JPH10325686A - 復水器およびその起動方法 - Google Patents

復水器およびその起動方法

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JPH10325686A
JPH10325686A JP13252297A JP13252297A JPH10325686A JP H10325686 A JPH10325686 A JP H10325686A JP 13252297 A JP13252297 A JP 13252297A JP 13252297 A JP13252297 A JP 13252297A JP H10325686 A JPH10325686 A JP H10325686A
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condenser
water
steam
hot
hot well
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Application number
JP13252297A
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English (en)
Inventor
Shunji Kono
俊二 河野
Katsuaki Tanaka
克明 田中
Kiyoto Oyagi
清人 大八木
Mitsunobu Nakajo
光伸 中条
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】流動の不安定や水面動揺を防止でき、需要先へ
給水可能な溶存酸素濃度とするまでの所要時間を短縮で
き、構成が簡素で空間部を多く必要とせず、コンパクト
でかつ経済的な復水器起動方法とを提供する。 【解決手段】蒸気タービンプラントのタービン排気水蒸
気を凝縮させる管群24を有する復水器本体22と、凝
縮水を貯水するホットウエル25と、このホットウエル
から水を取り出し、復水器本体内の別の場所に環流させ
る還流系統32と、復水器本体内の気体を排気する真空
排気系統と、ホットウエルに配置され、貯水26中に外
部から導かれた水蒸気を噴射する蒸気噴射孔付きの蒸気
噴射管27とを備える。各蒸気噴射孔29の径は5mm以
下で、隣接する蒸気噴射孔が相互に40mm以上の間隔で
配置された一群のものとして構成する。この群を間隔1
000mm以上、かつ1500mm以下の略均等な間隔で貯
水中に一群または複数群配置し、その一群の孔数Nを貯
水の水位に応じて、N=0.02(個/mm)×水位(m
m)で得られる数の±20%以内の個数とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主として、発電用蒸
気タービンプラントあるいは発電用ガスタービンコンバ
インドサイクルプラント(以下、蒸気タービンプラント
と総称する)に適用される復水器およびその起動方法に
係り、特に給水あるいは復水器貯水中に含まれる溶存酸
素を脱気するための加熱脱気の技術の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸気タービンプラントにおける復水器の
主な役割は、蒸気タービンの排気蒸気を受け入れ、この
蒸気を凝縮して一旦貯水し、再び排熱回収ボイラ(HR
SG)に給水できる状態にすることである。この排熱回
収ボイラに給水できる状態にすることの中で重要事項の
一つとして、水中の溶存酸素濃度を基準値以下にするこ
とが挙げられ、以下、この点について説明する。
【0003】図10は、蒸気タービンプラントの一例と
して、従来知られている一般的なガスタービンコンバイ
ンドサイクルの復水器周辺の系統構成を概略的に示して
いる。この図10に示すプラントでは、燃焼器1、圧縮
機2、ガスタービン3を備え、これらの回転軸4は、蒸
気タービン5の回転軸6と連結され、発電機7に回転動
力を与えるようになっている。蒸気タービンの排気蒸気
は復水器8に導入され、内部の管群9の表面にて、海水
ポンプ10より汲み上げられた海水で冷却されて凝縮す
る。凝縮した水はホットウエル11に貯水された後、給
水ポンプ12を有する配管系統13を通して排熱回収ボ
イラ14に送られる。この配管系統13には、蒸気ター
ビン5の回転軸部(グランド部)を外部からシールする
蒸気を凝縮させるグランド蒸気復水器15が配置され
る。また、復水器内の空気を外部に排気する真空排気装
置16が設けられる。
【0004】復水器8のホットウエル11への貯水中に
は様々な原因により酸素が溶解する。例えばプラント停
止時に復水器8中に外部から空気を導入して大気圧力状
態に戻すことによって大気中の酸素が溶解する。また、
プラント停止中に復水器8内の真空排気装置を運転し続
けたとしても、蒸気タービン5からの蒸気が復水器8に
流入しない状態では復水器8内の貯水の温度が低下し、
貯水の温度に対する飽和圧力は真空排気装置の能力以下
の圧力にまで低下する。この場合、真空排気装置16の
到達能力の圧力と水蒸気の飽和圧力との差に相当する分
圧だけ空気が侵入し、貯水中に空気中の酸素が溶解す
る。
【0005】また、プラント運転中には、プラントの系
統外に水や蒸気の形で供給した分を補給する補給水中に
相当な濃度の酸素が溶解したまま復水器8内に持ち込ま
れる。さらに、蒸気タービン5のグランドシール蒸気の
復水中にも酸素が溶解して復水器8内に持ち込まれる。
これらの酸素の大部分は最終的に真空排気装置16によ
り一部の水蒸気と共に復水器8外に排出される。
【0006】近年のガスタービンコンバインドサイクル
発電プラントでは、毎日の電力需要の変化にあわせて運
転・停止を繰り返すDSS(DAILY START STOP)運用が
なされている。このため、起動に要する時間の短縮は必
然の課題であって、これまで各種の技術開発が行われて
きた。
【0007】ガスタービンコンバインドサイクル発雷プ
ラントの起動時間を左右する要因の一つとして、前述の
ように蒸気タービンサイクル側の排熱回収ボイラ14へ
の給水(以下、HRSG給水)中の溶存酸素濃度の基準
値達成時間が挙げられる。すなわち、給水中に溶存酸素
が多く含まれていると、発電プラント構成機器が電気化
学的反応などにより腐食されるため、給水中の溶存酸素
濃度はできるだけ低い値に管理される。現在の大容量の
発電プラントにおいては、HRSG給水中の溶存酸素濃
度の基準値は7ppb以下に設定されている。起動時に
は、短時間に限って若干高い濃度を許容する基準が設定
されている例もあるが、プラント運転中は常に給水中の
溶存酸素濃度をこれらの基準値以下に維持しなければな
らない。
【0008】給水は主として復水器8のホットウエル1
1に貯水されており、この貯水中には前述のように、プ
ラント停止中に復水器8が大気解放状態とされたり、大
気解放されない場合でも貯水が冷えて真空排気装置16
の能力以上に貯水の飽和圧力が低下した場合に、復水器
8の内部に空気が進入して相当濃度の酸素か溶解する。
このように多量の酸素を含んだ給水をHRSG給水とし
て排熱回収ボイラ14に送ると、その排熱回収ボイラ1
4の構成部材の腐食が進行してしまうので、送給前に脱
気装置にて脱気することが必要となる。
【0009】脱気装置は、給水中の溶存酸素を、酸素以
外のガスとの直接接触による溶解度非平衡反応で脱気す
るための装置である。この脱気のためのガスとして、発
電プラントでは主として水蒸気が多用されている。コン
バインドサイクルプラントでは従来から復水器8内に脱
気装置を設けて脱気する方法が考え出されている。
【0010】例えば、特開昭60−57191公報や特
開平5−79776公報に記載の復水器では、ホットウ
エルの上方に天井板を配置するとともに、ホットウエル
に給水の流路と加熱装置とを設け、管群の上部または下
部にスプレーを設け、ホットウエルの貯水を管群の上部
または下部との間で循環させて脱気する構成となってい
る。なお、ホットウエルに天井板を設けたり、ホットウ
エル水に蒸気や過熱水を注入して脱気する構成について
は、USパテント4776170にも見られる。
【0011】これらの構成に共通な点は、ホットウエル
内に貯水の循環の流路を構成して、ホットウエル水を還
流させる経路の一部となし、その還流経路のごく一部に
集中して加熱脱気する装置を配置していることである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このような構成を有す
る従来の復水器内蔵型加熱脱気装置では、以下に示す不
都合な点があった。
【0013】脱気装置の貯水中蒸気噴出孔か相互に接近
し過ぎているために、隣接する孔からの噴出す蒸気が干
渉し、合体して大気泡となり、加熱の効率が悪くなった
り蒸気噴出管の表面にエロージョンを生じることがあっ
た。
【0014】また、脱気のための蒸気や加熱水を、ごく
限られた部分に集中して投入することで貯水を加熱して
いるために、加熱部の水温が上がり過ぎて、蒸気が凝縮
しきれずに水面から抜けてしまい、加熱に寄与しないで
無駄に消費されてしまう部分があった。
【0015】さらに、脱気のための蒸気や加熱水を、ご
く限られた部分に集中して投入することで貯水を加熱し
ているために、他の貯水部分との間に大きな温度差が生
じ、この温度差が環流経路の中で拡散しきれず温度分布
として残り、溶存酸素濃度の分布が生じることがあっ
た。
【0016】さらにまた、起動時の真空上昇過程で貯水
の水温が加熱部通過の途中で復水器内圧力に対する飽和
温度以上となると、その下流の残りの加熱部では凝縮し
きれない大量の蒸気が集中して水面から抜けていくよう
になり、環流経路の流動の不安定やホットウエル水面の
動揺が生じ、ホットウエル水面のレベル制御に不調を来
していた。
【0017】また、加熱部において貯水温度が復水器内
圧力の飽和温度に達すると、それ以上温度が上がらず、
蒸気は水面から抜けていくが、まだ環流経路を通過中の
水に対しては蒸気が何も作用しないで無駄に消費されて
いた。
【0018】また、プラント停止中も復水器内の真空状
態を維持して次回のプラント起動を行うプラント運用方
法において、蒸気を注入して貯水を加熱しようとして
も、復水器内の圧力に対する飽和温度以上の高温とはな
らないため、脱気の効率が低かった。
【0019】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、その目的は、従来形式の復水器内蔵型加熱脱気
装置の不合理な点を解消でき、また流動の不安定や水面
動揺を防止でき、しかも、需要先へ給水可能な溶存酸素
濃度とするまでの所要時間を短縮でき、さらに、構成が
簡素で空間部を多く必要とせず、コンパクトでかつ経済
的な復水器と、この復水器を起動する方法とを提供する
ことにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め、請求項1の発明は、蒸気タービンプラントのタービ
ン排気水蒸気を受け入れ、その蒸気を凝縮させる管群を
有する復水器本体と、前記管群の下方に設けられ、凝縮
水を貯水するホットウエルと、このホットウエルから水
を取り出し、前記復水器本体内の別の場所に環流させる
還流系統と、前記ホットウエルでの貯水水位が低下した
ときに外部から水を補給する水補給系統と、前記復水器
本体内の気体を排気する真空排気系統と、前記ホットウ
エルに配置され、貯水中に外部から導かれた水蒸気を噴
射する蒸気噴射孔付きの蒸気噴射管とを備えた復水器に
おいて、前記各蒸気噴射孔の径は5mm以下で、かつ隣接
する蒸気噴射孔が相互に40mm以上の間隔で配置された
一群のものとして構成し、この群を間隔1000mm以
上、かつ1500mm以下の略均等な間隔で貯水中に一群
または複数群配置し、その一群の孔数Nを貯水の水位に
応じて、N=0.02(個/mm)×水位(mm)で得られ
る数の±20%以内の個数としたことを特徴とする。
【0021】本発明によれば、蒸気の噴出孔の径を5mm
以下とすることにより、その孔からの蒸気の噴出流量に
対して圧力損失を十分大きく確保でき、必要以上の蒸気
の噴出を制限する作用が得られる。また、所要の噴出蒸
気流量に対して十分な噴出速度を確保し、噴き出し周囲
の水に十分な運動量を伝達して水の流動を促す作用も得
られる。
【0022】また、隣り合う蒸気の噴出孔の相互間隔を
40mm以上確保することにより、噴き出されたあとの蒸
気がその周囲の水を蒸気の流れに巻き込み易くなり、隣
り合う噴出孔からの蒸気同士の合流および合体などを防
止することができる。
【0023】さらに、これらの孔1個または複数個をも
って噴出孔の集合群となすことで、蒸気噴流が水に与え
る運動量を大きくして水の活発な流動を促すことができ
る。また、この群を間隔1000mm以上、かつ、150
0mm以下の略均等な間隔で貯水中に一群または複数群配
置することにより、運動量を与えられた水が慣性力で自
由に流動する空間を確保し、水の大きな対流流動を形成
することができる。また、一群の孔数Nを貯水の水位に
応じて、Ν=0.02(個/mm)×水位(mm)で得られ
る数の±20%以内の個数とすることで、各群のそれぞ
れの噴出孔の周囲への対流による水の供給を確保し、水
温の必要以上の局所的な上昇を防止し、水の適正な温度
上昇と蒸気気泡の適正な分散を確保することができる。
【0024】請求項2の発明は、請求項1記載の復水器
において、ホットウエル貯水を、復水器本体内の別の場
所に環流させる還流系統のホットウエル貯水の戻り位置
を、ホットウエル水取り出し位置から遠く離れた複数の
部位とすることにより、その還流水をホットウエル水中
に分散させて戻すとともにホットウエル貯水と合流させ
る構成としたことを特徴とする。
【0025】本発明によれば、ホットウエル水の環流経
路で加熱または冷却された水がホットウエルの貯水とよ
く混合してホットウエル水の温度と近似した温度となる
ので、局所的に大きな温度差が生じることを防止するこ
とができる。また、ホットウエル水の取り出し口から遠
い位置に戻すことによってホットウエル水全体の移動を
促し、より均一な温度上昇を実現することができる。
【0026】請求項3の発明は、請求項1記載の復水器
において、水補給系統は、蒸気タービンプラントの起動
運転中にはホットウエル水取り出し位置から遠く離れた
複数の部位のホットウエル水中に補給水を分散させて流
入させ、蒸気タービンプラントの通常負荷運転中には管
群の上部に流入させた後にホットウエル貯水と合流させ
る構成としたことを特徴とする。
【0027】本発明によれば、蒸気タービンプラントが
起動運転中には、ホットウエル水と異なる温度(通常は
低い温度)で流入する補給水を分散してホットウエル水
に混合させることによって温度分布を平均化し、局所的
に大きな温度差が生じることを防止することができる。
また、蒸気タービンプラントが通常運転中には管群部に
補給水を分散させて供給することにより、タービン排気
蒸気およびその凝縮水と管群中で混合させ温度を平均化
して、ホットウエル貯水の温度分布発生を防止すること
ができる。このように、タービンプラントの運転状態に
応じて補給水の流入場所を適切に変化させ、復水器貯水
中における大きな温度分布の発生を防止することができ
る。
【0028】請求項4の発明は、請求項1または2記載
の復水器において、複数の噴出孔の群を復水器ホットウ
エル水の環流取り出し口と戻り位置との間のホットウエ
ル水中に三角形配列で配置したことを特徴とする。
【0029】請求項5の発明は、請求項1または2記載
の復水器において、略水平方向に蒸気を噴き出す噴出孔
の群と、略鉛直上方に蒸気を噴き出す噴出孔の群とを交
互に配置したことを特徴とする。
【0030】請求項6の発明は、請求項1または2記載
の復水器において、噴出孔の群と、これに隣接する別の
噴出孔の群との間に、ホットウエルの底部から鉛直に水
面より上まで伸びる仕切り板を設けたことを特徴とす
る。
【0031】これら請求項4〜6の発明によれば、蒸気
のホットウエル水中への噴流によって誘起された水の流
動をより活発にして対流を促進し、撹拌混合によりホッ
トウエル水温度の均一な上昇や溶存酸素濃度の均一な低
下を確実にする作用が得られる。
【0032】請求項7の発明は、請求項1記載の復水器
を備えた蒸気タービンプラントの運転停止後、その復水
器の真空排気系統の運転を維持継続させて一定時間保持
した状態から再度タービンプラントを起動する際の復水
器の起動方法であって、前記復水器のホットウエル貯水
中に蒸気を注入するとともに、復水器外部から空気を導
入して復水器内部圧力を上昇させ、一定のホットウエル
貯水温度到達後に空気の導入を停止することを特徴とす
る。
【0033】請求項8の発明は、復水器を備えた蒸気タ
ービンプラントの運転停止後、その復水器の真空排気系
統の運転を維持継続させて一定時間保持した状態から再
度タービンプラントを起動する際の復水器の起動方法で
あって、前記復水器のホットウエル貯水中に蒸気を注入
するとともに、復水器外部から窒素ガスを導入して復水
器内部圧力を上昇させ、一定のホットウエル貯水温度到
達後に窒素ガスの導入を停止することを特徴とする。
【0034】請求項9の発明は、真空排気系統に1台以
上の真空排気装置を有する請求項1記載の復水器を備え
た蒸気タービンプラントの運転停止後、その復水器の真
空排気系統の運転を維持継続させて一定時間保持した状
態から再度タービンプラントを起動する際の復水器の起
動方法であって、前記復水器のホットウエル貯水中に蒸
気を注入するとともに、復水器の真空排気系統に属する
真空排気装置の運転台数を減少させて復水器内部圧力を
上昇させ、一定のホットウエル貯水温度到達後に真空排
気装置の運転台数を増加させることを特徴とする。
【0035】請求項10の発明は、真空排気系統に1台
以上の真空排気装置を有する請求項1記載の復水器を備
えた蒸気タービンプラントの運転停止後、その復水器の
真空排気系統の運転を維持継続させて一定時間保持した
状態から再度タービンプラントを起動する際の復水器の
起動方法であって、前記復水器のホットウエル貯水中に
蒸気を注入するとともに、管群への冷却水通水を停止し
て復水器内部圧力を上昇させ、一定のホットウエル貯水
温度到達後に管群への冷却水の通水を再開することを特
徴とする。
【0036】これら請求項7〜10の発明によれば、復
水器内の圧力をホットウエル貯水の温度に対する飽和圧
力以上に上昇させることによって、ホットウエル貯水中
に注入した蒸気を凝縮させ、貯水温度を効果的に上昇さ
せることができる。また、一定温度までホットウエル貯
水温度を上昇させた後に復水器内圧力の上昇を停止する
ことによって、その後、復水器内の圧力を真空排気装置
の能力全体まで低下させ、圧力の低下に伴うホットウエ
ル貯水の減圧沸騰を発生させるので、ホットウエル貯水
中の溶存酸素を短時間で脱気させることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0038】第1実施形態(図1〜3) 図1は本実施形態による復水器の加熱・脱気装置部およ
びその周辺の配管系統の一部を示す概略構成図である。
また、図2は図1における復水器のA−A矢視図であ
り、図3は図1における蒸気噴射管の一部を取り出して
拡大した図である。
【0039】図1および図2に示すように、本実施形態
の復水器21では、外部から復水器本体22の内部に水
蒸気を送給する蒸気供給配管23が設けられ、この蒸気
供給配管23は復水器本体22の内部で蒸気分配管23
aを介して複数の管部に分岐している。この分岐管部の
末端が、復水器本体22の管群24下方のホットウエル
25の貯水26内に鉛直上方から底部付近にまで延び、
直径60mmの蒸気噴射管27となっている。なお、24
aは管群24への冷却水入口、24bは管群24からの
冷却水出口である。
【0040】蒸気噴射菅27の先端は図3に示すよう
に、栓28によって閉止されており、管先端付近の側面
に直径5mmの蒸気噴射孔29が設けられている。これら
の蒸気噴射孔29は、蒸気噴射管27の同一円周上に角
度90度おきに4個配列され、また鉛直方向に40mm離
して4段配列されている。なお、各段の蒸気噴射孔29
の位置は45度ずれている。したがって、1本の蒸気噴
射管27の孔数は16個となり、この蒸気噴射管27
が、復水器本体22のホットウエル25内に長手方向で
1200mm、幅方向で1200mmの間隔をもって貯水2
6中に24本配置されている。
【0041】また、図1に示すように、ホットウエル2
5の出口箱30を介して水を取り出し復水の需要先に送
り出す手段として復水ポンプ31が設置され、この復水
ポンプ31の下流には、復水器21内の別の場所にホッ
トウエル貯水を環流させる還流配管32が接続されてい
る。この環流水の復水器21内への戻り位置には多孔管
33が設けられ、この多孔管33は、出口箱26から遠
く離れた位置のホットウエル貯水内部に配置されてい
る。
【0042】さらに、ホットウエル25での貯水水位が
低下したときに外部から水を補給する水補給系統34が
設けられ、その補給水の復水器21への第1の流入場所
に配された多孔管35は環流配管32の多孔管33に近
接して配置されている。なお、水補給系統34には復水
器21への第2の流入場所として菅群24の上部が設定
され、この部位にも多孔管36が配置されている。これ
らの流入場所の切り替えのため、水補給系統34の各補
給水配管の途中に止め弁等のバルブ37,38が設置さ
れている。
【0043】また、復水器21内に空気を流入させる空
気流入系統39が設けられ、固定オリフィス40により
大気圧と復水器21内との圧力差に応じた流量の空気を
流入させるようになっている。そして、復水器21内の
真空を維持した状態から蒸気タービンプラントの起動を
行う際には、この空気流入系統39の止め弁41を開
き、また蒸気をホットウエル25の貯水26内に注入し
てホットウエル貯水温度が別途定められた所定の温度に
到達した後に、この止め弁41を閉じるように制御系統
を構成してある。
【0044】なお、空気流入系統39から復水器21内
に空気を導入する代わりに、窒素ガスを導入するように
してもよい。
【0045】また、空気流入系統39から復水器21内
に空気や窒素ガスを導入する代わりに、真空排気系統4
2に接続された真空排気装置43の運転台数を減らし、
自然に流入する空気によって復水器21内の圧力を上昇
させた後、再び真空排気装置43の運転台数を元に戻す
ように制御装置または手動操作によって運転してもよ
い。
【0046】さらに、復水器21が所属する蒸気タービ
ンプラントが運転停止後、復水器21の真空排気系統4
2の運転を維持継続させ、一定時間保持した状態から再
度蒸気タービンプラントを起動する際に、ホットウエル
25の貯水26中に蒸気を注入するとともに、管群24
への冷却水通水を停止して復水器21の内部圧力を上昇
させ、一定のホットウエル貯水温度到達後に管群24へ
の冷却水の通水を再開するように運転してもよい。
【0047】以上の構成を有する本実施形態では、蒸気
供給配管23から蒸気噴射管27に至る構成により、各
蒸気噴射孔29に平均的に蒸気を分配してホットウエル
25の貯水26に水平面内および鉛直面内に均等に蒸気
あるいは温度の高い蒸気凝縮水を分散させ、速やかに、
より均等にホットウエル貯水の温度を上昇させることが
できる。これは、蒸気噴射孔29での適切な圧力損失と
蒸気速度とによって確保され、また蒸気噴出流量を狭い
領域に過度に集中させない蒸気噴射孔29の数の制限
と、隣接した蒸気噴射孔29相互間の適切な距離と、蒸
気噴き出し領域間の適切な距離によって水の流動を確保
した結果実現されたものである。
【0048】凝縮を伴う蒸気噴き出し部分の要素試験に
よると、蒸気噴射孔29の直径が5mmの場合、噴き出し
圧力損失は噴射される蒸気の動圧の1乗にほぼ比例して
増大するが、蒸気噴射孔29の直径が10mmの場合には
蒸気の動圧の1乗より小さい増大率しか得られない。こ
れは、蒸気流量を増した場合に蒸気分配管系統23aの
圧力損失の増大率の方が大きくなることを意味し、複数
の蒸気噴射管27への蒸気の分配にばらつきが出て均一
な分配が得られなくなることになる。したがって、蒸気
噴射孔29の直径は5mm程度もしくはそれ以下の直径で
あることが必要である。
【0049】また、噴き出し部の観察結果によると、水
の温度がその付近の圧力の飽和温度に近い場合には、噴
き出された蒸気は複雑な形状で局所的あるいは全体的に
短周期で変形する気泡領域を形成し、気泡領域の一部
は、蒸気噴射孔29の周囲の蒸気噴射管27の表面に半
径10mm〜20mmの付着領域を形成する。こうなると、
隣接した蒸気噴射孔29の気泡領域と干渉し、蒸気の凝
縮がますます阻害されるようになり、加熱の効率が低下
する。したがって、隣接する気泡は相互に40mm以上の
間隔を保つ必要がある。
【0050】本実施形態の加熱手段を用いた場合の貯水
中の温度分布については、本実施形態の一部をモデル化
した試験装置で実測した結果によると、蒸気噴射管27
から水平方向に約600mm離れた位置では、水面から約
50mm下、底面から約50mm上、およびその間の2点の
合計4点の温度計測位置での相互の温度差はわずか1℃
程度以内であり、また、蒸気噴射管27から水平方向に
約1500mm離れた位置では、底面から50mm上の温度
が最も低い値を示し、それは、全温度計測点での最も高
い温度計測値より3.4℃程度低かった。
【0051】したがって、温度分布を1℃程度以内に収
めるためには蒸気噴射管27の相互の距離は1000mm
程度から1500mm程度の範囲が最適である。これ以上
離れると温度分布が大きくなり、また、これ以上近付け
ると蒸気噴射管27の本数が多くなり、コスト的に不利
となる。
【0052】また、ホットウエル25の出口箱30から
復水ポンプ31、還流配管32を通じて復水器21への
戻り位置の多孔管33に至る構成では、ホットウエル水
の環流経路で加熱または冷却された水がホットウエル2
5の貯水26とよく混合して、貯水26の温度と近似し
た温度となるので、局所的に大きな温度差が生じること
を防止することができる。さらに、別の作用として、ホ
ットウエル水全体の流動を促し、ホットウエル水の循環
混合を促進する。前述のモデル試験によると、貯水26
の環流を行った場合には、蒸気噴射管27から水平方向
に約1500mm離れた位置での底面から50mm上の温度
計測点の計測値が、全温度計測点での最も高い温度計測
値より約1.7℃低いだけに止まり、ホットウエル環流
水の温度平準化の効果が大きいことが確認された。
【0053】また、水補給系統34のバルブ37,38
および多孔管36の構成では、蒸気タービンプラントの
起動運転中には、ホットウエル水と異なる温度(通常は
低い温度)で流入する補給水を分散してホットウエル水
に混合させることによって温度分布を平均化し、局所的
に大きな温度差が生じることを防止することができる。
また、蒸気タービンプラントの通常運転中には管群24
部に補給水を分散させて供給することにより、タービン
排気蒸気およびその凝縮水と管群24中で混合させて温
度を平均化し、ホットウエル貯水の温度分布発生を防止
することができる。さらに、蒸気タービンプラントの運
転状態に応じて補給水の流人場所を適切に変化させるこ
とかできるので、ホットウエル25の貯水26中におけ
る大きな温度分布の発生が効果的に防止するできるよう
になる。
【0054】また、復水器21内に空気(または窒素ガ
ス)を流入させる空気導入系統39、オリフィス40お
よび止め弁41の構成、ならびに真空排気装置43の運
転台数を変化させる運転操作方法では、蒸気タービンプ
ラントが停止中で、かつ復水器21内の真空を維持され
た状態から、復水器21内の圧力をホットウエル25の
貯水26の温度に対する飽和圧力以上に上昇させること
によって、ホットウエル貯水中に注入した蒸気を凝縮さ
せ、貯水温度を効果的に上昇させることができる。
【0055】また、一定温度までホットウエル貯水温度
を上昇させた後に、復水器21内への空気または窒素ガ
スの導入を停止することによって、その後復水器21内
の圧力を真空排気装置43の能力全体まで低下させ、圧
力の低下に伴うホットウエル貯水の減圧沸騰を発生さ
せ、ホットウエル貯水中の溶存酸素を短時間で脱気させ
ることができる。
【0056】また、管群208への冷却水の通水を停止
することにより、管群24への蒸気の凝縮を停止させ、
ホットウエル水中に注入する蒸気によってホットウエル
25の貯水26の温度および復水器21内の圧力を上昇
させることができる。その後、一定温度までホットウエ
ル25の貯水26の温度を上昇させた後、管群24への
冷却水の通水を再開することにより、復水器21内に充
満した蒸気の管群24への凝縮を再開させて復水器21
内の圧力を低下させ、圧力低下に伴う貯水26の減圧沸
騰を発生させて、ホットウエル貯水中の溶存酸素を短時
間で脱気させることができる。
【0057】以上の第1実施形態によれば、復水器21
内のホットウエル25の貯水26の温度を均一にむらな
く上昇させることができるので、同じ蒸気流量でもホッ
トウエル貯水温度の上昇効率が高く、かつ、ホットウエ
ル貯水中の溶存酸素の脱気に要する時間が短縮できる効
果がある。それは、脱気現象を律速する水や酸素の物理
的性質は温度が高い方が脱気を促進する方向になるから
である。また、温度を均一にすることは、ホットウエル
25の貯水26の表面での局所的な低温度部分をなく
し、復水器21内に残留している空気成分のホットウエ
ル貯水への溶解を防止することができることにつなが
る。また、広い範囲に平均的に蒸気を分散させることに
より、局所的に大量の蒸気が液面から抜けていくことが
ないので、ホットウエル液面の動揺も少なく、ホットウ
エル貯水の環流系統の流動の不安定やホットウエル貯水
の液面制御の不安定の発生を抑制する効果を高めること
ができる。
【0058】第2実施形態(図4〜図7) 図4は、本実施形態による復水器の加熱・脱気装置部お
よびその周辺系統を示す概略構成図である。また、図5
は図4におけるB−B矢視図であり、図6は図4におけ
るC−C矢視図である。図7(A),(B)は、図4に
おける蒸気噴射管の一部を示す説明図である。
【0059】本実施形態では図4〜図6に示すように、
復水器21に外部から水蒸気を送給する蒸気供給配管2
3が蒸気分配管23aを介して複数の管部に分岐し、そ
の分岐管部の末端はそれぞれ復水器21のホットウエル
25の底部付近に水平に、かつ互いに1000mmの間隔
で配設された複数の円管からなる蒸気噴射管27となっ
ている。これらの蒸気噴射管27の側面には、図7
(A),(B)に示すように、直径5mmの蒸気を蒸気噴
射孔29が設けられ、それらの孔の配列は蒸気噴射管2
7の断面から水平方向と±20度の角度で2個、長手方
向に40mm離して4個配列されている。したがって、近
接した一群の孔数は16個となり、この一群の蒸気噴射
孔29が蒸気噴射管27の長手方向に1000mmの間隔
で管全長にわたって配置されている。
【0060】また、各蒸気噴射管27相互間位置には、
これらの蒸気噴射管27と平行にホットウエル25の底
面から貯水26の水面上に伸びる仕切り板44が配置さ
れ、また出口箱側には邪魔板49が配置されている。他
の構成については第1実施形態と略同様であるから、図
4等に図1等と同一符号を付して説明を省略する。
【0061】このような構成の第2実施形態によって
も、蒸気噴射孔29での適切な圧力損失と蒸気速度によ
って各蒸気噴射孔29に平均的に蒸気を分配してホット
ウエル25の貯水26に水平面内および鉛直曲内に均等
に蒸気あるいは温度の高い蒸気凝縮水を分散させ、速や
かに、より均等にホットウエル貯水の温度を上昇させる
ことができる。また、蒸気の噴さ出し流量を狭い領域に
集中させない蒸気噴射孔29の数の制限と、隣接した蒸
気噴射管29間の適切な距離と、蒸気噴き出し領域間の
適切な距離によってホットウエル水の安定な対流を確保
することができる。
【0062】また、仕切り板44は、蒸気噴射孔29か
ら噴射された蒸気の影響で水平方向の運動量を伝達され
た水の流動を鉛直上方に方向変換させ、ホットウエル2
5の貯水26の水面と底面との間で循環する水の対流を
形成させる。
【0063】したがって、本実施形態によれば、第1の
実施の形態と同様に、復水器21内のホットウエル25
の貯水26の温度を均一にむらなく上昇させることがで
きるので、同じ蒸気流量でもホットウエル貯水温度の上
昇効率が高く、かつ、ホットウエル貯水中の溶存酸素の
脱気に要する時間を短縮できるとともに、温度を均一に
することによって、貯水26の表面での局所的な温度の
低い部分をなくし、復水器21内に残留している空気成
分のホットウエル貯水への溶解を防止することができ
る。また、広い範囲に平均的に蒸気を分散させことによ
り、局所的に大量の蒸気が液面から抜けていくことがな
いため、液面の動揺も少なく、ホットウエル25の貯水
26の環流系統の流動の不安定や貯水26の液面制御の
不安定の発生を効果的に抑制することができる。
【0064】第3実施形態(図4) 本実施形態は運転制御についてのもので、図4に示すよ
うに、復水器21内に空気を導入する空気導入系統39
に調節弁45が設けられるとともに、ホットウエル25
の貯水26の温度を計測する温度計測装置46および復
水器21内の圧力を計測する圧力計測装置47を備えて
いる。そして、これらの各計測装置46,47から出力
されるホットウエル貯水温度信号S1および復水器内圧
力信号S2は、制御装置48に入力され、この制御装置
48から出力される操作信号S3によって調節弁45を
操作するようになっている。
【0065】このような構成において、制御装置48
は、ホットウエル25の貯水26の温度の計測値をその
温度に対する水の飽和圧力に換算して復水器21の内部
圧力と比較し、常に復水器21内の圧力が貯水26の圧
力よりも0kPa〜2kPaだけ高くなるように調節弁
45に制御信号を出力し、ホットウエル貯水温度が別途
設定される温度に到達した後に、調節弁45を完全閉止
して空気の導入を停止する制御を行うようになってい
る。
【0066】本実施形態によれば、蒸気タービンプラン
トが停止中で、かつ復水器21内の真空を維持した状態
から、復水器21内の圧力をホットウエル25の貯水2
6の温度に対する飽和圧力以上に上昇させることによっ
て、ホットウエル貯水中に注入した蒸気を凝縮させ、ホ
ットウエル貯水温度を効果的に上昇させる作用が行われ
る。この際、復水器21内の圧力とホットウエル貯水温
度に対する飽和圧力との差を常に0kPa〜2kPaに
抑制することができるので、復水器21内での空気の必
要以上の拡散を防止し、ホットウエル貯水内への酸素の
溶解を防止することができる。
【0067】また、一定温度までホットウエル貯水温度
を上昇させた後に、復水器21内への空気の導入を停止
することによって、その後復水器21内の圧力を真空排
気系統42の能力いっぱいまで低下させ、圧力の低下に
伴う貯水の減圧沸騰を発生させ、ホットウエル貯水中の
溶存酸素を短時間で脱気させることができる。この際、
空気の分圧は0kPa〜2kPaに制限されているの
で、真空排気する空気量が少なく、速やかに復水器21
内の圧力が低下していく。
【0068】したがって、本実施形態では、復水器21
の真空状態を維持した状態から蒸気タービンプラントを
起動する際に、ホットウエル貯水の水蒸気注入による加
熱昇温を確実にすることができるとともに、余分な空気
の導入を制限することにより、ホットウエル貯水中の溶
存酸素の脱気を促進し、速やかにタービンプラントの起
動を完了することができる。
【0069】第4実施形態(図8、9) 図8は、本実施形態による復水器21のホットウエル2
5部を上方から見た構成図であり、図9(A),
(B),(C)は、蒸気噴射管27の一部を示す説明図
である。
【0070】図8に示すように、本実施形態では、蒸気
噴射管27がホットウエル25部に三角形状の配列で斜
め方向に略均等な間隔で配置されている。
【0071】また、図9に示すように、本実施形態の蒸
気噴射管27では、蒸気噴射孔29の配列が異なる組合
せとなっており、略水平方向に噴き出す蒸気噴射孔29
a(図9(B))と、略鉛直上方に噴き出す蒸気噴射孔
29b(図9(C))とが交互に配列されている。
【0072】これにより、噴射された蒸気によって運動
量を与えられたホットウエル水の流動がより活発化とな
り、水の撹拌や対流による混合を促進して、より均一な
ホットウエル水温の上昇と溶存酸素の脱気とを促進する
ようになっている。
【0073】本実施形態によれば、復水器21内のホッ
トウエル貯水の温度を均一に、かつむらなく上昇させる
ことができるので、同じ蒸気流量でもホットウエル貯水
温度の上昇効率を高め、かつホットウエル貯水中の溶存
酸素の脱気に要する時間を短縮することができる。ま
た、温度を均一にすることにより、ホットウエル貯水表
面での局所的な温度の低い部分をなくし、復水器2内に
残留している空気成分のホットウエル貯水への溶解を防
止することができる。さらに、広い範囲に平均的に蒸気
を分散させことにより、局所的に大量の蒸気が液面から
抜けていくことがないので、ホットウエル液面の動揺も
少なく、ホットウエル貯水の環流系統の流動の不安定や
ホットウエル貯水の液面制御の不安定の発生を効果的に
抑制することができる。
【0074】
【発明の効果】以上の実施形態で説明したように、本発
明によれば、タービンプラントの起動時におけるホット
ウェル貯水中の溶存酸素の脱気過程において、ホットウ
エル貯水中に蒸気を注入してホットウェル貯水温度を上
昇させる際に、平均的にむらなく温度を上昇させるの
で、蒸気を無駄に消費することがなく、ホットウエル貯
水温度の上昇速度も高めることができる。したがって、
ホットウエル貯水中の溶存酸素を所定濃度まで脱気する
に要する時間も短縮でき、プラントの起動時間の短縮が
図れる。
【0075】また、蒸気を狭い領域に大量に集中させる
ことがないので、蒸気が水面に抜けていくことに伴う流
動の不安定や、水面動揺が生じることがなく、安定な運
転を確保することができる。よって、タービンプラント
の起動を迅速化させ、発電所における起動のための蒸気
の消費を最小限にするので省エネルギー効果が拡大でき
る。
【0076】さらに、加熱および脱気のための追加設備
は、主としてこれまで特に空間的に利用されていないホ
ットウエルの水中を利用して配設することにより、加熱
脱気装置のために復水器を大きくする必要がなく、コン
バクトな復水器が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す復水器の断面。
【図2】第1図におけるA−A矢視断面図。
【図3】図1および図2における蒸気噴射管の一部を拡
大して示す図。
【図4】本発明の第2実施形態および第3実施形態を示
す復水器の断面図。
【図5】図4におけるB−B矢視断面図。
【図6】図4におけるC−C矢視断面図。
【図7】(A)は、図4,5,6に示した蒸気噴射管の
一部を拡大して示す図。
【図8】本発明の第4実施形態を示す復水器のホットウ
エル部の平面図。
【図9】(A)は図8に示した蒸気噴射管の一部を拡大
して示す図、(B),(C)はその軸直角方向断面図。
【図10】ガスタービンコンバインドサイクルの典型的
な系統を示す概略構成図。
【符号の説明】
21 復水器 22 復水器本体 23 蒸気供給配管 23a 蒸気分配管 24 管群 25 ホットウエル 26 貯水 27 蒸気噴射管 24a 冷却水入口 24b 冷却水出口 28 栓 29,29a 蒸気噴射孔 30 出口箱 31 復水ポンプ 32 還流配管(還流系統) 33 多孔管 34 水補給系統 35,36 多孔管 37,38 バルブ(止め弁) 39 空気流入系統 40 固定オリフィス 41 止め弁 42 真空排気系統 43 真空排気装置 44 仕切り板 45 調節弁 46 温度計測装置 47 圧力計測装置 48 制御装置 49 邪魔板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中条 光伸 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸気タービンプラントのタービン排気水
    蒸気を受け入れ、その蒸気を凝縮させる管群を有する復
    水器本体と、前記管群の下方に設けられ、凝縮水を貯水
    するホットウエルと、このホットウエルから水を取り出
    し、前記復水器本体内の別の場所に環流させる還流系統
    と、前記ホットウエルでの貯水水位が低下したときに外
    部から水を補給する水補給系統と、前記復水器本体内の
    気体を排気する真空排気系統と、前記ホットウエルに配
    置され、貯水中に外部から導かれた水蒸気を噴射する蒸
    気噴射孔付きの蒸気噴射管とを備えた復水器において、
    前記各蒸気噴射孔の径は5mm以下で、かつ隣接する蒸気
    噴射孔が相互に40mm以上の間隔で配置された一群のも
    のとして構成し、この群を間隔1000mm以上、かつ1
    500mm以下の略均等な間隔で貯水中に一群または複数
    群配置し、その一群の孔数Nを貯水の水位に応じて、N
    =0.02(個/mm)×水位(mm)で得られる数の±2
    0%以内の個数としたことを特徴とする復水器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の復水器において、ホット
    ウエル貯水を、復水器本体内の別の場所に環流させる還
    流系統のホットウエル貯水の戻り位置を、ホットウエル
    水取り出し位置から遠く離れた複数の部位とすることに
    より、その還流水をホットウエル水中に分散させて戻す
    とともにホットウエル貯水と合流させる構成としたこと
    を特徴とする復水器。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の復水器において、水補給
    系統は、蒸気タービンプラントの起動運転中にはホット
    ウエル水取り出し位置から遠く離れた複数の部位のホッ
    トウエル水中に補給水を分散させて流入させ、蒸気ター
    ビンプラントの通常負荷運転中には管群の上部に流入さ
    せた後にホットウエル貯水と合流させる構成としたこと
    を特徴とする復水器。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の復水器におい
    て、複数の噴出孔の群を復水器ホットウエル水の環流取
    り出し口と戻り位置との間のホットウエル水中に三角形
    配列で配置したことを特徴とする復水器。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の復水器におい
    て、略水平方向に蒸気を噴き出す噴出孔の群と、略鉛直
    上方に蒸気を噴き出す噴出孔の群とを交互に配置したこ
    とを特徴とする復水器。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載の復水器におい
    て、噴出孔の群と、これに隣接する別の噴出孔の群との
    間に、ホットウエルの底部から鉛直に水面より上まで伸
    びる仕切り板を設けたことを特徴とする復水器。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の復水器を備えた蒸気ター
    ビンプラントの運転停止後、その復水器の真空排気系統
    の運転を維持継続させて一定時間保持した状態から再度
    タービンプラントを起動する際の復水器の起動方法であ
    って、前記復水器のホットウエル貯水中に蒸気を注入す
    るとともに、復水器外部から空気を導入して復水器内部
    圧力を上昇させ、一定のホットウエル貯水温度到達後に
    空気の導入を停止することを特徴とする復水器の起動方
    法。
  8. 【請求項8】 復水器を備えた蒸気タービンプラントの
    運転停止後、その復水器の真空排気系統の運転を維持継
    続させて一定時間保持した状態から再度タービンプラン
    トを起動する際の復水器の起動方法であって、前記復水
    器のホットウエル貯水中に蒸気を注入するとともに、復
    水器外部から窒素ガスを導入して復水器内部圧力を上昇
    させ、一定のホットウエル貯水温度到達後に窒素ガスの
    導入を停止することを特徴とする復水器の起動方法。
  9. 【請求項9】 真空排気系統に1台以上の真空排気装置
    を有する請求項1記載の復水器を備えた蒸気タービンプ
    ラントの運転停止後、その復水器の真空排気系統の運転
    を維持継続させて一定時間保持した状態から再度タービ
    ンプラントを起動する際の復水器の起動方法であって、
    前記復水器のホットウエル貯水中に蒸気を注入するとと
    もに、復水器の真空排気系統に属する真空排気装置の運
    転台数を減少させて復水器内部圧力を上昇させ、一定の
    ホットウエル貯水温度到達後に真空排気装置の運転台数
    を増加させることを特徴とする復水器の起動方法。
  10. 【請求項10】 真空排気系統に1台以上の真空排気装
    置を有する請求項1記載の復水器を備えた蒸気タービン
    プラントの運転停止後、その復水器の真空排気系統の運
    転を維持継続させて一定時間保持した状態から再度ター
    ビンプラントを起動する際の復水器の起動方法であっ
    て、前記復水器のホットウエル貯水中に蒸気を注入する
    とともに、管群への冷却水通水を停止して復水器内部圧
    力を上昇させ、一定のホットウエル貯水温度到達後に管
    群への冷却水の通水を再開することを特徴とする復水器
    の起動方法。
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