JPH10326927A - レーザダイオード励起固体レーザ装置 - Google Patents

レーザダイオード励起固体レーザ装置

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JPH10326927A
JPH10326927A JP20007197A JP20007197A JPH10326927A JP H10326927 A JPH10326927 A JP H10326927A JP 20007197 A JP20007197 A JP 20007197A JP 20007197 A JP20007197 A JP 20007197A JP H10326927 A JPH10326927 A JP H10326927A
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JP
Japan
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solid
state laser
laser
medium
yag rod
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Application number
JP20007197A
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English (en)
Inventor
Toshie Itou
寿枝 伊東
Michio Nakayama
通雄 中山
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、固体レーザ媒質の中心部の励起密度
を高めて効率良く高品質なレーザ光を出力する。 【解決手段】固体レーザ媒質としてのNd:YAGロッ
ド10に各LD11−1〜11−5からのLD光を照射
することによりNd:YAGロッド10を励起してレー
ザ光を出力する場合、LD光の波長とNd:YAGロッ
ド10中のNdの濃度とをそれぞれ所定の値に選択し、
Nd:YAGロッド10の中心部の励起密度を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、YAGロッド等の
固体レーザ媒質にレーザダイオード(以下、LDと称す
る)から出力される光(以下、LD光と称する)を照射
することにより励起してレーザ光を出力するレーザ発振
器又はレーザ励起増幅器などのレーザダイオード励起固
体レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図17はレーザ発振器を構成するLD励
起固体レーザ装置の構成図である。固体レーザ媒質とし
てNd:YAGロッド1が用いられ、このNd:YAG
ロッド1の周囲には、例えば4つのLD2−1〜2−4
(なお、LD2−4はYAGロッド1の影で見えない)
が等間隔で配置され、側面励起するものとなっている。
【0003】又、Nd:YAGロッド1の光軸方向に
は、高反射ミラー3、出力ミラー4が配置されている。
このような構成であれば、各LD2−1〜2−4からそ
れぞれ出力された各LD光は、Nd:YAGロッド1に
照射される。これらLD光の照射によりNd:YAGロ
ッド1は励起され、このNd:YAGロッド1の励起に
よる誘導光により高反射ミラー3と出力ミラー4との間
で光の共振が発生し、出力ミラー4からレーザ光が出力
される。
【0004】このようなLD励起固体レーザ装置では、
各LD2−1〜2−4として、Nd:YAGロッド1中
のNdの最も良く吸収する波長である808nmの光を
発するものが用いられている。
【0005】ところが、Nd:YAGロッド1を側面励
起するレーザ装置では、波長808nmのLD光を用い
た場合、Nd:YAGロッド1中のNd濃度が高い
(1.0%atm 以上)と、LD光がNd:YAGロッド
1の外周部で多く吸収されてしまい、中心部まで透過す
るLD光が少なくなる。
【0006】このため、Nd:YAGロッド1の中心部
すなわち前記レーザ光の出力方向に垂直な断面の中心部
の励起強度が低く、効率良く高品質なレーザ光を得るこ
とが困難である。
【0007】一方、Nd:YAGロッド1の外周には、
図18に示すようにフローチューブ5が配置され、この
フローチューブ5とNd:YAGロッド1との間に冷却
媒体として冷却水6が循環している。
【0008】ところが、冷却水6の屈折率は、フローチ
ューブ5の屈折率よりも小さいために、各LD光は、図
19に示すようにフローチューブ5と冷却水6との境界
で広がってしまい、Nd:YAGロッド1の中心部では
広がり角の大きなものとなってしまう。
【0009】このため、Nd:YAGロッド1の中心部
にLD光が集まらず、上記の場合と同様にNd:YAG
ロッド1の励起強度が低く、効率良く高品質なレーザ光
を得ることが困難である。
【0010】このような事から各LD光をNd:YAG
ロッド1の中心部に集光するために、図20に示すよう
に各LD2−1〜2−4の光軸上に各レンズ7−1〜7
−4を配置することが行われているが、これでは各レン
ズ7−1〜7−4によりLD光に損失が生じてしまう。
【0011】さらに言うならば、Nd:YAGロッド1
のNd濃度、LD光の波長及びLD2−1〜2−4から
Nd:YAGロッド1までの距離が決まると、Nd:Y
AGロッド1内部の励起強度分布は決まってしまい、こ
の励起強度分布を変えることはできない。
【0012】このため、Nd:YAGロッド1の中心部
の励起強度が低い場合でも、その励起強度分布を変える
ことはできず、さらに例えばレーザ発振器から出力され
たレーザ光をレーザ励起増幅器で増幅する場合、レーザ
光の強度分布とレーザ励起増幅器に用いられるNd:Y
AGロッド1内の励起強度分布とが一致せず、効率よく
レーザ光を増幅することができない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上のようにNd:Y
AGロッド1中のNd濃度が高いと、LD光がNd:Y
AGロッド1の外周部で多く吸収されてしまい、Nd:
YAGロッド1の中心部の励起強度が低く、効率良く高
品質なレーザ光を得ることが困難である。
【0014】又、Nd:YAGロッド1の冷却媒体とし
て冷却水6を循環させると、各LD光の広がり角が大き
くなり、上記同様にNd:YAGロッド1の励起強度が
低く、効率良く高品質なレーザ光を得ることが困難とな
る。
【0015】そこで本発明は、固体レーザ媒質の中心部
の励起密度を高めて効率良く高品質なレーザ光を出力で
きるレーザダイオード励起固体レーザ装置を提供するこ
とを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、固体
レーザ媒質にレーザダイオードからの励起光を照射する
ことにより固体レーザ媒質を励起してレーザ光を出力す
るレーザダイオード励起固体レーザ装置において、励起
光の波長中心と固体レーザ媒質の母材に含まれるドープ
材料の濃度とをそれぞれ所定の値に選択し、固体レーザ
媒質のレーザ光の出力方向に垂直な断面の中心部の励起
密度を高めるレーザダイオード励起固体レーザ装置であ
る。
【0017】請求項2によれば、固体レーザ媒質の周囲
にこの固体レーザ媒質に励起光を照射するレーザダイオ
ードを配置し、かつ固体レーザ媒質の外周にこの固体レ
ーザ媒質を冷却する冷却媒体を流すための冷却用チュー
ブを形成したレーザダイオード励起固体レーザ装置にお
いて、冷却媒体は、冷却用チューブの屈折率以上で、か
つ固体レーザ媒質の屈折率以下の屈折率を有するレーザ
ダイオード励起固体レーザ装置である。
【0018】請求項3によれば、固体レーザ媒質の周囲
にこの固体レーザ媒質に励起光を照射するレーザダイオ
ードを配置し、かつ固体レーザ媒質の外周にこの固体レ
ーザ媒質を冷却する冷却媒体を流すための冷却用チュー
ブを形成したレーザダイオード励起固体レーザ装置にお
いて、励起光の波長中心と固体レーザ媒質の母材に含ま
れるドープ材料の濃度とをそれぞれ所定の値に選択し、
かつ冷却媒体を冷却用チューブの屈折率以上で固体レー
ザ媒質の屈折率以下の屈折率を有するものとするレーザ
ダイオード励起固体レーザ装置である。
【0019】請求項4によれば、請求項1又は3記載の
レーザダイオード励起固体レーザ装置において、励起光
に対して固体レーザ媒質の中心部の励起密度が最も高く
なる吸収係数となる励起光の中心波長と固体レーザ媒質
の母材に含まれるドープ材料の濃度とをそれぞれ所定の
値に選択した。
【0020】請求項5によれば、請求項2又は3記載の
レーザダイオード励起固体レーザ装置において、冷却媒
体は、α−ブロモナフタレンである。請求項6によれ
ば、請求項2又は3記載のレーザダイオード励起固体レ
ーザ装置において、冷却媒体は、ジヨードメタンであ
る。
【0021】請求項7によれば、請求項2又は3記載の
レーザダイオード励起固体レーザ装置において、冷却媒
体は、α−ブロモナフタレン又はジヨードメタンを希釈
して冷却用チューブの屈折率以上かつ固体レーザ媒質の
屈折率以下の屈折率を有する液体とする。
【0022】請求項8によれば、固体レーザ媒質にレー
ザダイオードからの励起光を照射することにより固体レ
ーザ媒質を励起してレーザ光を出力するレーザダイオー
ド励起固体レーザ装置において、レーザダイオードと固
体レーザ媒質との距離を可変する距離可変機構を備えた
レーザダイオード励起固体レーザ装置である。
【0023】請求項9によれば、請求項8記載のレーザ
ダイオード励起固体レーザ装置において、固体レーザ媒
質に励起光を照射したときの固体レーザ媒質内部の励起
強度分布を撮像する撮像手段と、この撮像手段により撮
像された固体レーザ媒質内部の励起強度分布をモニタリ
ングするモニタ手段と、を付加した。
【0024】
【発明の実施の形態】
(1) 以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参
照して説明する。図1はLD励起固体レーザ装置の外観
構成図である。固体レーザ媒質としてNd:YAGロッ
ド10が用いられ、このNd:YAGロッド10の周囲
には、例えば5つのLD11−1〜11−5(なお、図
1においてLD11−4はYAGロッド10の影で見え
ない)が等間隔で配置され、Nd:YAGロッド10を
各LD11−1〜11−5から出力される各LD光によ
り側面励起するものとなっている。
【0025】このNd:YAGロッド10の光軸方向に
は、高反射ミラー12、出力ミラー13が配置されてい
る。又、Nd:YAGロッド10の外周には、フローチ
ューブ14が配置され、このフローチューブ14とN
d:YAGロッド10との間に冷却媒体として例えば冷
却水6が循環している。
【0026】レーザヘッド部を断面方向から見て具体的
に説明すると、図2に示すように各LD11−1〜11
−5に対向するフローチューブ14の外周面には、それ
ぞれ各反射膜15−1〜15−5がコーディングされて
いる。
【0027】これら反射膜15−1〜15−5は、それ
ぞれ対向位置の各LD11−1〜11−5から出力さ
れ、Nd:YAGロッド10、フローチューブ14及び
冷却水6を透過してきた各LD光を同一光路に反射する
ものである。
【0028】このようなLD励起固体レーザ装置では、
LD光の中心波長とNd:YAGロッド10の母材に含
まれるドープ材料の濃度、すなわちNdの濃度とをそれ
ぞれ所定の値に選択し、Nd:YAGロッド10の中心
部すなわちNd:YAGロッド10のレーザ光の出力方
向に垂直な断面の中心部の励起密度を高めることが行わ
れている。
【0029】すなわち、LD光に対してNd:YAGロ
ッド10の中心部の励起密度が最も高くなる吸収係数α
となるLD光の中心波長とNd:YAGロッド10のN
dの濃度とをそれぞれ所定の値に選択している。
【0030】ここで、励起光であるLD光の中心波長と
Nd:YAGロッド10中のNd濃度によりLD光のN
d:YAGロッド10に対する吸収係数αが決まる。図
3は直径3mmのNd:YAGロッド10の中心部(例
えば1mm×1mmの範囲)における吸収係数αと励起
強度との関係を示す。
【0031】この場合、吸収係数αが0.5(/mm)
のとき最もNd:YAGロッド10の中心部の励起強度
が高くなることが分かる。従って、吸収係数α(=0.
5(/mm))となるようにLD光の中心波長とNd濃
度が選択されるもので、例えば、LD光の中心波長が8
04±0.25nm、809.5±0.25nm又は8
12.5±0.5nmに選択され、かつNd:YAGロ
ッド10中のNd濃度が0.8±0.05%atm に選択
される。
【0032】このようなLD励起固体レーザ装置の構成
であれば、各LD11−1〜11−4からそれぞれ出力
された各LD光は、フローチューブ14及び冷却水6を
透過してNd:YAGロッド10に照射される。そし
て、各LD光は、Nd:YAGロッド10を透過してそ
れぞれ反射膜15〜1−15〜5に到達して反射し、再
びNd:YAGロッド10を透過する。
【0033】ここで、Nd:YAGロッド10は、LD
光に対してその中心部の励起密度が最も高くなる吸収係
数αとなるLD光の中心波長とNdの濃度とを選択して
いるので、Nd:YAGロッド10の外周部でのLD光
の吸収は抑えられ、Nd:YAGロッド10の中心部を
透過するLD光量が多くなって上記の如くNd:YAG
ロッド10の中心部の励起密度が高くなる。
【0034】図4はNd:YAGロッド10の断面方向
に対する励起強度を示す図であり、Nd:YAGロッド
10の中心部の励起密度が高くなっている。このように
各LD光の照射によりNd:YAGロッド10が励起さ
れると、このNd:YAGロッド10の励起による誘導
光により高反射ミラー12と出力ミラー13との間で光
の共振が発生し、出力ミラー13からレーザ光が出力さ
れる。
【0035】次に、他の例として直径4mmのNd:Y
AGロッド10を用いた場合について説明する。図5は
直径4mmのNd:YAGロッド10の中心部(例えば
2mm×2mmの範囲)における吸収係数αと励起強度
との関係を示す。
【0036】この場合、吸収係数αが0.4(/mm)
のとき最もNd:YAGロッド10の中心部の励起強度
が高くなることが分かる。従って、吸収係数α(=0.
4(/mm))となるようにLD光の中心波長とNd濃
度が選択されるもので、例えば、LD光の中心波長が8
05±0.25nm、807.5±0.5nm又は80
9±0.25nmに選択され、かつNd:YAGロッド
10中のNd濃度が0.6±0.05%atm に選択され
る。
【0037】このようなLD励起固体レーザ装置の構成
であれば、上記同様に、各LD11−1〜11−4から
それぞれ出力された各LD光は、フローチューブ14及
び冷却水6を透過してNd:YAGロッド10に照射さ
れる。そして、各LD光は、Nd:YAGロッド10を
透過してそれぞれ反射膜15〜1−15〜5に到達して
反射し、再びNd:YAGロッド10を透過する。
【0038】そして、Nd:YAGロッド10の外周部
でのLD光の吸収は抑えられ、Nd:YAGロッド10
の中心部を透過するLD光量が多くなって、上記同様に
Nd:YAGロッド10の中心部の励起密度が高くな
る。
【0039】図6はNd:YAGロッド10の断面方向
に対する励起強度を示す図であり、Nd:YAGロッド
10の中心部の励起密度が高くなっている。このように
各LD光の照射によりNd:YAGロッド10が励起さ
れると、このNd:YAGロッド10の励起による誘導
光により高反射ミラー12と出力ミラー13との間で光
の共振が発生し、出力ミラー13からレーザ光が出力さ
れる。
【0040】このように上記第1の実施の形態において
は、LD光の中心波長とNd:YAGロッド10中のN
d濃度とをそれぞれ所定の値に選択するので、Nd:Y
AGロッド10の外周部でのLD光の吸収は抑えられ、
Nd:YAGロッド10の中心部を透過するLD光量が
多くなってNd:YAGロッド10の中心部、すなわち
Nd:YAGロッド10のレーザ光の出力方向に垂直な
断面の中心部の励起密度を高くできる。これにより、効
率良く高品質なレーザ光を得ることができる。
【0041】なお、上記第1の実施の形態は、5つのL
D11−1〜11−5に限らず、任意の複数個のLDを
用いるようにしてもよく、又反射膜15−1〜15−5
をコーティングしたフローチューブ14の代わりに別途
反射ミラーを配置する構成にしてもよい。 (2) 次に本発明の第2の実施の形態について図面を参照
して説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付
してその詳しい説明は省略する。
【0042】図7はLD励起固体レーザ装置の構成図で
ある。フローチューブ14とNd:YAGロッド10と
の間には、冷却媒体20が循環している。
【0043】この冷却媒体20は、その屈折率nc がフ
ローチューブ14の屈折率nf 以上で、かつNd:YA
Gロッド10の屈折率nr 以下を有している。すなわち nf ≦nc ≦nr …(1) の関係を有している。
【0044】具体的には、フローチューブ14に石英を
用いたものであればその屈折率nfは約1.5であり、
Nd:YAGロッド10の屈折率nr は約1.82であ
ることから、冷却媒体20の屈折率nc は、1.5〜
1.8の範囲内を有するものとなっている。
【0045】この冷却媒体20としては、例えばα−ブ
ロモナフタレンの液体が用いられ、その屈折率nc は、
約1.7を有している。このようなLD励起固体レーザ
装置の構成であれば、各LD11−1〜11−4からそ
れぞれ出力された各LD光は、フローチューブ14及び
冷却媒体20を透過してNd:YAGロッド10に照射
される。そして、各LD光は、Nd:YAGロッド10
を透過してそれぞれ反射膜15〜1−15〜5に到達し
て反射し、再びNd:YAGロッド10を透過する。
【0046】図8は各LD11−1〜11−4から出力
された各LD光の軌跡を示しており、上記式(1) の各屈
折率nf 、nc 、nr の関係から、各LD光がNd:Y
AGロッド10の中心部に集光されるのが分かる。
【0047】ここで、各LD11−1〜11−4から出
力された各LD光の広がり角を例えば35°、Nd:Y
AGロッド10のロッド径を4mm、フローチューブ1
4の内径を7mm、その外径を9mm、Nd:YAGロ
ッド10におけるLD光の吸収係数を0.5/cmとし
たときのNd:YAGロッド10におけるLD光の吸収
による励起強度分布は、図9に示す通りNd:YAGロ
ッド10の中心部で高くなることが分かる。
【0048】比較の為、同条件で、冷却媒体として良く
使用される水(屈折率=1.3)を用いた場合の励起強
度分布を図10に示す。明らかに、α−ブロモナフタレ
ンを冷却媒体20として用いた場合の方がNd:YAG
ロッド10の中心部の励起強度が高いことが分かる。
【0049】このように各LD光の照射によりNd:Y
AGロッド10が励起されると、このNd:YAGロッ
ド10の励起による誘導光により高反射ミラー12と出
力ミラー13との間で光の共振が発生し、出力ミラー1
3からレーザ光が出力される。
【0050】このように上記第2の実施の形態において
は、冷却媒体20としてその屈折率nc がフローチュー
ブ14の屈折率nf 以上で、かつNd:YAGロッド1
0の屈折率nr 以下の流体、例えばα−ブロモナフタレ
ンを循環させるようにしたので、各LD光をNd:YA
Gロッド10の中心部に集光することができ、そして、
Nd:YAGロッド10におけるLD光の吸収による励
起強度分布を中心部で高くすることができる。これによ
り、効率良く高品質なレーザ光を得ることができる。
【0051】又、各LD光をNd:YAGロッド10の
中心部に集光するのに別途レンズを用いないので、装置
全体を簡素化でき、小形化を図れる。さらに、上記第1
の実施の形態と同様に、LD光の中心波長とNd:YA
Gロッド10中のNd濃度とをそれぞれ所定の値に選択
するので、Nd:YAGロッド10の外周部でのLD光
の吸収は抑えられ、Nd:YAGロッド10の中心部を
透過するLD光量が多くなってNd:YAGロッド10
の中心部の励起密度を高くでき、効率良く高品質なレー
ザ光を得ることができる。
【0052】なお、上記第2の実施の形態において冷却
媒体は、α−ブロモナフタレンに限らず、上記式(1) の
各屈折率の関係が成り立つ流体であればよく、例えばジ
ヨードメタンを用いてもよい。
【0053】又、この冷却媒体20としては、α−ブロ
モナフタレン又はジヨードメタンを希釈してフローチュ
ーブ14の屈折率nf 以上かつNd:YAGロッド10
の屈折率nr 以下の屈折率nc を有する液体であっても
よい。 (3) 次に本発明の第3の実施の形態について図面を参照
して説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付
してその詳しい説明は省略する。
【0054】図11はレーザ発振器としてのLD励起固
体レーザ装置の構成図である。Nd:YAGロッド30
は、レーザ媒質にNdを例えば濃度1.1%の割合でド
ープしたものである。
【0055】このNd:YAGロッド30の外周には、
図12のA−A´断面図に示すようにフローチューブ3
1が配置され、このフローチューブ31とNd:YAG
ロッド30との間に冷却媒体として例えば冷却水が循環
している。
【0056】又、Nd:YAGロッド30の周囲には、
図12に示すように例えば5つのLD32−1〜32−
5が等間隔で配置され、Nd:YAGロッド30を各L
D32−1〜32−5から出力される各LD光によりN
d:YAGロッド30を側面励起するものとなってい
る。
【0057】なお、これらLD32−1〜32−5に対
向するフローチューブ31の外周面には、上記図2に示
す構成と同様に、それぞれ各反射膜がコーティングされ
ている。
【0058】これらLD32−1〜32−5は、それぞ
れ各ヒートシンク33−1〜33−5に取り付けられて
いる。LD温度制御用冷却系コントローラ34は、各ヒ
ートシンク33−1〜33−5に流れるLD用冷却水の
流量や温度を調節し、各LD32−1〜32−5の温度
を制御する機能を有している。
【0059】一方、各LD32−1〜32−5及び各ヒ
ートシンク33−1〜33−5とは、それぞれ距離可変
機構35に取り付けられている。この距離可変機構35
は、各LD32−1〜32−5及び各ヒートシンク33
−1〜33−5をそれぞれ一体的に移動させ、各LD3
2−1〜32−5とNd:YAGロッド30との距離を
可変する機能を有している。
【0060】すなわち、距離可変機構35は、各LD3
2−1〜32−5及び各ヒートシンク33−1〜33−
5をそれぞれ図12に示すようにNd:YAGロッド3
0の半径方向(矢印イ方向)に同期又は個別に移動さ
せ、各LD32−1〜32−5とNd:YAGロッド3
0との距離を可変する機能を有している。
【0061】Nd:YAGロッド30の光軸方向には、
レーザ共振器を形成する高反射ミラー36と出力ミラー
37とが配置されている。このレーザ共振器内の光軸上
におけるNd:YAGロッド30と出力ミラー37との
間には、CCDカメラ38が出入り機構39の駆動によ
って挿入、挿脱が自在に設けられている。
【0062】このCCDカメラ38は、レーザ共振器内
の光軸上に配置されることによりNd:YAGロッド3
0にLD光を照射したときのNd:YAGロッド30内
部の励起強度分布を撮像してその画像信号をモニタ用信
号処理装置40に送出する機能を有している。なお、こ
のような励起強度分布は、光学像として現れるものであ
るから、Nd:YAGロッド30からの出射光を受光し
て直接に撮像が可能である。
【0063】このモニタ用信号処理装置40は、CCD
カメラ38から出力された画像信号を入力し、この画像
信号を画像処理してNd:YAGロッド30内部の励起
強度分布をモニタ画面上に映し出す機能を有している。
【0064】又、レーザ共振器内の光軸上におけるN
d:YAGロッド30と高反射ミラー36との間には、
暗色のシャッタ41がシャッタ駆動機構42の駆動によ
って挿入、挿脱が自在に設けられている。この場合、シ
ャッタ駆動機構42は、出入り機構39からのCCDカ
メラ38の挿入又は挿脱の信号を受け、このCCDカメ
ラ38の挿入又は挿脱に同期してシャッタ41を挿入、
挿脱する機能を有している。
【0065】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。例えば、レーザ光を発振する前に、出入
り機構39の駆動によりCCDカメラ38をレーザ共振
器内の光軸上に配置し、各LD32−1〜32−5から
各LD光を出力し、Nd:YAGロッド30を励起す
る。
【0066】このとき、シャッタ駆動機構42は、出入
り機構39からのCCDカメラ38の挿入信号を受け、
このCCDカメラ38の挿入に同期してシャッタ41を
レーザ共振器内の光軸上に挿入する。これにより、N
d:YAGロッド30が励起されても、レーザ共振器内
での損失が大きくなり、レーザ光Qが発振することはな
い。
【0067】このようにNd:YAGロッド30がLD
光を受けて励起されたとき、CCDカメラ38は、N
d:YAGロッド30から出射されたレーザ光を受光し
てNd:YAGロッド30内部の励起強度分布を撮像し
てその画像信号をモニタ用信号処理装置40に送出す
る。
【0068】このモニタ用信号処理装置40は、CCD
カメラ38から出力された画像信号を入力して画像処理
し、Nd:YAGロッド30内部の励起強度分布をモニ
タ画面上に映し出す。
【0069】従って、モニタ画面上に映し出されたN
d:YAGロッド30内部の励起強度分布を観察するこ
とにより、距離可変機構35を駆動し、各LD32−1
〜32−5及び各ヒートシンク33−1〜33−5をそ
れぞれ矢印イ方向に同期して移動させ、各LD32−1
〜32−5とNd:YAGロッド30との距離を可変す
る。
【0070】このように各LD32−1〜32−5とN
d:YAGロッド30との距離を可変することにより、
Nd:YAGロッド30内部の励起強度分布は変化す
る。例えば、図13に示すように各LD32−1〜32
−5とNd:YAGロッド30との距離を短くするに従
ってNd:YAGロッド30内部の励起強度分布は、中
心での強度の高いガウシアン分布に近付いていく。
【0071】このように各LD32−1〜32−5とN
d:YAGロッド30との距離を変化させてNd:YA
Gロッド30内部の励起強度分布を制御し、図14に示
すようにNd:YAGロッド30内部の励起強度分布の
1/e2 径がNd:YAGロッド30におけるレーザ光
Qのスポット径(1/e2 )になるように調整する。
【0072】これと共に、LD温度制御用冷却系コント
ローラ34によって各ヒートシンク33−1〜33−5
に流れるLD用冷却水の流量や温度を調節し、各LD3
2−1〜32−5の温度を制御し、Nd:YAGロッド
30内部の励起強度分布の1/e2 径がNd:YAGロ
ッド30におけるレーザ光Qのスポット径(1/e2
になるように調整してもよい。
【0073】すなわち、各LD32−1〜32−5の温
度を変化させることにより、これらLD32−1〜32
−5の発振波長は0.3nm/℃変化するので、これら
LD32−1〜32−5の温度が例えば20℃変化する
と、これらLD32−1〜32−5の発振波長は6nm
変化する。
【0074】これにより、Nd:YAGロッド30にお
けるLD光の吸収係数が変化し、Nd:YAGロッド3
0内部の励起強度分布が変化するので、Nd:YAGロ
ッド30内部の励起強度分布の1/e2 径をNd:YA
Gロッド30におけるレーザ光Qのスポット径(1/e
2 )になるように調整できる。
【0075】このようにNd:YAGロッド30内部の
励起強度分布が制御された後、レーザ光Qの発振時に
は、CCDカメラ38は出入り機構39の駆動によりレ
ーザ共振器内の光軸上から挿脱され、これと共にシャッ
タ41もシャッタ駆動機構42の駆動によりレーザ共振
器内の光軸上から挿脱される。
【0076】このように上記第3の実施の形態において
は、LD32−1〜32−5とNd:YAGロッド30
との距離を可変する距離可変機構35を備えたので、N
d:YAGロッド30内部の励起強度分布を変化でき、
例えば中心での強度の高いガウシアン分布に近付けるこ
とができ、かつNd:YAGロッド30内部の励起強度
分布の1/e2 径をNd:YAGロッド30におけるレ
ーザ光Qのスポット径(1/e2 )になるように調整で
きる。
【0077】又、Nd:YAGロッド30内部の励起強
度分布をCCDカメラ38で撮像してモニタ用信号処理
装置40のモニタ画面で観察できるので、このモニタ画
面を見ながらNd:YAGロッド30内部の励起強度分
布を中心強度の高いガウシアン分布に近付けることがで
き、かつNd:YAGロッド30内部の励起強度分布の
1/e2 径をNd:YAGロッド30におけるレーザ光
Qのスポット径(1/e2 )になるように調整できる。
【0078】なお、このLD励起固体レーザ装置は、レ
ーザ共振器内にQスイッチ等の光学部品を配置して高繰
り返しのレーザ発振器の構成にしても適用できる。 (4) 次に本発明の第4の実施の形態について図面を参照
して説明する。なお、図11と同一部分には同一符号を
付してその詳しい説明は省略する。
【0079】図15は多段のLD励起固体レーザ装置の
構成図であり、レーザ発振器50とレーザ励起増幅器6
0とを備えている。このうちレーザ発振器50は、上記
第3の実施の形態で説明したLD励起固体レーザ装置と
同一構成である。なお、LD温度制御用冷却系コントロ
ーラ34、距離可変機構35、出入り機構39及びシャ
ッタ駆動機構24などは省略してある。
【0080】一方、レーザ励起増幅器60は、レーザ発
振器50から出力されるレーザ光Qの光軸上に配置さ
れ、このレーザ光Qを増幅出力する機能を有している。
Nd:YAGロッド61は、レーザ媒質にNdを例えば
濃度1.1%の割合でドープしたものであり、このN
d:YAGロッド61の外周には、レーザ発振器50側
のNd:YAGロッド30と同様にフローチューブが配
置され、このフローチューブとNd:YAGロッド61
との間に冷却水が循環している。
【0081】又、Nd:YAGロッド61の周囲には、
例えば5つのLD62−1〜32−5(なお、LD62
−2〜32−5は図示の関係上省略)が等間隔で配置さ
れ、Nd:YAGロッド61を各LD62−1〜62−
5から出力される各LD光によりNd:YAGロッド6
1を側面励起するものとなっている。
【0082】なお、これらLD62−1〜62−5に対
向するフローチューブの外周面には、上記図2に示す構
成と同様に、それぞれ各反射膜がコーティングされてい
る。これらLD62−1〜36−5は、それぞれ各ヒー
トシンク63−1〜63−5(なお、ヒートシンク63
−4、63−5は図示の関係上省略)に取り付けられて
いる。
【0083】LD温度制御用冷却系コントローラ64
は、各ヒートシンク63−1〜63−5に流れるLD用
冷却水の流量や温度を調節し、各LD62−1〜62−
5の温度を制御する機能を有している。
【0084】一方、各LD62−1〜62−5及び各ヒ
ートシンク63−1〜63−5は、それぞれ距離可変機
構65に取り付けられている。この距離可変機構65
は、各LD62−1〜62−5及び各ヒートシンク63
−1〜63−5をそれぞれ一体的に移動させ、各LD6
2−1〜62−5とNd:YAGロッド61との距離を
可変する機能を有している。
【0085】Nd:YAGロッド61からの、増幅され
たレーザ光Q´の出力側には、CCDカメラ66が出入
り機構67の駆動によって挿入、挿脱が自在に設けられ
ている。
【0086】このCCDカメラ66は、レーザ共振器内
の光軸上に配置されることにより、Nd:YAGロッド
61にLD光を照射したときのNd:YAGロッド61
内部の励起強度分布をレーザ励起増幅器60から出射し
たレーザ光を受光することで撮像してその画像信号をモ
ニタ用信号処理装置68に送出する機能を有している。
【0087】このモニタ用信号処理装置68は、CCD
カメラ66から出力された画像信号を入力し、この画像
信号を画像処理してNd:YAGロッド61内部の励起
強度分布をモニタ画面上に映し出す機能を有している。
【0088】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。レーザ発振器50側では、例えば上記同
様に、距離可変機構35を駆動して各LD32−1〜3
2−5とNd:YAGロッド30との距離を変化してN
d:YAGロッド30内部の励起強度分布を制御すると
ともに、Nd:YAGロッド30内部の励起強度分布の
1/e2 径がNd:YAGロッド30におけるスポット
径(1/e2 )になるように調整し、ガウシアン分布を
有するレーザ光Qを出力する。
【0089】一方、レーザ励起増幅器60側において
も、レーザ光を発振する前に、出入り機構67の駆動に
よりCCDカメラ66をレーザ共振器内の光軸上に配置
し、各LD62−1〜62−5から各LD光を出力する
ことで、Nd:YAGロッド61を励起する。
【0090】このとき、レーザ発振器50からはレーザ
光Qが出力されていないので、レーザ励起増幅器60
は、レーザ光Qを増幅して出力することはない。このよ
うにNd:YAGロッド61がLD光を受けて励起され
たとき、CCDカメラ66は、レーザ発振器50から出
射したレーザ光を受光することで、Nd:YAGロッド
61内部の励起強度分布を撮像してその画像信号をモニ
タ用信号処理装置68に送出する。
【0091】このモニタ用信号処理装置68は、CCD
カメラ66から出力された画像信号を入力して画像処理
し、Nd:YAGロッド61内部の励起強度分布をモニ
タ画面上に映し出す。
【0092】従って、モニタ画面上に映し出されたN
d:YAGロッド61内部の励起強度分布を観察するこ
とにより、距離可変機構65を駆動し、各LD62−1
〜62−5及び各ヒートシンク63−1〜63−5をそ
れぞれ移動させ、各LD62−1〜62−5とNd:Y
AGロッド61との距離を可変する。
【0093】このように各LD62−1〜62−5とN
d:YAGロッド61との距離を可変することにより、
Nd:YAGロッド61内部の励起強度分布は変化す
る。例えば、これらLD62−1〜62−5とNd:Y
AGロッド61との距離を変化させてNd:YAGロッ
ド61内部の励起強度分布を制御し、上記図14に示す
と同様に、Nd:YAGロッド61内部の励起強度分布
の1/e2 径がNd:YAGロッド61におけるレーザ
光Qのスポット径(1/e2 )になるように調整する。
【0094】この後、レーザ発振器50からレーザ光Q
を出力し、かつ各LD62−1〜62−5からの各LD
光をNd:YAGロッド61に照射して励起すると、レ
ーザ発振器50側のNd:YAGロッド30内部の励起
強度分布とレーザ励起増幅器60側のNd:YAGロッ
ド61内部の励起強度分布とが一致するので、レーザ励
起増幅器60は、レーザ光Qを効率よく増幅して、増幅
されたレーザ光Q´を得ることができる。
【0095】又、レーザ励起増幅器60は、Nd:YA
Gロッド61内部の励起強度分布の1/e2 径をレーザ
光Qのスポット径(1/e2 )になるように調整してい
るが、これに限らずレーザ発振器50からのレーザ光の
強度分布に応じてNd:YAGロッド61内部の励起強
度分布を制御できる。
【0096】そして、レーザ発振器50又は距離可変機
構35の付いていない別のレーザ発振器から出力された
レーザ光をレーザ励起増幅器60で増幅する場合には、
以下のようになる。つまり、これらレーザ発振器からの
レーザ光の強度分布が例えば図16に示すように2つの
強度のピークを有していれば、レーザ励起増幅器60側
では、CCDカメラ66によりNd:YAGロッド61
内部の励起強度分布を撮像し、その画像をモニタ用信号
処理装置68のモニタ画面上に映し出す。
【0097】そして、モニタ画面上に映し出されたN
d:YAGロッド61内部の励起強度分布を観察するこ
とにより、距離可変機構65を駆動し、各LD62−1
〜62−5及び各ヒートシンク63−1〜63−5をそ
れぞれ個別に移動させ、各LD62−1〜62−5とN
d:YAGロッド61との各距離を可変し、Nd:YA
Gロッド61内部の励起強度分布が図16に示すように
2つの強度のピークを有する励起強度分布に一致するよ
うに制御する。
【0098】この後、レーザ発振器50又は距離可変機
構35の付いていない別のレーザ発振器からレーザ光Q
を出力し、かつ各LD62−1〜62−5からの各LD
光をNd:YAGロッド61に照射して励起すると、レ
ーザ発振器50からのレーザ光の2つの強度のピークを
有する強度分布とレーザ励起増幅器60側のNd:YA
Gロッド61内部の2つの強度のピークを有する励起強
度分布とが一致するので、レーザ励起増幅器60は、レ
ーザ光Qを効率よく増幅して、増幅されたレーザ光Q´
を得る。
【0099】このように上記第4の実施の形態によれ
ば、レーザ励起増幅器60側のNd:YAGロッド61
内部の励起強度分布を、各LD62−1〜62−5に対
して距離可変機構65を用いて、レーザ発振器50から
のレーザ光の強度分布に一致させることができ、レーザ
励起増幅器60によりレーザ光Qを効率よく増幅して、
増幅されたレーザ光Q´を得ることができる。
【0100】なお、上記第3及び第4の実施の形態で
は、Nd:YAGロッド30、61に適用した場合につ
いて説明したが、これに限らず他の固体レーザ媒質にも
適用できる。
【0101】
【発明の効果】以上詳記したように本発明の請求項1〜
9によれば、固体レーザ媒質の中心部の励起密度を高め
て効率良く高品質なレーザ光を出力できるレーザダイオ
ード励起固体レーザ装置を提供できる。
【0102】又、本発明の請求項1、3、4によれば、
励起光の中心波長と固体レーザ媒質の母材に含まれるド
ープ材料の濃度とを選択することにより、固体レーザ媒
質の中心部の励起密度を高めることができるレーザダイ
オード励起固体レーザ装置を提供できる。
【0103】又、本発明の請求項2、5〜7によれば、
冷却媒体としてフローチューブの屈折率以上で固体レー
ザ媒質の屈折率以下の屈折率を有するものを用いること
により、励起光を固体レーザ媒質の中心部に集光して固
体レーザ媒質の中心部の励起密度を高めることができる
レーザダイオード励起固体レーザ装置を提供できる。
【0104】又、本発明の請求項8、9によれば、固体
レーザ媒質内部の励起強度分布を変化させて所望の励起
強度分布に制御できるレーザダイオード励起固体レーザ
装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるLD励起固体レーザ装置の第1
の実施の形態を示す外観構成図。
【図2】同装置のレーザヘッド部を断面方向から構成
図。
【図3】直径3mmのNd:YAGロッドの中心部にお
ける吸収係数と励起強度との関係を示す図。
【図4】直径3mmのNd:YAGロッドの断面方向に
対する励起強度を示す図。
【図5】直径4mmのNd:YAGロッドの中心部にお
ける吸収係数と励起強度との関係を示す図。
【図6】直径4mmのNd:YAGロッドの断面方向に
対する励起強度を示す図。
【図7】本発明に係わるLD励起固体レーザ装置の第2
の実施の形態を示す構成図。
【図8】Nd:YAGロッドを透過するLD光の軌跡を
示す図。
【図9】Nd:YAGロッドにおけるLD光の吸収によ
る励起強度分布を示す図。
【図10】冷却媒体として水を用いたときの励起強度分
布を示す図。
【図11】本発明に係わるLD励起固体レーザ装置の第
3の実施の形態を示す構成図。
【図12】ヒートシンクとNd:YAGロッドとの距離
の可変作用を示す図。
【図13】LDとNd:YAGロッドとの距離を短くし
たときのNd:YAGロッド内部の励起強度分布を示す
図。
【図14】Nd:YAGロッド内部の励起強度分布の1
/e2 径を示す図。
【図15】本発明に係わるLD励起固体レーザ装置の第
4の実施の形態を示す構成図。
【図16】同装置の適用する2つの強度ピークを有する
励起強度分布を示す図。
【図17】従来のLD励起固体レーザ装置の構成図。
【図18】同装置における冷却媒体を循環させるフロー
チューブの外観図。
【図19】Nd:YAGロッドを透過するLD光の軌跡
を示す図。
【図20】LD光をNd:YAGロッドの中心部に集光
するためにレンズを配置した図。
【符号の説明】
10…Nd:YAGロッド、 11−1〜11−4…LD、 12…高反射ミラー、 13…出力ミラー、 14…フローチューブ、 15−1〜15−5…反射膜、 20…冷却媒体(α−ブロモナフタレン)、 30,61…Nd:YAGロッド、 32−1〜32−5,62−1〜62−5…LD、 34,64…LD温度制御用冷却系コントローラ、 35,65…距離可変機構、 36…高反射ミラー、 37…出力ミラー、 38,66…CCDカメラ、 39,67…出入り機構、 40,68…モニタ用信号処理装置、 41…シャッタ、 42…シャッタ駆動機構。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体レーザ媒質にレーザダイオードから
    の励起光を照射することにより前記固体レーザ媒質を励
    起してレーザ光を出力するレーザダイオード励起固体レ
    ーザ装置において、 前記励起光の中心波長と前記固体レーザ媒質の母材に含
    まれるドープ材料の濃度とをそれぞれ所定の値に選択
    し、前記固体レーザ媒質の前記レーザ光の出力方向に垂
    直な断面の中心部の励起密度を高めることを特徴とする
    レーザダイオード励起固体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 固体レーザ媒質の周囲にこの固体レーザ
    媒質に励起光を照射するレーザダイオードを配置し、か
    つ前記固体レーザ媒質の外周にこの固体レーザ媒質を冷
    却する冷却媒体を流すための冷却用チューブを形成した
    レーザダイオード励起固体レーザ装置において、 前記冷却媒体は、前記冷却用チューブの屈折率以上で、
    かつ前記固体レーザ媒質の屈折率以下の屈折率を有する
    ことを特徴とするレーザダイオード励起固体レーザ装
    置。
  3. 【請求項3】 固体レーザ媒質の周囲にこの固体レーザ
    媒質に励起光を照射するレーザダイオードを配置し、か
    つ前記固体レーザ媒質の外周にこの固体レーザ媒質を冷
    却する冷却媒体を流すための冷却用チューブを形成した
    レーザダイオード励起固体レーザ装置において、 前記励起光の中心波長と前記固体レーザ媒質の母材に含
    まれるドープ材料の濃度とをそれぞれ所定の値に選択
    し、かつ前記冷却媒体を前記冷却用チューブの屈折率以
    上で前記固体レーザ媒質の屈折率以下の屈折率を有する
    ものとする、ことを特徴とするレーザダイオード励起固
    体レーザ装置。
  4. 【請求項4】 前記励起光に対して前記固体レーザ媒質
    の中心部の励起密度が最も高くなる吸収係数となる前記
    励起光の波長中心と前記固体レーザ媒質の母材に含まれ
    るドープ材料の濃度とをそれぞれ所定の値に選択したこ
    とを特徴とする請求項1又は3記載のレーザダイオード
    励起固体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 前記冷却媒体は、α−ブロモナフタレン
    であることを特徴とする請求項2又は3記載のレーザダ
    イオード励起固体レーザ装置。
  6. 【請求項6】 前記冷却媒体は、ジヨードメタンである
    ことを特徴とする請求項2又は3記載のレーザダイオー
    ド励起固体レーザ装置。
  7. 【請求項7】 前記冷却媒体は、α−ブロモナフタレン
    又はジヨードメタンを希釈して前記冷却用チューブの屈
    折率以上かつ前記固体レーザ媒質の屈折率以下の屈折率
    を有する液体とすることを特徴とする請求項2又は3記
    載のレーザダイオード励起固体レーザ装置。
  8. 【請求項8】 固体レーザ媒質にレーザダイオードから
    の励起光を照射することにより前記固体レーザ媒質を励
    起してレーザ光を出力するレーザダイオード励起固体レ
    ーザ装置において、 前記レーザダイオードと前記固体レーザ媒質との距離を
    可変する距離可変機構を備えたことを特徴とするレーザ
    ダイオード励起固体レーザ装置。
  9. 【請求項9】 前記固体レーザ媒質に前記励起光を照射
    したときの前記固体レーザ媒質内部の励起強度分布を撮
    像する撮像手段と、 この撮像手段により撮像された前記固体レーザ媒質内部
    の励起強度分布をモニタリングするモニタ手段と、を付
    加したことを特徴とする請求項8記載のレーザダイオー
    ド励起固体レーザ装置。
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