトリウム単体の点線と
は、この経過時間の範囲内でも、ほぼ完全に一致してお
り、この発明の塩化ナトリウム/ハーブ1%品は、凍結
防止剤としての塩化ナトリウム単体と同様の、経時にお
ける凍結防止(融氷)性能も有していることが確認され
た。
【0122】また、試験温度を−10(℃)の条件で、
融氷試験を行なった場合には、図3から理解できるよう
に、この発明の塩化ナトリウム/ハーブ1%品は、60
分以内に、約35%程度の氷を融解させることができ
た。
【0123】したがって、氷の融解量は、試験温度が−
10(℃)の条件では、試験温度が−5(℃)の氷の融
解量の約78%に低下していることが確認された。
【0124】なお、比較のために、凍結防止剤(比較例
1)として、塩化ナトリウム(塩化ナトリウム95%以
上の日本たばこ産業製の原塩を、粉砕器を用いて直径約
1mmとした粉砕塩)の単体を用いて、同様の−10
(℃)の条件で試験を行った。その結果、塩化ナトリウ
ム単体の場合も、試験温度が−10(℃)の条件では、
試験温度が−5(℃)の氷の融解量の約78%に低下し
ていることが確認された。
【0125】また、試験温度が−10(℃)の場合にお
いても、この発明の塩化ナトリウム/ハーブ1%品は、
塩化ナトリウム単体と同様の初期凍結防止(融氷)性能
を示すことも確認された。
【0126】そして、この発明の塩化ナトリウム/ハー
ブ1%品について、その後、約60〜160分の時間が
経過する間、ほぼ緩やかな直線として、氷の融氷量
(%)が増加した。例えば、この発明の塩化ナトリウム
/ハーブ1%品は、経過時間60分で、約35(%)の
氷の融解量を示し、経過時間160分で、約50(%)
の氷の融解量を示した。
【0127】そしてまた、塩化ナトリウム単体もまた、
試験温度が−10(℃)の条件において、この発明の塩
化ナトリウム/ハーブ1%品と同様の、氷の融解量に関
する経時変化を示し、約60〜160分の時間の範囲内
でも、塩化ナトリウム/ハーブ1%品の実線と、塩化ナ
トリウム単体の点線とは、ほぼ完全に一致していた。
【0128】よって、この発明の塩化ナトリウム/ハー
ブ1%品は、試験温度が−10(℃)の条件の経時にお
いても、凍結防止剤としての塩化ナトリウム単体と、同
様の凍結防止(融氷)性能を有していることが確認され
た。
【0129】以上のとおり、この発明のハーブ抽出液
(ハーブエキス)を少量無機塩に添加した、塩化ナトリ
ウム/ハーブ1%品は、試験温度により、氷の融解量、
すなわち凍結防止(融氷)性能は変化するものの、試験
温度が−5(℃)であっても、−10(℃)であって
も、凍結防止剤としての塩化ナトリウム単体と同様の凍
結防止(融氷)性能を有していることが確認された。
【0130】すなわち凍結防止(融氷)性能に関して
は、この発明において、ハーブ抽出液(ハーブエキス)
を少量添加しても、凍結防止剤の主成分である塩化ナト
リウムの特性を変化させておらず、塩化ナトリウムの効
果をそのまま発揮させていることがわかる。
【0131】なお、経験的に、塩化ナトリウム単体と同
様の凍結防止(融氷)性能であれば、凍結防止剤として
の効果としては、実用上、十分優れていると言える。
【0132】(3)凍結試験 凍結防止剤は、凍結防止(融氷)効果のほかに、凍結防
止剤による道路等がさらに凍らないようにする、凍結防
止効果も求められる。すなわち、散布された凍結防止剤
が、融解した水に溶けた場合であって、凍結防止剤の飽
和水溶液が長期間そのまま凍らないことが望まれる。
【0133】そのため、凍結防止剤の濃度が、約2.7
mol/kgになるように、100gの水に対して、こ
の発明の塩化ナトリウム/ハーブ1%品を7.9g溶解
させ、凍結防止剤の水溶液を作成した。そして、この水
溶液20gをシャーレ(直径58mm×深さ10mm)
に入れ、−5℃、−7℃、−15℃、−20℃の温度雰
囲気の冷凍庫に放置した。それから、10分、30分、
60分、180分経過した後の、凍結防止剤の溶液状態
を、以下の基準で、目視にて判断した。この測定結果
を、表2に示す。
【0134】(凍結試験の判断基準) 良:未凍結 可:シャーベット状または一部凍結 不可:凍結 表2に示す結果から容易に理解できるように、この発明
の塩化ナトリウム/ハーブ1%品の水溶液は、試験温度
が高い程(−5℃、−7℃、−15℃)、180分経過
した後でも、凍結することはなかった。
【0135】それに対して、この発明の凍結防止剤1%
品の水溶液は、−20℃の極低温雰囲気では、60分経
過後に、凍結現象が見られたが、30分経過するまで
は、凍結することはなかった。
【0136】また、同時期に、同条件で試験した、凍結
防止剤としての塩化ナトリウム単体の水溶液についての
凍結試験の結果を表3に示す。表3から明らかなよう
に、試験温度が高い程(−5℃、−7℃、−15℃)、
180分経過した後でも、凍結することなかったが、−
20℃の極低温雰囲気になると、60分(1時間)経過
後には、凍結する現象が見られた。
【0137】すなわち、この発明の表2に示す塩化ナト
リウム/ハーブ1%品についての凍結試験の結果は、表
3に示す、従来の凍結防止剤としての塩化ナトリウム単
体の凍結試験の結果と、完全に一致していることが確認
された。
【0138】よって、この発明の、ハーブ抽出液(ハー
ブエキス)を少量無機塩に添加した、塩化ナトリウム/
ハーブ1%品は、既に説明した金属腐食性および、後に
説明する植生への影響をのぞいた他の特性、例えば、こ
の凍結試験性や、既に説明した凍結防止(融氷)試験性
につき、凍結防止剤としての塩化ナトリウム単体と同様
の特性を有していることが確認された。
【0139】なお、同時期に、同条件で試験した、凍結
防止剤としての塩化カルシウム単体(比較例2)の水溶
液や、尿素(比較例5)の水溶液あるいは、KAC(比
較例3)の水溶液についても、試験温度が高い程(−5
℃、−7℃、−15℃)、180分経過した後でも、凍
結することなく、一方で、−20℃の極低温雰囲気で
は、60分(1時間)経過後に、凍結現象が初めて見ら
れた。
【0140】よって、この発明の、ハーブ抽出液(ハー
ブエキス)を少量無機塩に添加した、塩化ナトリウム/
ハーブ1%品は、凍結防止剤としての塩化カルシウム、
尿素、およびKACと、同様の凍結試験性を有している
ことが確認された。
【0141】但し、この発明の塩化ナトリウム/ハーブ
1%品と、同時期、同条件で試験した、凍結防止剤とし
てのCMAの水溶液(比較例4)については、−20℃
の極低温雰囲気で、60分経過後でも、水溶液は未凍結
であった。
【0142】なお、さらに、蒸留水(比較例6)、すな
わち、何も凍結防止剤を添加せずに、この発明の塩化ナ
トリウム/ハーブ1%品と、同時期に、同条件で、凍結
試験性を試験した。その結果、試験温度が比較的高い条
件(例えば、−7℃)でも、60分経過後には、凍結し
てしまうという結果が得られた。
【0143】
【表2】
【0144】
【表3】
【0145】
【表4】
【0146】(4)植物に対する影響試験 上記(1)の金属腐食性試験で作成したように、この発
明の塩化ナトリウム/ハーブ1%品10gに対して、イ
オン交換水を323g添加し、約3%濃度の塩化ナトリ
ウム/ハーブ1%品(凍結防止剤)の水溶液を作成し
た。そして、この水溶液を入れた容器に、水仙の花をさ
して、室温に放置した状態で水仙の花の状態を、目視で
観察した。その結果を表4に示す。
【0147】結果から明らかなように、塩化ナトリウム
/ハーブ1%品(凍結防止剤)の水溶液を用いた場合に
は、水仙の花は、22時間経過後も、しおれることはな
かった。そして、比較のために、ハーブ抽出物(ハーブ
エキス)を添加しない系、すなわち、比較例1の塩化ナ
トリウム単体について、同様の試験を実施したところ、
22時間経過後には、水仙の花は、しおれて茎から折れ
まがってしまった。
【0148】よって、この発明の塩化ナトリウム/ハー
ブ1%品について、植物に対する影響が少ないことが確
認された。
【0149】2.実施例2〜3 (凍結防止剤の作成)無機塩に対する、ハーブ抽出液
(ハーブエキス)の添加(混合)量を、粉砕塩100重
量部に対して、ハーブ抽出液(ハーブエキス)を3重量
部(以下、塩化ナトリウム/ハーブ3%品と称する。)
と増量して添加し(実施例2)、また、さらに、粉砕塩
100重量部に対して、ハーブ抽出液(ハーブエキス)
を5重量部(以下、塩化ナトリウム/ハーブ5%品と称
する。)と増量して添加した(実施例3)他は、実施例
1と同様に、この発明のハーブ抽出液(ハーブエキス)
混合の塩化ナトリウムから構成された凍結防止剤を作成
し、実施例1と同様の評価に供した。
【0150】(凍結防止剤の評価) (1)金属腐食性試験 上記の、実施例2および実施例3における、塩化ナトリ
ウム/ハーブ3%品および塩化ナトリウム/ハーブ5%
品10gに対して、それぞれ、イオン交換水を323g
添加し、3%濃度の、それぞれの凍結防止剤水溶液を作
成した。それから、実施例1と同様に、これらの凍結防
止剤水溶液に、金属(鉄)片を、7日間浸し、重量測定
により、1日あたりの金属腐食速度を、それぞれ求めた
(mdd:mg/dm2 /day)。
【0151】その結果を、表1に示す。この結果から、
明らかなように、この発明の塩化ナトリウム/ハーブ3
%品の、1日あたりの金属腐食速度は0.17mdd、
塩化ナトリウム/ハーブ5%品の、1日あたりの金属腐
食速度は0.13mddとなり、それぞれ極めて低い値
となった。
【0152】よって、この発明の塩化ナトリウム/ハー
ブ3%品および塩化ナトリウム/ハーブ5%品は、少量
のハーブ抽出液(ハーブエキス)の添加により、凍結防
止剤の薬剤としての、塩化ナトリウムの金属腐食性を著
しく低下させることが確認された。
【0153】(2)凍結防止(融氷)試験 実施例2および実施例3における、塩化ナトリウム/ハ
ーブ3%品および塩化ナトリウム/ハーブ5%品を使用
して、それぞれ、実施例1と同様に、凍結防止(融氷)
試験を実施した。
【0154】すなわち、温度センサ(タイプT熱電対)
を中心部に取り付けた氷の供試体(寸法15cm×9c
m×2cm、重量200g)に、10gの塩化ナトリウ
ム/ハーブ3%品および塩化ナトリウム/ハーブ5%品
をそれぞれ散布した。
【0155】そして、これらの塩化ナトリウム/ハーブ
3%品および塩化ナトリウム/ハーブ5%品による、試
験温度が−5(℃)および−10(℃)の条件での氷の
供試体の重量変化を、それぞれ経時測定し、氷の融氷量
(%)を算出した。結果を、図2および図3に示す。
【0156】図2および図3から明らかなように、試験
温度が−5(℃)および−10(℃)の条件とも、これ
らの塩化ナトリウム/ハーブ3%品および塩化ナトリウ
ム/ハーブ5%品について、実施例1の塩化ナトリウム
/ハーブ1%品と、ほぼ同様の結果が得られた。
【0157】例えば、試験温度が−5(℃)の条件で、
この発明の塩化ナトリウム/ハーブ3%品および塩化ナ
トリウム/ハーブ5%品を使用すれば、実施例1と同様
に、60分以内に、約45%程度の氷を融解させること
ができることが確認された。
【0158】そして、約60〜160分の時間の経過後
も、実施例1と同様に、ほぼ直線的に、氷の融氷量
(%)が増加し、例えば、経過時間160分で、約75
(%)の氷の融解量を示した。
【0159】すなわち、実施例1の結果と、実施例2お
よび実施例3の凍結防止(融氷)の結果において、試験
温度が−5(℃)および−10(℃)の条件とも、顕著
な差は見られず、いずれも優れた氷の融解量を示した。
【0160】よって、かかるハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)の添加量の範囲内では、ハーブ抽出液(ハーブエキ
ス)の添加量にかかわらず、この発明の凍結防止剤によ
れば、優れた凍結防止(融氷)効果が得られることが確
認された。
【0161】そして、塩化ナトリウム/ハーブ3%品お
よび塩化ナトリウム/ハーブ5%品のそれぞれの実線
と、塩化ナトリウム単体の結果を示す点線とは、初期お
よび経時後も、ほぼ一致していた。したがって、この発
明の塩化ナトリウム/ハーブ3%品および塩化ナトリウ
ム/ハーブ5%品もまた、凍結防止剤としての塩化ナト
リウム単体と同様の、優れた凍結防止(融氷)性能を有
していることが確認された。
【0162】(3)凍結試験 実施例2および実施例3における、塩化ナトリウム/ハ
ーブ3%品および塩化ナトリウム/ハーブ5%品のそれ
ぞれについても、実施例1と同様に、凍結試験を実施し
た。
【0163】すなわち、凍結防止剤水溶液の濃度が、約
2.7mol/kgになるように、この発明の塩化ナト
リウム/ハーブ3%品および塩化ナトリウム/ハーブ5
%品を、それぞれ約7.9g、100gの水に対して溶
解させ、それぞれの凍結防止剤水溶液を作成した。そし
て、実施例1と同様の条件で、凍結防止剤の溶液状態
を、実施例1に示した基準で、目視にて判断した。この
測定結果を、表2に示す。
【0164】表2に示す結果から容易に理解できるよう
に、この発明の塩化ナトリウム/ハーブ3%品および塩
化ナトリウム/ハーブ5%品の水溶液は、試験温度が高
い程(−5℃、−7℃、−15℃)、180分経過した
後でも、凍結することはなかった。
【0165】それに対して、この発明の塩化ナトリウム
/ハーブ3%品および塩化ナトリウム/ハーブ5%品の
水溶液において、−20℃の極低温雰囲気では、60分
経過後に、凍結現象が見られた。
【0166】すなわち、この凍結試験の傾向は、既に説
明した、実施例1の結果および凍結防止剤としての塩化
ナトリウム単体の凍結試験の結果と、完全に一致してい
る。よって、かかるハーブ抽出液(ハーブエキス)の添
加量の範囲内では、ハーブ抽出液(ハーブエキス)の添
加量にかかわらず、優れた凍結試験の結果が得られるこ
とが確認された。
【0167】そして、また、塩化ナトリウム/ハーブ3
%品および塩化ナトリウム/ハーブ5%品は、塩化ナト
リウム単体と同様の凍結試験性能を有していることが確
認された。
【0168】(4)植物に対する影響試験 実施例1と同様に、この発明の塩化ナトリウム/ハーブ
3%品および塩化ナトリウム/ハーブ5%品10gに対
して、イオン交換水を323g添加し、約3%濃度の塩
化ナトリウム/ハーブ3%品および塩化ナトリウム/ハ
ーブ5%品(凍結防止剤)の水溶液をそれぞれ作成し
た。そして、この水溶液が入れられた容器に、水仙の花
をさして、室温に放置した状態で水仙の花の状態を、目
視で観察した。その結果を、表4に示す。
【0169】結果から明らかなように、塩化ナトリウム
/ハーブ3%品および塩化ナトリウム/ハーブ5%品
(凍結防止剤)の水溶液を用いた場合には、水仙の花
は、22時間経過後も、しおれることはなかった。そし
て、比較のために、ハーブ抽出物(ハーブエキス)を添
加しない、すなわち、比較例1の塩化ナトリウム単体に
ついて、同様の試験を実施したところ、22時間経過後
には、水仙の花は、しおれて茎から折れまがってしまっ
た。
【0170】3.実施例4〜6 (凍結防止剤の作成)この発明の、別な態様の凍結防止
剤を以下のように作成した。まず、市販の、2水塩を主
成分とした塩化カルシウム(日本たばこ産業製)を粉砕
器を用いて粉砕し、直径約1mmの塩化カルシウム粉砕
塩を、約20kg用意した。
【0171】次に、実施例1と同様の、ハーブ抽出液
(ハーブエキス)を、約200g用意した。
【0172】そして、実施例4では、実施例1と同様
に、粉砕塩を攪拌機に備えてあるステンレス容器に導入
後、さらに、ハーブ抽出液(ハーブエキス)を、霧状に
粉砕塩に対して振りかけながら添加し、攪拌機内で、低
速(約30rpm)で、約1時間攪拌し、塩化カルシウ
ムの粉砕塩とハーブ抽出液(ハーブエキス)を均一に混
合し、この発明の凍結防止剤(粉砕塩100重量部に対
して、ハーブ抽出液(ハーブエキス)が1重量部の割
合、以下、塩化カルシウム/ハーブ1%品と称する。)
として、以下の評価に供した。
【0173】また、実施例5および6では、塩化カルシ
ウムの粉砕塩に対する、ハーブ抽出液(ハーブエキス)
の添加(混合)量を実施例4よりも増量し、すなわち、
実施例5では、粉砕塩100重量部に対して、ハーブ抽
出液(ハーブエキス)を3重量部の割合(以下、塩化カ
ルシウム/ハーブ3%品と称する。)で混合し、実施例
6では、粉砕塩100重量部に対して、ハーブ抽出液
(ハーブエキス)を5重量部の割合(以下、塩化カルシ
ウム/ハーブ5%品と称する。)で混合した。
【0174】そして、これらの塩化カルシウム/ハーブ
1%品、塩化カルシウム/ハーブ3%品および塩化カル
シウム/ハーブ5%品を、以下の評価に供した。
【0175】(凍結防止剤の評価) (1)金属腐食性試験 上記の塩化カルシウム/ハーブ1%品、塩化カルシウム
/ハーブ3%品および塩化カルシウム/ハーブ5%品1
0gに対して、それぞれイオン交換水を323g添加
し、3%濃度の凍結防止剤水溶液をそれぞれ作成した。
それから、実施例1と同様に、1日あたりの金属腐食速
度を求めた(mdd:mg/dm2 /day)。
【0176】その結果を、表1に示す。この結果から、
明らかなように、この発明の塩化カルシウム/ハーブ1
%品、塩化カルシウム/ハーブ3%品および塩化カルシ
ウム/ハーブ5%品は、それぞれ1日あたりの金属腐食
速度として、0.11mddという値を示し、極めて金
属腐食性が低いことが確認された。
【0177】よって、この発明の塩化カルシウム/ハー
ブ1%品、塩化カルシウム/ハーブ3%品および塩化カ
ルシウム/ハーブ5%品は、きわめて少量のハーブ抽出
液(ハーブエキス)の添加により塩化カルシウムの金属
腐食性を著しく低下させることが確認された。
【0178】(2)凍結防止(融氷)試験 図4および図5に、この発明の塩化カルシウム/ハーブ
1%品、塩化カルシウム/ハーブ3%品および塩化カル
シウム/ハーブ5%品をそれぞれ使用して、凍結防止
(融氷)試験を、実施例1と同様に実施した結果を示
す。
【0179】なお、図4および図5において、図2およ
び図3と同様に、横軸には、経過時間(分)を取ってあ
り、縦軸には、氷の融氷量(%)を取ってある。
【0180】そして、図4から理解できるように、試験
温度が−5(℃)の条件で、この発明の塩化カルシウム
/ハーブ1%品、塩化カルシウム/ハーブ3%品および
塩化カルシウム/ハーブ5%品をそれぞれ使用すれば、
5分以内に、約30%程度の氷を融解させることができ
た。
【0181】また、比較のために、凍結防止剤として、
塩化カルシウム単体を用いて、同様の条件で試験を行っ
た結果を、点線で示してある。
【0182】その結果、この塩化カルシウムの点線と、
この発明の塩化カルシウム/ハーブ1%品、塩化カルシ
ウム/ハーブ3%品および塩化カルシウム/ハーブ5%
品のそれぞれの実線とは、ほぼ一致している。したがっ
て、この発明の塩化カルシウム/ハーブ1%品、塩化カ
ルシウム/ハーブ3%品および塩化カルシウム/ハーブ
5%品は、凍結防止剤としての塩化カルシウム単体と、
同様の初期凍結防止(融氷)性能を有していることが確
認された。
【0183】なお、実施例4〜6の凍結防止剤のほう
が、実施例1〜3の凍結防止剤よりも、素早く氷を融解
させているのは、凍結防止剤における薬剤の相違と考え
られる。すなわち、実施例1〜3の凍結防止剤は、塩化
ナトリウムを薬剤として使用しており、一方、実施例4
〜6の凍結防止剤は、薬剤として、塩化カルシウムを使
用している。したがって、塩化カルシウムは、最低融点
温度が低く(−55℃)、水和熱が大きい(68cal
/g)ため、融氷効果が早く出現するものと推定され
る。
【0184】そして、いずれの凍結防止剤の場合も、約
10〜160分の時間の経過とともに、緩やかな曲線を
描いて、氷の融氷量(%)が増加している。例えば、経
過時間10分で、約30(%)の氷の融解量であり、経
過時間60分で、約45(%)の氷の融解量であり、さ
らに、経過時間160分で、約60(%)の氷を融解量
であった。
【0185】そして、また、塩化カルシウム/ハーブ1
%品、塩化カルシウム/ハーブ3%品および塩化カルシ
ウム/ハーブ5%品のそれぞれの実線は、塩化カルシウ
ム単体の結果を示す点線とは、この経過時間の範囲内で
も、ほぼ一致しており、この発明の塩化カルシウム/ハ
ーブ1%品、塩化カルシウム/ハーブ3%品および塩化
カルシウム/ハーブ5%品はそれぞれ、凍結防止剤とし
ての塩化カルシウム単体と、同様の経時における、凍結
防止(融氷)性能を有していることも確認された。
【0186】よって、この発明の、ハーブ抽出液(ハー
ブエキス)を少量無機塩に添加した、塩化カルシウム/
ハーブ1%品、塩化カルシウム/ハーブ3%品および塩
化カルシウム/ハーブ5%品はそれぞれ、金属腐食性に
つき、凍結防止剤としての塩化カルシウム単体と同様の
特性を有していることが確認された。
【0187】また、試験温度を−10(℃)の条件で行
なった場合には、図5から理解できるように、この発明
の塩化カルシウム/ハーブ1%品、塩化カルシウム/ハ
ーブ3%品および塩化カルシウム/ハーブ5%品は、そ
れぞれ10分以内に、約25%程度の氷を融解させるこ
とができることが確認された。
【0188】また、実施例4〜6の凍結防止剤において
は、試験温度が−5(℃)の場合と、試験温度が−10
(℃)の場合と、比較して、10分後の氷の融解量に、
顕著な差は見られなかった。これもまた、薬剤として、
塩化カルシウムを使用していることに起因しているもの
と推定される。
【0189】そして、この発明の塩化カルシウム/ハー
ブ1%品、塩化カルシウム/ハーブ3%品および塩化カ
ルシウム/ハーブ5%品、さらには、塩化カルシウム単
体も、いずれも、その後、約10〜30分程度までは、
緩やかな曲線を描いて氷の融解量は増加したが、それを
過ぎると、ほぼ平らな直線となり、約160分の時間が
経過しても氷の融氷量(%)の増加はわずかであった。
【0190】よって、この発明の塩化カルシウム/ハー
ブ1%品、塩化カルシウム/ハーブ3%品および塩化カ
ルシウム/ハーブ5%品は、経時においても、凍結防止
剤としての塩化カルシウム単体と、同様の凍結防止(融
氷)性能を有していることが確認された。
【0191】すなわち、この発明の、ハーブ抽出液(ハ
ーブエキス)を少量無機塩に添加した、塩化カルシウム
/ハーブ1%品、塩化カルシウム/ハーブ3%品および
塩化カルシウム/ハーブ5%品は、試験温度により、氷
の融解量、すなわち凍結防止(融氷)性能は若干変化す
るものの、試験温度が−5(℃)であっても、−10
(℃)の条件であっても、凍結防止剤としての塩化カル
シウム単体と同様の凍結防止(融氷)性能を有している
ことが確認された。
【0192】(3)凍結試験 実施例4〜6における、塩化カルシウム/ハーブ1%
品、塩化カルシウム/ハーブ3%品および塩化カルシウ
ム/ハーブ5%品のそれぞれについて、実施例1と同様
に、凍結試験を実施した。
【0193】すなわち、凍結防止剤水溶液の濃度が、約
2.7mol/kgになるように、100gの水に対し
て、この発明の塩化カルシウム/ハーブ1%品、塩化カ
ルシウム/ハーブ3%品および塩化カルシウム/ハーブ
5%品をそれぞれ約13.2g溶解させ、それぞれの凍
結防止剤水溶液を作成した。そして、実施例1と同様の
条件で、凍結防止剤の溶液状態を、実施例1に示した基
準で、目視にて判断した。この測定結果を、表2に示
す。
【0194】表2に示す結果から容易に理解できるよう
に、この発明の塩化カルシウム/ハーブ1%品、塩化カ
ルシウム/ハーブ3%品および塩化カルシウム/ハーブ
5%品の水溶液は、試験温度が高い程(−5℃、−7
℃、−15℃)、180分(3時間)経過した後でも、
凍結することはなかった。
【0195】それに対して、この発明の塩化カルシウム
/ハーブ1%品、塩化カルシウム/ハーブ3%品および
塩化カルシウム/ハーブ5%品においても、−20℃の
極低温雰囲気では、60分(1時間)経過後に、凍結現
象が見られた。
【0196】すなわち、かかるハーブ抽出液(ハーブエ
キス)の添加量の範囲内では、ハーブ抽出液(ハーブエ
キス)の添加量にかかわらず、優れた凍結試験の結果が
得られることが確認された。
【0197】(4)植物に対する影響試験 実施例1と同様に、この発明の塩化カルシウム/ハーブ
1%品、塩化カルシウム/ハーブ3%品および塩化カル
シウム/ハーブ5%品10gに対して、イオン交換水を
323g添加し、約3%濃度の塩化カルシウム/ハーブ
1%品、塩化カルシウム/ハーブ3%品および塩化カル
シウム/ハーブ5%品の水溶液をそれぞれ作成した。そ
して、これらの水溶液が入れられた容器に、水仙の花を
さして、室温に放置した状態で水仙の花の状態を、目視
で観察した。その結果、表4に示す。
【0198】結果から明らかなように、塩化カルシウム
/ハーブ1%品、塩化カルシウム/ハーブ3%品および
塩化カルシウム/ハーブ5%品の水溶液を用いた場合に
は、水仙の花は、22時間経過後も、しおれることはな
かった。そして、比較のために、ハーブ抽出物(ハーブ
エキス)を添加しない、すなわち、比較例2の塩化カル
シウム単体について、同様の試験を実施したところ、2
2時間経過後には、水仙の花は、しおれて茎から折れま
がってしまった。
【0199】4.比較例1〜6 凍結防止剤として、従来から使用されてきた、塩化ナト
リウム(比較例1)、塩化カルシウム(比較例2)、K
AC(比較例3)、CMA(比較例4)、尿素(比較例
5)および蒸留水(比較例6)につき、実施例1と同様
の評価に供した。
【0200】結果を、この発明の凍結防止剤の結果と併
記して、図2〜図7、あるいは、表1、表3および表4
に示す。
【0201】これらの図や表より明らかなように、従来
の凍結防止剤である、比較例1の塩化ナトリウムおよ
び、比較例2の塩化カルシウムは、融氷効果の点では、
この発明の凍結防止剤の効果と同等であり、これらの無
機塩の効果として優れているものの、金属腐食性が著し
く高いという結果が得られた。かかる、結果は、従来の
凍結防止剤としての無機塩に対する見解を、忠実に再現
するものである。
【0202】一方、比較例3のKACについては、比較
例2の塩化カルシウムと同等の融氷効果や融氷傾向を示
すことが確認され、しかも金属腐食性が低いという結果
が得られた。但し、凍結防止剤の凍結性試験の結果によ
ると、この発明の凍結防止剤よりも、若干、凍結しやす
いという傾向が得られた。
【0203】さらに、比較例4のCMAと比較例5の尿
素については、この発明の凍結防止剤よりも、融氷効果
がかなり低いことが確認され、但し、金属腐食性につい
ては、かなり低いという結果が得られた。
【0204】なお、比較例6の蒸留水については、凍結
性試験のみ行った。蒸留水は、一定の溶質を含んでおら
ず、凝固点降下の効果が得られないため、この発明の凍
結防止剤はもちろんのこと、従来の凍結防止剤と比較し
ても、凍結しやすいという結果が得られた。
【0205】
【発明の効果】この発明の、少なくともハーブ抽出液
(ハーブエキス)と、無機塩から構成された薬剤とを含
む凍結防止剤によれば、無機塩に起因した金属腐食性を
著しく低下させることができるようになった。よって、
無機塩から構成された凍結防止剤のために、凍結防止剤
が散布された道路上を走行する自動車のボデイ等に金属
腐食を起こさせるという、いわゆる塩害問題を有効に防
止することが期待できる。
【0206】また、この発明の凍結防止剤によれば、こ
のように凍結防止剤に起因した金属腐食性が著しく低い
ために、従来の凍結防止剤と比較して、主剤として無機
塩から構成された薬剤を多量に使用することができるよ
うになった。したがって、この発明の凍結防止剤によ
り、さらに凍った道路表面上の氷を有効に融解すること
ができ、また、この凍結防止効果を長期にわたって持続
させることも期待できるようになった。
【0207】また、この発明の凍結防止剤によれば、植
生への影響を低下させることができるようになった。す
なわち、凍結防止剤が散布された道路の周囲の植物を枯
らして、植生を変化させるという、従来の凍結防止剤の
問題を解決することも期待できるようになった。
【0208】また、この発明によれば、ハーブ抽出液
(ハーブエキス)の添加(混合)量は、所定の効果を得
る上で、無機塩から構成された薬剤に対して、かなり少
ない量で済む。そのため、薬剤の主成分としては、従来
どおり無機塩を主成分として使用でき、安価で、優れた
融氷(融雪)効果や凍結防止効果を有する凍結防止剤を
提供することができるようになった。
【0209】そして、この発明によれば、使用するハー
ブ抽出液(ハーブエキス)は、天然物であり、一般に食
用や嗜好に供せられている。したがって、人体への安全
性が極めて高い。すなわち、かかるハーブ抽出液(ハー
ブエキス)と、無機塩から基本的に構成したこの発明の
凍結防止剤は、特に安全性の点で問題となることもな
く、さらに、不要になれば容易に廃棄することも可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハーブ抽出液(ハーブエキス)の赤外分光チャ
ートである。
【図2】凍結防止剤の融氷試験(その1)の結果を示す
図である。
【図3】凍結防止剤の融氷試験(その2)の結果を示す
図である。
【図4】凍結防止剤の融氷試験(その3)の結果を示す
図である。
【図5】凍結防止剤の融氷試験(その4)の結果を示す
図である。
【図6】凍結防止剤の融氷試験(その5)の結果を示す
図である。
【図7】凍結防止剤の融氷試験(その6)の結果を示す
図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともハーブ抽出液(ハーブエキ
    ス)と、主剤として無機塩から構成された薬剤とを含む
    ことを特徴とする凍結防止剤。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の凍結防止剤において、
    前記ハーブ抽出液(ハーブエキス)は、カルボキシレー
    ト、カルボキシル基およびヒドロキシル基から選択され
    る少なくとも一つの官能基を有する化合物を含んでいる
    ことを特徴とする凍結防止剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の凍結防止剤に
    おいて、前記ハーブ抽出液(ハーブエキス)は、ミント
    類、バジル類、マジョラム、タイムから選択される少な
    くとも一つのハーブ抽出液(ハーブエキス)を含んでい
    ることを特徴とする凍結防止剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の凍
    結防止剤において、酢酸塩および尿素の両方、あるいは
    いずれか一方を、さらに含むことを特徴とする凍結防止
    剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の凍
    結防止剤において、前記無機塩は、塩化ナトリウム、塩
    化カルシウムおよび塩化マグネシウムから選択される少
    なくとも一つであることを特徴とする凍結防止剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の凍
    結防止剤において、界面活性剤を、さらに含むことを特
    徴とする凍結防止剤。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の凍
    結防止剤において、前記薬剤100重量部に対して、前
    記ハーブ抽出液(ハーブエキス)を、0.1〜50重量
    部の範囲内で添加してあることを特徴とする凍結防止
    剤。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の凍
    結防止剤において、前記薬剤100重量部に対して、金
    属腐食防止剤を、0.1〜50重量部の範囲内で添加し
    てあることを特徴とする凍結防止剤。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の凍
    結防止剤において、前記薬剤100重量部に対して、
    水、アルコール類およびエーテル類から選択される少な
    くとも一つの溶剤を、10〜10、000重量部の範囲
    内で添加してあることを特徴とする凍結防止剤。
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