JPH10323886A - 表皮材一体型ブロー成形品の製造方法 - Google Patents

表皮材一体型ブロー成形品の製造方法

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JPH10323886A
JPH10323886A JP7593498A JP7593498A JPH10323886A JP H10323886 A JPH10323886 A JP H10323886A JP 7593498 A JP7593498 A JP 7593498A JP 7593498 A JP7593498 A JP 7593498A JP H10323886 A JPH10323886 A JP H10323886A
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JP
Japan
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mold
skin material
parison
sheet
blow
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JP7593498A
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Inventor
Tadahiro Kaminari
忠宏 神成
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、ブロー成形品の表面改良法として簡
易な方法で表皮材をブロー成形品の表面に貼合した表皮
材一体型ブロー成形品を製造する方法を提供する。 【解決手段】平均厚さが100μm以上ある表皮材シー
トを開いた金型と有底パリソンの間に配置し、次いで予
備ブローしてパリソンの外側面を当該シート片に接触さ
せ、金型を閉じ、本ブローして賦形する表皮材一体型ブ
ロー成形品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表皮材一体型ブロ
ー成形品の製造方法に関するものであるが、詳しくは、
表皮材を部分を構成する表皮材シートを開いた金型とパ
リソンの間に配置して、有底パリソンを予備ブローして
シート片に接触させ、次いで金型を閉じて本ブローして
賦形し、表皮材一体型ブロー成形品を製造する方法であ
る。
【0002】
【従来の技術】ブロー成形品は、各種容器類のほか、近
年ではバンパー、スポイラー、トリム等自動車部品にも
用いられるようになってきた。しかし、外装部品の多く
は、塗装、メッキ等の表面処理加工が施されており、こ
れらの処理は、成形加工とは別に施す工程であり、省工
程による合理化の視点から成形加工と同時に表面処理も
行える表面処理加工の技術の開発が要望されている。
【0003】一方、ブロー成形法において、表面処理の
一方法として、表皮材と一体成形した製品が従来から使
用されてきたが、その多くはブロー成形品に表皮材を接
着剤等を使って貼付する2次加工法によるものであり、
これをブロー成形すると同時に一体成形する方法が、特
開平8−192460号公報に提案されている。この提
案は、予め、金型内に表皮材片を装填して、パリソンを
金型に挟んで一体化した化粧ボード板をつくるものであ
る。この金型内に表皮材を装填する方法は、予め予備成
形した表皮材を用いることが必要となるなど簡易な方法
とは言いがたい。
【0004】又、多層ブロー成形法による方法もある
が、最上層部の装飾に模様付けが困難である等の問題が
あり、又特殊な多層ダイスや複数の押出機を必要とし、
簡易な方法ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ブロー成形
品の表面改良法として簡易な方法で表皮材をブロー成形
品の表面に貼合した表皮材一体型ブロー成形品を製造す
る方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
につき鋭意検討した結果、以下に示す内容を要旨とする
本発明を完成させた。 (1)予備賦形していない平均厚さが100μm以上あ
る表皮材シートを開いた金型と有底パリソンの間に配置
し、次いで予備ブローしてパリソンの外側面を当該シー
ト片に接触させ、金型を閉じ、本ブローして賦形する表
皮材一体型ブロー成形品の製造方法。 (2)予備賦形していない平均厚さが100μm以上あ
る二枚の表皮材シートを開いた金型の間に、有底パリソ
ンを挟んで配置し、次いで予備ブローしてパリソンの外
側面を当該シート片に接触させ、金型を閉じ、本ブロー
して賦形する表皮材一体型ブロー成形品の製造方法。 (3)予備賦形していない平均厚さが100μm以上あ
る円筒形状の表皮材シートを開いた金型の間に配置し、
パリソンの底を予め溶着シールしたパリソンを該円筒状
表皮材シート内に押出して又は、パリソンを該円筒状表
皮材シート内に押し出して後その底を溶着シールした有
底パリソンを形成し、次いで予備ブローしてパリソンの
外側面を当該シート片に接触させ、金型を閉じ、本ブロ
ーして賦形する表皮材一体型ブロー成形品の製造方法。 (4)表皮材シートが少なくとも片面は着色されたシー
トである上記(1)〜(3)いずれかに記載された表皮
材一体型ブロー成形品の製造方法。 (5)表皮材シートが少なくとも片面は発泡層を有する
シートである上記(1)〜(3)のいずれかに記載され
た表皮材一体型ブロー成形品の製造方法。 (6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載された製造
方法において、パリソンの外側面を表皮材シート片に接
触させた後、型締め速度を多段階に変えて金型を閉じ、
本ブローして賦形する表皮材一体型ブロー成形品の製造
方法。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 〔ブロー成形機〕本発明に用いるブロー成形機として
は、典型的には単層パリソン成形機を使用することがで
き、特殊な仕様においては例えば表皮部以外でガスバリ
ヤー層を含む多層成形品用に多層パリソン成形機を使用
することができる。なお、好ましくは型締めの際に金型
の移動速度を多段階に変化させることができる制御機構
を有する成形機が使用される。
【0008】〔パリソン形成用樹脂〕本発明に用いるパ
リソン形成用樹脂としては、特に制限がないが典型的に
は高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、リニア−
低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、各種プロピレン
−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンとして、1
−ブテン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−
ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロペ
ンタン、ビニルシクロヘキサン等が挙げられる。)、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ABS
樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ナイロン、ポリカ
ーボネート等が挙げられる。更に、必要に応じて、これ
ら樹脂を2種以上を組合わせ、各種充填材(ガラス繊
維、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、マイカ、タルク
等)、着色剤、添加剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑
剤、帯電防止剤等)を配合して用いてもよい。
【0009】〔表皮材シート〕本発明に用いる表皮材シ
ートとしては、予備賦形していない単層シート品又は各
種化粧材を貼合した複層シート品のものを用いることが
できる。すなわち、芯材とよばれる層の上に各種の装飾
を施した化粧材たとえば、軟質ポリ塩化ビニルシート、
熱可塑性エラストマーシート、合成皮革シート、及び天
然繊維ないし合成繊維を用いた織布もしくは不織布のシ
ート、発泡ポリウレタン、熱可塑性シート等を単独で又
はこれらを組み合わせて多層に貼合した構造のものであ
る。
【0010】又、これらのシートは予備賦形してある必
要がない。すなわち、予備賦形とは、金型への装填やそ
の後の一体賦形を容易にするためにするものであり、本
発明に用いるシートにはこのような予備賦形を必須とし
てないのが特徴である。これらの各種のタイプの表皮材
シートの中にあって、スポイラー、バンパー等複雑な形
状を有する成形品に用いる表皮材シートとして、少なく
とも片面が着色されたシート品で、中でも特に着色多層
シート品が良好に仕上がり、好適に用いることができ
る。芯材の材質には、前記したパリソン用に用いる各種
熱可塑性樹脂を用いることができ、好ましくはパリソン
との溶融接着性がよく、リサイクル性の観点から同一材
質がよい。
【0011】又、クッション性と感触を重視する内装部
材用に少なくとも片面が発泡層を有するシート品を好適
に用いることができる。従来、射出成形法で行われてい
た発泡層を有する表皮材シートを一体化した成形品で
は、高い射出圧の溶融樹脂の充填によるダメージにより
その発泡層の多くが潰され、残存率(厚さの比)が40
%台という状況にある。それに対して本発明によれば、
発泡層へのパリソンの接触が低圧で行われることからそ
の発泡層の潰れはほとんどみられずその残存率90%台
である。本発明に用いる発泡層を有する表皮材シートと
して、パリソンに接触する面が特にポリオレフィン系の
樹脂を用いた発泡シートで、架橋したもので、外側の面
がポリ塩化ビニル樹脂シート等で貼合したものを好適に
用いることができる。
【0012】又、表皮材シートは、パリソンに平行に配
置したとき、充分な平坦性が維持される剛性があれば成
形可能であるから、そのために例えばシートの巻物を金
型とブロー成形機のダイスの中間に固定して、垂直にシ
ート端を下ろし、金型の下端の下側に固定すれば、シー
ト厚みが最小でも100μm以上あれば充分である。一
方、シートの厚みが100μmより薄ければ、賦形の段
階で皺が入りやすく、又コーナー部が伸びて薄くなりす
ぎ、地肌が現れるという不良現象が生じやすくなる。表
皮材シートは、平坦な面を有する連続して長尺に巻いた
もの(連続品)のほか、所定の大きさに裁断したシート
片(単葉品)、あるいは目的に応じて、円筒状のもの
(外面に化粧処理されたもの)であってもよい。特に、
円筒状の表皮材シートは、ボトル、スポイラー等筒状成
形品の周囲を切れ目なく、表皮材シートで覆うことが可
能であり、又、成形時の取扱いも単葉品と同様に扱うこ
とができる。
【0013】〔金型〕本発明に用いる金型は、特に制限
されないが、目的に応じて、例えば成形品を高光沢に仕
上げるには鏡面仕上げ(#1500、#2000)が有
効であるし、又成形品表面の転写性を向上させるには金
型表面が微細孔を有する焼結体が有効であるので適宜選
択される。 〔成形〕成形工程を以下、工程順を追って成形する。 (1)金型を開く。 (2)表皮材シートを金型とパリソンの間の位置に固定
する。なお、パリソンを所定の位置まで下ろしてから、
表皮材シートを金型とパリソンの間の位置に固定しても
よい。
【0014】巻物タイプの連続表皮材シートを使用する
場合は、当該巻物を金型の上部とブロー成形機のダイス
の間に、ローラ等を介在させて設置する(図1)。表皮
層のある面を金型側にして、シート面を金型の合わせ面
より間隙を設けて張り、その下端をピンチで固定する。
ただし、シート面の張りは、パリソンとともに金型の内
部に移動しやすくするように、緩やかに張るのが重要で
ある。単葉の表皮材シート片を使用する場合は、前記に
準じて上下端をピンチで固定する(図2)。円筒状の表
皮材シートも、同様に上下端をピンチ、環状サポータ等
で固定する(図3)。
【0015】(3)ブロー成形機を作動させ、パリソン
を所定の位置まで下ろし、ピンチバーを左右より接近さ
せてパリソンの底部を融着シールする。有底パリソンを
金型の下端より若干、下方位置にセットしてプリブロー
する。このプリブローにより、パリソンの側面を表皮材
の面に接触させる。本発明で、最も重要な操作であり、
このプリブローによってパリソンと表皮材シートの接触
がはじまり、パリソンと表皮材シートとの間の気泡を排
除するためにもプリブローによって膨らんだパリソンの
側面を表皮材シートの面に接触した時点で、シート面、
パリソンが揺れないようにスピードを落として静かに接
触させることに注意する必要がある。
【0016】(4)金型を閉じる。プリブローをした
後、パリソン内への空気の注入を止め、金型を閉じる操
作に入る。金型を閉じながら、表皮材シートとパリソン
の接触面を拡大しつつ、表皮材の金型内面との圧着を強
め、本格的賦形に入る準備をする。この金型操作では、
各製品形状に合った型締め速度を試行錯誤の中で、最適
な条件を見出し、操作することが望ましい。従って、本
発明では、多段階に型締め速度を制御できる機構を有し
た設備が好ましい。その制御機構も金型全体の開閉操作
ほか入れ子型等金型の一部の開閉操作を独立に或いは連
動して速度制御する場合も用いることができる。
【0017】この多段階型締め速度制御機構を有した設
備を使用する場合は、はじめに型締め速度を最低段階に
設定して、パリソンと表皮材が接触し、その後一体とな
って型内へ進展しいていく挙動を観察する。その両者の
進展速度が異なる現象を確認したら、その挙動に合わせ
た傾向の型締め速度パターンを設定する。その後、ブロ
ー成形実験によって表皮材の皺の発生や延伸ムラの有無
による外観評価をし、その結果を反映して再度、速度パ
ターンを設定し直すなど試行錯誤を繰り返して、成形品
のすぐれた外観を得るに最適な条件を見出す。
【0018】なお、型締め速度の多段階速度制御が果た
す役割は略楕円筒のパリソンと表皮材が一体となって無
理なく金型内へ進展させることにある。パリソンと表皮
材の進展挙動は、成形品の形状要因の影響が大であるた
め、例えば型締め速度が遅すぎてもパリソンからの熱を
受けて表皮材の色ムラや発泡つぶれの原因となり、又早
すぎても表皮材と金型又は表皮材とパリソンの間に発生
する気泡が抜けきれず、時に表皮材の皺となったり、コ
ーナー部の賦形不良となって現れるなど適当な型締め速
度パターンが必要となる。
【0019】初期設定に際しては、型締め速度を最低段
階にして、各段階で表皮材が金型内への巻き込まれてい
く速度を目視観察した後、成形品の外観を上記のように
型締め速度が原因する不良現象を見て、段階別速度パタ
ーンを初期設定する方法が有効であり、その他有限要素
法を用いた解析手法によりパリソンが金型内へ進展して
いく速度を求めて、その速度パターンを初期設定に用い
てもよい。
【0020】又、金型は、内面温度を20〜100℃、
好ましくは30〜80℃に温度調整する。金型の内面温
度が20℃より低ければ、表皮材シートに皺が入った
り、型転写性が低下するなど表皮材シートの賦形が良好
にできない場合がある。又、100℃より高くしても冷
却時間が長くなるだけで、成形サイクル時間が長くなる
なり好ましくない。
【0021】(5)ブロー成形する。金型が閉鎖された
後、パリソン内に空気を吹き込み、ブロー成形する。ブ
ローは、完全ブローであり、パリソンと表皮材シートを
一体化し、金型の内面に全面的に張りつけ、賦形する。 (6)冷却し、成形品の取り出す。ブロー操作終了後、
冷却時間を経て、金型を開き、成形品を取り出す。連続
表皮材シートを用いる場合は、金型を閉じる操作で、金
型の一部に設けた溶断バーで切断する等すれば、次ぎな
る工程への連続性が保てるなど有効である。
【0022】
〔実施例1〕
(1)ブロー成形機 単層ブロー成形機で、アキュームレータタイプの50m
mの押出機に、3段階の型締め速度制御を装備したブロ
ー成形機を用いて成形した。 (2)パリソン成形用樹脂として、下記2種類の樹脂を
用いた。 (2−1)ポリプロピレン IDEMITSU PP E185G(MI(230
℃、2.16kgf)0.3g/10分):100重量
% (2−2)ポリプロピレン複合材 ポリプロピレン:75重量% IDEMITSU PP E185G(MI(230
℃、2.16kgf)0.3g/10分) 高密度ポリエチレン:5重量% IDEMITSU HD 750LB(MI(190
℃、2.16kgf)0.03g/10分) タルク(850JS)20重量% を配合した樹脂を用いた。 (3)表皮材シート (3−1)AVERY社製の青色メタリク着色シート
(単葉) 最表皮層に透明なフッ素系樹脂、中間層が青色着色した
ホモポリプロピレン樹脂、最下層にポリプロピレン系熱
可塑性エラストマーからなる3層樹脂で各層の厚みが、
50μm、30μm、500μmである。 (3−2)AVERY社製の赤色メタリク着色シート
(単葉) 中間層を赤色着色した以外は前記(3−1)AVERY
社製の青色メタリック着色シートと同様である。 (4)金型 350×200×20〜25mmの中央部に段付きの中
空成形品(図4)用で、金型内面は#1500鏡面仕上
げである。
【0023】(5)成形 金型を開き、2枚の表皮材シートの上端および下端を
それぞれ4か所づつピンチで、挟み、固定した。表皮材
シートは、シート面が金型の合わせ面に平行に、金型の
合わせ面とパリソンの面の間の中間点にセットした。 ブロー成形機の成形条件は以下のとおりである。 樹脂温度:230℃ ダイスの径:100mm ダイリップ間隔:2mm 金型温度:50℃(型の表面温度) パリソンを押出、底を融着して後、プリブローを行っ
た。プリブローのスピードは予め、試行錯誤で掴んだ最
適な条件で行った。 プリブローにより、パリソンの側面が表皮材シートの
表面に接触して後、金型を閉鎖する操作に入った。金型
の閉鎖速度は、プリブローの速度と同様に、予め、試行
錯誤で掴んだ最適条件で行った。すなわち、金型の型締
め速度を3段階に制御し、速度パターンを変えて、表皮
材の皺と延伸ムラの発生の有無で予備評価して最適条件
を決定した。
【0024】図11〜13に速度パターンを示す。本実
験では、金型の移動速度の指標として、型締めの制御の
ための油圧制御オイルの流量比(%)(V)を用いた。
すなわち、速度パターンは型締め制御モニター上で、型
締め速度を型の移動位置(L)に応じて油圧制御オイル
の流量比(%)(V)で設定する。L0 は初期位置(金
型の開いた状態)、L1 〜L3 は初期位置から移動した
位置を示し、L1 はパリソンと表皮材が接触して賦形が
はじまる位置、L2 は表皮材と一体化したパリソンが金
型の内側壁面に接触する位置、L3 は更にパリソンが金
型内壁コーナー部に向かって進展した位置(金型が閉じ
た状態)とする。
【0025】速度パターンは、横軸に金型の移動位置
(L)、縦軸にオイルの流量比(V)を示す棒グラフの
右肩上がり、下がり、水平の3パターンで示す。その成
形予備評価を表1に示す。成形予備評価の結果は、図1
1の速度パターン(1)は良好であったが、他のパター
ンでは不良であり、速度パターンによる最適条件を把握
することができた。
【0026】
【表1】
【0027】金型を閉じた後、冷却して3分経過後、
金型を開いて成形品を取り出した。 (6)成形品評価 表面外観の評価により、形状の異常の有無、皺の発生の
有無、着色品の色むら、表皮材シートの部分的剥離の有
無を調べた。その結果は、両成形材料で成形した青色シ
ートを使用した成形品、赤色シートを使用した成形品と
も良好な一体ブロー成形品であった。
【0028】〔実施例2〕実施例1において、2枚の表
皮材シートに変えて1枚の表皮材シートを使用した以外
は同様に成形し、その成形品評価をした。その結果、両
成形材料で成形した中空体の片側にのみ被覆された赤及
び青の均一な外観の良好な一体ブロー成形品であった。
【0029】〔実施例3〕実施例1において、AVER
Y社製の青色メタリク着色シート品(単葉)と同赤色シ
ート品(単葉)のそれぞれ側端部をシール加工して円筒
状のシートを形成し、このシートを用いて角形ボトル
(200×100×400mm)(図5)を成形した以
外は同様に成形し、その成形品評価をした。その結果、
両成形材料で成形した中空体の全周に被覆された赤及び
青の均一な外観の良好な一体ブロー成形品であった。
【0030】〔実施例4〕実施例1において、表皮材シ
ートとして、共和レザー社製塩ビレザー付き発泡シート
品(軟質ポリ塩化ビニル層と架橋ポリプロピレン発泡層
で構成され、各層の厚みが0.5mmと3mmであ
る。)に変えて使用した以外は同様に成形し、その成形
品評価をした。その結果、両成形材料で成形した発泡層
の残存率(厚み比)は92%と高く、良好なクッション
性を維持し、均一な外観の良好な一体ブロー成形品であ
った。
【0031】〔実施例5〕実施例1において、箱型成形
品に変えて円筒状ビン(80φ×200mm)(図6)
を使用した以外は同様に成形し、その成形品を評価し
た。型締め速度パターンの予備評価結果は、表2に示す
が図13の速度パターン(3)が良好であることを示
す。実施例1で用いた箱型成形品の場合の最適パターン
とは異なるのは、形状要因と考えられる。
【0032】
【表2】
【0033】その結果、両成形材料で成形した青色シー
トを使用した成形品、赤色シートを使用した成形品とも
良好な一体ブロー成形品であった。
【0034】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、簡易な装置
で、表皮材シートを貼合させ、表面外観の良好なブロー
一体成形品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる連続表皮材シートのブロー成形
用機へのセット模式図パリソンの中心線より左側は金型
が閉じた図であり、右側は金型が開いた図である。
【図2】本発明の実施例1、2、4で用いた単葉の表皮
材シートの固定斜視図
【図3】本発明の実施例3で用いた円筒状の表皮材シー
トの固定斜視図
【図4】本発明の実施例1、2、4で用いた評価用成形
品サンプル斜視図
【図5】本発明の実施例3で用いた成形品サンプル角形
ボトル斜視図
【図6】本発明の実施例5で用いた成形品サンプル円筒
状ビン斜視図
【図7】本発明に用いる型締め速度可変型金型の初期位
置(型の開いた状態)を示す断面図
【図8】本発明に用いる型締め速度可変型金型のパリソ
ンと表皮材が接触して賦形がはじまる位置を示す断面図
【図9】本発明に用いる型締め速度可変型金型の表皮材
と一体化したパリソンが金型の内壁面に接触する位置を
示す断面図
【図10】本発明に用いる型締め速度可変型金型のパリ
ソンが金型内壁コーナー部に向かって進展した位置(金
型が閉じた状態)
【図11】実施例における型締め速度パターン(1)
【図12】実施例における型締め速度パターン(2)
【図13】実施例における型締め速度パターン(3)
【符号の説明】
1:表皮材連続シート巻き物 2:ガイドロール 3:送り出しロール 4:巻き取りロール 5:ダイス 6:金型 7:表皮材シート 8:パリソン 9:上部クリップ 10:下部クリップ 11:粘着剤付き支持バー 12:ブローピン L:350mm W:200mm H1: 20mm H2: 25mm M:200mm N:100mm P:400mm L0 :初期位置(金型の開いた状態) L1 :パリソンと表皮材が接触して賦形がはじまる位置 L2 :表皮材と一体化したパリソンが金型の内側壁面に
接触する位置 L3 :更にパリソンが金型内壁コーナー部に向かって進
展した位置(金型が閉じた状態)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 22:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予備賦形していない平均厚さが100μm
    以上ある表皮材シートを開いた金型と有底パリソンの間
    に配置し、次いで予備ブローしてパリソンの外側面を当
    該シート片に接触させ、金型を閉じ、本ブローして賦形
    する表皮材一体型ブロー成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】予備賦形していない平均厚さが100μm
    以上ある二枚の表皮材シートを開いた金型の間に、有底
    パリソンを挟んで配置し、次いで予備ブローしてパリソ
    ンの外側面を当該シート片に接触させ、金型を閉じ、本
    ブローして賦形する表皮材一体型ブロー成形品の製造方
    法。
  3. 【請求項3】予備賦形していない平均厚さが100μm
    以上ある円筒形状の表皮材シートを開いた金型の間に配
    置し、その底を予め溶着シールしたパリソンを該円筒状
    表皮材シート内に押出し又は、パリソンを該円筒状表皮
    材シート内に押出した後その底を溶着シールして有底パ
    リソンを形成し、次いで予備ブローしてパリソンの外側
    面を当該シート片に接触させ、金型を閉じ、本ブローし
    て賦形する表皮材一体型ブロー成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】表皮材シートが少なくとも片面は着色され
    たシートである請求項1〜3のいずれかに記載された表
    皮材一体型ブロー成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】表皮材シートが少なくとも片面は発泡層を
    有するシートである請求項1〜3のいずれかに記載され
    た表皮材一体型ブロー成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】上記請求項1〜5のいずれかに記載された
    製造方法において、パリソンの外側面を表皮材シート片
    に接触させた後、型締め速度を多段階に変えて金型を閉
    じ、本ブローして賦形する表皮材一体型ブロー成形品の
    製造方法。
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