JPH10330282A - 歯周疾患予防・治療剤 - Google Patents

歯周疾患予防・治療剤

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JPH10330282A
JPH10330282A JP10059926A JP5992698A JPH10330282A JP H10330282 A JPH10330282 A JP H10330282A JP 10059926 A JP10059926 A JP 10059926A JP 5992698 A JP5992698 A JP 5992698A JP H10330282 A JPH10330282 A JP H10330282A
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Japan
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peptide
periodontal disease
therapeutic agent
salt
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JP10059926A
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English (en)
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Koji Inagaki
孝司 稲垣
Takayuki Akamine
隆之 赤峰
Yoshiko Abe
佳子 阿部
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強力な抗菌作用、抗炎症作用及び組織修復作
用を併せ持つ、より有効性の高い歯周疾患予防・治療剤
を提供する。 【解決手段】 下記式〔1〕 で示されるペプチドまたはその薬理学的に許容される塩
を有効成分として含有する歯周疾患予防・治療剤。更
に、組織修復作用を有する栄養成分(例、アスコルビン
酸類、アルギニン、グルタミン、ビタミンA)を含有す
る上記の歯周疾患予防・治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯周疾患の予防及
び治療などに使用される歯周疾患予防・治療剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】歯周疾患は、歯肉、歯根膜、セメント
質、及び歯槽骨からなる歯周組織に生じる疾患である。
例えば、歯周病(慢性縁性歯周炎)は、歯やその周囲に
付着した歯垢中に棲息する微生物に起因する慢性炎症性
疾患であり、その結果、歯肉結合組織などに組織破壊が
生じ、支持組織が後退、消失し、最終的には歯の損失に
至る。すなわち、歯周疾患は、一般的に、微生物の感
染、炎症、歯周組織破壊の一連の過程を経て進行する、
難治性疾患である。
【0003】歯周疾患の予防には、ブラッシングによる
歯垢及び歯石の除去が行われる。また、その治療には、
スケーリングなどによる歯垢及び歯石の除去、歯肉切
除、炎症部位の掻把などの外科的手法がとられる。ま
た、薬物療法としては、上記濃度ような歯周疾患の一連
の過程を踏まえて、抗生物質、抗炎症剤、組織修復促進
剤または組織破壊抑制剤などが用いられる。また塩化リ
ゾチームは、抗菌作用(Fleming,A;Pro
c.Roy.Soc.B.,93,306,192
2)、抗炎症作用(Morioka,T;J.Peri
odontol.,41,341,1970)及び組織
修復作用(Brendolan,S;2nd Inte
r.Symp.on Fleming’s Lysoz
yme,51.IX,1961)を併せもつことから、
該疾患の予防及び治療に用いられる。
【0004】しかし、歯周疾患の予防法であるブラッシ
ングでは、歯垢や歯石を完全に除去することは困難であ
る。また、スケーリングなどの外科的手法は、患者にと
って、大変な苦痛を伴うにもかかわらず、再発率が高
い。さらに、薬物療法に用いられる上記の各種の薬剤
は、歯周疾患のある段階のみに作用するものであり、十
分な効果を得ることは困難である。また塩化リゾチーム
も、抗菌作用、抗炎症作用及び組織修復作用の各々の作
用が弱く、十分な効果を有するものではない(Inou
e,Y;Shikaitenbou,64,809,1
984)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点に鑑み、強力な抗菌作用、抗炎症作用及び組織
修復作用を併せ持つ、より有効性の高い歯周疾患予防・
治療剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
歯周疾患予防・治療剤は、下記式〔I〕
【化2】 で示されるペプチドまたはその薬理学的に許容される塩
を有効成分として含有する。
【0007】本発明の請求項2記載の歯周疾患予防・治
療剤は、更に、組織修復作用を有する栄養成分を含有す
る請求項1記載の歯周疾患予防・治療剤である。
【0008】本発明の請求項3記載の歯周疾患予防・治
療剤は、式〔I〕で示されるペプチドまたはその薬理学
的に許容される塩の含有量が0.0001〜10重量
%、並びに組織修復作用を有する栄養成分としてアスコ
ルビン酸、薬理学的に許容されるアスコルビン酸のエス
テルおよび薬理学的に許容されるアスコルビン酸の塩か
らなる群より選ばれる少なくとも一種の含有量が0.0
01〜99重量%である請求項2記載の歯周疾患予防・
治療剤である。
【0009】本発明の請求項4記載の歯周疾患予防・治
療剤は、式〔I〕で示されるペプチドまたはその薬理学
的に許容される塩の含有量が0.0001〜10重量
%、並びに組織修復作用を有する栄養成分としてアルギ
ニン、グルタミンおよびビタミンAからなる群より選ば
れる少なくとも一種の含有量が0.001〜99重量%
である請求項2記載の歯周疾患予防・治療剤である。
【0010】上記ペプチドは、ストレプトマイセス属に
属する該ペプチド生産菌株、例えば、放線菌ストレプト
マイセス・ノビリス(Streptomyces nobilis、以下
「S.ノビリス」と略記する)を培養し、得られた培養
液または同液の乾固物もしくは培養菌体から有機溶剤に
よって抽出された抽出物を、各種カラムクロマトグラフ
ィーに付し、目的物を含むカラムクロマトグラフィー画
分を再結晶処理することにより得られる。
【0011】上記ペプチドを生産する放線菌S.ノビリ
スは、公的保存機関から入手可能であり、たとえば理化
学研究所の保存菌(JCM4274)(これは米国にお
いてATCC19252およびオランダにおいてCBS
198.65としても保存)などの菌が使用できる。
【0012】上記ペプチドを得る方法は、例えば、本発
明者らが先に国際出願したWO96/12732号公報
に記載の方法によって得られる。
【0013】本発明でいう上記ペプチドの薬理学的に許
容される塩の種類としては、慣用の無毒性の塩、すなわ
ち各種酸付加塩が挙げられる。例えば、塩酸塩、硫酸塩
または燐酸塩等の無機付加酸;酢酸塩やマレイン酸塩等
の有機カルボン酸付加酸;ベンゼンスルホン酸塩等の有
機スルホン酸付加酸;アルギニン、アスパラギン酸また
はグルタミン酸等のアミノ酸との塩等が挙げられる。
【0014】本発明で用いられる組織修復作用を有する
栄養成分としては、例えば、アスコルビン酸、薬理学的
に許容されるアスコルビン酸のエステル、薬理学的に許
容されるアスコルビン酸の塩、アルギニン、グルタミン
およびビタミンAなど(医学のあゆみ、6月号別冊、3
9〜44頁、1996年)が挙げられ、これらは医薬品
として使用可能なものが挙げられる。
【0015】上記薬理学的に許容されるアスコルビン酸
のエステルとしては、例えば、アスコルビン酸リン酸エ
ステル、アスコルビン酸硫酸エステル、アスコルビン酸
パルミチン酸エステル、アスコルビン酸ステアリン酸エ
ステルなどを挙げることができるが、これらに限定され
るわけではない。
【0016】上記薬理学的に許容されるアスコルビン酸
の塩としては、例えば、アスコルビン酸と各種塩基との
塩を挙げることができる。例えば、アルカリ金属塩(例
えば、ナトリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、
カルシウム塩、マグネシウム塩など)などを挙げること
ができるが、これらに限定されるわけではない。
【0017】このような組織修復作用を有する栄養成分
を上記ペプチドと共に用いると、強力な抗菌作用、抗炎
症作用と共により一層の組織修復作用を併せ持つ、より
有効性の高い歯周疾患予防・治療剤が得られる。
【0018】本発明による歯周疾患予防・治療剤を製造
するには、上記ペプチドまたはその薬理学的に許容され
る塩(以下、上記ペプチド(塩)という)および必要に
応じて、上記の組織修復作用を有する栄養成分を製剤用
担体とともに製剤組成物の形態とする。担体としては剤
形に応じた薬剤を調製するのに通常使用される充填剤、
崩壊剤、増量剤、結合剤、着色剤、矯味矯臭剤、pH調
整剤、可溶化剤、懸濁化剤、緩衝剤、安定化剤、保存
剤、付質剤、表面活性剤、滑沢剤、賦形剤が例示され
る。また上記ペプチド(塩)を適当な溶剤に溶解して、
上記ペプチド(塩)をそのままの形態で液剤とする方法
によっても製造される。
【0019】上記担体の具体例としては、例えば、アル
ギン酸ナトリウム、ゼラチン、コーンスターチ、トラガ
ントガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、カ
ルボキシメチルデンプン、ポリビニルアルコール、ポリ
アクリル酸ナトリウム、メトキシエチレン−無水マレイ
ン酸共重合体、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリ
ドン等のポリマー;ミツロウ、オリーブ油、カカオ油、
ゴマ油、ダイズ油、ツバキ油、ラッカセイ油、牛油、豚
油、ラノリン等の油脂類;白色ワセリン;パラフィン;
ゲル化炭化水素(例えば、商品名プラスチベース、ブリ
ストルマイヤーズスクイブ社製);ステアリン酸等の高
級脂肪酸;セチルアルコール、ステアリルアルコール等
の高級アルコール;ポリエチレングリコール;水などが
挙げられる。
【0020】上記ペプチド(塩)および必要に応じて、
上記の組織修復作用を有する栄養成分を用いて製剤化さ
れる歯周疾患予防・治療剤の投与単位形態としては、上
記のごとき液剤のほか、錠剤、丸剤、飲用液剤、散剤、
懸濁剤、乳剤、顆粒剤、エキス剤、細粒剤、シロップ
剤、浸剤、煎剤、トローチ剤、パップ剤、リニメント
剤、ローション剤、練歯磨き剤、硬膏剤、カプセル剤、
坐剤、浣腸剤、注射剤(液剤、懸濁剤など)、貼付剤、
軟膏剤、ゼリー剤、パスタ剤、吸入剤、クリーム剤、ス
プレー剤、点鼻剤などが例示される。
【0021】本発明の歯周疾患予防・治療剤中に含有す
べき上記ペプチド(塩)の量は、特に限定されず広範囲
に適宜選択されるが、歯周疾患予防・治療剤中に、好ま
しくは、10-8〜10重量%の範囲である。
【0022】上記ペプチド(塩)および必要に応じて、
上記の組織修復作用を有する栄養成分を用いて得られた
歯周疾患予防・治療剤は、その使用に際し各種形態に応
じた方法で投与される。例えば、外用剤の場合には、皮
膚ないしは粘膜などの所要部位に直接噴霧、貼付または
塗布され、注射剤の場合には静脈内、筋肉内、皮内、皮
下、関節腔内もしくは腹腔内投与され、錠剤、丸剤、飲
用液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤およびカプセル剤の場合
には経口投与され、坐剤の場合には直腸内投与される。
【0023】上記ペプチド(塩)および必要に応じて、
上記の組織修復作用を有する栄養成分を用いて得られた
歯周疾患予防・治療剤の投与量は、使用目的、症状など
により適宜選択されるが、通常は1日当り上記ペプチド
(塩)として1fg〜10mg/kg程度の範囲であ
る。また上記歯周疾患予防・治療剤を1〜4回/日に分
けて投与することも勿論差し支えない。
【0024】
【発明の実施の形態】
参考例1 理化学研究所から入手した放線菌S.ノビリス(JCM
4274)を、酵母エキス0.2%(w/v)添加澱粉
・アンモニウム培地50mlを含む500ml容坂口ス
ラスコ5本で、26℃、150rpm、120時間振盪
培養(前々培養)した。続いて同培地12リットルを含
む20リットル容ジャーファメンターに前々培養菌液2
40mlを接種し、26℃、410rpm、通気量4リ
ットル/分で24時間培養(前培養)した。さらに澱粉
・アンモニウム培地(蒸留水100ml中に可溶性澱粉
を1g、リン酸水素二カリウムを0.05g、塩化アン
モニウムを0.05g含む)140リットルを含む20
0リットル容ジャーファメンターに、前培養菌液12リ
ットルを接種し、26℃、24時間種培養した。
【0025】さらに澱粉・アンモニウム培地1400リ
ットルを含む2000リットル容タンクに、種培養菌液
140リットルを接種し、26℃、140rpm、通気
量700リットル/分、pH7.5で7日間培養した。
【0026】培養終了後、濾過により菌体を濾別した。
このようにして得られた菌体6.34kg(湿重量)の
うち、菌体1kg(湿重量)にジクロロメタン3リット
ルを加え、室温で15時間攪拌後、菌体を濾別し、菌体
抽出液を得た。菌体については、同操作を3回繰り返し
た。得られた菌体抽出液を濃縮後、シリカゲル担体12
0gに吸着させた。本吸着シリカゲル担体をシリカゲル
カラムにより精製した。
【0027】シリカゲル担体800gを充填した径8.
0cmのカラムに上記抽出物吸着担体約120gをチャ
ージし、シリカゲルカラムを作成した。このシリカゲル
カラムを下記の条件を用いて精製を行なった。溶出溶剤
として、a)ヘキサン:酢酸エチル=4:6を4リット
ル、b)酢酸エチルを3.5リットル、c)メタノール
を2リットルを、この順に流速500ml/時間で流し
た。分画は、溶剤組成を変更する毎に行い、特に酢酸エ
チルの溶出画分は500mlずつ分画した(従って、酢
酸エチルについては、溶出画分数は合計7画分とな
る)。
【0028】上記の各溶出画分について、それぞれ、O
DS−80TM、内径4.6mm×長さ25.0cmの
東ソー社製のカラムを用いたHPLC(日立社製、ポン
プL−6000、L−6200、検出器L−3000、
カラムオーブン655A−52)によって、検出波長2
10nm、カラム温度40℃、流速1ml/分の条件
で、溶離液として水:アセトニトリル=3:7を用い
て、純度を確認した。
【0029】上記のHPLCによる純度確認において、
リテンションタイムが12〜15分で溶出されるピーク
面積が、全溶出ピーク面積の80%以上を占めることが
確認されたシリカゲルカラム溶出画分を合わせ、同一画
分とした。本画分を濃縮乾固後、メタノール−ジクロロ
メタン系を用いて繰り返し再結晶を行い、柱状結晶3.
5gを得た。
【0030】この物質の構造は、種々の機器分析データ
よりWO96/12732号公報に記載された物質と同
一であり、式〔I〕であると決定した。
【0031】構造分析データ上記で得られた物質の機器
分析データを以下に示す。
【0032】1.MS ・ESI−MS:m/z=913.6(M+H−H
2 O)+ ,931.6(M+H)+ ,953.6(M+
Na)+ ・HRFAB−MS Found : m/z=913.5079(M+H−H
2 O)+ ,m/z=913,953,931(913が
メイン,931は非常に小さい) Calcd for : C45698 12 m/z=913.5053
【0033】2.IR
【0034】3.アミノ酸分析 加水分解物としてD−セリン、L−アラニンおよびD−
N−メチル−フェニルアラニンが認められた。
【0035】実施例1(洗口剤) 滅菌生理食塩水10mlに、参考例1で得られたペプチ
ド1mgを加えて均一に混和して本発明の歯周疾患予防
・治療剤を得た。
【0036】実施例2(洗口剤) 滅菌精製水9.5mlおよびハッカ水0.5mlの混合
物に、参考例1で得られたペプチド1mgを加えて均一
に混和して本発明の歯周疾患予防・治療剤を得た。
【0037】実施例3(軟膏剤) ゲル化炭化水素(ブリストルマイヤーズスクイブ社製、
商品名プラスチベース)100gを滅菌処理し、参考例
1で得られたペプチド5mgを加えて均一に混和して本
発明の歯周疾患予防・治療剤を得た。
【0038】実施例4(軟膏剤) 白色ワセリン95gおよび流動パラフィン5gを滅菌処
理した後に混和し、参考例1で得られたペプチド5mg
を加えて均一に混和して本発明の歯周疾患予防・治療剤
を得た。
【0039】実施例5(練歯磨き剤) 水35ml、グリセリン18g、カラギナン0.9g、
サッカリン1g、パラオキシ安息香酸ブチル5mg、ク
ロルヘキシジンジグルコネート0.1gおよび、参考例
1で得られたペプチド5mgを均一に混和して後、第2
リン酸カルシウム42g、ラウリル硫酸ナトリウム1.
2gを添加し、更に均一に混和、脱泡して本発明の歯周
疾患予防・治療剤を得た。
【0040】薬理試験 試験例1(抗菌作用) 参考例1で得られたペプチドのメタノール溶液(100
00μg/ml)を、最終濃度が2μg/ml、0.5
μg/ml、0.1μg/mlまたは0.02μg/m
lとなるように滅菌水で希釈した、希釈液を調製した。
【0041】約50℃に保った感受性測定用培地(Muel
ler Hinton Broth(Difco) )に、上記希釈液をそれぞれ
1/9量添加して十分に混合した後、この混合液をシャ
ーレに分注し、固化させて感受性測定用平板培地(上記
ペプチドとして200ng/ml、50ng/ml、1
0ng/mlまたは2ng/ml)を作成した。
【0042】被験菌として、グラム陽性菌である、被験
菌Staphylococcus aureus IFO 12732 (黄色ブドウ球
菌)および被験菌Staphylococcus epidermidis IFO 1
3889(表皮ブドウ球菌)を用いた。
【0043】各被験菌を、Mueller Hinton Brothを用い
て、35℃で18〜20時間培養を行い、 Mueller Hin
ton Broth を用いて菌数が約106 /mlになるように
調製し接種用菌液を作成した。接種用菌液を上記の感受
性測定用平板培地にプラスチック製ループ(内径約1m
m)で2cm程度画線塗抹し、35℃で18〜20時間
培養した。所定時間培養後、菌の発育が阻止される最低
濃度をもって最小発育阻止濃度(MIC)とした。
【0044】また、上記ペプチドの代わりに、塩化リゾ
チーム(ナカライテスク社製)を100mg/ml、2
0mg/ml、5mg/mlまたは1mg/ml含む感
受性測定用平板培地を用いる以外は、上記と同様の方法
で試験を行い比較した。
【0045】得られた結果を表1に示した。
【0046】
【表1】
【0047】表1から明らかなように、上記ペプチド
は、黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌に対して顕著な抗
菌作用を示し、その効果は塩化リゾチームより約106
倍強力であった。
【0048】試験例2(抗炎症作用) まず、参考例1で得られたペプチドを、5重量%アラビ
アゴム水溶液にジメチルスルホキサイドを5重量%とな
るように添加した溶液に、最終濃度が0.25mg/m
lになるように懸濁して得られた液を供試液とした。
【0049】被験動物としては体重120g〜200g
のウイスター系雄性ラットを用いた。まず、λ−カラゲ
ニン(逗子化学社製)の1%(w/v)生理食塩水溶液
0.1mlをラットの右後肢足蹠皮下に注射してカラゲ
ニン足蹠浮腫反応を誘発した。ラットの右後肢足蹠の腫
れの度合いを調べるため、足蹠浮腫反応誘発前後に、ラ
ットの右後肢の容積をPlethysmometer(Ugo Basile社
製)を用いて測定し、反応誘発前の容積との差を求め
た。
【0050】上記ペプチド投与群のラットにおいては、
上記供試液2ml/kg(上記ペプチドとして0.5m
g/kg)を誘発の24時間前に腹腔内投与した。
【0051】また、上記ペプチドの代わりに、塩化リゾ
チーム(ナカライテスク社製)を50mg/kg投与す
る以外は、上記と同様の方法で試験し、比較試験例とし
た。
【0052】なお、この試験のコントロールとして、薬
物を含まない上記ジメチルスルホキサイド含有アラビア
ゴム水溶液を用い、その他の点は上記操作と同様に行っ
て、ラットの右後肢足蹠の腫れの度合いを調べた。
【0053】なお、それぞれの試験は、それぞれの5匹
のラットを用いて行い、腫れの度合いはこれらラットに
ついて得られた値の平均値をとった。この試験結果を図
1に示した。図1から明らかなように、上記ペプチドを
含有する供試液を投与した群では、コントロール群とく
らべて、右後肢足蹠の腫れの度合いが明らかに抑制さ
れ、その作用は塩化リゾチームよりも明らかに強力であ
った。すなわち、上記ペプチドは顕著な抗炎症作用を有
する。
【0054】試験例3 細胞増殖促進作用 参考例1で得られたペプチドを最終濃度が50μg/m
lになるようにメタノールに溶解した。このメタノール
溶液20μl(この中に含まれる上記ペプチド量は、1
μgとなる)を、直径8mm、厚み1.5mmのペーパ
ーディスク(アドバンテック社製)に吸収させた後、風
乾によりメタノールを除去した。なお、コントロールと
してメタノールのみを同様に吸収させた後、風乾させた
ペーパーディスクも用意した。
【0055】被験動物としては体重120〜200gの
ウイスター系雄性ラットを用いた。
【0056】ラットの背部を剃毛した後、背部正中線に
沿って、メスで約3cmの切創を作成した。上記ペプチ
ドを含ませたペーパーディスクを上記切創の左右どちら
か一方に、コントロールのペーパーディスクを他方にそ
れぞれ埋め込んだ後、切創部を等間隔で3ケ所縫合し
た。埋め込んだ日を0日目として、7日目に動物をエー
テル麻酔下で致死させ、埋め込んだペーパーディスクを
取り出し、形成された肉芽の湿重量を測定した。
【0057】また、上記ペプチドの代わりに、塩化リゾ
チーム(ナカライテスク社製)を1mg吸収させたペー
パーディスクを用いる以外は、上記と同様の方法で試験
し、比較試験例とした。
【0058】また、前記のペプチドを吸収させたペーパ
ーディスクに50μg/mlのアスコルビン酸水溶液2
0μlを吸収させた後、風乾により水分を除去したもの
と、コントロールとして前記のメタノールのみを吸収さ
せたペーパーディスクにも50μg/mlのアスコルビ
ン酸水溶液20μlを吸収させた後、風乾により水分を
除去したものも用意した。これらのペーパーディスクを
用いる以外は、上記と同様の方法で試験した。
【0059】本試験はそれぞれ5匹のラットを用いて行
い、肉芽湿重量はこれらラットについて得られた値の平
均値を取った。
【0060】この試験結果を表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】表2から明らかなように、上記ペプチドを
含有するペーパーディスクでは、コントロールのディス
クとくらべて、形成された増殖肉芽重量が明らかに大き
く、肉芽形成を促進することが認められた。また、更
に、アスコルビン酸を吸収させたディスクでは、上記ペ
プチドのみを含有するものよりも更に肉芽形成を促進す
ることが認められた。その作用は106 倍量の塩化リゾ
チームよりも明らかに強力であった。以上、上記ペプチ
ド、および上記ペプチドとアスコルビン酸の組み合わせ
は顕著な肉芽形成促進作用すなわち組織修復作用を有す
ることが示された。
【0063】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の歯周疾患予防・
治療剤の構成は、上記の通りであり、本発明は、式
〔I〕のペプチドまたはその薬理学的に許容される塩を
有効成分として含有するので、強力な抗菌作用、抗炎症
作用及び組織修復作用を併せ持つ、より有効性の高い歯
周疾患予防・治療剤を提供する。
【0064】本発明の請求項2記載の歯周疾患予防・治
療剤の構成は、上記の通りであり、本発明は、更に、組
織修復作用を有する栄養成分を含有する請求項1記載の
歯周疾患予防・治療剤であるので、強力な抗菌作用、抗
炎症作用及びより一層の組織修復作用を併せ持つ、より
有効性の高い歯周疾患予防・治療剤を提供する。
【0065】本発明の請求項3記載の歯周疾患予防・治
療剤の構成は、上記の通りであり、本発明は、強力な抗
菌作用、抗炎症作用及びより一層の組織修復作用を併せ
持つ、より有効性の高い歯周疾患予防・治療剤を提供す
る。
【0066】本発明の請求項4記載の歯周疾患予防・治
療剤の構成は、上記の通りであり、本発明は、強力な抗
菌作用、抗炎症作用及びより一層の組織修復作用を併せ
持つ、より有効性の高い歯周疾患予防・治療剤を提供す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1で得られたペプチド投与群のラット、
塩化リゾチーム投与群のラットおよびコントロール物質
投与群のラットにおける、右後肢足蹠の腫れの度合いを
示すグラフであり、横軸(誘発後時間)は足蹠浮腫反応
誘発後の時間(単位:時間)を表し、縦軸(右後肢の腫
れ)は誘発前の右後肢の容積と誘発後の右後肢の容積と
の差(単位:ml)を表す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式〔I〕 【化1】 で示されるペプチドまたはその薬理学的に許容される塩
    を有効成分として含有する歯周疾患予防・治療剤。
  2. 【請求項2】更に、組織修復作用を有する栄養成分を含
    有する請求項1記載の歯周疾患予防・治療剤。
  3. 【請求項3】 式〔I〕で示されるペプチドまたはその
    薬理学的に許容される塩の含有量が0.0001〜10
    重量%、並びに組織修復作用を有する栄養成分としてア
    スコルビン酸、薬理学的に許容されるアスコルビン酸の
    エステルおよび薬理学的に許容されるアスコルビン酸の
    塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の含有量が
    0.001〜99重量%である請求項2記載の歯周疾患
    予防・治療剤。
  4. 【請求項4】 式〔I〕で示されるペプチドまたはその
    薬理学的に許容される塩の含有量が0.0001〜10
    重量%、並びに組織修復作用を有する栄養成分としてア
    ルギニン、グルタミンおよびビタミンAからなる群より
    選ばれる少なくとも一種の含有量が0.001〜99重
    量%である請求項2記載の歯周疾患予防・治療剤。
JP10059926A 1997-04-01 1998-03-11 歯周疾患予防・治療剤 Pending JPH10330282A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003246717A (ja) * 2002-02-22 2003-09-02 Lion Corp 口腔用組成物
US6814958B1 (en) * 1998-04-24 2004-11-09 Sunstar Inc. Food compositions, compositions for oral cavity and medicinal compositions for preventing or treating periodontosis and method for preventing or treating periodontosis

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